一般社団法人那智勝浦観光機構(NACKT)は2日、那智勝浦町市野々の大門坂駐車場付近で「大門坂観光案内所」の開所安全祈願祭を実施した。熊野那智大社(男成洋三宮司)から出仕した神職らが神事を執り行い、参列した堀順一郎町長やNACKTの清水貞吾理事長、熊野・那智ガイドの会の汐﨑眞次会長、吉中秀郎町観光企画課長らが新設された観光案内所の発展や無事などを祈った。
観光案内所は、同駐車場付近にあった休憩施設の一部を改修し設置したもので、那智山エリアの観光案内強化を行うとともに、町中への周遊促進を目的としている。
官民で構成される町観光地魅力アップ推進委員会が主体となって案内所を整備し、運営を機構が行うもの。壁やサッシを設置する簡易的な工事で、10月末から着工し、先月25日に完成した。
JR紀伊勝浦駅前にある観光案内所と同じく、室内には町の観光に関するパンフレットなどが多数並んでいる。ガイドの待合としても利用するとしている。
機構によると、実証的に運営を進めるとし、成果に結び付き次第、継続や設備の充実も視野に入れているという。
この日は、伊藤士騎(しき)禰宜(ねぎ)と𠮷田遥紀権禰宜(ごんねぎ)が神事を斎行し、堀町長らが玉串をささげた。
堀町長は「機構で観光戦略を練るために、動態調査を行った。観光客は町中から那智山方面には向かうが、那智山から町中へは足を運ばないというデータが出ている。そのため、町中への周遊と町全体の観光PRをするための拠点が必要だった。町の魅力を十分に伝えることのできる案内所になることを祈念しています」。
清水理事長は「かねて、観光案内所設置の構想はあったが、コロナ禍もあり至っていなかった。念願の案内所が完成したので、那智山に訪れたお客さまをしっかりともてなすとともに、町中への周遊につなげたい」と語った。
なお、営業時間などは正式に決定していないため、現在は午前10時~午後4時を予定しているという。問い合わせやガイドの予約などは年中無休のJR紀伊勝浦駅前の観光案内所(電話0735・52・5311)まで。
(2022年12月6日付紙面より)
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