避難や放水などに汗流す (那智勝浦町 )
那智勝浦町は27、28の両日、町職員を対象とした職員避難訓練および災害対策本部研修・消防訓練を役場庁舎や消防・防災センターで実施した。2部制で行われ、27日は午前35人、午後39人の町職員が参加し、災害に対しての知識や消防に関する技術などを学んだ。
同町は、防災対策室企画員の柴田通仁さんの採用をきっかけに、ソフト面の充実化にも注力。職員で組織される救助部は災害時、各事案に対応するが、業務が多岐にわたっていた。円滑な活動のために、業務の独立化なども行っている。
訓練は南海トラフ地震とそれによる津波の発生を想定。昨年から実施し、その際は避難経路の確認を行った。今年は内容を充実させ、避難要領や災害対策本部のレイアウトなどを確認し、消防技術の習得などを目的とした。
訓練日前日には、災害対策本部レイアウトを作成し、柴田さんが堀順一郎町長や湯川辰也消防長らに説明した。
27日は、役場大会議室で、訓練説明があった。職員は、2011年に発生した東日本大震災の記録映像を鑑賞。実際の被害の甚大さなどを再認識し、各部署に戻った。
続いて庁舎内放送で、訓練対象者の職員は町防災対策室職員の誘導によって、避難を開始。町立温泉病院を経由し、町消防・防災センターへと向かった。
有事の際は、センター2階が、災害対策本部となり、今回も本番同様にレイアウトされた。対策本部では、町機能状況や人的・物的被害などの情報が集約されており、詳細などを柴田さんが説明した。
その後、屋外で消防職員から、消火ホースや筒先の使用方法や撤収方法の指導があった。最後に職員らは、グループに分かれ、役割分担して放水訓練に取り組んだ。
柴田さんは「去年の訓練と比較し今年は内容がステップアップしている。私の方で企画し、堀町長の意向を聞いて訓練を組み立てた。訓練でできないことは本番ではできない。職員の皆さまも避難時に、懸命に走って移動するなど、レベルアップも確認できた。今後も継続していかなくてはならない」と語った。
次回は10月4日(水)、5日(木)に心肺蘇生法と自動体外式除細動器(AED)訓練を行うという。
(2023年9月30日付紙面より)



田坂光男師範部長がカザフスタンへ (合気道熊野塾道場 )
カザフスタン共和国の経済・教育・文化の中心地、アルマトイの「カザフスポーツスポーツ観光アカデミー」で9月上旬、文化交流イベントが催され、合気道熊野塾道場(須川勉道場長、新宮市元鍛治町)の師範部長、田坂光男さんが同国を訪問。演武や講習などを通して合気道の技と精神を伝えた。
田坂さんは、熊野塾道場を開いた故・引土道雄十段(1923~2004年)から許され、海外指導を始めて20年以上になる。引土氏は合気道の開祖・植芝盛平(1883~1969年)に師事。1970年代後半からアメリカ、ヨーロッパへと渡り、合気道の技と精神を伝えた。世界に門下生を持ち、これが縁になり新宮市とサンタクルーズ市との姉妹都市提携が生まれた。師の思いを引き継ぎ、田坂さんは2002年から海外からの要請に応えて春にフランス、夏にアメリカでの講習会に参加している。
このたびの訪問は、2019年に合気道熊野塾道場で営まれた「合気道開祖 植芝盛平翁 50年祭」に端を発したもので、その時に来新したカザフスタン伝統合気道協会指導者兼主任教官のイゴール・アントキンさんが田坂さんの指導や技に感銘を受けたことからカザフスタンに招待するに至った。
イベントは、カザフスタン日本人材開発センターと在カザフスタン日本国大使館の共催で行われ、田坂さんは6回にわたってセミナーを実施。合気道の型や座り方、立ち方、精神、概念などについて講演した。聴講者らは真剣な表情で話に耳を傾けていたという。
太平洋戦争当時、旧ソ連の構成国だったカザフスタン領内にも6万人近くの日本人が抑留され、国内には抑留者墓地が存在する。
このたび、初めてカザフスタンを訪れた田坂さん。最初は偏見や先入観を持っていたものの、印象の異なる町の様子に驚いた。「自己反省しました。道は広くてごみが落ちていない。住んでいる人の意識が高いと感じた。そしてカザフスタンは多民族国家。その影響なのか、他の文化を大切にする文化が根付いていました」。
「カザフスタンは遠くて近い国でした」と新たに抱いたカザフスタンの印象について話す。9月28日からはセミナーのため、今度はアメリカに向けて日本をたつ。「技も精神的なこともインターネットで調べればたくさん出てくる。しかし、精神や誠と技がどうつながるのかということをお互いに探究していけたら。そういったことが伝わるといいですね」と話していた。
(2023年9月30日付紙面より)



田並の天満神社が御祭礼 (串本町 )
串本町田並上にある天満神社の御祭礼が24日に本祭を迎えた。コロナ禍が落ち着き、今年は4年ぶりに本来の形で奉仕。大のぼりと神輿(みこし)の駆け引きや獅子舞奉納などが区内外多数の拝観を集めてにぎわった。
坂成家ゆかりの梅ヶ谷に鎮座するこの神社は近世に田並上下2カ村の氏神としてたたえられ、明治期に旧田並村の村社として神社合祀を受けながら今日に伝わる。例祭は9月25日に近い日曜日を本祭日とし、氏子区域代表者で結成する祭礼委員会を軸にして大挙奉仕をしている。
今年は2020年に明治期以来となる新調をするも新型コロナウイルスの影響で出せずにいた神輿が3年越しで初渡御(とぎょ)する節目の年に。宵宮奉仕を経て本祭早朝に神輿持ちがみそぎをして宮入りし、獅子舞の奉納や式典を経て神輿が浜の御旅所へ向けて渡御を始めた。その道中では灰地、前地、向地、下地、上地の各氏子区域の大のぼりと松下家の虎のぼりが要所で立ちはだかって参進を阻止。4時間がかりでようやく浜へ行き着いた神輿は海水で洗われ、のぼり持ち衆の最後の阻止を振り切って御旅所に達した。
大のぼりと虎のぼりを御旅所へ並べ立て坂成正人神主立ち会いの下、神輿に正対して獅子舞を奉納。その後は祭員代表で餅やパンなどをまき振舞って拝観に感謝し、神輿は還御した。
この渡御は主祭神である菅原道真公の流刑をなぞらえ、立ちはだかる大のぼりや虎のぼりやその持ち手による阻止は道真公を敬慕する民衆の心を表しているとされる。御旅所での諸奉仕は、太宰府天満宮における信仰の華やかさを表現。そのような御祭礼を統括した交田建二祭礼委員長(64)は「4年ぶりにこうして奉仕ができてうれしい。奉仕ができない間にやめる人もいて獅子舞も天狗を一から育てなければならず、これで人が集まるのかと心配したがみんなが頑張ってくれたおかげで奉仕を終えることができそうです。来年についてはまだ分からないけれど今まで以上にできると信じ、これからも続けていけることを願っています」と思うところを語った。
(2023年9月30日付紙面より)



個々の地震・津波タイムライン (紀宝町 )
紀宝町は南海トラフを震源とする巨大地震・津波に備え、町民一人一人の事前防災行動計画「タイムライン」の構築に向けて、取り組みを進めている。
タイムラインは、災害発生を前提に、関係機関が連携して災害時に発生する状況をあらかじめ想定し共有した上で、命を守るために取るべき防災行動を「いつ」「誰が」「何を」という視点で時間軸に整理したもの。
町では2014年度、全国で初めて風水害に備えたタイムラインを導入。巨大地震に備え、20年度には地震・津波版を策定した。
地震津波タイムラインでは、地震・津波発生後の安全確保から仮設住宅入居開始の1カ月後までの行動を示している。
「家族と私の命を守る地震・津波タイムライン」と題した個人向けタイムラインは、鵜殿区1~6組をモデルに作成する計画。「必ず来る 南海トラフ巨大地震・津波への備え」と題した3回目のワークショップで町が概要を説明した。
各組でわが家の対応、行動項目、地域での対応などについて協議し、9、10月の第4回で最終案を示し、10月中に完成する予定だ。
11月5日(日)の町防災訓練で行動項目に沿った実践的な訓練を行い、問題点などを洗い出した上で、再度、内容を協議するという。
町内でも地震・津波によるリスクが異なるため、今後、町内各地域で個々のタイムライン策定を目指していく。
(2023年9月30日付紙面より)

観光フォトコン入選者を表彰
新宮市観光フォトコンテストの表彰式が27日、市役所であった。一般の部で西美晴さん、学生の部で山本直桜さん(神倉小5)、山際心羽駕さん(緑丘中2)の作品が最優秀賞に選ばれ、市観光カレンダー製作実行委員会委員長の山本大輔・市観光協会事務局長が賞状と記念品を贈呈した。入選した作品39点は観光カレンダーやパンフレットなどとして活用するほか、10月20日(金)まで市役所1階税務課前、同31日(火)まで1階ギャラリーで展示する。
市観光カレンダー製作実行委員会が主催で毎年開催しており、今年で12回目。来年、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」が登録20周年を迎えることを見据え、テーマを「新宮市の世界遺産」として作品を募集。一般の部には45人から129点、学生の部には11人から31点の応募があった。
一般の部では、西さんが「禊ぎの雪」で最優秀賞を受賞。今年1月、灯籠の明かりが照らす夜の熊野速玉大社の神門前で、静寂の中、雪がしんしんと降る様子を捉えた。
学生の部では、同大社の本殿前で舞を奉納する巫女(みこ)の姿を写した山本さんが「みこの祈り」で、昨年の夏に熊野川河川敷から打ち上がった花火を収めた山際さんが「夜空で生け花」で最優秀賞に選ばれた。
表彰式に出席した山本さんは「入選するとは思っていなかったので、最優秀賞に選ばれてびっくりしたけどうれしかった。市長のカメラ教室に参加して撮ったもの。教室の参加と今回の最優秀賞で、写真が好きになった。これからも撮りたい」と笑顔。
山際さんは祖父の影響で小学4年からカメラを始め、市長のカメラ教室にも参加。同フォトコン入賞者の常連だ。今回の結果を受け「うれしい。来年も挑戦します」と感想を語った。
山本事務局長は「多くの方からたくさんの魅力ある作品を応募いただいた。市のPRツールとして活用させていただきたい。引き続き、市の観光行政にご協力を」。
作品を講評した田岡実千年市長は「テーマを世界遺産と絞ったが、素晴らしい作品が集まった。皆さん、熱心に新宮のいい所を見つけてくれていると感じました」と感謝を伝えた。
(2023年9月29日付紙面より)



中学校統合検討委員会 (新宮市 )
新宮市井の沢の新宮商工会議所で27日夜、「緑丘中学校・城南中学校統合検討委員会」(委員長=板谷貴史・元城南中学校育友会長)の第6回会議があった。13人の委員が出席し、新中学校名の公募に向けて、公募内容について意見を交わした。
昨年、昨今の生徒数減少に伴う諸問題への対応を行うべく、市教育委員会では緑丘・城南各中学校の統合検討を開始。
統合に向けた話し合いを進めるため、昨年9月に第1回会議が行われ、これまでに事務局から令和9年4月の統合を想定した統合スケジュール案の提示や保護者説明会、アンケート収集などが実施されてきた。
開催に当たり、速水盛康教育長が「第1回目の検討委員会から約1年が経過した。中身の濃い課題に対して協力いただいている。今回からは新中学校の校名について検討に入る。事務局で案を作成したのでご意見頂ければ」とあいさつした。
事務局は、統合に向け、統合後の中学校における学校運営に関わる事項に関し必要な調査と調整を行う教育課程編成等委員会の内容や動きについて報告。制服の切り替え時期などについて、保護者らにアンケートを実施していく予定であると説明した。
新校名について事務局は、神倉・王子ヶ浜小、緑丘・城南中の児童生徒、その保護者、そして一般から、1カ月程度を目安に校名を募るなどと計画を説明。応募は1人1回とし、複数回の応募や校名を考えた理由が描かれていない場合を無効とするなどの案や、児童生徒用応募フォーム、保護者用・広報新宮用配布用紙、一般・保護者用応募フォーム、応募用紙例なども示した。
委員は文面の内容や強調すべき文言などについて意見。事務局は、一部修正の上、提示した案で公募に向けて進めていくとした。広報新宮11月号配布後の1カ月間を公募期間としていくという。
(2023年9月29日付紙面より)

結核予防週間で啓発活動
和歌山県と結核予防会和歌山県支部は27日、結核予防週間(24~30日)に伴い新宮市佐野のスーパーセンターオークワ南紀店で街頭啓発を実施した。県職員3人が買い物客に啓発用パンフレットなどを手渡し、早期の医療機関受診を訴えた。
結核は全国で年間1万人以上が発症する重大な感染症。1日に約28人の新しい患者が発生し、約5人が命を落としている。厚生労働省は毎年9月24~30日を「結核予防週間」と定め、重点的に結核に関する正しい知識の普及啓発を図っている。
結核は、たんの中に結核菌が出る重症患者がせきや、くしゃみをすることで感染が広がる。症状はせき、たん、発熱、血たん、胸痛など。昨年、県内では94人(前年比5人増)が新たに結核を発症。うち、70歳以上が77・7%、80歳以上が54・3%となっている。30歳未満の若年者でも4人が発病している。
県は「2週間以上、せきやたん、微熱などが続いたら、早めに医療機関を受診しましょう。結核は確実に薬を服用すれば、ほとんどが治る病気。早期発見、早期治療が大切です」と呼びかけている。
東牟婁振興局健康福祉部で医療技師の松本健汰さんは「結核は正しい治療や薬で治る可能性が非常に高い。いち早く発見することが大事なため、一人でも多くの人に周知していければ」と話していた。
結核に関する相談は国立病院機構和歌山病院内の県拠点型結核相談支援センター(電話0738・32・7033)まで。祝日を除く月~金曜日。時間は午後1時~4時。
(2023年9月29日付紙面より)

古座神社例祭執り行われる (串本町 )
串本町古座にある古座神社(石田保宮司)の例祭が23、24日の2日間にわたって執り行われた。今年は御舟謡(みふねうた)と獅子舞の奉納が4年ぶりに再開。境内周囲にちょうちんも飾られコロナ禍前の形にほぼ近づく活気を見せた。
古座区の氏神社として護持されるこの神社は応神天皇、素戔嗚尊(すさのおのみこと)、海神三神〈底筒男命・中筒男命・表筒男命〉を主祭神としてまつる。例祭は旧暦8月15日に近く、さらに最近は古座小学校運動会にかからない週末の日曜日を本祭日としていて、今年は23日を宵宮、24日を本祭として奉仕の準備を進めてきた。
23日は午後7時に社務所で宵宮祭があり、御舟謡保存会「河内(こうち)会」(片山潔会長)が▽出し▽こうてい―の2曲を奉納。古座青年会(西田有希会長)と古座獅子会(平井治司会長)が宮入りし、境内から本殿、河内島、樫野弁天に向かって獅子舞〈幣の舞・剣の舞(河内島を除く)・乱獅子〉を奉納した。
本祭は午前10時に社務所で式典があり、石田宮司に続き古座区の松本太区長を筆頭として総代、河内会・勇進会・古座青年会・古座獅子会の各代表と責任役員が玉ぐしをささげるなどして主祭神への礼を尽くした。以降、社務所内で獅子舞〈幣の舞・うかれ・てんぐ〉の奉納、九龍島(くろしま)神社遥拝神事と獅子舞〈幣の舞・剣の舞・乱獅子〉の奉納と奉仕が続いた。
石田宮司発案による子どもみこの奉仕は諸事情で再開できず。本殿の鈴門が開かれたが参道が急で危ないため、山腹にある本殿への直接参拝を控え鈴門前で祈願をするよう求めた。
(2023年9月29日付紙面より)




第194回職場対抗ボウリング大会
新宮グラウンドゴルフ同好会秋季大会
熊野川町で栄養指導講座 (新宮市 )
新宮市熊野川町の熊野川総合開発センターで26日、講演会「栄養指導講座」があった。和歌山県立医科大学附属病院の管理栄養士、田中明紀子さんが「いつまでも元気に! 健康的な食生活と適塩のススメ」をテーマに講話。約30人の地域住民らが、栄養バランスの良い食事の大切さなどを学んだ。
熊野川町区長連絡協議会と市国民健康保険直営熊野川診療所が主催。開催に当たり、同協議会の下阪殖保会長が「田中さんの講演を聞いて、正しい食習慣に関する知識を深めて」と呼びかけた。
同診療所長の田島幸治医師が「脳卒中後に元気に自宅に帰れる人は少ない」などと話し、塩分と高血圧の因果関係などについて説明した。
田中さんは▽健康的な食生活▽「食塩を最小限に」とは▽適塩のススメ▽適塩と健康的な食生活のための具体的な方法―の項目に分けて講話。日本人の塩分摂取量などを紹介し「血圧値が正常でも食塩は控えるべき。主食、主菜、副菜をしっかりと取ることでバランスの良い食事になる」などと解説した。
塩分は調味料から摂取している割合が多いと述べ「少なめのしょうゆやソースを舌先で感じることを心がけて」。健康的な体づくりに取り組むには意識改革が大事であるとし「適度だと感じる味(適塩)に慣れてから徐々に薄味に」と助言した。
「適塩」「濃い」「減塩」の3種類のみそ汁を試飲した参加者に対し、田中さんは「だしは食事に満足感をもたらす最大の武器。顆粒(かりゅう)ではなく食塩無添加だしパックを使って」と呼びかけ「手作りだし」や「だしわりしょうゆ」の作り方、顆粒だしの使用する際の注意点などについて紹介。「調味料は目分量ではなく量って使用を」と伝えた。
適塩のための具体的な調味料の使い方や、干物や梅干し、漬物などの塩分の多い食品の摂取方法、外食や加工食品との付き合い方なども紹介。野菜やイモ・キノコ類の積極的な摂取を推奨し「継続は力なり。まずは体力を落とさないことが重要。自分でできる範囲での適塩に挑戦してみて」と呼びかけた。
(2023年9月28日付紙面より)


ふるさとバス本川線で運用 (古座川町 )
古座川町が27日、町営バス「ふるさとバス」新車両〈マイクロバス〉1台の運用を始めた。青い車体の側面に一枚岩の写真を貼ったデザインが特色。当面は本川線へ充てるとしている。
町は現在、本川線と小川線の2路線を設定しマイクロバス2台とワンボックスバス4台を運用して町営バスを運行している。新車両直前のマイクロバス〈クリーム色の車体にユズの絵を貼ったデザインが特色〉は2台とも2010年2月に導入した車両で、13年半余りにわたって2路線を支えている。
2台は本川線と小川線で適時入れ替えて走行距離の均衡を保ち長期運用を目指してきたが、いずれも9月半ば時点で93万㌔弱を走行。老朽化が進んでいると判断し、町は段階的に2台を新車両へ入れ替えるとしている。
新車両は乗車定員が1人減って25人に。デザインは近隣の町営バスが取り入れている写真ラッピングとし、乗客乗降口がある右側面には春、乗務員乗降口がある右側面には秋の一枚岩の写真を大きく掲げている。
新車両の運用開始に伴い、直前の車両の1台は廃車。残す1台を路線距離が短い小川線に充てて負荷の抑制を図りつつ、新車両への入れ替えを急ぐという。
(2023年9月28日付紙面より)

がんと認知症予防の講演会 (御浜町 )
がん診療連携拠点病院「松阪中央総合病院」の医師らによる「がん予防講演会」が26日、御浜町役場であった。「がんの予防と認知症のおはなし」をテーマに、参加者は前立腺がん、大腸がん、胃がん、認知症の症状や予防法などを学んだ。
治療の最前線や予防の大切さなどを知ってもらうことが狙い。講話のほか、認定看護師による認知症予防運動の紹介もあった。
前立腺がんについて雄谷剛士副院長は「男性の罹患(りかん)率1位で、高齢化、遺伝、人種のほか、脂肪の多い食事、緑黄色野菜の不足など食生活の西洋化などが要因」と説明。60~70代で増加するため、早期発見、適切な治療が大切とした。
治療にはPSA監視療法、手術、ホルモン療法、放射線療法などがあり、近年、PSA検診の普及により、極めて早期に診断される前立腺がんが増えていると語った。
小林一彦副院長は大腸がん・胃がんについて講話。日本人ががんになる確率が男性54%、女性41%と示し「大腸がんの症状は便秘、下痢、血便・出血、腹痛などがあるが半分ほどしか出ないため、がん予防には検診を受けてほしい」と呼びかけた。
玉置久雄名誉院長は、65歳以上の認知症患者数は2020年に約602万人、25年には675万人、5・4人に1人が認知症になると予想されていると説明。認知症を食い止める方法として、体験してきたことを記載して記憶する習慣をつけることを紹介し、「週2回以上の運動で記憶力の改善がみられることが分かってきた」と話した。
ウオーキングは20~30分が最適とし、笑いと健康効果も解説。「毎日笑うと認知症機能の低下が防げる」と伝えた。
(2023年9月28日付紙面より)

日本優秀映画祭in南紀熊野 (那智勝浦町 )
那智勝浦町優秀映画鑑賞推進事業実行委員会(後誠介委員長)は24日、町体育文化会館で「日本優秀映画祭in南紀熊野」を開催した。午前と午後で2作品が上映され、来場者は古き良き日本の名作映画を楽しんだ。
映画保存への理解と文化活動を活性させようと、1989年から国立映画アーカイブ=東京都中央区=が文化庁と全国で実施する「優秀映画鑑賞推進事業」の一環。
36年から2011年にかけて制作された日本映画の中から選ばれた作品を上映する。同町では2018年から実施しており、今年で4回目。
同実行委員会は、町教育委員会、文化協会、社会福祉協議会、勝浦ライオンズクラブ、那智勝浦ロータリークラブらで組織される。
後委員長は、各関係団体らの協力に感謝を述べ「この映画祭は、日本の貴重なフィルム映画を保存していこうという趣旨の下、全国各地で開催され30年を超える取り組みとなった。昔ながらの独特の味わいや雰囲気を存分に楽しんでいただけたら」とあいさつした。
午前10時から吉永小百合、高橋英樹、大坂志郎らが出演する「伊豆の踊子」を、午後1時からは佐久間良子、河原崎長一郎、木暮実千代ら出演で、公開当時は成人映画指定されていた「五番町夕霧楼」(字幕入り)を上映した。
同町市野々在住の70代男性は「毎年来ている。今日は初めて見る『伊豆の踊子』が楽しみだった。フィルム映画は貴重だし、味があって良い」と話していた。
(2023年9月28日付紙面より)


新宮―紀伊田原で小旅行 (親子95人が県内外から )
JR西日本が運行する観光長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」を使用した、きのくに線の新宮―紀伊田原間の往復、約2時間のミニツアーが23日、行われた。県内外から親子連れ95人が参加、特別な列車での小旅行を楽しんだ。
銀河は、観光を中心とした西日本エリアの活性化を目指し、紀南の京都―新宮間のほか、山陰、山陽などの方面で運行している。今回のミニツアーは、JR西日本和歌山支社が主催。銀河が運行3年目を迎えたことから、地域と一緒に盛り上げたいと企画した、初の試みとなる。
小学生以下の子どもを含む2~4人のグループ、約100人を募集した。料金も、大人1000円、子ども500円と格安だった。県内外から1057人が応募、倍率10・5倍で抽選となった。
当日は新宮駅員が考案、手作りしたバッジが参加者に配られた。駅員の名札を模したもので、フェルトペンで名前を書き込めるようになっていた。また駅員や支社職員は、新宮駅と近大新宮高校・中学校でデザインしたTシャツを着込み出迎えた。
参加者の席は当日の出発前、新宮駅での抽選で決まった。良い席が決まり歓喜する参加者もいたという。移動中の車内では、制服の試着や車内アナウンスの体験も行われた。往復を終えて戻った参加者には、この日から使用開始となる新宮駅オリジナル銀河乗車記念スタンプが押された紙が、記念に手渡された。
愛知県から岡本英大君(3)を連れて訪れた敬吾さん、恵美さん夫妻は、銀河のロゴマークの「銀河」を「英大」に変えてプリントしたTシャツを英大君に着せて参加していた。繰り上げ当選が決まり制作したという。敬吾さんは「感動した。銀河に乗るのも、紀南に来るのも初めて。車窓から海も見えて気持ち良かった。子どももアナウンス体験をしたりして楽しんでいた」と話した。
新宮駅の道本隆文駅長は「皆さんにこの地方の良さを実感していただけたら。これを機会にこの地方や鉄道に興味を持っていただけたら」。JR西日本和歌山支社の松田彰久副支社長は「皆さん喜んでいただけたかと。やって良かった。これをきっかけに来訪者が増え、また銀河に乗っていただけたら」と語った。
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学生で組織する和歌山大学きのくに線活性化プロジェクト(宮井凜晴代表)による、プラレールを使った交流イベントも当日、新宮駅前で行われた。ミニツアー運行に併せ、にぎわいの創出や盛り上げを目的としたもの。多くの子どもらが集い、おもちゃの列車を走らせて楽しんでいた。
那智勝浦町出身で、新宮高校卒業である宮井代表(22)は「(交流イベントが)駅や電車に興味を持ち、好きになり、楽しい場所になるきっかけになれば」と述べた。
(2023年9月27日付紙面より)


くれよんの会(新宮東牟婁発達障がいを考える会、壷井巳恵子代表)が23日、那智勝浦町福祉健康センターで学習会を開催した。児童精神科医の本田秀夫さん(医学博士)が「幼児期から学童期における大切なこと」を演題に講話し、当事者やその家族、教育関係者ら約100人が耳を傾けた。
くれよんの会は発達障害のある子どもの親が交流する場をつくるとともに、発達障害に関する正しい知識と理解を広める活動をしている。信州大学医学部子どものこころの発達医学教室教授などを務める本田さんが開発した子育て応援アプリ「TOIRO」のクラウドファンディングの返礼として、講座が実現した。
本田さんは、発達障害と知的障害を含む神経発達症や境界知能について医学的な視点から紹介し「一般に発達障害の症状といわれるものにかんしゃくや不安といった情緒の問題があるが、これは本来の特性ではなく、本人の関心・こだわりと周囲の対応の食い違いによって起こるもの」と言及。
現行の学校教育の問題点を、マイクロアグレッション(日常にあるささいな言葉や行動、状況で、特定の人や集団を軽視・侮辱すること)の観点から説明。「理論上、学校の授業に適合するのは7割の子どもだけ。神経発達症や境界知能の子どもを無理に適応させようとすると、彼らへの否定につながり、過剰適応、ひいてはうつ病や精神疾患などの二次障害を引き起こす可能性が高い」と警鐘を鳴らした。
「グレーとは白ではなくて薄い黒」という自作の川柳を紹介し、神経発達症のある人々の心の健康を増進し、併存障害出現・定着を予防する重要性を強調。「全員でなくとも、神経発達症のある人は人生のどこかで福祉の支援を受ける必要が出てくる可能性がある。小さい頃から受けられる福祉サービスや支援を利用することで、親子共にそうした状況を受け入れる価値観を育てることが大切なのでは」と語りかけた。
(2023年9月27日付紙面より)


明治安田生命が寄付金を贈呈 (新宮市 )
明治安田生命保険相互会社は、同社が展開している「地元の元気プロジェクト」の一環として、新宮市に51万2500円を寄付した。22日、和歌山支社新宮営業所の吉田修一・営業所長と松山裕美・支部マネージャーが市役所を訪れ、田岡実千年市長に目録を手渡した。
同社は、一つ一つのまちが元気になることが日本の元気につながるといった思いの下、プロジェクトを展開。自治体や各地域の企業・団体などと連携し、地域の課題解決や地域活性化に資する取り組みを実施している。
このたびの寄付はプロジェクトの一環である「私の地元応援募金」によるもの。全従業員が居住地や出身地など、ゆかりのある地域の寄付先に任意で行う募金に同社拠出の寄付を上乗せした総額約7・8億円を、地域の健康づくりや暮らしの充実などに役立ててもらうために、同社の営業拠点が所在、または連携協定を締結している自治体などに対し寄付するもの。本年度は県内22団体に約1450万円の支援を行う予定としている。
なお、同社と市は昨年10月、市民の健康増進や市民サービスの向上を目的に包括連携協定を締結している。
目録を手渡した吉田営業所長は「当社は、企業ビジョンとして掲げる、人に一番優しい生命保険会社を目指し、地域社会との絆を深めるさまざまな取り組みを展開している。地元がいつまでも活気あふれる場所であることを願い、今後も一層の支援を継続していきたい」。
田岡市長は同社の取り組みに敬意と感謝を伝え「頂いたご厚意を有効に活用させていただくとともに、地域のつながりを大切にし、市民の誰もが元気で心豊かに暮らせるまちの実現に向けてまい進していきたい」と語った。
その後、田岡市長と吉田営業所長は同社の取り組みや市の課題などについて意見を交わした。寄付金は市の子育て支援などに活用する予定。
(2023年9月27日付紙面より)

外国客船「CORALADVENTURER(コーラル・アドベンチャラー)」(総トン数5516㌧、全長94㍍、コーラル・エクスペディションズ)が25日、新宮港に初入港した。111人の乗客らは、地元住民らの歓迎を受け、熊野地域の観光を楽しんだ。
クルーズ名は「THROUGH THE HEART OF JAPAN」で、行程は東京~清水~新宮~神戸~徳島~小豆島~宮島・広島~松山~唐津~対馬~済州(韓国)~佐世保~青方~福江~福岡。
入港に当たっては、地元住民や地元関係者、平安衣装の女性らがお出迎え。船内で行われた歓迎セレモニーでは、新宮港振興会の垣内宏会長が「熊野は日本の歴史上においてとても重要な役割を果たしてきた。特に大自然を背景に仏教と神道が融合した信仰の聖地としての繁栄は、今も特異な存在をして多くの人を魅了している。今日は短い時間ですが、世界遺産の地を楽しんでいただければ」と歓迎。
垣内会長、里中陽互・市観光協会長、鳥羽真司・東牟婁振興局長らが、マーク・ニール船長らに花束と記念品を手渡した。
同客船は同日夕刻に次の寄港地に向けて出港。地元住民らに見送られながら、同港を後にした。
(2023年9月27日付紙面より)


県高校卓球選手権で活躍 (新宮高校 )
体協グラウンドゴルフ秋季大会 (那智勝浦町 )
後期ホップリーグ3部
「市小防災の日」を開催 (那智勝浦町 )
那智勝浦町立市野々小学校(中地直樹校長)で24日、「市小防災の日」が開かれた。全校児童26人と家族、地域住民らが、改めて2011年の紀伊半島大水害について振り返り、命を守るための行動を学んだ。
紀伊半島大水害で大きな被害を受けた同校では、災害から児童の命を守るため、地域と二人三脚でさまざまな防災教育を実施。地域や保護者へ成果を共有する場として、毎年「防災の日」の取り組みを継続している。
前半の授業参観では、児童が土砂災害や早期避難の重要性について学習する様子を公開した。5、6年生は熊本地震で同世代の子どもたちが体験した避難所生活の様子を視聴。食事や通信環境、「みんなピリピリしていて、けんかの声が聞こえて怖かった」などの証言から、自分にできることや必要なルールを考えた。段ボールベッドの組み立ても行い、学校に備蓄されている避難所用マットと寝心地を比べた。
後半では同町井関在住の防災士・久保榮子さんが、自身の経験した紀伊半島大水害を記した紙芝居をした。あっという間に濁流が押し寄せる様子や、家族や友人を亡くした心情を語り「大切な子どもたちの命。絶対になくしてはいけない。災害で犠牲者ゼロを目指している」と語りかけた。
和歌山県土砂災害啓発センターの職員による教具学習もあり、最新の拡張現実(AR)技術や土石流の再現装置で災害が起こるメカニズムを伝えた。
楠本小眞知さん(6年)は「本当に災害が起きたとき、避難所がどうなるのか知った。大きな声を出したり、走り回ったりするのは気を付けた方がいいと思った」。母親の君江さんは「お年寄りも多い地域なので、段ボールベッドの方が起き上がるのに楽と感じた。久保さんの紙芝居は、当時のことが思い出されて胸が痛いが、大切なお話だと思う」と話していた。
(2023年9月26日付紙面より)

日ト友好記念コンサート (串本町 )
串本町立大島小学校(貴志純子校長、児童29人)で22日、同町文化センターで23日に日ト友好記念コンサートがあり児童と教職員や一般約160人が日本とトルコのプロ演奏者の共演を鑑賞し両国友好の一端を感じるなどした。
オーストラリア・メルボルン交響楽団に所属するトルコ人バイオリニストのイシン・チャクマクチオールさんと日本人ピアニストの五十嵐明美さんによる公演。
チャクマクチオールさんからエルトゥールル号遭難救助を起点とする友好関係がトルコと日本の間にあると教わった五十嵐さんが感銘を受け、その親密な友好を起点の地で祝いたいと同町へ申し入れ。同町は地域に加えて学校でも公演をしたいという希望にも応え、来日日程も考慮し前述した2公演を設定したという。
大島小では児童を代表して中川暁音さん(6年)が歓迎のあいさつを述べ、2人は40分強の限りある時間の中でクラシックや童謡、アニメの楽曲、チャクマクチオールさんからのサプライズでトルコ民謡の楽曲を奏でた。
同センターは一般を対象にした90分の公演で、ヨハン・ゼバスティアン・バッハやルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン、ベドルジハ・スメタナ、カミーユ・サン=サーンスの楽曲を連番でつづって旋律とその世界観を届けるなどした。
町は広報くしもと9月号にエルトゥールル号追悼式典と対の位置付けで地域公演実施を事前告知。気軽に親しみやすいよう、当日受け付けで来場を呼びかけた。五十嵐さんは「長年の友好へ急に入って何ができるのかという思いもありましたが、音楽はユニバーサル。私たちの演奏から何かを感じ取ってもらえたら」、チャクマクチオールさんは「日本とトルコの関係は学校で教わる歴史的な事実だけではない。トルコ人と日本人が一緒に音楽をする姿を通して、今でも友好は深くつながっているというところを示せたら」と今回の公演に込めた思いをそれぞれ語った。
(2023年9月26日付紙面より)


支え合いフォーラムに71人 (新宮市 )
新宮市と市社会福祉協議会は24日、市福祉センターで令和5年度地域支え合いフォーラム「みんなでつくろう! わがらのまち」を開催した。71人が基調講演や取り組み発表などを通して、地域における支え合いの大切さを再確認した。
同フォーラムは、地域に必要な支え合いについて理解を深めることを目的に開催。市では「住み慣れた地域で生き生きと暮らしたい」という市民の思いを実現するため、地域包括システムの構築を目指している。
地区活動発表では、高田地区福祉委員の石田千代さんが「高田区の野菜市」をテーマに、雲取温泉高田グリーンランド敷地内にある「木の薫る店」を有効活用した「野菜市」の取り組みや活動のきっかけなどについて紹介。「皆さんに少しでも長く元気で過ごしてもらえるように今後も活動を続けていきたい」と述べた。
社協職員の池上徹さんは「千穂第一地区の取り組み」をテーマに、防災避難訓練の地区懇談会を発端として立ち上がった「地域ささえ愛プロジェクト」について説明。「地域の課題を助け合いで解決し、みんなが活躍できてみんなが住みやすいと感じる地域を一緒につくっていきたい」と話した。
基調講演では、摂南大学現代社会学部講師の上野山裕士さんが「みんなが支え合い、だれもが活躍できる新宮市のために」を題目に講話。
社会福祉とは幸せな社会をつくる取り組みであるとし、法律やサービスなどの「制度的な取り組み」と支え合いやボランティアなどの「非制度的な取り組み」の両輪で成り立っていると主張。価値観・境遇が多様化する中、一人一人の思いや困り事に寄り添う取り組みが大事であるとした。
「みんなが支え合い、それぞれの『得意』を生かして誰もが活躍できる地域をつくる」といった地域共生社会の考え方について説明し「地域福祉は地域共生社会の実現のための方法。地域福祉はまちづくり」と話した。
具体的なステップとして▽優先課題の発見・共有▽社会資源を把握▽具体的な解決方法を考える▽多様な主体と協議して課題解決に取り組む▽活動に対する振り返りを行い、新たな課題に取り組む―を挙げ「地域の強みを踏まえて、それぞれの地域における地域共生社会の姿を明確に描くことが第一歩になる」。
「新宮市はそれぞれの活動団体・内容が個性豊かでさまざまな得意や思いを持っている。社協が地区担当を配置していることはすごいこと。多様な価値観と境遇を想像し、自分たちにできることを考え、対話して行動してみて」と呼びかけた。
閉会に当たり、田岡実千年市長は「日頃から活動していただいている多くの皆さまのお気持ちが新宮の強みだと思う。これからも皆さんと一緒により良いまちづくりを進めていきたい」とあいさつした。
(2023年9月26日付紙面より)


カヌー大会「じゃばらカップ」 (北山村 )
北山村音乗(おとのり)の北山川で23、24の両日、カヌー大会「第7回じゃばらカップ」が催された。37人が出場し、技とスピードを競い合った。
北山村、同村観光協会、和歌山県カヌー協会、熊野カヌークラブが主催。じゃばらカップは、2015年に北山川が紀の国わかやま国体カヌー競技の会場となったことをきっかけに開催。例年7月に実施しているが、酷暑を考慮し今年は9月に変更された。
開会式で山口賢二村長が遠方からの参加に感謝を述べ「次回の大会では国体の近畿ブロックも兼ねて行われます。くれぐれも、けがのないよう全力を尽くしてください」とあいさつし、競技がスタートした。
23日は自由形式の艇で五つのゲートを通過し、速さを競うダウンリバーレースを展開。参加者17人は激流にもまれながら競技に臨み、ゲートをくぐる選手たちに対して観客から拍手や声援が送られた。
24日には、スラロームレースがあり、20人が日本カヌー連盟スラローム競技規則に準じたK―1、C―1、スタンドアップパドルボート(SUP)やポリ艇など、多種多様な艇に乗り競技に挑んだ。
滋賀県から初めてダウンリバーレースに出場し、K―1で優勝した馬場大(ばんば・ひろ)さん(20)は「昨年からカヌーを始め最高の結
果を出すことができてうれしいです。来年も参加して連覇を目指したい」と笑顔を見せていた。
(2023年9月26日付紙面より)

寿楽荘で「新たな出発を祝う会」 (新宮市 )
来年3月31日をもって閉荘が決定している新宮市木ノ川の市立養護老人ホーム「寿楽荘」(松畑理荘長)で21日、「新たな出発を祝う会」があった。入所者や施設関係者、田岡実千年市長、養護老人ホーム「南紀園」の金田健治園長、堀切健・木ノ川区長らが出席。同施設の歩みを振り返りながら、新生活への期待を高めた。
同施設は1979年、養護老人ホーム(さまざまな理由により、現在置かれている生活状況では在宅生活を送ることができない高齢者などを市が措置して入所する施設)として現在地に完成。2011年から指定管理者制度を導入しており、19年度から社会福祉法人「真福会」に運営を委託している。
築44年を迎える中で、設備の老朽化が進み、十分なバリアフリー化がされていない状況となっており、また長期入所により高齢化・要介護化し現在の施設では入所者の日常生活に不便がかかるといった状況を鑑み、内部協議を重ね閉荘するに至った。高齢者施設の充実により、養護老人ホームのニーズが全国的に低下しているといった背景もある。
閉荘に当たり、説明会や見学会などを経て、16人の入所者は全て太地町の「南紀園」に移行することが決まっており、10月26日から4人ずつ順次移行する予定。市によれば、同施設の跡地に関しては、地域住民らの意見を聞きながら、今後協議を進めていくという。
「祝う会」では、田岡市長が「施設の老朽化により皆さま方にご不便をおかけすることもあったと思う。南紀園はバリアフリー化されており設備も新しく、日当たりの良い施設。新しい生活に向けて体調を整えていただきながら楽しみにお待ちいただければ」とあいさつ。金田園長は「来て良かった、そう感じてもらえるように職員一同、準備万端でお迎えをしているので、楽しみにお越しいただければ」と歓迎した。
田岡市長が入所者一人一人に記念品を手渡した後、松畑荘長が季節の行事などをスライド写真で紹介。「短い時間ですが皆さまと関われたことを本当にうれしく思っています。指定管理を引き継いだ1年目は支援の方法が分からず、皆さまにご迷惑をかけた。南紀園にも優しく優秀な職員さんがたくさんいると聞いています。健康で、そして笑顔で過ごされることを心から願っています」と思いを伝えた。
入所者を代表して屋敷幸代さんは「これからも健康に気を付けて、楽しく暮らしていこうと思います」と応えた。
(2023年9月23日付紙面より)


かつうら渚の会 (那智勝浦町 )
日本財団「海と日本PROJECT」と環境省などが実施する全国一斉清掃キャンペーン「秋の海ごみゼロウイーク」にエントリーした「かつうら渚(なぎさ)の会」(猪飼伸会長、会員42人)は18日、那智勝浦町のブルービーチ那智で清掃活動を実施した。会員に加え、近畿運輸局勝浦海事事務所、那智勝浦町赤十字奉仕団、那智勝浦地区更生保護女性会、天満婦人会、町役場、崇教真光新宮準道場、一般参加者など約37人が集まり、作業に汗を流した。
清掃キャンペーンは同財団らが海洋ごみ問題の周知啓発と海洋ごみの流出を少しでも防ぐことを目的に、「ごみゼロの日」の5月30日から6月8日の「世界海洋デー」前後を「春の海ごみゼロウイーク」、9月18日の「ワールドクリーンアップデー」から26日までを「秋の海ごみゼロウイーク」と定めている。
また、渚の会は株式会社テレビ和歌山推進パートナーに登録し「海と日本プロジェクトin和歌山県」の推進パートナー団体となっている。
参加者はキャンペーンの必須アイテムである青色のシャツや帽子、タオルなどを身に着けて、ごみ拾いや流木の撤去などに取り組んでいた。
猪飼会長は「天候にも恵まれて良かったが、気温も高いので熱中症には注意してほしい。先日の台風で流木やプラスチックごみなども多いので除去したい。ブルービーチがシーズン外であっても、幅広い利用をしてもらえるように、日本一の海岸を目指して作業を頑張りたい」と語った。
この日撤去した流木は2・6㌧にも及んだという。同会の役員は「台風の影響もあり、軽トラック7杯分もの流木があった。若い会員の皆さまが昼過ぎまで協力してくれたので本当に助かった。やはり地域には若い力が必要だと改めて思った」と話していた。
(2023年9月23日付紙面より)



木本、紀南高統合による新高校
木本高校と紀南高校が統合し、2025年4月に開校する新しい学校の校名を検討・審議する「紀南地域新高等学校校名選定委員会」が設置され、21日、熊野市文化交流センターで第1回委員会があった。10月上旬に募集要項を発表し、11月上旬までの約1カ月間、県民などから校名案を公募することを決めた。
11月中旬の第2回委員会で校名案を10案程度に絞り込み、子どもの意見も参考にするなどして、12月上旬の第3回委員会で3案程度を選定し、県教育委員会に提出する。
年度内に校名を決定し、公表する予定。校名は▽新しい高校にふさわしい名前▽県内や近隣府県の高校、企業、団体などの名称と区別しにくい名前は避ける―などを基本方針とした。
選定委員会は県教委が設置。三重大学の山田康彦・名誉教授を委員長に、熊野市、御浜町、紀宝町の教育長、紀南PTA連合会、中学校長、地域の有識者、両高校のPTA、同窓会、校長の17人で組織した。
第1回委員会で山田委員長は「地域の願い、希望を結集したのが学校名で、学校づくりの出発点。新高校は地域の関心も高い。皆さまと一緒に校名を選定したい」と述べた。
委員からは「新校で学ぶ生徒が誇りを持つことができる校名に」「両校の卒業生の思いも大切にしてほしい」「入学する子どもたちが、夢や希望を感じる校名を」「熊野の文化をくみ入れた校名に」「子どもたちに決めさせてあげたい」「末永く愛される校名が良い」などの意見があった。校名の公募は、はがきやFAX、メールなどで受け付ける予定だという。
(2023年9月23日付紙面より)

専門教員の出前宇宙講座で (くしもとこども園 )
串本町立くしもとこども園(湯口いづみ園長)の4、5歳児52人が19日、県立串本古座高校の宇宙教育専門教員・藤島徹教諭の出前宇宙講座に参加してロケットへの好奇心を培う機会を得た。
この講座は、藤島教諭が地域と次年度開設予定の同校宇宙探究コースの架け橋として思い描く宇宙教育の一環。同園は潮岬こども園、上野山こども園に続いての参加で、藤島教諭にとっては今回が町内の全こども園一巡の節目となった。
藤島教諭はCGS部の部員10人を補佐役として連れて来園し、ひばり組(5歳児クラス)27人が主に参加し、すみれ組(4歳児クラス)25人は途中からその様子を見学する形で参加した。藤島教諭はひばり組で十五夜とロケットを絡めた話をして興味を引きつけ、フィルムケースや入れ歯用の洗浄剤などを材料にしたプチロケットの作り方を指導。園児は難しいところを部員に手伝ってもらいながら絵を描いた紙をフィルムケースに貼ってオリジナルロケットを完成させ、園庭で打ち上げた。すみれ組は打ち上げから合流して、以降の様子を見学した。
このロケットは、フィルムケースに発泡する洗浄剤と水を入れてふたをし、高まる内圧でふたが外れる勢いで数㍍の高さまで飛ぶ仕組み。園児は秒読みをしてふたが外れる瞬間を待ち、飛ぶ様子を楽しんだ。
その興味が冷めないうちに、駐車場で水ロケットの発射も演示。プチロケットよりも勢いよく飛ぶ様子を見せて一層の興奮を誘った。藤島教諭は「園児の皆さんが『宇宙って面白いんだ』と素直に感じてくれたら何より」と園児の今後に願い、その好奇心を高めて後に同校へ進学する状況を期待。小中学校を対象にした出前宇宙講座も準備が進んでいるそうで、「(同校が所在する)串本町内に限らず、いろいろなところで開いて架け橋を増やしていきたい」と実施に意気込んでいる。
(2023年9月23日付紙面より)


新宮市立佐藤春夫記念館の辻本雄一館長と、同記念館と連携協定を結ぶ実践女子大学の佐藤悟・文芸資料研究所長、客員研究員で佐藤春夫研究者の河野龍也・東京大学文学部准教授は21日、市役所で佐藤春夫の新発見書簡などについて共同会見を開いた。
市名誉市民・佐藤春夫(1892~1964年)の生誕から130年を迎えた昨年8月、両者は互いの持つ資源を有効に活用し、相互の発展とともに文化振興に寄与することを目的に包括的連携協定を締結。同年は相互連携の下、生誕130年事業などを共催した。
昨年秋、春夫の孫・髙橋百百子さんが同記念館に寄贈した数多くの資料のうち、髙橋さんの父・竹田龍児さん(春夫のおいに当たる)旧蔵の春夫書簡は141通あり、その中の118通が新発見のものとなっている。
一方、実践女子大学の佐藤家寄託資料には、同時期の父・豊太郎の書簡もあり、双方の書簡を読み解くことにより、これまで知られていなかった春夫の動向が解明されることになる。
このたび、竹田さん旧蔵の書簡の解読を終えたことから、内容の発表に至った。書簡は竹田さんの死去(1994年)後に髙橋さん宅に残されたものと思われる。
会見に当たり、佐藤所長は記念館と協定締結に至った経緯などを説明し「豊太郎の書簡については全てを解読するのはもう少し時間がかかるが、両者連携して解読を進めている。創作活動の背景だけではなく、文学史などに関する新しい事実が分かってくるのではないかと期待している」と述べた。
新発見の書簡には、1930(昭和5)年に谷崎潤一郎の妻・千代を譲り受けた「細君譲渡事件」前後のものも含まれており、豊太郎に宛てた書簡では千代との生活や、脳溢血(のういっけつ)で倒れた後のリハビリ生活などに触れられているほか、豊太郎に金の無心をしている様子も見て取れる。
また、今回の解読によって脳溢血で倒れた時期がある程度分かったほか、春夫の病に対する千代の心情、谷崎の実娘で千代の連れ子である鮎子(竹田さんの妻)の動向が新婚生活に及ぼした影響などについても読み解くことができる。
当時の書簡について河野准教授は「春夫は手紙では父親に心配をかけさせないようにしている。家族間でお互い気を使い合ったりかばい合ったりしており、必要な時期に結束している家族の様子が分かる」「昭和5年を境に文学への向き合い方が変わったのは確か」などと説明。
事件については「2人の男(春夫と谷崎)と1人の女(千代)だけでの問題ではなく、家族の問題として捉え直す足掛かりとなった。謎の事件に新しい光が当たり、納得できるような実情が見えてきた。今まで報道されていない細部が見えてきた。手紙は再評価のきっかけになると思う」と話した。
なお、同大学では今後、書簡集の出版も視野に入れながら引き続き解読を進めていくとしている。
(2023年9月22日付紙面より)


水産ゼミの高校生が出荷作業 (近大新宮 )
近畿大学附属新宮高校の「水産ゼミ」に所属している高校2年希望生29人が15、16の両日、那智勝浦町の浦神実験場と新宮市の新宮実験場でマダイとアマゴの出荷作業に汗を流した。魚は16日に同校で販売され、事前に予約注文していた保護者らが買い求めた。
近大新宮では、クロマグロの完全養殖で知られる近畿大学水産研究所と連携し、高校生に最先端の水産養殖学研究に触れる機会を提供。卵のふ化から稚魚の成長、成魚の出荷に至るまでの過程を体験することで、同大学の建学の精神である「実学教育」を体感し、生命の尊厳や食糧生産、産業や流通などについて考える場としている。
販売したマダイは現在の高校3年生が実習で飼育していた2歳魚で、重さは1・7㌔。出荷作業では、ゼミ生たちが氷締めしたマダイ90匹の水気を拭き取って袋詰めし、氷や保冷剤と発泡スチロールの箱に詰めていった。アマゴは16日朝に約300匹を電気締めした。
購入した保護者たちは「マダイは刺し身、塩焼き、あら炊きにするつもり。アマゴはぜひ食べたいと言っていた祖父に贈る」「子どもが水産ゼミにおり、今年初めてアマゴを購入した。母親にすしの作り方を教わって家族で食べる」と笑顔。
1年間の実習でマダイやアマゴの成長を記録してきた中筋俊輔さんは「毎月実験場に行って魚の重さを量り、成長が感じられてうれしかった。近畿大学のすごさも改めて感じて、進路選択を考えるきっかけにもなった」。松下凌大さんは「これまであまり生き物に触れてこなかったけれど、クロマグロの卵のふ化を見て、生命の神秘を感じた。マダイの出荷では、自分たちが育ててきた魚が来年にはこんなに大きくなるのかと楽しみになった」と話していた。
収益は次のゼミ生が飼育する稚魚の購入に充てられる。
(2023年9月22日付紙面より)


大泰寺初の催しで交流 (那智勝浦町 )
大阪大学の学生らが起業した「Connect.Works株式会社」は15日夜、那智勝浦町の定光山大泰寺(西山十海住職)で「大泰寺きもだめし」を初開催した。学生ら手作りの肝試しに町内外から訪れた家族連れなどの56組165人が、肝が冷えるような涼しいひとときを過ごした。
肝試しは、地域の子どもたちや住民らと、都市部や海外からの旅行者との橋渡しや交流、地域創生などが目的。西山住職と親交のある観光宿泊事業で地域創生を盛り上げる株式会社NICOの井手隆一郎さんが提案し、井手さん主宰の地域創生を研究する同大学生サークル「地域×エンタメサークルConnect」が企画した。
主催の「Connect.Works株式会社」は、卒業後も地域創生に関われるよう同サークルOBらで、学生起業した会社。企業や自治体との連携や事業展開を行っている。
大学を休学して同寺で働きながら地域を学ぶ井本琉太さん(4年)が、ウェブでメンバーと協議し準備を進めてきた。メンバーらは13日に現地入りし、同町下里の海岸で清掃活動を実施。
回収したごみを小道具として再利用するなど、持続可能な開発目標(SDGs)にも取り組んだ。各メンバーの得意分野を生かし、チラシや動画も作成。コースを照らす竹灯籠も作り、雰囲気づくりにもこだわった。
同サークル代表の白波瀬優音さん(2年)は「学生の力で地域を盛り上げたい。継続的なイベントになれば」と意気込みを語った。
15日午後7時からスタート。同寺の座禅堂に集まった参加者は整理券順に、懐中電灯などの明かりを頼りに出発した。
コースは座禅堂を出発し、境内を回り本堂に進み、お札を入手してスタート地点に戻るというもの(墓などの供養の場は含まない)。各所で突然鳴り出す音やお化けなどの盛りだくさんの恐怖演出に、参加者の驚く声が夜の同寺に響いた。
友人らと参加した同町在住の古田萌さん(23)は「お寺での肝試しは珍しいし、怖かった。同じ機会があれば、地域のにぎわいにもつながるので、ぜひ足を運びたい」と笑顔で話した。
各地で地域創生に取り組む井手さんは「地域を次につなげるために、Z世代の学生に日本と向き合ってほしかった。地域と都市部の学生の交流は、第二のふるさと創出にも広がる。若い世代が中心となり、町の活性化や集客につなげたい」。
西山住職は「地域を盛り上げてくれるのはありがたい。寺の維持は檀家(だんか)や地域だけでは難しくなった。催しを継続して、寺の活気づくりのお手伝いをいただければ」と語った。
(2023年9月22日付紙面より)



勝浦小学校4年生が学習 (那智勝浦町 )
那智勝浦町立勝浦小学校(山下真司校長)の4年生41人が21日、和歌山県土砂災害啓発センター(稲田健二所長)を訪れ、土砂災害が起こる仕組みを学んだ。
社会科「自然災害から人々を守る活動」の一環。児童は▽土石流▽崖崩れ▽地滑り―の土砂災害の種類を学習。2011年の紀伊半島大水害について、当時の報道映像や写真で振り返り「え、これが那智勝浦町?」「土石流で石だらけ」「校舎に木が刺さることってあるんだ」と衝撃を受けていた。
勝浦小学校近くの勝浦八幡神社周辺が土砂災害特別警戒区域(急傾斜地崩壊)になっていることや、登校坂横の斜面がコンクリートと鉄筋で保護されていることにも触れ、土砂災害が身近に起こり得ることを体感した。
流水と砂を使った実験では▽浸食▽運搬▽堆積―という流れる水の働きが大雨によって激しくなったときに災害が起こることを学習。土石流を食い止める砂防えん堤や雨量計の仕組みについても学習した。
片原結乃さん(9)は「学校の周りに崖崩れになりやすい所があるのは聞いたことがあったけれど、家の周りでは意識したことがなかった。調べてみようと思う」と話していた。
学んだ内容は校内の避難訓練に合わせ、他学年のクラスで発表する予定にしている。
(2023年9月22日付紙面より)

再編整備案発表、意見募る (新宮・新翔高校 )
新宮市の県立新宮高校(深野泰宏校長)と県立新翔高校(宮井貴浩校長)は19日、新宮高校で会見を開き、高校再編に向けた整備案を発表した。案は今秋中に県教育委員会に提出する予定で、両校では提出に向けて整備案についての意見や要望を広く募集していく。
第6期きのくに教育審議会の答申を受け再編整備が進む県立高校。県教育委員会が「各地域で望ましい高等学校や高等学校教育について議論を深めていくことが重要」と示したことから、両校では住民意見を聴取するなどし、昨年12月に構想案「生徒・地域社会の期待に応えるALL IN ONEの学校」を発表。今年2月には構想案を基に、市文化複合施設「丹鶴ホール」でフォーラム(説明会)を開催した。
なお、再編のめどは2026(令和8)年4月としている。
このたび示された整備案では、構想案を基に「新宮・新翔を継承・発展し、新たな時代の学びを創造」と銘打ち「普通科」「総合学科(専門系・自立支援系=ともに仮称)」「学際探究科」(仮称、新設)の「全日制課程」、「定時制課程」「通信制課程」を設定した。また、「学校全体の取り組みの特色化と部活動・地域活動の活性化」を掲げ▽教育活動▽部活動▽地域との連携▽校舎の活用―などに分けて、その内容について説明している。
整備案については新たに説明会などの開催を予定していないが、各校のホームページなどで詳細を公開したり、必要に応じて保護者に構想図を配布するなどして内容についての周知を図っていくとしている。
整備案についての意見や要望はFAX(新宮高校=0735・21・2901、新翔高校=0735・31・7870)もしくはメール(新宮高校=vision@shingu-h.wakayama-c.ed.jp、新翔高校=vision@shinsho-h.wakayama-c.ed.jp)で受け付ける。
(2023年9月21日付紙面より)



河内会が御舟謡の説明会 (串本町 )
串本町古座の御舟謡(みふねうた)保存会「河内(こうち)会」(片山潔会長)が15日夜、同町文化センターで一般対象の説明会を開いた。地縁によらず会員を得るための試みで、片山会長は「今後の保存を担ってくれる後継者を何としても確保したい」と実施の思いを語る。
古座の御舟謡は、7月第4土・日曜日に営まれる河内神社例祭「河内祭」の祭船・御船を運航する折に船内で奏される近世の流行歌の一種。古く年長の漁師が全11曲を歌い継いで奏していたが、同保存会は歌い方がわかる8曲を受け継ぎ現在の奉仕を支えている。
奉仕する漁師の数の減少により同保存会は、古座に地縁がある有志も会員に加える形で御舟謡を歌い継いでいる。近年はこの方法も厳しくなり、今年の「河内祭」で奉仕したのは60代後半~70代後半の会員4人。御船は2隻出船し、1隻で生歌を奏し残る1隻は録音した歌を流す形となった。「歌える4人が後継者をつくる前に引退したら、御舟謡が途絶えてしまう」。その危機感を共有して今後を話し合い、地縁によらず後継者となってくれる会員の獲得に動き出すことにしたという。
この説明会はその足掛かりとして実施。前半は御舟謡のいきさつに詳しい神保圭志さんが紀伊続風土記に記されている「河内祭」の全体像と現在の奉仕の状況、河内会の奉仕の状況(河内神社、古座神社、古座愛宕神社の各例祭で奉仕)を伝え、後半は古座川河内祭保存会会長でもある会員の杉本喜秋さん(77)が5年越しの自身の習得経験や古座の御舟謡の現在の保存とそのための稽古状況などを語り、会員4人で曲「出し」を奏して紹介するなどした。
当日は関心がある一般9人が出席。杉本さんの手法をなぞらえて自分も収録音源を聴いて学びたいと名乗り出る人がいたほか、有田の御船歌関係者もいて、保存に向けた交流のきっかけを得る機会ともなった。
古座神社の例祭奉仕が23日(土・祝)午後7時の宵宮祭神事後にあるとして拝観を誘いつつ終了。片山会長(74)は「御船に乗り込むので高齢になるほど危険度が高まって周りから奉仕を止められることもある。今は歌える会員4人で何とか頑張れているが、年齢を考えたらいつまでも続けられる状況でもない。何とかして絶やさないための課題をクリアする方法を見つけたい」と胸中を語った。
(2023年9月21日付紙面より)

晴天の下、各地で秋祭り (那智勝浦町 )
那智勝浦町各地は16、17の両日、秋祭り一色に包まれた。同町下里の高芝区では16日に県無形民俗文化財「高芝の獅子舞」が奉納され、17日には下里神社と下里天満天神社で秋の例大祭が営まれた。新型コロナウイルスの影響で通常の形での斎行は4年ぶり。古く伝わる伝統の各祭礼は、多くの地域住民らでにぎわった。
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同町下里の高芝区、旧住吉神社の例祭が16日、同区民会館で営まれた。280年余りの伝統を誇り、受け継がれてきた県の無形民俗文化財「高芝の獅子舞」を奉納し、大勢の見物人を楽しませた。
この祭りは1910(明治43)年に住吉神社が下里神社へ合祀(ごうし)された後も続けられてきた。約50人の会員で組織される「高芝の獅子舞保存会」(西清隆会長)が、勇壮な鼻黒の伊勢流雄獅子を伝えている。国内外の交流イベントにも参加し、来年2月には、千葉県で開催される「千葉県誕生150周年記念郷土芸能交流祭事業」にも出演が決定している。
勇ましい笛や太鼓に合わせて、「幣の舞」「乱獅子」「剣の舞」「扇の舞」「神供(しんぐ)の舞」「牡丹(ぼたん)獅子」「神明賛」「寝獅子」「天狗(てんぐ)獅子」の9頭を奉納。多くの地域住民らが4年ぶりの獅子舞を喜び、最後は菓子まきや餅まきで締めくくった。
伊藤善之区長は「無形文化財の獅子舞を伝えるべく努めている。今後も地域を盛り上げたい」。
西会長は「4年ぶりに実施できて感無量。体調不良で本番に出られない会員もいる中、協力して終えることができた。来年はさらに盛大に行いたい」と笑顔で語った。
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建御名方神(たけみなかたのかみ)を主祭神とする下里神社(山本貞夫宮司)では16日に宵宮、17日に本宮が斎行された。本宮の宮上り行列は午後、屋台が下里青年研修所を出発し「えーんや、のったい、のったい」のかけ声とともに区内を練り歩いた。道中では「めはり音頭」「下里音頭」の手踊りを披露して沿道で見守る人たちから大きな拍手を受けた。一行は子どもたちの笛や太鼓の祭りばやしでにぎやかに巡行し神社に到着した。
境内では同神社祭典部(楠谷彰部長)による「幣の舞」「乱獅子」「剣の舞」など、9演目の勇壮な獅子舞を奉納。天狗役の世古蓮翔(れんと)君(下里小3年)は華やかな舞を披露した。
奉納前、世古君は「これまで教えてもらいながら練習を重ねたので、しっかり集中してやるだけ。落ち着いて舞に臨みたい」。楠谷部長は「地区の方々から温かい言葉を頂いて『祭りをやってよかった』と改めて思いました。今後の祭りのためにも、若い人に継承していきたい」と語った。
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学問の神様・菅原道真を主神として古くから信仰を集めている天満天神社(山本貞夫宮司)では16日の宵宮に続き、翌17日に本宮が営まれた。天満祭典会(宮部陸会長)が継承し、280年余りの伝統を誇る舞を披露し、優雅かつ華麗な姿で区民をはじめ多くの見学者を魅了した。
午後の本宮道中は、会員や子どもたちが神輿(みこし)を担いで同神社を出発。にぎやかな笛と太鼓の音を響かせ地区内を練り歩いた。境内では「玉獅子」や「扇の舞」「神宮の舞」など、7頭の獅子舞を奉納した。
寝獅子天狗役を務めた峯山英心君(下里小3年)は「少し間違えてしまったが満足しています。練習した成果は出せた」。玉獅子天狗役の岡田和睦君(下里こども園)は「初めての天狗役で緊張したけど楽しかった。無事に舞ができて安心した」。
宮部会長は「4年ぶりに通常の形だったので少し不安もありましたが最高の祭りとなりました。コロナの状況が気になるが、今後も継続できる環境になってくれれば」と話していた。
(2023年9月21日付紙面より)



高齢者虐待へ理解深める (紀宝町民児協 )
紀宝町民生委員児童委員協議会(西村喜久男会長)は19日、研修会を同町鵜殿の町福祉センターで開いた。委員約30人が参加し、高齢者の虐待について理解を深めた。
研修会は毎月の定例会に合わせて開催している。今月は町地域包括支援センターの社会福祉士、山本久恵さんを講師に迎えた。
高齢者への虐待は▽身体的虐待▽経済的虐待▽性的虐待▽心理的虐待▽介護・世話の放棄・放任―の五つに分類されるとし、どんな行為が虐待に当たるかを解説。家庭内で起こっていることは見えづらく、近隣住民、ケアマネジャー、介護サービス事業所など地域の人が早期発見することが大切だとした。
サインが見られた場合、町役場福祉課や地域包括支援センターへ連絡してほしいと求め、通報者は分からないよう虐待とは言わず高齢者訪問として関わり、ケアマネジャーや介護サービス事業所とも連携して対応していくと説明。「養護者(家族など)を責めるためのものではなく、虐待に至った要因を知り、高齢者と養護者を支援していくもの」と話し、予防するには高齢者や養護者が孤立しないよう地域の見守り、声かけ、あいさつ、気付きを大切にしていくよう呼びかけた。
また、認知症の人が集う町内の情報交換の場として町社会福祉協議会が「認知症介護者のつどい」や、「カフェいっぷく亭」を毎月開催していることを紹介した。
(2023年9月21日付紙面より)

三輪崎八幡神社例大祭 (新宮市 )
新宮市の三輪崎八幡神社(上野顯宮司)例大祭の神輿渡御(みこしとぎょ)と奉納行事が17日、4年ぶりに同神社と三輪崎漁港周辺で営まれた。秋晴れの下、神輿や山車が区内を練り歩き、活気のある声が町内に響いた。
漁労加護、五穀豊穣(ほうじょう)、商売繁盛など地域の繁栄を願い、現在の三輪崎漁港付近にあった本宮に神様が年に1度里帰りする祭り。15日には本殿大前ノ儀が執り行われ、祭り関係者が地域の平穏無事を祈願した。
神輿渡御では、本宮を目指して神輿が同大社を出発。大勢の子どもらに引かれた恵比寿(えびす)、二十四孝(にじゅうしこう)、大黒天の山車が、豪快にぶつかりながら後に続いた。
漁港前の御旅所では、三輪崎郷土芸能保存会が獅子神楽と日本遺産に登録された「鯨踊り」を奉納。「ヨイハ」のかけ声が周辺に響いた。台楽保存会の華やかな踊りや、熊野曼荼羅(まんだら)太鼓による演奏が、祭りを盛り上げた。
奉納を終え、三輪崎郷土芸能保存会の濱口仁史会長は「暑い中、予想以上に多くの方が見に来てくれて演じる方も力が入った。久しぶりに祭りの雰囲気を実感できてうれしい。地域に元気がないと活気ある祭りはできない。三輪崎は元気がある町だと再認識した。来年も活気ある祭りに」。
中村武・氏子総代会長は「天候にも恵まれ、山車引きの子どもや奉納行事の観客も思った以上に来てくれた。盛会のうちに祭りを終えることができて良かったです」と笑顔で話していた。
(2023年9月20日付紙面より)


宇久井神社例大祭 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の宇久井神社(宮司=男成洋三・熊野那智大社宮司)の例大祭本宮が17日に執り行われた。晴れやかな空の下、4年ぶりに神輿(みこし)行列が地域を練り歩き、海上安全と豊漁、地域の繁栄を願って華やかな奉納行事が営まれた。
本殿での式典に続き「チョーサヤ、チョーサヤ」のかけ声も勇ましく、神輿行列が神社を出御。塩をまき清めた地区内を練り歩き、太夫の松、湊蛭子(えびす)神社旧社地、宇久井漁協広場、里蛭子神社旧社地の順に四つの御旅所を巡った。小・中学生も威勢良く子ども神輿で活躍した。
湊蛭子神社旧社地の祭典の後に海上渡御があった。神輿は渡御用神船にうつされ、宇久井中学校の男子生徒らがこぐ御船に先導されて厳かに漁協広場へ。到着した御船は生徒たちが「御船キヤリ」を歌いながら陸へ引き上げた。
秋葉会(梶誠仁会長)は勇壮に、宇久井青年会(柴原寛会長)は華麗な獅子舞を奉納。今年初の奉納となる子役たちも立派に役目を果たし、大きな拍手が送られた。地域の踊り子有志や宇久井保育所の園児のロックソーランが祭りを盛り上げた。
参加した子どもたちは「御船に参加した。教えてくれた方が面白い人で、こつをつかむとこぐのが楽しかった」「獅子舞がかっこよかった」「思っていたより神輿が重たかったけれど、頑張った」と話し「また来年も参加したい」と声をそろえていた。
祭典委員長の亀井二三男さんは「暑い中だったが、それぞれの団体の大人も子どもたちも、けがなく元気に回ってくれてよかった。地域の文化を次につなげていきたい」と喜びを語っていた。
(2023年9月20日付紙面より)


樫野の慰霊碑で追悼式典 (串本町 )
串本町樫野にあるトルコ軍艦遭難慰霊碑前で16日、エルトゥールル号(以下エ号とする)追悼式典が営まれた。今年はコロナ禍を経て4年ぶりに制限を設けず実施。120人規模(主催者発表)で殉難将士の安らかな眠りを祈るなどした。
この式典は、町が樫野沖で1890年にあったエ号遭難救助の期日(9月16日)に合わせて実施。今年は町内近隣の主要団体の代表者に加えて在和歌山トルコ共和国名誉総領事館の島正博名誉総領事、トルコ共和国側からコルクット・ギュンゲン特命全権大使やハビブ・イゼット・ゾールオール武官、ダムラ・ギュミュシュカヤ総領事や東京ジャーミィの信徒ら一行を来賓として迎え、一般の参列希望も受け入れた。
黙とうやトルコ、日本の国歌斉唱に続き主催者の田嶋勝正町長は「殉難将士のみ霊に謹んで哀悼の意を表し、冥福を祈る。私たち串本町民はこの地に眠る殉難将士のみ霊をお守りし、大島島民が示した利他の精神を継承し、両国の友好の原点となった歴史を風化させること無く日ト友好の架け橋のまちとして両国友好の一助となるよう尽力することをここに誓う」など式辞。来賓を代表してギュンゲン大使は「両国にとって串本の意義は極めて大きく、発展する協力関係の根底には間違いなくエ号事故により始まった永遠の友好の絆と信頼関係が眠っている。串本の精神と表現させていただきたい助け合い、友情、信頼の関係が今後ともわれわれの関係を導いてくれると確信している」と追悼の辞を述べた。今回は錦江山無量寺から町へ将士の診断書の寄託の申し出もあり、東谷洞雲住職から田嶋町長へ手渡しギュンゲン大使が東谷住職へ記念品を贈ってその行為をたたえる場面もあった。
同碑に備わっている霊廟(れいびょう)の扉を開いた状態でギュンゲン大使、田嶋町長夫妻に続いて参列一同が献花。両国友好70周年時の追悼歌を斉唱してささげ、町議会の鈴木幸夫議長が閉式の辞を述べて締めくくった。
以降は主催者と来賓で記念撮影をして散会。ギュンゲン大使は「串本町は昔のように今も殉難将兵を守っていただき、トルコ人にとって比べるものがないぐらい大切なまち。来年は両国の国交樹立100周年であり、今年はトルコ共和国の建国100周年。その他の年も含めて共に祝い、文化的交流もしていく所存」と報道陣に向け心境を語った。
(2023年9月20日付紙面より)


勝浦八幡神社例大祭 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の勝浦八幡神社(髙橋正樹宮司)の例大祭・本宮が17日、晴天の下、営まれた。迫力ある神輿(みこし)の渡御(とぎょ)や各奉納行事などを一目見ようと、町内外の住民に加え、県外・海外から多くの観光客が多く訪れ、港町である同町は活気づいた。
例大祭は、漁業のまち勝浦の繁栄を祈り、古くから営まれてきた伝統の祭り。コロナ禍で、2年間は規模を縮小したが、昨年は「子供神輿」と「子供手踊」、大黒天輿以外は例年通り斎行。今年は「子供神輿」と「子供手踊」も行われ、輿姫会による初の女神輿も、祭りを盛り上げた。
例大祭式典には、坂井與己祭典委員長をはじめ、祭り関係者らが参列し、午後0時半から渡御祭式典が営まれた。餅つき、徒士(かち)山伏、獅子神楽、子供神輿、舟謡(ふなうた)の奉納後、威勢よいかけ声とともに、神輿が神社を出発。地区内を練り歩き、御旅所の勝浦漁協魚市場で奉納行事を営んだ。
祭りのクライマックスを飾る神輿海中神事は夕暮れの迫った「いざかた船溜(ふなだまり)」で行われた。愛友会舟や今年最後の参加となる商工会舟、中学生が乗る赤舟、白舟、黄舟の櫂伝馬(かいでんま)が船溜を力強くこぎ回った。
大勢の人々が見守る中、勢いよく神輿が海中へ飛び込み、歓声や拍手が送られた。神輿は「御神船」に乗せられて海路で神社へ還御。夕暮れの中、「舟謡」が響き渡り、勝浦港に連なる船の列が幻想的な光景を生み出した。
髙橋宮司は「無事に終わり一安心。女神輿の参加は、華があり良かった。にぎやかに斎行できてありがたい。来年に向けて頑張っていきたい」と語った。
(2023年9月20日付紙面より)


記憶紡いだ冊子が完成 (那智勝浦町 )
「ここは魚屋があった」「違うよ。散髪屋やったと思うよ」「この並びやと、八百屋とちゃうかな」―。
住民や関係者らが記憶を紡ぎ合って、旧勝浦町と那智勝浦町の地図や歴史などをまとめた冊子「懐かしい時代 勝浦町~那智勝浦町」がこのほど、完成した。冊子はカラー刷り16㌻で、昭和30~40年代のにぎわった町の様子などの紹介や名所の写真に加え、懐かしい店名などが記された手書きの絵地図で構成されている。14日には、作成活動の中心となった「なちかつ古道を守る会」(地庵晋司会長)が同町の海のホテル一の滝で関係者らを前に冊子完成を発表した。
「歴史と文化と環境を守ろう」をテーマに活動する同会は、過去にも同町下里を紹介した冊子を作成。2021年には、今回と同様に会員や住民らで記憶を頼りに同町天満地区の冊子「懐かしいまち 那智勝浦町 天満」が完成した。この冊子が好評を博し「勝浦もぜひ」と作成を熱望する声が多く届いたという。
昨年夏から作業に取りかかり、会員らは町史や個人執筆の郷土資料の収集、各地の写真撮影などの取材活動、文章の校正にも汗を流した。その間も、大勝浦や仲ノ町、築地の住民が何度も集まり、協力して地図を仕上げ、冊子を作り上げていった。
「ちょっと昔をふりかえってみませんか」と表紙にあるように、冊子を開けば▽温泉と旅館▽港のにぎわい▽町村合併と時代▽神社と寺院▽民話と伝説▽町村合併前の勝浦三景―などが詳細に紹介されており、その時代を知る人には懐かしく、知らない人にとっても町の歴史を知ることができる一冊となっている。
14日は、常時、作成に携わった会員らが「多くの皆さまのおかげで完成に至った。読んだ方からは感動したとの声も多数頂き、うれしく思う。私たちは人に喜んでもらえることが一番楽しい」と語った。
地庵会長が「大勢の方のご協力に感謝している。往年の方には懐かしんでいただき、若い人たちにはふるさとに興味を持ってもらえるきっかけになればうれしい」と話していた。
冊子は、同町湯川の喫茶きよもんで、無料で配布している。問い合わせは喫茶きよもん(電話0735・52・0881)まで。
(2023年9月17日付紙面より)



医療センター出前講座 (新宮高校 )
看護師の仕事について紹介する、新宮市立医療センターの出前講座が13日、和歌山県立新宮高校(深野泰宏校長)であった。全学年を対象に希望者を募り、1年生と3年生の合計23人が参加。同センター所属の現役看護師の講話を聞いたほか、血圧測定など仕事の一端を体験した。
初の試みとなる。医療センターが同様の出前講座を近畿大学附属新宮高校で実施したところ、好評だったことから、新宮高校にも開催を打診、実現した。新翔高校や串本古座高校にも打診しており、時期を調整中という。
同センターの看護部副部長の二河良成さん、中央手術室看護師の津呂橋慶さん、救急外来・HCU看護師の細野早穂さんが講師として訪れた。津呂橋さんや細野さんは、同センターでの仕事内容を説明。
「手術室における看護の魅力は、トラブル対応や医療技術に触れる機会があること」「自分なりのやりがいを見つけるとモチベーションも上がる」「ストレスを上手に発散し、臨機応変に対処する力を養うことが大切」などと語った。
事前に寄せられていた質問には、二河さんが回答した。「(看護の)専門学校と大学、どちらが良いか」の問いには「学位を取りたい場合や、興味があるものが明確なら大学に、とにかく資格が取りたいならどちらでも」と伝えた。県立なぎ看護学校も選択肢として薦めた。
生徒らが看護師の仕事を疑似体験する時間もあった。血圧測定の機械や聴診器、静脈採血の道具や手術用器材、点滴などが置かれていた。生徒らは、講師の3人の説明を聞きながら、手に取って感触を確かめるなどしていた。
1年生の坂口夏菜さんと藪本みゆさんは「興味があって参加したけど、スケジュールがきつくて大変そう」「やりがいも大変な分、大きいかな」「目指してみようという気になった」などと話した。
(2023年9月17日付紙面より)

超極早生の温州ミカン (JA伊勢 )
超極早生(ごくわせ)の温州ミカン「みえの一番星」の出荷が、御浜町下市木のJA伊勢統一柑橘(かんきつ)選果場で始まった。味や大きさは平年並みの仕上がりで、14日に初売りされた。
極早生の主力品種、崎久保早生とサマーフレッシュを交配させた「味一号」の中から、外観の美しさや糖度、酸味の基準を満たすミカンを「みえの一番星」ブランドとして売り出している。
県が開発した「味一号」は熊野地方の露地栽培温州ミカンのトップを切って収穫される品種で、紀宝町から熊野市までの約400軒で栽培されている。極早生より2週間ほど早く収穫時期を迎え、果皮の色づきより先に果実が成熟するのが特徴。
JA伊勢によると、今年は台風の影響が懸念されたが、糖度は平年並みで、酸抜けはやや早く、直近の雨で大きさもそろってきたという。今月下旬までに県内や中京圏の市場を中心に約900㌧を出荷し、このうち3~4割が「みえの一番星」として売り出される見込み。
選果場では、従業員が傷や色合いを確認してミカンを選別し、センサーでサイズ別に分けられるなどして機械で箱詰めされていった。
JA伊勢の担当者は「台風の被害が心配だったが、とてもおいしく仕上がっている。多くの人に手にとってもらいたい」と話していた。
(2023年9月17日付紙面より)

宇久井神社例大祭の宵宮 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の宇久井神社(宮司=男成洋三・熊野那智大社宮司)例大祭の宵宮が15日、本殿であった。祭典役員など各団体の代表者らが17日の本宮への思いを込めて玉串をささげ、「神餅まき」で境内がにぎわった。
熊野那智大社の井戸大輔禰宜(ねぎ)を斎主に迎えて神事を執り行い、神社総代、宇久井総区長、湊区長、宇久井漁業協同組合長、党家講、神輿(みこし)かき、子ども神輿、御舟、宇久井青年会、秋葉会、敬神会の関係者が参列した。
井戸禰宜は今年8月の台風7号の被害から境内の復旧作業に尽力した関係者をねぎらい「神様が神輿に乗って氏子たちが住む地域を回り、行く先々で地域の良さを味わっていただく、それが祭りの意義。地域や関係者の皆さまのますますの繁栄を祈っている」と述べ、神酒拝戴の音頭を取った。
秋葉会と宇久井青年会が獅子舞を奉納。地域の踊り子有志が境内で「宇久井音頭」「宇久井娘小唄」を披露した。「神餅まき」には地域の子どもたちや住民も集まり「こっちにほって」とにぎやかな声を響かせた。
祭典委員長の亀井二三男さんは「4年ぶりの祭りに喜びを感じている。けがなく、無事に執り行えるよう願っている」と話していた。
17日の本宮では午前9時から本殿で式典を執り行い、10時から渡御(とぎょ)行列が神社を出発する。
(2023年9月17日付紙面より)


神輿渡御は17日斎行 (三輪崎八幡神社 )
新宮市の三輪崎八幡神社(上野顯宮司)で15日、同社例大祭の本殿大前ノ儀が営まれた。中村武・氏子総代会長や屋敷満雄・三輪崎区長ら祭り関係者約20人が参列。地域の平穏無事や17日(日)に営まれる神輿渡御(みこしとぎょ)の無事などを願った。
漁労加護、五穀豊穣(ほうじょう)、商売繁盛など地域の繁栄を願う例大祭は、三輪崎漁港付近にあった本宮に神様が年に1度里帰りする祭り。今年は4年ぶりに通常規模で斎行され、17日には神輿渡御、恵比寿(えびす)、大黒天、二十四孝(にじゅうしこう)の山車巡行、奉納行事が営まれる。
大前ノ儀は、熊野速玉大社の佐藤仁迪権禰宜(ごんねぎ)が祭主を務める中、厳かな雰囲気で営まれた。三輪崎区、漁業協働組合、農業実行組合、大黒講、総代会の各団体が、神様の神徳をいただくより代の金弊を返還。屋敷区長が祭詞を奏上し、参列者らが玉串を供えた。
神事を終え、中村氏子総代会長は「4年ぶりの通常のお祭りが無事に斎行できるようにお願いした。天候にも恵まれ、今はほっとしている。17日の神輿渡御は、多くの人が楽しみにしてくれていると聞いている。事故もなく、無事に営むことができれば」と話していた。
神輿渡御は午前11時から。本宮を目指して八幡神社を出発。3台の山車が豪快にぶつかりながら町を練り歩く。午後2時ごろから御旅所(三輪崎漁港前)で三輪崎郷土芸能保存会の「鯨踊り」と「獅子神楽」、台楽保存会の踊りなどが披露される。
(2023年9月16日付紙面より)


川舟大工の谷上嘉一さん (紀宝町 )
熊野速玉大社(新宮市)の例大祭「新宮の速玉祭(はやたまさい)」における「御船祭(みふねまつり)」(10月16日)を1カ月後に控え、早船競漕(きょうそう)で使う櫂(かい)の製作が谷上嘉一さん(紀宝町北檜杖)の作業場で進んでいる。
今年は60~70本作る予定で、注文に応じて櫂の長さを調整する。練習で舟と接触する部分が傷み、折れてしまうこともあることから、祭り本番はほとんどのチームが新品で出場するという。
谷上さんは舟作りの技術を全て独学で覚え、今では熊野川流域で唯一の川舟大工。軽くてしなりがある地元産シイの厚板を削り、熟練の技で仕上げていく。
櫂の長さは約1・90~1・95㍍。ヒナと呼ばれる水かき部分は幅約21㌢。柄を付けて完成する。早船競漕は、全長8・9㍍、幅1・4㍍の木造船9隻に各11人が乗り込み順位を競う。
40年ほど前から櫂を製作している谷上さん。「長い歴史と伝統がある祭り。早船競漕は、新型コロナウイルスのため中止が続いていたが、昨年、3年ぶりに復活した。今年も多くの人に見てもらいたい」と話していた。
(2023年9月16日付紙面より)

12年ぶりの返り咲きか (那智勝浦町 )
「12年前の紀伊半島大水害の後にも咲いた記憶がある。那智山では珍しいと思う」。そう話すのは、那智勝浦町の那智山青岸渡寺(髙木亮英住職)の関係者だ。10日、知人からの情報提供を受けて、那智山へ。同寺の駐車場や納骨堂近くの参道沿いに植わっているサクラ(ソメイヨシノ)6本ほどが、季節外れの花をちらほらと咲かせていた。
サクラが10月ごろなどに咲く「狂い咲き」や「返り咲き」は各地でも見られる現象で、台風などで葉を失ったり、虫による食害で、サクラ内部のシステムが異常を来すなどして、発生するという。
数日前から花が開きだしたという関係者は「この前の台風が原因だと思う。狂い咲きは、僕の記憶に間違いがなければ、12年ぶりくらいになるのでは」と話していた。
滋賀県から参拝に訪れた40代女性観光客は「とてもきれい。こんな時期にサクラが見られるとは。熊野は不思議で特別な場所だと思う」と話していた。
当地方に甚大な被害をもたらした紀伊半島大水害から12年。記者は先ほどの関係者の話を思い出す。返り咲きが確認されることが多い10月ではなく、この時期に12年ぶりに咲いたということは、災害の犠牲者に対し、鎮魂の意味も込められているような気がしてならない。
犠牲者の皆さまのご冥福をお祈り申し上げます。
(2023年9月16日付紙面より)


潮岬の作家・杉本紘子さん (串本町 )
串本町潮岬在住の作家・杉本紘子さん(44)の作品「愛(Amour)」が国際公募展「サロン ドトーヌ」で入選した。世界規模で入賞の評価を得たのは初だそうで、杉本さんは「何歳からでも、どこにいても新しいことに挑戦でき、チャンスをつかめることを示せた」と喜んでいる。
杉本さんは大阪府大阪市出身の木彫り作家。国家公務員を務めるさなかに美術愛好家から木彫りの才覚を見いだされ、40歳の節目に作家となることを決意した。滋賀県の伝統工芸士に木彫りの基礎を学んで作風を整え、知人の勧めで2019年に潮岬へ移住し活動を開始。翌20年に木彫り工房はまなすを構え、制作に打ち込んでいる。
同年と21年に県美術展覧会で連続入選し、同年と22年は規定の条件を満たして全国伝統的工芸品公募展に出品。さらなるステップアップの思いで昨年から、過去にパブロ・ピカソやレオナルド藤田、ヒロ・ヤマガタらも入賞した世界的美術家の登竜門とされるこの公募展にも応募している。
「愛(Amour)」は高さ24㌢、幅53㌢、奥行き12㌢の紀州ヒノキ材を彫り込み、心地良く過ごせそうな空間で仲むつまじく寄り添うアフリカゾウの親子の姿を表現した作品。昨秋から3カ月をかけて彫り込んで今年1月に無垢(むく)の状態で完成させ、その写真を送って審査を求めた。
入選により作品「愛(Amour)」は現地時間の来年1月17日(水)から21日(日)までフランスの会場「ラ・ヴィレット・グランド・ホール」での展示が決まり、すでに発送済み。戻り次第、町長に結果を報告したいという。
杉本さんは本年度から町公民館活動「木彫り体験教室」の講師を務め、町立小中学校を対象にした外部講師も請け負って木彫りの裾野を広げている。今回の結果について「昨年は選外で入選までしばらくかかるかなと思っていたので、今回の入選にはびっくりしています。この作品は生涯のテーマにしたい『親子愛』に基づくことで、前回の作品に足らなかったオリジナリティーを込めました。この結果が子どもたちや挑戦に迷う皆さんにとって自身の可能性を信じるきっかけにもなれば」と話している。
(2023年9月16日付紙面より)


【第65回】キノコは身近なスーパーフード
9月に入り、まだ暑い日が続きますが、朝晩は過ごしやすくなってきました。スーパーにも、芋や栗など秋の食材が並び始めましたね。今回は、秋の食材の代表格ともいえるキノコについてお伝えしたいと思います。
キノコにはさまざまな栄養素が含まれています。糖質をエネルギーに変える、ビタミンB1。アルコールの分解を助け、髪の毛や皮膚の健康を助ける、ビタミンB2。カルシウムの吸収を助けてくれる、ビタミンD。過剰な塩分を尿や汗として排出してくれる、カリウム。歯や骨を形成する、リン。などなど、どれもとても豊富です。中でも、キノコの栄養と聞いて、最も取り上げられるのが食物繊維。以前も書きましたが、この食物繊維は、腸内の善玉菌の餌となるので、積極的に取ることで、腸内環境を整え、免疫力などもアップします。さらに、血糖値の上昇やコレステロールの吸収を抑えてくれるので、キノコは、生活習慣病を予防する効果があるといえます。キノコの摂取量が、がんの発症に影響するという研究結果もあります。低カロリーで、栄養豊富! キノコは、とっても身近なスーパーフードといえるわけです。
では、どうやって食べると効率的に栄養が取れるのか、その調理法についてお伝えしたいと思います。まず調理前の水洗いは必要ありません。キノコの栄養素は水溶性のものもあるため、調理前に水洗いをすると栄養も風味も落ちてしまう可能性があります。この水溶性の栄養というのは、ビタミンB1、B2、カリウムなどですが、これらを効果的にとるためには、「ゆでる」のは避けた方がいいでしょう。おみそ汁や、ホイル焼きなど、スープも味わえる調理法がお勧めです。食物繊維は、加熱しても失われることはありませんが、細かくカットしすぎると、せっかくの食物繊維が破壊されてしまいます。包丁でカットせず、手で割いて食べるなどがお勧めです。ビタミンDは、カルシウムの吸収を助けてくれるので、乳製品と一緒に食べるとその効果を発揮してくれます。キノコシチューなどもお勧めですね。また、ビタミンDは油との相性もいいので、バターなどで炒めたりするのもいいでしょう。
キノコは栄養が豊富で、値段も安くとってもお勧めの食材ですが、食べ過ぎには注意してください。食物繊維が豊富ということは、消化に時間がかかるということです。食べ過ぎると消化不良を起こして、便が硬くなったり、胸焼けなどの症状が出ることもあります。
キノコは、冷凍保存することも可能です。アミノ酸などのうま味成分は、冷凍することで増えるともいわれています。冷凍する際は、洗ったり加熱したりせず生のまま、食べやすい大きさに割いて、食品保存袋で冷凍してください。使うときは、解凍せずそのまま使うのがお勧めです。
食欲の秋! キノコのうま味と栄養を積極的に取ってみてはいかがでしょうか?
(2023年9月16日付紙面より)
地域の踊りを運動会で (高田小・中学校 )
地域の伝統を児童生徒が継承―。新宮市立高田小学校・中学校(山本健司校長)は12日、初の試みとして、新宮市高田出身の外部講師を招き、小中合同の運動会で披露する「高田踊り」の練習を行った。児童6人、生徒4人が参加、指導を受けて踊りを覚えた。
「高田踊り」は地域に伝わる特有のもので、高田の盆踊りで踊られる。右手の扇子を表裏に翻しながら、足を運び回ったりして舞う。以前に習ったことがあるという児童生徒も数人いたが、5年前などで「うろ覚え」程度、初めてが大半だった。学校としても、ダンスや御神楽(みかぐら)に取り組んだことはあったが、高田踊りは初となる。
現在は新宮市磐盾在住の久保満知子さんが講師を務めた。久保さんは「高田で生まれて育ちました。今のえぼし寮のところに学校があって、通っていました。高田踊りを覚えて、地域で踊ってもらえたら」と呼びかけた。
久保さんは扇子を持って、児童生徒はうちわで代用して練習した。久保さんが「1、2、3」とカウントを数え、基本動作を指導。児童らは一つずつ、動作をまねて覚えた。慣れてきたところで、音楽に合わせて実践。児童らは、久保さんと何度も見比べて確認しながら、懸命に踊っていた。
5年生の水口山君は「高田踊りを踊るのは初めて。楽しかったけど、回るところのタイミングがつかみづらくて難しかった。本番は緊張して失敗しそう。しっかり練習したい」と話した。
今後は、もう一度久保さんを招いて練習を行い、運動会の本番に臨む予定でいる。
(2023年9月15日付紙面より)

救命救急講習に親子9組 (那智勝浦町 )
那智勝浦町福祉健康センターで11日、町内で乳幼児を育てている保護者たちを対象とした救急救命講習会が開かれた。親子9組18人が参加し、町消防本部の救急救命士・清水浩さんらから、子どもに異変が起きたときの一次救命の行動を学んだ。
同町地域子育て支援センター(森本幸美センター長)主催。保護者向けの救命講習は、コロナ禍を経て3年ぶり。
清水さんは保護者に向け「乳幼児に関わる119番通報で一番多いのが熱性けいれん。いざお子さんの体調が悪化するとパニックになってしまうかもしれないが、まずはきちんと呼吸をしているか、呼吸の速度がどのくらいか、顔色はどうなのかをしっかり見て。例えば1分間に1、2回しか呼吸がなく、顔が青白くなっていればすぐに助けを求め、胸骨圧迫に移って」と呼びかけた。
人形模型を使った胸骨圧迫の練習では、保護者から「こんなに深く胸を押すのは怖い」との声があったが「怖くても、押さなければ助からない。体の厚みの3分の1が沈むくらいしっかりと圧迫し、脳に酸素を届けることで未来の社会復帰率が変わる」と励ました。
自動体外式除細動器(AED)の小児モードでの使用法や、異物を喉に詰まらせた場合の背部叩打法の講習もあった。
西梛沙ちゃん(2)と参加した母親の裕子さんは「子どもの一番近くにいる母親として、命を守るための知識を身に付けたいと思って参加した。1回やったことがあるだけでも自信になる。最近は娘も活発に動くようになり、ちょっとした油断で頭を打ったり、けがをしたりする怖さがある」と話していた。
(2023年9月15日付紙面より)

古座川町でミーティング (和歌山県 )
和歌山県主催のタウンミーティング〈古座川町会場〉が13日にあり、岸本周平知事ら要職陣が活動の軸を担う町民9人とじかに話し合い思いを受け止めるなどした。
このミーティングは、県民の声をじかに聴きその思いを生かした県政を共につくることを目的として実施。会場は各市町村単位で設けていて、新宮・東牟婁地方では今回が6市町村一巡の節目になるという。
この日の会場は月野瀬にあるいろり館内とし、岸本知事と共に赤坂武彦・地域振興監、鳥羽真司・東牟婁振興局長、西前啓市町長が同席。町民9人はそれぞれに自身の活動を紹介し、関係する分野や目下の悩みに対する県の考えを確かめ要望を託すなどした。
ジビエ振興、認知度を高めて誘客を図る観光振興、ユズ園の承継推進と産業振興、地域活性化に頑張る若者の政治参加をどう図るかなどの活動が話題となる中、町内の自然を形作る山林の保護や活用の考えを確かめる声もあった。
移動販売の高齢廃業後の買い物難民対策や古座川の商業利用の難しさなど悩みの声もあり、買い物難民対策について赤坂地域振興監は小型無人機(ドローン)による運送の筋道があることを示唆。商業利用について岸本知事は国へ許可を求めていたら10年はかかる(法律改正が必要という意味)と即答し、鳥羽局長に町と事業者の3者で話し合って実現の筋道を探るようその場で指示した。
9人の過半数はIターン者で▽来ればファンが増えるまち▽東京から2時間弱で来られる自然に富んだ「異世界」のまち―といった実感を赤坂地域振興監に託す場面もあり、定住関係で制度を超えて移住者の思いに応えてほしい(制度同等の補助支援を考えてほしい)という要望もあった。
それらの声を受けて岸本知事は「皆さんの古座川愛には本当に震える。何より皆さんがいるから古座川は(この先)化けると思う。すごく勇気を頂いた」と感想を述べて9人の参加に感謝。鳥羽局長は「振興局からも具体的に話を伺いぜひ解決していきたい」と歩み寄り、赤坂地域振興監、西前町長も思いを寄せて締めくくった。
(2023年9月15日付紙面より)


宇久井神社例大祭に向け (那智勝浦町 )
「ヨーエンヤー」「エーランエー、エンヤサノサ」。かけ声と太鼓とともに中学生たちの船がこぎ出す。17日(日)に営まれる宇久井神社(宮司=男成洋三・熊野那智大社宮司)の例大祭で神輿(みこし)海上渡御(とぎょ)を先導する御船の練習が12日、那智勝浦町の宇久井港で始まった。
本宮で湊の蛭子(えびす)神社旧社地近くの港から、神輿をうつした渡御用神船を先導し、海上安全と大漁を祈願する重要な役割を担う。今年船に乗るのは町立宇久井中学校の1~3年生の男子生徒14人で、経験者として大学生の齋藤拳さんも加わる。
港に集まった生徒たちは基本的な櫂(かい)のこぎ方やかけ声、櫂踊り・扇踊りの振り付けを教わった後、早速湾内へ。指導役の東信義さんや船頭の齋藤將彰さんらが「腕だけじゃなく、体全体を使って」「もっと声出して」とげきを飛ばした。
世話役になっている里1区の役員らも練習を見守り「今日初めてにしてはなかなか上手」「頼もしいね」と感心。指導役の東さんは「明日からは御船のこぎ方の形を付けていく。4年間のブランクがあり全員初の御船だが、本番までには形になるはず」と語る。
廣井優一君(中3)は「思っていたより慣れるのが大変で体力を使うが、楽しい」。清水漣君(同)は「小学生の頃からやりたかった。もっと速くこげるようになりたい」と笑顔で話していた。
また、陸の渡御を担う神輿奉仕の代表世話人、中西敏雄さんも「4年ぶりの祭りの神輿奉納に喜びと期待が大きい。神様を持たせていただくという大変重要な役割を担っている。改めて地域の皆さんの健康と繁栄を祈りながら和気あいあいと楽しく担ぎます」と祭りに向けて意気込みを語っていた。
(2023年9月15日付紙面より)


県秋季ミニバスケットボール大会 (黒潮ミニバス )
4年ぶりの奉納に向け (三輪崎八幡神社例大祭 )
新宮市三輪崎の三輪崎八幡神社例大祭での4年ぶりの奉納に向け、三輪崎郷土芸能保存会(濱口仁史会長、72人)の稽古が熱を帯びている。本殿大前ノ儀は15日(金)午前9時から。神輿(みこし)渡御は17日(日)午前11時からで、御旅所(三輪崎漁港前)での奉納行事は午後2時ごろから披露予定。
漁労加護、五穀豊穣(ほうじょう)、商売繁盛など地域の繁栄を願う例大祭は、三輪崎漁港付近にあった本宮に神様が年に1度里帰りする祭り。神輿渡御に伴い恵比寿(えびす)、大黒天、二十四孝(にじゅうしこう)の山車巡行、郷土芸能、舞踏などの奉納行事が繰り広げられる。新型コロナウイルス感染症の影響により、過去3年間は規模を縮小して執り行ってきたが、今年は4年ぶりに通常規模で斎行される。
本番が目前に迫った11日夜、三輪崎青年会館では祭りばやしが響く中、会員らが県無形民俗文化財の鯨踊りや獅子神楽の稽古に汗を流していた。
濱口会長は「4年ぶりの奉納なので不安だったが、初日から予想以上の会員が稽古に参加してくれて心強い。ようやくこの日を迎えられる、本当に楽しみにしている。稽古のペースも速く、それぞれが自分の役割を見つけ、練習や指導に打ち込んでくれている。本番はたくさんの子どもたちに参加してほしい。また、多くの方々に来ていただけると、会員たちもより一層力が入ると思う」と期待を込めた。
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17日に御旅所を中心に踊りを披露する台楽保存会(大石剛司会長)。8月26日から三輪崎会館で練習に励んでいる。当日は2、3歳から80歳までの30~40人が、1959(昭和34)年に同保存会が復活させた「台楽囃子(ばやし)」ほか「ハイヤが聞こえる港町」「このみ音頭」「三輪崎音頭」などから3、4曲ほどを披露する。6日夜の練習時には会員や地域の子どもたちが大勢集まり、西川友茂さんの指導を受けながら、大きな輪を作っていた。
大石会長は「4年ぶりの通常規模での斎行と踊りを奉納できることはうれしい。コロナ禍の3年間、保存会にもいろいろなことがあった。コロナ前は参加してくれていた子どもたちも今年は参加できなかったりと、この3年はとても大きいと思う。今年は子どもたちのことを最優先に考えて車移動とするなど暑さ対策などを講じる予定だが、また来年に向けて基盤をつくりたい。これまでの伝統を未来に継承していきたい」と話していた。
(2023年9月14日付紙面より)



乳幼児の命を守る会が講座 (新宮市 )
新宮市子育て支援センター子育てひろば「つぼみ」は6日、市保健センターで「防災のお話~だいじょうぶ?緊急時の備え!~」を開いた。1、2歳児と母親の10組20人が参加し、「乳幼児の命を守る会」(勢古啓子委員長)の3人から、災害備蓄や避難について学んだ。
同会は2011年の紀伊半島大水害を教訓に、子育て支援に関わる市内5団体の代表者が集まって発足。防災キャンプや講話を通じ、子育て世帯が楽しみながら災害に備えられるようサポートを続けている。
講座では母子手帳のコピーやミルクセット、おむつなど、乳幼児のいる家庭向けの非常用持ち出し袋の内容を公開。紀伊半島大水害で1週間断水した地域があったことを伝え「当時、災害後に母乳が出なくなり、子どもの沐浴やトイレで非常に困っているお母さんを見かけた。給水車が来たとしても、子どもを連れて列に並び、重い水を持ち帰るのは簡単ではない。キャリーバッグと給水バッグがあると便利だが、まずは1日1人3㍑の水備蓄を」と呼びかけた。
非常食の試食体験では、母親たちがアルファ米のピラフやおかゆにお湯を入れて調理し、子どもたちに食べさせた。
湯浅七燈君(2)と参加した母親の麻実さんは「息子は普段少し偏食があり、野菜が嫌いだが、トマト味以外はパクパク食べていた。今は子どもに必要なものを中心に備蓄しているが、水の備蓄をもっと増やさなければと思った」と話していた。
(2023年9月14日付紙面より)


ヨネックス選手迎え講習会 (串本町テニス協会 )
串本町サンゴ台にある総合運動公園テニスコートで10日、ヨネックスソフトテニス講習会があり参加対象の小中学生ら約50人が国内トップクラスの選手からじかに指導を受ける機会を得た。
この講習会は、同町テニス協会(福田順子代表)が主催。関係するスポーツ少年団「串本ジュニアソフトテニスクラブ」が関係の深い田辺市内のスポーツ店経由でヨネックス株式会社に講師派遣を希望する形で回を重ねている。
今回はインカレなどで優勝経験を持つ同社所属選手の菊池はづきさんと小林愛美さんを講師として迎え、同社大阪支店の永谷拓海さん(バドミントン選手)が同社のテスター貸し出しなどで進行を後押しした。
菊池さんと小林さんは幅のある年齢構成を考慮し、基礎基本の定着を意識したメニューを準備。小中学生と一緒に同クラブ関係の高校生や大学生も加わりそれぞれの指導陣が様子を見守る中、推奨するトレーニングや一通りのストローク(=打ち方)の練習方法を実際に体験してもらいながら紹介した。
講習会は午前9時~午後3時(昼食休憩含む)の時間帯で実施。主導した菊池さんは「限られた時間なのでまずはソフトテニスを通じて仲間とスポーツを楽しみ、その中で苦手だったことを克服する喜びを感じてもらえれば」と今回の指導で目指すところをコメント。選手として「一生懸命に練習をしたら私たちぐらいテニスができるようになるよというところを感じ、これから頑張ろうという気持ちになってくれたらとてもうれしい。そのような取り組みをしているヨネックスを知ってもらえたら」と語り、その刺激になれるよう指導に打ち込んでいた。
(2023年9月14日付紙面より)


下里神社祭典部 (16日宵宮、17日本宮 )
建御名方神(たけみなかたのかみ)を主祭神とする那智勝浦町の下里神社(山本貞夫宮司)の例大祭(江﨑光洋祭典委員長)が16日(土)に宵宮、17日(日)に本宮の日程で営まれる。下里青年研修所で1日から本格的に行われている祭典部(楠谷彰部長)の練習が大詰めを迎え、地域の子どもたちが集まってにぎやかな祭りばやしを響かせている。
祭りは五穀豊穣(ほうじょう)や家内安全、商売繁盛を願って行われているが、近年は新型コロナウイルスの影響により神事のみ斎行。子ども神輿(みこし)や手踊りなどは中止となっていたが、4年ぶりに通常の形へと戻った。
今年は世古蓮翔(れんと)君(下里小3年)と上田叶翔(かなと)君(同2年)が天狗(てんぐ)役を務める。
世古君は「楽しく練習をしている。本番は緊張せず、しっかり集中して成功させたい」と意気込む。指導する太田凪さん(24)は「新しいパートでは最初、苦戦していましたが、順調にきています。例大祭では練習の成果を発揮してほしい」と話した。
祭りばやしを指導する間所直愛(なおちか)さん(75)は「それぞれが覚えも良く、個々の仕上がりは素晴らしいです。後は合わせることが難しいため残り少ない練習を重ね、晴れの舞台に臨んでもらえれば」と笑顔を見せていた。
下里の獅子舞はゆったりとした優雅な舞を見せ、9頭の演目を伝えている。本宮は午後1時ごろ同研修所を出発。町を子どもたちが練り歩き、2時から神社境内で獅子舞を奉納する。
(2023年9月14日付紙面より)


紀南バレーボール秋季大会
準優勝は勝浦ヤンキース (学童野球大会 )
郷土料理を学ぶ体験教室 (那智勝浦町 )
トントントン。包丁で素早く丁寧に食材が切り分けられる。次から次へと手際良く作業をこなし、料理について丁寧に説明する―。それらを行うのは、那智勝浦町下里にあるデイサービスセンターつつじ園とグループホームつつじ園を利用する認知症当事者たちだ。町福祉課は10日、同所で「郷土料理を学ぶ体験教室」を初開催した。中学生から大人までの12人が参加し、講師を務める8人の利用者たちから郷土料理を教わった。
催しは、当事者が地域の中で役割を担い「生きがい」を持った生活を送ることができるように社会参加の形を模索するとともに、機会の創出を図り、町民が認知症当事者から学び触れ合うことで、認知症への偏見をなくすことなどが目的。共に作業を行い、学ぶ協働型の催しだ。
メニューは、マグロとサバのおまぜ2種類と、野菜のかき揚げ、なます、みそ汁、アユの天ぷら。利用者は器用な手つきで、アユの内臓処理をし、野菜や魚を切るなどして、調理を進めた。一方で、使用済みの調理器具を率先して洗い、片付ける姿も見られた。
「だしは先に入れて」「砂糖は多いめやの」「やらかなってから、調味料入れるんやで」と利用者が参加者にアドバイス。両者間で会話も弾み、料理を完成させた。最後は全員で、和気あいあいと食事を楽しんだ。
参加した和歌山県立串本古座高校2年の道尻颯乃さんは「認知症の方は、覚えていることが少ないという認識だったが、多くのことを考え、何でもできると知り印象が変わった。周囲で認知症を患った人がいた際は態度を変えずに、今まで通りできることはやってもらい、できないことをサポートしたい」。
同施設看護師で認知症介護指導者の川口利恵さんは、認知症の主な原因は加齢で、食事を中心とした活動や人間関係で、自分自身を取り戻すことができる例もあるとし「技術や知識をお持ちの方が多い。認知症の方からできることを奪ってはいけない。失敗しても良い。自分らしく生きられることが大事」と話した。
町福祉課の桝本佳貴さんは「多くの人が持つ認知症のイメージは、実は違うということを知ってほしい。認知症になっても、この町で安心して暮らしていけるということにつながれば。今後は、ほかの地区でも同様の取り組みをしたいと思う」と語った。
(2023年9月13日付紙面より)


第41回写真コンテストで (県小学校人権の花運動 )
「第41回和歌山県小学校人権の花運動」写真コンテストの審査結果が発表され、古座川町立高池小学校(中井清校長)が最優秀賞に選ばれたことが明らかになった。同校は第39、40回も最優秀賞に選ばれていて、3年続けての獲得となる。
このコンテストは、県人権啓発活動ネットワーク協議会(代表=夏見聡・和歌山地方法務局長)が主催。同協議会は例年、博愛や思いやりの象徴として親しまれるチューリップの球根やプランターを県内の全小学校(義務教育学校と特別支援学校を含む)に配り、児童に協力して育ててもらって生命の尊さを感じる形で将来を担う子どもたちの情操や人権尊重思想を育んでいる。その成果を確かめるために豊かに咲き誇る花と児童の記念写真をこのコンテストで募集している。
同協議会事務局によると今回は110校から応募があり、後の審査で最優秀賞10校、優秀賞40校、奨励賞60校を決め応募した全校の取り組みをたたえるとしている。
高池小は6年生10人が卒業した上級生(現中学1年生)から引き継ぎ、新1年生歓迎の思いも込め園芸委員が中心となりみんなで育ててきた。最優秀賞に選ばれた写真は、正門周囲のソメイヨシノや花壇に植えられた春の植物と一緒に花盛りを迎えた3月30日に撮影。6年生は歴代児童の合言葉「あいさつ日本一の高池小」と「花いっぱい笑顔もいっぱい」の横断幕を掲げて、今年の花盛りを誇っている。
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同協議会事務局によると、賞状や副賞(額装した作品)は後日、各受賞校を訪問する形で届ける予定。新宮・東牟婁地方では高池小のほか、王子ケ浜小と三輪崎小、宇久井小、太地小の4校が優秀賞、神倉小と勝浦小、明神小、三尾川(みとがわ)小の4校が奨励賞に選ばれていて、最優秀賞と優秀賞の作品は12月9日(土)に新宮市の市文化複合施設「丹鶴ホール」で開く啓発行事「人権の集い」の会場内で展示紹介する予定という。
(2023年9月13日付紙面より)

世界遺産20周年記念 (熊野三山観光協会 )
「紀伊山地の霊場と参詣道」の世界遺産登録20周年記念事業案の発表会が8日、新宮市緑ヶ丘の東牟婁振興局であった。大学生18人が、新宮市、那智勝浦町、田辺市本宮町を巡って考えた若年層向け7プランを提案。3市町の観光協会(機構)の代表者に意見を聞いた。今後、案は三つに絞られ練り直されて再提案され、最終的に一つが選ばれて来年度に実施される。
新宮市観光協会、那智勝浦観光機構、熊野本宮観光協会、東牟婁振興局企画産業課で構成する、熊野三山観光協会(会長=名渕敬・熊野本宮観光協会長)の主催。大学生に3泊4日で3市町に滞在してもらい、魅力や課題を調査してもらった上で、事業を提案してもらう取り組みとなる。和歌山大学観光学部から11人、京都産業大学経営学部から7人が参加、5日から体験や取材を行っていた。
学生らは、和大1班、和大2班、京産大班に分かれて、3案、2案、2案を発表。「スマートフォンでスタンプを集めるデジタルスタンプラリーを。スタンプ数に応じ、地域店で使えるクーポンを配布し、全部ためると景品がもらえるように」「ヤタガラスや20周年の文字を刻印したおさい銭メダルの販売を。熊野三山の全てで使えて、余ったメダルは記念に持ち帰れるように」「自撮り用スタンドを設置し、自分を入れた風景の写真をカレンダーに」などと伝えた。
これらを受け、3市町の観光協会(機構)の代表者が助言。「新宮の歴史は魅力的だが、伝えるのが難しい。スタンプラリーに合わせQRコードで歴史を学べるようにして突破口にできれば」「さい銭メダルはコストがかかるので、熊野杉などの木を使っても良いかも」「自撮り台は良いヒントをもらった」などと語った。
なお、案の発表に先立ち学生らは、体験や取材で感じた3市町の魅力を紹介した。
今後、各班は案を一つ選び、助言も参考に再度練り直して、11月下旬までに資料を作成。最終発表会が12月の上旬から中旬に行われる予定となっている。主催する熊野三山観光協会は最終の3案から一つを採用し、準備期間を経て来年度に実施することになる。
(2023年9月13日付紙面より)

「新宮城物語」に600人 (熊野新宮ミュージアム )
新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」で10日、一般社団法人「熊野新宮ミュージアム」(池上順一代表理事)による公演「新宮城物語~丹鶴姫語り~」があった。約600人の観客らは、ミュージカルを通して新宮市の歴史に触れる機会とした。
同法人は、熊野新宮の歴史文化を継承、発信し、郷土愛を育むとともに次世代への橋渡しを行う目的で2019年7月に設立された。ミュージカルなどの文化活動の他、熊野新宮の歴史、文化に関する調査および研究、広報活動、意見の表明などの活動を行っている。
このたびの演目は、熊野速玉大社の例大祭や新宮城、水野家、丹鶴姫など、新宮のまちを形成してきた祭事や人物にスポットを当て、ミュージカルを通していま一度新宮の歴史を知ってもらおうと企画。
本来は法人設立後の旗揚げ公演として2020年に県立新宮高校での公演を予定していたが、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて無期延期となっていた。
コロナの5類移行を受け再挑戦の運びとなった今回は、当初より一部内容を変更しつつも、紀伊新宮藩初代藩主・水野重仲が、現在NHK大河ドラマで注目度が高まっている徳川家康のいとこであることや、源頼朝・義経のおばで、平安~鎌倉時代にかけて実在した丹鶴姫、約1カ月後に控える熊野速玉大社の例大祭など、新宮の魅力を余すところなく紹介する内容に仕上がった。
丹鶴城と、例大祭でにぎわいを見せる新宮のまちを背景に重仲の入部を描いた物語。下岡有希さん演じる丹鶴姫の語りや歌声、人足たちのコーラス、正調新宮節・お祭り新宮節の演奏や舞がストーリーを彩り、観客らは圧巻のステージに大きな拍手を送った。
池上代表理事は「多くの人に来ていただき、喜んでいただいて感無量。コロナ禍の3年間を経て、ようやく公演することができた。物語を通じて、新宮の歴史にいま一度興味を持っていただけたら。私たちも次に向けて頑張っていきたいと思う」と話していた。
(2023年9月13日付紙面より)


潮風まつりに1800人 (新宮市 )
三輪崎漁業協同組合(海野義尊・代表理事組合長)主催の「第34回潮風まつり」が10日、新宮市三輪崎の三輪崎漁港周辺であった。4年ぶりの開催に市内外から約1800人(主催者発表)が参加。磯にまかれた約1万2000個のヒオウギガイ(檜扇貝)を求めて潮干狩りを楽しんだ。
親しみやすく住みよい漁港、漁村づくりを目指す活動の一環として実施しており、地域住民をはじめとした来場者らに磯遊びを体験してもらおうと毎年開催している。新型コロナウイルス感染症の影響で4年ぶりとなった今回は、バケツやビニール袋を手にした多くの参加者が会場に集合。例年以上のにぎわいを見せた。
開催に当たり、海野代表理事組合長は「大人は童心に返って、子どもは海の素晴らしさを感じながら楽しんでほしい。これからもこのイベントを続けていきたい。そのために、一人でも多くの人にマナーを守ってほしい。足元に気を付けてけがのないように楽しんでください」とあいさつ。
来賓の田岡実千年市長は同協同組合や関係者らの開催に向けた尽力に敬意を表し「今日は大勢の皆さんに楽しんでいただけるよう、たくさんのヒオウギガイをご用意いただいていると聞いている。けがには十分ご注意いただき、晩夏のひととき、磯遊びを満喫していただければ」と呼びかけた。
海野代表理事組合長のスタートの合図を受け、参加者らは小学3年生以下の子どもと小学4年生以上の大人の2会場に分かれてヒオウギガイ拾いを開始。紀宝町から訪れた上地梛君(7)と麦ちゃん(6)は「あまり取れなかったけど楽しかった。食べるのが楽しみ」と笑顔で話した。
漁港内市場ではシラスなどの物産販売もあり、多くの人が列を作っていた。
(2023年9月12日付紙面より)


「なんきっこ食堂」10月から (串本町 )
あったかい場所、あったかいごはん、あったかい笑顔。串本町西向にある南紀リバーサイドチャーチ(南紀キリスト教会)で9日、子ども食堂「なんきっこ食堂」(寺田有理代表)がプレオープンした。10月から毎週第2土曜日午前11時~午後1時に開くそうで、この日は接点がある家族や区長など地域の人を招いて試食をしてもらいつつ今後の協力を求めるなどした。
子どもたちに無料で食事を提供し健やかな成長を支える仕組みとして県内でも年々数が増えている子ども食堂。同教会は信徒と一体でできる地域貢献を考える中でこの仕組みに注目し、近隣の同食堂や他の教会の同食堂を参考にしながらミーティングを重ねて独自の体制を形づくってきた。
その運営母体が「なんきっこ食堂」。信徒や地域の協力で必要となる食材をそろえ、調理は信徒有志が担当、同教会が礼拝堂を提供の場とする形が整い、この日はその形で調理と提供を試行した。
メニューはポークカレーライスとサラダで、1食の量は同町の学校給食より少し多め。提供する対象は子ども(高校生以下)とその付き添いの大人としていて、大人は1食300円の協力をお願いしたいという。
町内では初となる子ども食堂のオープンで、県が前年度から推進しているわかやま子ども食堂応援ネットワークとのつながりも考えながら継続を目指している。寺田代表は「子どもさんだけでも、親子ご一緒でも歓迎します。みんなで頑張って続けるので、安心して食べに来てほしい」と今後の利用を呼びかけている。アレルギー対応をしていない点はあらかじめ了承してほしいという。
南紀リバーサイドチャーチは旧串本町役場古座分庁舎隣にあり、「なんきっこ食堂」はバルーン遊具(滑り台)などがある子ども向けの屋内広場「なんきっこ広場」(第4日曜日午後2時30分~4時)と半月ほどずらして定例化を目指していて、次回は10月14日(土)に開く。メニューはカレー&サラダ。問い合わせは「なんきっこ食堂」(電話0735・72・2600、同教会内)まで。
(2023年9月12日付紙面より)

オリジナルTシャツ着用 (新宮市 )
新宮市のJR新宮駅ホームで9日、特別急行列車「WEST EXPRESS 銀河」の歓迎演奏があった。JR西日本が制作したオリジナルTシャツを身に着けた近畿大学附属新宮高校・中学校吹奏楽部の部員や、ダンスチーム「HAL CREW」メンバーがパフォーマンスを行い、乗客を出迎えた。
「銀河」はJR西日本が期間限定で運行する長距離列車で、鉄道の旅と当地方の魅力のPRを図っている。近大新宮では地域の同世代や観光に関わる大人たちとの交流を図る狙いもあり、昨年10月から歓迎事業に協力している。
今回はJR西日本が新宮駅の公式キャラクターまめ福や「Shingu」の文字をデザインしたオリジナルTシャツを制作し、部員らが着用。「銀河」到着に合わせて「銀河鉄道999」「Let's Swing!!」の演奏とダンスで駅舎ホームを盛り上げた。
横浜から来たという川崎信本さんは「関西の列車に興味があり、念願かなって乗車できた。元は通勤列車を改装した車両だそうだが、こんなに変わるものかと驚き。心のこもった歓迎にも感動した」と話していた。
(2023年9月12日付紙面より)


丸山千枚田で「稲刈りの集い」 (熊野市 )
日本の棚田百選に選ばれている熊野市紀和町の丸山千枚田で9日、「稲刈りの集い」があった。残暑が厳しいながらも、棚田のオーナーらが貴重な歴史的遺産で収穫の秋を満喫した。
新型コロナウイルスの影響で中止や規模縮小してきたが、今年は特産品や飲料の販売など4年ぶりに従来の形に戻った。5月20日に「田植えの集い」を開催し、約650人が県育成品種「なついろ」の苗を植えた。
稲刈りには、県内外からオーナー66組274人をはじめ約570人が参加。千枚田保存会などスタッフから説明を受けて作業を開始。子どもたちも多く、青空の下、大自然の中で黄金色に実った稲穂を楽しそうに収穫した。
丸山千枚田は1601年に2240枚の田があったと記録されるが、1990年ごろには530枚まで減少。93年に丸山千枚田保存会を結成し、保全活動により現在は1340枚まで復田した。市ふるさと振興公社が96年度からオーナー制度を採用し、今年は154組885人の応募があった。
(2023年9月12日付紙面より)

後さんを招き家庭教育学級 (新宮市立丹鶴幼稚園 )
新宮市立丹鶴幼稚園(尾﨑卓子園長、園児40人)で8日、家庭教育学級があった。同園に通う園児の保護者が参加し、那智勝浦町在住で和歌山大学客員教授(災害科学・レジリエンス共創センター)、南紀熊野ジオパーク推進協議会学術専門委員を務める後誠介さんが「土地の特徴からみた新宮の防災」をテーマに講話した。
同園では毎年この時期に、防災についての学習を展開している。以前は同園の教職員らが講師を務めていたが、尾﨑園長が後さんと知人であったため実現。昨年は減災学習として開かれた。講話は転勤などで同市に移ったことにより、地形や過去の災害を把握していない保護者もいることなども考慮し、保護者を対象に行われた。
後さんは▽浮島の森から分かること▽緑丘中学校から分かること▽市田川沿いの風景から分かること―の項目についてスライドを使用し解説。1649年ごろの市街地の様子を古図で示し「浮島の森は植物遺体の分解が遅れた豊富な地下水が存在するとされている。市街地の地下水位は海水準より高く、低地では地下浅くにあるところが広いため地盤の液状化が起こりやすい」と語った。
緑丘中学校付近では1977年、80年の同校舎改築に伴い、浮島の森とともに貝化石が産出されたと説明。市内の地形の特徴にも触れ「標高5㍍に満たない場所が多い。昭和30年代以降に住宅化したところは地下水位が浅く、内水氾濫の発生しやすい土地が見られる」と述べ「新宮の市街地は地下水位の高いところが多く、入り江であった砂泥の地盤に囲まれた低地。地震に伴う地盤の液状化や豪雨による内水氾濫、津波発生時には長期浸水の災害リスクが予想されるため、万が一に備えて住宅の耐震化と家具の転倒防止などの防災対策が重要です」と呼びかけた。
参加した保護者は「災害について考えているものの、分からないことがたくさんあったので有意義な時間でした。具体的にデータで説明してくれたので、新たな知識を得られた。改めて防災の大切さを学びました」と話していた。
(2023年9月10日付紙面より)


獣害に強い豊かな里山づくり講座 (紀宝町 )
獣害研究家の「雅(まさ)ねえ」こと、井上雅央さんを招いての「獣害に強い豊かな里山づくり講座」が7、8日の2日間、紀宝町であった。初日は紀宝はぐくみの森で講演、2日目は阪松原地区で現地実習があり、参加者は「餌付けをやめる」といった発想の転換による獣害対策を学んだ。
みえ森と緑の県民税市町交付金事業を活用し、町立図書館が主催。雅ねえさんは獣害対策で目覚ましい実績を挙げ、全国各地で講座を開いている。
紀宝町での講座は5回目。講演では「獣害対策は住民が主役。勉強して、守れる田畑や集落にすることが大切で、囲いや追い払いから始めると失敗する。順番が大事」と示した。
「悪いのはイノシシ、シカ、サルではない。動物は安心して毎日餌を食べられる場所に住みたいだけ。安心と餌を与えることが餌付け。対策は餌付けをやめること」と話し、稲刈りが終わっても柵は常に電気を通すこともアドバイスした。
現地実習では「サルやシカ、イノシシのことが分かれば獣害は簡単。教科書は現場にある。みんなで教え合いすることで、獣害に強い地域になる」と伝えた。
10月に草刈りすると餌がなくなる2月にごちそうの草が生えてくることや、8月中旬から9月上旬に草刈りすると冬景色になると説明。知識として知ってほしいと呼びかけた。
電気柵の正しいつなぎ方を解説し、田や畑で柔らかい緑の草、電気柵の隙間、入り口の開いた柵などの餌場を見つけ改善策を紹介した。
(2023年9月10日付紙面より)

「資料館」「はまゆう館」 (串本古座高校 )
本州最南端の公立高校として歴史を刻む和歌山県立串本古座高校(榎本貴英校長)。その校内には先輩ゆかりの品々に学ぶという趣旨で往時の教具や卒業生からの寄託品を収蔵する2教室がある。
内訳は、旧串本高校ゆかりの「資料館」(1986年3月開設)と旧古座高校・旧串本古座高校古座校舎ゆかりの「古座高校・古座校舎 百年の青春 はまゆう館」(2021年2月開設)。いずれも収蔵庫を見学しやすいよう展示場に仕立てた造りになっていて、鑑賞してほしい品や現在の教育に資する品がショーケースに収めるなどして飾られている。
「資料館」は旧串本町立串本実業学校(1918年開校)を起点として教具や表札・校章類、歴代卒業生の寄託品(古民具や移民先ゆかりの品など)や写真・図面史料などを収蔵している。零式三座水上偵察機の来町など本土防衛の最前線だった時代の写真群や軍服、国旗への寄せ書きや広島への原子爆弾投下を伝える新聞(45年8月7日付)などの品々もあり、目下卒業生の尾﨑公さんや嶋村豊樹さんがそれぞれの寄託を前提にして構成の一部刷新を進めている。
「古座高校・古座校舎 百年の青春 はまゆう館」は旧古座町・高池町・西向村学校組合立古座実業学校(1918年開校)を起点として歴代の教具や寄託品、写真などを収蔵。100周年記念作品「古座高校・古座校舎百年史」や学生食堂の食器類、往時の教具で再現した模擬教室や平成以降の入学宣誓、卒業答辞を並べた模擬校長室などが見学できる。郷土史家・中根七郎さんが収集・書写した書籍群(通称・中根文庫、193点)も移設しているが一部閲覧できない部分もあるので、県立文書館の歴史資料アーカイブを併用しながら内容を確かめてもらえればとしている。
いずれも百余年来の積み上げ相応に構成の深みがあり、詳しくは現地を参照。校内外から見学希望を事前に受け日程調整をして迎え入れる仕組みになっていて、コロナ禍で一時休止していたが現在は従来通り希望に応えている。榎本校長は「特に公開行事を開くことはないので、互いに時間が合うタイミングで見学を申し出ていただければお応えします」と話し、その線で見学の波が続く状況を願っている。
見学希望や問い合わせは同校(電話0735・62・0004)まで。
(2023年9月10日付紙面より)

南大居保育所で祖父母参観 (那智勝浦町 )
那智勝浦町立南大居保育所(永野陽美所長)で7日、「おじいちゃん・おばあちゃんの集い」が開かれた。園児7人の祖父母が参観に訪れ、一緒に楽しい時間を過ごした。
園児たちは歌「ようこそ」やダンス「パイナポー体操」で祖父母を歓迎。触れ合い遊びでは「げんこつ山のたぬきさん」や「ゆびにんぽう」の曲に合わせて手をつないだり、優しく肩をたたいたりし、「エビカニクス」では祖父母も輪に加わって見よう見まねで踊った。
終わりのあいさつでは、園児たちが「今日は来てくれてありがとう。いつまでも元気でいてね」と伝えた。
田中雅美さん(51)は「いつもうちに来るときはおとなし
いので、今日は元気に声を出して歌う様子が見られて良かった」。引地美和さん(60)は「お客さんとして園に来るのは初めて。孫は、今日はちょっと緊張していたよう」と話していた。
永野所長は「園児たちは大好きなおじいちゃんおばあちゃんたちが来てくれてうれしかったと思う。触れ合い遊びを入れようか悩んだが、やってよかった」と話していた。
(2023年9月10日付紙面より)


高齢者の通院支援サービス開始 (太地町 )
太地町では1日から、65歳以上で定められた要件を満たす町民を対象とした通院サービス事業を試験的に開始した。町から事業を委託された町社会福祉協議会(岡本研会長)が運営し無料で、利用者宅から那智勝浦町立温泉病院や新宮市立医療センターへの通院送迎を行う。
昨年度、太地町が高齢者を対象に実施したニーズ調査で、買い物や通院についての悩みなどが多いことが判明。町では町社協に事業委託し、今年4月から買い物支援サービス「買い物ツアー」をスタート。新宮市内の大型スーパーまで送迎を行うサービスは毎回、人気で多くの高齢者が利用している。
もう一つの課題解決に向け、今回の通院支援サービスに至った。同サービスでは、町に住む高齢者が住み慣れた地域において、自立した生活が継続できることを目的に、公的医療機関への通院送迎を行うもの。
本年度は、試行という形で行い、運営する中で出た課題や意見などを吸い上げ、次年度の本格始動を目指すとしている。
対象者は▽町内に住所を有する65歳以上の高齢者▽移動手段に困る人(車の運転や公共交通の利用、家族の送迎支援が難しい)▽介護保険制度における通院等乗降介助の適用が受けられない人(適用が受けられる場合でも、突発的な通院に対して、介護保険事業所が対応できない場合は相談可)―の要件を満たさなくてはならない。
利用実施日は毎週月~金曜日で、土日祝日と12月29日~翌年1月3日は運休する。
利用中の介助や院内の付き添いはできない。介助が必要な場合は、介助者と同乗する。付き添い介助は必要だが、付き添いできる人がいない場合は要相談。サービスを希望する町民は、利用申請手続きが必要なため、町社協に申請する。要件を満たしていれば、利用決定となる。
初の利用者となった同町森浦在住の前田三智子さん(87)は「バスなどで町外の病院へ行くことができないので、ありがたい。今後も利用させていただけたら、うれしい」と話していた。
岡本会長は「1人暮らしの方や家族がおられない方などが、町外の病院へ通院するのは大変。そういった方々の支援につながれば幸い。来年度の本格始動に向けて、諸課題などを解決しながら進めていきたい」と語った。
申請や問い合わせなどは太地町社会福祉協議会(電話0735・59・3380)まで。
(2023年9月9日付紙面より)


例大祭に向け事故防止協議会 (熊野速玉大社 )
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)の例大祭「新宮の速玉祭(はやたまさい)」=10月15日(日)、16日(月)=に向けた事故防止協議会が7日夜、同大社双鶴殿であった。大社・祭り関係者、新宮警察署職員ら約40人が出席し、4年ぶりに従来規模で祭りを斎行していくことなどを確認した。
同大社の主神、熊野速玉大神(くまのはやたまのおおかみ)の御神霊が神馬(しんめ)で阿須賀神社へ渡御(とぎょ)し、熊野川河原の乙基(おとも)の御旅所(おたびしょ)へ渡る「神馬渡御式」と、熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ)の御神霊が神輿(みこし)でまちを練り、神幸船(しんこうせん)で御船島を回る「神輿渡御式」からなる祭り。
2月の御燈祭(おとうまつ)りと合わせ、「新宮の速玉祭・御燈祭り」として2016年3月に国の重要無形民俗文化財(重文)に指定されている。
なお、コロナ禍以降の3年間は渡御式の参列規模を縮小し、渡御のルート短縮、大神輿の代わりに神幸船神輿を使用するなどして斎行。昨年は3年ぶりに御船渡御に伴う早船競漕(きょうそう)が行われた。
今年は、神馬・神輿渡御ともにコロナ前のルートに戻す予定で、大神輿も復活する。また、御船祭(みふねまつり)も例年通りの形で斎行する。
この日の会議では、各渡御式のコースや行列順序、日程などを確認。新宮警察署は、安全な祭り斎行に向けて注意事項や禁止事項を挙げるとともに、情報共有体制の構築を求めた。
上野宮司は「郷土の誇りある祭り。アフターコロナといえる時期でもあるが、多くの方々のご支援、お力を頂いて今年も立派なお祭りを斎行することができれば」とあいさつし、基本的な感染予防対策への協力も呼びかけた。
杉本義和・崇敬会長は「大切な祭りなのでけがのないように頑張ってほしい」と伝えた。
同例大祭は15日、「本殿大前ノ儀」で幕を開ける。神馬渡御式は同日午後2時から。16日は午後1時30分から神輿渡御式、そして4時30分ごろから御船祭、そして9地区による勇壮な早船競漕が行われる。
(2023年9月9日付紙面より)


サントリーグループと締結 (串本町 )
串本町とサントリーグループが8日、「ボトル to ボトル」水平リサイクル事業に関する協定を締結した。町内から適切に排出されたペットボトルを同グループが再生利用する根拠となる協定で、実動は来年度から。県内自治体で協定を締結するのは同町が初という。
この水平リサイクルは、同グループが掲げる石油を使わないペットボトルに全てするなどプラスチック方針の重要な軸となる取り組み。石油由来原料から作るのに比べて二酸化炭素排出量を約60%削減でき、その筋道の明瞭化で住民のリサイクル意識もさらに高まり脱炭素社会と循環型社会の一層の推進に資すると考え、力を入れている。同町は現在、129カ所の回収拠点を設置し、リサイクル前提で年間約65㌧のペットボトルを適切収集。その先に来年度からこの取り組みがつながる形となる。
締結式は役場本庁舎であり、同グループからサントリーホールディングス株式会社の藤原正明常務執行役員が出席。田嶋勝正町長は「町民の皆さまにも協定の内容をお知らせし、一層の循環型社会の構築と回収に力を入れたい」、藤原常務執行役員は「われわれも環境に関して天然水や資源循環の活動をし、次世代教育にも力を入れたいと思っている。こういった活動が皆さんの循環型社会形成の一助になれば」とあいさつし歩み寄りを深めた。
両者によると実動後も回収体制が大きく変わることはなく、ラベルとキャップを取って中をすすいで回収に出す流れで協力いただければという。
(2023年9月9日付紙面より)

支援活動団体に支援金贈呈 (新宮LC )
新宮ライオンズクラブ(新宮LC、前田良二郎会長)は7日、新宮市徐福のステーションホテルで9月第1例会を開き、その席上において市内で子ども食堂などの支援を展開している「NPO法人熊野」(河邉晴行理事長)と、王子地区民生委員を中心に活動している「ありがとう畑こども食堂」に支援金を贈呈した。
子ども食堂は、子どもやその保護者、地域住民に対し、無料や安価で食事や食材、だんらん・交流の場を提供するための社会活動。貧困家庭とその子どもへの支援、孤食の解決、地域のコミュニティーの連携の有効な手段として、日本各地で活動が広がっている。
新宮LCでは、本年度最初のアクティビティー(奉仕活動)に、青少年育成事業の一環としてこのたびの支援を決定。支援金の贈呈に当たり、前田会長は「地域の未来を担う子どもたちを健康的に育ててほしいと願っている。今日は子ども食堂を運営し支援活動をされている2団体さまにお越しいただいた。これからもより一層、活動を頑張っていただきたいと思います」と思いを語った。
支援金を受け取った河邉理事長は「現代は昔と違い、核家族や共働き家族、ひとり親家庭の増加、地域の交流機会の減少などにより、子どもたちの居場所が不足している。そういった状況の中、われわれは地域のみんなで子どもを助け、おなかも心も満たされる居場所づくりを目指して子ども食堂を開設した。このたびのご寄付は、有効に使わせていただきたい」。
「ありがとう畑こども食堂」の関係者も「これからも地域の人に少しでも喜んでいただけるよう精進させていただきたい」と感謝を伝えた。
(2023年9月9日付紙面より)

名物寿司にも影落とす
代表的な秋の味覚であるサンマが、当地方の店頭でも並びだした。ただし価格は、かつてに比べて高値で、サイズも小ぶり。買い物客も「ちょっと手が出しづらい」とこぼしていた。
全国ニュースでは、すでに不漁が伝えられている。8月中旬には北海道で初水揚げがあったが、その時点で量は少なくサイズも小さく、今後も期待は難しいとされていた。
当地方では4日現在で、新宮市内の某スーパーで、岩手県産の新サンマが税込みで1尾322円となっていた。かつては100円以下で売られていたことを考えると、相当な値上がりとなっている。買い物に訪れていた50代女性は「以前は気軽に買っていたが、ずいぶん高くなった。もう、値段が戻ることはないのかしら」と話していた。
当地方の名物「さんま寿司」にも、価格高騰が影を落としている。新宮市で徐福寿司を営む里中陽互店主(65)は「今後はどうなるものか」と心配している。
同店ではおととし、価格の高騰に伴い、さんま寿司1本の価格を税込みで750円から900円に値上げ。以降は据え置きでしのいでいるが、厳しい状況が続いているという。「すでに10月からの入荷分は、高くなると言ってきた」と明かす。
本来、当地方のさんま寿司は、北海道沖や三陸沖から南下を続けて旬を過ぎ、脂が落ちたものを使用していた。しかし、近年の不漁で、近隣の漁獲量は激減。「(熊野市の)木本の漁師が、サンマ漁をやめたという話も聞いた」という。
北海道などでの不漁がニュースで伝えられていることに加え、当地方の店頭に並ぶサンマが小ぶりなことから、今年も回遊量自体が少なく、近隣での漁獲量は振るわないであろうと予測している。
「ただ、さんま寿司は新宮の味であり、ふるさとの味でもある。守っていけるように頑張りたい」と力を込めた。
(2023年9月8日付紙面より)


備蓄食料や災害全般 (緑丘中学校 )
新宮市立緑丘中学校(宮本雅史校長)で4日、外部講師を招いた学年ごとの防災授業があった。221人が、備蓄食料や災害全般について学習、有事に備えた。
紀伊半島大水害の発生時期に合わせて同校は毎年、全学年を集めた防災集会を体育館で開いていたが、熱中症の可能性もあることから、涼しい教室を使い学年ごとに特別授業の形で行うことになった。
新宮市立神倉小学校の栄養教諭の大西勇也さんと、新宮市防災対策課の上田紘大さんが講師を務めた。上田さんの講話は学年ごとでメインテーマを変えており、1年生は「災害マップ」、2年生は「非常持ち出し袋」、3年生は「避難所について」だった。
3年生71人の授業では、大西さんは「備蓄と食料について」を演題に講話。「多めに食料を備蓄し、一部を食べて食べた分を買い足すローリングストックを」「(災害時に)たんぱく質を取るには缶詰がお薦め」「日持ちする野菜や果物の常備を」などと語った。
上田さんは「大規模災害に備えて」を演題とした。プレートのひずみを原因とする地震発生のメカニズムや、昭和21年の南海地震で発生した新宮の火災などを説明。地震発生時の状況を動画で見せた上で「家具転倒防止は重要。地震の際は、とにかく自分の命を守るように」と力を込めた。
市のハザードマップを紹介したほか、避難情報の詳細も解説。和歌山県が作製した避難所運営ゲームから、トイレ問題やごみ問題などに関するクイズも出した。「避難所では人権に配慮し、各自が過ごしやすい場所に」と呼びかけた。
(2023年9月8日付紙面より)


中央公民館で認知症講座 (古座川町 )
古座川町中央公民館で6日、朝日新聞社が提供する認知症フレンドリー講座があり町民や関係職員30人が受講して認知症の世界を体験し当事者やその家族への支援の在り方を考えるなどした。
この講座は、町地域包括支援センターの依頼に基づいて実施。同センターは世界アルツハイマー月間(9月)を機に認知症を正しく理解し、かねて推進する「当事者やその家族をできるだけ地域で支えるための当事者の目線に立ったまちづくり」のいっそうの充実を図る思いで計画し、まずは町民に参加を呼びかけ空席に関係職員を充てて定員を満たす形とした。
講師は朝日新聞東京本社メディア事業本部のプロデューサー・坂田一裕さん。自社が取材活動を通して認知症をどのように捉えて報じているかを過去の記事を交えて解説し、独自開発した仮想現実(VR)コンテンツで認知症と診断された人が見ている世界とそこにある感情を体験する機会を提供した。
当事者が見ている世界が周囲に理解されない状況が認知症の人にはつらい、と坂田さんは自身の取材経験を振り返って伝え、認知症医療の第一人者であり自身の認知症を公表した故・長谷川和夫医師の同じ人という目線で接するという発想は多くの当事者も言葉にする願いだと判断していると実感を語った。
長谷川さんら当事者のメッセージ動画や感銘を受けた紹介動画を織り交ぜつつ認知症の社会認識の在り方を共に考え、認知症は診断された人にとって自身の一部でしかなく、病気で人の全てを見るのではなく一部の不安を補い支えて自立を手助けする支援が求められていると総括。役立つ知識としてバイスティックの7原則や共生社会の実現を推進するための認知症基本法を紹介し、今回の講演で託した当事者ら数々の思いに応える考え方の普及や支援の実践を願った。
(2023年9月8日付紙面より)

太地町公民館で4日、ブルーム交流事業報告会が開かれた。今夏、コロナ禍を経て4年ぶりに姉妹都市であるオーストラリア・ブルームを訪問し、ひとまわり成長して帰国した中高生11人と引率者らが、現地での体験を保護者や教職員に共有した。
開会に当たり宇佐川彰男教育長が「約120年前に太地の先人たちがブルームへ渡り、シロチョウガイの採取に従事し、町づくりに貢献した。1981年に姉妹都市提携を結び、2008年から教育交流事業がスタート。途中中断もあったが、今回の訪問が再開の第一歩」とあいさつ。
町歴史資料室学芸員の櫻井敬人さんが行程を報告。8月19日に日本を出発した訪問団は、21日にブルームに到着。日本人コミュニティーが設立を支援した歴史を持つセント・メアリーズ・カレッジの生徒たちと交流した他、日本人墓地へ墓参りし、セント・ジョン・オブ・ゴッド教会へも訪問。移民の歴史や現地の文化に触れ、悪天候などによる飛行機の遅延を経験しつつ30日に帰町した。
櫻井さんは「2017年の訪問で植樹したユーカリが大きく成長していた。木の成長に負けず、ずっとこの交流事業を続けていきたい」と語った。
生徒たちは一人一人現地で学んだことを発表。脊古陸駆さん(太地中3)は「ブルームの子たちと外でバスケットボールなどをして一緒に遊ぶのが楽しかった。向こうも頑張って日本語でしゃべってくれたりした」。田﨑良介さん(新宮高2)は「ブルームの人たちは素直で、何事にも全力で積極的に楽しもうとしているところがすてきだと思った」とそれぞれ刺激を受けた様子だった。
(2023年9月8日付紙面より)

27人が月例射会に参加
黒潮バスケットチャレンジリーグ
県大会出場を目指し (東牟婁ブロック大会 )
青少年交流、那智山へ
ともに世界遺産の巡礼道を持ち、和歌山県と姉妹道提携を結んでいる、スペイン・ガリシア州からの青少年交流訪問団が4日、当地方を訪れた。熊野那智大社や那智山青岸渡寺、那智の滝などを見学。熊野信仰の一端に触れた。
ガリシア州には、キリスト教の聖地へと続く「サンティアゴへの道」があり、県と1998年に姉妹道提携を結んでいる。相互理解の深化や青少年の人材育成を図るため、県と同州は2010年度から青少年交流事業を実施。19年度の来県を最後に止まっていたが、再開となった。
今回は、随行者1人を含む、18~30歳の21人が訪問した。一行は1日に来県し、2日に田辺市長を表敬したほか、田辺市内や白浜町内を視察。3日は田辺市本宮町の熊野古道や熊野本宮大社を見て回っていた。
熊野那智大社では各自が、ぎこちないながらも二礼二拍手一礼で参拝したり、おみくじを引いたり、お土産を購入したりしていた。訪問団の一人で大学生のエマ・フェルナンデス・サンチェスさん(23)は「日本は初めて。すごく美しくて、人が優しいと感じた。那智山は、自分の内面と対話するような、心静かになるような、スピリチュアルな場所だと思う。今の自分がここにいられるのは、多くの人が私の人生に関わってくださったから。その感謝の気持ちを持ってお参りしたい」と話していた。
(2023年9月7日付紙面より)


熊野学講演会で北川央さん (新宮市 )
新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」で3日、令和5年度熊野学講演会があった。九度山・真田ミュージアム名誉館長で元全国城郭管理者協議会長の北川央さんが「天守復興と城跡整備~大阪城の事例紹介と近年の各地の課題~」をテーマに講話。約50人が聴講した。
市教育委員会、熊野歴史研究会が主催。開催に当たり、速水盛康教育長は「私たちの目の前にある新宮城跡はその時代の歴史の中心を成してきた重要な遺跡でもある。今日の講演を通して、新宮城跡の保存管理や活用、さらには今後の大手門の追加指定などに向けて、皆さんと共に考える機会となれば」とあいさつした。
豊臣秀吉が「天下統一」の拠点として築城した大坂城。その「豊臣大坂城」が大坂夏の陣で落城すると、今度は徳川幕府が北国・西国の64大名を動員する「天下普請」の形で新たな大坂城を築城。「徳川大坂城」は江戸時代、徳川幕府の西国支配の拠点として機能した。
1931(昭和6)年、「大阪城天守閣」は日本で初めて本格的な天守復興が成された。北川さんは、2014年から22年にかけて大阪城天守閣館長を務めた経歴を持つ。
北川さんは、1496(明応5)年に本願寺8世蓮如が別院として「大坂御坊」を建立したという記録が地名「大坂」の史料的初見であると説明。そこから大坂本願寺へと至った経緯や、織田信長が城代を置き、池田恒興、豊臣、徳川と城主が移っていった大坂城の歴史を紹介した。
幕末の1868(慶応4、明治元)年、鳥羽・伏見の戦いで幕府軍が官軍に敗れると、15代将軍慶喜は城を脱出し大坂城は落城。以降、大阪城には陸軍所(のちの陸軍省)が置かれた。
1928(昭和3)年、大阪市会において昭和天皇の即位御大典記念事業として、秀吉時代の天守閣復興が全会一致で可決。建設費は全額市民の寄付で賄われることになったが、約半年で建設資金150万円全額が集まったという。
設計は大阪市土木部建築課が担当。嘱託職員の古川重春が中心となって調査を行ったが、研究成果が全面的に受け入れられなかったとして辞職。なお、著書「錦城復興記」には、実際に完成した天守閣と自身の考えの相違点や研究成果などがまとめられている。
大阪城は1995(平成7)年から97(平成9)年にかけての「平成の大改修」で耐震補強や外装・内装改修などの工事を施され、97年に国の登録有形文化財となった。
北川さんは、大阪城天守閣のエレベーター問題に言及し「ヨーロッパはバリアフリーの考え方が進んでいる。日本はまだそこまでいっていない」と指摘。
火災や自然災害、城跡整備と自然保護などさまざまな観点から城郭が抱える課題に触れ「何のために、何を目的にその建物を復興するのかを考えるべき。鉄筋コンクリートがいいのか、木造がいいのかで議論を進めるのはいかがか」と話していた。
(2023年9月7日付紙面より)


株式会社キナンと協定締結 (串本町 )
串本町が5日、株式会社キナン新宮営業所(角晃所長)と災害時の応急復旧活動の応援協力に関する協定を締結した。
この協定は、町内の災害現場の応急復旧活動で重機やそのパーツ、発電機などの機材が不足した場合に同営業所が最大限の応援協力をする内容。統括管内にある新宮市、熊野市、御浜町、紀宝町、那智勝浦町とすでに締結済みで、串本町は6自治体目になるという。
この日は角所長が役場本庁舎へ赴き、田嶋勝正町長と署名を交わして締結。田嶋町長は地震や津波のみならず風水害にも警戒するなど町の防災の現況を伝え「そういった中、こうして災害支援の協定を結ばせていただけたことを心強く感じている。これから一層、町民の安全安心に向けお力をお借りしながら頑張っていきたい」、角所長は「もし何かあったときにすぐ対応できることを基本にしてやっていきたい」と歩み寄りを深めた。
この協定について町総務課防災・防犯グループの大芝英智副課長は、「例えば重機オペレーターを機材不足で余すことなく災害時対応に当てられる状況をもたらす」と頼れる一端を談話。対して角所長は、同営業所で不足を補いきれない場合は他の営業所から回してもらって必要を満たす、と同社だからこその協力の強みを自負している。
角所長は2011年紀伊半島大水害や2016年熊本地震など直面した災害現場でこの協定が目指す状況を実践し相手業社に喜んでいただいた経験を生かし、同社の経営ビジョンに沿い全ての人々にキナンで良かったと思っていただける行動をしたいという思いを込めて先にこの協定を結んで統括管内における災害時の応援協力に臨みたいと意気込む。今後は古座川町や太地町とも締結を目指し、北山村を統括する尾鷲営業所とも調整して熊野市・南牟婁郡と新宮市・東牟婁郡をこの協定でフルカバーできればと思い描いて語った。
(2023年9月7日付紙面より)

10日「新宮城物語」上演 (熊野新宮ミュージアム )
新宮市井の沢の萩原きもの総合学院(萩原真理学院長)で2日、10日(日)に上演予定のミュージカル「新宮城物語~丹鶴姫語り~」に向けたキャストたちの衣装合わせがあった。
一般社団法人「熊野新宮ミュージアム」(池上順一代表理事)が、熊野速玉大社の例大祭や新宮城、水野家、丹鶴姫など、新宮の祭事や人物について知ってもらおうと企画したミュージカル。当初は2020年に披露予定だったが、コロナ禍を経て開催にこぎ着けた。
衣装は和装の専門家である萩原学院長が、時代や場面、役柄の年齢などを考慮して選定。紀州藩付家老として新宮城に入城する水野重仲役を演じる西庄英二さん、正室役の夏山莉加さん、徳川家康役の下岡豊さんは安土桃山時代~江戸時代初期、全体の語りを担当する丹鶴姫は平安時代後期~鎌倉時代の衣装を着用する。
場面展開に合わせた裾のさばき方や所作の指導もあり、キャストたちは「本番までに役を自分のものにしてみせる」と意気込んでいた。
同日には公演の成功を祈り、主要キャストで水野家墓所と新宮城跡の丹鶴姫之碑へお参りした。
正調新宮節や熊野曼荼羅(まんだら)太鼓、お祭り新宮節など、数々の楽曲が彩るミュージカルに向け、髙由香専務理事は「新宮のことを少しでも知ってもらえたら」と大勢の来場を呼びかけている。上演は10日午後1時から、同市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」で開演予定。開場は同0時30分。入場無料で、公演に関する問い合わせは同法人事務局(電話080・3110・2124)まで。
(2023年9月7日付紙面より)


大水害記念公園で慰霊祭 (那智勝浦町 )
2011年に発生した紀伊半島大水害から12年を迎えた4日、那智勝浦町は同町井関の紀伊半島大水害記念公園で慰霊祭を営んだ。コロナ禍の影響で3年間は代表献花のみだったが、4年ぶりに犠牲者の遺族や地域住民ら88人が参列し、29人の犠牲者・行方不明者をしのび献花を行った。
午後1時30分に町内全域にサイレンが響く中、参列者や関係者は黙とうをささげた。その後、堀順一郎町長や那智谷大水害遺族会の岩渕三千生(みちお)代表、玉石収一郎副代表、曽根和仁町議会議長らをはじめ、遺族らが29個のキャンドルがともされた慰霊碑に白いカーネーションを供えた。
堀町長は「多くの尊い命を奪った災害から12年が経過し、犠牲となられた方々のみ霊に哀悼の誠をささげます。各地の災害報道を目にするたび、当時の被害が思い起こされ、胸を締め付ける思い。人命を守ることは行政の責務であり、防災・減災対策や豪雨対策、南海トラフに係る地震・津波対策も進めてまいる。今後も、災害に強い安心・安全のまちづくりを進めることをお誓い申し上げます」と式辞。
曽根議長の追悼の辞に続き、岩渕代表は慰霊祭を実施した町に感謝を述べ「何年過ぎようとも、悲惨な那智谷の光景が浮かび、心の傷が癒えない。この水害以降も、全国各地で災害が発生している。われわれ住民は、災害から身を守るためにも、どうすれば良いかを考え、自分の命は自分で守るという行動を取っていただきたい。平成23年9月4日の出来事を、決して忘れることなく、教訓にして後生に伝え、二度と起こらぬことを、心より願います。諸霊のご冥福を祈っております」と思いを述べた。
水害で父の曳弘さんと母の民江さんを失った大阪在住の谷口知江さんは「ふとしたことで両親を思い出す。忘れることはない。コロナ禍で慰霊祭がなくても、毎年お参りに訪れている。次男が生まれたことなど、12年の間にあったことを報告しました」と語った。
(2023年9月6日付紙面より)


姉妹道提携の一環で訪問 (串本古座高校 )
スペイン・ガリシア州の青少年交流訪問団が4日に和歌山県立串本古座高校(榎本貴英校長)を訪問し、生徒15人と一緒に模擬授業を受けて交流を重ねるなどした。
同州は巡礼道「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」がある地域で、1999年南紀熊野体験博に向けて熊野古道の顕彰に力を入れる県と98年に姉妹道提携を結んだ間柄。巡礼道の世界文化遺産登録の先駆地域でもあり、県も2004年に物件「紀伊山地の霊場と参詣道」の世界文化遺産登録を成就して一段と近い間柄になり10年から将来を担う青少年を育て合う相互交流事業に取り組むようになった。
コロナ禍に伴う休止を経て本年度は4年ぶりに訪問団が来県。滞在期間は1日から6日までで、提携に基づき田辺市~白浜町や和歌山市と熊野古道を見学、事業趣旨に基づき県立の串本古座高校、星林高校と交流する日程で行動している。
串本古座高校は宇宙教育の模擬授業〈バルーンロケット製作〉を準備し、この国際交流の機会への参加を希望する生徒を募集した。訪問団の青少年は18~30歳の20人で、生徒は1人または2人について藤島徹教諭の説明のスペイン語翻訳で伝わり切らない部分を英会話で補いつつ製作を手伝った。授業一こま分の限りある交流だが目いっぱい打ち解け、生徒は後の連絡先を交換し合うなどつながりを深めて締めくくった。
訪問団のアナ・スアレス・ファブレガスさん(21)は「熊野古道にもスピリチュアルを感じ、道も神社も寺もきれいに整備されていてとても大切にされていると思いました。学校訪問は説明会だと思っていたので、生徒の皆さんと身近にコミュニケーションでき感激しました」とコメント。
生徒を代表してあいさつをしたESS部の岡地拓斗さん(2年)は「英語でコミュニケーションをする難しさを感じ、自分はまだまだ頑張らなければと思った」、牛込早稀さん(同)は「お互いに十分英語が使えなかったけど、知っている言葉だけでも何とかコミュニケーションはできました」とそれぞれ交流の印象を語った。
(2023年9月6日付紙面より)

宇宙兄さんズとこてつくんも登場 (那智勝浦町 )
那智勝浦町は3日、同町の体育文化会館でイベント「宇宙兄さんズとこてつくんと一緒に水ロケット打ち上げを体験しよう」を開催した。町内や近隣市町から小中学生計31人と家族が参加し、空高く水ロケットを飛ばした。
串本町田原に完成した日本初の民間ロケット発射場「スペースポート紀伊」について周知し、初号機打ち上げを応援する狙いがある。テレビアニメ「宇宙なんちゃらこてつくん」で宇宙飛行士を目指す主人公のこてつくんとプロデューサーの宮下哲平さん、番組を監修する「宇宙兄さんズ」こと公益財団法人日本宇宙少年団の小島俊介さん、小定弘和さんを招いた。
こてつくんのかぶり物をした参加者たちは、早速ロケット作りをスタート。とんがったノーズコーンの先端に粘土の重りを入れてペットボトルに貼り付け、ロケットの飛行方向を安定させるフィン(尾翼)などを取り付けた。サポートする宇宙兄さんズは「ゆがんでいるとロケットが真っすぐ飛ばないので、協力して仕上げて」と話し、ロケット作りに求められる技術の高さもアピールしていた。
完成後は全員で木戸浦グラウンドに移動。燃料となる水と空気を入れてカウントダウンで打ち上げ、子どもたちは大喜びで遠くまでロケットを回収に走っていた。
川畑なおさん(7)は「自分のロケットは左に曲がって飛んでいった。前に、空でロケットみたいな飛んでいるものを見たことがある」。的場陽瀬さん(10)は「将来お金持ちになったら、月に行きたい。無重力のところで水も飲んでみたいな」。串本町から参加した白石智輝君(6)は「楽しかった。僕も、いつか宇宙に行ってみたい」と話していた。
(2023年9月6日付紙面より)


乳幼児の命を守る会 (新宮市 )
新宮市の子育て支援の団体でつくる「乳幼児の命を守る会」(勢古啓子委員長)は3日、同市下本町の丹鶴体育館で「防災キャンプへ行こう!!」を開いた。親子連れら約30人が参加。さまざまな体験を通して、災害時に役立つ防災力を高めた。
同会は2011年の紀伊半島大水害を教訓として、乳幼児や子どものいる家庭の防災意識を高めようと13年に発足。防災月間の周知を含めて開催している防災キャンプや防災教室などを開催するなどして、楽しみながら防災について考えてもらう機会を提供している。
今年の防災キャンプは、新型コロナウイルス感染症の影響で3年ぶりに実施。市防災対策課の谷ゆかり主査が「乳幼児を守る防災 地震・風水害・避難に備えて」をテーマに、災害発生時の心構えや、家具固定、耐震化などの家の中の安全対策、情報収集の必要性、市の防災施策や事業などを紹介。
避難に関しては、ハザードマップを活用した平時における災害リスクや避難先の確認・家族間の共有、避難バッグ(非常持ち出し袋)の見直しなどを呼びかけ「慌てず冷静に行動を」「困ったときは遠慮せず周りに助けを求めて」などと訴えた。
防災に関する○×クイズを楽しんだ後、ナイロン袋を使って炊いたご飯でカレーライスを楽しんだ。参加者らは「おいしい」など感想を言いながら舌鼓を打っていた。また、給水体験では水の重要性や運搬方法なども学んだ。
勢古委員長は「久しぶりの開催で、給水体験もできたし防災のお話も聞くことができて良かった。普段からの心がけが命をつなぐきっかけになる。備蓄や非常用持ち出し袋など、改めて気にかけていただくきっかけになれば。今日はみんなで楽しくできて良かったです」と話していた。
(2023年9月6日付紙面より)


那智勝浦ゴルフ倶楽部
第19回串本町バドミントン大会
和道流空手道連盟全国大会
紀陽銀行杯少年少女卓球大会
JAみくまの旗が開幕 (学童軟式野球大会 )
キャンドルともし故人しのぶ (那智谷大水害遺族会 )
当地方に甚大な被害をもたらした紀伊半島大水害(2011年)から12年。各地で同水害の犠牲者を追悼するための慰霊祭や式典などが営まれた。本紙エリアでも、遺族や関係者らが故人をしのび、防災への誓いを新たにした。
4日未明、那智勝浦町井関の紀伊半島大水害記念公園では、遺族や関係者ら約20人が参列。ともされたLEDキャンドルが慰霊碑を照らす中、静かに手を合わせた。
那智川流域で土石流の発生が始まったとされる午前1時、那智谷大水害遺族会の岩渕三千生(みちお)代表や遺族、水害の犠牲となった中平景都(けいと)君(当時小2)の同級生らが黙とう。死者・行方不明者数と同じ29個のLEDキャンドルに明かりをともし、慰霊碑に祈りをささげて故人をしのんだ。
中平君の同級生で、大阪府の大学に在学中の貝岐好香さん(2年)は「同級生が7人しかいない学校だったので、みんな仲良く遊んでいた。景都君はムードメーカーだった。私たちは二十歳になる。元気にやってこられたのは景都君が見守ってくれているおかげ。同級生と毎年のように参列しています」。
大学では観光を学んでいるという貝岐さんは「将来はこの町の役に立ちたい。そのためには、町民や観光客を災害などから守ることが重要になる。今後は防災士の資格取得や防災の勉強にも取り組みたい」と話した。
岩渕代表は「何年たってもつらい気持ちしかなく、区切りはない。思いが込み上げてくる。今後もずっと追悼を続け、災害を後生に伝えていく。災害の際は自分の身は自分で守ることなど、防災意識を持ってもらえたらうれしい。犠牲者のことを忘れずに、参列してくださった皆さまには感謝している。本当にありがたい」と語った。
(2023年9月5日付紙面より)


グローカルの2年生15人 (串本古座高校 )
和歌山県立串本古座高校(榎本貴英校長)の長期インターンシップが1日、串本町内7事業所の協力を得て始まった。グローカルコースの2年生15人が自身の課題解消につながる事業所に受け入れを求め、11月24日(金)までの間に計10回の訪問体験をさせてもらうという。
このコースは、地域貢献の即戦力となる人材の育成を目指して教育を展開。生徒が巣立つ先をsociety5・0社会と見据え、その時代を生き抜く力として身近な課題の克服に資する視点と考察力、求められる新たな価値を創造する力を培うため、2年生の段階で独自科目「串本デュアル」に取り組んでいる。
本年度の生徒はこれまでの学習で大枠として地域を活性化するために何が必要かをそれぞれに考えて筋道を立てていて、その検証をしつつ探究力や創造力、併せて主体性や協調性を高めるため、検証に結び付く地域の事業所を探して受け入れを求め、長期インターンシップに取り組んでいる。
本年度は▽社会福祉法人串本福祉会▽町立くしもとこども園▽町B&G海洋センター▽町役場▽弁天前定置水産株式会社▽ACN南紀串本リゾート大島▽株式会社USPジャパン―の7事業所が協力。町役場へは福島洋人さん、道尻颯乃さん、松林月煌さんの3人が受け入れを希望し、初回は総務課や福祉課の業務の一端を手伝いつつ、職員がそれらをどのようにこなし進めるかを間近に見学するなどした。
松林さんはメディアやインターネットによる情報発信で地域を活性化する筋道を検証するために町役場を選んだそうで、「自分が立てた仮説が合っているかを、経験を通して確かめたい。その結果を今後の就職にも役立てていきたい」と初心をコメント。福島さんは産業振興、道尻さんは防災強化により滞留する人口を増やす形で地域活性化を図る筋道を意識し、それぞれに頑張るという。
今後も基本金曜日の5、6時間目を充てて、各事業所で検証を進める計画。本年度は初回と最終回を終日(1~6時間目を充当)とし、各事業所の社会人とじっくり接する試みも取り入れている。
(2023年9月5日付紙面より)

新宮駅で出発セレモニー (JR西日本 )
新宮市徐福のJR新宮駅で3日、JR西日本が運行する長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」の運行初便出発セレモニーがあった。同列車は同日午後1時2分、乗客を乗せて京都駅に向けて出発した。
観光を中心とした西日本エリアの活性化のためにJR西日本が運行する長距離列車。「多様性」「カジュアル」「くつろぎ」をキーワードに、鉄道の旅の実現を目指し、1両ごとに異なる座席タイプを配置している。
3年目となる紀南コースは、1日から運行を開始した。今回は出発時刻の変更や、今年3月に開業した大阪駅(うめきたエリア)への新規停車、車内での特産品の販売、「旅前ツアーデスク」「熊野曼荼羅(まんだら)絵解き解説」「南紀熊野ジオパーク解説」「銀河熊野マルシェ」「わかやまいこラボ」など、利便性やサービス、おもてなしをさらに充実。
また、これまで密を避けるために乗車可能人員を約半分としてきたが、今回は制限を設けず夜行85人、昼行93人の定員で運行する。
運転開始初日は京都駅を午後9時15分に出発。約60人の観光客を乗せ、翌2日の午前9時37分に新宮駅に到着した。出発セレモニーでは、白手袋を装着した田岡実千年市長、濱口太史・県議会議長、富澤五月・JR西日本和歌山支社長、道本隆文・新宮駅長らが見送りに臨んだ。駅には旗やカメラを手にした地元関係者や地元住民らが多数訪れ、手を振るなどして列車を見送った。
田岡市長は「3回目の運行を大変ありがたく思う。いろいろな地域の多くの方々に『銀河』で熊野・新宮にお越しいただいている。この地域の素晴らしい自然、歴史、文化を感じていただけることをうれしく思う。沿線の自治体が団結し、観光客の皆さんに満足していただけるようおもてなしを頑張っていきたい。秋・冬になれば熊野古道も歩きやすい季節になる。ぜひ多くの方にお越しいただけることを願っています」。
富澤支社長は「紀南エリアの各自治体、地域の皆さまに支えられ、共に和歌山県の魅力を発信していこうということで3回目の運行が整った。和歌山県の雄大な自然、歴史文化、そして車内でもさまざまな催しをさせていただく予定なので、紀南エリアの旅を楽しんでいただけると思う。また、四季の魅力も感じていただけると思うので、県内外、国内外から多くのお客さまにお越しいただければ」と述べ、同列車の利用を呼びかけていた。
同列車は来年3月3日(日)にかけて、36往復の運行を予定している。
(2023年9月5日付紙面より)


慰霊碑前で誓い新た (新宮市 )
新宮市は4日、同市熊野川町田長の道の駅「瀞峡街道 熊野川」の紀伊半島大水害慰霊碑前で犠牲者追悼献花を営んだ。田岡実千年市長、濱口太史・和歌山県議会議長、向井雅男副市長、速水盛康教育長、三栗章史議長をはじめとした市議会議員、市幹部職員ら約30人が参列。犠牲者の冥福を祈るとともに、災害に強いまちづくりを誓った。
2011年の紀伊半島大水害で、新宮市では13人の尊い命が失われ、1人が行方不明となった。参列者たちは、犠牲者の名前が刻まれた慰霊碑の前で黙とうをささげ、白い菊を献花。故人をしのび、静かに手を合わせた。
田岡市長は「災害でお亡くなりになられた方々の無念の思いと、ご遺族の皆さまの深い悲しみを思うと今も哀惜の念に堪えない」と追悼。
市では災害後、国、県、市民からの多大な支援と励ましを得て復旧・復興を進めるとともに、防災対策を見直し、災害に強いまちづくりに努めてきたと述べ「これからも紀伊半島大水害を片時も忘れることなく、市民の皆さまが安心・安全に暮らすことができるまちを築いていく」と決意を新たにした。
献花後、報道陣の取材に応じた田岡市長は「犠牲者の尊い命は帰ってこないが、12年前のつらい経験を教訓とし、安心安全なまちをつくっていく」と思いを語った。
(2023年9月5日付紙面より)


由緒や地域情報など紹介 (熊野速玉大社 )
新宮市の熊野速玉大社で8月31日、デジタルサイネージ(電子看板)「神社ナビタ」の竣工清祓(しゅんこうきよめはら)い式があった。神前で報告しておはらいし、無事な竣工を祝った。
同大社の「神社ナビタ」は、名古屋や東京に本社がある広告代理店の表示灯株式会社が、7月24日に奉納したもの。大きさは縦が約2・3㍍、横が約2・6㍍、奥行きが約0・6㍍。左側に縦が約1・1㍍、横が約0・6㍍のタッチパネル式のモニターがはまっている。
同社は、社会貢献事業として、全国の神社に「神社ナビタ」を奉納している。神社のある地元の企業から協賛を募り、「神社ナビタ」右側に地域の地図と企業の位置を記載。高額協賛の企業は左側モニターの下半分で、デジタル広告を出して紹介している。モニターの上半分はタッチパネルで、神道の説明や神社の由緒、参拝方法などを知ることができる。説明は日本語と英語を選べる。
これらの協賛で費用を捻出するため、神社側の費用負担は、設置はもちろん電気代などの維持費用も無料という。同大社では、主に新宮市の29の企業が協賛している。「神社ナビタ」の設置は同大社も含め全国で125カ所、和歌山県内では和歌山市の神社に続き同大社が2カ所目となる。
竣工清祓い式には、同社から2人が参列した。拝殿で神職が祈とうの後、神社ナビタ前でおはらいを行った。上野潤権宮司は「多くの氏子企業が協賛していただき、ありがたい。ここに来て『神社ナビタ』を見ることで、神社だけでなく地域を知ることができれば」などと語った。
(2023年9月3日付紙面より)

くじらの博物館で防災訓練 (太地町 )
太地町立くじらの博物館(稲森大樹館長)で1日、防災訓練があった。職員ら35人が参加。避難誘導や防火、落水者救助などの訓練に取り組み、防災意識の向上を図った。
「防災の日」(9月1日)に関連した取り組みで、地震や津波、火災などの災害に対する防災意識を高め、しかるべきときに取る行動の統一と情報の共有を図ることを目的に実施しており、今年で3回目。新宮防災(同市三輪崎)や町職員らが訓練に協力し助言した。
集合した職員らを前に稲森館長は「訓練は3年連続で実施しているが、有事の際に冷静に頭で考えていることが自然に体で対処できるように繰り返し訓練を積み重ねていきたい。今回は初めての訓練や危険を伴う訓練も予定しているのでいつも以上に緊張感を持って安全に留意し取り組んでください」と呼びかけた。
津波を想定した訓練では、職員らは来館者役と避難誘導役に分かれ、同施設裏手にある浅間山(せんげんやま)(標高約37㍍)へ。津波到達時間内の避難を目標に定めつつ避難行動に取り組んだ。3連動地震による同町の想定は津波到達時間7分、最大津波高6㍍、平均浸水2・3㍍となっている。
避難場所に到達した職員に対し、同町総務課防災係の野瀬智章副主査が「来館者に足の不自由な方などがおられた場合には避難に時間を要する可能性がある。有事の際はパニックになることもあると思うので、今回の訓練を思い出して対応いただければ」と講評し、普段から町内の避難路を確認しておくことや、非常用持ち出し袋を準備しておくことなどを推奨した。
避難訓練後には2班に分かれ、防火訓練と落水者救助訓練に取り組んだ。園内自然プールでは、救命浮輪の使い方や落水者に意識がある場合、ない場合の状況に対応するための訓練が展開され、職員らは救助や搬送方法について知識を深める機会としていた。
訓練の様子を見守っていた稲森館長は「年々動きがスムーズになっており、訓練の効果が現れていると思う。今後もワンパターンにならずに、日常から課題を見つけて非常時に対応できるよう訓練を重ねていきたい」と話していた。
(2023年9月3日付紙面より)


防災力向上目指し、ゼンリンと協定 (紀宝町 )
紀宝町は「防災の日」の1日、地図大手の株式会社ゼンリンと、災害時に使用する住宅地図や広域地図の提供などを受ける協定を締結した。災害時に住宅地図を使用することで、被害状況の調査や把握、整理、危険度の判定、罹災(りさい)証明の発行など、情報共有に役立てるという。
地図の提供のほか、平時には災害に関する情報交換を通じた防災力の向上が狙い。協定には地図のほか、インターネット配信サービスなども盛り込んだ。
締結式は町防災拠点施設で行い、紀宝町の西田健町長、萬浪紳語副町長、ゼンリンの飯田章・中部支社長らが出席した。
西田町長は調印を契機に今後ますます絆が深まることに期待し「災害発生後は、早く生活を取り戻す施策も大切。協定により町民に対する丁寧な対応ができると確信している。さらなる防災、減災に努めたい」とあいさつ。飯田支社長は「社会貢献の一環として、被災した自治体に住宅地図などを無償で提供してきた。紀宝町との協定締結をきっかけに、平時から連携し、情報に関することで防災、減災に貢献したい」と述べ、両者が協定書に調印した。
南海トラフ地震が発生した際、町では最大震度7の揺れ、最大11㍍の大津波が襲来すると想定されており、今回の協定により、被害状況の整理など職員の手助けになるという。
町ではこれまで、医療救護や生活物資の供給、緊急物資輸送、応急復旧工事など42件の災害協定を結んでいる。
(2023年9月3日付紙面より)


鯨類追い込み漁が解禁 (太地町 )
太地町で1日、イルカや小型クジラの追い込み漁が解禁され、太地いさな組合(小畑充規組合長、17人)の漁船11隻が午前5時ごろに太地漁港を出港した。午前8時ごろに、沖合約10㌔でハナゴンドウの群れを発見したが、初日の漁獲には至らなかった。
漁船の船団が沖合から、同町の畠尻湾まで、小型鯨類を追い込んで捕獲する伝統ある漁。反捕鯨活動家による抗議や違法行為に対処すべく、和歌山県警や海上保安庁が連携して例年、訓練や警備に当たっている。
県警や海保では、コロナ禍の間、国外の活動家の報告はなく、近年では、ドローンを用いて漁の様子を撮影する事案や交流サイト(SNS)による情報発信が多く確認されているとした。
1日早朝、同町の東の浜駐車場では「イルカ追い込み猟を廃止せよ」と記されたプラカードなどを掲げた国内外の活動家ら約20人が、動物の保護や権利を訴えた。また、それに反対する人たちが「帰れ」と詰め寄る場面もあった。
太地町漁業協同組合によると、出港から数時間後、漁船がハナゴンドウ約10頭を発見。追い込みを試みたが、群れの反応が悪く、漁を中止したという。
出港の様子を見守っていた近所に住む80代男性は「僕も昔はクジラの漁に出ていた。かわいそうという気持ちも分かるが、漁で生活する人もおり、古くから続く食文化であることを理解してほしい」と話していた。
町漁協の〆谷(しめたに)和豊参事は「解禁を迎え、気が引き締まる。半年ぶりだが、群れを発見できたので、期待が持てる。台風の影響も不安はあるが、焦らずやっていきたい」と語った。
なお、漁の対象となる鯨類は9種で、種類ごとに頭数が定められている。漁期はクジラ類が来年4月末、イルカ類が来年2月末までとなっている。
(2023年9月2日付紙面より)


公立小中学校で始業式 (新宮・東牟婁 )
新宮市・東牟婁郡内の公立小中学校および県立新翔高校で1日、一斉に始業式があった。夏休み中にこんがりと日焼けした児童・生徒が登校し、校舎に活気が戻った。
□ □
新宮市立王子ヶ浜小学校(谷口幸生校長)では熱中症対策のため校内放送で実施。谷口校長は夏休み中の生活を問いかけ「2学期は運動会やさまざまな行事で外に出て活動することが多い。熱中症や新型コロナ、インフルエンザなどの感染症対策を行い、体力づくりをして。命を守る行動を意識し、心も体も成長することを期待している」と話した。
児童会代表の山口悠仁君(6年)は「夏休みでは夏フェスやキャンドルナイトなど、いろんな催しがあった。2学期には運動会に向けて踊りや徒競走の練習が始まる。大変とは思うが、みんなで楽しい思い出をつくれるよう頑張りましょう」と呼びかけていた。
□ □
那智勝浦町立宇久井小学校(芝﨑勝善校長)では、交通指導員や地域のボランティアらに見守られ、児童174人が元気に登校。通学路に「おはようございます」とあいさつの声が響いた。
始業式は体育館で行い、芝﨑校長は「皆さんの表情から、友達との遊びやお手伝い、勉強と楽しい夏休みを過ごせたことが伝わってきた。大きな事故もなく今日を迎えられて良かった」。児童代表の岡翔栄君(6年)は「今日からまた気持ちを切り替えて、勉強やスポーツを頑張っていきましょう」と呼びかけた。
式後には宿題提出や新しいドリルの配布があり、夏休み作品展に向けて工作作品や自由研究を展示する姿もあった。
(2023年9月2日付紙面より)


外国語ようこそことば研修 (南紀串本観光協会 )
南紀串本観光協会主催の観光客受け入れノウハウ研修会「外国語ようこそことば研修」実地研修が8月31日と9月1日の2日間にわたってあり、町内の観光関係者が翻訳機や翻訳アプリを使って外国人と実際にコミュニケーションし、効果的な用い方を考えるなどした。
この研修会は、観光庁「インバウンドの地方誘客や消費拡大に向けた観光コンテンツ造成支援事業」の一環。同協会は南紀串本循環型体験プログラム造成実証事業を提案して同支援事業の適用を受け、実働として「外国語ようこそことば研修」と「地域づくり研修」の2種類を行うとしている。
「外国語ようこそことば研修」はワンストップ・イノベーションHRの愛甲香織さんが講師を担当し、先んじて8月22日と29日にオンラインでインバウンド(訪日外国人観光客)対象のおもてなしや翻訳機などを使った外国語対応の発想を紹介。その成果を持って、今回の実地研修に臨んだ。
翻訳機などでコミュニケーションをするモニターとして中国人のジャン・ベイチさん(34)が協力した。翻訳する言語は日本語⇔中国語。初日は橋杭岩一帯でのウオークや海の生き物を使ったアクセサリー作り体験、2日目はまちなか観光や串本海中公園センター水族館バックヤードツアーをそれぞれ実施し、翻訳機などをどう組み込めば外国人を迎え入れ、より多くの満足を託せるかを検証した。
ウオークでは参加者を代表して上野一夫さんが翻訳機を使ってベイチさんを案内し、他の参加者はその様子を見て効果的な取り入れを検討した。実地では通信エリア外で翻訳機などが使えない状況があり英語やジェスチャーで対応したほか、地名や固有名詞などで人工知能(AI)の通訳が滞る場面もあったが愛甲さんは翻訳機などとつながるAIの学習が深まればやがて対応できるようになるとし、その段階に達するまでは別の言い回しで伝える工夫も効果的とした。
円滑に取り入れるための翻訳機などの操作の熟練も今後の努力課題に。ベイチさんは「使い方によって戸惑うところもあるけれど、翻訳機はないよりはあった方がずっといいし、もっとコミュニケーションをしたいという気持ちにもなった。通信が悪い所でも英語や身ぶり手ぶりで何とか伝わったし、皆さんと楽しく過ごすことができた」と翻訳機などを交えた案内の印象を語り、困るのは話せない・使いこなせないで尻込みする状況で、外国人の側もコミュニケーションをする努力をするのでそこはお互いに積極的になってほしいと参加者の今後に期待した。
(2023年9月2日付紙面より)


関係者参列で復興慰霊祭 (熊野速玉大社 )
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で1日、紀伊半島大水害復興慰霊祭が営まれた。同大社崇敬会(杉本義和会長)や敬神婦人会(久保あや子会長)など11人が参列。教訓を胸に祈りをささげた。
今年は2011年の紀伊半島大水害から12年目を数える。同大社では発生の翌年から、毎年この時期に復興慰霊祭を実施。以前は3日や4日だったが、より続けやすいように、昨年から月首祭と合わせて1日としている。
復興慰霊祭では、神職のおはらいの後、上野宮司が祝詞を奏上したほか、巫女(みこ)が神なぎの舞を奉納。まず上野宮司、続いて参列者が神前に玉串をささげ、静かに祈った。
上野宮司は、大水害をもたらした台風について「決して大きくなく、風もそんなにはなかったが、速度が遅くゆっくりで、異常な台風だった」と回想。
猛暑にも言及し「環境変化で動植物にも悪影響を及ぼすほか、人間がどう変わるかも心配。世のため人のために尽くすのが人間の本筋だが、この暑さで、つい自分を大事にする風潮が出てくるのでは」と心配した。
紀伊半島大水害の犠牲者や、その家族の心情を思い悼んだ。ロシアのウクライナ侵攻にも触れ「人同士が争うなどはおかしい状態。早くやめねば」と訴えた。「災害での教訓を大事に、今を大事に生きていければ」とまとめた。
また復興慰霊祭の後、神なぎの舞が世界平和を祈る舞であることも説明。「今日は世界平和も祈らせていただいた」と明かした。
(2023年9月2日付紙面より)

スポトレと南珠寺が共催 (新宮市 )
NPO法人スポーツトレーニングクラブ(加藤誠人代表、以後スポトレ)と新宮市佐野の南珠寺(伊藤秀幸住職)は8月29日、同寺で修行体験を実施した。スポトレに通う小学1~6年の児童20人は、座禅や雑巾がけ、鐘つきなどに取り組み、日本の伝統文化を学ぶとともに、集中力などに磨きをかけた。
スポトレは、子どもたちがスポーツに触れて楽しむ機会をつくることなどを目的とし、昨年10月に設立。市内外から120人が会員登録しており、活動日には約80人の小中学生が集うという。
第2、4水曜日の午後7時30分から8時30分までの間、近畿大学附属新宮中学校・高校や和歌山県立新翔高校の体育館で、鉄棒やマット運動、跳び箱、ボール運動などに取り組んでいる。
普段の運動以外にも、会員を対象としたカヌーやサップ、ボルダリングなどの体験も実施。今回は、伊藤住職の協力の下▽寺や寺の歴史・伝統を学ぶ▽座禅によって集中力や忍耐力を身に付ける▽雑巾がけで体幹を鍛え、公共の精神を深く知る▽鐘をついて心を静める―などを体験した。
座禅は、15分と5分の2回行い、児童らは真剣な表情で取り組んだ。廊下や畳を雑巾できれいに水拭きした後に、元気いっぱい鐘をついた。
参加した王子ヶ浜小学校2年の中村壱君は「座禅はやったことがあった。集中するのは難しかったけど、楽しかった」と笑顔。
伊藤住職は「静かに物事を考えられる時間は良い。集中力や忍耐力が身に付くきっかけや、心が落ち着いてくれたら幸いです」と話した。
加藤代表は「子どもたちにはお寺を知ってもらい、日本の伝統や歴史、文化に触れてほしかった。勉強やスポーツにおいても、集中力や忍耐力は大切。今日の体験を、今後のスポーツや普段の生活にも生かしていただけたら」と語った。
児童にはお土産が配られたほか、最後のスイカ割りは大いに盛り上がった。
(2023年9月1日付紙面より)


インバウンドセミナーに20人 (新宮市 )
新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」で8月30日、「効率的な台湾向けインバウンドセミナー」があった。市内の事業者ら約20人が参加。㈱ジーリーメディアグループ営業部長の萬歳昂大さんが講師を務め、台湾人観光客受け入れに向けた知識や心構えなどを語った。
外国人観光客の受け入れ態勢強化を目的とした新宮市が主催するセミナーで令和5年度観光振興誘客促進事業の一環として実施。
開催に当たり、福本良英・企画政策部長が「市においては本年度、インバウンドの地方誘客や消費拡大に向けた観光コンテンツ造成支援事業に採択いただき、その事業として台湾のプロモーションにも力を入れている。来年の世界遺産登録20周年、その翌年の大阪関西万博と、インバウンド観光客がますます増えることが見込まれる中、台湾からの観光客に関するデータや特徴などさまざまな知識を深めていただければ」と呼びかけた。
萬歳さんはジーリーメディアグループ「樂吃購(ラーチーゴー)! 日本」の営業責任者であり、観光庁「広域周遊観光促進のための専門家派遣事業」登録専門家(2019年~)。全国の自治体の台湾・香港プロモーションを手がけている。
今年7月の訪日外国人数を示した萬歳さんは「感覚としてはコロナ前に戻っている」。国別比率から訪日旅行における得意先は中国・韓国・台湾・香港であるとし、東アジアが全体の過半を占めていると説明した。
台湾を特に訪日旅行成熟エリアであるとし、リピーター比率が高いことから地方への興味も高いと指摘。地方に行くほど台湾人比率が高く、和歌山県も人気エリアであると述べた。
台湾人の情報収集ツールとしては交流サイト(SNS)では「フェイスブック」、ウェブでは「グーグル」が一般的であり、ウェブメディアが主流であると紹介。人気のコンテンツとして自然とグルメを挙げた。
台湾独自の文化「素食」(ベジタリアン系料理の一つ)に触れ「素食のワードがあれば台湾人は親近感を覚える」。レンタカー利用意向が高いことや、旅行に向け時間をかけて準備する人が多いことから「祭りやイベントなど、逆算してPRを」と提言した。
台湾人が魅力を感じるキーワードとして「特別」「限定」「(写真)映え」「日本人が好き」などを挙げ「いかに差別化を図るかが誘客につながる。県やブロックを意識して」。
「デジタル上で存在していないのは『ない』も同然」と述べ、今すぐ無料でできることとして▽情報の現状把握▽口コミを集める▽関係各所(店舗・商店街・観光協会・市町村・都道府県・観光庁)を使い倒す―を挙げた。
(2023年9月1日付紙面より)


川崎市訪問ふれあい交流事業 (古座川町 )
古座川町が8月23日から25日までの3日間、第11回川崎市訪問ふれあい交流事業を実施し町内の小学6年生8人が都市部の生活を体験し交流を重ねるなどした。
この事業は神奈川県川崎市のサマーキャンプで来町した小中学生一行と町内の小学5、6年生を対象にした地域間交流体験活動から派生した相互交流の取り組み。本年度は4年ぶりに7月の26、27日に同活動があり、次は同町の小学6年生が同市を訪ねる形でこの事業が実施された。
事前準備を経て8月23日に西前啓市町長ら町職員や家族らに見送られながら中道悟教育長ら引率者と一緒に出発し、初日に川崎市役所や川崎大師、移動中の車窓から市営埠頭や東扇島を眺めつつ川崎港と住民をつなぐコミュニティー施設「川崎マリエン」や商業施設「ラゾーナ川崎プラザ」、2日目に川崎市平和館や遊園地「よみうりランド」や川崎市岡本太郎美術館を訪問。2日目の夕方に宿泊拠点の川崎市青少年の家で本年度のサマーキャンプに参加した小中学生と再会しキャンドル交流会をし、3日目午前に川崎市立西御幸小学校を訪問して同世代交流をして帰途に就いたという。
8人を引率した同町教育委員会教育課の漁野貴洋さんによると、川崎市役所では小田嶋満教育長らから歓迎を受け、キャンドル交流会ではサマーキャンプの小中学生19人と再会。西御幸小学校では器楽演奏や学校紹介を交えた歓迎を受け、8人は地域紹介をし同校6年生と一緒にドッジボールをするなどして交流を深めた。
川崎市は現在、和歌山県を上回る人口150万人超えの巨大都市。そのような地域を経験した8人は今後それぞれに感想文を書き、同課が実施中に撮影した写真を厳選して作ったアルバムなどを織り交ぜて冊子化し、思い出の品として8人に配るなどするという。
(2023年9月1日付紙面より)


大規模地震想定し、総合防災訓練 (紀宝警察署 )
紀宝警察署(森阪剛士署長)は8月31日、全署員体制による「総合防災訓練」を実施。南海トラフ地震の発生を想定し、署員約40人が非常参集、装備資機材取り扱い、無線交信の各種訓練に取り組んだ。
巨大地震後の津波警報発令時、速やかに住民への避難誘導をするとともに、さまざまな事態に的確な対処ができるよう、実践的な訓練を通じて署員の災害対処能力の向上を図ることが狙い。毎年、9月1日の「防災の日」に合わせて取り組んでおり、昨年は海抜23㍍の旧鵜殿図書館に災害警備本部を設置し、管内各交番、駐在所との情報伝達訓練を繰り広げた。
今年は署に集合後、森阪署長が訓示。大規模災害発生に備えて▽署員一人一人の防災意識の向上▽大規模災害発生時の的確な対応▽関係機関との連携強化―を挙げ「真剣に訓練に臨み、有事への備えの徹底を」と呼びかけた。
服装点検に続き、装備資機材取り扱い訓練に着手。災害時の倒壊家屋を想定し、チェーンソーやエンジンカッターの使用方法を確認した。
南海トラフ巨大地震が発生した際、当地域では最大約11㍍の大津波が約5分で到達すると予想されており、津波で署の機能が失われることを想定し、高台にある警察施設で無線交信訓練を展開した。
(2023年9月1日付紙面より)


東牟婁中学校総体バレーボール
サッカー部創部100周年記念試合 (新宮高校 )