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さまざまな思いを祈願した=15日、新宮市の三輪崎八幡神社
コロナ収束願い来年こそ
厳かに本殿大前ノ儀
三輪崎八幡神社

 新宮市の三輪崎八幡神社(上野顯宮司)で15日、同社大祭の本殿大前ノ儀が営まれた。中村武・氏子総代会長ら祭り関係者約20人が参列し、神様をたたえて新型コロナウイルスの収束や地域の平穏無事などを願った。

 大祭は漁労加護、五穀豊穣(ほうじょう)、商売繁盛など地域の繁栄を願い、現在の三輪崎漁協付近にあった元宮に神様が年に1度里帰りする祭り。今年もコロナウイルス感染症拡大防止の観点から大幅に規模を縮小して実施。元宮を目指して八幡神社を出発し、恵比寿(えびす)、二十四孝(にじゅうしこう)、大黒天の山車が豪快にぶつかり合いながら町を練り歩く神輿渡御(みこしとぎょ)、その他の奉納行事は、昨年に続いて中止となった。

 今年は雨天のため、同神社社務所で大前ノ儀を斎行。厳かな雰囲気の中、上野宮司が祝詞、仲西博光副区長が祭詞を奏上し、参列者が玉串を供えた。

 中村氏子総代会長は「コロナウイルスの一日も早い収束と地域の健康、繁栄を願い、滞りなく営むことができました。2年連続の規模縮小については残念ですが、『来年こそは』という思いを忘れずに信じて過ごしていければ」と話していた。

(2021年9月16日付紙面より)


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数学の授業風景=10日、新宮市の県立新宮高校
学校 分散登校&オンライン
新宮高校教職員の声を聞く
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新宮高
 和歌山県内の県立高校は今月1日から、各クラスの半分の生徒が登校し、残り半分はオンラインによる自宅学習を行う形で授業を再開した。本格的なオンライン授業が始まって約1週間、新宮市の県立新宮高校の教職員の声を聞いた。

  □     □

■前野孝光教諭(国語)

 授業を担当している3年生は、昨年タブレット型パソコン(PC)が導入されて以来、日常的に授業でPCを使ってきました。1、2年生のクラスに比べると比較的スムーズに授業ができていると思います。

 授業は黒板への板書とパワーポイントの画面共有を併用して実施しています。もともと古文や漢文では板書の時間を短縮するため、パワーポイントを使っていました。タッチペンで画面に書き込みをすれば、教室/自宅学習の生徒両方にリアルタイムで同じ画面を見せることができます。普段から情報通信技術(ICT)を使った授業づくりをしていてよかったと感じます。

 板書もしますが、黒板の3分の1しか使用できず、カメラに映らない場所に書いてしまったり、広角にすると文字がぼやけてしまったりします。教室とPCのカメラのどちらを見たらいいのかは、今も悩みます。

 気をつけなければいけないのは提出物の管理。木曜日に登校した子が次に学校に来るのは月曜ですから、特に締め切りがあるものが多い3年生は気を使います。

  □     □

■岩倉真希教諭(数学)

 8月末からの準備期間はバタバタでしたが、授業を開始して1週間でようやく流れができてきたと感じます。

 全員登校のときは板書中心の授業をしていましたが、現在はタブレットPCに生徒に配ったのと同じプリントを表示し、タッチペンで書き込む形を取っています。教室の生徒はスクリーン、自宅学習の生徒はPCで同じ画面を見ることができます。数式を表示するのはパワーポイントでは難しいですね。

 最初は生徒全員にビデオ機能をオンにして顔を見せるよう言っていたのですが、そうすると通信容量の問題か、こちらから共有する映像の画質が下がってしまいます。現在は、生徒は顔出しなしで授業をしています。

 授業ではランダムで生徒を当て、自宅学習の子にも問題に答えてもらいます。生徒によってはオンライン授業の方がいいという子もいます。

 課題と感じているのは生徒の手元のプリントが見えないところ。数学ではどうしてもつまずく子がいるのですが、それをリアルタイムでサポートするのが難しい。登校したときに質問できるようにしていきたいです。

  □     □

 教職員の声を聞く中で、課題はあるものの▽普段からICTを活用した授業をしている方がスムーズに移行できる▽共有した画面に書き込みをする方式がいい―などの共通意見が見られた。

 県教委によれば全員登校再開のめどは立っておらず、分散登校・オンライン授業の長期化を見据え、今後も動向を追っていく。

(2021年9月16日付紙面より)

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保護している子ガメ=紀宝町井田の道の駅「紀宝町ウミガメ公園」
地域 アカウミガメがふ化
七里御浜海岸で2頭産卵
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台風
 七里御浜海岸でのアカウミガメの上陸、産卵シーズンが終わり、今年は御浜町で6月21日と7月5日に2頭の産卵が確認された。紀宝町ウミガメ公園の飼育員・伊藤柊也さんによると、1頭目の卵は8月16日、2頭目は27日にふ化したと思われるという。紀宝町での産卵は3年連続でなかった。

 1頭目の卵はふ化した形跡があったものの、子ガメの足跡が少なかったことから、環境省吉野熊野国立公園管理事務所の職員が産卵巣を掘り起こしたところ、10匹がふ化していた。7匹は海に向かったが、残る3匹は元気がなく、ウミガメ公園で保護した。

 2頭目は産卵巣が台風などで浸水する恐れがあったため、127個の卵を安全な場所に移した。

 保護した当初、3匹は甲長4㌢弱だったが、1カ月近くたった現在では5㌢ほどまでに成長した。伊藤さんは「アジやホタテなどの餌を1日2回、食べて元気に育っています。1年後に海へ返す予定にしています」と話している。

 ウミガメ公園は「緊急事態宣言」により30日(木)まで休業中で、再開する10月1日(金)から、3匹を公開する。

(2021年9月16日付紙面より)

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県独自の防災学習ツールで行動力を培う生徒ら=14日、串本町立西向中学校
防災 地域性踏まえ行動力培う
西向中生徒が防災学習で
串本町
 串本町立西向中学校(山下哲治校長、生徒12人)が14日、役場総務課防災・防犯グループの職員を迎えて防災学習に取り組んだ。

 将来の発生が指摘されている南海トラフを震源とする地震や伴う津波について地域性を踏まえて理解し、命の危険から逃げ切ることを考える内容で、前半は職員による解説を聞き後半は県独自の防災学習ツール「きいちゃんの災害避難ゲーム」に挑戦して理解や考えを深めた。

 解説を担当した同グループの岡田真一主任はまず町の人口規模や高齢化率、地理的特徴を伝え、それら状況との対比で南海トラフを震源とする地震や中央構造線付近を震源とする地震を注視しているとしそれぞれの予想最大規模や周期性など特色を解説した。

 南海トラフを震源とする地震は津波を伴うことを、県が作成した映像資料や津波ハザードマップを交えて印象づけ。この状況から命を守るために町は避難路や防災施設を整備し、公共施設の高台移転や同マップの作成、津波避難困難地域対策や訓練・啓発・補助事業による住民への意識付けや自主防災組織との協働、災害用備蓄水「なんたん水」の製造などさまざまな対策を積み上げているとした。

 それでも命を守るための避難は不可欠。岡田主任は津波が最短2分で町境に到達することを踏まえ、大きく揺れたら情報を待たず津波避難三原則に沿って行動し命を守ってほしいと呼び掛けた。

 質疑応答を経て後半は行動時の状況を疑似体験。用いた同ツールは小学生高学年以上を対象としゲーム1「津波から逃げ切ろう!」とゲーム2「避難所運営しよう!」の各体験ができるが、今回はゲーム1を2組に分かれてそれぞれ挑戦し起こる状況や求められる判断を考えて行動力を培った。

 持ち出し品や日頃の備えが全くない状況とある状況で2回取り組み、ある状況の方が行動しやすいことも実感した。

 同グループによると、同ツールを使った学習は串本西中に続き2校目でいずれもゲーム1を経験した状況。串本西中は後日ゲーム2にも挑戦する予定で西向中も同様に挑戦の機会を持ってほしいと希望して締めくくった。

(2021年9月16日付紙面より)



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