原水爆禁止和歌山県平和行進実行委員会は6日、新宮市役所駐車場で「2019年原水爆禁止国民平和大行進和歌山~広島コース」の集会を開いた。同駐車場に集まった参加者らは、核のない平和な世界への願いを訴えた。橋本市から始まった県内の行進はこの日をもって日程を終え、8日(土)に三重県に引き継がれた後、8月4日(日)に集結地の広島平和公園に到着する。
大行進は1958(昭和33)年6月に、被爆地広島から東京に向けてスタートした。歩くという行動が原水爆禁止への共感を広げ、行進には100万人が参加した。現在では全都道府県および8割以上の自治体を通過し、毎年10万人の人々が参加する国民的行動となっている。
新宮市の集会では、原水爆禁止新宮東牟婁協議会の岸本芳明代表が「平均年齢が80歳を超えた被爆者の方々は生きているうちになんとしても核兵器のない世界を実現しないとと思い生きている。この願いが叶えられるよう、平和行進に参加していただければ」とあいさつ。原水爆禁止和歌山県協議会の里﨑正事務局長が「和歌山県での平和行進は1979年に始まり、当時は50市町村を歩いた。平和行進をやったのは和歌山県が初めてで、歴史と伝統がある県」と紹介。核兵器廃絶と平和行進に協賛、支持していただける自治体や職員に支えられ今日まで発展してきたと感謝を示した。来春、アメリカのニューヨーク市内で「原水爆禁止世界大会」が開催されることに触れ、「世界の世論を変えていければ」と決意を示した。
田岡実千年市長は「今なお地球上には人類を絶滅させるほどの、大量の核兵器が蓄積、配備されており、断じて許されるものではありません。こうした状況の中にあって唯一の被爆国であるわが国の果たすべき役割は極めて重要」と述べた。
東牟婁地域の通し行進者の栗栖富夫さん(和歌山市民生協)が「世界には1万5000発弱の核兵器が残っている。平和への思いを一人でも多くの人に伝えたい」と決意表明。「この日本を被爆国であり、憲法9条を持つ国にふさわしく、核兵器禁止条約実現の先頭に立てる国にするため、一歩でも二歩でもご一緒に歩きましょう」などとする集会アピール宣言を拍手で採択し、『青い空は』を合唱した。
(2019年6月8日付紙面より)
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