新宮警察署(山田守孝署長)は7日、銀行キャッシュカードによる不正引き出しの犯人検挙に協力したとして、紀陽銀行新宮支店(柴田昌良支店長)に感謝状を贈った。
同銀行は3月26日、普段は銀行の現金自動預払機(ATM)を使用して預金取引を行っていた口座契約者が、コンビニATMで3回にわたり計60万円を引き出していたことを発見。契約者である高齢女性に確認したところ「身に覚えがない」と話していたことから不審に思い、同署に通報した。
捜査の結果、犯人が銀行キャッシュカードを不正に取得するなどして預金を引き出していたことが判明。積極的な捜査協力と情報共有が犯人の早期検挙へとつながった。
契約者が犯罪に巻き込まれていないかを確認し、積極的な声掛けや情報提供をもって犯罪抑止につなげる取り組みを行う同銀行。日頃から職員に対し、警察の注意喚起を基に特殊詐欺の可能性について周知を行うなどして、防犯意識の高揚を図っているという。
感謝状を受け、柴田支店長と山中達也・業務課長は「情報提供が検挙につながった。被害を抑えることができて安心している。和歌山県でも特殊詐欺事案などが頻繁に起こっている。今後も未然防止に努めていきたい」。
山田署長は「高齢者の預金取扱いなどに警戒していただけることで住民の安心安全につながる。警察だけで抑止することは難しく、金融機関の早期の気付きと情報共有などの捜査協力があってこそ」と感謝を示し、特に1人暮らしの高齢者に対してキャッシュカード不正利用などの金融犯罪について注意するよう呼び掛けていた。
(2021年6月9日付紙面より)