那智勝浦町立
下里小学校(泉一代校長)体育館で3日、「那智勝浦町・インドネシア交流プログラム」があった。同町住民および同小児童らと、オンラインで参加したインドネシア共和国のマルスディリニ小学校児童らは、自国の伝統芸能などの発表を通して異文化を認め合う機会とした。
和歌山県とインドネシアは、2016年4月にインドネシア商業省との間で経済交流促進を目的とする共同声明が発表されたことをきっかけに、翌年10月に工業省とも共同声明を発表するなど、ビジネスミッション団の派遣や文化交流などを通じて、さまざまな交流を継続して実施している。
このたびのプログラムは、両国の伝統芸能の披露を通じて文化交流を図ることを目的に第1部「文化交流」、第2部「学校交流」の2部制で実施した。
開会に当たり、堀順一郎町長が「町にとって名誉ある事業。皆さんにはいろいろな国の文化を知ってもらい、いつか世界に飛び出し、世界から那智勝浦町を見てほしい。今日のプログラムが県、那智勝浦町、インドネシアにとって成長につながる機会となれば」とあいさつ。
プログラムに向けて来町した、ディアナ在大阪インドネシア共和国総領事は「こんにちは。お元気ですか」と日本語で呼び掛け。「明るい生徒の皆さんと町民の皆さんと一緒にいることができてうれしく思っている。お互いの文化をより知り合えることを願っています」と述べた。
1部では、日本人とインドネシア人から成る「マギカ・マメジカ」のメンバーらが、ジャワ舞踊と影絵芝居「ワヤン・クリ」を披露。高芝の獅子舞保存会が、県の無形民俗文化財に指定されている獅子舞から「牡丹獅子」「天狗獅子」で勇壮な舞を見せた。
2部では、下里・マルスディリニ両小児童らが、お互いの学校や地域の紹介、伝統的な舞踊や
御神楽、合唱、リコーダー演奏などを通して交流。
下里小を代表して、中山紫月さんと松下澄珠さんが「外国の人と交流できる機会が少なく、いい経験になりました」。マルスディリニ小のエルギオさんが「私は日本について興味を持っています。オンラインでしたが皆さんに会えてうれしい。早く直接会いたいです」とあいさつ。「さようなら。また会いましょう」とカメラ越しに手を振った。
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■ディアナ総領事一行が町長表敬
午前中はディアナ総領事一行が同町役場を表敬訪問し、堀町長や荒尾典男町議会議長、岡田秀洋教育長らが出迎えた。
堀町長は「インドネシアの船員の方々が町の生マグロの水揚げを支えてくれている。本当にありがたい。リゾート地同士としての交流も図っていきたい」。
ディアナ総領事は「私たちだけではなく、町民の皆さまも初交流を楽しみにしていると思う。コロナ禍が収まればぜひ、インドネシアにも訪問を」と呼び掛けた。
(2021年12月5日付紙面より)