2026年度の統合を予定している、和歌山県立の新宮高校と新翔高校の統合校名が「和歌山県立新宮高等学校」に正式決定した。県教育委員会が4日に発表した。定時制課程で普通科の昼間部を新設することも決まった。
校名については6月に候補を募り、地域住民や両校の生徒、進学予定の中学生と保護者、卒業生などが応募。総数2565件の約94%が「新宮高校」だった。これを伝えられた県教委が「地域の声や思いを反映した校名である」と認め決定した。また新宮高校となった場合は現在の校歌を引き継ぐ方針も決まっていた。
統合後は「全日制課程」として▽学彩探究科▽普通科▽総合学科、「定時制課程」として▽普通科(昼間部)▽普通科(夜間部)、「通信制課程」として▽普通科―に再編整備されることも決まった。両校が県教委に提出した再編整備案では、総合学科の自立支援系でやろうとしていた教育内容を定時制課程の普通科(昼間部)で展開することになった。
校舎名として、現在の新宮高校を「新宮校舎」、新翔高校を「新翔校舎」とすることも正式決定となった。新宮校舎に全日制の▽学彩探究科▽普通科▽総合学科1年、定時制の▽普通科(夜間部)、通信制の▽普通科。新翔校舎に全日制の▽総合学科2・3年▽定時制の普通科(昼間部)を設置する。
県教委の主催による再編整備の説明会の実施も発表した。第1回は20日(日)午後2時から午後4時まで新宮高校で、第2回は23日(水)午後6時から午後8時まで新翔高校で行う。内容は▽校名について▽校舎名・校舎活用について▽設置する課程・学科について▽課程・学科の内容について(両校からの説明)▽質疑応答―となっている。
(2024年10月5日付紙面より)
5年生が運動会に向け綾踊り練習 (三輪崎小 )
新宮市立三輪崎小学校(竹本明央校長)で3日、地元三輪崎の伝統的な「綾踊り」の練習があった。三輪崎郷土芸能保存会の濱口仁史会長をはじめ会員10人が指導。5年生75人が、26日(土)の運動会で披露する踊りの動きを確認し、元気な「ヨイハ」の掛け声を響かせた。
綾踊りは竹製で両端に房が付いている銛を模した「綾棒」で鯨を突く動きを繰り返す踊り。扇子を持って鯨を追い込む場面を再現した「殿中踊り」と並び、「鯨踊り」として和歌山県の無形民俗文化財に指定されている。同校では毎年、5年生が運動会で綾踊りを披露している。
児童は9月18日に事前学習し、濱口会長らから踊りの歴史や、法被の由来などを学んだ。練習は今回2回目で、17日(木)に最後の調整に臨む。運動会当日は、保存会も太鼓やお囃子で参加する。
この日は前回の復習をした後、4グループに分かれて会員の指導を受けながら練習。成果を確認した濱口会長は「周囲の人を見ながら、動きをそろえるのが重要。綾棒や腕を真っすぐ伸ばすことに意識して」などと呼びかけた。
牧煌翔君は「少し動きが難しいけど、練習を重ねるうちに成果は出ている。本番までにしっかり覚えて、完璧に踊れるようになりたい」と意気込みを語った。
濱口会長は「動作が素晴らしく、掛け声も大きい。覚えようという意欲に感心している。運動会では失敗を恐れず、自信を持って力いっぱい踊ってもらえれば」と話していた。
(2024年10月5日付紙面より)
築地の津波避難施設建設 (那智勝浦町 )
那智勝浦町のにぎわい市場前に建設中の「築地地区津波避難施設」で1日から、基礎くいの設置工事が始まった。オーガスクリューで支持層となる岩盤まで掘削し、孔内に長さ約40㍍、直径60㌢の鉄筋コンクリート製のPCくい11本を建て込む計画。3日には現場に巨大な掘削装置が設置された。
和歌山県の「津波から『逃げ切る!』支援対策プログラム」に基づき、築地地区の津波避難困難地域を解消する事業。周辺住民や勝浦港を訪れる観光客の避難を想定し、高さ約20㍍、収容人数400人規模のタワーとなる。
防災施設ではあるが、平常時も観光客向けに開放し、勝浦湾の眺望などを楽しむ場所として活用する計画。今年6月に着工し、完成は来年秋ごろ。総工費は2カ年で4億4110万円を見込む。
基礎くい設置は最も大がかりな工事で、Smart―MAGNUM工法を用いる。工期は機材解体・搬出も含めて14日(月・祝)までの約2週間の予定。町は周辺地域への振動や騒音の可能性もあるとし、理解を呼びかけている。
町によるとタワー建設は町内7カ所目で、東海・東南海・南海の三連動地震を想定したハード整備は本施設で一段落。用地確保などに時間を要したものの、一目で避難場所と分かる施設が完成することで、来町者らの安心・安全を図っていくという。
(2024年10月5日付紙面より)
なちかつグラウンドゴルフ大会 ( )
5年ぶりの黒潮杯ソフトテニス大会 ( )
耳が聞こえにくい来庁者に (新宮市・那智勝浦町 )
新宮市と那智勝浦町で、耳が聞こえにくい来庁者らとのやりとりを円滑にしようと「軟骨伝導イヤホン」が導入された。団塊の世代が後期高齢(75歳)を迎える2025年を目前に、議会などで導入に向けた議論があり、既に窓口に設置されている。
国立長寿医療研究センターによると、難聴有病率(軽度難聴以上の難聴がある人の割合)は65歳以上で急増し、70歳代前半では男性の約5割、女性の約4割、70歳代後半では男女とも約7割、80歳代では男性の約8割、女性の約7割に軽度難聴以上の難聴がみられる。一方、さまざまな理由で補聴器をつけることをためらう人も多いという。
軟骨伝導イヤホンは、小さな球状のイヤホンが耳の入り口に触れると、耳の穴(外耳道)を取り巻く軟骨組織に振動を与え、音が聞こえる仕組み。耳をふさがないので外部の音も聞こえ、逆にイヤホンの音はほぼ漏れないなどのメリットがある。聴力が低下している来庁者に、大きな声を出さなくても音声をクリアに伝えることができ、相談内容のプライバシー保護にも役立つと期待されている。
新宮市では市役所1階窓口と別館の高齢者総合相談窓口に各1台を導入。窓口職員は「少し耳が聞こえづらい方に使ってみないか提案し、『聞こえる』と反響を頂いたことも」と語る。那智勝浦町では役場1階の福祉課窓口に1台を設置した他、介護認定調査で高齢者宅へ訪問する調査員用にも1台を購入し、今後活用を図っていくという。
(2024年10月4日付紙面より)
大泰寺で星空観察会 (那智勝浦町 )
那智勝浦町下和田の大泰寺(西山十海住職)で9月29日夜、星空観察会があった。寺周辺で天の川を眺める予定だったが、雨のため本堂で星空ガイドの角田夏樹さん(38)が星空解説をした。子どもから「一番でっかい星は?」との質問があり「オレンジ色の星が大きい。宇宙では無限にでっかい星があるよ」と答えた。
西山住職が知人の角田さんに依頼して初開催した。角田さんはニュージーランドで4年間、星空ガイドをし、帰国後は和歌山大学で観光を学んだ。現在は、みなべ町で星空ツアーを企画する「STAR FOREST」を運営している。
本堂にプロジェクターを設置。「天の川」をテーマに角田さんは「さそり座といて(射手)座が天の川で星が密集している部分。正体は2000億個の星の集まりで、一粒一粒が輝いている」と話し、見つけるポイントを紹介した。
スライドの星空を動かし「星は季節や時間によって動き、時間とともに西の空に沈んでいく」と説明。「北斗七星は夏が終わると北の空に沈み、秋が深まると夜空に出てこなくなる。北斗七星の上から2番目のミザールの近くにある暗い星アルコルは昔、視力検査代わりにしていたといわれている」と解説し「見えるかチャレンジを」と呼びかけた。
「若い星は温度が高く、青白っぽく光る。オレンジの星は温度が下がり、寿命が後半になると大きくなる。どんな星も同じ運命をたどる」。
星の寿命は100億年ほどあり、人間とは時間軸が違うとし「織り姫とひこ星は1年に1回会うとされるが、私たちの感覚では0・3秒。実は常に会っている」と明かした。
「どの国でも真北を指しているのが北極星。昔、熊野古道を歩いた人たちも北極星を頼りに旅をしていた」などと語り、小説「銀河鉄道の夜」と星空の関係、世界で見える星なども紹介した。
(2024年10月4日付紙面より)
市政功労者11人を表彰 (新宮市 )
新宮市市制施行記念日である1日、市政功労者表彰式が市役所別館で行われた。社会福祉や消防水防、保健衛生、教育文化などの功労者11人(代理を含む)が、表彰と祝福を受けた。
田岡実千年市長が1人ずつ、表彰状を手渡した。田岡市長はあいさつで「多年にわたり各分野で献身的な活動を頂き、地域社会の発展と住民福祉の向上、市の発展への貢献にお礼申し上げます」と謝辞。「今後も知恵と経験を貸していただきますようお願いします」と呼びかけた。
来賓として、三栗章史・新宮市議会議長と濱口太史・県議会議員が祝辞。「今後、皆さんの知見と経験はますます重要になる。市議会も皆さんの意見を取り入れ、市政の発展に尽力したい。変わらない支援と協力を」。「行政が行き届かないところを補われているのが皆さん。市の発展には、今後も皆さんの活動が必要になる。引き続きご尽力をお願いします」などと語った。
同表彰は同記念日に伴い、1977年度から始まった。表彰件数は本年度を含み、個人1032人と102団体となっている。なお、この日で旧新宮市が市制を施行して91年、旧熊野川町が町制を施行して68年、旧新宮市と旧熊野川町が合併して19年目を迎える。
(2024年10月4日付紙面より)
姉妹都市50周年式典に向けサ市へ (新宮市 )
新宮市の姉妹都市、米サンタクルーズ市(サ市)で5日に開催される姉妹都市提携50周年記念式典に出席するため、田岡実千年市長や新宮市姉妹都市親善協会の岩澤卓会長らが2日、JR新宮駅を出発した。
訪問団は15人。式典出席のほか、サ市長との面会、カリフォルニア大学サンタクルーズ校、ファーマーズマーケット、インターネットプロバイダー企業への訪問も予定している。8日(火)に帰国する。
両市は1974年に姉妹都市提携を締結。訪問団の相互派遣などを通して友好関係を築いてきた。コロナ禍を経て今春、2019年4月以来、5年ぶりにサ市から中高生らが訪問した。
新宮市からは夏に高校生9人が訪問。サ市で約2週間ホストファミリーの元に滞在し、現地のカリフォルニア大学サンタクルーズ校や企業などを訪れた。
今回、田岡市長の訪問は40周年記念式典以来、10年ぶり。「毎年のように中高生がサンタクルーズでホームステイし、異国の生活、文化といった貴重な体験をさせていただいている。姉妹都市ならではの交流で、感謝の気持ちをもって式典に出席し、さらに絆を深めたい。今後の交流を通じて観光振興につながれば」と話していた。
新宮市姉妹都市親善協会は1978年に設立し、さまざまな交流事業を続けてきた。岩澤会長(72)は「これまで10回以上サンタクルーズを訪問した。コロナ禍はオンラインで交流し、今回は5年ぶりとなる。次の50年に向けて、互いの長所や文化の違いを交換しながら交流を図りたい」と語った。
(2024年10月3日付紙面より)
専門アドバイザーがサポート (紀宝町が締結 )
紀宝町は1日、空き家活用株式会社(和田貴充・代表取締役CEO)と空き家対策に関する事業連携協定を締結した。11月1日(金)に、無料の空き家相談窓口「町アキカツカウンター」を開設することなどを決めた。
アキカツカウンターは、空き家の所有者、相続者が相談しやすい環境をつくり、未流通の空き家を掘り起こすことで、中古住宅市場の活性化を図るとともに、空き家の解消や発生が抑制される仕組みの構築を促進することが狙い。
空き家であれば地域、状態、課題を選ばず、どんな物件でも相談が可能。所有者、利活用者、事業者が無料で登録できる。専門アドバイザーが中立の立場でサポートする。
ウェブや電話での問い合わせを受け付ける予定で、内容などは今後、町のホームページなどで紹介する。詳しくは役場企画調整課(電話0735・33・0334)まで。
締結式は役場小会議室であり、西田健町長と和田CEOが協定書に調印。西田町長は「空き家の利活用が推進されることで、住民定住の促進にもつながり、地域の活性化が図られることに期待したい」と述べた。
和田CEOは「空き家対策は町づくりにつながる。地域の空き家所有者の相談窓口を設置し、紀宝町と地域の方々が主役となるようサポートしたい」と話した。全国11自治体にカウンターを設置し、紀宝町は三重県内で初となる。
町では、2015年度から空き家を有効活用し、移住定住を図るため、空き家バンク制度などを推進してきた。22年度には「町空家等対策計画」を策定。昨年度は地域おこし協力隊が中心となり、町内全域の5064件で空き家調査した結果、725件(14・32%)が空き家と思われる状況と分かった。
現在、空き家所有者にアンケートを行っており、活用状況を把握した上で、空き家問題解決に取り組んでいくという。
(2024年10月3日付紙面より)
きのくに野外博物館イベント (那智勝浦町 )
自然は学びの宝庫。那智勝浦町の宇久井半島で9月29日、和歌山県立自然博物館によるきのくに野外博物館イベントがあり、近畿圏各地から参加した親子ら約30人が、森に生育する多種多様なキノコを観察して楽しんだ。
自然博物館学芸員の川上新一さん、木の子クラブ和歌山の山東英幸さんを講師に迎えた。キノコの専門家である山東さんは、キノコがカビの仲間であることや、大きく子嚢(しのう)菌と担子菌の2種類があることなどを解説した。
駒崎灯台への遊歩道では数㍉ほどのビョウタケや漢方薬にもなる大型のマンネンタケ(霊芝〈れいし〉)などが顔をのぞかせており、参加者たちが観察しつつ採取。環境省宇久井ビジターセンターに持ち帰り、同定作業をした。
中にはまだ名前が付いていないキノコもあり、山東さんは「学会発表すれば『新種』とされる可能性が高いが、そのためには世界中の先行研究を調べる必要がある。若い人たちの頑張りに期待したい」。川上さんも「特にベニタケ類は分類が難しく、これからもどんどん新種が見つかっていくと思う。興味を持つきっかけになれば。ただし、食べる時は自分だけで判断せず、専門家に相談を」と呼びかけた。
田辺市から参加した沖見亞音さん(10)は「アンズタケやコテングダケモドキを見つけた。名前を知らないキノコばかりで、面白かった」と話していた。
(2024年10月3日付紙面より)
健康フェスタを初開催 (那智勝浦町 )
那智勝浦町は9月29日、体育文化会館アリーナで「なちかつ健康フェスタ2024」を初開催した。家族連れ約250人が来場。野菜摂取レベルが分かる「ベジチェック」測定会の他、ニュースポーツ体験や運動教室、コミュニケーションビンゴ、骨密度測定など盛りだくさんの内容で、健康長寿への意識を高めた。
9月の「健康増進月間」に合わせたイベント。▽栄養▽運動▽健康管理▽こころの健康―に重点を置く「町健康増進計画」に基づき、普段あまり健康を気にかけていない層にも、気軽に参加して健康意識を高めてもらうことが目的。多世代の交流拠点として整備が進む体育文化会館の利活用を進める狙いもある。
「ベジチェック」は手のひらを当てるだけで普段の推定野菜摂取量が分かる機器で、目標は7以上。野菜不足となりがちな現代だが、好数値を出す人もおり、70代夫婦は「夫婦で9~10の値だった。普段からたくさん野菜を食べており、血圧の一番弱い薬は飲んでいるけれど、それ以外には不調もない」と笑顔。野菜不足の人には、朝食にサラダや野菜スープを取り入れるなどのアドバイスや簡単なレシピを添えた。
親子3世代で参加した寺前結登君(9)は「運動やゲームをした。野菜は好きだけれど、好きなのがキャベツとかキュウリみたいな淡色野菜で、ベジチェックの数値は4。健康のためにたくさん運動したい」。祖母の米地光恵さん(68)は「普段から町の運動教室にも参加している。久しぶりに会う方もいて、とても楽しめた」と話していた。
前日の28日にはJAみくまのの協力の下、Aコープなち店入り口で「健康測定イベント」も開催。各種測定に加え、野菜サラダや野菜スムージー、まりひめイチゴのスムージー、焼き芋、スイートポテトの振る舞いもあり、朝から大勢の町民でにぎわっていた。
(2024年10月2日付紙面より)
秋晴れの下で体育祭 (新翔高校 )
和歌山県立新翔高校(宮井貴浩校長)で1日、第18回体育祭があった。秋晴れの下、全校生徒264人が縦割りの3ブロックで優勝を目指して各競技に臨んだ。
今年は「勝敗笑美戦(かっぱえびせん)~次の時代へ新翔体育祭~」をテーマに掲げた。当初は9月27日に行われる予定だったが、雨天のため延期となっていた。
開催に当たり、宮井校長が「クラスや学年、学校の絆を感じられるような、思い出に残る体育祭になることを願っています」とあいさつ。実行委員長の内田小晴さんは「ブロックごとに精いっぱい力を出し切って競い、最後まで協力して頑張りましょう」と呼びかけた。
大山文惺さん、玉置優羽さん、名古小春さんの各ブロック長が「日頃から支えてくれている先生や保護者の方々、学校で出会ったかけがえのない友達に感謝の気持ちを込め、正々堂々と競技に挑むことを誓います」と力強く宣誓し、競技が始まった。
生徒たちはリレーや大縄跳び、綱引き、ムカデ競走などで熱戦。観戦していた生徒たちは応援の声を張り上げ、訪れた保護者らも大きな拍手を送っていた。
(2024年10月2日付紙面より)
御船祭の実施に向け (熊野速玉大社 )
熊野速玉大社(上野顯宮司)で1日早朝、例大祭「新宮の速玉祭(はやたまさい)」の中で行われる御船祭(みふねまつり)の実施に向けた早船の蔵出しが、関係者により行われた。竹の「ころ」を敷いて倉庫から引き出し、傷みがないかを確認した。
例大祭は15日(火)の神馬(しんめ)渡御式と16日(水)の神輿(みこし)渡御式から成り、御船祭は神輿渡御式の一部として行われる。神輿から遷(うつ)した神霊の川渡御に際し、神霊が乗る神幸船(しんこうせん)を先導する形で、市内9地区の早船が熊野川を上り競漕(きょうそう)する。下りでも競われる。
蔵出しは御船祭の祭典委員や各地区の乗船者の手で行われた。並んで舷側をつかみ、ころの上を滑らせて倉庫から引っ張り出した。9艘(そう)の早船を屋外に運んで並べた。
御幸区でこぎ手を務める後岡賢さん(42)は「気持ちが引き締まる。ついにこの時が来たかと思う。御幸区は輪番区でコロナ禍もあり、5年ぶりの出場。感覚を思い出しながら(練習を)やっている。優勝したい」と話した。
御船祭は11日(金)に旗番抽選が行われ、勝敗の鍵にもなるスタート位置が決定。本番は16日の午後4時30分ごろ、丹鶴体育館裏の下札場からスタートする。約1・6㌔を遡上(そじょう)して御船島を3周し、相筋河原にある上札場までの順位を競う。下りは周回数が変わる。
なお、例大祭は2月の御燈祭(おとうまつ)りと合わせ、「新宮の速玉祭・御燈祭り」として2016年3月に、国の重要無形民俗文化財に指定されている。
(2024年10月2日付紙面より)
スポーツウエルネス吹矢 (那智勝浦町体育協会 )
那智勝浦町体協秋季ソフトバレー
東牟婁スポ少空手道交流大会
開通記念イベント大盛況 (新宮紀宝道路 )
新宮紀宝道路開通記念イベント(同実行委員会地域活性化部会主催)が9月29日、新宮木材協同
組合前道路や熊野川河口大橋上であった。木材並べはギネス世界記録を達成。二県交流綱引き大会は子どもの部、大人の部ともに和歌山県が勝利した。ステージ発表や飲食ブース出店もあり、大盛況で幕を閉じた。
同部会の野中亮伸部会長と古屋敷久副部会長が開会を宣言。「共に地域の活力となることを誓う」と声をそろえた。同実行委の田岡実千年委員長(=新宮市長)が「(同道路が)いよいよ年内に完成し、供用開始になる。命の道、地域活性化の道など、いろいろと価値がある道路。今日はイベントを楽しんで」とあいさつした。
木材並べは、橋上の600㍍間で和歌山県側と三重県側から、長さ4㍍、10・5㌢角の紀州材を端が密接した状態で並べていき、中央でつなげるもので、総勢約300人で挑んだ。木材には熊野古道の道中にある王子社や熊野三山の名称などが入ったプレートを置き「道がつながる」を表現した。参加者が雨天の中で協力して並べ、最後は新宮市と紀宝町の両市町長でつないだ。ギネスの公式認定員が確認した。
二県交流綱引き大会も橋上で実施した。子どもの部は各120人、大人の部は各200人が、長さ250㍍、直径6㌢の綱を引き、3回勝負で対戦。両部ともに和歌山、三重、和歌山の順で勝利した。
同組合前道路の会場にはステージが設けられ、ダンスや日本舞踊、吹奏楽などが披露された。お笑い芸人によるネタ発表もあり、会場を盛り上げた。ステージ脇には巨大モニターが設置され、橋上での木材並べや綱引きの様子を映し出した。多くの飲食ブースやキッチンカーが並んだ。多数が訪れ、飲食やステージを楽しんでいた。
(2024年10月1日付紙面より)
町民対象の内覧会を実施 (南紀月の瀬温泉ぼたん荘 )
古座川町月野瀬にある施設「南紀月の瀬温泉ぼたん荘」本館で9月27日、町民を対象にした内覧会があり237人(町発表)が改修・修繕後の状態を確かめるなどした。
この施設は1996年開設。本館、温泉館、いろり館、RVパークおよび駐車場などで構成され、宿泊、飲食、会合・集会、温泉浴場と多彩な機能を発揮する仕様を特色としている。
昨年4月からいったん運営を休止し、修繕と部屋割り変更の改修を開始。その設計を経て今年3月13日から8月30日までの期間で所要の工事を進めた。工事費は2億1131万円、うち1億9430万円は過疎対策事業債を充てていて70%が交付税措置されるという。
以前の部屋割りは和室(8畳)10室。町地域振興課によると、改修では1階宴会場を洋室4室(シングル3、ツイン1)とミーティングルーム、2階和室10室を洋室9室(シングル6、トリプル3)と和室4室(現状でベッド2基を設置)へと仕切り直した。全室にユニットバスまたはシャワー、各洋室にサイクルハンガー、1階トイレへオストメイトを新設し、車寄せ軒裏の改修も実施。修繕では館内のクロス張り替えや屋上防水工事などをした。別事業で温泉館への源泉供給設備の修繕も実施。他は従来の状態となっている。
今後は株式会社楽帆に施設運営を託すことが決まっていて、実運営はグループ会社の株式会社リゾートシェアが担う。同社は11月上旬~中旬ごろのオープンを目指して準備を進めているという。
内覧会序盤には大屋一成町長も駆け付け、内覧した町民の反応を聴取。改修・修繕完了の節目を受け「この改修は前任者からの引き継ぎで、元議員として若干遅れたかなと感じるが完成して良かった。今後は運営者が大いに生かしてくれることを期待するばかり。町は来年度、裏の用地の基本構想を策定する。着実に進めていきたい」と気持ち高まるところを語った。
(2024年10月1日付紙面より)
紀伊半島大水害記念公園で清掃 (那智勝浦町 )
那智勝浦町井関の紀伊半島大水害記念公園で9月28日、那智谷大水害遺族会の岩渕三千生代表と地元建設業有志ら23人が慰霊碑の清掃と周辺の草刈りに取り組んだ。
2011年に発生した紀伊半島大水害で、同時多発的な土石流による甚大な被害を受けた那智谷。例年、水害発生日の追悼供養や慰霊祭を前に清掃を実施してきたが、今年は台風などの影響で中止になっていた。有志らの申し出で、日を改めて実施した。
清掃に協力したのは▽㈱庵野組▽井筒建設㈱▽カミジ技建㈱▽大和建設㈱▽木原造林㈱▽岡山組▽㈱下山組▽下山建設工業㈲▽田中建設㈱▽中川建設㈲▽松岡組㈲▽㈱オカダ▽㈱関三吉商店―の13社。小雨が降る中、公園周辺の草刈りや慰霊碑周辺の落ち葉清掃の他、お参りする人に向けた看板の設置工事なども実施した。
岩渕代表は参加者らに「皆さんの協力があって実施できている」と感謝。水害から13年が経過する中「何年たっても気持ちは同じ。災害を忘れないよう、今後も取り組み続ける」と話していた。
(2024年10月1日付紙面より)