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大泰寺の一室で業務に励む社員ら=3日、那智勝浦町のTemple Hotel大泰寺
県内初の親子ワーケーション
太田小で児童受け入れ
那智勝浦町

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太田小
 和歌山県内初となる「親子ワーケーション」が現在、那智勝浦町で実施されている。1月29日~2月7日(火)に株式会社ガイアックス(東京都、上田祐司代表執行役社長)の社員らとその子ども計22人が同町に滞在。2、3の両日には、ワーケーションに同行中の児童2人を町立太田小学校(上地巳奈子校長、児童19人)へ受け入れ、交流学習が行われた。

 ワーケーションとは、「ワーク(労働)」と「バケーション(休暇)」を組み合わせた造語で、テレワークを活用して観光地やリゾート地など非日常の土地で仕事を行うこと。企業には労働者の生産性や心の健康を高めるメリットがあり、地域にとっては新たな旅行機会の創出や都市部との関係人口増加につなげるチャンスとなる。

 ガイアックスはソーシャルメディアサービス事業などを展開する企業で、リモートワーク普及に伴い、通勤圏外の地方や海外在住のメンバーが37%まで増加。一方、定期的にワーケーションを通じた交流機会を設けることで、部署・年次を横断した関係づくりや事業推進を目指している。

 今回は単身者だけでなく、子育て中のメンバーも交流へ参加してもらおうとプログラムを企画。那智勝浦観光機構も協力しており、観光庁の「ワーケーション推進事業」の企業と地域によるモデル実証事業にも採択されている。

 社員らは株式会社シェアウィングが展開する「OTERA STAY(お寺ステイ)」のサービスを利用し、2泊3日~6泊7日の日程で「Temple Hotel大泰寺」に滞在。居住地もライフスタイルもさまざまなメンバーが集まり、業務時間外の余暇活動として観光や田舎料理教室、ビーチクリーニングなどに参加する。

 太田小には、普段は奈良県橿原市で暮らす木村奈摘実さん(6年)、茉菜さん(1年)姉妹が通学。奈摘実さんは「太田は海も近いし自然がいっぱいで、すてきな所だと思う。クラスの子と好きなユーチューバーの話をして、みんな優しいし、面白い」と話していた。

 上地校長は「2日間だけですが、全校児童が2人増え、子ども達もとても喜んでいる。初日から給食もたくさん食べ、一緒に走り回っている姿を見て安心した」と話していた。

(2023年2月4日付紙面より)


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ご本尊の前で護摩供養を行う鶴田隆寛住職=3日、新宮市の丹鶴山東仙寺
地域 健康や家内安全など祈る
東仙寺で節分星祭
新宮市
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節分星祭
 新宮市新宮の丹鶴山東仙寺(鶴田隆寛住職)で3日、「節分星祭」が営まれた。厄年の男女が訪れる中、鶴田住職がご本尊・弘法大師の前で護摩供養を行い、信者たちの身体健康や家内安全などを祈った。

 同寺は「東海白寿三十三観音霊場」の一番札所。星祭は、人がそれぞれ生まれた年によって持っている「本命星」の巡りが悪い人たちの災いが少しでも和らぐようにと祈る祭りで「星供養」とも呼ばれている。午後5時からは地域住民らが境内に掘られた穴で正月のしめ縄や松飾りなどを焼く「どんど焼き」が行われる。

 市内から訪れた参列者は「毎年、足を運んでいます。家族の健康と家内安全を願いました。近年、猛威を振っている新型コロナウイルスの感染状況も不安でならないため、一日も早い収束も祈りました」。

 鶴田住職は「諸説ありますが、節分は立春に移る前夜とされています。参列者の皆さんやその家族の悪い星を少しでも弱め、平和に過ごせるきっかけになってくれれば」と話していた。

(2023年2月4日付紙面より)

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きのくに教育賞の賞状を手にした寒川智美教諭(右)ら=1日、古座川町中央公民館
教育 きのくに教育賞を受賞
高池小の寒川智美教諭
古座川町
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特別支援学校
高池小
 令和4年度きのくに教育賞の贈呈式が先月25日にあり、本紙関係で古座川町立高池小学校の寒川智美教諭(48)が受賞者の一人としてその誉れを受けた。

 この賞は、県内の学校教育振興のため特に優れた実践をし成果を上げていると認められる教職員などをたたえる制度。実践は各市町村の教育委員会もしくは学校長の推薦により把握し、審査を経て年1回の頻度で県教育委員会が贈呈を重ねている。

 受賞者は幼稚園(幼保連携型認定こども園を含む)、小学校、中学校、高校・特別支援学校の部門別で審査選考していて、本年度は全体で10人、うち小学校の部は3人が選ばれている。

 寒川教諭の実践は、児童を引きつけるきめ細やかな工夫と複式学級経験で培った児童主体の授業展開で確かな学力の定着に尽力し、聴く力や発信する力を高める研究にも努力。その集大成で児童の意欲を引き出す手腕には他の教員からも定評があり、東牟婁地方へき地複式教育研究会における発表を通して校内にとどまらず広く地方全体の模範となり教員の授業力向上に貢献しているといった内容で、同町教育委員会が同賞の学習指導分野の成果に当たるとして推薦し受賞に至った。

 寒川教諭は同日実施の贈呈式出席のため会場へ向かったものの、雪の影響で断念。この賞の価値を重んじる同町教委は1日に中央公民館内で伝達の場を設け、高池小の大畑眞校長立ち会いの下で中道悟教育長から賞状を手渡した。寒川教諭は「私がもらってもいいのかなという思いですが、賞を頂けたことを励みにしていっそうレベルアップしていきたいと気が引き締まりました」と心境を語り、自分一人ではなく自分に応えてくれた子どもたちと一緒に頂いた賞だと受け止めて自宅に掲げ、これからの日々の励みにしたいと喜んだ。

  □     □

県南部では4人が受賞

 県南部では寒川教諭のほか、田辺市域で2人、上富田町域で1人が同賞を受賞。田辺市域では別の1人が上位評価の「きのくに教育の匠」に選ばれている。

 県教委義務教育課は近日中に本年度受賞者を公式ホームページで紹介する予定。町教委教育課によると本年度の同賞受賞者は全員、県教委の推薦により文部科学大臣優秀教職員表彰の被表彰者にも選ばれているという。

(2023年2月4日付紙面より)

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県無形民俗文化財に指定されている「お綱掛け神事」=2日、熊野市有馬町
祭礼 厳かに「お綱掛け神事」
花の窟神社で春季例大祭
熊野市
 熊野市有馬町の花の窟(いわや)神社(山川均宮司)で2日、春季大祭が斎行され、県無形民俗文化財に指定されている「お綱掛け神事」が行われた。

 日本書紀にも記され、日本最古の神社と伝えられている花の窟神社。イザナミノミコトとカグツチノミコトを祭り、毎年2月2日と10月2日に大祭が営まれている。

 この日は、地元をはじめ県内外から多くの人が参拝。五穀豊穣(ほうじょう)を祈願し、熊野灘に面した高さ45㍍のご神体の巨岩にかかる約170㍍の大綱を張り替える伝統のお綱掛け神事が始まった。

 白装束姿の氏子らが巨岩に登り、季節の花々や扇子などを結び付けた日本一長いといわれる大綱の端を頂上に固定。参拝者が大綱を七里御浜海岸の波打ち際まで引き、境内の南隅にある支柱に結び付けた。

 この後、境内で山川宮司が祝詞を奏上。有馬小学校5年の前東子さんと岡田結奈さんが浦安の舞、西美有さん、細川果純さん、光山智彩さんが豊栄の舞を奉納した。

 農作物の収穫に感謝し、五穀豊穣を祈願するお綱掛け神事は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で2020年10月から中止が続いていたが、昨秋から復活した。

(2023年2月4日付紙面より)

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