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道普請に汗を流した児童ら=1月31日、那智勝浦町の清水峠
下小児童と守る会が道普請
熊野古道歩き交流深める
那智勝浦町

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 那智勝浦町立下里小学校(泉一代校長)の4年生12人は1月31日、「なちかつ古道を守る会」(地庵晋司会長)の協力の下、身近にある世界遺産の熊野古道「清水峠」を歩き、道普請を行った。児童は歴史を学びながら古道や自然に触れ、清水峠入り口付近のぬかるんだ道に石を置くなどして整備に汗を流した。

 同校によると、今回の古道歩きと道普請は総合的な学習の一環で地域の歴史や文化、生活を学ぶことが目的だという。今回で3回目。

 児童は同会の太田耕二さんから昔の下里地区の様子や世界遺産、熊野古道などを事前に学んでおり、1月中旬には太田さんと共に清水峠を下見している。

 JR紀伊浦神駅に集合した児童は同会が準備していた石をリュックに詰め、出発。太田さんやメンバーの案内の下、交流を深めながら元気いっぱいに古道を歩いた。

 児童は清水峠の入り口付近に到着後、石を丁寧に敷き詰めた。さらにはメンバーや町職員、同校の職員と共に、古道歩きに障害物となる周辺の倒木や枯れ草、石などを片付け、道普請に取り組んだ。

 西麻陽さんは「この場所に熊野古道があることは知らなかった。道普請は楽しいし、道もきれいになってうれしい。いろいろ勉強になった。また来たいです」と笑顔で語った。

 作業を終えた児童にマスクやあめ、ミカンをプレゼントした太田さんは「おかげさまできれいになり、歩きやすくなった。これからも歴史や世界遺産に興味を持って、熊野古道も歩いてもらえたら。その際にごみなどを見つけたら、拾ってもらえるとうれしいです」と呼びかけた。

 地庵会長は「作業を通して、道具の名前や使い方も知ってもらうことも大切。子どもたちの頑張りのおかげで景色も明るくなって良かった」と話していた。

(2023年2月3日付紙面より)


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表彰状を手に喜びを語る藤田勝範校長=1日、県立新翔高校
学校 これからも地域盛り上げたい
新翔高校が交通安全優良学校に
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 新宮市佐野の和歌山県立新翔高校(藤田勝範校長)はこのほど、第63回交通安全国民運動中央大会で、「交通安全優良学校」に選ばれた。先月18日、東京都新宿区の新宿区立新宿文化センターで開催された同大会本会議において表彰を受けた。

 (一財)全日本交通安全協会、警察庁が主催(内閣府、文部科学省、国土交通省後援)する同大会。交通安全優良学校は、交通安全教育活動を積極的に推進し、児童、生徒の交通安全教育と交通事故防止に顕著な功績があった学校に対し贈られるもので、今回は全国で45学校が表彰を受けた。なお、同校は昨年11月、和歌山県警察と県交通安全協会による「交通安全優良学校」にも選出されている。

 同校では、2015年度より「自転車マナーアップ推進リーダー」活動を実施。委嘱を受けたリーダーが、他の生徒に自転車の交通ルールを守るよう呼びかけたり、警察や地域団体と共に交通安全の街頭啓発を行ったりするなどして、交通事故防止に向けた取り組みを展開している。

 昨年12月には、リーダーとして委嘱を受けている同校ブラスバンド部が新宮市文化複合施設「丹鶴ホール」で開催された「新宮ハートフルコンサート~交通事故防止の願いを込めて~」で演奏を披露。交通事故防止や命の大切さを訴えた。

 今回の表彰はそういった一連の活動を評価されたもので、県内での受賞は同校のみだった。

 このたびの結果を受け、藤田校長は「警察やJA、地域のご協力の下、自転車マナーアップ推進リーダーの活動や自転車安全教室の実施など、地道な活動が評価いただけたものと思っている。いろいろな人と一緒に協働していただけた賞。地域の中にあって、一緒に交通安全を啓発していくことはすてきなこと。今後も交通安全だけではなく、さまざまな分野で地域を盛り上げるために、積極的に活動していければ」と喜びを語った。

(2023年2月3日付紙面より)

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特殊詐欺の手口などを話し合う=1日、紀宝町役場
地域 詐欺防止共有、啓発に生かす
高齢者地域見守り隊が定例会
紀宝町
 紀宝町の高齢者地域見守り隊(伊藤俊介代表)は1日、町役場大会議室で本年度の第3回定例会を開催。隊員ら約20人が参加し、今後の活動内容や詐欺被害の状況などを確認した。

 見守り隊は2012年9月に発足。現在24人が所属し、月1回の街頭啓発活動などを通して、高齢者の特殊詐欺被害防止を呼びかけている。

 今回は本年度最後の定例会で、伊藤代表が「コロナの影響で本年度も活動を自粛したこともあったが、これからも自分のペースで参加してほしい。特殊詐欺が多く発生しており、皆さんの意見を活動の参考にしたい」とあいさつした。

 成人年齢の引き下げによる若者の詐欺被害、各地で相次ぐ広域強盗事件など、全国的に消費者問題が大きく取り上げられており、紀宝警察署管内では今月、御浜町の20代女性が現金5万円をだまし取られる詐欺が発生した。

 参加者は四つのグループで、特殊詐欺の手口などを話し合い「スマホを使ったSNS(交流サイト)による詐欺は若者の被害が多いのでは」「ATM、コンビニに誘導する詐欺もまだある。頭に入れておくべき」「電話による詐欺の手口も新しくなっている。これから気を付けないといけない」「自宅の鍵をかける習慣を付けたほうがいい」と発表。全員で情報共有した。

 来年度も街頭啓発や寸劇による啓発活動を継続し、スキルアップ研修会、消費者問題講演会などにも取り組むという。

(2023年2月3日付紙面より)

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歌と語りで思いを伝えるまーちゃんバンド=1月31日、串本町文化センター
地域 沖縄の思いに触れ思想培う
文化セで令和4年度人権講演会
串本町人権委員会
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 串本町人権委員会(西野政和会長)が1月31日夜、文化センターで令和4年度人権講演会を開き、約230人(同委員会事務局発表)が沖縄の思いの一端に触れて思想を培う機会を得た。

 この講演会は町、町議会、町教育委員会、町PTA連絡協議会、町教育研究会、町職員労働組合後援。同委員会が年間を通して取り組む啓発活動の一つとして開いていて、本年度は▽沖縄戦40周年記念映画「戦場(いくさば)ぬ童(わらび)」上映▽まーちゃんバンドトーク&ライブ―の二部構成で内容を準備し当日の来場を呼びかけた。

 開会に当たり西野会長は昨年の沖縄本土復帰50周年を意識した内容だとし、太平洋戦争における沖縄戦で軍人ではない住民が直面した状況の筋道を説明して鑑賞を求めた。映画は1985年制作の作品で、記録映像と住民の実直な訴えを交えて太平洋戦争から本土復帰後までの沖縄の実態を伝える内容。その理解を持って西表島出身の三線アーティスト・南(ぱい)ぬ風人(かじぴとぅ)まーちゃんうーぽーさんを講師として迎え、率いるまーちゃんバンドを交え「歌って踊って平和をつかめ」を合言葉にして繰り広げるトーク&ライブを鑑賞して込められたメッセージを受け止めた。

 まーちゃんうーぽーさんは手にする三線が600年前の琉球王国時代に中国から伝わり独自の発展を遂げたように、周囲と仲良く生きていくところが沖縄の素晴らしさだとアピール。祭りを介してその教えを受け継ぐ長老に感銘を覚え、その裾野を世界へ広げるのが自分だとして、情熱豊かに伝えたい思いを語りと歌でつづった。この講演会の趣旨もくみ、顔も合わせず簡単に戦争をしてしまう状況を憂いて「二度と戦争を起こさないため、誰もが笑顔で仲良くする世界を作りたい」「みんなが希望を持てる世界を作るのは私たち」とメッセージを寄せ、そのために伝え広めている沖縄の素晴らしさが生かされる今後を願うなどした。

 閉会に当たり猪村和己副会長は「自然や命、平和に対する思いが心に響いた」とたたえて講師登壇に感謝し、平和と人権は表裏一体とする捉え方を掲げるなどして締めくくった。

(2023年2月3日付紙面より)

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