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「那智の田楽復興百年記念特別展」が開催されている=15日、那智勝浦町の熊野那智大社宝物殿
田楽復興100年記念し特別展
12月まで、熊野那智大社宝物殿

 国の重要無形民俗文化財の「那智の田楽」が復興し今年で100年を迎えることを記念し、那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)宝物殿で15日から、「那智の田楽復興百年記念特別展」を開催している。普段、目にすることのできない田楽に関する貴重な文書類などを公開している。展示は12月14日(火)まで。

  □     □

■那智の田楽

 那智の田楽は豊作を祈り、笛や太鼓に合わせて踊る民俗芸能。同大社の大祭と宵宮(よいみや)の両日に奉納されており、約600年以上の歴史がある。

 同大社によると、明治維新を迎え、神仏判然令が出されたのを機に、田楽の担い手であった社僧(衆徒)が還俗(げんぞく)して那智山を去ったことから、田楽は一度途絶えてしまったという。

 それから50年後の1921(大正10)年に再興。76(昭和51)年に和歌山県初の国の重要無形民俗文化財の指定を受け、2012(平成24)年にユネスコ無形文化遺産に登録された。田楽は現在、那智山の住民を中心に組織される那智田楽保存会によって伝承されている。

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■特別展では

 今回の特別展では板の両面に田楽の演目と舞方の社家名を記した「恒例六月会田楽(こうれいろくがつえでんがく)」や田楽が再興されたことを記した「田楽再興日記」、指南書である「田楽要録」、復興後の田楽含む大祭の記録「田楽復興史」、田楽衆の衣装を納める「田楽衆装束箱」、1809(文化6)年から13年にかけて田楽に関係する記録が板に記された「田楽記録板」などが拝観できる。

 また、恒例六月会田楽と田楽再興日記、田楽記録板は、国指定の重要文化財である「熊野那智大社文書」61点の中に含まれている貴重なものだという。

 さらに今回の特別展に合わせ、通常時は非公開の県指定文化財「熊野十二所権現古神像」も展示されている。この15体の古神像は、実際に同大社のご神体として祭られていたもの。戦国時代の戦火で那智山が焼けた際に、豊臣秀吉から建物などの再建の命を受けた秀長が復興の際に納めたものだという。

 担当者は「復興から100年の特別展のため、普段は見ることのできない貴重な展示が多くあります。加えて、普段は複製だが、熊野比丘尼(びくに)が布教活動に使った『那智山宮曼荼羅』の実物を見ることができるので、ぜひご来場いただけましたら」と話している。

 入場料は300円、中学生以下は200円(未就学児は無料)。時間は午前8時30分から午後4時まで。

(2021年10月20日付紙面より)



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学校紹介の様子=16日、串本町の県立串本古座高校
学校 進学への意識高める
串本古座高オープンスクール
串本町
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 和歌山県立串本古座高校(左近晴久校長)は16日、同校でオープンスクールを実施した。県内外の13校から中学生67人が参加し、学校紹介やクラブ体験を通じて進学への意識を高めた。当初は9月に予定していたが新型コロナウイルス感染症の影響で延期していた。

 学習内容や学校生活を体験し、理解を深めてもらおうと中学3年生を対象に毎年実施している。同高校は全国募集を行っており、今回は串本・古座川の両町と那智勝浦町、すさみ町に加え、橋本市や大阪府、愛知県の中学校からも参加があった。

 学校紹介では同高校生徒らが▽アドバンスト▽クリエイティブ▽グローカル―の各コースと特徴、学校行事、「水産生物探求」「マリンスポーツ」「南紀食文化研究」「介護福祉基礎」の特色ある科目の説明をした。また、串本古座高校地域協議会が運営する県内唯一の校内塾「くろしお塾」の紹介もあった。

 クラブ体験もあり、参加車らはソフトテニスやサッカー、剣道、演劇、CGSなど11の部活動から興味のある内容を選択して参加していた。

(2021年10月20日付紙面より)

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在宅療養について考える参加者=18日、新宮市の松山隣保館
地域 人生の最期は自宅?病院?
松山隣保館で出前講座
新宮市
 新宮市の松山隣保館で18日、在宅療養についての出前講座があった。新宮市医師会の在宅医療相談員で看護師の来馬正美さんが紙芝居「最期まで自分らしく暮らすために!~『もしも』の時に備えて~」を読み、参加者4人と人生の最期の過ごし方や延命治療の在り方を考えた。

 新宮市主催。在宅療養とは、住み慣れた自宅や施設で在宅医や訪問看護師、ホームヘルパーによる医療と介護を受けながら療養生活を送ること。

 来馬さんは、療養する場所には自宅、施設、病院の三つの選択肢があると述べ、それぞれのメリットとデメリットを解説。回復の見込みがない最終時点にある患者に人工呼吸器の取り付け、点滴や胃ろうによる栄養投与を行う延命治療についても話した。

 「どのような医療を望むのかは、その人の価値観次第。その選択が必要になるのは、ずっと先かもしれないし、明日かもしれない。『もしも』のときは自分の意思を伝えられないことがほとんどなので、今の自分の意思を書き記しておくことが大事です」と呼び掛けた。

 参加者からは「延命治療は望んでいないけれど、家族は反対のよう。ちゃんと話し合っておかないと」などの声があった。

 在宅医療については市在宅医療相談窓口(電話0735・29・7211、携帯080・2477・1818)、高齢者の困り事については市地域包括支援センター(電話0735・23・3306)で相談を受け付けている。

(2021年10月20日付紙面より)

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神社関係者らが参列した神事=17日、紀宝町の神内神社
祭礼 稲の実りに感謝する
神内神社で初穂祭
紀宝町
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 紀宝町神内の神内神社(宮地秀直宮司)で17日、初穂祭が行われ、稲の豊かな実りに感謝した。

 60年ほど前までは初穂2束を供え、祭が終わった後から稲刈りが行われていた。収穫時期が早まった現在は新米を供えており、今年も地元の人らが収穫した米を並べ、五穀豊穣(ほうじょう)に手を合わせた。

 この日の神事には総代会長の下澤深さん、区長の川原田規泰さん、農業委員の中西和益さん、総代らが参列。例年は御神体の巨岩の前で行うが、午前中に雨が降ったため、社務所で執り行った。

 あいさつした宮地宮司は「神様の恵みを頂いたことに、お礼をする祭り。コロナ禍で昨年、一昨年と祭りも様変わりしてしまい、今年は(稲の豊作を願う)弓神事もできなかったが、来年こそはできたらいい」と語った。

 神内神社は「子安の宮」と呼ばれ、地域内外から安産祈願に人々が訪れることで知られる。例祭は毎年11月23日に行われている。

(2021年10月20日付紙面より)

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