和歌山県立新宮高校(東啓史校長)の3年生の山際小麦(やまぎわ・こむぎ)さんがこのほど、「第12回大阪成蹊 全国アート&デザインコンペティション2022」の高校生の部で、4位に当たる大阪成蹊大学学長賞(金賞)を受賞した。作品は、B2(約51㌢×約73㌢)サイズのアクリル絵画「フルーツタルト」。受賞について山際さんは「びっくりした。お母さんと喜んだ」と話している。
同コンペティションは、中学高校生を対象に全国からアート・デザイン作品を公募し、毎年行っている。テーマは「ワタシノセカイ」で、自分の好きな世界観を自由に表現するものだった。中学生と高校生の部に分かれており、今年は高校生991点、中学生689点の応募があった。
山際さんは、時期もあり現在はすでに引退しているものの、以前は美術部に所属し、副部長も務めていた。「フルーツタルト」はもともと、9月の文化祭で出展した作品。文化祭を最後に引退だったため、それまでの集大成として臨んだものだった。同コンペティションのテーマの「ワタシノセカイ」が気に入り応募を決めたという。全国レベルでの受賞は初となる。
「フルーツタルト」に取りかかったのは、昨年の夏。下絵を描いた状態にとどめ、今年の夏に色塗りを開始、文化祭前の9月上旬にいったんの完成となった。「文化祭の直前の方が、技術が上がっていると思い、色塗りは止めておいた」という。
制作に当たり「それまで平面的な絵が多かったので、立体的に仕上げようと思った」と語る。「果物のみずみずしさを出すのが難しく、(美術部顧問の)先生や友人に見てもらい、アドバイスを受けた」とのことだった。同コンペティションの応募に当たり、少し加筆した。
受賞の知らせは、11月26日に封筒で届いた。28日には学校にも連絡があった。山際さんは「びっくりした。自信はなく、たぶん落ちると思っていた」とほほ笑む。
山際さんは、すでに美術関係の専門学校への進学が決まっている。「将来は、会社のデザインを担当するところに入りたい」と考えており、その方面の就職率が高いところを選んだとのこと。
美術部顧問の中畑久美教諭も「うれしい。他の部員の刺激にもなる。一生懸命やってきた作品が評価され、自分の成長にもつながるし、これからの制作にも生きるのでは」と喜んだ。
(2022年12月7日付紙面より)