熊野新聞記事アーカイブ
熊野新聞社 The Kumano Shimbun
〒647-0045 和歌山県新宮市井の沢3-6
営業部 TEL 0735-22-8080 FAX 0735-23-2246
記者室 TEL 0735-22-8325 FAX 0735-28-1125

寄贈された投球数カウンター(右は池田富保理事長)=6日、新宮市佐野のくろしおスタジアム
熊野地域の野球活性化に
広島・森浦投手が用品類寄贈
新宮市出身

【この記事のキーワード】
那智中
緑丘中
 新宮市出身でプロ野球広島東洋カープの森浦大輔投手(22)がこのほど、和歌山県軟式野球連盟東牟婁支部学童部や東牟婁地方中学校体育連盟などに野球用品を寄贈した。6日に新宮市佐野のくろしおスタジアムで開かれた「第39回和歌山県学童軟式野球大会(B級)東牟婁大会」では、投球数カウンターが初めて使用された。

 森浦投手は昨年10月のドラフト会議で広島から2位指名を受け入団。開幕1軍をつかみ取ってチームの勝利に貢献しており、5日現在で16試合に登板し2勝1敗5ホールド、防御率2・77の成績を残している。

 寄贈は野球と出会い、指導や支えてくれた人たちへの感謝の気持ちや熊野地方の野球人口減少に伴い、少しでも活性化につながってほしいとの思いから実現した。

 学童部への投球数カウンターの他、体育連盟に加盟している新宮・東牟婁の各中学校と、当地域で活動する中学生軟式野球チーム「新宮黒潮ベースボールクラブ」にそれぞれボール10ダースを贈った。

 学童部の池田富保理事長は「投球数カウンターを目にし、子どもたちが学童野球の先輩である森浦投手に憧れ、プロ野球選手になりたいという大きな夢を持ちながら練習に励んでほしい。本年度から投球制限が導入されたので、毎試合大切に使用し有効に活用させていただきます」と感謝していた。

 森浦投手が緑丘中学校野球部時代に監督として指導していた松岡義也教諭(那智中)は「年々、野球に取り組む子どもたちが減少する中、地元を思う気持ちにうれしく思う。これからも、けがや体調に気を付けてほしい。ずっと見守っています」。新宮黒潮の中本勝久監督は「中学校の軟式野球出身として活躍し、私共のチームにとってもプロ野球選手への希望が膨らみ、大きな励みとなっている」と話し、今後の活躍にも期待した。

(2021年6月8日付紙面より)


別窓で見る
記事一覧

企画展会場にて森美枝館長(左)と岡田貴彦センター長=5日、串本海中公園センター水族館
地域 実個体交えて研究史紹介
企画展「近大養殖の世界」
串本海中公園
 串本町有田にある串本海中公園センター水族館(森美枝館長)で5日、企画展「近大(=近畿大学)養殖の世界」が始まった。期間は9月30日(木)まで。近大の養殖研究の全体像を示す初の機会で、パネル資料と代表的な養殖魚種の実個体を見ることができる。

 同館から同大学水産養殖種苗センター(岡田貴彦センター長)への誘い掛けがきっかけになり実現した機会。同館は今年2月からCゾーン(=トンネル水槽)で同センター供給による完全養殖クロマグロの水槽飼育を試みていて、その延長で県の沿岸や内陸などで近大が取り組む養殖研究を一挙紹介するこの企画展を開くに至ったという。

 パネル資料は館内Bゾーンに集中展示。16年養成クロマグロの剥製(体長220㌢)や2種類の映像資料上映、同館におけるクロマグロ展示の経緯紹介パネルも含め約20点を飾っている。個体展示はそのルート前後にある水槽を使って実施していて、初日は完全養殖クロマグロ(トンネル水槽で飼育)、シベリアチョウザメ、キンダイ、クエタマ(以上ドーム水槽で飼育)を公開。ブリヒラ、マダイ、シマアジといった魚種も追加予定で、生き物を扱うので期間中に計6種類がそろわないこともある点はあらかじめ了承してほしいという。

 両者の技術を重ねて取り組む完全養殖クロマグロの水槽飼育は難しく、泳ぐ様子を観察できるのは近畿地方で同館のみだそう。展示しているのは昨年7月に串本町大島で生まれた個体(体長約40㌢、体重約2㌔)で、初日は3匹が群れて泳ぐ様子を観察できた。

 企画展の実施について岡田センター長は「地味ではあるが養殖魚を展示し、一般に広く認識していただく機会を頂きありがたく思う」と語り、天然魚の方がおいしいという信仰を払拭(ふっしょく)し安心して養殖魚を食べるきっかけになることを今後に期待。

 森館長は「養殖魚の本当の姿を見て興味を持ってもらうことが一番の目的。串本海中公園は串本の海だけでなく地域の文化や企業、個人の取り組みを伝えることも使命だと思っている。今回も多くの皆さんにこの業績を知っていただけたら」と語った。

 この企画展は館内実施で、鑑賞時は入館料(大人1人1800円など)が必要となる。問い合わせは串本海中公園センター(電話0735・62・1122)まで。

(2021年6月8日付紙面より)

もっと見る
折たたむ
別窓で見る

2日間で約1000人に対し接種が行われた=6日、新宮市役所別館
医療 集団接種会場追加
7月末の接種完了に向け
新宮市
 新宮市役所別館で5、6の両日、高齢者を対象にした新型コロナウイルスワクチンの集団接種があった。5日は71歳以上、6日は70歳以上の計約1000人が1回目の接種を済ませた。20日(日)には佐野体育館で64歳以上の498人に対し接種が行われる予定。

 4月25日から始まった高齢者を対象としたワクチン接種。市ではこれまで、対象人数約1万800人の中から接種を希望する1939人(5月31日現在)に少なくとも1回目の接種を実施してきた。

 各医療機関での個別接種の開始も後押しし、市が目標とする7月末の完了に向けて接種が進められる中、市では集団接種会場をさらに追加。市役所別館にて1回目の接種日を7月4日(日)、定員を420人とし、今月14日(月)から予約を開始する。市によると、高齢者に限定した集団接種はこれで最後になる予定。

 また、市では「誰でも接種が受けられる医療機関」中の、「すずきこどもクリニック」「くさち耳鼻咽喉科」の2医療機関について、7日から市でも予約を受け付けると発表した。予約はコールセンター(電話0120・89・5070、FAX0120・79・5070/平日午前9時~午後5時)もしくは市新型コロナワクチン接種推進室(電話0735・22・5070、FAX0735・22・5080/平日午前8時30分~午後5時15分)まで。

(2021年6月8日付紙面より)

もっと見る
折たたむ
別窓で見る

救命訓練に取り組む自主防災組織のメンバー=6日、那智勝浦町立市野々小学校
防災 自主防と行政などが連携
市野々地区の防災訓練
那智勝浦町
 那智勝浦町は6日、令和3年度「市野々区土砂災害防災訓練」を町立市野々小学校体育館で実施した。同区の自主防災組織20人、和歌山県2人、町17人、町消防5人、町消防団第4分団21人、新宮警察署3人の68人が参加。各団体が連携しながらさまざまな訓練に取り組んだ。

 2011年の紀伊半島水害の被害を教訓に、市野々地区単独で14年に訓練を開始。本格的な雨期を前に土砂災害の危険を再確認し、迅速な避難行動とその支援、防災情報の伝達が確実に実行できるように実施している。

 その後に井関、八反田地区が訓練に加わったが、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から今回は不参加となった。

 避難訓練は24時間で200㍉以上の降雨が予想された状況を想定。午前9時に「警戒レベル3」の「高齢者等避難」の放送を流した。体育館には22世帯24人(うち要援護者5人)が避難。

 大雨が降った際の土壌雨量指数と60分間積算雨量の二つをグラフ化する「スネークライン図」の基準超過により、9時30分には「警戒レベル4」の「避難指示」を発令した。

 町消防署、消防団が車両で地区内をパトロールし、自主防災組織のメンバーなどが避難困難者(要援護者)を支援するなどした。

 避難した住民や班に分かれた自主防災組織らは▽コロナ対策を取り入れた自動体外式除細動器(AED)使用訓練▽昨年度予算で導入したスポットエアコンの操作方法講習▽段ボールパーティション、避難所用テントなどの設置体験―などに取り組んだ。

 同区区長で自主防災組織会長の長雄正紘さんは「組織名簿は回覧で区民に周知している。サポートするわれわれや、避難する区民の皆さまにとっても訓練は良い機会。円滑な避難のためには各自ができることをやらなくてはいけない」。

 町防災対策の増田晋室長は「出水期や台風の多い時季が近づいてきた。宿泊施設への避難などの選択肢も含め、今回の訓練を生かして早期の避難を心掛けてほしい」と語った。

 堀順一郎町長は「紀伊半島水害から10年の年となるが、当時を知る職員も少なくなっているのが事実。今日の訓練が当時の記憶を風化させず、防災に対して改めて関心を持ってもらうきっかけになればありがたい」と語った。

 同区在住の瀬藤寿文さん(86)は「災害は避難を促すために知らせることや知ることが大事になると思う。訓練は本当に勉強になった」と話していた。

(2021年6月8日付紙面より)

もっと見る
折たたむ
別窓で見る
主な記事 *記事詳細は熊野新聞紙面をご覧下さい*
  • 学校 笑顔で梅雨を吹き飛ばせ 阿田和中と御浜中が体育祭 (御浜町)
  • 【この記事のキーワード】
    阿田和中
    御浜中
  • 地域 生け花、陶芸で感性磨く 紀宝子ども元気塾始まる
  • 【この記事のキーワード】
    井田小
  • 地域 ブルービーチに彩り添える シンボルパークのアジサイ (那智勝浦町)
  • 地域 「里親」のこと知って 福祉センターでパネル展 (新宮市)
ご購読・試読のお申し込み