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鏡開きをする(左から)屋敷満雄市議会議長、田岡実千年市長、関康之会頭、濱口太史県議=7日、新宮ユーアイホテル
熊野の魅力の再構築を
新春年賀会で決意新た
新宮商工会議所

 新宮市井の沢の新宮ユーアイホテルで7日、新宮商工会議所(関康之会頭)の新春年賀会が開催された。地域の経済人ら約90人が出席し、鏡開きなどで新年の門出を祝った。関会頭は、西村伊作の三男・八知(はっち)氏が1997年に私財を投じて設立した軽井沢のルヴァン美術館を昨年訪れたことに触れ、「夏から秋にかけて旧チャップマン邸と西村記念館がリニューアルオープンする。熊野の魅力の再構築に文化の面も盛り込んでいきたい」と決意を述べた。

 関会頭は冒頭のあいさつで「10月の消費税率引き上げに際しては、円滑な価格転嫁が中小企業にとって最大の課題。特に新たに導入される軽減税率制度については、説明会や相談会を重ねて実施することでより一層の周知を図り、混乱のないようその対応を支援していく」。

 地域活性化には交流人口を増やすことが重要であるとし「熊野の魅力の再構築とその情報発信、インバウンドへのさらなる質の高い対応、また受け入れ側の商店街の充実は言うまでもなく、既存の実施方法に頼ることなく常に再検証しつつ積極的な提案と実行をしてまいりたい」と協力を求めた。

 来賓として出席した田岡実千年市長は、水野家入部400年や世界遺産登録15周年、文化複合施設建設、バイオマス発電所建設などの事業を挙げ「今年は多くのビッグプロジェクトが始まる。新しい元号が町にとって輝かしい時代になると予感している。この機会を逃さずに行政、民間ともに得意分野を生かし、一緒になって盛り上げていきたい」とあいさつした。

(2019年1月9日付紙面より)


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子どもたちも参加した=7日、那智勝浦町市野々
地域 伝統の唄で無病息災
恒例の七草がゆ味わう
那智勝浦町
 那智勝浦町市野々の熊野古道大門坂にある農村民泊和笑庵(わしょうあん)で7日、「七草の会」が行われた。町内外から集まった参加者約30人は伝統ある唄を口ずさみ、無病息災を祈って七草がゆを味わった。

 催しは地域に古くから伝わる作法を次世代に伝えるために実施され、今回で3回目を迎える。

 川関地区に住む田嶋加津子さん(84)がうたう「七草の唄」に合わせて、参加者らは交代でセリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロの七草が並べられたまな板をすりこ木と包丁で刻むようにトントンと音を出して邪気や疫病をはらった。この日は子どもも参加しにぎわった。

 田嶋さんは「戦前まで川関では皆さんが同じようにやっていたと思う。最近ではさまざまな行事がなくなってしまのが残念。こういった文化を次の世代に伝えていきたい」と述べ、参加者に対しては「健康で幸せに1年間過ごしてもらえたら」と話した。

 2回目の参加となる市野々地区に住む稲垣葉子さんは「かゆは七草の香りがしておいしかった。この会は多くの方と知り合うことができていい。今年は健康第一で過ごしたい」と笑顔で語った。

(2019年1月9日付紙面より)

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潮岬公民館内で始まった串本町子ども囲碁教室=5日、串本町潮岬
地域 町内の愛好者に教わる
子ども囲碁教室始まる
串本町
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連合会
 串本町子ども囲碁教室が5日、潮岬公民館で始まった。囲碁愛好者グループ「南紀串本七夕会」(岩本芳明会長)による町内の子どもを対象にした取り組みで、同日現在で小学生11人が受講登録。今後も随時受講希望を受け付け、参加の裾野拡大を目指すという。

 この教室は、潮岬地区老人クラブ連合会(田仲康慧会長)が同グループに地区内で開かれていた囲碁大会の再興を要請したことがきっかけで始まった。大会が途絶えた要因の一つに愛好者人口の減少があり、盛り上げていくためには次の世代への囲碁文化の継承も不可避と考えた同グループは大会再興と対の取り組みとしてこの教室を計画したという。

 昨年末に小中学校経由で同教室の開講を告知し小学生や中学生に受講を呼び掛けたところ、11人が希望した。初回のこの日は冬休み期間中とあって全員が出席し、同グループの岩本会長、松島拓さん、松原敏幸さんから囲碁の打ち方を教わり、終盤では通常より小さい碁盤(七路盤)上で対局にも挑戦して楽しさを体験した。

 囲碁を打つのは初めてという坂元愛花さん(5年)は「相手に囲まれそうなときに陣地を取られないよう逃げるところが楽しい」。弟の愛菫君(3年)は「相手の石を囲んで取るところが楽しい」と興味津々。岩本会長は「家族も一緒に挑戦してくれれば、子どもは家でも囲碁に挑戦できる。必要な道具は貸し出すこともできるので、ぜひ子どもと一緒に挑戦してみてほしい」と呼び掛けてこの日の教室を締めくくった。

 同教室は当面、毎週土曜日午前9時~11時30分に開く。受講希望は今後も随時受け付けるそうで、小中学校経由で告知をしたが小中学生以外の子どもの受講も歓迎する。潮岬小校区と並んで子どもの数が多い串本小校区でも、ある程度の数の受講希望が見込めるようであれば老人憩いの家「わかしお」を拠点にして同教室を開くことを考えるとしている。

 この教室について岩本会長は「囲碁は強くなるほど面白くなるが、そのためにはじっくりと学ぶことも必要。当面は町内の子どもさんを対象にし、私たちの体力が続く限りこの教室を続けていきたい」。田仲会長は「老人クラブというと高齢者スポーツが注目されがちだが、活動はそれだけではない。文化振興も会員が取り組める活動であり、その一つとしてこの教室を応援している」と込めた思いを語った。

 同教室の受講希望や問い合わせは潮岬公民館(電話0735・62・3731)まで。

(2019年1月9日付紙面より)

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神職から宝印を受ける参拝者ら=7日、田辺市本宮町の熊野本宮大社
祭礼 一年に一度の「白玉宝印」
厳かに八咫烏神事
熊野本宮大社
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 田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)で7日、和歌山県指定民俗文化財の「八咫烏(やたがらす)神事」が営まれた。一年でこの日だけ押される厄よけの「白玉宝印」を入手しようと全国各地から約200人が詰め掛けた。

 正月三が日の間、神門前に飾られた門松で熊野牛王宝印(くまのごおうほういん)を調製し、たいまつの火と水ではらい清め、祭神の魂を吹き込む宝印押し初めの神事。拝殿の照明を落とした暗闇の中、神職が「えーい」という掛け声とともに拝殿の柱に宝印を押し、奉納した。神事後は、参拝者らが配られた白紙を手に神職から宝印を授かった。

 九鬼宮司は「昨年は御創建2050年を迎え、多くの方々に奉納や協力していただき無事に滞りなく納めることができました」と感謝を述べ、「新元号の元年となる本年は日本の大きな船出。皆さんそれぞれの立場で歩み方をしっかり刻んで命を大切にしてほしい。紆余(うよ)曲折があるかもしれないが、災害もなく平和であることを心から願っています」とあいさつした。

 大阪府柏原市から初めて訪れた井内文彦さん(53)は「神事が営まれることを地元の方に教えてもらい来ました。家族の健康を願って、自宅で大事にとっておきたいと思います」と話していた。

(2019年1月9日付紙面より)



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