串本町潮岬にある南紀熊野ジオパークセンターが25、26日の2日間、主催イベントを展開し4連休後半を過ごす人々の参加でにぎわった。
新型コロナウイルス感染拡大による国の緊急事態宣言発令に伴い臨時休館し、先月1日から開館を再開した同センター。感染予防対策を講じながら来館者を受け入れる中、研究員を軸に南紀熊野ジオパークガイドの会も協力して感染予防も考慮しながら子ども向けのツアーと一般向けのワークショップを計画し、7月期のイベントとして公表し参加を呼び掛けた。
ツアー「潮岬を歩く子供向けジオツアー」は密を避けるため定員10人で事前予約を受け付け。不安定な天候の予報がされていた25日は9人中7人がキャンセルして2人のみの参加となったが、同会の上野一夫会長が潮風の休憩所や鯨山見などを案内。計画では潮岬灯台下の磯場へ降りて地質観察をする予定だったが、突発的な波の危険を避けるため似た特徴を宿す旭の森の盃岩を訪ねて枕状溶岩の解説をするなどした。翌26日も天候不安定が続いたが、9人中8人が参加したという。
ワークショップは館内実施で、今回は▽現地の砂を使った同パーク内の地質図作り▽海岸の漂着物(流木など)を使った風鈴作り▽古座川の砂からガーネット探し―といった三つのテーマを準備。研究員の福村成哉さんと本郷宙軌さんが講師となり、当日参加を受け付けて体験提供した。
ガーネット探しは、あらかじめ粒の大きさが1㍉程度でそろうように調整した川砂から砂金取りの要領で選別する内容。粒の比重差を利用して軽い粒を除き、ガーネットが含まれる重い粒を集めて顕微鏡で観察し見つけ出したガーネットを記念に持ち帰った。三つの体験は申し込み時の体温確認を条件として参加を受け付け、2日間計で73人が申し込んだという。
同センターは8月期に同パークの日本ジオパーク認定記念となるイベントを同パーク公式ホームページなどで公表していて、新型コロナウイルスの影響で夏休み期間から外れる形となったが関心を高めるきっかけとして利用してもらえればとしている。
(2020年7月29日付紙面より)
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