古座川町平井にある北海道大学和歌山研究林(中村誠宏林長)で12日、公開講座「親子木工教室2018」があり、12組30人が作品制作に取り組んだ。
この講座は、夏休み期間に合わせて森の恵みを生かした造形である木工に親しむ機会を提供するなどの趣旨で2015(平成27)年から始まった。4年目となる今回のテーマは「ハンドスピナー」。寄せ木の技術で3種類の木を組み合わせ、長さ約9㌢、幅約3㌢、厚さ7㍉、一文字型の作品を仕上げる内容で、材料として同林産のイチイガシやケヤキと北海道産のキハダを準備した。
小川晃史技術職員から材料の木の特徴や工程の説明を受けた親子は、仕上がりをイメージしながら使いたい材料を選び、必要な寸法で切り出し。ボンドで貼り合わせた後はサンダーで継ぎ目を滑らかにし、やすりで好きな形に整え、中央に開けた穴にベアリング、両端に真鍮(しんちゅう)の重りを打ち込んで仕上げた。
町内から参加した大屋孝太君(5年)は、学校経由でこの講座があることを知り、面白そうだと感じて申し込んだそうで、「三つの木の色の組み合わせにこだわった。切ったり形を整えたりするのが難しかったけど、よく回る作品ができてよかった」とコメント。中村林長(44)は「森のものを使ってものづくりができることを知ってもらい、森に興味を持つきっかけにしてもらえれば」と話した。
同研究林は7月に同町と包括連携協定を締結し、今月8日の記念講演会に続いて同講座も同町が共催した。21日(火)に開く企画「森の探検隊2018」も同町の共催を得ていて、中村林長はこの連携を力にし今後の森林体験の機会増強に意欲を見せている。
(2018年8月15日付紙面より)
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