熊野新聞記事アーカイブ
熊野新聞社 The Kumano Shimbun
〒647-0045 和歌山県新宮市井の沢3-6
営業部 TEL 0735-22-8080 FAX 0735-23-2246
記者室 TEL 0735-22-8325 FAX 0735-28-1125

新茶を摘み取るみこら=17日、田辺市本宮町
自然の恵みに感謝
熊野本宮大社で新茶祭

 田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)で17日、新茶祭が営まれた。大社裏の茶園でみこらが摘み取った特産品「音無茶(おとなしちゃ)」の新芽を神前に供え、自然の恵みに感謝するとともに産業の発展を祈った。

 音無茶は、平安時代に熊野を訪れた京都の貴族が植えたのが始まりといわれている。名前は大社近くを流れる音無川にちなんで付けられた。昭和30~40年代に栽培面積を増やし、現在は町内40戸約5㌶で栽培している。昨年は一番茶、二番茶合わせて380㌔。茶葉はペットボトル飲料やアイスクリームなどの加工品としても販売されている。

 白衣に赤いたすき姿のみこ2人と、大社敬神婦人会役員ら5人が、祓戸(はらいど)王子近くの茶園(約10㌃)で新芽を摘み取った。大社は毎年、収穫した一番茶を皇室に献上している。本格的な茶摘みは4月下旬からで、二番茶は6月下旬から摘む予定。

 本宮町茶業生産組合の松本喜代志組合長代理(89)は「今年は天候が良く成長は半月ほど早いです。霜もなく、おいしいお茶ができそう」。九鬼宮司は音無茶の生産に感謝し、全国、一人でも多くの人に音無茶を知ってもらいたいという思いで始まったと祭の由来を紹介。「今年は(創建)2050年の年。来年度は新たな祭を披露したい。伝統をかみしめ、次の世代の人々に提言できる祭を催したい」とあいさつした。

(2018年4月18日付紙面より)



別窓で見る
記事一覧

学力調査の説明を受ける生徒ら=17日、新宮市
学校 小6・中3対象に実施
全国学力・学習状況調査
新宮・東牟婁
 文部科学省は17日、小学6年生と中学3年生を対象に「全国学力・学習状況調査」を実施した。県内では国公立小中学校計349校の約1万5200人が対象。国語、算数・数学、理科の3教科で調査を受けた。新宮・東牟婁では小学校23校と中学校17校の児童、生徒が対象となった。

 調査は、義務教育の機会均等と教育水準の維持向上の観点から小・中学生の学力や学習状況を把握、分析するのが目的。調査により教育施策の成果と課題を検証し、教育指導の充実や学習状況の改善などに役立てる。

 国語、算数・数学、理科は基礎知識の問題と、活用力、課題解決力の問題を2種類に分け実施。生活習慣や学習環境などの質問調査もあった。結果は7月末ごろに学校や各市町村の教育委員会に公表される。昨年度の県の結果では全ての教科で全国平均との差が大きく改善した。

 県教委は「県学力向上対策本部」を設置。調査結果の分析とこれまでの取り組みの検証、今後の対策を協議してきた。「県学力向上対策中期計画」を策定し平成27、28年度の2年間、学力の定着を図った。29年度の学力向上対策では取り組みを「基礎学力の定着」「思考力・表現力を高めるための授業改善」「補充学習の強化と家庭学習の定着」「学力向上のための戦略的な学校経営」としている。

 全国調査は1960年代にも行われていたが、学校や地域間の競争が過熱したことから昭和39年に全員の調査を中止。近年、学力低下が問題視され、平成19年に復活した。同22年から24年度は全国の3割の学校を抽出して調査し、以降は再び全国で行っている。

(2018年4月18日付紙面より)

もっと見る
折たたむ
別窓で見る

一枚岩の壁面に出現した守り犬の影(左下)=16日、古座川町相瀬
地域 春の鑑賞シーズン迎える
一枚岩「守り犬の影」
古座川町
【この記事のキーワード】
夏祭
 古座川町相瀬にある国指定天然記念物・一枚岩で今年も、守り犬の影が鑑賞のシーズンを迎えている。

 守り犬は一枚岩に伝わる民話に登場するイヌで、那智勝浦町浦神から道すがら岩をかじりながら奇岩の多い古座川流域へ入り込んだ魔物が一枚岩へ差し掛かった時、果敢にほえて追い払ったとされている。

 流域の所々にある岩の虫食い状況を見た先人が伝承してきた話で、内容を後押しするように虫食い状況は一枚岩より上流にはほとんど見られない。同町小川にある県指定天然記念物・滝ノ拝の伝承(瀧之拝太郎)と並んで同町を代表する民話になっていて、同町作成の絵本冊子などを通して啓もうも図られている。

 そのような民話のワンシーンを再現するかのように出現するのが守り犬の影。対岸にある犬鳴岩の影が西日の差し込み加減で一枚岩の壁面に落ちる現象で、近隣住民が愛犬を連れて散歩中、愛犬とそっくりのシルエットを持つ影があることに気付いて以来話題になっている。

 同駅内に設けられている案内板によると年2回、4月19日前後と8月25日前後の数日内、午後5時ごろが見頃とされている。出現場所は上流側のどんどろの森入り口付近。春のシーズンは空がかすんで影の輪郭がにじみがちだが、条件がよければ下流側に向かってほえるイヌのような影が見られる。16日は薄曇りの弱光条件ながらおぼろげにその輪郭を見せ、居合わせた人の注目を集めた。

 セッコクの白花も巨大な壁面のくぼみに点々と咲きそろい、今年は見どころの多い春のシーズンとなっている。夏のシーズンはより鮮明に鑑賞しやすく、ここ数年は地元主催の鑑賞会を兼ねた夏祭りも開かれている。

(2018年4月18日付紙面より)

もっと見る
折たたむ
別窓で見る
主な記事 *記事詳細は熊野新聞紙面をご覧下さい*
  • 行政 那智勝浦町を元気に 堀順一郎氏が町長選立候補表明
  • 【この記事のキーワード】
    消防本部
    新宮高
  • 文化 1位に宇井ますみさん 熊野ネイチャーフォトクラブ4月例会
  • スポーツ 116組232人が競う串本町、青少年の家でグラウンドゴルフペア大会
  • 【この記事のキーワード】
    体験学習推進協議会
  • 地域 カラスノエンドウ 三輪崎の孔島で
  • 地域 体験やライブで健康に弾み串本町、第3回スポーツボイスフェス
  • 地域 ウミガメを守るために 「七里御浜一斉クリーン作戦」 (紀宝町)
  • 【この記事のキーワード】
    井田小
  • 地域 グループで意見出し合う新宮市在宅医療・介護連携推進会議
  • 【この記事のキーワード】
    連絡協議会
  • 地域 不世出の文豪を紹介 山﨑泰さんが講演会 (熊野市)
  • 観光 大勢に見送られ 外国客船スターレジェンド (新宮市)
  • 【この記事のキーワード】
    熊野三山
    新宮高
くまスポ
  • 那智ウイングスが優勝 第2回JAみくまの杯バレーボール大会 (串本とのフルセットの激闘制す)
ご購読・試読のお申し込み