下里神社で迎春準備 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の下里神社(山本貞夫宮司)で29日、初詣や歳旦祭に向けた迎春準備があった。神社役員や総代ら8人が鳥居のしめ縄の作成や張り替え、のぼりの設置などに取り組んだ。
これまでに傷んだ奉納旗20本を交換し、昨日から68本を設置。数日前から植地登喜雄総代長が剪定(せんてい)や清掃に汗を流した。
この日、総代らはのぼりを4カ所に設置。サラシで長さ2㍍、直径6㌢のしめ縄や護国神社や本殿用のしめ縄などを協力して作成した。鳥居や境内の樹齢400年と推定されるクスノキなど、11カ所に真新しいしめ縄を張り替えた。
同神社によると、おととし、昨年同様に感染症対策で、ぜんざいやお神酒の振る舞いも取りやめるという。参拝の際は、手指消毒やマスク着用を呼びかけている。
山本宮司は「総代の皆さま全員が参加して作業に取り組んでくれていることは本当にありがたい」と感謝。
新年に向けては「戦争はつらい。早く平和になってほしい。コロナ禍の早期終息を願っているが、難しい。いかに共存していくかが重要。1日の歳旦祭には招待客もお呼びする。対策をしながら、平常時に近づけていきたい。三が日は多くの方々にご参拝いただければ幸いです」と語った。
なお、初詣は1月1日(日・祝)午前0時に山本宮司の太鼓とともに開門。歳旦祭は同日午前9時から同神社本殿で執り行う。
(2022年12月30日付紙面より)
消防本部と消防団が年末警戒 (新宮市 )
市民らが安心して新年を迎えることができるようにと、新宮市消防本部(垣内一男消防長)と同市消防団(中谷健兒団長)は28日から消防年末警戒に当たっている。
火を使用する機会の多い年末の火災予防啓発と警戒を行うことにより地域住民の防火意識の高揚を図ることを目的に、この時期に毎年実施している。市消防本部は市全域、消防団は各分団の担当地区の巡視や防火広報に取り組む。
同日夜にあった市消防本部における出陣式には、熊野川町除く市内七つの消防団から47人が出席した。
整列した団員らを前に、田岡実千年市長は日頃の活動に対し感謝を述べ「火災が発生しやすい時季の警戒啓発活動は大変意義深いこと」。
榎本鉄也市議会議長は「新型コロナウイルス感染症もまん延しているが健康にご留意いただき任務に当たって」。濱口太史県議は「市民の安心安全のためにご尽力を」と激励。
田原正士・新宮警察署長は「火災はもちろんのこと、地域住民の安心安全につながる。住民や帰省する皆さんが安心して新年を迎えられる活動は意義のあること」と協力に感謝を伝えた。
式後、団員らは消防車両に乗り込み、市長らに見送られる中担当地域へ出発。30日までの3日間、午後8時から11時まで市内を巡視し、地域住民の防火意識の高揚を図る。なお、市内では今年に入って12件の火災が発生している(28日現在)。
那智勝浦町消防団では29、30日の2日間にわたり年末特別警戒を実施する。
(2022年12月30日付紙面より)
6日間の休業に入る
官公庁は28日、仕事納めだった。仕事納め式では各首長らが職員たちの一年の労をねぎらい、新年からのさらなる飛躍に期待の言葉をかけた。ほとんどの官公庁は1月3日(火)まで6日間の休業となっている。
太地町では町公民館で仕事納め式が行われ、宇佐川彰男教育長や各課長、職員ら約40人が出席した。
漁野洋伸副町長は「お疲れさまでした。今年一年間は新型コロナウイルス対策などに職員一丸となって頑張っていただき、ありがとうございました。年末年始は感染症対策と、町職員として節度のある行動を心がけてほしい。来年はソフト事業を中心に政策を推進していくので、来年に備えてください」。
三軒一高町長は「一年間ご苦労さまでした。疲れを取ってゆっくりと休んでください」と感謝の言葉を述べた。
働き方改革や年休取得推進の観点などから、すでに仕事納め式を実施していない那智勝浦町に加え、新宮市も本年度より廃止となった。
(2022年12月30日付紙面より)
水族館で正月展示始まる (串本海中公園センター )
串本町有田にある串本海中公園センター水族館(森美枝館長)のAゾーントピックス水槽で28日、正月展示が始まった。来年1月15日(日)までの実施で、来年のえとにちなみウミウサギガイなどを紹介している。
串本の海の旬の話題を伝える趣旨で期間限定展示をしている同水槽だが年に2期、クリスマス前と正月前後は旬の話題から離れ同館飼育スタッフの創意工夫で風物詩にちなんだ展示をしている。
今回の正月展示のテーマは「海兎」。展示の主役として抜てきしたウミウサギガイは紀伊半島以南の暖かい海で見られるタカラガイの仲間で、純白で光沢のある貝殻が白ウサギを連想させることからその名が付いている。
海中でその貝殻はとても目立つ色彩で普段は黒地に白い斑点模様が伴う外套膜で貝殻を覆って周囲と同化し、餌のサンゴがある比較的浅い海域に生息している。串本の海でも多々観察でき星空を連想させる外套(がいとう)膜で覆われた姿も美しいとダイビング客の間で人気がある生き物の一種だが、詳細な生態が分からず海以外での飼育は難しいそう。担当する中村公一さんは「頑張って飼育するので、この機会にウミウサギガイの姿を海へ潜ることなく見届けてもらえれば」と期間中の鑑賞を呼びかけている。
水槽内には中村さんが手作りしたオブジェ「海中神社」を今年も飾り付け。佐久間夢実さんと共に紅白模様が印象的なハナミノカサゴやアカシマシラヒゲエビなど7種類22匹をそろえて展示を始めた。内容は生き物の状態により変わることがあるのであらかじめ了承してほしいという。
同センターは正月三が日も通常通り営業するという。問い合わせは同センター(電話0735・62・1122)まで。
(2022年12月30日付紙面より)
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)、神倉奉賛会、神倉青年団、市観光協会は28日、御燈祭(おとうまつ)り検討委員会を開き、来年の「御燈祭り」(2月6日)の上(あ)がり子の参加中止を決定した。中止は3年連続。今年同様、神職と介釈(かいしゃく)ら関係者のみで神事を斎行する。
熊野速玉大社例大祭「新宮の速玉祭(はやたまさい)」と合わせて国の重要無形民俗文化財(重文)の指定を受ける「御燈祭り」は、新年における「火の更新」を意味する勇壮な祭り。毎年、全国から大勢が祭りに参加し、御神火を移した松明(たいまつ)を手に一斉に神倉神社を駆け下りる。
検討委員会の開催は今年2回目。今月1日の会議では、斎行に向けて前向きな検討が行われていたものの、新型コロナウイルスの1日当たりの感染者数が全国で20万人を超え、死者数も最多となるなど、ここ数日間の感染状況を受けて上がり子参加中止の判断に至った。
上野宮司は「当初はこのまま感染者が減っていけば、との思いだったが感染状況が悪化。全国的に感染が拡大しており苦渋の決断に至った。けが人などが出た際の医療態勢も構築できず、上がり子や関係者の健康面も憂慮される。上がり子中止の決断は断腸の思いだが、皆さんの思いを背負ってコロナの収束や世界平和への祈りを強くして神事を斎行したい」と思いを語った。
なお、神倉神社の石段検分および事故防止協議会は例年通り来年1月中旬ごろに実施する予定。
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御燈祭り当日の日程は次の通り。
▽午前10時 かがり御供(ごく)奉製
▽午後5時10分 介釈、神倉神社で修祓(しゅうばつ)の後、熊野速玉大社に向かう
▽午後5時50分 神職、介釈一行同大社を出発して神倉神社に向かう
▽午後6時20分 神倉神社到着
▽午後7時10分 御神火をおこし、神事開始
▽午後7時30分ごろ 大松明を先頭に下山開始
▽午後7時40分ごろ 中ノ地蔵に到着、拝礼
▽午後7時50分 神倉神社社務所に到着。拝礼後、阿須賀神社へ出発
▽午後8時20分 阿須賀神社に御神火を奉安し奉幣を奉る
▽午後8時50分 熊野速玉大社に御神火を奉安し奉幣を奉る
(2022年12月29日付紙面より)
串本町消防団(稲田賢団長)の年末特別警戒が27日から始まった。この日は消防防災センターで同警戒出発式があり、11ある分団の代表者が田嶋勝正町長や稲田団長から激励を受けて初動した。
管内の住民に火災無く新年を迎えてほしいという願いを込めて取り組んでいる年末恒例の団活動。各分団車両1台と人員2人が出席し、団本部と共に激励の一行を迎えて同式に臨んだ。
田嶋町長は「常に火への注意を払っても、ちょっとした気の緩みで火事を起こしてしまうのが現実。町民の皆さま方が気持ちよく素晴らしい新年を迎えられるよう、十分火災に注意するよう喚起をしてほしい」と述べ、激励金を託して奮起を期待。稲田団長は「町民の皆さんが安心して明るい良い年を迎えられるよう、感染症や交通事故にも十分注意しつつ気を引き締めて警戒に当たってほしい」と訓示して団員の士気を高め、各分団管内へと送り出した。
同団の警戒期間は30日(金)までの4日間。同団事務局によると、期間中は午後7時、10時、翌日午前2時の3回、管内巡回をして火災予防意識の喚起や出火のいち早い察知で火災の抑止を図る。今年の町内の火災件数は26日現在で9件(建物2、林野1、車両1、その他5)。3月末までに7件が発生するという過去にない発生頻度が不安視されたが、相応に予防啓発を重ね6月以降は火災が発生していないという。同町消防本部の寺島正彦消防長はこの状況が年の瀬まで、そして新年以降も続くことを願って同式を見届けた。
(2022年12月29日付紙面より)
新園舎でテープカットも (鵜殿保育所 )
来年1月4日(水)から高台へ移転する紀宝町立鵜殿保育所。現在の園舎で過ごす最後の日となった27日には、園児たちが感謝の気持ちを込めて大掃除に取り組んだ。清掃後は歩いて新園舎に向かい、4歳児がテープカットした。
現園舎は1980(昭和55)年4月1日に完成。平屋建てで延べ床面積は約824平方㍍。42年間にわたり、各クラスやホールに子どもたちの元気な声が響き渡った。
現在は1~4歳の81人が通い、今年は園舎で七夕や夏祭り、クリスマス会などで楽しい保育所生活を過ごした。
この日は、大掃除後、道具箱などを持って新園舎に出向いた。全てが真新しい施設に入り、中央に位置する遊戯室でミニ竣工(しゅんこう)式を開催。4歳児8人がテープカットして「小さな世界」を歌った。
保育室のロッカーに道具箱を入れて引っ越しを終え、下地水香所長は「みんなのためにすてきな保育所を造ってくれました。1月からは、この新しい保育所に来てくださいね」と呼びかけた。
遊具で遊んだり、部屋を見て回った園児たちは「早くここで遊びたい」と心を躍らせていた。
(2022年12月29日付紙面より)
畑地製菓舗で次々と (新宮市 )
蒸したもち米の湯気が工場内に立ちこめる―。新宮市蓬莱の畑地製菓舗(畑地泰明店主)では28日、正月用の鏡餅作りがピークを迎えている。店員、アルバイトを増員し、朝からつきたての餅を丸めて店頭に並べている。
ピークは30日(金)まで続くとのことで、3段合わせて4㌔にもなる鏡餅も作る。鏡餅の他、ヨモギなどの棒餅やエビ入り、トチの実を使った餅、あん餅など多様な種類を用意している。
畑地さん(77)は「皆さんにとって良い新年になり、無事に過ごしてもらえるように祈って作っています」と餅作りに込めた思いを語った。
日本の伝統・鏡餅は丸く平たい形をした正月用の床飾りで、穀物神「年(歳)神」への供え物であり依(よ)り代(しろ)。その形は「三種の神器」の鏡、玉、剣を表しているといわれる。地方によって異なるが、一般的に1月11日が鏡開き。刃物を使わず木づちなどでたたいて割って食べる。
正月に餅を食べる習慣は平安時代、宮中で健康と長寿を祈願して行われた行事「歯固めの儀」に由来する。家に床の間が作られるようになった室町時代以降、現在のように供えられるようになった。
(2022年12月29日付紙面より)
那智の滝で大しめ縄張り替え (那智勝浦町 )
那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)で27日、世界遺産である那智の滝で恒例の大しめ縄の張り替えがあった。日本一の落差133㍍の滝口で神職たち5人が足元に注意を払いながら慎重に新しいしめ縄に取り換えた。
那智の滝は同大社の別宮・飛瀧(ひろう)神社のご神体。張り替え作業は7月14日の例大祭「那智の扇祭り(火祭)」の前と年末の毎年2回行われている。
しめ縄はサラシ製で長さ約26㍍、重さ約4㌔。大社本殿で安全祈願を行い、白装束に烏帽子(えぼし)姿の神職らが表参道約2㌔の道のりを運んだ。滝の流れに足をつけた神職らは声をかけ合いながら無事にしめ縄を設置した。
年2回の張り替えの様子を見物できたことを喜び、写真撮影を行う参拝客らの姿も見られた。
男成宮司は「今日はすす払いを行い、しめ縄の張り替えも済み、新年を迎える準備が整った。今年はコロナ禍に加え、ロシアによるウクライナ侵攻もあり、厳しい社会情勢だった。来年こそはコロナ終息や紛争の終結する年になれば。すがすがしい一年になることを祈っています」と語った。
同大社では新型コロナウイルス対策に取り組み、年末年始の参拝客を迎えるとしている。
なお、那智の滝は大みそかから元旦にかけて青岸渡寺の三重塔とともにライトアップされる。
(2022年12月28日付紙面より)
串本町田原
串本町田原の荒船海岸では冬の風物詩、海霧が発生している=写真(20日撮影)。
霧は12月に入って、続く寒さでほぼ連日のように出ている。この日の串本の日の出は午前6時56分ごろだったが、水平線に雲があり、すこし遅れて顔を出した朝日に照らされて黄金色の海霧が浮かび上がった。
海霧は海面から発生する湿気を含んだ水蒸気が低温によって冷やされて蒸気霧となる現象で、気嵐(けあらし)といわれる。
シーズンはこれから本番を迎え、1月末ぐらいまで続く。
(2022年12月28日付紙面より)
来年2月末ごろのロケット「カイロス」初号機打ち上げを目指すスペースワン株式会社=東京都港区=がこのほど、準備の大詰めを迎えている射場「スペースポート紀伊」を報道公開した。同社は、事業の背景と概要を説明し総合指令棟と射点一帯の外観を紹介した。
射点には「カイロス」より一回り大きい高さ約20㍍の移動式射点組立足場があり、隣接するロケット整備棟からパーツを運び込んで射点上に組み上げる。打ち上げ時に立ち入り禁止となる「カイロス」の半径1㌔圏外となる場所に管制室があり、遠隔操作で「カイロス」を打ち上げて人工衛星を軌道投入するまでを一括監視する。
「カイロス」のロケットシステムは宇宙へ到達するための1段目と第一宇宙速度(地球の引力と人工衛星の遠心力がつりあい地球に落下しない最低速度、秒速約8㌔)までの加速を担う2、3段目からなり、さらに軌道修正用液体エンジン(スラスター)を駆使し適切に軌道投入をする。とりわけ多くのニーズが見込まれる高度500㌔の太陽同期軌道(打ち上げる方向は南方)に投入する場合、「カイロス」は150㌔の打ち上げ能力を発揮する。
これら技術の集大成により同社が目指す事業コンセプトは▽信頼性▽即応性(契約から1年、衛星受領から4日で打ち上げ)▽柔軟性▽低コスト―の4本柱。他の射点の手法を参考にし、遅くとも打ち上げの1カ月半前までにその日時を公表し、直前の気象条件などを見て日時を調整する形を取るという。
2020年代半ばには年間20回の打ち上げ頻度を目指していて、その光景と音響が日常となる射場周辺地域に向け同社の川井孝之部長は「初号機を成功し、そして定期的に打ち上げられるようになること、できることで地域の皆さんと一緒に頑張っていくことが貢献になると思っている。宇宙産業が拡大する中、宇宙へ出ていくためにはその手段が必要。われわれのロケットにより世界中の宇宙産業が多くなり、また入りやすくするような貢献もしていければ」と語った。
(2022年12月28日付紙面より)
市内小学生から120点の力作 (新宮市 )
新宮市野田の市福祉センターで20日、令和4年度赤い羽根絵はがきコンクール審査会があった。市共同募金委員会長の田岡実千年市長と社会福祉法人和歌山県共同募金会の髙瀨一郎常務理事、市社会福祉協議会の濵前泰弘会長らが審査員を務め、市内小学校の児童から寄せられた作品を審査。県共同募金会会長賞などに8作品を選んだ。
誰もが住み慣れた地域で安心して暮らすことができるよう、さまざまな地域福祉の課題解決に取り組む民間団体を応援する「じぶんの町を良くするしくみ」としての取り組みが展開されている「赤い羽根共同募金」。
10月からの運動期間に合わせ、市では市内の子どもたちに街頭募金への協力を呼びかけ運動を展開しているが、昨今の新型コロナウイルス感染状況を鑑み、募金活動は縮小傾向に。コンクールは「活動が制限される中でも子どもたちに広く運動および活動の趣旨を伝えることができれば」との思いから、市共同募金委員会の主催で昨年初めて開催。市社協職員らが市内各小学校で「赤い羽根共同募金」の授業を実施しつつ、児童らにコンクール参加への呼びかけを行っていた。
2回目となる今回は、市内5小学校から120点の作品が寄せられた。審査会では最終審査に残った83枚から田岡市長らが▽県共同募金会会長賞(1点)▽市共同募金委員会会長賞(同)▽市社会福祉協議会賞(同)▽審査員特別賞(5点)―を選定。「絵だけではなく優しい言葉が入っている」「言葉も良く、絵も遠近感もある」「福祉の精神をよく理解していると思う」などと講評した。
審査を終え、髙瀨常務理事は、福祉への意識高揚を図る市と市社協の取り組みに感謝。田岡市長は「力作が多く、選ぶのに苦労した」と話していた。
応募作品は1月10日(予定)からの約1カ月間、市福祉センターで展示予定。入賞作品は市社協広報紙「Assist(アシスト)」2月号に掲載する。なお、表彰式の開催は未定となっている。
(2022年12月28日付紙面より)
新宮弓友会納射会
新宮ロータリー杯ジュニアバド大会
ケンドリック旗争奪少年野球大会 (串本RC )
中日・野中投手が練習訪問 (新宮市出身 )
新宮市出身でプロ野球中日ドラゴンズに育成ドラフト2位で入団した野中天翔(てんと)投手(17)=秋田・ノースアジア大明桜高=が25日、市立光洋中学校グラウンドを訪れ、自身が育った少年野球チーム「みさきストロングス」(和田寛代表)の練習を見守った。
野中投手は最速146㌔のストレートをはじめスライダーやカーブ、カットボール、チェンジアップなど、多彩な変化球を武器に投げ込む左腕。光洋中卒業後、明桜高に進学。3年生ではエースとして活躍し、秋田県大会で春準優勝、夏ベスト4の成績を残した。
みさきストロングスは2001年10月1日に設立。野中投手は小学1年生で入部し野球人生をスタートさせ、6年生までプレーした。
この日、訪問した野中投手は指導者らと握手を交わして感謝と決意を伝え、入団や近況を報告。キャッチボールや守備などに取り組む後輩たちの練習に温かいまなざしを向けていた。
左東将吾主将(12)は「野中投手を間近で見て体が大きくかっこいいと思いました。チームの先輩がプロ野球選手というのは自慢でもあり夢がある。これからの活躍を応援し、自分も目標を持って野球を続けていきたい」。
野中投手は「選手たちの練習する姿に自分を重ねました。野球を始めチームで過ごした6年間は原点であり、技術や精神面でも大きく変えてくれた。子どもたちには夢に向かって全力で取り組み、諦めない気持ちを養ってもらえれば」と話していた。
26日には新宮市役所を訪れ、田岡実千年市長を表敬訪問。田岡市長から「私たちにとっても大きな誇り。一日も早い支配下登録を目指してもらい、1軍で活躍する姿を楽しみにしています」と激励を受けた。
(2022年12月27日付紙面より)
冬休み特別イベント実施 (南紀熊野ジオパーク )
南紀熊野ジオパークセンターの冬休み特別イベント「宝石のガーネットを探してみよう」が24日にあり、小学生10人やその家族が挑戦した。
このイベントは、高池の虫喰岩(むしくいいわ)などを形作る岩(通称・宇津木石)を砕いて得た砂の中からガーネットを見つけ出す内容。今回は小中学生(小学生は保護者同伴が条件)を対象にし、新型コロナウイルスなど感染症対策として午前と午後の2回、定員を各6人として実施した。
当日は同センター研究員の本郷宙軌さんが講師を担当し、この砂が元々は宇津木石だったことやガーネット以外に水晶や黒雲母も含まれていることを紹介し、赤いガーネットの粒を見つけ出す方法を伝えて後押しした。
午前の部は小学生5人とその家族が一丸で挑戦。含まれているガーネットの粒は0・5㍉にも満たない大きさで、色の違いを頼りに赤い砂粒を探し出して本郷さんと一緒に虫眼鏡や顕微鏡で観察し、ガーネットと分かると歓喜して持ち帰り用の小さな容器に移し取った。
新宮市から参加した川嶋美羽さん(4年)は今回が初挑戦で三つ見つけることができたそうで「ずーっとじっくり見ていたら赤いので分かった。見つけたときはとてもうれしかった」と話した。
本郷さんは「とても小さいけれど私たちの身近な所にも宝石があることから地質への興味を広げ、その延長で南紀熊野ジオパークに関心を持ってもらえたら」と子どもや家族の今後に期待した。
(2022年12月27日付紙面より)
韓国総領事館副領事らが県内を視察 (和歌山県 )
李昌熙(イ・チャンヒ)・駐大阪大韓民国総領事館副領事らは20日、那智勝浦町を訪れ、同町市野々の和歌山県土砂災害啓発センターなどを視察した。2011年の紀伊半島大水害や、防災に対する県・自治体の取り組みなどを確認した。
和歌山県在住の大韓民国民の保護のため、県内自治体との意見交換などを目的として来町。李副領事と曺容碩(チョ・ヨンソク)責任官、尹在吉(ユン・ジェギル)責任官の3人が2泊3日の日程で、同センターや那智勝浦町役場、那智山、串本町役場、南紀熊野ジオパークセンター、橋杭岩などを訪問した。
啓発センターでは、日本各地で発生した災害や、11年の紀伊半島大水害の概要や当時の様子、砂防えん堤などについて職員が解説。3人は真剣な表情で説明を聞き、質問するなどしていた。
現在、県内には1844人の韓国人が在住(22年6月末時点)しており、コロナ禍以前の2018年には、年間3万5820人が県内で宿泊している。
今回の視察を経て、訪問団は「紀伊半島大水害による和歌山県の被害状況を写真や映像を通して目の当たりにすることで、当時の深刻さを肌で感じることができた。 また、県土砂災害啓発センターをはじめ、各団体が実施している防災教育や防災訓練、避難設備の構築状況など、南海トラフ地震に備えたあらゆる対応体制を拝見しながら、住民の被害を最小限に押さえるために万全を期していると感じました」と感想。
領事館として、在住または旅行などで県内を訪れた韓国民の命を守るために、災害発生時に備えて毎年防災訓練を実施しており、また、韓国関連機関の緊急連絡網を構築するだけでなく、ホームページなどを利用したリアルタイムでの情報発信に努めているとし「今後災害が発生した際には『国家対国家』の観点ではなく、『救護者』の観点に立った迅速な救助活動が必要であるとの認識の下、今回訪問した和歌山県の災害対策機関と積極的に協力し合いながら韓国人の身元確認、親族への連絡、帰国支援などの活動を進めていきたい」と話していた。
(2022年12月27日付紙面より)
飛鳥神社で奉納奉告祭営む (太地町 )
過疎地域神社活性化推進委員会、太地町赤十字奉仕団(和田千明委員長)、太地町地域連絡協議会(法花真左美会長)は24日、同町の飛鳥神社(髙橋正樹宮司)で、8月末に作成した来年の干支(えと)「兎(うさぎ)」とクジラ、イルカが元気いっぱい描かれた大絵馬の奉納奉告祭を営んだ。子どもたちや関係者など15人が参列し、絵馬の奉納と設置を祝った。髙橋宮司は「お子さまが一生懸命描いた絵馬。皆さんも1年間たくさんの方に見ていただけるように、お友達にも声をかけてあげてください。また、関係者の皆さまも、子どもたちの純真なパワーが頂けますように、お誘い合わせの上、ご参拝いただければありがたいです」と呼びかけた。
大絵馬作りは「地域活性化」「子どもたちの思い出づくり」「郷土愛の育くみ」を目的に2020年から始まった。
大絵馬は縦120㌢、横150㌢のヒノキ製。今回も同町在住で日本画家の土長けいさんと共に町内の5歳から11歳までの子どもたち10人が自由な発想で描いた。
神事では髙橋宮司が祝詞を奏上し、子どもたちや関係者が玉串をささげた。最後は大絵馬の除幕が行われ、子どもたちには、自由帳やクーピーなどのお土産が配られた。
町立太地小学校5年の塩﨑心温(こはる)さんは「改めて見ると、とてもきれい。神社の前を通った際は、友達と一緒に大絵馬を見に来たいと思う。来年も参加したいです」と笑顔。
土長さんは「神社にあってこその大絵馬だと思う。神社からのパワーも頂くと同時に、子どもたちの絵馬のパワーも神社にお返しできているのでは。元気いっぱいの絵馬なので、飛躍の年としても良いのではなと思います」と述べた。
法花会長は「すてきな絵馬が完成して良かった。来年は素晴らしい一年になることを祈っております」と語った。
和田委員長は「今年で3回目になったが、コロナ禍も3年間続いた。そんな中、子どもたちの協力で絵馬の奉納ができたことをうれしく思う。コロナの影響に負けることなく、地域での活動や学校生活に躍進してほしい。子どもたちがふるさとを離れても、大絵馬によって、ふるさとを思い出すきっかけになっていただけたら」と話していた。
(2022年12月27日付紙面より)
新宮高校合気道部
「質実剛健」「文武両道」を校訓・校是に掲げる県立新宮高校(東啓史校長)。同校合気道部(髙須崇顧問、上地翔真部長)ではこのほど、廃部の危機を乗り越えて1年生部員5人が晴れて全員そろって5級に昇級した。
新宮市は、西牟婁郡西ノ谷村(現田辺市)生まれの合気道の創始者・植芝盛平の命を受けて建設された熊野塾道場がある、合気道の聖地の一つ。
そんな環境も背景の一つに、同校合気道部は1960年に産声を上げた。以降60年以上にわたり、「和合」「万有愛護」など植芝翁の教えを継承し、代々にわたり、心身の鍛錬に努めてきた。
そんな同部だが、今年の3月に廃部の危機を迎える。3年生の卒業により部員が消失。「あわや廃部か」と関係者やOBらが肩を落とす中、4月に1年生5人が入部。先輩部員からの指導が受けられない中においても、同部OB会の鈴木正師範や紀子シュタイナーさん、玉置温之(はるゆき)さんらの指導と温かいまなざしを受け、切磋琢磨(せっさたくま)し合い稽古を積み重ねてきた。
昇級審査は今月20日、同校で行われ、紀州熊野合気会の庵野素岐会長が審査。緊張感が漂う中でも5人は日頃の練習の成果を発揮。見事合格を勝ち取った。
発足当時に同部に席を置いていた玉置さんは「新型コロナの影響で練習もできない期間もあったができる範囲で真面目に一生懸命頑張ってくれた。これからも上を目指してほしい」と激励。
髙須顧問は「指導いただいた皆さんには感謝しかない。切磋琢磨しながら頑張ってくれているので今後が楽しみです」。シュタイナーさんは「鈴木先生が一生懸命力を尽くしてくれた。合気道はヨーロッパでもとても盛ん。今後、海外の人とも練習する機会を持つことができれば」と話していた。
上地部長は「何も知らない状態の自分たちを指導してくださった指導員やOBの方々には感謝の言葉しかない。一つでも上の級を取ることが、恩返しになると思っています」と笑顔。
合気道の魅力について「体の動かし方などが他のスポーツとは違い、指導を受ける中で毎日新しい発見がある」と述べ「部員募集中です。女性の方も大歓迎です」と呼びかけた。
(2022年12月25日付紙面より)
マリア保「キャロリング」 (新宮市 )
新宮市の保育所型認定こども園「マリア保育園」(三浦恒久園長、園児119人)は23日、3年ぶりの「キャロリング」を実施した。園児らはクラスごとに6施設を訪れて歌の披露などを行い、クリスマスムードを楽しんだ。
キャロリングはクリスマスの喜びを分かち合おうと同園の恒例行事として行われていたが昨年、おととしは新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から中止となっていた。この日は、5歳児がはまのデイケアと社会福祉法人県福祉事業団東牟婁生活総合支援センター「えん」、3歳児が新宮市役所、2歳児が市保健センターを巡った。
新宮病院には、4歳児26人が訪問した。園児たちは「おはようございます」と元気よくあいさつ。歌「私と小鳥と鈴と」を披露し、クリスマスカードを手渡すと、見守った職員らから大きな拍手が送られた。その後はベーカリーキッチントムトム新宮本店にも訪れ、カードを渡した。
(2022年12月25日付紙面より)
センバツ21世紀枠東海地区候補表彰 (木本高校 )
来年3月18日(土)に開幕する「第95回記念選抜高校野球大会」の21世紀枠、東海地区候補校に選ばれた県立木本高校が23日、東海地区高校野球連盟から表彰された。
同校体育館で表彰式が行われ、表彰状と盾を受け取った榎本和真主将(2年)は「東海地区の候補に選ばれ、地域の方々も喜んでくれた。甲子園出場が恩返しだと思う。全員が甲子園に出る気持ちで練習しています」、久保尊副主将は「甲子園出場の目標もできたし、学校の友達も励ましてくれる。冬はハードな練習が増えてくるが、みんなで助け合って頑張りたい」と決意を述べた。
初の東海地区推薦校に選ばれた木本は、過疎地でありながら地元出身の部員13人で、県内強豪校と互角に戦い秋季大会県ベスト4に進出したことや、140㌔近いストレートを誇る投手が2人いること、地元に愛されていることなどが高く評価された。
21世紀枠の出場校は、木本を含む全国の候補9校から3校が選ばれ、1月27日(金)に発表される。
(2022年12月25日付紙面より)
南紀くろしお商工会青年部 (那智勝浦町 )
南紀くろしお商工会青年部(由谷恭兵部長)は23日から来年1月7日(土)までの間、那智勝浦町のブルービーチ那智(熊野体験博跡地)で2度目となる「NACHIKATSUブルービーチイルミネーション」を開催している。夜のビーチ周辺を無数の光が照らし、来場者の目を楽しませている。点灯時間は午後5時30分から10時まで。
催しはコロナ禍の影響で町内のイベントの多くが中止になっていることを受け、落ち込んだ地域のにぎわいを取り戻すとともに、地域住民に楽しんでもらうことが目的で昨年からスタート。来場者も多く、好評を博していた。
今年11月中旬から企画・協議し、15日から数日間かけて、部員やOBら約10人で設置。昨年の経験や失敗を踏まえ、作業を進めた。その中、強風で、イルミネーションが転倒し破損するアクシデントもあったという。
会場では光のトンネルやクリスマスツリー型のイルミネーションに加え、今年から新たにパレスや手作りのフォトスポットを設置した。23日夜も多くの家族連れなどが訪れ、子どもたちは「こっちもきれい」「ここで写真撮って」と、喜ぶ姿が見られた。
南沙余親睦委員長は「今年も時間のない中、みんなで頑張りました。今後も継続していけたら」。由谷部長は「少しずつ感染状況も落ち着きつつあるため、コロナが明けることを期待したい。皆さまにはイルミネーションで元気になって、新年を迎えていただけたら幸いです」と話していた。
なお、大みそかはオールナイトで点灯するという。
(2022年12月25日付紙面より)
新しい年前に、煤払い式 (熊野速玉大社 )
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で23日、年末恒例の「煤(すす)払い式」が営まれた。上野宮司や神職、同大社敬神婦人会(久保あや子代表)有志約15人が境内のほこりを落とし、新年を迎える準備を進めた。
煤払い式は神事の一つ。麻ひものたすきを巻いた神職が、長さ約5㍍のささ竹で各殿の壁面や屋根にたまったほこりを払い、拭き掃除を行った。婦人会はバケツや雑巾を手に、境内各所を水拭きした。
敬神婦人会の中山清己さんは「毎年、みんなで一生懸命にお手伝いさせていただいている。みんな健康で、良い年が迎えられるといいですね」と笑顔。
上野宮司は「敬神婦人会の方々にもご奉仕いただき、隅々まで掃除させていただいた。身が引き締まる思い。(煤払い式には)希望に満ちた年であってほしいと、心を込めて奉仕させていただく深い意味がある。初詣に来られた方にもすがすがしい気持ちでご参拝いただけると思ってます」と話していた。
初詣に当たっては、今年同様、約5、6㍍のさい銭箱を準備。拝殿手前に設置し、必要に応じて東門を開放するなどの新型コロナウイルス感染対策を講じるという。
31日(土)午後4時から大晦日大祓式(おおつごもりのおおはらいしき)、5時から除夜祭・神符遷霊祭(しんぷせんれいさい)を斎行。元日の午前0時、初太鼓開門をもって初詣客を迎える。
(2022年12月24日付紙面より)
商工祭「南の国の雪まつり」 (那智勝浦町 )
南紀くろしお商工会(森川起安会長)が事務局を務め、各種団体で構成される商工祭「南の国の雪まつり」実行委員会はこのほど、来年2月19日(日)に3年ぶりの第26回商工祭「南の国の雪まつり」を開催することを決定した。消毒や検温などの感染症対策を徹底し、催しを運営していくとしている。
雪まつりは消費者と団体、ふるさととのふれあいをテーマとし、町の商業の活性化や地域振興、ふるさとの再発見、第1次産業の発展への貢献、子どもたちの思い出づくりなどを目的に実施。例年多くの来場者でにぎわう人気の催しだ。
2020年は暖冬のため、雪の調達ができず、「雪のない雪まつり」として開催した。その後は新型コロナウイルス感染症の影響で2年間中止となっていた。
今年11月に第1回実行委員会を開き、委員に開催についての意見を求めたところ、「開催する前提で話を進めたほうがいい。周囲の感染が増加した際は中止すればいい」「前向きに検討してもらい、活性化につなげてほしい」「先進地の感染症対策などを参考にしながら、開催しては」などの声が上がった。
それらの意見を踏まえて検討を重ね、今月初旬に第2回実行委員会を開いた。実行委員からは「感染症対策が取れるなら子どもたちのために開催すべき」などの意見が出されこの日、正式に開催を決定した。
事務局によると、来年も子どもたちのために太地町と姉妹都市提携を結ぶ長野県白馬村から雪を運搬するとしている。
会場となる町役場周辺では朝市・バザーなどの地域物産販売、展示会、大感謝祭、ダンスを含む各種イベントも開催する運びとなっている。
また、感染状況によって変更の可能性があるが、例年通り、雪まつり前日から雪山を開放して子どもたちに楽しんでもらう予定だという。
イベントの詳細などは今後の実行委員会で決定していく方針だ。
実行委員長を務める森川会長は「3年ぶりの雪まつり。安心安全で、衛生管理の行き届いた運営に取り組んでいく。商業活性化や地域振興などはもちろん、雪山で遊ぶ子どもたちのはじけるような笑顔を期待したい」と話していた。
(2022年12月24日付紙面より)
有田神社えと絵馬かけ替え (串本町 )
串本町有田上にある有田神社(山本貞夫宮司)のえと絵馬が22日、来年のえと「卯(う)」にかけ替えられた。
迎春に華やかさを添える氏子の奉仕として23年来続く年末恒例のえと絵馬奉納。今年も制作者2代目・長谷川章総代(48)が祭具修繕の才覚を発揮して仕立てた。
絵馬の大きさは縦約90㌢、横約130㌢。ベニヤ板に絵馬の形の木枠を添えた造りで、朱に染まる太陽の前で仲むつまじく寄り添う白と茶のウサギを描き、ウサギの姿を模した「卯」の1字、込めた思いを象徴する「飛躍」の2字を年号や神社印とともに描き加えて仕上げた。
この日は仕事の都合で自らかけ替えができず、深美芳治前宮司に代わり着任した山本宮司(74)立ち会いの下で他の総代らが代行した。長谷川総代はコロナ禍や物価高でいろいろと弾みがつき難い昨今に思いを巡らせ、「このような時期だからこそ、卯にあやかり飛躍の1年になってほしい」と来年のえと絵馬に込めた思いを語っている。
同神社は例年、大みそか午後11時~元日午前1時に総代が授与所を設けて年の瀬の参拝を迎えているが、今年については28日(水)の迎春準備時に授与自体は行うが有人とするか無人とするかを決めるという。元日の歳旦祭は宮司交代に伴い午後1時30分へと時間を変更。技術継承を目的として来年1月6日(金)午前10時、3年ぶりに総代の奉仕でお的祭を営むとしていて目下お的の新調製作も進んでいる。
(2022年12月24日付紙面より)
かわりない会が恒例の催し (紀宝町 )
毎週月曜日に高齢者が集まる通所サービス「かわりない会」(牧戸光彦会長)は19日、紀宝町鵜殿の老人憩の家讃寿(さんじゅ)荘で毎年恒例のクリスマス会を開催した。
今年最後の集まりで、利用者、スタッフ合わせて25人がサンタの帽子をかぶり、一足早いクリスマス気分を味わった。
会場のツリーはスタッフが作り、来年の「うさぎ年」にちなみ「飛躍の年 いっしょにはねましょう」といった願い事も飾った。
サッカーワールドカップでアルゼンチンが優勝したことから、南アメリカの地図を見ながら各国の歴史や文化を学び、旅行気分を味わった。
紙芝居「サンタさんはおおいそがし」「かさじぞう」を楽しみ、全員でクリスマスケーキを食べた後、ベルの音色とともにサンタとトナカイが登場。利用者にプレゼントを手渡し、会場には笑顔の輪が広がった。
(2022年12月24日付紙面より)
2022少年サッカー新人戦
御坊市の市立体育館で18日、「きのくにロボットフェスティバル2022」(同実行委員会、和歌山県、県教委など主催)が開催され、前日17日に行われた全日本小中学生ロボット選手権予選会に新宮市の濱口裕大君(三輪崎小6)が出場。惜しくも本選出場はかなわなかったが、小学生部門で特別表彰を受けた。
同フェスティバルは、全日本小中学生ロボット選手権・きのくに高校生ロボットコンテストや、「高専ロボコン」招待チームのロボットや企業の最先端ロボットのデモンストレーションを総合的に実施する催し。
青少年のものづくりに対する理解を深め、日本のものづくりと科学技術の発展を目的として、毎年12月に御坊市で開催している。
県立新翔高校で行われたブロック予選を勝ち抜き、御坊市での予選会に挑んだ裕大君。小学生部門は「レッツ・フィッシング!」と題し、ロボットを使って魚に見立てた洗濯ばさみを陸エリアに釣り上げる内容で競技が進行。8リーグのトーナメント制で競われた。
裕大君のロボット「スクイード」は、全ての魚を釣り上げる「大漁」とはならなかったものの、磁石の力を利用して一気に魚を釣り上げるその姿はインパクトを与え「面白さや驚き、感動を伝えるパフォーマンスを披露したロボット」に贈られる「パフォーマンス大賞(川崎重工業賞)」を受賞するに至った。
賞を受け、裕大君は「(競技は)めっちゃ緊張した。思った通りの操縦ができなくて悔しかったけど(受賞は)うれしかった」と笑顔。「中学生になったら競技は難しくなると思うけど、できそうならまた挑戦したい」。
母の真理子さんは「本人にとってもいい経験になったと思う。競技で負けた時は悔し泣きをしていた。これからの人生に生かしてほしい」と裕大君をねぎらい「(同選手権は)面白い取り組みだと思う。当地域でももっと多くの人に興味を持ってもらい、ものづくりをする人が増えるきっかけにつながればいいですね」と話していた。
(2022年12月23日付紙面より)
神倉小で御燈祭りの伝統学ぶ (新宮市 )
新宮市立神倉小学校(藪中秀樹校長)で19日、「おとう祭りの持ち物ってなんだろう?」の授業があった。3年生58人が、市内で草鞋(わらじ)や荒縄を製作する堅田裕見子さんらから文化を継承していくことの大切さを学び、御燈祭(おとうまつ)りで使用する草鞋作りに挑戦した。
同校運営協議会(下岡輝子会長)による「ヤタガラス子ども未来プロジェクト」の一環。子どもたちにまちの歴史などを学んでもらおうと、協議会メンバーを中心に有志ボランティアが協力し、さまざまなふるさと学習を展開している。
児童らに御燈祭りの伝統などについて興味を持ってもらい、草鞋や松明(たいまつ)製作などの後継者育成に結び付けることを目的に行う恒例授業。なお、御燈祭りは新型コロナウイルス感染防止の観点から、昨年、今年は上(あ)がり子の参加を中止し、関係者のみで神事が執り行われている。
堅田さんは、稲刈り、米とわらを外す作業、わら打ちなど、草鞋製作に至るまでの工程を写真で紹介し「草鞋を作る人は年々減っています。みんなには、自分で作った草鞋を履いて御燈祭りに参加してほしい」と呼びかけ。
児童からは「手は痛くならないの?」「機械では作れないの?」などの質問があり、堅田さんは「手作りだから値打ちがある」「わらにはいろいろな人の苦労が詰まっています」などと話した。
堅田さんの説明後、宮川裕大さんが草鞋作りを実演。見学後、児童らは堅田さんや宮川さん、北原潤希さんらに教わりながら▽草鞋作り▽わらを編む▽草鞋を履く―に分かれて体験。「楽しかった。ありがとうございました」と感謝を伝えた。
体験後には、堅田さんが運営協議会有志らと手作りしたしめ縄リースを全員にプレゼント。しめ縄は今後、授業で児童らが飾り付けを行うという。
(2022年12月23日付紙面より)
中田、阪本さん招き平和学習 (井田小 )
紀宝町立井田小学校(竹本靖史校長)で15日、作家の中田重顕さん(80)、元有線放送アナウンサーの阪本浩子さん(80)を招いての平和学習会があり、5年生20人、6年生26人が、第2次世界大戦で苛烈を極めた沖縄戦の惨劇を学んだ。
講師の2人は熊野地方の中学校で長年、戦争の悲惨さ、平和の尊さを伝えており、中田さんは「君たちは、あと6年すれば選挙権がある。もう一度戦争する世の中にするのか、何より平和を大切にする国にするのか、君たちが決めるのです。しっかり歴史を学び、自分の頭で考える人になってください」と伝えた。
スライドに戦時中の写真を映し「戦争は人類が考え出した最悪の政策。いつでも弱い者を踏みにじっていく。最もひどい目に遭うのは子ども、お年寄り、障害者などである」と語った。
第2次世界大戦当時、学校も軍事訓練ばかりになり、沖縄では住民が戦闘に巻き込まれた。沖縄戦で戦った「第六二師団石部隊」は三重県の兵が中心で、熊野市出身者71人、御浜町出身者23人が戦死した。
中田さんは、10代の若者も多く戦死したことを伝え「戦争で怖いのは人の心が荒れ果てていくこと。戦争が始まってしまうと77年たった今でも悲しみ続ける人がたくさんいる」話し、阪本さんが軍国の母の物語、沖縄の女学生の手記などを朗読した。
(2022年12月23日付紙面より)
来年1月末までに空き家撤去 (那智勝浦町 )
空家等対策の推進に関する特別措置法(空家特措法)に基づき、那智勝浦町は20日、同町宇久井の住宅街にある特定空き家に対し、初の行政代執行を行った。この空き家は来年1月31日(火)までに撤去される。
空家特措法は、全国で増え続ける空き家の問題解消を目指して定められたもの。市町村が「特定空き家」を指定し、「助言指導」「勧告」「命令」の手順を経て、「行政代執行」に至る。
指定されれば固定資産税の優遇特例(6分の1に減免)も解除される。行政代執行の場合、解体費用は後に所有者に請求されることになる。
同町によると、2018年に国が実施した住宅土地統計調査では、同町の特定空き家含む空き家は2710件あり、空き家率はその年から5年前と比較して3%上昇しているという。
19年には同じ宇久井地区において、略式代執行を1件、昨年は大勝浦地区で2件の略式代執行を実施している。
今回の空き家は十数年にわたって居住の形跡はなく、建物がほぼ崩れ落ちて危険であることや空き家敷地内の木々・雑草が生い茂っているため、近隣住民からは不安の声も上がっていたと担当職員は話す。
町ではこれまでに「危険家屋につき通行注意」の看板や飛散防止のためにネットを設置。所有者に対して指導、勧告を行ってきたが、撤去はされなかった。8月30日に撤去の命令を行うも、期限である11月30日を越えても状況は変わらず、今回の行政代執行(強制解体)に至った。
解体は同町宇久井の庵野組が行い、費用は約100万円。撤去後は更地に整備され、土地の所有者(空き家所有者とは別)が管理する。
この日、町建設課の楠本定建設課長が▽空き家の倒壊などにより周辺に悪影響を及ぼしている▽特別措置法に基づき、損壊家屋の撤去▽ごみの廃棄処分の行政代執行を行う―などが記された行政代執行開始の宣言を読み上げた。今後は業者が撤去作業に入るとしている。
楠本課長は「町としても近隣住民の安心安全が最優先。空き家対策を行う中で今回のようなやむを得ない対応が出てくるケースもある。今後も町としては空き家問題に取り組んでいきたい」と語った。
(2022年12月23日付紙面より)
ふれスポ東牟婁・新宮グラウンドゴルフ大会
第20回くろしお剣道大会
新宮城跡で高所作業訓練 (新宮市消防本部 )
新宮市消防本部の職員らは21日、新宮城跡で石垣の清掃作業を実施した。作業は高所での活動を想定した訓練の一環として行われ、職員らは清掃活動を通して不測の事態に備える機会とした。
新宮城は1633(寛永10)年、紀州藩付家老水野氏により完成。建造物は1873(明治6)年の廃城令を受け、75(明治8)年までに取り壊されている。
市は1980(昭和55)年に新宮城跡を公有地化し都市公園として整備を開始した。2003(平成15)年には城郭跡が国史跡指定を受け、17(平成29)年には「続日本100名城」に選出されている。
「亀甲積」や「算木(さんぎ)積」「打込接(はぎ)」「切込接」「面取化粧石積」など、石垣の美しさと当時の技術の高さをうかがい知ることのできる新宮城跡。大阪城にも見られる天守台下帯曲輪の四つ連続の横矢掛け(屏風折れ)は、その防御力の高さを現在に伝えている。
新宮城跡での清掃を兼ねた訓練は今回が初で、高所における作業技術の確認や、高度な安全管理体制を構築することが目的。新宮城跡の魅力を、改めて広く発信する狙いもある。
訓練は14、15日にも行われ、最終日となったこの日は17人の職員らが屏風折れの約9㍍の石垣を中心に、天守台と本丸の石垣の清掃を展開。鎌などを手に、ロープやはしごを使って約3時間にわたり除草作業などに汗を流した。
訓練の様子を見守っていた堀切学署長は「消防本部では、あらゆる災害に対応するため、日々訓練を行い、不測の事態に備えている。今回、自身にとっても思い出深い新宮城跡で訓練を実施できる機会を頂いた。石垣の清掃作業を通して、観光などで新宮市を訪れてくれる人や、市民の皆さまへの新宮城跡の魅力発信につながれば幸いです」と話していた。
(2022年12月22日付紙面より)
鵜殿保育所、高台に移転 (紀宝町 )
紀宝町鵜殿の海抜14㍍の高台に新たな鵜殿保育所が完成し、21日、竣工(しゅんこう)式が行われた。西田健町長、町議会の向井健雅議長、市川潔・教育民生常任委員会委員長、鵜殿保育所の上地悠太・保護者会長、樫山早起カモシカクラブリーダー、町区長会の辰巳尚会長、町民生委員・児童委員協議会の西村喜久男会長がテープカットし、4歳児21人が「小さな世界」を歌って完成を祝った。
現園舎が津波浸水予測区域に位置することから高台に移転し、防災機能強化を図った。新園舎は、町生涯学習センターまなびの郷の西側に建設し、敷地面積は約4594平方㍍。建物は鉄骨造り平屋建てで延べ床面積は1211・51平方㍍。自力避難が困難な0歳児など乳幼児を含めた園児の安全を確保するため耐震構造とした。玄関などに3台の防犯カメラを配置、出入り口を1カ所にして施設をフェンスで囲うなど防犯面にも配慮した。
施設内は床や天井などに木をふんだんに使い、明るく開放感のある間取りとし、中央部に中庭を配置。温もりのある構造として整備した。
竣工式で西田町長が園児代表の西村侑翼君、濱浦来希ちゃんに記念品を贈呈。「多様化する保育ニーズに応えながら、児童が元気と笑顔にあふれ健やかに成長できる保育所として安全安心な子育て環境の充実に取り組んでいく。これまで以上に保護者や地域の方々にとって開かれた保育所として発展するよう努める」とあいさつ。設計・施工8業者に感謝状を贈った。
鵜殿保育所の下地水香所長は「次世代を担う子どもたちの健全な育成と地域の皆さまに親しまれるよう、地域に根差した保育所を目指し、さらなる保育所の充実、子育て支援の拡充に努めます」と謝辞を述べた。
園児たちは、来年1月4日(水)から新園舎に通うという。
(2022年12月22日付紙面より)
王子地区でクリスマス会 (新宮市 )
新宮市の王子地区福祉委員会(野尻和則委員長)は20日、同市王子町の王子会館でクリスマス会を開いた。福祉委員や地域住民らが参加し、クリスマスに向けた花の寄せ植えを楽しんだ。
クリスマス会は赤い羽根共同募金による「歳末たすけあい運動配分金助成事業」の助成金を活用。新型コロナウイルス感染防止として手指消毒や検温、換気に加え、3密を避けるため18、19日にも行われた。
冒頭で野尻委員長が「短い時間ではありますが、和気あいあいと過ごしてください」と呼びかけた後、参加者たちは寄せ植えに挑戦。
古川美穂副委員長のアドバイスを得ながら▽ウィルマ▽シロタエギク▽ビオラ▽アリッサム▽ジュリアン―の計5種類を手に取り、底石を敷いたプランターに花々をバランスよく配置してリボンなどの飾り付けをして完成させた。
参加した仲富美子さんは「近況報告などをしながら楽しい時間だった。クリスマスに合ったきれいな花を寄せ植えできて心が癒やされました」。
野尻委員長は「皆さんの笑顔が見られてよかったです。コロナ禍で外出が少なくなる中、交流ができるのは貴重なこと。今後も感染対策を施しながら、できる限り催しを開いていければ」と話していた。
(2022年12月22日付紙面より)
1万1798筆の署名届ける (那智勝浦町 )
那智勝浦町で性の多様性を祝福し、分かち合う催し「レインボーフェスタ」を開催しているレインボーフェスタ那智勝浦実行委員会の代表を務める丸山都さんら7人は20日、同町役場を訪問。自治体が性的少数者のカップルを公的に認めるパートナーシップ制度とファミリーシップ制度導入を求める署名を堀順一郎町長に届けた。思いが込められた署名は直筆1706筆、オンラインが1万92筆の計1万1798筆に上った。同町は来年年明けから導入したいと見解を示した。
パートナーシップ制度は、婚姻や親族関係の形成、相続、税金の控除などの法律上の効果は生じないが、各種行政サービスの適用拡大が行われるもの。
性的少数者のカップルが届け出た際に受理証明書などが交付され、ファミリーシップ制度では、二人のほかに子どもがいる場合も証明書が発行される。
和歌山県では橋本市が今年10月にパートナーシップ制度を導入。同町では加えて、ファミリーシップ制度導入も検討している。制定されれば県内初。また、制定には議会の議決は必要としない。
自身がトランスジェンダー(性自認と身体的な性が一致していない当事者)である丸山さんは幼い頃から自身の性に違和感があり、「男女の別」に苦悩してきた。
カミングアウト後、性の多様性を啓発するために地域や小中学校などでの講演や前述のレインボーフェスタを開催している。
署名は多くのメンバーの協力の下、対面型の直筆やインターネットの署名サイトによるオンラインによって集められた。町民による署名は合わせて866筆となった。
署名提出を受け、堀町長は「導入はお約束する。コロナ禍で少し遅れたが、たたき台も出来上がった。法的な効力はないが、導入する自治体が増えれば、法改正への後押しにもなる。今後も互いを尊重し合えるまちづくりを進めていきたい」。
丸山さんは「予想以上に多くの皆さまが賛同してくれた。制度がないために、制度のある都市部へ移住した方もいる。導入への希望の光が見えた。もっと勝浦が好きになりました」と語った。
町の制度導入への前向きな答えを聞き、メンバーからは祝福の拍手が起きた。制定後、宣誓証明書などの手続きは、役場住民課で対応するとしている。
(2022年12月22日付紙面より)
再編に向け構想案、来年2月に説明会も (新宮高校・新翔高校 )
新宮市の県立新宮高校(東啓史校長)と県立新翔高校(藤田勝範校長)は19日、新宮高校で会見を開き、高校再編に向けた構想案を発表した。案は今後、小・中学校を通して保護者に配布する予定だ。
県教育委員会は2020年8月、第6期きのくに教育審議会の答申後、「県立高等学校の再編整備の基本的な考え方」と「各地域における今後の県立高等学校の在り方」を公表。住民説明会などで募った意見を基に今年3月、「県立高等学校教育の充実と再編整備に係る原則と指針」を作成した。
「原則と指針」では、新宮・新翔高校は「令和6年以降に生徒数の減少が予測されることから、新宮高校と新翔高校の再編整備により学校の活力を維持するとともに、地域の多様な教育ニーズに対応する拠点校としてその一翼を担う。当面は、施設等の有効活用のため校舎制をとる」「地域の教育ニーズに応える1校への再編整備を検討し、着手する」などと記されている。
また、「各地域で望ましい高等学校や高等学校教育について議論を深めていくことが重要」などと示されていることから、両校では今年4月下旬ごろから広く住民意見を募集。小・中学校の学校運営協議会や保護者会、スポーツ少年団などから意見や要望を聴取するなどし、このたびの構想案を作成するに至った。なお、再編のめどは、現在の6年生が高校に進学する26(令和8)年4月を予定している。
テーマを「生徒・地域社会の期待に応えるALL IN ONEの学校」とし、新しい学びとして▽地域社会で活躍する人材の育成▽大学や専門学校に進学し、より専門的な知識・技能・資格を取得▽高いレベルの大学進学に対応▽基礎・基本の習得を丁寧に支援―を柱に課程・学科を「総合学科」「普通科」「学際探究科(仮称)」「定時制・通信制・リカレント」に再構築。
スポーツ・文化活動に関しては、学校・地域が連携・共同した活動の展開や、強化種目の設定と全国募集、寮の活用や練習環境の整備、「eスポーツ」「ゆる部活」などの設置、定時制や通信制、特別支援学校の部活動との共同などを通して、学校の活力を高めていく。
また「複数の施設を有する一つの学校」として、校地や施設、設備を学習内容や活動に応じて効果的に活用し、地域交流や生涯学習など、世代を超えた学びの振興も視野に入れている。
両校では案を基に、来年2月11日(土・祝)午後1時から、新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」で説明会を開催する。事前申し込みは不要。両校では「今後もご意見、ご要望などを頂きながら、丁寧に進めていきたい。多くの方に説明会にお越しいただければ」と呼びかけている。
説明会に関する問い合わせは新宮高校(電話0735・22・8101)、新翔高校(電話0735・31・7087)。
(2022年12月21日付紙面より)
清野健太郎さん県代表に (串本古座高校 )
和歌山県立串本古座高校2年、清野健太郎さんが推奨する本「ロケットボーイズ」が18日実施の中高生読書まつり・ビブリオバトル和歌山県大会高校生の部でチャンプ本に選ばれた。中学時代も合わせると4年連続で選ばれ県代表となる快挙。過去3回権利を得るも新型コロナウイルスの情勢で実現できなかった全国進出も今回は形にするとし、「過去3回分の思いも込め、当初の思いを変えることなく臨みたい」と意気込んでいる。
幼少の頃から興味があり、ロケット「カイロス」がきっかけとなり大きく膨らんでいる宇宙への憧れに応える一冊として「ロケットボーイズ」を選び11月実施の串本町ビブリオバトル大会高校生の部に出場。参加者は1人で、中学生の部の参加者と共に発表に臨み町代表として県大会出場権を得た。
県大会は県立図書館であり、高校生の部は予選、決勝の2段階で行われた。清野さんは予選グループ4人の中でチャンプ本に選ばれ決勝へ進出。決勝では3人と競いチャンプ本に選ばれた。
競って評価を得る最初の機会となった県大会での挑戦について「年々発表の質が高まっていて予選の時点から不安を感じていたが、自分も思うことを十分に発揮して臨むことができ結果もついてきた。決勝の相手は2人とも本好きが伝わり、それぞれに発表の工夫もしていた。そのような中で自分の本をみんなに届けることができたかな、と手応えを感じられた点でうれしい」と語る。
全国大会(全国高等学校ビブリオバトル決勝大会)は来年1月22日(日)、大阪府茨木市の立命館大学大阪いばらきキャンパスで実施予定。清野さんは高校生として最終かつ会場が近距離という点で出場の気持ちを高めていて、「全国大会は推奨する本の変更ができるけれど、自分は変えずロケットボーイズで臨む。県大会の内容をもう一回見直し、さらに練り上げて挑戦したい。自分の本と思いを全国に届けることが一番の目標。それに結果がついてきたらいいなと思います」と来る本番を見据えている。
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串本町教育委員会教育課によると、中学生の部の町代表として出場した吉村咲良さん(串本中3年)も決勝進出したがチャンプ本には届かず。見届けた清野さんは「吉村さんの本が好きな気持ちがよく伝わる発表だったが、周りの子もさらにすごかった」と状況を語る。
古座川町教育委員会教育課によると、中学生の部の町代表として出場した中田蓮乃さん(明神中3年)は予選段階で今回の県代表となったかつらぎ町の発表者と競う形となり決勝進出はならなかったという。
(2022年12月21日付紙面より)
大みそかに向け試験点灯 (那智勝浦町那智山 )
那智勝浦町那智山の熊野那智大社(男成洋三宮司)の別宮・飛瀧(ひろう)神社のご神体である那智の滝と、那智山青岸渡寺(髙木亮英住職)の三重塔で19日、試験点灯が行われた。
ライトアップは1987(昭和62)年、NHK「ゆく年くる年」の企画としてお滝に照明を当て、実況中継が行われ、全国に感銘を与えたことを受けて、89(平成元)年大みそかより90(平成2)年元旦にかけて行ったのが始まり。
午後4時30分から発光機の清掃の後、午後5時20分に点灯を行った。水銀灯3基と、5基のライトに照らされた三重塔と那智の滝が夕闇迫る那智山中に浮かび上がった。
ライトアップは31日(土)の日没から元日の明け方まで実施される。また熊野那智大社では27日(火)に滝の上に架かるしめ縄を張り替え、迎春に備える。
(2022年12月21日付紙面より)
くじらの博物館で迎春準備 (太地町 )
太地町立くじらの博物館(稲森大樹館長)で20日、大掃除が行われた。参加した職員はセミクジラ実物大模型などのほこりを落とすとともに、人気の海洋水族館(マリナリュウム)の潜水掃除などにも取り組み、新年を迎える準備を整えた。
昨年5年ぶりに大掃除を公開した同館。職員らは実物から型取りし造られた全長15・2㍍のセミクジラの模型に上り、モップで汚れをふき、通路から長い柄付きのはたきでほこりを落とした。その他の骨格標本や室内の清掃にも汗を流した。
水族館では、アルビノのバンドウイルカなどが優雅に泳ぐ中、ダイバーが大水槽に潜って内側から磨き掃除をした。
同館によると、今年は国・県の施策や教育旅行もあって、来館者数がコロナ禍以前に戻りつつあるという。令和3年度は11万3479人で、本年度は11月末時点で10万1904人と、昨年度を上回る見込みとしている。
中江環副館長は「あっという間の1年だった。気持ちも新たにし、来年は飛躍の年にしたい」。
稲森館長は「1年のほこりを落とすことができた。来館者さまには、きれいになった博物館を見ていただけたら」。
1年の振り返りや今後については「今年はコロナ対策など、多くのことがあった。今後は博物館のみならず、町の事業などにも柔軟に対応していきたい」と語った。
同館は年末・年始も休まずに営業しており、年始には豊富な催しも実施される。
(2022年12月21日付紙面より)
和大生らがモデルコースなど考案 (熊野三山観光協会 )
熊野三山観光協会と和歌山大学観光学部の学生らは16日、同大学で会見を開き、熊野地域の若者向けの観光モデルを発表した。実際に現地調査を行った上でモデルコースや観光パンフレットを作成。「若者に魅力を発信していくためには、長期的な目線で観光戦略を考えることが必要」などと述べた。
熊野三山観光協会は、新宮市観光協会、那智勝浦観光機構、熊野本宮観光協会、東牟婁振興局企画産業課で構成。当地方への誘客を目的に、観光PRや情報発信などの事業を展開している。
観光客の年齢層が高い傾向にある当地方において若年層の誘客につなげようと、同協会は同大学観光学部と共同事業を実施。学生らは11月に現地調査を行い、約1カ月かけて観光資源や場所を選定。モデルコースやパンフレットデザインなどを考案するに至った。
発表したのは、同学部2年の中川汰智さん、野田和貴さん、北林光さんの3人。モデルコースは、本宮・新宮・那智勝浦の3エリアを2泊3日で巡る内容で、エリアごとに食、文化と歴史、自然、温泉などの観光要素を落とし込んだ。また、考案したモデルコースを基にA4三つ折りパンフレット「心も身体も癒される紀南にどっぷり浸かる旅」を作成した。
学生らは、モデルコース作成に当たって「従来のモデルコースとの差別化を図るため、若者向けに体験型アクティビティーや『SNS(交流サイト)映え』要素を多めに構成した」と説明。
㈱OKB総研の「若者の旅行に関する意識調査」における「国内旅行で何をしたいか」の項目では「温泉に入る」「自然の景色を見る、触れる」「食・グルメ」が上位であったとし「熊野三山エリアで満たすことができる」と主張した。
パンフレットについては「若い人でも手に取りやすいポップなデザインを心がけたが、神聖な場所というイメージも崩したくない。バランス良く共存させたいと意識した。パンフレットを通して、熊野三山には若者心をくすぐるコンテンツがあることを知ってもらいたい」。
課題として▽実際にどれくらいの人がパンフレットを手に取ってくれるか▽来ようと思うための仕掛けづくりが必要▽車がないと移動が厳しい状況。遠いイメージをどう払拭するか―を挙げ、「熊野三山にはエリアによって特色の違う魅力がある。現地調査を通して、熊野三山の魅力を存分に感じることができた」とまとめた。
発表に先立ち、同協会の小西秀彰事務局長は「学生の皆さんに考案いただいた観光モデルパンフレットを使って、県内外にPRし、若年層の誘客につなげていければ」とあいさつした。
(2022年12月20日付紙面より)
徐福公園がライトアップ (新宮市 )
新宮市徐福の徐福公園の楼門が16日夜から、赤、青、紫などさまざまな色に変化し、幻想的な雰囲気を醸し出している=写真。ライトアップは来年1月31日(火)まで。
ライトアップは2014年度に第1回を実施。新宮市出身の空間デザイナー畑秀樹さんによる演出で、発光ダイオード(LED)の照明器具を使用している。
楼門は普段からライトアップされているが、この時季限定で時間とともに色が変化するよう設定。通常時のライトアップよりグレードアップした鮮やかなライトで夜の中国風楼門を彩る。時間は午後5時30分から9時まで。
同公園の昨年の来園者は1万6392人。おととしは1万6763人で、新型コロナウイルス感染症の影響により減少傾向にある。今年は11月末現在で1万4141人が来園した。
市商工観光課では「地域の方や帰省された方、観光客の方に見ていただきたい。ライトアップが少しでも癒やしになれば」と話している。
(2022年12月20日付紙面より)
二色で見学会やイベント (串本町 )
串本町二色にある旧錦富小学校で16日、建設用3Dプリンターによる土木構造物(集水桝〈ます〉・もたれ式擁壁)の試作見学会があり関係者約100人がメーカーの説明や試作実演を受けて技術への理解を深めるなどした。
この見学会は、国土交通省近畿地方整備局紀南河川国道事務所と県建設業協会が共催。同局の人手不足などの解消を目的としたインフラ分野のデジタルトランスフォーメーション(DX)促進の趣旨に基づき、目下施工中のすさみ串本道路で県内初施工される同構造物の技術紹介を目的として計画し、建設業界と報道機関に向け参加を呼びかけた。
関係者の内訳は建設業界や報道機関に加え、同省職員、県立和歌山工業高校の教員や和歌山工業高等専門学校の学生と教員など。共催者代表あいさつを経て、初施工に関わる国内唯一の同プリンタメーカー・株式会社Polyuse=本社・東京都港区=がインフラ維持工事の増加に対して担い手が減少する同業界の厳しい現況と打開策として同業界のスマート化を推進したいという思いを織り交ぜて自社技術を説明し、同プリンターによる集水桝の試作実演や試作したもたれ式擁壁の実物紹介をした。
これら構造物はモルタル製で、同プリンター用に研究開発する過程でコンクリートに勝る強度を発揮するよう調整。同プリンターは型枠を要さず成形ができ、従来手法では難しかった複雑な形状も造れるなどの長所がある。
その真価を見るべく、見学会後は同協会主催、同事務所後援で地域ふれあいイベント「建設用3Dプリンターで作る『みんなのベンチ』」も実施。見学会会場の最寄りにある錦富学童保育所や串本学童保育所の児童約60人を対象にし、文字「インフラDX」を内包した構造物を同プリンターで造る様子の見学やデザイナーと一緒に装飾をして仕上げる体験を提供した。
このベンチは硬化した後、会場最寄りにある木下建設株式会社設置の現場の駅へ置き実際に利用してもらうという(19日以降設置予定)。
見学会に立ち会った同事務所の本田明副所長は、技能者の高齢化や若手離れによる人手不足の課題解消策としての期待感を述べつつ「参加いただいた皆さまのこれからの進歩の一助になれば」とコメント。
同協会の栗山重信参与は「県内でもインフラ維持は必要で、その担い手は災害時の対応力にも結び付く。協会としては何とか人材に来てほしいという思いで、そのためには若手の3K(きつい・危険・汚い)のイメージを変える安心安全な技術が不可欠」と話し、その一助として今回紹介した技術の今後の普及を将来に思い描いた。
(2022年12月20日付紙面より)
国際平和ポスター・コンテスト (勝浦LC )
ライオンズクラブ国際協会の第35回国際平和ポスター・コンテストで、那智勝浦町立宇久井小学校(芝﨑勝善校長)の西村和真君(6年)が最優秀賞を受賞した。16日には勝浦ライオンズクラブ(勝浦LC)の岡本英博会長と岡鼻崇奉仕委員長が同校を訪れ、賞状と記念品を手渡した。
同協会は子どもたちに平和について考えてもらおうと全世界のライオンズクラブを通じてコンテストを実施。地域社会の子どもたちと平和、寛容さ、国際理解を協調し、平和の大切さと意味を独創的に表現する機会を得ることを目的としている。
今年のテーマは「思いやりのあるリーダーになろう」。勝浦LCエリアでは町内と太地町の小学5、6年生を対象に募集。同校から4点の応募があり、「独創性があるか」「テーマが表現されているか」などの観点から審査された。
西村君は「昨年に続いて今年も応募に挑戦し、小学生の最後に賞をもらってうれしいです。世界が平和になってほしいという願いを込めて描いた。中学生になっても思いを忘れず過ごしていきたいです」。岡本会長は「どの作品もテーマに沿った素晴らしいものでしたが、中でも西村君の作品は絵の色彩がよく、強い気持ちを感じた。コンテストを通して将来の世界平和に役立つ大人に成長してもらえれば」と話していた。
(2022年12月20日付紙面より)
需要期に向け目慣らし会 (那智勝浦町 )
那智勝浦町苺(いちご)生産組合(桒野稔近〈くわの・としちか〉組合長)は、クリスマスや年末年始の需要期出荷に向け16日、同町南大居のJAみくまの太田営農センターで、和歌山県オリジナル品種のイチゴ「まりひめ」の目慣らし会を開いた。イチゴ生産農家や、みくまの農業協同組合らが参加し、イチゴの品質などについて意見を出し合った。
「まりひめ」は東牟婁地方を代表する特産品で、那智勝浦町の太田地区が主要産地。果実は大きめ、甘味が強く酸味もほどよい。
例年12月初旬から翌年の5月ごろにかけて出荷。公設市場を通して近隣のスーパーなどで販売される。昨年は4パック入り約1万6036ケースが出荷された。
目慣らし会はケース詰め基準の統一と等級の確認を目的に、イチゴの出荷が本格化し始める時季に開催している。
はじめに桒野組合長は「昨年は1週間早く目慣らし会を行ったが、今年は台風があったため定植が遅れ、出だしが遅い。寒波の影響も不安要素の一つ。年末にかけて忙しくなると思うので、皆さん頑張ってください」とあいさつし、感染症対策も呼びかけた。
その後、生産農家や職員らが真剣な表情で、同センターに集まった146ケースのイチゴを確認し合った。
桒野組合長は「寒い時期のイチゴは甘い。ぜひ、おいしい『まりひめ』を味わっていただけたら」と語った。
同組合は1971(昭和46)年に結成され、昨年設立50年を迎えた。現在、生産農家は10世帯約20人おり、今年も新規就農者が増えたという。
(2022年12月18日付紙面より)
クリスマスを前に、新宮市徐福のJR新宮駅前の広場で華やかなイルミネーションが点灯した。駅前の花壇を管理する美化里親ボランティア団体「はなはなきっさこ」(上廣正幸会長)が設置したもので、下校途中の高校生たちがベンチに並んで写真を撮るなど、にぎやかな雰囲気となっている。
市社会福祉協議会の「MACHI(まち)サポート募金」の助成金と新宮ロータリークラブ、JR新宮駅、新宮観光協会が寄付をして協力した。
設置期間は1月中旬まで。駅に到着する最終電車に合わせて午後5時~午前0時に点灯しており、同会は「毎年工夫しながら飾り付けをしており、クリスマスや年末年始に駅を利用する方々にも喜んでいただければ」としている。
「はなはなきっさこ」は現在、花壇の見守りや手入れの手伝いが可能な市内在住者を募集している。活動は週1回、1~2時間程度。向井美江副会長は「イルミネーションのときだけ学生さんにボランティアをお願いするなど、多くの方々の協力を得ながら活動を継続していく方法を考えている」と話していた。
(2022年12月18日付紙面より)
体文のイルミネーション (那智勝浦町 )
町内各種団体で構成する那智勝浦町イルミネーション実行委員会は16日、同町の体育文化会館で「第20回体育文化会館イルミネーション」の点灯を行った。各団体によって設置されたイルミネーションは、町の冬の夜を美しく彩っている。来年1月9日(月・祝)まで。点灯時間は午後5時~10時。今月24日(土)、25日(日)は午前0時まで。
例年は点灯式が開催され、出席した園児らが歌や演奏を披露して盛り上がる人気の催し。
おととし、昨年に引き続き今年も、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から点灯式は実施しなかった。点灯初日から見物や写真を撮影する家族連れなどの姿が見られた。
イルミネーションは▽勝浦手話サークル“ちゃお”▽那智勝浦町建設業組合▽勝浦金融協会▽南紀勝浦温泉旅館組合▽那智勝浦町職員互助会・職員組合―の5団体がそれぞれ、10日と13日に飾り付けた。
同町観光企画課の担当職員は関係団体の協力について「前向きな熱意を持って継続していただいている。本当にありがたい」。
来場者については「町では、体育文化会館を町民が集える場所にするために事業を進めており、イルミネーションもその趣旨にのっとった形となる。町内外の多くの皆さまにお楽しみいただければ幸いです」と話している。
(2022年12月18日付紙面より)
ゆうゆうクラブ女性部が音楽体操 (新宮市 )
新宮市ゆうゆうクラブ(老人クラブ連合会)女性部(石原千里部長)は16日、市役所別館で令和4年度健康づくり教室「予防のための楽しい音楽体操」を開催した。会員約90人が参加。講師の宇都宮惠美さんに教わりながら、音楽に合わせて体を動かした。
女性部が毎年実施している恒例の取り組み。夏ごろの開催を予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大状況を鑑み、長らく延期となっていた。
この日は、感染予防のため1時間交代の2部制で実施。太地町を拠点にピアノやリトミック指導をしている宇都宮さんに講師を依頼した。音楽体操は簡単な手指体操で体の固まりをほぐすとともに、歌うことで脳の血行促進になり、感情の放出やストレス発散の効果も期待できるという。
宇都宮さんは「短い時間ですが皆さんと楽しいひとときを過ごせれば」とあいさつ。参加者らは「お嫁においで」「マイムマイム」「きよしのズンドコ節」などの楽曲に合わせながら、ボールを使った体操や歌唱を通した脳トレなどに挑戦。和気あいあいと体を温めていた。
参加者に「今日はストレスを発散するつもりで頑張って」と呼びかけた石原部長。「こんなときしか集まることができない。久しぶりの開催なので多くの人が参加してくれた。実施に当たっては副部長の河原良子さん、幹事の松尾由美子さん、田中ミチコさん、和田町子さんらが尽力してくれた。近況報告など、交流を深めるいい機会になったと思う」と話していた。
(2022年12月18日付紙面より)
新翔高で3年ぶりの七海祭 (新宮市 )
新宮市佐野の県立新翔高校(藤田勝範校長、生徒298人)で15日、3年ぶりとなる文化祭「七海祭」が開かれた。生徒たちはステージ発表や有志パフォーマンス「新翔ソニック」で歌や劇、ダンスなどを繰り広げた。
開会式で生徒会長の天野琉星さん(2年)が「3年ぶりの開催で前年の反省や経験ができず不安もあるが、楽しむことが最優先。七海祭ができることに感謝し、全員で一丸となって盛り上げていきましょう」とあいさつ。藤田校長は「以前とは違い1日のみの実施となりますが、催せることができたのが喜びです。感染対策を施しながら楽しんで」と呼びかけた。
ステージ発表では、吹奏楽部が▽学園天国▽千の風になって▽ハナミズキ▽宝島―など全7曲を演奏。1年2組による劇「犯人は誰だ」や2年3組の映画上映とダンス「私たちの教室は今」、2年2組の「ダンスメドレー」なども行われ、鑑賞していた生徒や教職員から大きな拍手が送られた。
他にも校内では書道部や写真部、美術部、文芸部、建設技術部、防災デザイン、服飾手芸による作品展示があった。お菓子、木製コースターや同校育友会のポップコーン販売もあり、にぎわいを見せた。
(2022年12月17日付紙面より)
糖尿病啓発や地域に元気を (勝浦ライオンズクラブ )
今期60周年を迎える勝浦ライオンズクラブ(勝浦LC、岡本英博会長)は現在、那智勝浦町築地の同事務所入り口にマグロなどのイルミネーションを設置し、周囲を鮮やかに彩っている。
11月中旬に飾り付けされたマグロのイルミネーションは世界糖尿病デーのブルーライトアップ活動の一環。世界糖尿病デーは、世界でも有数な疾患啓発の日と知られている。
糖尿病は世界規模で取り組むべき重要な健康課題とされ、各地で予防、治療、療養を喚起するブルーライトアップや講演会などの啓発活動が行われている。
マグロのイルミネーション以外の飾り付けはコロナ禍によって、低迷した地域の活気を取り戻したいという願いも込められている。会員が協力し、今月取り付けた。
岡鼻崇奉仕委員長は「コロナ禍で地域の観光や商業などが活気を失い、低迷している。イルミネーションを見て、町内外の皆さまに元気になっていただけたら。また、勝浦LCが今期60周年を迎えた。会員一同、気持ち新たにさまざまな活動に取り組んでいきたい」と話していた。
イルミネーションは暗くなった時点で点灯し、午後10時に消灯し、来年1月中旬まで行われる。
(2022年12月17日付紙面より)
新年を前にホームに設置 (JR新宮駅 )
新宮市徐福のJR新宮駅(坂本純一駅長)は15日、熊野三山の絵馬を駅構内1番ホームに設置した。
熊野速玉大社、熊野本宮大社、熊野那智大社の「癸卯(みずのとう)」の絵馬が並び、利用客たちを出迎えている。絵馬は、各大社の宮司が直筆した。駅員たちは▽速玉大社・徒歩20分▽本宮大社・バス約1時間▽那智大社・紀伊勝浦駅下車・バス約30分―と下車後の所要時間が書かれたそれぞれの台に、落下や傾きに注意を払いながら慎重に固定していった。利用客らは一足早く登場した絵馬を写真に収めていた。
坂本駅長は三山の授与に感謝し「新宮駅に訪れるお客さまが旅行の記念に絵馬を撮影する姿を目にして気持ちが穏やかになります。来年は、うさぎ年にちなんで多くの皆さんにとって飛躍の年になってもらえれば」と話していた。
(2022年12月17日付紙面より)
紀州勝浦漁協がイセエビ奉納 (熊野那智大社 )
那智勝浦町那智山の熊野那智大社(男成洋三宮司)で16日、紀州勝浦漁業協同組合(片谷匡代表理事組合長)によるイセエビの奉納があった。和歌山県漁業協同組合連合会の額田浩事務局長や同連合会勝浦市場の𠮷村泰治参与らが参列。地元産イセエビ「南紀黒潮イセエビ」10㌔を神前にささげ、海上安全や大漁、地域の発展などを祈願した。
県漁連によると、今年の漁獲量は、例年の半分だった昨年の3分の1程度で、不漁だという。磯焼けや温暖化などの影響も要因の一つではと話していた。
額田事務局長は「来年こそは、町の漁業者さまはもちろん、市場に関係する漁業者の皆さまが安全に操業でき、大漁で喜ばしい一年になるようにと祈願しました」。
男成宮司は奉納や日頃の協力に感謝を述べ、「水産業を取り巻く環境は厳しい。そういった状況の中ですが、町や日本の水産業のためにご尽力を頂ければありがたいです。来年はうさぎ年。皆さまにとって飛躍の年であることを祈念しております」と語った。
(2022年12月17日付紙面より)
新宮グラウンドゴルフ同好会
第15回新宮ジュニアレスリング大会
【第56回】年越しそばで食育を!
年の瀬が迫り、バタバタと慌ただしい日が続きますね。この時期は、毎年わが家も、子どものスケジュールと仕事のスケジュールに忙殺されているように思います。さて、今回は「年越しそば」のお話をしたいと思います。
大みそかに食べる「年越しそば」。行事食として毎年当たり前のように食べますが、なぜ食べるのかというと、その由来は幾つも説があるのです。最も一般的なのは「そばのように細く長く、長寿や繁栄が続くように祈る」というものです。これはよく聞きますよね。でもその他にも幾つかあります。一つは金銀細工師が、散らばった金粉をそば団子を使って集めたことから、「金を集める」とされているという説。そばは、かみ切りやすいことから、「苦労や悪縁を断ち切る」という意味もあるといわれています。また、そばは打つことから「相手を討つ=勝つ」という意味もあります。こうして挙げてみるとどうでしょう、とても縁起は良さそうですが、どうにも曖昧な感じがしますよね。
日本の行事食は、おせち料理もそうですが、こういった半ばこじつけのような縁担ぎの意味を持たせたものがたくさんあります。そこで、私は行事食に「縁起のいいこじつけをプラスする遊び」をお勧めしています。これは作るときでも、お買い物をするときでも、食べるときでもいいのですが、お子さんと入れる具材などを一緒に考えるのはいかがでしょうか? 例えば、お子さんが「エビを入れたい」と言ったら「エビにはどんな意味があるかな?」と考えてもらうのです。エビは、おせち料理には「腰が曲がるまで長生きできるように」などと言いますよね。わが家では「とろろ昆布を入れたい」と娘が言ったことがあり、一緒に意味を考えた結果「粘り強く立ち向かえるように」ということにしました(笑)。他にも、サツマイモの天ぷらを入れる理由は、天ぷらは揚げているから「運気が上がるように」という意味にしました。
正直、子どもが考える意味はなんでもいいのです。ここで大切なのは「日本の行事食には、そういった縁起の良いものを食べるという意味がある」ということを理解してもらうことです。ゲーム感覚で食べる意味を考えることで、行事食への理解が深まると思います。そして、意味を考えながら食べると、普段食べないものも食べてくれたり、その具材に興味を示すきっかけになったりもします。おせち料理もその意味を話しながら食べるのはお勧めですが、おせちはある程度入るものが決まっているので、なかなかアレンジは難しいですよね。でも、年越しそばは具材が決まっているわけではないので、こういった遊びをするにはもってこいだと思います。
年末年始は行事食がめじろ押しで、食育にはうってつけの時期でもあります。手をかけて作るのも、最高の食育ですが、行事食の話をするだけで、作らなくても食育は簡単にできます。ぜひ、この機会に日本の伝統食の意味を、楽しく教えてあげてください。
(2022年12月17日付紙面より)
「個々の力だけでなく、チーム力や総合力を持って、粘り強く力強く、皆さまと共に進んでいく年に」。田辺市本宮町の熊野本宮大社本殿で15日、恒例の一文字揮毫(きごう)があり、白装束にたすき姿の九鬼家隆宮司が渾身(こんしん)の「力」を書いた。
新年への願いを込め九鬼宮司が書き始めて15年目を迎える。今年は主祭神である家津美御子大神(けつみみこのおおかみ)(素戔嗚尊〈すさのおのみこと〉)を祭る証誠殿前で行われた。
縦横約3㍍の白い布を前に精神統一を図った九鬼宮司は、長さ1・3㍍の大筆で一気に書き上げた。「令和五年癸卯(みずのとう)」と記し、最後に朱印を押すと、見守っていた参拝者らから大きな拍手が起こった。
前日に字を決定したという九鬼宮司は「日本を閉塞(へいそく)感が覆い、新型コロナウイルス感染症も押し問答が続く中、ワールドカップで見た『チームの力』は多くの世代の人々に元気と力を与えてくれた。来年は世界遺産登録20周年の年でもあり、飲食業や観光業など地域が一体となり、地域力を持って進んでいきたい。癸卯はさまざまな準備が完了し、新たに動き出す年を意味する。参詣者の皆さまが力を受け取り、気持ちを新たにそれぞれの目標を達成されることを願っている」と祈念した。
大阪府から参拝した津田あゆこさんは「ちょうど仕事でチーム力を持って取り組んでいこうというタイミングだったこともあり、非常に感動した。背中を押され、勇気をもらった気持ち」と話す。
書は年内に神門前に掲げる。同大社では大しめ縄と大絵馬のかけ替えや干支(えと)色紙などの縁起物制作といった迎春準備が着々と進んでおり、年内の「幸先詣(さいさきもうで)」で訪れた参拝者らへの授与も始まっているという。
(2022年12月16日付紙面より)
ロケット土産商談会始まる (串本町 )
串本町西向にある旧役場古座分庁舎で14日、「ロケット土産展示商談会(お土産品展示・受注・相談会)」が始まった。16日までの実施で、午前10時~午後4時に随時来場を受け付ける。
この商談会は、串本町商工会と南紀串本観光協会主催、南紀くろしお商工会と那智勝浦観光機構後援。民間ロケット射場「スペースポート紀伊」からの打ち上げに向け開発や販売が進む商材やその足掛かりとなっている串本町や那智勝浦町のロケットロゴなどとの接点をつくる場として、串本ライセンス管理事務局(株式会社USPジャパン内)が主管となり計画した。
今回は28社計56点の出展があり、ロケットロゴをあしらった菓子類の土産物からご当地グッズ、ロケットにちなんで開発した独自商材などがそろう。土産物関係の事業者やそのバイヤーが同事務局のスタッフや開発者の説明を受け、受注可能な商材については商談も進んでいるという。初日終盤には串本町議会の議員団9人も会場を視察。同事務局の新津研一さん(株式会社USPジャパン代表取締役)から現在の商材体制について説明を受け、「こんなに商品がそろっているとは知らなかった」と目を見張りながら一品一品を確かめるなどした。
ロケットロゴを活用するなどして打ち上げの見物客との接点を自らつかみにかかる気持ちを高め、その裾野をさらに広げることがこの商談会実施の狙い。どのように開発を進めればよいかといった相談にも応じていて、きっかけとなるロケット「カイロス」の紹介や那智勝浦町側の公式見学場からの眺望に似たロケット「イプシロン」打ち上げの動画上映もして意欲を後押ししている。
この商談会は参加無料。問い合わせは同事務局(電話0735・70・1352)まで。
(2022年12月16日付紙面より)
平野英之さん「6年後の七段目標」
真剣を一振り。空気を切り裂く鋭い刃鳴りが辺りを包む。「振り方が悪いと音が出ない」、80歳にして居合道六段に合格した平野英之さん=御浜町阿田和=はそう話す。
足立区民体育館(東京都)で11月27日、全日本剣道連盟居合道部が主催する居合道の昇段審査に挑んだ。約230人が受験し、合格率37%ほどの狭き門を突破して三重県で唯一の合格者となった。
六段は五段合格から5年後以降に受験資格が与えられ、12の形のうち、六つを審査直前に言い渡される。「6月に審査があったが、手術のため断念した。10㌔ほど痩せて大変だった」と振り返る。
木本高校時代は剣道に青春をささげ、故奥川金十郎範士から学んだ。居合道は知り合いに誘われて62歳で出会った。
現在は、紀南剣道連盟居合道部に所属。阿田和公民館で週2回、居合道と向き合っている。メンバーは熊野市、御浜町の40~80代4人で、全員が有段者。審査に向けて9月から毎週2回、津市や四日市市まで出向いて稽古に励んできた。
「稽古から真剣を用いている。居合道は仮想の敵と戦うもので人格、人間性が問われる武道。人間形成の基本」
その一振りから、これまでの鍛錬が伝わる。「七段は6年間の修行が必要で、86歳で審査を受けることが目標。同年代の励みになると思う」と笑顔も見せた。
(2022年12月16日付紙面より)
3年生39人が人権学習 (近大新宮 )
新宮市の近畿大学附属新宮中学校(池上博基校長)で12日、人権学習があった。3年生39人が耳の聞こえない人々の日常生活や「障害」の捉え方について学んだ。
新宮市聴覚障害者協会の須川陽一会長が来校し、社会福祉法人美熊野福祉会の大代聖子さんの通訳を交えて講話。須川会長は最初に「皆さんも大きくなってから事故で耳が聞こえなくなったり、耳が不自由な人と出会ったりするかもしれない。『自分には関係ない』ではなく、みんな同じ人間で、自分も関係あることと思って聞いてほしい」と呼びかけ、和歌山ろう学校での経験や自身の思いを語った。
日常生活について▽電車が遅延したときに車内放送では理由が分からない▽宅配便の不在票に電話番号しか書かれていない▽防災無線が聞こえない―などさまざまな困難がある一方、聴覚障害者でも医師や看護師、薬剤師の資格が取れるようになるなど社会の変化が進んでいる現状を述べた。
大代さんは障害の捉え方について「個人の身体機能に障害があると捉える『医療モデル』から、障害は社会の仕組みの不備によるという『社会モデル』の考え方に変わってきている。耳が聞こえなくても、手話通訳などの合理的配慮があれば、聞こえる人と同じ生活が送れる」と語った。
打越一羽さんは「学童クラブで体の不自由な方と接したことがあるけれど、障害があっても関係なく生活できる社会になってきていると思う。ドラマ『silent(サイレント)』の影響もあり、手話に興味を持っていたので、南紀手話サークル虹に行ってみたい」と話していた。
(2022年12月16日付紙面より)
青岸渡寺で大すす払い (那智勝浦町 )
那智勝浦町那智山の西国第一番札所である那智山青岸渡寺(髙木亮英住職)で14日早朝から昼ごろにかけて、1年間のほこりを払い清める年末の大すす払いが行われた。寒風吹きすさぶ中、髙木住職や髙木智英副住職、寺の職員が総出で世界遺産の本堂や鐘楼、山門などの清掃に取り組んだ。
職員らは協力してササの葉を先に付けた長いタケを使い、天井などにたまったほこりを落とした。
重さ450㌔、直径1・4㍍、大きさでは日本一といわれている本堂につり下げられた豊臣秀吉寄進の大鰐口(おおわにぐち)は職員がはしごに乗って、丁寧に清めた。
この日、寺が清められる様子を見物したり、写真に収めたりする参拝客の姿も多く見られた。
髙木住職は「今年もさまざまな災いや暗いこともあった。恒例となった大すす払いは1年のちりやほこりを払うもの。願わくは、皆さまの心のちりも合わせて落としたい」。
新年については「来年はうさぎ年。飛躍の年であるとともに、明るく朗らかで平和な1年であることを祈っております」と語った。
(2022年12月15日付紙面より)
個人ボランティアと初の交流会 (紀宝町 )
紀宝町ボランティア・市民活動センター「きぼらんせ」(神園敏昭運営委員長)は、町福祉センターで個人ボランティア(個人ボラ)との交流会を初開催した。
個人・団体のボランティア・市民活動の連携、発展を目指す組織で、本年度は88団体と個人合わせて3949人が所属している。
個人ボラは2011年の紀伊半島大水害のボランティア活動を契機に誕生し、矢渕中学校花壇の整備、キホッチョ農園の苗植え、収穫作業などに取り組んできた。
交流会は、個人ボラを招き、興味のある活動や参加しやすい取り組みなどを聞き、今後の運営に生かすことが狙い。
13人が参加し、個人ボラのこれまでの活動を紹介した後、4、5人1グループで「こんな活動してみたい! 興味がある!」などをテーマに意見交換した。
「新しいことは何でもやりたい」「知らない人には連れて行ってあげたい」「ボランティアはゆとりが必要。働いている人が多いので仲間を増やすことが大変」「継続した取り組みが必要」などの他、「バス停の時刻表が破れている。来訪者のためにも直す活動をしたい」「困っていても手を挙げられない高齢者が多い。そういった人を拾い上げる活動は」など具体的な意見もあった。
今回集まった意見は今後、きぼらんせの運営委員会で協議するという。
(2022年12月15日付紙面より)
中江美則さんが講演 (新宮市 )
新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」で11日、新宮警察署主催の「新宮ハートフルコンサート~交通事故防止の願いを込めて~」が行われ、特別講演では、犯罪更生保護団体ルミナ代表の中江美則さんが「亀岡集団登校交通事故から10年~深まる苦しみ…ひろがる傷口~」を演題に講話した。
2012年4月に京都府亀岡市で発生した、未成年者の無免許運転による集団登校児童死傷事故で妊娠中の娘・松村幸姫さん=当時(26)=を亡くした中江さん。
悲惨な被害者を生み出さないためには加害者を生み出さないことが大切との思いから「犯罪更生保護団体ルミナ」を設立。警察署や刑務所、保護司会などからの依頼を受け、講演活動に取り組んでいる。
講演に先立ち、紀南交通事故被害者の会の中岡貴恵代表が、中江さんと知り合うきっかけについて紹介。中岡さんは、2018年12月14日、紀宝町鵜殿の六反田交差点付近の県道で発生した交通事故で、母親の中尾叔子さん=当時(85)=を亡くしている。
中岡さんは「遺族自身、当時を振り返ることは苦しいことだが、伝えていくことで交通事故がもたらす苦しみの深さを知っていただき、被害者にも加害者にもならないための意識をより一層持っていただければ1件でも事故がなくなり、救える命があるのでは」と訴えた。
中江さんは、約10年前の事故当時について「想像できない痛みと恐怖で幸姫が苦しんでいる。医師に対して楽にしてあげてほしいとしか言えなかった」。加害者に対して「愛する家族を地獄に落とした。憎まずにはいられなかった」と回顧した。
幸姫さんが死去した翌日、幸姫さんの携帯電話に加害者の父親から電話がかかってきたこと、電話番号が漏えいしていたこと、自身が受けた誹謗(ひぼう)中傷や嫌がらせ、加害者に対する復讐(ふくしゅう)の思いが芽生えたこと、裁判の様子、無免許運転の厳罰化を求める活動などにも言及し「一般市民がこれだけの短時間で経験するのかと、自分の人生を疑うばかりだった。信じられないことが次々と家族に襲いかかった」などと振り返った。
「苦しみの毎日の中で周りの人たちに助けられたこともあった。元犯罪者たちとの出会いが自分を少しずつ変えてくれた」と述べ、犯罪更生保護団体を設立した経緯や受刑者らとの関わりについて紹介。「僕たちのような被害者をこれ以上増やしてほしくない一念でやっている。被害者遺族の苦しみを知ることで再犯者をつくらせない活動の取り組みが、犠牲者を生まないことにつながる」。
「幸姫はこの世で幸せになれなかったが弱い者たちを見守る姫にしてあげたい。生きた証しをつくってあげたい」と述べ「新宮市には被害者に寄り添ってくれる議員さんもいる。新宮署の方々の優しさにも触れさせていただいた。命のメッセージが、犯罪抑止のための実りとなることを願っています」と語った。
(2022年12月15日付紙面より)
宇久井小学校で巡回公演 (那智勝浦町 )
那智勝浦町立宇久井小学校(芝﨑勝善校長、児童178人)で13日、日本の伝統芸能である能楽のコンサート「囃子堂(はやしどう)」が開かれた。一般社団法人京都能楽囃子方(のうがくはやしかた)同明会の谷口正壽(まさとし)さんら5人が来校し、謡(うたい)、笛、小鼓、大鼓、太鼓による迫力の演奏で児童を圧倒した。
文化庁の「令和4年度文化芸術による子供総合育成事業」の巡回公演。能楽は日本で最初に登録された国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産。同会は能楽の学校公演や体験教室を通じて能楽の魅力や、あいさつ、道具を大切にする心を伝える活動を継続している。
開演に当たり谷口さんが「能楽は600年前に生まれた日本のミュージカルで、演劇や舞、音楽によって成り立つ総合芸術。江戸時代には武士の正式な芸術となったため、武士が大切にした価値観が反映されている。能楽ばやしには四つの楽器と謡しかないが、30人のオーケストラをしのぐ力がある」と語り、それぞれの楽器の特徴を解説した。
龍神が登場する場面で演奏される「早笛」や天狗が空高くを飛んでいる様子を表現した「大癋(おおべし)」などを披露すると、児童たちはじっと聞き入っていた。
五穀豊穣(ほうじょう)を祈る「三番三(さんばそう)」では、前日のワークショップで小鼓、大鼓を練習した4~6年生の中から18人が共演。掛け声に続けて、力強く小鼓と大鼓を打っていた。
(2022年12月15日付紙面より)
船頭や語り部が救助訓練 (熊野川川舟センター )
川舟下りや瀞峡めぐりを実施している、新宮市熊野川町田長(たなご)の熊野川川舟センターは13日、新宮市消防署熊野川消防出張所の協力のもと、センター下の熊野川河川敷などで、川舟救助訓練を実施した。センター職員や船頭、語り部の11人が参加、水難事故発生時の対応法を学んだ。
川舟下りと瀞峡めぐりは、3月初めから11月末までをシーズンとしている。現在はシーズンオフであることに加え、4月に北海道の知床遊覧船沈没事故が起こったこともあり、訓練実施となった。消防を招いての訓練は2007年以来となる。
訓練実施に先立ち、山口博巳・市消防署副署長兼消防出張所長があいさつ。「今日の訓練は不測の事態に備え、初動や救助の方法を確認するもの。通報しても川の中まで消防が到着するのに時間がかかる。救助には初動が大事となる。一番良い方法を、意見を聞きながらつくりあげたい」と話した。
センターの待合室で、消防職員による講義があった。増水予測や天気予報確認、安全装備の点検の重要性などを語った。新型コロナウイルス感染予防対策についても言及。携帯電話を使った緊急通報の際の注意点も指摘した。実際に参加者と消防で、携帯電話の使用を想定した通報訓練も実施した。
この後、河川敷での訓練を実施。消防の説明を受け、参加者が救命ロープを投げたり、落水者に見立てた人形を船上に引き上げたりした。参加者はいずれも、懸命に取り組んでいた。
センター職員の向井地一成さん(69)は「これを機会に、さらなる安全運航に努めたい。実際にやってみると違う。語り部さんが救命ロープを投げたりする機会もなかなかないので良かった。運航シーズン前にもまたやってみたいと思う」と話した。
(2022年12月14日付紙面より)
潮岬で合同津波避難訓練 (串本町 )
串本町の潮岬地区で12日、合同津波避難訓練があった。社会情勢を考慮し今回も規模縮小でこども園、小学校、中学校の高台避難のみ実施。自主防災会が避難路となる道路の交通安全を確保する中、園児、児童、生徒と教職員約300人が一斉に最寄りの高台へ駆け上がり、逃げる意識を高めるなどした。
この訓練は、日頃高台で過ごしていることでとりわけ将来を担う子どもたちの津波緊急避難意識が薄れないよう、自主防災会がこども園、小学校、中学校に働きかけ基本年2回の頻度で前半に津波避難訓練、後半に防災学習の2部構成で合同実施している。
最近は新型コロナウイルスの情勢により昭和東南海地震(1944年12月7日午後1時36分ごろ発生)や昭和南海地震(1946年12月21日午前4時19分ごろ発生)の期日に近い日程で年1回、前半の高台避難のみと頻度や内容が縮小しているが、肝心の同意識だけはつなぎ託さなければという思いで子どもたちの実践機会を保っている。
今回は午後1時30分にマグニチュード9、震度7の大揺れを伴う地震が発生した想定で同訓練を開始。園児、児童、生徒と教職員は津波浸水が予想される低地にいると前提して揺れから身を守る行動をし、以降担任の指示を受けて最寄りの高台(=旧測候所横駐車場)へと駆け上がった。
こども園、小学校、中学校から高台までの避難路は終盤が一本道となっていて、その入り口で殺到。足の速い生徒は園児と児童を誘導して先に行かせ、その後を一丸で追従した。高台に着いたらすぐに人数を数えて全員の避難完了を確認して行動を終了した。
今回は新宮警察署串本分庁舎警備係から実際に起こったときには自分で考えて命を守らなければならないと意識付けを受け、園児、児童、生徒を代表して潮岬中生徒会の西悠斗会長(2年)は「訓練を通じて実際に災害が起こったときにどのような行動を取らなければいけないかが実感できた。常に平静を保ち、自分たちの命を守るような行動を心がけられたらいいなと思った」と述べて締めくくった。
(2022年12月14日付紙面より)
紀宝町消防団が礼式訓練
紀宝町消防団(逢野統一団長)は11日、町深田運動場で礼式訓練を実施。団長、副団長と1~4分団の団員71人が来年1月3日(火)の消防出初め式に向けて服装点検や機械器具点検、行進などに取り組んだ。
出初め式は毎年、町生涯学習センターで式典を開催し、各表彰の後、鵜殿運動場で通常点検を行っている。昨年と今年は新型コロナウイルスの影響で式典だったが、来年は3年ぶりに通常点検を実施する。
訓練には各分団の車両も出動。人員報告の後、逢野団長が「出初め式に向けて小隊編成、服装点検、機械訓練など一連の流れで進めていく。1月3日には訓練の成果を発揮できることを期待している。訓練を通して消防団員としての士気を高めてもらいたい」とあいさつした。
訓練は熊野市消防署紀宝分署の署員から指導を受け、号令に合わせて整列や敬礼などを繰り返し、団員行動を確認した。小型ポンプ操法、旗手訓練などにも取り組み、出初め式に備えた。
西田健町長も参加し「町、消防団などが一体となって安全・安心の確保に向けて、皆さんと一緒に住みよい町づくりを進めていきたい」と激励した。
(2022年12月14日付紙面より)
ロケットの懸垂幕を設置 (那智勝浦町 )
那智勝浦町は12日、役場庁舎2階(駐車場側)にロケットのイラストが描かれた同町オリジナルの懸垂幕を設置した。
懸垂幕は串本町田原にある民間小型ロケット発射場「スペースポート紀伊」の来年2月の初号機打ち上げに対しての応援や町民への広い周知、興味を持ってもらうことなどを目的としている。
本来は懸垂幕だが、縦向きでの庁舎への設置が難しいことから、横断幕仕様で設置した。
那智勝浦町と串本町は、ロケット打ち上げに対しての機運醸成を図るために、展示やワークショップなどの催しからなる合同企画の「宇宙ウィーク2022」を10月に開催している。
同日午後、新宮市の新宮看板広告が懸垂幕を設置。町によると、よほどの強風でない限りは常時設置しているという。
堀順一郎町長は「打ち上げ自体は来年2月に延期となったが、ロケット発射は地域の活性化につながる。町民の皆さまにロケット『カイロス』の存在や、発射が迫っていることを知っていただきたいと思い設置した。機運を高めていければ」と話していた。
(2022年12月14日付紙面より)
近大和歌山サッカー部・畑下葵主将 (那智勝浦町出身 )
熊野三山小学生バレーボールフェスタ
ハートフルコンサートに600人 (新宮市 )
新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」で11日、「新宮ハートフルコンサート~交通事故防止の願いを込めて~」があった。約600人が来場し、和歌山県警察音楽隊と「自転車マナーアップ推進リーダー」に委嘱を受けている県立新翔高校ブラスバンド部のコンサートや犯罪更生保護団体ルミナ代表の中江美則さんによる特別講演、「生命のメッセージ展」を通して交通事故防止や命の大切さを再確認する機会とした。
「被害者を生み出さないためには加害者を生み出さない」「交通事故防止」「交通事故をゼロにする」という強い思いを、音楽を通して地域住民に訴えかけることを目的に「犯罪被害者週間」(11月25日~12月1日)、「わかやま冬の交通安全運動」(12月1~10日)の一環として開催。
新宮警察署(田原正士署長)が主催し、新宮市、紀南交通事故被害者の会(中岡貴恵代表)が共催、JAみくまのや交通安全協会新宮支部などが協力した。
開催に当たり、田原署長は「車両は便利な乗り物だが、走る凶器にもなり得ることを認識していただき、交通ルールを守り安全運転に努めることの重要性をいま一度考えるとともに、身近な人に伝えていただくことにより、交通事故を一件でも減らす一翼を担っていただければ」とあいさつ。田岡実千年市長は「講演や生命のメッセージ展を通して、改めて命の大切さや尊さについて学びを深めていただければ」と呼びかけた。
コンサートは、新翔高校ブラスバンド部による「学園天国」で幕開け。続いてアニメ曲2曲を演奏し会場を盛り上げた。県警音楽隊は「刑事ドラマ集」などで迫力ある音を響かせた。
講演では、2012年4月に京都府亀岡市で発生した、未成年者の無免許運転による集団登校児童死傷事故で妊娠中の娘・松村幸姫さんを亡くした中江さんが「亀岡集団登校交通事故から10年~深まる苦しみ…ひろがる傷口~」を演題に話した。
同校と県警音楽隊の合同コンサートでは、幸姫さん、交通事故で命を落とした中岡代表の母・中尾叔子さんの思い出が詰まった「ハナミズキ」「千の風になって」「春よ、来い」などを演奏。会場は大きな拍手で包まれた。
開催に先立ち被害者の会と新翔高校に対し、JA共済の漆畑繁生・JAみくまの代表理事組合長からのぼり旗が贈呈された。
(2022年12月13日付紙面より)
ベンチ4脚を那智大社に奉納 (那智勝浦町 )
「ふるさとに恩返しができれば」。そう話すのは那智勝浦町二河出身で岐阜県在住の山本久和さん(76)だ。山本さんは10日、同町の熊野那智大社(男成洋三宮司)にスギ製のベンチ4脚を奉納した。神事後、ベンチは参拝者らが休憩をする長生殿に設置された。
山本さんは町立旧三川小学校、那智中学校を経て、自動車整備士の道へ進む。その後、20代で岐阜県に移住し、整備士として仕事に励んできた。
2011年に発生した東日本大震災や紀伊半島大水害に胸を痛め、両所でボランティア活動に従事してきた。
活動を終えて自宅に戻ってからも、被災地のためにできることはないかと頭を悩ませていた際に、知人からスギやヒノキの原木を譲り受けた。
その時、原木を利用したベンチの寄贈がひらめいたという。すぐさま、製材所で原木を板状に切断してもらい、作業に取りかかった。
手先の器用さから、ベンチ作りは苦ではないと山本さんは話す。その腕前は5脚を半月で作り上げるほどで、作製しては被災地を中心に寄贈し続けた。
ベンチは今回の寄贈をもって134脚に上った。これまでにも、同大社や町役場、にぎわい市場、那智山青岸渡寺、補陀洛山寺、太地町などにも寄贈している。
男成宮司は「長い階段を上がって神社に来られる参拝者の皆さまが休憩される際に重宝する。度々、ご奉納を頂きまして、本当にありがとうございます」と感謝を述べた。
山本さんと幼なじみで、寄贈に同行した同町狗子ノ川の塩﨑いつ子さんは「ベンチを作って寄贈を継続することはなかなかできないこと。本当に立派だと思います」と話した。
山本さんは「年齢を重ねてもふるさとはふるさと。整備士をやっていると物の仕組みが分かる。自分にできることで地域に貢献したい」。
今後については「150脚で、ベンチ作りは一区切りしたいと考えている。地元の方や観光客の皆さんに使っていただけたらありがたいです」と笑顔で語った。
(2022年12月13日付紙面より)
水中サンタの水槽お掃除 (串本海中公園 )
串本町有田にある串本海中公園センター水族館(森美枝館長)で11日、年末恒例の趣向「水中サンタの水槽お掃除」が始まった。
館内Aゾーンにある串本の海大水槽(縦横約6㍍、水深約3㍍)で週1回の頻度でしているアクリル窓の清掃作業をサンタクロースの衣装を着て行う趣向。今年はこの日と18日(日)、25日(日)の午前11時に実施すると公式ホームページを通して告知している。
この水槽は串本の海の豊かな生態系の景観をコンパクトに表現して紹介。臨場感を増すため海水と太陽光を取り入れている分、アクリル窓に藻類が付きやすく飼育スタッフがダイブしてアクリル板でこすり落とし軍手で磨いて観察しやすい状況を保っている。
初日の11日は同スタッフの佐久間夢実さんが作業を担当し、大西遼さんが来館者対応を補佐。居合わせた来館者の大半が風物詩の趣向に興味津々で、手を振ってコミュニケーションをしたり、カメラを見せて記念撮影を求めたりするなどでにぎわった。
従来あったクリスマス直前の企画「水中サンタとじゃんけん大会」は今年も休止。森館長は「この趣向を始めて10年余りになる。トピックス水槽のクリスマス展示(25日まで実施)と併せて一足早く雰囲気を楽しんでいただき、本番への期待を高めてもらえれば」と話している。
問い合わせは同センター(電話0735・62・1122)まで。
(2022年12月13日付紙面より)
クリスマス会を初開催 (三佐木蜂伏福祉委 )
新宮市の三佐木蜂伏地区福祉委員会(上廣正幸委員長)は10日、新宮市の佐野会館で、クリスマス会を開いた。約40人が参加、ゲームを楽しみ交流した。
同委員会が行うサロンの一つとして開催、初の試みとなる。当初は集まってクリスマスケーキを作り、食べる計画を立てていたが、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から予定を変更した。ケーキは少量ずつを、参加者が帰る際に渡す粗品の一つとした。
ゲームは、輪投げなど3種があった。いずれも得点を競うもので、各ゲームの3位までには景品も用意されていた。
開会に当たり、上廣委員長があいさつ。「今日は皆さんと共に和気あいあい、楽しいひとときを過ごしたい。各ゲームの1位から3位には、景品も用意している。帰りには気持ちばかりの粗品もあり、ショートケーキもある。忘れずに持ち帰りを」などと話した。
全員で「きよしこの夜」「赤鼻のトナカイ」の2曲を斉唱した後、ゲームを実施。参加者は高得点を狙って懸命に取り組み、結果に一喜一憂していた。
(2022年12月13日付紙面より)
1日平均109人が利用 (新宮市 )
新宮市の常設エコ広場が好調だ。運用を開始した10月3日から31日までの約1カ月間で2190人が利用。1日平均では109・5人となっており、31日には1日当たり最大となる181人が利用した。
市内171カ所にある通常のエコ広場の時間帯(地区ごとに異なるが、基本的に午前7時~8時)に広場に行けない人や、クリーンセンターまで行く手段(車など)がない人のため、また、資源物収集量の増加による燃やせるごみの減量化と市民の利便性向上を図ることを目的に、市役所第4駐車場内に開設。
分別品目は通常のエコ広場と同様、燃やせるごみを除く18品目で、開設日時は市役所開庁日(土・日・祝日と年末年始除く)の午前9時~午後4時。ごみの分別などの案内のために、職員1人が常駐している。
担当課によると、時間帯別では午前中の利用者が多く、休日明けに利用者が多い。また、分別品目では「その他プラスチック」「金属・金属付きプラスチック」が多い。
なお、現在のところ常設エコ広場の開設に伴う通常のエコ広場の利用状況の変化については調査中だが、日曜エコ広場の利用者は減少傾向にあるという。
今のところ常設エコ広場に対する苦情や要望などは寄せられていないが、これから年末年始を迎えるに当たり、担当課では「利用者が殺到する恐れもある。計画的に排出してほしい」と呼びかけている。
常設エコ広場の開設は、年末は28日(水)まで。新年は1月4日(水)から開始する。
(2022年12月11日付紙面より)
こども茶道教室ミニ茶会 (古座川町 )
古座川町中央公民館で4日、こども茶道教室のミニ茶会(発表会)があり受講する小学生10人が家族らに活動の成果を披露した。
この教室は伝統文化体験教室実行委員会主催、教育委員会共催。茶道を通して礼儀の大切さを学ぶ場として毎年、町内の小学生を対象にして開いている。
本年度は11人が受講を申し込んで6月に開講。茶道裏千家学校茶道協議会の指導員を交えて同日までに7回の活動を重ね、作法やその意味合いを知り所作を深めてきた。新型コロナウイルスの情勢で古座川の秋まつりが中止となり隔年実施で町展もないなどで成果発表の場が得られず、せめて家族だけでもとおととし、昨年に続いてミニ茶会を開くこととしたという。
当日は中道悟・同教室実行委員長や家族ら17人が客として参加。年長2人が和親棚で点前、年少8人が帛紗(ふくさ)の作法をそれぞれ披露。年少のうち5人は盆略点前も披露し、最後に年長2人が点前と半東を入れ替わって再度和親棚で点前をして発表を終了。指導員を代表して日下宗宏さんが茶道は所作だけでなく茶席全体の随所に心遣いがこもっていることを振り返り、受講する小学生が茶道を通して思いやりの心を高めながら成長することを客らと共に願って締めくくった。
子ども茶道教室は来年1月末まで活動を続け、同実行委員会対象の成果発表をして閉講する予定という。
(2022年12月11日付紙面より)
来年1月に出場校発表 (春のセンバツ )
来春の第95回記念選抜高校野球大会の「21世紀枠」候補9校が9日に発表され、秋季三重県大会4位の県立木本高校などが選ばれた。来年1月27日(金)の選考委員会で、全国9地区の候補9校から3校が21世紀枠に選出される。
木本は1年生5人、2年生8人の計13人で全員が地元中学校出身。紀宝町立矢渕中学校出身の榎本和真主将(2年)は「発表を聞いてびっくりした。21世紀枠3校に選んでいただけることを前提に冬の練習を乗り切りたい。『東紀州から甲子園』が地域の悲願。僕たちの代で出場を決めて、地域や保護者、OBの皆さんなどに恩返ししたい」と語った。
木本は、少人数で強豪校と互角の戦いをしたことや、地域に密着したチームなどが評価を受けた。
少人数のメリットを生かし、質を追求した練習を続けてきた。榎本主将が中心となって練習メニューを考え、課題の打撃にも力を入れている。打撃向上に向けて筋トレも強化。午前7時前から8時までの朝練後は、全員が2合ほどのご飯を食べ、体づくりにも励んでいる。練習試合で知り合った強豪校の選手と交流サイト(SNS)でやりとりし、意識の持ち方などを参考にしているという。
「みんな、仲良いですよ」と笑顔を見せる榎本主将。「打撃が向上すればもっと上のステージに行ける。『甲子園は出場する場所』をモチベーションに頑張りたい」と話していた。選抜高校野球大会は来年3月18日(土)に開幕する。
(2022年12月11日付紙面より)
2年ぶりに販売 (那智勝浦観光機構 )
那智勝浦観光機構(NACKT)では、那智勝浦町の催しや景色などを掲載した観光カレンダーを2年ぶりに作成し、現在販売している。価格は1冊500円。
カレンダーは旧観光協会の頃から作成されており、2020年から機構が引き継いだ。21年版のカレンダーまではフォトコンテストを開催し、選ばれた写真を掲載していた。
昨年は作成していない。23年版は観光機構のスタッフが四季を通して撮影した写真と、関係各者からの提供写真によって完成し、11月から販売が開始した。
従来のカレンダーは2カ月ごとに1㌻のつくりとなっていたが、今回は1カ月1㌻。壁掛けタイプで、A4中とじとサイズもコンパクトになった。
町の魅力を伝えるカレンダーの中身は▽1月「まぐろの初競り」▽2月「雪の那智山」▽3月「三の滝」▽4月「ゆかし潟」▽5月「小阪の棚田」▽6月「熊野那智大社」▽7月「那智の扇祭り」▽8月「紀の松島」▽9月「勝浦八幡神社例大祭」▽10月「熊野古道・大門坂」▽11月「ビン玉通り」▽12月「那智の滝と三重塔ライトアップ」―などとなっている。
町観光案内所や大門坂茶屋、先日開設された大門坂観光案内所で販売されており、電話やメールでの問い合わせや発送も受け付けている。
郵送の場合は送料が1冊250円で、2冊目は390円、4冊580円で、5冊目以降は宅急便の着払いでの発送となる。
機構では「祭りや景色に加え、今回は棚田やゆかし潟の景色もある。カレンダーで町の魅力を感じていただけたら」と話している。
問い合わせなどは町観光案内所(電話0735・52・5311)、メール(info@nachikan.jp)まで。
(2022年12月11日付紙面より)
民生委員児童委員の全国一斉改選に伴い、新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」で8日、民生委員児童委員の退任式と委嘱式があった。社会福祉の増進に貢献し、6年以上の在職期間のある人に厚生労働大臣感謝状の伝達があったほか、退任者に田岡実千年市長や市民生委員児童委員協議会から感謝状と記念品が贈られた。
先月30日付で退任となったのは、民生・児童委員が12人、主任児童委員1人の計13人。田岡市長は退任者らに対して「今後もご健康に留意されるとともに、市政発展と地域福祉の推進に引き続き指導力を発揮いただき、ご助言とご鞭撻(べんたつ)を」と感謝。
再任、新任委員に「市民の誰もが住み慣れた地域で安心して暮らしていけるよう地域社会のつながりを構築し、さらにそのつながりを広げていくことが今後の福祉施策や地域づくりの重要な柱となる。これは民生委員・児童委員の皆さまのご理解とご協力なくしては実現できない」と協力を呼びかけた。
退任者を代表して福田行男さんが「新宮市の社会福祉の向上に一層のご尽力を」とあいさつした。
退任式後には、厚生労働大臣と県知事からの委嘱状伝達と、厚生労働大臣からの主任児童委員の指名状伝達があった。委嘱を受けたのは民生・児童委員、主任児童委員合わせて再任が82人、新任が4人の計86人。任期は1日から令和7年11月30日までの3年間。
式後には市民生委員児童委員協議会の第2回総会があり、新会長に小内潤治さんを選任。小内さんは「新しい体制でこれからの地域福祉に関わるさまざまな問題に取り組んでいきたい」と意気込みを語った。
この日の総会をもって退任する村上和弥会長は「退職後、ネアンデルタール人の人骨が発掘されたイラクのシャニダール遺跡に行こうと思っていたが、民生児童委員の仕事が入ってきたので行くことはできなかった。ネアンデルタール人は老人や障害者を手厚く葬っていたことが明らかになっている。人間には思いやりや優しさがプログラミングされていることを証明していると思う。遺跡には行けなかったが、民生児童委員を15年間務める中で、人の思いやりや優しさを十分に学ばせていただいた」とあいさつした。
(2022年12月10日付紙面より)
三重県地域医学大賞を受賞 (県地域医学研究会 )
三重県地域包括ケア推進セミナー・第39回三重県地域医学研究会が3日、リモートで開催され、紀南地域包括ケア研究会「いこら」と紀南地域在宅医療介護連携支援センター「あいくる」による紀南地域の多職種連携研修会「みとりぃな」の取り組みが三重県地域医学大賞を受賞した。
研究会は県内地域医療の活動事例や研究を発表することで広域的な地域包括ケアの推進を図ることが目的。5団体が研究発表した。「みとりぃな」は紀宝町地域包括支援センターの南友也さんが発表した。
「一つの事例を地域の経験に!多職種連携研修会『ひとりじゃない!チームでみとりぃな』を開催して」を演題に、在宅、施設、病院など自分が最後を過ごす場所を自身で選択できる地域を目指す取り組みを紹介した。
「みとり」をテーマに「みとりぃな」を立ち上げ、多職種で学ぶ機会を通して〝顔の見える関係〟の一歩先を目指した。これまで4回開催し、延べ377人が参加。「本人や主介護者の思いがくみづらく、意思決定支援が難しかったケース」などの事例を基に話し合ってきた。
事例から見えてきた地域課題の共有、多職種が尊重し合える関係の構築、今後の人材確保などの効果があった。今後は多職種連携、人材不足でもできるみとり、将来の医療、ケアについて本人の意思決定を支援するプロセスACP(アドバンス・ケア・プランニング)の定着に取り組んでいく。
南さんは「紀南地域の取り組みが評価されてうれしい。この取り組みは地域の医療介護などに携わる方々の協力がなければ成り立たないものなので、あいくるチーム員と共に、この地域の医療介護関係者とも喜びを共有したい。受賞を励みに今後も医療と介護の連携推進に向けて取り組んでいけたらと思います」と話していた。
(2022年12月10日付紙面より)
わかやま世界遺産地域交流会 (串本町 )
串本町文化センターなどで8日、わかやま世界遺産地域交流会があり参詣道保全団体や語り部団体計18団体約120人が参加して現地を学ぶなどした。
この交流会は、県世界遺産協議会が本年度保存活用団体連携促進研修事業として主催。日頃活動している地域以外の場所や世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の物件全体へと視野を広げ、併せて団体相互の交流を深める目的で2006年度以降、年1回の頻度で開いている。
同町は熊野古道大辺路4区間(新田平見道、富山平見道、飛渡谷道、清水峠)が16年に物件として追加登録されたことで同遺産との接点を得た地。本年度は4区間の保全に献身する団体・熊野古道大辺路刈り開き隊(上野一夫隊長)が案内役となり、物件・飛渡谷道とその前後を訪ねる内容で参加を呼びかけた。同町でこの交流会を開くのは初という。
実施に当たっては同町と同町教育委員会が後援。開会に当たり県世界遺産センターの山西毅治所長が観光分野やワーケーション・教育旅行分野での評価の高まりを伝え、「地域を直接案内する皆さんの力が最も大切。今日を契機にさらにパワーアップしてほしい」とあいさつし、同町教委の濵地弘貴次長が追加登録の経緯や同隊の隊員の多くが南紀熊野ジオパークガイドやロケットガイドも兼ねていることを伝え、今回の交流を機にこの地域の魅力を感じ取ることを願って来町を歓迎した。
同交流会の前半は講演で、上野隊長が「大辺路を通った旅人たち」と題して登壇した。「平見」と呼ばれる地形の成り立ちを解説し、同隊の活動の様子を報告。近世の大辺路の様子を絵図や古文書、供養塔や石仏などの史跡写真を交えてひもとき、村送り制度や善根宿が往来を支え三十三度行者やその功徳にあやかる人々の往来もあったことなどを伝えた。
後半の現地学習は田並公民館~有田漁港間でのウオーク。同隊の隊員がガイドを務め、十数人の班に分かれて順次地域の情報や同隊の案内ノウハウに触れつつ飛渡谷道経由で進行した。
(2022年12月10日付紙面より)
光明宝院で成道会 (那智勝浦町 )
那智勝浦町湯川の光明宝院(三村慈光住職)で8日、成道会(じょうどうえ)の法要が営まれた。信者や地域住民らが集まり、心身健康・無病息災を祈った。
光明真言宗大本山で、密教寺院である同寺。檀家(だんか)寺ではなく、近年は長期にわたり駐在する住職がおらず、各地の僧侶が住職を兼務する形を取っていた。今年5月に晋山式(しんざんしき)が開かれ、当時副住職だった三村住職が正式に住職を拝命した。
成道会は釈迦(しゃか)が2500年前に悟りを開き、目覚めたことを記念し、毎年12月8日に行う法会。この日は信者や地域住民などが参列し、三村住職と共に読経を行った。
三村住職は成道会について「2500年前にお釈迦様がご自身の心と向き合い、全てのものに価値があると悟りを開いた。この日は世界中の仏教徒が花を開くことができるよう、お釈迦様に近づくことができるように、お祭りを行っている」と説明。
法話では「苦しい状況にあることと、自分が幸せであるかどうかは別のこと。功徳は良い行いやお参りをすることで積むことができる。功徳貯金をして、常に穏やかに物事を見ることができるようになり、意識が豊かになっていく。心身健康・無病息災で過ごせるように、お加持したダイコンなどを食べて自分を見つめ直す機会にしていただければ」と語った。
供物の配布後は、真言を唱えて仏の助けや保護などを祈る加持を行ったダイコンなどの煮物が振る舞われた。
(2022年12月10日付紙面より)
那智勝浦ゴルフ倶楽部
近畿・全国スポ少剣道交流大会 (三輪崎剣道クラブ )
新宮仏教会が歳末助け合い托鉢
新宮仏教会(会長=清水文雅・本廣寺住職)は8日、新宮市大橋通の淨泉寺で成道会(じょうどうえ)の法要と「歳末助け合い托鉢(たくはつ)」を実施した。同会加盟寺院の僧侶11人が網代笠(あじろがさ)姿で市内を回り募金を呼びかけた。
成道会は釈迦(しゃか)が菩提(ぼだい)樹の下で悟りを開いたとされている12月8日を記念して行う法会。2月15日の涅槃会(ねはんえ)や4月8日の降誕会(ごうたんえ)(花まつり)と並んで三大法会の一つとなっている。
托鉢は1922(大正11)年ごろから行っている行事で、僧侶一行がまちを歩きながら募金の協力を求めるもの。集まった寄金は市社会福祉協議会に寄付されている。
法要後、僧侶たちは同寺を出発。看板袋(ずだ袋)を掛けて「恵まれない子どもたちに温かなお正月を」などと呼びかけながら国道42号沿いやJR新宮駅前、仲之町商店街などを回った。住民らは「ご苦労さまです」と伝えながら浄財を入れていった。
清水住職は「お釈迦様が悟りを自分だけのものとせず、多くの人にお説きになられたのは、幸せや平穏をご自身だけのものとしないため。自分も他人も幸せで平穏であることで初めて真の幸せ、平穏はかなう。成道会と托鉢を通して、自他ともの幸せと平穏を祈る慈悲の心を忘れず、皆さまにもお伝えしていきたい」と話していた。
新宮仏教会加盟寺院は▽松巌院▽淨泉寺▽瑞泉寺▽清閑院▽清蔵寺▽清凉寺▽専光寺▽宗応寺▽長徳寺▽東仙寺▽遍照院▽本廣寺―の12寺院。
(2022年12月9日付紙面より)
関係者ら集まり祝賀会 (那智勝浦町 )
熊野那智大社(男成洋三宮司)は5日夜、那智勝浦町のホテル浦島で「那智の田楽復興100周年記念祝賀会」を開催した。昨年、一度途絶えた田楽が復興してから100周年を迎えたことを受け、那智田楽保存会の会員や那智山青岸渡寺の髙木亮英住職、塩﨑巍朗(たかお)神社責任役員、堀順一郎町長、岡田秀洋町教育長など約30人が出席し、100周年を祝った。
那智の田楽は五穀豊穣(ほうじょう)を祈り、笛と太鼓に合わせて踊る伝統芸能で、室町時代の田楽踊りを伝える貴重な文化遺産。1921年に再興され、現在は「那智田楽保存会」が古来の姿を伝えている。
田楽は76年に国の重要無形民俗文化財、2012年にユネスコの無形文化遺産に登録された。
同保存会は今年11月、東京都新宿区にある日本青年館ホールで「日本青年館財団設立100周年ならび日本青年団協議会結成70周年記念式典」に招待された。秋篠宮ご夫妻が臨席する中、「那智の田楽」を披露したという。
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コロナ禍の影響から、祝賀会はこの日まで延期となっていた。
男成宮司は1963年に記された「那智叢書(そうしょ)」第4巻の那智田楽の解説や大正年度の再興について解説し、実施した復興100年記念事業も紹介。
今後について「那智の田楽は復興後100年も続いている。和歌山を、日本を代表する民俗芸能。これからも末永く、継承していかなくてはならない」と語った。
来賓の堀町長が「田楽が復興され、現在に至るまで、ご労苦があったはず。未来永劫(えいごう)、田楽が継承されていくことを祈念しております」と祝辞を述べた。
その後、来賓が鏡開きを行い、塩﨑神社責任役員が乾杯の音頭を取った。
同保存会の小川一義副会長は祝賀会の開催や先人たちに感謝を述べ「秋篠宮殿下、紀子さまのご来賓の中、田楽を上演させていただきました。今後も会員一同、精進し、末永く扇祭りと那智の田楽をお守りし、次の世代に受け継いでいけるように取り組んでまいります」と話した。
その後、出席者は食事や歓談を楽しんでいた。
(2022年12月9日付紙面より)
日赤奉仕団らが防災研修 (古座川町 )
古座川町日赤奉仕団(佃奈津代委員長)が5日、中央公民館で停電や豪雨災害をテーマにした防災研修に取り組んだ。
この研修は、団員の防災意識を高めて活動に生かす機会として計画。当日は佃委員長をはじめとして団員26人が出席し、日本赤十字社和歌山県支部東牟婁地区古座川町分区の分区長を務める西前啓市町長も事務局職員と共に参加した。
同団事務局によると、西前町長と佃委員長のあいさつ後、序盤は関西電力送配電株式会社和歌山支社の村上健吾さん、民部大智さん、安藤大輝さんを講師に迎え、停電を早期復旧するために社員がどのように停電時対応をしているかなどで説明を受けたという。
中~終盤は和歌山大学災害科学・レジリエンス共創センターの客員教授の後誠介さんを講師に迎えて豪雨災害への備えを学習。後さんは高齢者が明るいうちに行動できるよう早めの避難情報発令をする同町の姿勢をたたえつつ、台風の進路予想と過去の似た進路の対比でこれから起こる状況を予想することを勧めた。
以降、▽河川水位の変化に加え変化をもたらす谷筋や上流部など流域全般の状況にも目を向けて判断する▽水上げ小屋(上がり屋含む)の重要性と設置支援策としての届出避難所制度創設▽大規模崩壊や土石流が森林保全で抑えられるレベルの現象ではないことへの理解の必要性▽大規模崩壊や土石流の危険を示唆する県発祥の目安「土壌雨量指数」の十分な理解と防災対策への応用―などで提案と根拠の解説を重ね、理解を促した。
団員からは大規模崩壊目安となる前兆はないかとの質問があり、「裏山から濁り水が出たら逃げよ、という教訓が正解だと思う」と応答。音やにおいがあったとしても雨が降っていたらそれらは分かりにくいのでは、として過信を抑えるなどした。
(2022年12月9日付紙面より)
宇久井中で防災プログラム (那智勝浦町 )
那智勝浦町立宇久井中学校(坊信次校長)で7日、防災学習プログラムがあった。全校生徒66人が津波からの避難について学び、被災時に役立つ知識と技術を身に付けた。
津波災害、洪水・土砂災害発生時に地域の中核避難場所となる同校で、生徒たちに「災害が起こったらどう行動するか、何ができるか」を考え、役立つ知識や行動力を身に付けてもらうことを目的に毎年実施している。町教委、町消防本部、学校運営協議会、PTAなども協力した。
生徒たちは最初に「きいちゃんの災害避難ゲーム」の「津波から逃げきろう編」をプレー。雨が降る冬の日に南海トラフ巨大地震(M8・7)が発生し、津波が来るまで30分以内に安全な場所へ逃げなければならない状況を想定し、非常時の判断や有効な事前準備を疑似体験した。「避難行動要支援者に出会ったときに、助ける余裕があるのか」など難しい判断を迫られる場面もあり、それぞれ真剣に意見を出し合っていた。
その後、各学年に分かれて防災訓練を開始。1年生は町消防本部の職員からロープワークや止血法を学び、3年生は煙体験や消火器訓練をした。2年生はまきで湯を沸かし、参加者100人分の昼食を温めた。
横山蘭さん(3年)は「煙体験では周りが全然見えず、経験していなかったら火災時にパニックになっていたかも。防災バッグの中身は、非常食や毛布など避難所生活で使う物だけでなく、ヘルメットや雨具なども入れておく必要があると分かった」。坊校長は「炊き出し体験や応急手当ての経験を日々の生活にも生かし、非常時にも行動できるようになってほしい」と話していた。
(2022年12月9日付紙面より)
東牟婁地方スポ少交流野球大会
新宮山彦ぐるーぷが秩父宮記念山岳賞
自然保護団体「新宮山彦ぐるーぷ」(沖﨑𠮷信代表・世話人)の「大峰南奥駈道(おくがけみち)の再興と山小屋建設並びにその維持管理活動」がこのほど、秩父宮記念山岳賞(日本山岳会主催)を受賞した。
山について造詣の深かった、故秩父宮ご夫妻の事跡を永く記念するため、山に関連する顕著な活動や業績に対して表彰し、登山活動の奨励と山岳関連諸文化の高揚に資することを目的に、1998年に創設された栄えある賞。
なお、日本山岳会は05年に創立。現在東京の本部を中心に33の支部があり、全国に約4800人の会員が在籍している。会員には天皇陛下も名を連ねている。
新型コロナウイルス感染症の影響で3年ぶりとなった本年度、同団体は74年の発足以来、38年間にわたり熊野古道奥駈道の再興や登山道の維持管理などを行い、また小屋の建設・保守・運営を行っていることなどが評価され受賞に至った。
現在、会員約40人。毎週15人ほどで活動を行う同団体は、120年間やぶに埋もれていた大峰奥駈道(約45㌔)の再興に着手し、約3年間をかけて第1次刈り開きを完了。その後も第2次、第3次刈り開きと並行し、行仙宿の新築や平治宿の建て替え、持経宿の大規模改修など4カ所9棟の小屋などを整備し、84年の千日刈峰行着手から32年間を要して大峰南奥駈道の環境整備を行い、熊野修験の復興にもつなげた。
初代代表の玉岡憲明さん(97)は88歳まで、約40年間にわたり大峰奥駈道の再興に尽力。約2200回に及ぶ活動の様子を記録しているという。
3日に東京都新宿区の京王プラザホテルで年次晩さん会が開催され、沖﨑代表(74)が表彰を受けた。晩さん会前には記念講演も行われ、沖﨑代表らが「千日刈峰行とその展開」を題目に講話した。なお、晩さん会には毎回天皇陛下も臨席されるが、今回は諸事情により欠席となった。
このたびの受賞を受け、沖﨑代表は「40年にもわたり道を開いてくれた玉岡さんら先輩方のおかげ。受賞を報告すると本当に良かった、と喜んでくれた。受賞を励みにして、今まで通り地道にコツコツと活動していけたら」と話していた。
なお、同団体は地域のために行う地道な地域貢献活動が認められ「第13回あしたのなら表彰」(奈良県主催)の受賞も決定している。
同団体では現在、会員を募集中。行事予定や参加・入会に関しては、フェイスブックもしくは同団体ホームページ(http://syamabiko.web.fc2.com/)で確認を。
(2022年12月8日付紙面より)
環境美化に防災加えた初の活動 (紀宝町 )
鮒田の環境を守る会(東口高士会長)は4日、紀宝町鮒田の相野谷川下流で流木を撤去した。環境美化に防災を加えた初の取り組みで、35人が2時間作業し、軽トラック15台分の流木を回収した。
全国的に流木の処理に苦慮する自治体が多い中、鮒田地区では、自分たちで流木を集め、防災用の資源にしようと計画。河川を管理する紀南河川国道事務所の許可を得て実施した。
下流域には9月の台風で流れ着いた流木がたまっており、弁慶橋から鮒田水門付近まで、人の手や重機で集めた。
大きな流木は高台の一時避難場所に運び、ライフラインが寸断されるなどの災害時に備え、まきにして備蓄した。小枝などは、鮒田地区自主防災会による防災散歩時の料理などの燃料に活用する。
同地区の防災活動に関わってきた大阪工業大学工学部都市デザイン工学科の田中耕司・特任教授は「流木を防災や地域の活動に活用する取り組みを初めて見た。これまで鮒田地区の活動を学会で発表しているが、備蓄農園の取り組みは国も驚いていた。高齢化が進み、こういった集まりは地区の情報もみんなで共有できる。楽しく防災に取り組んでいる」と話していた。
作業後、東口会長は「自分たちの地域をきれいにするためにも、ごみにされていた流木を生かそうと考えた。この取り組みが全国に広がれば」と語っていた。
(2022年12月8日付紙面より)
福祉センターで地震・火災避難訓練 (新宮市 )
新宮市野田の市福祉センターで6日、地震と火災を対象にした避難訓練が行われた。新宮消防署の宮平陽介消防士長と林勇成消防士が訪れ、市社会福祉協議会職員や中央児童館で遊んでいた子どもたちが、災害発生時の避難経路や行動などを確認した。
同センターでは毎年度、地震津波と火災の訓練を実施している。この日は県内全域での強い地震に伴い1階の給湯室からの出火を想定。訓練開始の放送が流れると、居合わせた人たちは身の安全を確保しながらセンター前の駐車場へと逃げた。
訓練を見守った宮平消防士長は避難時に重要な「押さない、走らない、しゃべらない、戻らない、近づかない」を略した「おはしもち」を伝え「火災が発生してから迅速かつ安全に逃げることができていてよかったです。これからも一連の行動を忘れないでください」と講評した。
後半には消火器の使用訓練も行われ、林消防士が諸注意や操作方法などを説明。職員たちは「火事だ!」と叫びながら訓練用消火器で順番に実践した。
同協議会の東雄大さんは「学生時代に訓練は経験しましたが、忘れていた部分もあり勉強になりました。実際の場面に遭遇した場合、冷静さを失う可能性が大きいため今後も継続して訓練に取り組んでいければ」と話していた。
(2022年12月8日付紙面より)
「臨場感シアター(仮称)」完工 (串本町 )
串本町西向にある旧役場古座分庁舎内で改修整備が進められてきた上映室「臨場感シアター(仮称)」が11月末に完工した。今月6日は町議会議員や報道機関対象の見学会を実施。町は建物全体の用途変更に伴う工事完了後(期日未定)に一般公開を始めるとしている。
この上映室は宇宙振興拠点化をコンセプトとする同庁舎リニューアルの一環で、旧議場を改修整備する形で設置。議員席や当局席を取り払い天井と側壁の色を黒系統に変更。縦約3㍍、横約12㍍のパノラミック大型カーブドスクリーンを据え、4Kプロジェクター3台による連携投影(マルチプロジェクション)で8K映像コンテンツの上映を実現する。計10基のスピーカー(うち2基はサブウーハー)を配置して5・1ch相当のサラウンド音響も確保。前方左右中を上下2列としサブウーハーを左右2基とする配置により、最良の状態で音を楽しめる空間を立体的かつ力強くする工夫が注がれている。
旧来のまま残している傍聴席は現状で使用の前提はしておらず、議員席や当局席があったフロア内の同空間内にベンチを並べて通常使用で27人(前列9人掛け×3列)が座って同時鑑賞できる状態としている。
この上映室は、主に宇宙への憧れや新しい時代の始まりを感じさせるシアターとして運用する想定。町企画課ロケット推進室によるとこの整備はロケット「カイロス」の打ち上げを至近かつ相応の画質で捉えた映像コンテンツの上映が最終的な着地点で、一般公開の実質的な開始はそのタイミングになると受け止めてもらえればと話している。
(2022年12月8日付紙面より)
新宮高3年・山際小麦さん
和歌山県立新宮高校(東啓史校長)の3年生の山際小麦(やまぎわ・こむぎ)さんがこのほど、「第12回大阪成蹊 全国アート&デザインコンペティション2022」の高校生の部で、4位に当たる大阪成蹊大学学長賞(金賞)を受賞した。作品は、B2(約51㌢×約73㌢)サイズのアクリル絵画「フルーツタルト」。受賞について山際さんは「びっくりした。お母さんと喜んだ」と話している。
同コンペティションは、中学高校生を対象に全国からアート・デザイン作品を公募し、毎年行っている。テーマは「ワタシノセカイ」で、自分の好きな世界観を自由に表現するものだった。中学生と高校生の部に分かれており、今年は高校生991点、中学生689点の応募があった。
山際さんは、時期もあり現在はすでに引退しているものの、以前は美術部に所属し、副部長も務めていた。「フルーツタルト」はもともと、9月の文化祭で出展した作品。文化祭を最後に引退だったため、それまでの集大成として臨んだものだった。同コンペティションのテーマの「ワタシノセカイ」が気に入り応募を決めたという。全国レベルでの受賞は初となる。
「フルーツタルト」に取りかかったのは、昨年の夏。下絵を描いた状態にとどめ、今年の夏に色塗りを開始、文化祭前の9月上旬にいったんの完成となった。「文化祭の直前の方が、技術が上がっていると思い、色塗りは止めておいた」という。
制作に当たり「それまで平面的な絵が多かったので、立体的に仕上げようと思った」と語る。「果物のみずみずしさを出すのが難しく、(美術部顧問の)先生や友人に見てもらい、アドバイスを受けた」とのことだった。同コンペティションの応募に当たり、少し加筆した。
受賞の知らせは、11月26日に封筒で届いた。28日には学校にも連絡があった。山際さんは「びっくりした。自信はなく、たぶん落ちると思っていた」とほほ笑む。
山際さんは、すでに美術関係の専門学校への進学が決まっている。「将来は、会社のデザインを担当するところに入りたい」と考えており、その方面の就職率が高いところを選んだとのこと。
美術部顧問の中畑久美教諭も「うれしい。他の部員の刺激にもなる。一生懸命やってきた作品が評価され、自分の成長にもつながるし、これからの制作にも生きるのでは」と喜んだ。
(2022年12月7日付紙面より)
児童が情報モラル学習 (三輪崎小 )
新宮市立三輪崎小学校(嶋田雅昭校長)は11月28日、和歌山県職員を講師に招き、「情報モラル講座」を開いた。6年生58人が受講、インターネットの危険性を知り、正しい活用法を学んだ。
和歌山県青少年・男女共同参画課健全育成支援班の操本隆紀さんが「インターネット・SNSのトラブルについて」をテーマに講話した。6年生は2組あり、組ごとで実施。1組は29人が受講した。
操本さんは、人気オンラインゲームのフォートナイトを1組の児童全員が知っていることを確認した上で、対象年齢は15歳以上であることを説明。同じく人気の動画投稿サイトの「ユーチューブ」も、本来は対象年齢が13歳以上であることを明かした。
「フォートナイトは小学生でトラブルが多い。人間関係で問題が起こっている。ユーチューブも、見ていたら変な動画に誘導されたりして危ない。みんなは対象年齢より低いのだから、気を付けないと」と注意喚起した。
LINE(ライン)などのコミュニケーションツールについても言及。褒め言葉のつもりで「まじめだね」「おとなしいね」などと伝えても、人によっては嫌がられることを語った。「このぬいぐるみ、かわいくない」を例文に、同意を求めているのに否定と勘違いされることがあることを指摘した。
オンラインゲームなどでの課金の問題も解説。紀北で小学5年生が、母の携帯電話で17万円を使った事例を紹介した。交流サイト(SNS)に写真を上げる場合の注意点も伝えた。裸の写真を送るなどの、性犯罪についても言及。「インターネットで何かあったら、家の人や先生に相談を」とまとめた。
(2022年12月7日付紙面より)
不思議科学実験ショー (南紀くろしお商工会 )
南紀くろしお商工会(森川起安会長)は4日、那智勝浦町の体育文化会館で「不思議科学実験ショー」を開催した。那智勝浦町と太地町から小中学生41人とその保護者が参加し、科学技術振興機構・サイエンスレンジャーの海老崎功さんから「翼竜が空を飛んだ原理」を学んだ。
体験型学習を通じて科学やものづくりに興味を持ってもらう取り組み。2年ぶりの開催で、通算19回目を迎えた。
森川会長は子どもたちに向け「私たち商工会は、皆さんのお父さん、お母さんの仕事をお手伝いし、イベント開催を通じて地域の福祉向上に向けた取り組みをしている。何事にも興味を持ち、楽しく勉強して」とあいさつ。
海老崎さんは最初に「翼竜やグライダーは、羽ばたかずエンジンやプロペラもないのにどうやって飛んでいるのか」と問題提起。子どもたちはプテラノドンの模型を飛ばし、翼の角度や首の重さを変えることで、長距離を滑空できるようになることを発見した。
山田暁士君(市野々小1)は「模型の頭に重りを追加したら、遠くまで飛ぶようになって楽しかった。自由な形の模型を作るときは、ロケットにギザギザの羽がついた形にしたけれど、結構飛んだと思う」と語った。
海老崎さんは「上昇気流があれば、模型はどこまでも飛べる」と話し「自然の生き物の形がいかに優れたものなのかという点にも気付いてもらえたら」と話していた。
(2022年12月7日付紙面より)
神倉小などで改修工事進む (新宮市 )
新宮市立神倉小学校(藪中秀樹校長)の体育館で現在、改修工事が行われている。10月1日から工事が始まっており、工期は来年2月20日(月)までを予定している。
同校の体育館は、1990年に完成。使用年数は32年を数える。外壁にはスギの板が使用されており木造の体育館は非常に珍しい。2016年には社員旅行で当地方を訪れ、同校の体育館を目にした世界的に有名なアニメ映画監督・宮崎駿さんから「どうかあの建物を大切にしてください。子供達に巨大な木造建築物をのこそうとした人々の努力を伝えてください」といった内容の手紙が学校に寄せられている。
このたびの改修では、老朽化により傷んだ外壁の修復や塗装、体育館内の傷んだ床の塗装、照明のLED化、トイレの洋式化、アクセスのバリアフリー化、一部外周工事などを計画しており、事業費は8910万円。
外壁には地元のスギを使って張り直しを行う予定で、年月をかけて工事前の重厚で趣のある黒ずんだ色合いに落ち着いていくという。
現在、外壁修復のために周辺には足場が組まれており、12月と来年1月には体育館内の工事に着手するため、体育館の使用は停止になるという。
市担当課では、神倉小体育館の改修について「大切な木造体育館。景観的配慮を行い、長く使用できる体育館に改修した上で後世に残していきたい」と話している。
なお、同校のほかに1972年に建築された城南中学校、77年建築の光洋中学校の体育館でも改修工事が行われており、城南中体育館は今月から使用を停止、光洋中は12月から使用を停止する。いずれも安全に運動ができる環境を整えるために床面の改修を行っており、事業費は城南中1750万円、光洋中1160万円。市では、今後も計画的に老朽化した学校の校舎や体育館の改修に努めていくとしている。
(2022年12月6日付紙面より)
大門坂観光案内所を設置 (那智勝浦町 )
一般社団法人那智勝浦観光機構(NACKT)は2日、那智勝浦町市野々の大門坂駐車場付近で「大門坂観光案内所」の開所安全祈願祭を実施した。熊野那智大社(男成洋三宮司)から出仕した神職らが神事を執り行い、参列した堀順一郎町長やNACKTの清水貞吾理事長、熊野・那智ガイドの会の汐﨑眞次会長、吉中秀郎町観光企画課長らが新設された観光案内所の発展や無事などを祈った。
観光案内所は、同駐車場付近にあった休憩施設の一部を改修し設置したもので、那智山エリアの観光案内強化を行うとともに、町中への周遊促進を目的としている。
官民で構成される町観光地魅力アップ推進委員会が主体となって案内所を整備し、運営を機構が行うもの。壁やサッシを設置する簡易的な工事で、10月末から着工し、先月25日に完成した。
JR紀伊勝浦駅前にある観光案内所と同じく、室内には町の観光に関するパンフレットなどが多数並んでいる。ガイドの待合としても利用するとしている。
機構によると、実証的に運営を進めるとし、成果に結び付き次第、継続や設備の充実も視野に入れているという。
この日は、伊藤士騎(しき)禰宜(ねぎ)と𠮷田遥紀権禰宜(ごんねぎ)が神事を斎行し、堀町長らが玉串をささげた。
堀町長は「機構で観光戦略を練るために、動態調査を行った。観光客は町中から那智山方面には向かうが、那智山から町中へは足を運ばないというデータが出ている。そのため、町中への周遊と町全体の観光PRをするための拠点が必要だった。町の魅力を十分に伝えることのできる案内所になることを祈念しています」。
清水理事長は「かねて、観光案内所設置の構想はあったが、コロナ禍もあり至っていなかった。念願の案内所が完成したので、那智山に訪れたお客さまをしっかりともてなすとともに、町中への周遊につなげたい」と語った。
なお、営業時間などは正式に決定していないため、現在は午前10時~午後4時を予定しているという。問い合わせやガイドの予約などは年中無休のJR紀伊勝浦駅前の観光案内所(電話0735・52・5311)まで。
(2022年12月6日付紙面より)
地域の人に教わり制作 (紀宝町 )
紀宝町内の小学生を対象にした「2022こどもゆめまつり」(同実行委員会主催)が4日、同町鵜殿の町福祉センターであった。3年ぶりの開催に児童71人が参加し、地域の人たちに教わりながらさまざまな制作を楽しんだ。
ボランティアら地域の人と交流し、成長する機会になればと同町ボランティア・市民活動センター「きぼらんせ」共催で企画した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で昨年、おととしと中止にしたが、今年は午前午後で低学年、高学年の2部制にし、制作とゲーム遊びを交代制にするなど密にならない対策を取った。
制作は牛乳パックの飛行機、端布を使ったシュシュ、アイロンビーズ、フォトフレームの四つで、高学年はフォトフレームの代わりに己書(おのれしょ)体験を取り入れた。
講師や運営には地域のボランティアが協力し、アイロンビーズ作りは町立矢渕中学校の生活文化部と美術部が担当した。
開会式では町社会福祉協議会の木下起査央会長があいさつし、「今日はボランティアさんたちと色々な遊びができるので元気に楽しんでくださいね」と呼びかけた。社協職員は児童らに「こんにちは」と「ありがとう」を手話で教え、「今日はキホッチョ隊に手話をすると参加賞をもらえますよ。(全員に配った)手話の本で勉強し、いろんな人とお話をできるようになってください」と呼びかけた。児童らはあらかじめ希望した制作に挑戦し、講師の人たちと交流しながら楽しんでいた。
(2022年12月6日付紙面より)
町職員ら手作り横断幕掲げ (串本町 )
串本町職員有志が役場本庁舎1階、玄関から入ってすぐの位置にサッカーワールドカップカタール2022日本代表チームや所属する久保建英選手の活躍を期待する横断幕を掲げている。
久保選手は神奈川県川崎市生まれだが、父が同町出身(串本高校卒)でその祖父母も町内在住。祖父が体育教諭として町内におけるサッカー振興に努め串本中サッカー部を全国大会へ導くなどの実績を上げた経緯もあって、そのつながりで盛り上がりの輪が広まっている。
横断幕を掲げているのは町総務課の有志数人。95㌢×620㌢の横断幕に文字を貼って手作りし、11月30日午後から掲げている。当初は活躍を祈る内容だったが、日本時間12月2日未明の対スペイン戦で同チームが勝利し決勝トーナメント進出が決まるや「祈」を朱書きの「祝」に貼り直すなど、手作りならではの迅速さで同チームの戦況相応に内容を切り替えている。
対ドイツ戦勝利以降、町民か町にゆかりがある選手の応援をしないのかと声があり職員の間でも関心が高まっている点で検討。当初は外注も考えたが教育委員会教育課由来のノウハウで今回のように機転を利かせやすい掲げ方があると知り、さっそくその方向で動いた。込める思いは「頑張ってほしい」の一心。横断幕は今後も同チームの戦況に即応して手直しを加えつつ掲げ続けるという。
同チームの次の試合は日本時間6日(火)午前0時から始まる対クロアチア戦。初となるベスト8入りを懸けて臨む。
(2022年12月6日付紙面より)
県下少年剣道親善大会
県新人卓球大会で活躍 (新宮高校 )
少年サッカー新人戦が開幕
3年ぶりとなる新宮市農林産物品評会(同品評会実行委員会主催)と一般公開(即売)が3日、蓬莱体育館であった。市内の生産者から野菜、果物、加工品など201点の出品があり多くの来場者でにぎわった。
農業者の生産意欲の高揚と地場産物への理解を深め、地域の活性化、地域住民の触れ合いの場づくりを目的とした恒例行事で1948(昭和23)年に始まって以降、今年で71回を数える。
表彰式では、市長賞、市議会議長賞、東牟婁振興局長賞など特等賞のほか、1・2・3等、努力賞受賞者を表彰した。
同実行委員会(道阪耕一会長)の下阪殖保さんが「9、10月の雨の影響が懸念されたが、皆さま方の努力で多くの農作物を出品いただいた。今後も農業を営む人の目標として実施していければ」とあいさつ。
田岡実千年市長は「今年は台風の影響や、野生鳥獣被害などにより決して良い条件とは言えない中で多くの素晴らしい農林産物を出品いただいた。これまで携わってこられた皆さまや、生産者のご尽力のたまもの」と敬意を表した。
東牟婁振興局農林水産振興部の上門洋也さんが「長雨の影響などでご苦労されたと思うが、多くの農林産物を出品いただいた。品質も良く皆さま方の努力がうかがえる」と講評した。
一般公開では開始時刻前から大勢の人が列を作り、開場と同時にほぼ売り切れるほど盛況だった。広角のサツマイモを使用した焼き芋の振る舞いや、新宮市熊野川町の「かあちゃんの店」の商品販売もあり、好評を博した。
(2022年12月4日付紙面より)
新宮市役所で応援展示
熊野三山協議会(会長・田岡実千年新宮市長)は、FIFAワールドカップ(W杯)カタール大会決勝トーナメントでの日本代表のさらなる躍動を願い、新宮市役所1階玄関ロビーで日本代表応援展示を行っている=写真。
熊野は日本サッカー協会のシンボルマークである「ヤタガラス(八咫烏)」と日本近代サッカーの始祖といわれる那智勝浦町名誉町民の中村覚之助の古里。その縁で、協会は2002年W杯日韓大会から熊野三山一寺で必勝を祈願している。
熊野速玉大社、熊野本宮大社、熊野那智大社、那智山青岸渡寺と関係自治体などで組織する熊野三山協議会は1984年に発足。熊野地方の文化財の保護、保全、調査研究などを進めているほか、上記の理由を基に「熊野とサッカー」をテーマに各種取り組みを遂行している。
今W杯においても、10月下旬、(公財)日本サッカー協会の田嶋幸三会長らが当地方を訪れ必勝を祈願。以降も各大社では日本代表選手らの健闘を願い、地元のサッカー愛好家たちが参列して必勝祈願祭が行われている。
「死の組」と称された1次リーグのグループEにおいて、日本代表は優勝経験国のドイツとスペインに勝利し首位で決勝トーナメントへ。ベスト8進出に向けて6日午前0時(日本時間)、クロアチアと対戦する。
(2022年12月4日付紙面より)
わがらの町の在宅医療 (紀宝町 )
厚生労働省が定めた「人生会議の日」の11月30日、紀宝町の井田公民館で講演会「わがらの町の在宅医療」が開かれた。「住み慣れた自宅で医療や介護を受けながら過ごしたい」といった、在宅医療のニーズが高まる中、演劇を通して「人生会議」の必要性を紹介した。
紀南医師会、町地域包括支援センターが共催。くまのなる在宅診療所の濱口政也医師と看護師の三上淳さんが講師を務めた。
人生会議は、もしものときのために、自分が望む医療やケアを前もって考え、家族や医療・ケアチームと繰り返し話し合い、共有する取り組み。
演劇「紀宝リベンジャーズ」は、倒れた高齢男性が過去に戻り、人生会議に取り組み、自身が望むケアを改めて計画する物語。最後は「医療や介護が必要になったとき、どこで過ごすのか、どこで最後を迎えるのか、それが自宅であれ、施設であれ、病院であれ、そこに優劣はありません。本人の意向が尊重されることです。『もしも』のときに備え、受けたい医療やケアについて、大切な人と話し合ってみてはどうでしょうか」と伝えた。
劇後の質問で「夫婦で暮らしている。私だけで夫をみとることができない」との意見に、濱口医師は「1人で全部やるのではなく、ヘルパーさんやデイサービスなど組み合わせを考えることが大切。子どもが近くにいなくてもケアマネジャーと相談しながら生活している人も多い。私たちの在宅医療は、家で過ごしたい人のお手伝いをしている。1人で支える必要はない」と答えた。
参加した地区住民らは、地域の現状、課題を踏まえ、どのような医療を受けることができるのかを考える機会とした。
(2022年12月4日付紙面より)
第56回町展に多くの来場 (那智勝浦町 )
那智勝浦町体育文化会館で3、4日の両日、第56回「那智勝浦町展」が開催されている。会場には町民らの力作が並び、多くの来場者が多彩な作品を楽しんでいる。
56回目を迎える町展には町内の園児100点、児童・生徒1092点、福祉施設や一般から357点の合計1549点(出展者は計1205人)の力作が並んだ。
作品は▽絵画▽水墨画▽書▽写真▽生け花▽盆栽▽編み物▽洋裁▽陶芸▽アートフラワー▽ちぎり絵▽手芸▽工芸など▽押し花▽絵手紙▽ペーパークイリング▽友好都市の長野県上松町から絵画―が展示。来場者たちは検温や手指消毒などの感染症対策を行い、作品を観覧していた。
今年は、これまでコロナ禍で中止となっていた「消防のつどい」「農産物品評会」などの各種イベントも実施された。同館敷地内では、福祉団体らによる日用品や農産物、菓子などのバザーも盛況で、最新ドローンの展示もあった。
また、那智勝浦町日本赤十字奉仕団がNHK海外たすけあいへの寄付を呼びかけたほか、同町の行政相談委員が行政相談への啓発を行った。
新宮市から訪れた60代女性は「素晴らしい作品がたくさんあり、元気をもらえました」と笑顔。
岡田秀洋教育長は「作品には、出展者の皆さまの日々の学びや気付きが込められていて、素晴らしい。来場者さまには作品を見て、明日を生きるエネルギーとしていただけたら」と話した。
なお、4日(日)の展示時間は午前9時から午後4時までとなっている。
(2022年12月4日付紙面より)
大型受け入れ実現なるか (新宮港 )
国土交通省はこのほど、新型コロナウイルス感染対応のガイドライン順守を条件として、停止していた国際クルーズ船の受け入れを再開すると発表した。新宮港でも2019年5月から途絶えており、港湾管理者である和歌山県、港湾所在地である新宮市ともに、再来に期待を寄せている。初の11万㌧級の可能性も再浮上することになる。
国際クルーズ船の日本への受け入れは、全国的には20年3月から停止していた。新宮港は19年5月以降も受け入れを予定していたが、悪天候で中止となり、そのままコロナ禍となったため、受け入れが停止した状態になっていた。
新宮港はその大きさや水深から、受け入れが可能なクルーズ船のサイズには限りがあった。船のサイズは乗船客数に比例するため、大型であるほど経済波及効果は高い。このため、港湾管理者である和歌山県が、大型クルーズ船の受け入れを可能とする改修工事を実施。海の底を掘って水深を増やし、岸壁から離れた場所に、船を係留するためのロープを架ける係船柱を設置する工事を施し、19年に終えていた。これにより、11万㌧級の受け入れを可能としていた。
実際に、20年にこれまでにない大型、7万㌧級の国際クルーズ客船の入港予定もあった。しかしコロナ禍が始まり、受け入れが停止、改修工事が役に立つこともないまま、今日に至っている。新宮港が受け入れたクルーズ客船の最大トン数は、改修工事前の18年4月に入港したコスタネオロマンチカの、5万6000㌧で止まっている。
港湾管理者である和歌山県は、国交省による国際クルーズ船の受け入れ再開の発表を受けて「ガイドライン順守はしっかり確認しながら、積極的に受け入れを行っていきたい」と意気込んでいる。新宮市の田岡実千年市長も「再開はうれしく思う。しっかりと客船誘致に取り組み、地域一体となっておもてなしをしたい」と話している。
なお、国内クルーズ客船の新宮港への入港は、コロナ禍に伴い19年11月でいったん途絶えたものの、20年11月に再開。本年度は全7回を予定している。
(2022年12月3日付紙面より)
拝殿に来年の大絵馬掲揚 (熊野速玉大社 )
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で1日、一足早い迎春準備が始まった。拝殿の外に、来年のえと「癸卯(みずのとう)」の大絵馬が掲げられた。
大絵馬はヒノキ製で、縦1・5㍍、横2・1㍍。上野宮司がアクリル絵の具などを使用し、瑞光を背景に、金の御幣を立てた鏡餅に向かって梛の御幣を手に邪を払う父親ウサギ、それを見つめる母親ウサギ、そして無邪気に遊ぶ子ウサギを描いた。
「天の恵みに感謝し、頂いた命を一生懸命、謙虚に生きてほしい」との思いを込め、「天恵(てんけい)」「壽福(じゅふく)」の文字を揮毫(きごう)した。昨年に引き続き、参拝者が拝観しやすいようにと、拝殿の外に掲げられた。
大絵馬掲揚に続いて、JR新宮駅(坂本純一駅長)に対する絵馬(縦70㌢、横110㌢)が授与された。
大絵馬と同様、瑞光を背景にウサギの家族が鏡餅を囲む構図となっており「日本の祈り」の文字が添えられている。
絵馬を受け取った坂本駅長は「ウサギは跳躍のイメージ。皆さんが苦労し、努力を積み重ねたことが飛躍につながる年になれば。世界遺産の地・新宮市に多くの方に来ていただけることを願っています」と話していた。
なお、同駅では三山の絵馬がそろう今月中旬ごろに絵馬の掛け替えを行う予定としている。
(2022年12月3日付紙面より)
第3回学校づくり協議会 (串本町 )
串本町の学校づくり協議会(会長=長澤悟・東洋大学名誉教授、委員14人)が1日、役場本庁舎で3回目の会合に臨んだ。今回は実設計を担当する株式会社綜企画設計がこれまでの意見などを反映して詰めているゾーニング案を共有した上で意見を出し合い、防災機能や地域利用の面で検討を進めるなどした。
同協議会は、町が文部科学省「新しい時代の学びの環境整備先導的開発事業」の適用を受けて基本設計を策定するに当たり設置する新しい時代の統合小学校の在り方検討委員会の会下組織。同委員会は大枠を詰める同協議会と細部を詰める学校づくり分科会を設け、両成果を束ねて基本設計を構築する方向で作業を進めている。
統合校の設置先は町道サンゴ台中央線沿いのくしもとこども園新園舎そばで、校舎を木造平屋建てとする考えは変わらず。そのゾーニング案は協議会と分科会の意見を反映しながら詰めていて、同社は今回、直前と現在の2案を提示して進捗を示しつつ委員からさらに意見を求めた。
案に見える校舎構成は▽低学年棟▽中学年棟▽高学年棟▽教職員棟(学校地域連携室を含む)▽特別支援教室・通級指導教室・創作〈美術室、調理室〉棟▽ラーニング〈図書+音楽+多目的の各機能を一体化〉棟▽体育館〈広さ572平方㍍のアリーナなどを内包〉―で、中庭とラーニング棟を囲むように並べ渡り廊下で連絡して一体化する内容。その周囲に学童保育棟や運動場、駐車場を配置する形となっていて、委員は児童の動線などで質問や意見を注いだ。
以降、同協議会事務局がコンセプト「つながる学校」に基づき四つ掲げるテーマの一つ・レジリエントなまちづくりの概要と防災機能と地域利用の考え方を説明して検討を進めた。防災機能の検討はおおむね、統合校単体で考えるのではなくサンゴ台に複数ある防災拠点との関係性の中で学校としてできることが求められる役割と捉えるべきという方向に収束。地域の利用の検討では教職員に負荷をかけない管理体制の必要性やスポーツ少年団など利用する当事者にもヒアリングすべきとの意見などがあった。
次回の会合は来年1月中~下旬に実施予定で、最終の実施となる見込み。
(2022年12月3日付紙面より)
「光の祭典in紀宝」始まる (紀宝町 )
紀宝町の冬の夜空をイルミネーションで彩る「光の祭典in紀宝」が1日、同町大里のふるさと資料館で始まった。点灯期間は来年1月5日(木)までで、時間は午後6時から10時まで。12月31日(土)と1月1日(日・祝)はオールナイト点灯する。今月3日、4日(日)、10日(土)、11日(日)は午後6時30分から8時30分まで、シャボン玉を飛ばす。
今年は、光のアーチを二つに増やすなど、以前の規模に近づけた。初日はカウントダウンで一斉に点灯し、かわいいキャラクターのオブジェや20㍍ツリーなどが暗闇に浮かび上がると、来場者がきらびやかな光のショーを見入っていた。2人同時にスイッチを踏むとハートが点灯するイルミネーションでは、カップルや友達同士で楽しむ姿が見受けられた。
3年ぶりに小学生対象のイルミネーションデザインコンテストを再開し、金賞作品「くつしたにはまったサンタ」を会場に飾った。町内から200作品の応募があり、金賞を獲得した奥山颯介君(神内小6)は「クリスマスが近いのでサンタっぽくしたらかわいいと思ってデザインした。金賞と聞いてめっちゃうれしかった」と笑顔を見せた。
イルミネーションをバックに演奏や踊りを繰り広げる「キラフェス」は3年連続で中止となった。
(2022年12月3日付紙面より)
田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)で1日、神門の大しめ縄と大絵馬の掛け替えがあった。新たな大しめ縄と大絵馬を前に九鬼宮司は「力強さのあるしめ縄。前進する新年になれば」と話した。
大しめ縄は、紀宝町成川の榎本政子さん(89)が家族や友人、親族らと毎年編んでいる。1983年に政子さんの夫の故・剛吉さんが先代宮司から「熊野の伝統と歴史を守ってほしい」としめ縄づくりの依頼を受けて以降、39年にわたり奉納を続けている。
今年は約10人がかりで、10月末から11月末にかけて制作。稲わら約1200束を使用し、長さ約4・5㍍、重さ約250㌔に及ぶしめ縄を完成させた。天候の影響で稲わらが少なく、わらを選定する作業に苦労したという。
政子さんは、掛け替えられた大しめ縄を前に「思ったよりきれいに、力強いしめ縄ができた」と感想。制作の際に込めた願いについて「お参りする人が幸せになれば。争いのない、平和な世界が一番。熊野を中心に世界の人が、平和に暮らせる世界になれば」と語った。
えと「癸卯(みずのとう)」の大絵馬(横232㌢、縦117㌢)は九鬼宮司が制作したもの。熊野の自然をイメージした深い青を背景とし、中央に金色の月を背にした白いウサギを配置している。体には同大社の縁起物「挑花(ちょうばな)」と田辺市の花である梅の枝が描かれており、その目はまっすぐ前を見据えている。各地で起こっている紛争や、いまだ収束を見せない新型コロナウイルス感染症を念頭に「来年こそは光り輝く未来へ」との願いを込め、「前進」の文字を書き添えている。
九鬼宮司は「前進ということで、初詣に来られた方がしめ縄と大絵馬の下をくぐり、各自がそれぞれの歩幅で、あらためてチャレンジする新年となることを願う」と語った。
(2022年12月2日付紙面より)
推進協議会が要望活動
和歌山県木材利用推進協議会の主催によるキャラバン活動が11月30日、新宮市、那智勝浦町、太地町で行われた。各首長に要望書を手渡し、紀州材のさらなる利用を呼びかけた。活動はこれ以前に、北山村や古座川町、串本町でも実施された。
同協議会は、県木材協同組合連合会、県森林組合連合会、紀州林業懇話会で構成。キャラバン活動は県と連携し、公共部門での紀州材の需要拡大、県内の林業・木材産業の振興を図ることを目的に、毎年実施している。
新宮市では、新宮木材協同組合の植松浩理事長と谷口泰仁副理事長、熊野川町森林組合の田中多喜夫組合長、和歌山県建築士事務所協会の尾添信行会長、金嶋正人理事など10人が新宮市役所を訪れ、田岡実千年市長と面談。植松理事長が田岡市長に要望書を手渡した。
要望書は、木材利用に関する国の政策や、県の方針改正に言及。「木材の積極利用は、地方創生に加え、地球温暖化対策や国土の保全、水源のかん養、多面的機能の発揮にも貢献する。公共の建築物や土木工事の実施に際し、紀州材の利用に理解と高配を」と伝えている。
植松理事長は「大きな建築物だけでなく、小さいところやこまごまとしたものまで含めて、いろいろなところで木材の活用を」と求めた。尾添会長は、県建築士事務所協会がサポートする、公共建築物における紀州材活用の無料相談窓口を紹介した。
田岡市長は、木材の利用先として、丹鶴ホールの完成で大型施設の建設はいったん終了したが、「(今後)緑丘中と城南中が統合するようなこともあれば、どちらかを大改修することもあるかも。また市内の各学校の体育間の床も傷んできている。それらの改修も出てくるかと」と語った。
また会話は、新宮木協と紀南木材新緑会が提供し、高田小学校で1月から試験導入されている、紀州ヒノキの学習机の天板にも及んだ。田岡市長は現状報告を受け「(使用に問題がないのなら)市内の小学校全部で、地元の木の天板を使った学習机を導入したい」との意向を示した。
なお、新宮市と東牟婁郡で近年、紀州材を活用した公共施設は▽新宮市の丹鶴ホール▽太地町の太地こども園▽古座川町の七川総合センター▽串本町の町立くしもとこども園―などがある。
(2022年12月2日付紙面より)
串本町立潮岬小学校(水上茂秀校長)の4年生20人が11月30日、陶芸用の土を使って守り神「シーサー」の置物作りに取り組んだ。
同町教育委員の堀切和仁さん(72)が四半世紀来、町内の子どもたちに届けている創作の機会。表情豊かなシーサーをかたどる経験を通してものを作る楽しさや完成させたときの達成感を感じてほしいという思いで、町立学校にこの機会の活用を勧めている。
この日同校は2~4時間目の授業時間を充てて児童が創作に没頭できる機会をつくった。堀切さんは「シーサー」の表情の豊かさを紹介して児童それぞれに完成イメージを抱かせ、以降は個別指導をしつつ台座、胴体、足、頭(口→鼻→目→耳→髪の毛の順で)、尻尾の順で一人一人の創作を後押しした。
工程上、胴体を中空にしなければいけない点だけは全員共通としたが、それ以外の創作は自由。最後は胴体の中空につながるよう口などに穴を開け、牙と舌を付けて作品を仕上げた。
堀切さんによると、新型コロナウイルス感染症が広まり始めて以降思うように機会を届けられず、この日は約3年ぶりの指導になるそう。作品は校内でしばらく乾燥させた後、公民館の釜で素焼きをして児童へ返すという。本年度は潮岬小のほか、串本西小もこの機会を活用する予定となっている。
(2022年12月2日付紙面より)
冬の交通安全運動始まる (和歌山県 )
和歌山県、交通事故をなくする県民運動推進協議会など主催の「わかやま冬の交通安全運動」(1~10日)初日の1日、新宮市橋本のイオン新宮店で決起集会と街頭啓発があった。運動期間中は▽飲酒運転の根絶▽歩行者の安全確保▽自転車の安全利用の推進―を重点とし、県民に注意を呼びかけていく。
同運動は年末にかけて交通事故が多発する傾向にあることから、広く県民に交通安全思想の普及・浸透を図り、交通ルールの順守と正しい交通マナーの実践を習慣付けることによって交通事故防止の徹底を図ることを目的に実施している。
県内の交通事故件数は10月末現在で1131件(前年同時期比20件増)。死者数は17人(同10人減)、負傷者数は1346人(同44人増)となっている。なお、死者数のうち10人が高齢者だった。
新宮警察署管内では59件(同5件増)の事故が発生し、死者3人(同1人増)、負傷者66人(同4人増)だった。
決起集会では、市交通事故をなくする会会長の田岡実千年市長が「交通事故のない安全で安心なまちづくりを目指し、いろいろな所で交通ルールやマナーの順守を訴えていきたい。私たちの思いが少しでも伝わる啓発活動になれば」とあいさつ。
新宮警察署の嶝口知宏交通課長は、飲酒運転の根絶と歩行者などの保護について言及し「飲酒運転ができない環境づくりにご協力を。また夕暮れ時の事故が多発する季節。早めのヘッドライト点灯や安全速度を心がけ、歩行者・自転車利用者は明るい服装や反射用品の有効活用に協力を」と呼びかけた。
(2022年12月2日付紙面より)
知事杯争奪弓道大会
古座町体バド競技を懐かしむ会
仮称2号トンネル、安全祈願祭 (新宮市 )
現在、開通に向けて工事が進む新宮市高田の白見の滝周辺で11月30日、「国道168号(仮称2号トンネル)道路改良工事 安全祈願祭」が行われた。発注者の和歌山県や設計・施行関係者ら約40人が出席。玉串奉てんなどを通して早期完成や無事故などを願った。
新宮市と奈良県五條市を結び、南和地域集積圏と新宮地域集積圏の連携を強化する、紀伊半島の核となる五條新宮道路。一部区間として計画されている延長4・8㌔の一般国道168号相賀高田工区は▽新宮市街への通勤通学など、沿線住民の日常生活における移動支援▽落石やのり面崩壊、冠水などによる通行止めを回避し、第1次緊急輸送道路の機能強化▽2次救急医療機関へのアクセス向上▽世界遺産などの観光拠点を結ぶ周遊ルートの信頼性向上―を目的に計画され、2017年度に事業化された。
仮称2号トンネルは同工区のうち、相賀から白見の滝に至るまでの延長2658㍍のトンネルで、工期は2026年2月14日までを予定。日本工営株式会社が設計、大成・尾花・川合特定工事共同企業体が施工を請け負っている。
安全祈願祭では、同地区の高倉神社の田中安弘宮司が斎主を務めた。東牟婁振興局の久保浩也建設部長や大成建設㈱関西支店の梅本正樹土木部長、尾花組㈱の谷口庸介代表取締役、㈱川合組の川合康介専務取締役、大成・尾花・川合特定工事共同企業体の清水良純作業所長、成豊建設㈱の上山晃彦代表取締役らが玉串を供え、工事の無事や工期内の完成などを祈願した。
閉式に当たり、久保建設部長が関係者らの協力に感謝を伝え「168号は、現在沿岸部で着々と工事が進む近畿自動車道紀勢線と一体となって紀伊半島の幹線ネットワークを形成する路線。大規模災害時の緊急輸送道路としてはもちろんのこと、観光振興や産業活動、救急医療などの面において重要な路線となる」。
「地域住民も路線の早期整備を心待ちにしている。皆さんにはこれまで培った豊富な経験と優れた技術力を存分に発揮し、無事故の中で一日も早い工事の完成を祈念しています」とあいさつした。
今後は、約36カ月かけて掘削を行い、並行して覆工、舗装工事などを実施していく予定。清水作業所長は「いよいよスタートラインに立った。身が引き締まる思い。地元の方々の協力を得て、しっかりと安全に良いものを造っていきたい」と話していた。
(2022年12月1日付紙面より)
地域文化振興の功績たたえ (熊野那智大社 )
令和4年度地域文化功労者表彰(文部科学大臣表彰)がこのほど発表され、本紙エリアからは那智勝浦町の「那智の扇祭り保存会」(男成洋三会長・熊野那智大社宮司)が「民俗芸能の伝承」分野で選出された。和歌山県内では同保存会と岩出市の音楽家・米山龍介さんのみ。
同表彰は、全国各地において芸術文化の振興、文化財の保護に尽力するなど、地域文化の振興に功績のあった個人・団体に対し、その功績をたたえ文部科学大臣が表彰するもの。
同保存会は熊野那智大社を中心として、周辺地域の氏子や関係団体と協力して長年にわたり祭礼の執行や運営を行い、伝統文化の継承と地域の活性化に努め、熊野の世界遺産を生かした観光や魅力発信など、地域振興にも重要な役割を果たしてきた。
祭りでは、同保存会を中心に那智田楽保存会と神役を担う青年会に当たる那智山正義会、神輿(みこし)を担ぐ役である扇指(おうぎさし)を出す同町市野々区、町内の諸団体、町立市野々小学校の児童などが参加して現在の祭りを形作っている。
那智の扇祭りは、1960年に和歌山県指定無形民俗文化財となり、2015年に国の重要無形民俗文化財に指定された。
表彰を受け、男成宮司は「お祭りは神社のみではできない。氏子の皆さまや関係者の皆さまが、歴史あるお祭りにご協力・ご奉仕していただけるからこその受賞」。
来年については「今年は3年ぶりに神輿やたいまつを繰り出すことができた。来年こそは全てが例年通りに、本来のお祭りの姿で執り行うことができるように願っています」と語った。
(2022年12月1日付紙面より)
水中クリスマスツリー設置 (串本ダイビング事業組合 )
串本ダイビング事業組合(谷口勝政会長、組合員24店舗)が11月29日、ダイビングポイント「備前」に水中クリスマスツリーを設置した。
より多くのダイバーに串本を認知してもらい地域内外で串本を活性化するために取り組んでいるイベントの一環。12回目となる今回は高さ3㍍の人工ツリーを前日に飾り付け、当日はダイバーら9人が「備前」へ赴き水深約18㍍の海底に同ツリーを設置した。
飾りに電飾は含んでおらず、訪れたダイバーが持参した水中ライトなどの光源を点灯した状態で同ツリーに差し込み聖夜の雰囲気を楽しむ仕組み。作業後はサンタクロースの衣装を着たダイバー2人を軸にし、アピール素材とする写真などの撮影にも臨んだ。
設置期間は12月25日(日)までを予定。イベント係としてこの取り組みを担当する道井洋之さんは「この時期の定着化に意義があるとして、コロナ禍にあっても途切れずやってきた。冬場はどうしても利用が減るので、このイベントで誘客を図り各店舗が盛り上がればと思うし、そのためにこれからも続けていけたら」と成果を期待して語った。
(2022年12月1日付紙面より)
尾﨑酒造で初搾り (新宮市 )
熊野の地酒「太平洋」の蔵元である、新宮市船町の尾﨑酒造株式会社(尾﨑征朗〈いくろう〉社長)で11月29日、新酒の初搾りがあった。杜氏(とうじ)が搾り機から流れ出た酒をぐいのみに注ぎ、味や香りを確かめた。作業は来年3月末まで続き、一升瓶で約8万本を造る予定という。
仕込み作業は10月下旬から始まった。熊野川の伏流水や地元産のコシヒカリなどを使用し、こうじや酵母を用いてもろみに。櫂棒(かいぼう)と呼ばれる長さ約2・5㍍の棒でかき混ぜて発酵を促し、搾って日本酒を醸造した。尾﨑酒造では約30種類の銘柄を造る。
杜氏の小林武司さん(48)は「今年は気温が高いからどうかと思ったが、雑味がなく味わいもすっきりして、甘みもあるきれいな味に仕上がった」と話す。「雑菌に汚染されないよう注意し、こうじや酵母の特性を生かすことに気を付けて作業した」という。
尾﨑社長(78)は、コロナ禍で酒の消費量が長らく落ち込んでいたことに言及。「元気の良い新酒ができている。これを飲んで新型コロナを吹っ飛ばしてもらえれば」と語った。
なお尾﨑酒造は、紀伊半島の田辺市以南から三重県松阪市周辺までの間で唯一の、本州最南端の蔵元となる。6代目の尾﨑社長が「地元の皆さんにかわいがってもらえるお酒を」と、1880(明治13)年から約140年続く伝統を守っている。「太平洋」は新宮出身の文豪の佐藤春夫や中上健次も愛飲していた。
尾﨑酒造では、12月上旬までは正月用の「太平洋しぼりたて生原酒」の醸造作業が行われる。サイズは一升のみ、3000本限定の予定で、価格は税込みで3135円。近隣の酒屋やスーパーなどで購入できる。12月中旬からは、他の銘柄の醸造が続く。商品に関する問い合わせは、尾﨑酒造株式会社(電話0735・22・2105)。
(2022年12月1日付紙面より)
那智勝浦ゴルフ倶楽部
新宮市民スポーツ祭典剣道の部大会
JAみくまの杯学童女子軟式野球大会