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新たな町の名所誕生を祝い序幕=7日、太地町の道の駅たいじ
イルカのポストで活性化
設置を記念しセレモニー
道の駅たいじ

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熊野本宮大社
 太地町は7日、道の駅「たいじ」(〆谷和豊駅長)敷地内にバンドウイルカをモチーフにした青色のご当地ポストを設置し、記念セレモニーを開いた。漁野洋伸副町長をはじめ、日本郵便株式会社近畿支社郵便・物流オペレーション部の松村淑也集配担当部長、紀南地区連絡会の南方慎一朗副統括局長らが出席し、序幕を行った。

 地域の特色を示したご当地ポストは全国にも多数存在し、本誌エリア内ではJR那智駅に黄色のポスト、熊野本宮大社に「八咫(やた)ポスト」がある。

 同町では昨年、開館50周年を迎えた町立くじらの博物館(林克紀館長)前にクジラのポストが設置され、観光客に人気の撮影スポットとなっている。町おこしや地域振興を目的に、太地郵便局(小河則行局長)と協議を重ね、町が寄付する形で設置に至った。

 ポストは前回と同様、地元で活動するクジラの造形愛好家らで組織される「ホエール・アート・ミュージアム」の山門基秀さん、前芝真人さん、石田一勝さんらが製作。上部のイルカはFRP(繊維強化プラスチック)製のため、劣化に強い。博物館より小型の10号サイズだが、レターパックも入るという。

 山門さんは「太地町といえば捕鯨のイメージが強いと思うが、クジラやイルカの造形物で明るい話題を提供することができれば」と語った。

 式典で漁野副町長が関係者らに感謝を述べ、「博物館のポストも町内外から高い評価を受けている。今回は町の玄関口である道の駅に設置していただいたことは、町の活性化に必ずや役立つであろうと確信してます」とあいさつした。

 〆谷駅長は「地元はもちろん、観光客にも使用していただき、名所の一つになればありがたい。記念撮影も協力させていただきます」と語った。

 なお、これまで敷地内で使用されていた旧ポストはこの日をもって撤去された。

(2020年8月8日付紙面より)


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夏休みの過ごし方を呼び掛ける児童会役員=7日、紀宝町立相野谷小学校
学校 16日間の短い夏休みに
小中学校で1学期終業式
紀宝町
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相野谷小
 紀宝町の全小中学校で7日、1学期の終業式があった。児童、生徒たちは通知表を受け取り、16日間の短い夏休みに入った。

 例年、夏休みは7月21日から始まるが、今年は新型コロナウイルスの感染拡大防止に伴う休校措置の影響で1学期を約2週間延長し、8月も授業を続けてきた。

 町立相野谷小学校(岩本直樹校長、53人)では、体育館で終業式を行い全校児童が間隔を空けて座った。岩本校長は「今年は新型コロナウイルスのため休校もありましたが、頑張って今日まで学習しました。みんなの通信簿を読み、1学期に頑張ったことをたくさん書いていました。みんなが頑張れるのは努力と周りの応援のおかげ。明日から楽しい夏休みです。『短いけど良かったな』と言えるよう、安全、健康に過ごして本を読んでください」とあいさつした。

 児童会の6人は▽計画▽健康▽防犯▽交通▽安全▽あいさつ―といった夏休みの過ごし方を掲げ、「目当てを持って過ごしましょう」と呼び掛けた。

 町内小中学校では24日(月)から2学期が始まる。

(2020年8月8日付紙面より)

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田嶋勝正町長らに事業概要を説明する坂本直弥代表取締役(右から2人目)=6日、串本町役場本庁
地域 中湊にサテライトオフィス
古座MORIが町長ら表敬
串本町
 串本町中湊に拠点を置く株式会社古座MORIの坂本直弥代表取締役(51)ら3人が6日、田嶋勝正町長らに事業内容を伝えて今後の協力関係を求めるなどした。

 坂本代表取締役は、東京都で日本とフィリピンの懸け橋となる国際会計事務所「株式会社アイキューブ」の統括取締役。その事業の一端で2008年、串本町~古座川町域に自社林を取得したことで両町域へ適時通うようになった。その折に実感しているのが現地の通信インフラの弱さで、自身の経営を誰かに任せないと通い難い状況を他の事業者とも共用できる形で改善しようと考え、事業「古座の魅力を世界に発信し、事業を呼び込むためのサテライトオフィス運営」へと動き出した。

 この事業はわかやま産業振興財団の本年度地域課題解決型起業支援事業において採択を受け、坂本さんは2週間の準備期間を経て7月14日付で現地法人「株式会社古座MORI」を設立。中湊の右東谷川そばの空き家と旧工房を取得し、旧工房をテレワークに応える環境を有するサテライトオフィスなどにし、空き家を宿所とする方向で取り組み始めている。

 その設計は京都大学大学院の小林広英教授と関係する学生のチームに依頼。新型コロナウイルスの影響で当初予定していた第1回現地ワークショップは急きょ中止となったが、事前調査に基づく構想を持って指導陣が7~9日に現地入りし建物の詳細計測などをするという。年内にサテライトオフィス化を完了し、すでに利用を考えている知人を年明けに迎え入れてモデルケースを作り、来年度から事業を呼び込む本格運営に乗り出せれば、と意気込んでいる。

 6日は滞在時に利用している縁で現地に詳しい役員として迎えた神保圭志取締役(旅館神保館館主)と実娘の3人で同町産業課と田嶋町長を表敬訪問。中湊を拠点にして事業の概要やその運営により見込まれる状況とその背景にある需要などを伝え、今後の協力に結びつきそうな情報の交換もして歩み寄りを深めた。

(2020年8月8日付紙面より)

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かかと上げ体操をする参加者=6日、新宮市熊野川町の上長井集会所
地域 フレイル予防で夏を乗り切る
ふれあいいきいきサロン
新宮市熊野川町
 新宮市熊野川町の上長井集会所で6日、上長井、西、谷口地区のふれあいいきいきサロンが開かれた。地域住民5人が暑い夏を乗り切るため、介護予防体操で汗を流した。

 サロンは地域のコミュニティーづくりや介護予防、寝たきりの防止、一人暮らしの人への見守りなどを目的に2005年ごろから始まった。現在は新型コロナウイルス感染対策で、消毒液の設置、参加者全員の検温、窓の開放などの対策を取っている。

 この日は熊野川地域包括支援センター職員で看護師の岡崎久子さんがフレイル(衰弱)予防について解説。身体活動量が減って食欲が湧かなくなり、栄養状態が悪くなることで筋力・体力が低下する悪循環に陥る危険性を話し、「外出自粛の影響か、最近転倒してけがや骨折をしたという話をよく聞く。皆さんも気を付けて」と呼び掛けた。

 参加者は「元気でまっせ体操」やスクワットでしっかりと運動し、錦糸卵やシイタケの煮付けが入ったそうめんの弁当を味わった。

 野原孝子さん(79)は「体操をして体が温まった。毎日朝に畑、午後は縫い物をし、散歩もしています。そうめんが思ったよりもたくさん入っていて、満腹です」と笑顔で語った。

(2020年8月8日付紙面より)

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連載


連載 ママも子どもも笑顔になる「疲れない食育」
【第17回】生卵は何歳から?
 「生卵を何歳から与えていいですか?」とよく聞かれます。この質問には実は正解はありません。生卵は新鮮なものであれば低リスクですが、卵の殻にサルモネラ菌が付着していることもあるので、気を付けた方がいいとしか言いようがないのです。

 今世間は新型コロナウイルス一色で、手指の洗浄や消毒は、いつもより気を付けているご家庭がほとんどだと思います。でも、暑くなるこの時季、食中毒も侮れません。特に子どもは、少量の菌で重症化してしまうケースもあるので、大人が気を付けてあげなければならないのです。私の知人で、サルモネラに感染した小学生は、お父さんの卵かけご飯を一口もらっただけでした。しばらくして、下痢と嘔吐(おうと)を繰り返し、病院に行って、胃腸炎と判断されました。その後薬を飲んでも一向に治らず、どんどん悪化して、3軒目のお医者さんで初めてサルモネラと分かり一命を取り留めました。サルモネラ菌は感染して死亡するケースもあり、とても危険な食中毒と言えます。今スーパーなどに出回っている卵は、新鮮なものが多く、サルモネラ菌が付着しているものは少ないといわれています。それでも、全てではないですし、日がたつと増殖する可能性があります。

 食品安全委員会が実施した研究事例では、日本全国から集めた市販の卵、約10万個のうち汚染されていたのは3検体でした。さらに2万個の卵から検出されなかったという結果も合わせて、汚染の確率は0・0029%程度と推定しています。かなり低いですよね。ただ、生卵を食べるという行為自体は、やはり100%安全とは言えないのです。では、どういったことに気を付ければいいのでしょう。

 一つ目は温度管理です。サルモネラ菌に汚染された卵は、保管期間や卵の殻を割ってから食べるまでの時間が長くなるほど菌が増加することが分かっています。ただ、正しく温度管理をして保管すれば6週間後も菌が増えなかったという実験結果もあります(食品安全委員会 食品健康影響評価のためのリスクプロファイルより)。卵を買うときは、常温保存されているものではなく、冷蔵保存されているお店のものにしましょう。購入後は冷蔵庫で保管してください。

 二つ目は食べ方です。生卵を食べるときはできるだけ新鮮なものを選んで、割るときに殻が入らないように注意してください。サルモネラ菌は、熱に弱いので加熱すれば大丈夫です。基本的に卵の賞味期限は「安心して生で食べられる期間」として定められていますが、私は購入後すぐのものだけを生で食べるようにしています。特に賞味期限が切れた卵は、十分加熱調理することを心掛けてください。

 最後は意識しておくことです。子どもに生卵を与えた場合は、「今日生卵を食べたな」と意識しておいてあげてください。サルモネラ菌の潜伏期間は6~72時間といわれているので、この時間内に症状が出た場合は、お医者さんに「卵を食べた」とすぐに報告できるようにすることが大切です。サルモネラ菌は、卵だけでなく鶏肉やペットにもいるといわれています。調理前の手洗いは徹底し、お肉は十分加熱調理して笑顔の食卓にしてください。

(2020年8月8日付紙面より)

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