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ミニショベルカーを操作する児童=20日、那智勝浦町
土砂災害からまちを守ろう
市野々小が現場体験学習
那智勝浦町

 国土交通省近畿地方整備局紀伊山系砂防事務所は20日、那智勝浦町の「那智川本川上流帯工(左岸)他工事」の現場に同町立市野々小学校(中西健校長)の児童を招き、砂防工事についての現場体験学習を実施した。全校児童29人がミニショベルカーの操作や砂防えん堤への石積みを体験し、土砂災害からまちを守る仕事に触れた。

 紀伊半島水害(2011年)において土石流などで大きな被害を受けた那智川流域では、現在までに8支川に15基の砂防えん堤の建設が完了。那智川本川上流帯工(左岸)他工事は井筒建設株式会社が施工し、発生した土石流の流れを緩和して堆積させる遊砂地の造成などを行っている。

 学習には同事務所那智勝浦監督官詰所・建設専門官の追鳥裕樹さんや井筒建設の瀬古幸信さんらが協力。追鳥さんは現在進んでいる砂防工事の意義を解説し、「砂防施設は造って終わりではなく、たまった土砂をショベルカーなどで運び出す作業が必要。今日は、皆さんにその工事をしてもらいます」と説明。児童は重さ1㌧弱のミニショベルカーに乗り込み、プールに浮かぶゴムボールを土砂に見立てて運び出していった。

 3~6年生の体験では、県内有数の観光地である那智川流域の景観を保全するため、砂防えん堤などに職人が一つ一つ手作業で石積みを施していることを説明。井筒建設の職員が製作した模型に石を貼り付け、その構造を学んだ。

 大谷英吉君(1年)は「ショベルカーを動かしてボールがいっぱい取れたのが楽しかった。またやりたい」。米川愛琉(あいる)さん(4年)は「ショベルカーが動いているのを見たことはあるけれど、動かしたのは初めて。楽しかった」と話していた。

(2022年6月21日付紙面より)


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手で鼻と口を押さえ避難する園児=17日、新宮市立丹鶴幼稚園
学校 落ち着いて安全に逃げる
丹鶴幼で火災避難訓練
新宮市
 新宮市立丹鶴幼稚園(尾﨑卓子園長、園児39人)で17日、火災避難訓練が行われた。園児らは避難経路をたどり防災への意識を高めた。

 同園では定期的に火災地震、不審者などの各訓練を実施し、日頃から防災・防犯意識を高めている。

 この日は、職員室から火災が発生したと想定。午前10時30分ごろに放送が流れると、子どもたちは教職員の指示に従って避難を開始し、手を口と鼻に当て、落ち着いて近隣にある市保健センター隣の花壇・タウンガーデンへと逃げた。

 尾﨑園長は「今日は皆さん、上手に逃げることができました」と講評。「絶対に火事が起きないということはなく、おうちでも発生することもあるかもしれません。その時は訓練したことを忘れず、安全に避難しましょうね」と呼びかけていた。

(2022年6月21日付紙面より)

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橋上慶一さん(左奥)と溝本和彦さん(左手前)から視覚障害について学ぶ児童=16日、太地町立太地小学校
学校 思いやりを持ち助け合う
太地小4年が福祉学習
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太地小
 太地町立太地小学校(海野文宏校長)で16日、福祉学習があった。4年生20人が美熊野福祉会事務局長の橋上慶一さんと同福祉会利用者で全盲の溝本和彦さんから視覚障害を持つ人の見え方や生活などについて教わった。

 同校は町社会福祉協議会(岡本研会長)によって「福祉教育推進校」に指定にされている。学習は、児童がさまざまな人の立場や人生を体験することで、自分たちに何ができるのかを考えて福祉への学びを深めることを目的に行われている。この日は同協議会や民生委員、地域包括支援センターなどの職員も来校した。

 冒頭で岡本会長は「これから皆さんが、どのように成長してくれるかと思い企画しています。今日、学んでもらうことを忘れず今後に生かしてもらいたいと思います」とあいさつした。

 橋上さんと溝本さんは子どもたちを前に「見えない人のことを知ろう」をテーマに講話。視覚障害の症状には▽全く見えない▽物が半分しか見えない▽望遠鏡を通しているようにしか見えない―など、人によって違いがあると説明。生活の中でさまざまな状況を把握しているとし「私たちと同じように毎日を安心して暮らし、いろんな場所に行って楽しんだりする権利があります。みんなが思いやりの心を持って、お互いに助け合うことを忘れてはいけません」と述べた。

 橋上さんは溝本さんの日常生活を交えながら白杖や盲導犬、点字ブロック、音響信号機、ガイドヘルパーの重要性を語った。その後、児童は溝本さんの手を引いて声をかけながら4年生の教室や階段の上り下りの誘導を実践。アイマスクを着用し全盲の体験や点字学習にも取り組んだ。

 授業を終え、筋師令那(すじし・れな)さんは「アイマスクを着けて目が見えない体験をして怖かったけど、少しでも気持ちが知れてよかった。これから困っている人を見かけたら進んで手伝いができるようになりたいと思った」。

 海野校長は「幼い頃から福祉を学習することによって障害を持った方が、どのような生活や困り事、上手な活動しているかを知る貴重な経験になると思います。授業を通じて困っている人に自然とサポートができる思いやりのある大人に成長していってもらえれば」と話していた。

(2022年6月21日付紙面より)

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開所へとこぎ着けた串本町消防団潮岬分団第3部器具置場=17日、串本町潮岬
地域 世帯増に呼応し消防力を強化
潮岬分団第3部器具置場開所
串本町消防団
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防災
 串本町潮岬、望楼の芝西端の道向かいで17日、串本町消防団潮岬分団(稲田賢団長、芝山克分団長)の第3部器具置場の開所式があった。

 住民の高台移転に伴い世帯数が急増傾向にある同分団管内。同分団はとりわけ新築住宅が増えている芝古地地区の消防力強化を目的として第3部の新設(増設)へと動き出し、団本部経由でその思いを知った町も潮岬地区財産区所有地の無償貸与を受けて器具置場を新設し可搬式小型動力ポンプ軽積載車を配備。互いに出動可能な状況を整えて、この日の開所式へとこぎ着けた。

 同分団からは芝山分団長以下6人が代表出席。田嶋勝正町長は「この施設で防災力も高まると思う。潮岬分団の皆さん方におかれては、地域の皆さん方の安全安心のため尽力いただくことを心からお願いしたい」と述べて器具置場と車両の鍵を託し、芝山分団長は「潮岬区民、並びに広めては串本町民の生命と財産を守るため大切に活用していきたい」と応えて預かった。

 来賓の町議会・鈴木幸夫議長と潮岬地区・西敏幸代表区長が見届け、立ち会った稲田団長は「芝山分団長を中心に、潮岬の区民方が安心して暮らせるよう警戒に当たってほしい」と述べて団員を鼓舞し、併せて土地を提供している同財産区への感謝も掲げた。

 器具置場は木造平屋で延べ床面積は24・8平方㍍。配置する器具などの屋外整備を想定し前面に5㍍せり出すコンクリート舗装が付帯するが、詰め所となる待機室はなく形状としては倉庫となっている。

(2022年6月21日付紙面より)

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