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天満保育園新園舎の完成イメージ図
新園舎の建設に着手
現在の場所に来年3月完成
天満保育園

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災害
 那智勝浦町天満、日本基督(キリスト)教団紀南教会天満保育園(松隈智子園長)は10日、新園舎の建設に着手した。旧園舎を取り壊した跡地で起工式が開かれ、関係者らが集まり、工事中の安全を祈った。来年3月完成予定。

 新園舎は一部2階建て園舎と3階建て円筒構造の園舎。円筒部はシリンダー・シェルター(津波避難タワー)となっていて、4階屋上部分へは津波などの災害時に、園児やお年寄りも容易に避難できるようになっている。

 天満保育園は1935(昭和10)年に創設され、83年の伝統を誇る。園舎が老朽化し、新園舎建設委員会を組織して検討を進めてきた。

 起工式は賛美歌の斉唱、聖書の朗読で始まり、設計事務所代表の株式会社UP TO(アップ・トゥー)の夏山惠次代表取締役、施主の日本基督教団紀南教会の佐伯恒道牧師、施行業者代表の株式会社夏山組の夏山晃一代表取締役社長が鍬入れを行った。

 夏山晃一社長は「完成した園舎で園児たちが元気な姿で跳び回っている姿が目に前に浮かんできました。全国で初と思うが津波避難タワーを兼ねた園舎を設けます。園児の安全を考えて一生懸命取り組んでまいりたい」とあいさつ。佐伯牧師は「新しく園舎を建てることが許されたことを感謝しております。ここで保育を続けるため、避難タワーを兼ねた素晴らしい園舎の提案を頂きました。子どもたちの人格が育つよう、実りのある保育を進めていきます」とあいさつした。

 同保育園は新園舎工事中、旧町立温泉病院の改修した医局で保育を行っている。

(2018年8月11日付紙面より)


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模擬裁判を体験する児童ら=9日、新宮市千穂の和歌山地方・家庭裁判所新宮支部
学校 「キッズ法廷」通じ学ぶ
小学生15人が模擬裁判を体験
新宮市
 新宮市千穂の和歌山地方・家庭裁判所新宮支部で9日、「キッズ法廷in新宮」があった。新宮、東牟婁地方の小学5、6年生15人が参加し、模擬裁判を通じて裁判所の役割への理解を深めた。

 この日は保護者らも訪れ、子どもらの体験を見守った。裁判所に到着した児童らは職員から裁判所内の注意事項や、進行の流れなどの説明を受けた。

 模擬裁判では裁判官、弁護人、検察官に分かれてそれぞれがせりふを読み上げ、流れや意味の解説を受けながら体験した。評議では、同支部長で裁判官の小野啓介さんが、裁判官の着る法服は黒で何ものにも染まらない色とし「重大な判断を下す場。適切で誰もが納得できる裁判をしなければならない」と説明した。

 児童らは意見を出し合い判決を出した他、裁判官への質問の時間や法廷で法服を着ての記念撮影もあった。山﨑音羽さん(11)は「判決の結果次第で人の一生が決まってしまうので、判断が難しくて間違いは絶対に許されないことが分かりました。貴重な体験ができてよかった」と話していた。

(2018年8月11日付紙面より)

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(左から)楠本秀一教育長に陳情書を提出する西村忠之会長、吉良善和相談役、長谷徳蔵副会長=9日、新宮市役所
地域 遺跡群の価値周知徹底を
保存と活用願う会が教育長に陳情
新宮市
 熊野新宮遺跡群の保存と活用を願う会(西村忠之会長)は9日、楠本秀一・新宮市教育長に「熊野新宮遺跡群(新宮城下町遺跡)の国史跡指定早期取り組みと遺跡の名称変更を求める陳情書」を提出した。西村会長は遺跡群の価値を周知徹底してほしいと願った。

 陳情書の内容は▽市が現状保存すると決定した「川湊遺跡を含む新宮城下町遺跡部分」を国史跡指定にするよう早期に取り組む▽名称を(仮称)「縄文から江戸期までの熊野新宮丹鶴複合遺跡」というように変更して周知をする―の2点。

 西村会長は、遺跡群は熊野新宮の歴史や文化の変遷を重層的に示す縦の重なりと、日本中世の川湊の様相が見えてくるなど大変重要な遺跡で、市が価値を認め保存活用しようとする姿勢は高く評価されるものであるとし、「市街地の中で観光客をはじめ熊野の歴史や文化を学ぶ方たちが利用しやすい場所一カ所にコンパクトにまとまった遺跡群は全国的にも非常に珍しい。新宮の良さを知っていただくための絶好の好機とし、具体的なネーミングでその価値を周知徹底してほしい」などと趣旨を読み上げた。

 楠本教育長は開発と保存の調和が大切であるとし「文化ホールを望む人にとっては当初の計画より狭くなっている。互いに少しずつ歩み寄り、残すところは残し、施設も有為な財源がある期限内にやっていきたい」。

 国史跡指定の新宮城などと一体として、市の歴史を豊かにする大事な遺跡だということを頭に入れて文化財審議委員の意見も聞きながら進めたいと理解を求めた。

(2018年8月11日付紙面より)



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森林圏ステーションの概要を紹介する日浦勉教授=8日、古座川町中央公民館
地域 和歌山研究林の理解深める
中央公民館で記念講演会
古座川町
 古座川町・北大和歌山研究林包括連携協定締結記念講演会が8日夜、同町中央公民館で開かれた。約70人が聴講し、同研究林への理解をいっそう深める機会にした。

 両者は先月28日、同研究林の地域貢献にいっそうの弾みをつけるために包括連携協定を締結。その第一歩として同研究林と地域の接点づくりとなる同講演会を共催した。

 講師は同研究林の母体にあたる北海道大学北方生物圏フィールド科学センター森林圏ステーション長の日浦勉教授と同研究林長の中村誠宏准教授。開会にあたり西前啓市町長は、学術、教育、文化、地域発展の各分野で協力関係を深め双方の発展と充実に寄与する目的で協定を締結したことを伝え、同研究林の取り組みを知る機会として静聴するよう促して来場を歓迎した。

 日浦教授は「長い目で見る、広い目で見る日本の森」と演題を掲げて登壇し、他のスギ林と比較した時のヨシノスギ林の特性や気候変動と森林の関係などの研究事例を取り組みの一端として紹介しながら、同ステーションの体系やこれから目指すところなどを語った。

 中村准教授は「和歌山研究林って、どんなとこ?」と演題を掲げて登壇し、同研究林の概要と構造や設置に至った状況やスギ・ヒノキ林開発研究の延長で展開された直営収益事業などの沿革を説明。現在は研究と教育の2機能を柱にしてさまざまな機会を提供していることを報告し、地元の関心と積極活用を求めるなどした。

 講演後は▽スギ林の北限▽ヨシノスギ林がカルシウムを豊富に有するのに古座川水系のミネラル分が少ない理由▽スギ林になってアマゴが少なくなったという話の真偽▽間伐の有無でどのような違いが出るか▽直営事業がない現在の同研究林の財源▽同研究林を見学する方法―などの質問が寄せられるなどした。

(2018年8月11日付紙面より)

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