和歌山、三重、奈良3県の行政や民間事業者などで構成される紀伊半島地域連絡意見交換会のメンバーらは2日、那智勝浦町を訪れ、一般社団法人那智勝浦観光機構(NACKT)が実施する「生まぐろ競り(入札方式)ガイドツアー」や現地を視察した。機構の南條絢子さんらがガイドを務め、参加した23人は勝浦地方卸売市場やにぎわい市場を巡り、生マグロの魅力に触れた。
意見交換会は一般財団法人奈良県ビジターズビューローが主体となり、行政やバス・鉄道事業者、観光地地域づくり法人(DMO)などが集まり設置。3県をまたいだ広域周遊・長期滞在の促進および紀伊半島としての海外プロモーションの展開や商品・ツアーの造成などを議論することを目的としている。
第1回は奈良、第2回は三重で実施され、和歌山での開催は初。1日は田辺市本宮町の世界遺産熊野本宮館で、令和4年度広域周遊促進事業実施状況や紀伊半島エリアブランド化に向けての話し合いが行われ、講演もあった。
2日は、観光分野の有識者である独立行政法人国際観光振興機構の蔵持京治理事長代理と株式会社Intheoryの村木智裕代表取締役も視察に加わった。
南條さんに加え、NACKT公認ガイドの山縣弘明さんと寺本亜衣さんも参加し、3班に分かれてツアーを行った。
一行は軽量無線機を取り付けて、活気ある市場の様子やマグロの入札、漁船を見学。南條さんらは、那智勝浦町で水揚げされるマグロの種類を紹介。はえ縄漁にも触れ、マグロに傷やストレスを与えず、持続可能な方法であるなどを解説した。
参加者はにぎわい市場に移動し、ツアーオプション「まぐろのっけ寿司体験」に取り組み、新鮮なマグロに舌鼓を打った。株式会社ヤマサ𦚰口水産の職員が、マグロや持続可能な資源の活用、取り組みを説明した。
和歌山県観光局観光交流課の板谷吉浩さんは「外国人観光客はサステナブルな観光を重視する。このツアーはインバウンド向けの商品として、絶好のコンテンツだと思う」と話した。
南條さんは「交換会の皆さまとつながることができ、ありがたい。観光のプロの方々にアドバイスを頂けた」。
ツアーについては「多人数の対応は初。良い経験になった。可能性のあるツアーだと思っている。今後はモデルチェンジも含め、試行錯誤しながら磨き上げていきたい」と語った。
その後、一行はNACKT職員の案内で那智山へ。続いて、熊野本宮大社や熊野速玉大社も視察した。
(2023年2月7日付紙面より)
もっと見る
折たたむ
別窓で見る