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【検索ステータス】2022年05月の新聞記事一覧 
2022年05月31日
1 早期完成に向け団結図る 新宮道路、用地幅杭設置式 (新宮市)

 近畿自動車道紀勢線の一部を構成する「一般国道42号新宮道路」の用地幅杭設置式が28日、新宮市王子町の市立総合体育館で開催された。国土交通省近畿地方整備局、和歌山県、新宮市が共催。県や新宮市をはじめとする自治体関係者ら125人が出席し、一日も早い道路の完成に向け団結を誓った。

 2024年秋の開通を目指して工事が進む新宮紀宝道路と、開通している那智勝浦新宮道路を接続し、紀伊半島沿岸部における大阪府から三重県を結ぶネットワークの一部を構成する新宮道路は、同市あけぼのから三輪崎に至る延長4・8㌔の自動車専用道路。車線数は2車線で、2019年度に事業化し、これをもって紀伊半島一周高速道路が全線事業化となった。

 開通により、交通混雑の改善や災害時の交通確保、救急医療活動の支援、広域周遊観光の支援に寄与する。現在、広角、王子地区で幅杭が進んでおり、今後用地買収に入っていく予定。総事業費は約300億円。

 開会に当たり、村山一弥・国交省道路局長が式辞。「有田印南道路の4車線化が完了し、串本太地道路は昨年起工式を実施した。新宮紀宝道路は24年の秋、すさみ串本道路は25年春を目指して事業を進めている。新宮道路は今後、本格的に事業を進めていくことになる」と説明し工事への協力を呼びかけた。

 仁坂吉伸県知事は、二階俊博衆院議員や関係者に対し感謝を述べ「紀伊半島一周も夢ではなくなる。観光資源があり文化が盛んな地域に人々がもっと寄ってきて地元が元気づく、そんな日が近づいている。道路が一日も早くできるよう、皆さんと共に頑張っていきたい」。

 田岡実千年市長は「一日も早い完成を願うばかり。一石何鳥もある道路。皆さんのお知恵を頂きながら、地域の発展に努めていきたい」とあいさつした。

 来賓の二階衆院議員は「県が発展するために、昨日今日言い始めたことではなく何年にもわたり叫び続けてきたこと。こんなチャンスは逃してはならない。こんなに早くできたと驚かれるように、皆で頑張ろうではないか」と用地買収への協力を求めた。

 森礼子県議会議長は「つながった道を、和歌山の元気につながっていくように頑張っていきたい」と祝辞を述べた。

 また、榎本義清・市自治会連合会長、里中陽互・市観光協会長、市立丹鶴幼稚園・蓬莱保育所の園児らから寄せられた応援メッセージが流された。

 用地幅杭打設に続き、榎本鉄也市議会議長が、一日も早い完成に向けてさらなる協力を呼びかけ、がんばろう三唱で士気を高めた。

(2022年5月31日付紙面より)

用地幅杭打設で団結を図った=28日、新宮市王子町の市立総合体育館
がんばろう三唱で士気を高めた
2022年05月31日
2 今年も御舟行事を自粛
 河内祭規模縮小の方向へ  (古座川河内祭保存会 )

 串本町の古座川河内祭(こうちまつり)保存会(杉本喜秋会長)が27日、今年の河内神社例祭「河内祭」について御舟行事を自粛して大前の儀の段取りを進めることを決めた。

 古座川河口から約3㌔上流にある河内島を神体とする同神社。例祭は近年、7月第4日曜日を本祭日として営んでいて串本町の古座区と古田区、古座川町の下部区と宇津木区と月野瀬区が奉仕して信仰を注いでいる。

 数ある諸行事のうち、古座区の御舟行事は国の重要無形民俗文化財指定を受けていてその保存団体に当たるのが区内の関係諸団体で結成する同保存会。この行事は古座神社にうつされている神体・河内様(こおったま)の神霊を河内島へいざなう奉仕で、例祭の中軸を担う点で同保存会は例祭の全体調整を図る役割も帯びている。

 新型コロナウイルスの情勢でおととし、昨年と御舟行事を自粛。今月27日夜半に古座漁村センターで会議を開き今年はできる限り奉仕する方向で話し合ったが、新型コロナウイルスの情勢で勇進会の御舟を出し難い状況や櫂伝馬(かいでんま)をこぐ古座中男子生徒の奉仕を求めにくい状況などが打開できず。杉本会長は「今年も見送り来年に懸けたい」と意見を取りまとめた。

 御舟行事と並んで国の重要無形民俗文化財指定を受ける獅子舞を継承する古座青年会と御舟謡(みふねうた)を継承する河内会は技術を保つため、奉仕の有無によらず感染症対策をして練習を再開すると報告。同青年会は屋固めなど求められている道行きをこなし試運転的に大前の儀後の地下舞わしもしたいと意向を伝え、練習だけでも祭りの雰囲気は伝わるとして支持を得た。両団体同様に勇進会へも「1隻だけでも」と御舟を出すことへの期待が寄せられたが、操船は日々の操業の延長で忘れることはないとし見合わせる考えを通した。

 会員の古座区以外の4区へは29日に各区長と面会して決定を伝えた。今年の本祭日は7月24日(日)で、大前の儀は午前9時に執行。伴って古座区は宵宮祭、渡御祭(陸路)、還御祭を営み大前の儀を整える。杉本会長は「今後も話し合いを重ねて御舟行事ができるよう盛り上げたい」と胸中を語った。

(2022年5月31日付紙面より)

御舟行事の実施の有無を話し合う古座川河内祭保存会の会員=27日、古座漁村センター
2022年05月31日
3 アール選手が個人総合優勝
 3日間の熱戦終える  (第22回ツール・ド・熊野 )

 熊野地方を舞台に27日から3日間の日程で開催された、国際自転車競技連合(UCI)公認の国際自転車ロードレース「第22回ツール・ド・熊野」が29日、太地町で行われた第3ステージ「太地半島周回コース」で全日程を終え、ネイサン・アール選手(チーム右京)が個人総合優勝を果たした。

 レースは、3~4周目にかけて10人が集団から抜け出し先頭グループを形成。7人へと絞られた最終周では、ライアン・カバナ選手(ヴィクトワール広島)が2時間33分02秒で優勝。2位にフランシスコ・マンセボ選手(マトリックスパワータグ)、3位には中井唯晶選手(シマノレーシング)が入った。

 28日の第2ステージ「熊野山岳コース」では、先頭を争う9選手が一歩も譲らないレースを展開。勝負はゴール目前の上り坂でのスプリントとなり、最終局面でレオネル・アレクサンダー・キンテロ・アルテアーガ選手(マトリックスパワータグ)が他の選手を振り切り、大会初出場にして初めて勝利を飾った。2位にはアール選手(チーム右京)、3位には小林海(まりの)選手(マトリックスパワータグ)と続いた。

 全ステージが終了し、アール選手が7時間43分09秒で自転車競技(ステージレース)最大の名誉とされる個人総合優勝に輝いた。

 山岳賞は地元・新宮市を拠点とする「キナンレーシングチーム」の山本大喜(まさき)選手、U23個人総合は山田拓海選手(エカーズ)、ポイント総合賞はカバナ選手、チーム総合優勝は「マトリックスパワータグ」がそれぞれ獲得した。キナンレーシングチームは総合3位だった。

 個人総合優勝のアール選手は「難しいコースでありレース展開でしたが、素晴らしい気候とシチュエーションで充実した走りができました。チームのサポートに感謝しています」と喜びを語った。

 角口賀敏実行委員長は「たくさんの方々に応援と協力をしていただき、開催して良かった。改めて感謝しています。コロナ禍ではありますが、これからも感染対策を徹底しながら大会を催せるよう努力していきます」と話していた。

  □     □

■キナン・山本大喜選手が山岳賞獲得



 地元レースとして出場した「キナンレーシングチーム」の山本大喜選手が、今大会で登坂力ナンバーワンの証しである山岳賞を獲得した。

 山本選手は大学卒業後、同チームに所属。2019年から新宮市に在住し、当地方で日々トレーニングにまい進している。昨年に行われたジャパンサイクルリーグ「三菱地所JCLプロロードレースツアー」では初代個人総合王者に輝いた。

 「ツール・ド・熊野」では、初日から快走を見せ、第2ステージではレース途中で通過した山岳でポイントを量産。同賞争いで首位に立つと、第3ステージをしっかりと走り切り見事、賞を手に入れた。

 山本選手は「山岳賞を獲得することができて大変うれしく、チームにとっても自信につながった。プレッシャーはありましたが、多くの皆さんの応援が力をくれ、楽しく走ることができました」と話していた。

(2022年5月31日付紙面より)

個人総合優勝を果たし角口賀敏実行委員長(左から2人目)にたたえられるネイサン・アール選手(同3人目)=29日、太地町
ゴールを目指し力走する選手たち=29日、太地町のくじら浜公園前
ゴール時、接戦でのスプリント勝負となった=29日、太地町
山岳賞を獲得した山本大喜選手
2022年05月31日
4 町民集える場所を目指し
 木戸浦グラウンド芝生化へ  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町は14日より、体育文化会館横の木戸浦グラウンドの芝生化に伴うスプリンクラー設置工事を始めた。町が進める同会館周辺の公園化によるもので、設置後は芝生の植え付けを行う。芝生の定着期間もあるため、10月31日(月)までグラウンドは使用できないという。

 現在、町では「高齢者を中心とした町民健康増進事業」の一環として、同会館の研修室を改修し、ストレッチなどで体を動かすために使用する「アクア」と、フィットネスジムなどでも使用されているストレッチマシンを設置した「ウエーブ」の2室を整備した。

 さらにはトレーニング室に新しい機器を導入。1階ロビーも手を加え、誰もがくつろぐことができる「休憩スペース」をつくるなどの内装改修を3月末に終えた。

 芝生化を含めた公園化事業は、堀順一郎町長が以前より政策に掲げていた。津波避難タワー(階段)が完成した同会館とその周辺を、町内外から多くの人々が集える憩いの場とすることが目的だ。

 町建設課によると、グラウンドに溝を掘った後に配管を敷設して、スプリンクラーを設置。芝生定着後は手動で装置を作動させ、芝生に水を与える仕組みになるという。工期は6月30日(木)まで。費用は約410万円。

 同会館やグラウンドなどを所管する町教育委員会は芝生の詳細について、植え付ける面積は約1万800平方㍍で費用は約330万円と話していた。また、芝生定着後も、これまで通りスポーツを楽しむことができるとした。

 担当職員は「グラウンドを利用する関係団体の皆さまや勝浦小学校には10月末まで使用できないことを伝えている。当面の間、無料開放も一時中止となるため、ご利用される皆さまにはご迷惑をおかけいたしますが、ご理解のほどよろしくお願いいたします」と話している。

(2022年5月31日付紙面より)

芝生化に伴い、10月末まで使用ができない木戸浦グラウンド=26日、那智勝浦町の体育文化会館横
2022年05月31日
5 優勝は新家近代さん
 新組織発足グラウンドゴルフ記念大会  (ニュータウン友愛クラブ )
2022年05月31日
6 入賞に届く域に仕上がる  技術会選手の訓練大詰め  (串本町消防本部 )
2022年05月31日
7 新役員や本年度事業など承認  納税協会と納税貯蓄組合が総会  (新宮市 )
2022年05月31日
8 「いかのおすし一人前」  下里小1年生に防犯教室  (那智勝浦町 )
2022年05月31日
9 カヌー体験通じ絆深める  フロンティアコース1年生  (近大新宮高 )
2022年05月31日
10 1年に1日だけの花が咲く  中平さん宅のサボテン  (那智勝浦町 )
2022年05月31日
11 開所後初の食材配布  つくしの家がフードパントリー  (新宮市 )
2022年05月31日
12 地震発生時の行動を確認  鵜殿小で避難訓練  
2022年05月31日
13 知育積み木作りに挑戦  子育てサロンで母親ら  (紀宝町 )
2022年05月31日
14 避難所情報などを伝達  Lアラートの全国合同訓練  (紀宝町 )
2022年05月31日
15 3年ぶり、防犯少年野球大会  AMが優勝、紀宝が準優勝  (紀宝地区防犯協 )
2022年05月31日
16 2年後以降、2道路が開通予定  近畿自動車道紀勢線事業説明会  
2022年05月31日
17 お悔やみ情報
  
2022年05月29日
18 いのち守る経験次世代へ
 熊野川で総合水防演習  

 熊野川総合水防演習実行委員会(国土交通省、和歌山県、三重県、新宮市、田辺市、那智勝浦町、太地町、古座川町、北山村、串本町、熊野市、紀宝町)は28日、新宮市の熊野川河川敷で「令和4年度熊野川総合水防演習」を実施した。国交省近畿地方整備局、和歌山、三重の両県、熊野市~田辺市の各自治体や消防など36団体から約600人が参加。総合的な水防演習を通して地域防災力の継承を図った。

 2011年の紀伊半島大水害では各地で土砂氾濫、河川氾濫が発生し、多くの尊い命や多数の財産が失われた。同演習は大水害で得た教訓を未来に継承するため、当時被災した周辺自治体が参画し水防技術の向上・伝承を図るとともに「流域治水」への転換の観点を踏まえ、幅広い主体が参加する実践的な訓練により、地域の防災知識の普及や防災意識の向上、災害対処能力のさらなる向上を図ることを目的とするもの。

 演習テーマは「紀伊半島大水害を教訓とした地域防災力を未来に継承~いのちを守る経験を次の世代へつないでいく~」。熊野川における総合水防演習は初で、和歌山県内では紀の川での開催から12年ぶりとなる。

 開催に先立ち、先の大水害の犠牲者に黙とうがささげられた。開会式では国旗掲揚に続き、山田邦博国交省事務次官が「国民の財産、生命を守るために、引き続き全力で取り組むとともに、皆さまとの連携を一層強化していきたい。演習を通じて、関係機関と地域住民の皆さまが一体となった防災・減災の取り組みの強化を改めてお願いします」と名誉総裁の斉藤鉄夫国交相のあいさつを代読した。

 統裁の仁坂吉伸和歌山県知事は「精いっぱい技量を発揮して思いをさらに高め、実際に災害が発生した際には被害を最小限に食い止められるよう期待している」、一見勝之三重県知事は「災害に立ち向かう強い気持ちが大事。今日の訓練が実りのあるものになれば」。

 全国水防管理団体連合会の溝口宏樹事務局長代理が脇雅史会長のあいさつを代読し「関係機関が一丸となって取り組む訓練は極めて重要。住民に安心していただけるよう演習を」と呼びかけた。

 来賓の二階俊博衆院議員は、関係者の日頃の尽力に感謝を述べ「その崇高な使命を担い、地域のために一層のご活躍を」。

 鈴木英敬衆院議員は「訓練でできないことは本番でもできない。緊張感を持って、訓練が有意義になることを祈念している」とあいさつした。

 演習は、紀伊半島大水害に匹敵する恐れのある降雨や河川氾濫が発生したとの想定の下、水防、救出・救護、避難の各訓練に分かれて実施。訓練の様子や関係機関の情報共有の様子は会場内に設置された大型モニターに映し出された。

 ▽ヘリコプターによる被災状況調査▽大型土のう設置による応急対策工▽排水ポンプ車による緊急排水訓練―や、ヘリコプターや専用機器を駆使した救助・緊急搬送、負傷者のトリアージや応急救護、浸水区域内建物や土砂埋没建物・車両からの救出訓練なども行われ、参加団体はそれぞれの持ち場で日頃の訓練の成果を発揮。協力体制の下、各種訓練に挑んだ。

 約2時間におよぶ演習後には、総裁の東川(とがわ)直正・近畿地方整備局長が講評。「もうすぐ出水期がやってくる。これまでの取り組み、今日の訓練を糧にしてほしい」と呼びかけ、協力体制のさらなる強化を誓った。

 また、演習の指揮官を務めた中谷健兒・新宮市消防団長に対し、川尻竜也・紀南河川国土事務所長から感謝状が贈られた。

(2022年5月29日付紙面より)

さまざまな専用機器を用いて訓練が行われた=28日、新宮市の熊野川河川敷
2022年05月29日
19 永年勤続の区長を表彰 令和4年度区長連合会総会 (那智勝浦町)

 那智勝浦町区長連合会(会長=串俊男・橋ノ川区長)は27日、同町の体育文化会館で総会を開き、本年度の行事計画案、予算案などの上程議案全てを承認した。令和4年度永年勤続区長の表彰では出席した大江清一・中里区長と長雄正紘・市野々区長の2人に堀順一郎町長から表彰状および感謝状が贈呈された。

 区長連合会は町内の55区で組織。区長相互の親睦を図り、町当局との連携を密にし、区民の福祉増進のために組織する。これまでには町花火大会実行委員会、南の国の雪まつりなどのイベントなどにも協力している。

 2021年度は地区代表者会議や三役会議などを行った。また、新型コロナウイルス感染症の影響で研修視察は中止となった。

 22年度の行事計画は地区代表者会議や、区長連合会研修視察、高速道路の要望活動などを実施する予定とした。

 串会長は「各区においては、祭りごとなどの伝統を受け継ぐ使命もあり、参加者にとっては地域の連帯感を強めることにつながる。しかし、広域による連合会の存在意義となれば、果たして肯定的に考えて理解する住民はいかほどなのでしょうか。寸進尺退な制度なのでしょうか。超少子高齢化社会においても必要な制度と考えるのであれば、行政サービスと住民の役割の混在から脱却し、新たなパートナーシップを考えていかなくてはならないのでは」とあいさつ。

 堀町長は「区長の皆さまには、地域の課題解決や伝統を守るために日々、ご尽力を頂き感謝している。住民の意識の多様化や高齢化、コロナ禍の中で、区の行事や祭りも盛大にできない状況。区と町が一緒になって盛り上げていけるような行政を目指したい」と話した。

 同町議会の荒尾典男議長も区長の尽力に感謝し、祝辞を述べた。

 表彰者を代表して長雄区長は「感謝状をいただき、5年間を振り返る良い機会となった。市野々区長として、防災訓練をはじめとする地域活動を継続できたのは、支えてくださった皆さんのおかげだと感謝しています。今後も変わらず、ご支援賜りたく思います。本当にありがとうございました」とあいさつした。

 その後、今年12月にロケットの打ち上げを予定しているスペースワン株式会社とスペースポート紀伊周辺地域協議会から、事業概要や打ち上げによる経済波及効果、交通渋滞対策などについて説明があった。

(2022年5月29日付紙面より)

永年勤続区長に表彰状と感謝状が手渡された=27日、那智勝浦町の体育文化会館
出席した各地区の区長
串俊男会長
2022年05月29日
20 窪木選手が第1ステージ制す
 ツール・ド・熊野  

 第22回ツール・ド・熊野の第1ステージ「赤木川清流コース」が27日、新宮市熊野川町で行われた。18チーム105選手が熱戦を繰り広げ、窪木一茂選手(チームブリヂストンサイクリング)が2時間31分17秒で優勝した。2位にはネイサン・アール選手(チーム右京)、3位に織田聖選手(EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム)が入った。

 第1ステージは同町の赤木川沿いを走る16・4㌔を7周する114㌔で実施。レースは、4周目に入り6人がリード。メイン集団に対して30秒ほどのリードを広げるが、最終周回でマトリックスパワータグやブリヂストンサイクリングなどの他チームがペースを上げ先頭集団に追い付いた。

 勝負はゴール前のスプリントに持ち込まれ、窪木選手が両手を上げながらフィニッシュラインを通過し、大接戦を制した。

 地元キナンレーシングチーム勢では、畑中勇介選手の4位が最高位だった。

(2022年5月29日付紙面より)

ゴール前のスプリント勝負を制し優勝した窪木一茂選手(右)=27日、新宮市熊野川町
2022年05月29日
21 避難の手順を再確認
 土砂災害に備え訓練  (那智勝浦町 )

 雨のシーズンを間近に控え、那智勝浦町は28日、「市野々区土砂災害防災訓練」を同区で実施した。大雨による避難指示発令を想定、地域住民が町立市野々小学校の体育館に避難した。ドローンによる情報収集の実証実験もあった。

 2011年の紀伊半島大水害を教訓に、14年から訓練を開始。例年なら井関、八反田区も加わるが、コロナ禍の影響で昨年から不参加となっている。

 今回は、同区自主防災組織から16人、同町から14人、同町消防本部から3人、町消防団第4分団から13人が参加した。

 台風に伴う大雨の影響で、町はまず「高齢者等避難」を、続いて「避難指示」を発令した。「高齢者等避難」の発令段階で同区自主防は、事前に把握している要支援者に連絡。自宅に車で向かい、乗せて同小体育館へと避難させた。

 町により、防災無線で避難情報が広報された。消防団も地域を放送車で巡り避難情報を伝え、加えて河川の水位情報を消防本部に伝えた。

 地域住民も、避難指示の発令を待たず、避難を開始。最終的に、男性10人、女性20人、世帯数で23世帯が避難した。

 また町は自主防と協力し、避難者名簿の作成や、災害対策本部である役場本庁との情報伝達を行った。

 ドローンは、新宮市三輪崎のアドホックが飛ばし、映像をモニターに映し出した。また体育館には、簡易テントや簡易トイレ、スポットエアコンなどが展示されていた。

 同区長で自主防災組織会長の長雄正紘さん(78)は、講評で近年、ゲリラ豪雨や地震が頻発していることに言及。「この辺りも山が崩れるかも。各自が先頭に立って逃げ、それぞれが自分の命に責任を持って避難を。地震の揺れが収まったら、一分一秒でも早く逃げて」などと呼びかけた。

(2022年5月29日付紙面より)

避難を急ぐ地域住民=28日、那智勝浦町立市野々小学校
2022年05月29日
22 磯遊びにでかけよう!  初夏の磯の生き物たち  (こども新聞 )
2022年05月29日
23 害虫駆除の団子作る  千穂第一地区福祉委員会  (新宮市 )
2022年05月29日
24 手を振り再来呼びかけ  クルーズ客船を見送り  (新宮市 )
2022年05月29日
25 地域一体で盛り上がる  高田連合運動会開催  (新宮市 )
2022年05月29日
26 3ブロックに分かれ熱戦  那智中学校で第74回体育祭  
2022年05月29日
27 楽しもう最高の思い出を  宇久井小・こども園合同運動会  (那智勝浦町 )
2022年05月29日
28 全国表彰の産屋敷さんら紹介  紀宝町商工会が通常総会  
2022年05月29日
29 元気いっぱい駆け回る  井田、神内、成川の3小学校で運動会  (紀宝町 )
2022年05月28日
30 18チームが優勝目指す
 3年ぶり「ツール・ド・熊野」開幕  

 熊野地方を舞台とする国際自転車競技連合(UCI)公認で国内屈指の自転車ロードレース「第22回TOUR de 熊野(ツール・ド・くまの)」が27日、新宮市熊野川町の「赤木川清流コース」(114㌔)で開幕した。NPO法人「SPORTS PRODUCE 熊野」が主催、公益財団法人日本自転車競技連盟が後援。

 大会は新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から昨年、おととしと中止。3年ぶりの開催となった。今年は新宮市を拠点とする「キナンレーシングチーム」をはじめ海外1、国内17の計18チームが出場。総合優勝を目指し、熱戦を繰り広げる。

 開会で「SPORTS PRODUCE 熊野」の角口賀敏実行委員長が大会の開催に尽力してくれた多くの人に感謝を伝え、選手に向け「力いっぱい熊野の地を駆け抜けて楽しみつつ、頑張ってください」とあいさつ。来賓の田岡実千年市長は「全力を尽くし、素晴らしい大会にしていただければ」と述べた。

 コースは海、山、川の自然豊かな環境で起伏のあるのが特徴。大会2日目の28日(土)は三重県熊野市紀和町の山間部を走る「熊野山岳コース」(104・5㌔)、最終日の29日(日)は捕鯨の歴史が色濃く残る太地町が舞台の「太地半島周回コース」(104・3㌔)で競われる。

(2022年5月28日付紙面より)

一斉にスタートを切る選手たち=27日、新宮市熊野川町
角口賀敏実行委員長
田岡実千年市長
2022年05月28日
31 夏の3イベントの中止を発表
 コロナ情勢考慮し主催者判断  (串本町 )

 串本町が26日、▽JAPANビルフィッシュトーナメントin串本▽熊野水軍古座河内祭(こうちまつり)の夕べ▽串本まつり―の各行事について中止が決まったことを発表した。いずれも新型コロナウイルス感染症の情勢を考慮した主催者判断で、3年続けて実施が見合わされる形となっている。

 同トーナメントはスポーツフィッシングの最高峰・カジキ類の釣果を競う大会として年1回実施。串本漁港に本部を置き、釣果公開や体験クルージングなど地域交流の側面もあって例年町民らの見物を集めている。

 今年は7月15日(金)~17日(日)に第33回大会を開く方向で準備を進めていたが、同ウイルスの収束が見通せず主催者は4月5日付で中止決定を発表した。最近では2019年に節目の第30回記念大会を実施。以降は中止が続いている。

 熊野水軍古座河内祭の夕べは、古座川河口域にある河内神社の例祭「河内祭」の本祭日夕方~夜半に開かれている奉賛行事で同夕べ実行委員会が主催。屋台村やビアガーデン、芸能発表などで例祭後の納涼のひとときを提供し、終盤では東牟婁地方にシーズンインを告げる花火大会が電飾をともした祭船「御舟」も共演しながら行われている。

 実行委員長の上野一夫さんによると書面決議で中止を決めたそうで、自身はこの辺りでは大御所の熊野大花火大会が中止を発表する状況で開くのは難しいと判断したという。まして子どものころから見てきた例祭の縮小が続く状況がつらいと訴え、「地元(=古座)が断念しない限り、自分も応援を惜しまない」と今後も例祭と連動して同夕べを続ける意思を掲げた。

 串本まつりは前述した行事を除く盆前の行事を包括する企画名で、直近では19年に▽橋杭ビーチサマーフェスタ▽串本節踊り▽花火大会▽ふれあい広場(アユのつかみ取りやビンゴゲーム大会含む)▽串本ダンスフェス―といった各イベントを実施した。

 実行委員長の島野利之さんは「やれればと皆思っているが、人出の管理が難しく中止となった」と話し、「ウイズコロナが進み再開する時はためた分も含めてぜひ盛大に開きたい」と思いを語った。

 イベントのうち、同フェスタは南紀串本観光協会が主催で橋杭ビーチ振興の関係で本年度も串本まつりによらず独自に実施の方向を模索しているという。連動行事の巡視船体験航海について串本海上保安署は「大枠の串本まつりが中止であれば実施しない」としている。

(2022年5月28日付紙面より)

過去の串本まつり〈花火大会〉の様子
熊野水軍古座河内祭の夕べの様子
2022年05月28日
32 橋上部、来年1~2月に接続
 熊野川河口大橋を視察  (紀宝町議会 )

 紀宝町議会の全議員が所属する近畿自動車道紀勢線建設特別委員会(榎本健治委員長)は26日、建設中の熊野川河口大橋を現地視察した。橋の上部、内部を視察した榎本委員長は「初めて河口大橋の上部から視察した。新宮側はかなり工事が進んでいる。委員会としても引き続き、早期完成に向けて努力したい」と語った。

 新宮市、紀宝町で建設工事が進む熊野川河口大橋(橋長821㍍)は来年1~2月に接続する計画。河口大橋を含む新宮紀宝道路(延長2・4㌔)は2024年秋の開通を目指している。

 河口大橋は現在、両市町で上部工事が続いており、改めて進捗状況を確認しようと視察を計画。全議員と西田健町長らが新宮市側の建設現場に出向いた。

 国土交通省近畿地方整備局紀南河川国道事務所の本田明副所長らが説明。新宮紀宝道路は近畿自動車道紀勢線の一部で、13年度に新規事業化された。紀宝町側の用地取得率は昨年度100%となり、現在の工事進捗率は74%だという。

 議員らは工事状況を確認し、構造や安全対策も聞いた。視察後、西田町長は「工事が目に見えて進み、肌で実感することができた。河口大橋を含む新宮紀宝道路の一日も早い完成を願っている」と話していた。

(2022年5月28日付紙面より)

熊野川河口大橋の工事説明を聞く議員ら=26日、新宮市
橋の内部も視察する
2022年05月28日
33 災害時の円滑な情報伝達を
 Lアラート合同訓練  (和歌山県 )

 災害時における円滑な情報伝達を行うために和歌山県は26日、県内市町村および各消防本部一斉のLアラート合同訓練を実施した。那智勝浦町役場では午前9時30分ごろ、町防災対策室の担当職員らが情報入力などに取り組んだ。

 Lアラートとは、地方公共団体などが発信した災害情報などを放送報道事業者やインターネット事業者に対して、配信する情報共有基盤のことを指す。それぞれ入力された情報は各市町村でも即座に確認できるという。

 訓練は県の防災情報システムに災害情報の入力を行い、操作の習熟度向上に努めるとともに、災害時の情報連携について確認を行うことが目的。

 訓練は各市町村それぞれで個別シナリオを設定し、進められた。同町でも各地区の避難場所に避難した人数や職員の人数、発令している避難情報レベルの切り替えなどの入力も行っていた。

 町防災対策室の増田晋室長は「正確な情報が瞬時にメディアなどに伝えられることがメリット。訓練ではシステムの更新などにも対応するとともに、それに慣れることが必須。実際の場面で円滑に操作が行えるように今後も取り組んでいきたい」と話した。

(2022年5月28日付紙面より)

職員が情報入力などに取り組んだ=26日、那智勝浦町役場総務課
2022年05月28日
34 ヒメボタル舞う時季に  潮岬の潮騒の森などで  (串本町 )
2022年05月28日
35 「工事量増に協力を」  事業計画や予算を承認  (新宮地方建設組合 )
2022年05月28日
36 地域に活力を取り戻す役割を  南紀くろしお商工会が総代会  (那智勝浦町 )
2022年05月28日
37 ボウランが開花  熊野速玉大社のオガタマノキ  
2022年05月28日
38 地域を支える仕事を知る  神倉小4年生が社会科見学  (新宮市 )
2022年05月28日
39 仲之町で絵画展  油絵と水彩の25点  (ボザール新宮 )
2022年05月28日
40 3年ぶり開催、力作54点展示  第74回熊野美術協会展  (丹鶴ホール )
2022年05月28日
41 収穫量は大幅増に  統一選果場で青梅の出荷作業始まる  (御浜町 )
2022年05月28日
42 サツマイモなど丁寧に  キホッチョ農園で苗植え  (紀宝町 )
2022年05月28日
43 黄金色の小麦を収穫  高岡、大里地区で11㌧の見込み  (紀宝町 )
2022年05月28日
44 お悔やみ情報
  
2022年05月27日
45 地域支える医療人育成目指し
 東京医療保健大学と協定締結  (新宮高校 )

 新宮市の県立新宮高校(東啓史校長)と東京医療保健大学は25日、教育連携協定を締結した。同日、新宮高校で連携調印式があり、東校長と同大学和歌山看護学部の八島妙子学部長(同大学副学長)が協定書に署名した。

 相互の教育理念を理解し、人的・知的資源の交流・活用を図り、相互の教育の充実と発展に資することを目的とするもの。

 同学部は、和歌山県、和歌山市、日本赤十字社和歌山医療センターと東京医療保健大学の縁と連携により、2018年に設立。人口減少、高齢化が進む中、優秀な学生が地元に帰る仕組みをつくるべく、紀北・紀中・紀南で地域枠を設けるなどして地域を支える人材育成に取り組んでいる。

 新宮高校との協定締結は20年9月に和歌山信愛高等学校と締結以降、県内では8例目。なお現在、同学部では15人の新宮高校卒業生が在学しており2人が卒業している。

 協定内容は▽地元地域における医療関係者の不足を解消できるよう、看護分野を中心に医療人の育成を図る▽医療分野を志す生徒の意識喚起を図る▽総合的な探究の時間における探求活動の助言―などで、同学部による出前授業や同学部の授業見学、生徒・学生間の交流、教員相互の交流などを展開していくという。

 八島学部長は「コロナ禍で授業もハイブリッド化し、オンラインで遠隔でもつながっていけると考えた」と協定締結に至った経緯を語り、さらなるつながりや結び付きの強化に期待を込めた。

 東校長は「医療人の不足が叫ばれる中、医療人をどのように育成するかは大きな課題。そんな中、今回の話を頂いたことは非常にありがたい。看護をより身近に感じ、同学部に進路を定める生徒も増えてくるのでは」と話していた。

 協定の有効期間は23年3月31日で、1年単位で更新していくという。

(2022年5月27日付紙面より)

八島妙子学部長(左)と東啓史校長が協定書に署名した=25日、県立新宮高校
2022年05月27日
46 高台へ居住誘導など
 復興計画の概要を公開  (太地町 )

 太地町はこのほど、町事前復興計画の概要版「復興後の太地のすがた」を、町のホームページで公開した。被災後は高台にまちの機能や居住を誘導していくなどの計画が、イラストとともに分かりやすく示されている。

 事前復興計画は、災害後に迅速かつ円滑に復興が進むような取り組みを記した計画となる。太地町では、南海トラフ巨大地震による津波浸水想定区域内の世帯数は、843世帯、1582人(2019年4月1日現在)で、全世帯の6割強、全人口の5割強となる。そのほとんどの場所は浸水深3㍍以上で、一部では10㍍を超える。

 事前復興計画の基本的な方針として、居住エリアは原則、住民に危害を及ぼす区域の外に配置する。高台の谷埋盛土および切土で宅地を整備し、低地も部分的に盛土する。浸水区域には居住誘導せず、産業用地、公園緑地や観光施設として整備。公共施設も浸水区域外に配置する。漁協・水産加工施設は、迅速復旧のために用地確保やアクセス道路を優先整備する。観光資源も早期復旧を図り、森浦湾沿いに集約する。

 早期の復興に向け、事前に▽町役場の移転▽高台・アクセス道路の整備▽切土・盛土などの調査設計の事前検討▽上水道の津波対策の検討▽地籍調査の推進―などを行うとしている。復旧期の整備方針案として▽「旧グリーンピア南紀跡地」と「夏山地区」を応急仮設住宅の候補地に▽海岸沿い用地をがれき集積の候補地に▽地区を結ぶ幹線道路を早期復旧▽海岸堤防を整備し、低地部の居住誘導エリアに盛土。

 ▽盛土部より海側は原則非可住地とし、公園や漁業、水産加工場ゾーンを検討▽高台盛土と切土で新宅地を確保し町民移転の受け皿に▽海岸沿い景勝地は展望や親水の公園を検討▽がれき集積用地は撤去後に、公園や緑地を整備―などを考えている。

(2022年5月27日付紙面より)

津波浸水想定区域の中に建つ住居も多い=太地町太地
2022年05月27日
47 不法滞在者をなくそう
 強化月間に伴い協力呼びかけ  (新宮警察署 )

 6月は「不法就労・不法滞在防止のための活動強化月間」。強化月間に伴い、新宮警察署においても不法就労・滞在に関する情報があれば、同署に連絡するよう呼びかけを行っている。

 法務省の統計によると、2022年1月1日現在で、全国の不法残留者数は6万6759人となっており、前年の8万2868人と比較して約1万6000人減少しているものの、不法入国者などを含めた不法滞在者は県内でも相当数いると考えられている。

 また、不法就労は法律で禁止されており、不法就労した外国人だけでなく、不法就労させた事業主も処罰の対象となる。

 不法残留者の多くは警察などによる摘発を逃れるため、偽造証明書などを使用して在留資格を偽るなどして不法に就労しているほか、在留資格に応じた活動でないことを承知の上で外国人に仕事をあっせんするブローカーや、資格外活動許可の範囲を逸脱して働かせる雇用主も存在するなど、その手口は悪質・巧妙化しているという。不法滞在者の中には、他の犯罪に手を染める者も少なくない。

 和歌山県警では県内から不法滞在者をなくすため、関係機関と連携しながら不法滞在者の摘発や不法滞在者を雇用する悪質な事業主などの取り締まりを強化していく構え。

 新宮警察署の谷英人警備課長は「大半は善良な外国人だが、不法就労・滞在の手口は巧妙化しており分かりにくくなっている。ささいな情報でもいいのでお寄せいただければ」と呼びかけている。

 「学校へ行かずに働いている留学生がいる」「オーバーステイの外国人に関する話を聞いた」など、「不法就労・滞在しているのでは」と不審に思うことがあれば、同署(電話0735・21・0110)もしくは最寄りの交番や駐在所へ。

(2022年5月27日付紙面より)

不法滞在者などの情報提供を呼びかける谷英人警備課長=23日、新宮警察署
2022年05月27日
48 七里御浜海岸を守る
 対策連絡協総会で浸食防止工事を説明  

 七里御浜海岸侵食対策連絡協議会(会長=西田健・紀宝町長)は25日、熊野市文化交流センターで第33回総会を開き、県熊野建設事務所の須賀真司所長から、同海岸の本年度整備計画など説明を受けた。

 七里御浜海岸は熊野市から紀宝町に至る延長約22㌔の、粒の大きな砂や小石によってできた日本で一番長いとされる砂礫海岸。世界遺産熊野古道の一部にも指定されている。年々浸食が進み、海岸に面する熊野市、御浜町、紀宝町が1996年に規約を設け、対策連絡協議会を立ち上げて海岸浸食に関する調査、研究や関係機関への対策要望活動を進めている。

 須賀所長が説明したのは、浸食を止めて海岸が細るのを防ぐための本年度施工予定の工事で、御浜町阿田和地区海岸の堤防工と紀宝町井田地区海岸の人工リーフによる養浜工の2件。阿田和地区堤防工の全体計画は786㍍だが、南部の600㍍は施工済み。北部は計画の186㍍中140㍍が施工済みで、残り46㍍のうち、本年度は26㍍を計画しており、年度内の完成を目指している。

 井田地区海岸の人工リーフ据え付けによる養浜工の全体計画は1546㍍で、968㍍が施工済みとなっている。本年度は50㍍を予定している。河上敢二熊野市長は「写真では、海岸が海側に広まったように見える。工事の効果が出ているのでは」と感想を述べた。

 総会では事業報告や収支決算がなされ、本年度予算案や要望活動、情報交換事業計画が承認された。役員改選もあり、会長の西田紀宝町長、副会長の河上市長、監事の大畑覚御浜町長がともに再選された。西田町長は七里御浜海岸の浸食防止に、改めて協力を求めた。

(2022年5月27日付紙面より)

井田海岸で行われている養浜工事=25日、紀宝町井田
2022年05月27日
49 ゲームで交流深める  中央児童館で「おたのしみひろば」  (新宮市 )
2022年05月27日
50 生徒有志が清掃活動  近大新宮高校・中学校  
2022年05月27日
51 過去10年で3番目に高い率  高校生の和歌山県内就職率  
2022年05月27日
52 和気あいあいと体ほぐす  高田地区で介護予防体操  (新宮市 )
2022年05月27日
53 今年も畑作りスタート  熊野川中でサツマイモの苗植え  (新宮市 )
2022年05月27日
54 中里会館前を拡幅  2車線化し歩道も  (那智勝浦町 )
2022年05月27日
55 コロナワクチン4回目  熊野地方でも準備進む  
2022年05月27日
56 洋上含め串本~大島巡る  5月のウオークツアーで  (南紀串本観光協会 )
2022年05月27日
57 家族8組20人が作陶に挑戦  主催事業「日帰り!陶芸体験」  (潮岬青少年の家 )
2022年05月27日
58 JR串本駅一帯で清掃活動  県たばこ組合紀南支部奉仕  (串本町 )
2022年05月27日
59 高みを目指して全力で  県総体に向けて壮行会  (紀南高校 )
2022年05月27日
60 絵本の世界楽しむ  5歳児が図書館訪問  (飯盛保 )
2022年05月27日
61 「消防団としての誇りを」  向井治さんに叙勲伝達  (紀宝町 )
2022年05月27日
62 サツマルリミノキの花  大門坂で咲き始める  (那智勝浦町 )
2022年05月27日
63 お悔やみ情報
  
2022年05月26日
64 新翔生47人を委嘱
 自転車マナーアップ推進リーダー  (新宮警察署 )

 新宮警察署(田原正士署長)は24日、新宮市佐野の県立新翔高校(藤田勝範校長)の新翔プロジェクトチームと吹奏楽部員ら47人に「自転車マナーアップ推進リーダー」を委嘱した。生徒を代表して吹奏楽部長の太田誇音君(3年)とプロジェクトチームリーダーの中村美優さん(同)が田原署長から委嘱状を受け取った。

 2015年の道路交通法の改正による自転車運転者講習制度の施行を受け県内で初めて実施し、今年で8回目。校内での自転車の交通マナーの向上や「自転車安全利用五則」の周知、若者の交通安全活動への参画などを主導し事故防止を図る。

 同署で開かれた委嘱式には、田原署長や同校の藤田校長らが出席。吹奏楽部33人、プロジェクトチーム14人が自転車マナーアップ推進リーダーに、プロジェクトチーム顧問の宮井貴浩教頭、吹奏楽部の西浦久博顧問がアドバイザーに委嘱された。なお、プロジェクトチームはさまざまな経験を通して成長につなげる活動を行うチームとして発足。今後、地域でボランティア活動などを展開していくという。

 田原署長は、昨年県内では1419件の人身事故が発生し、248件が自転車に関する事故で、うち9件が旧新宮警察署管内での事故だったと説明。また、県内では不幸にも6人が自転車乗車中の交通事故により尊い命をなくしたと述べ「悲惨な交通事故を一つでも減少させるため、自転車の運転手に対する指導取り締まりを強化していくが警察の活動だけでは限界がある」と生徒らの活躍に期待。

 「自らが正しい交通ルールを実践し、小学生や中学生など、周りの方々のお手本に。交通ルールを守ることの重要さを、家族や友人の方々に伝えていただくことにより、地域全体に交通ルールの周知やマナーの向上が図られることを期待しています」と伝えた。

 藤田校長は「自転車は気軽さの中に命を奪ってしまう危険も含まれている。みんなが安全意識を持たないと事故はなくならない。自分だけではなく相手の気持ちを考えることが大事。コロナ禍だができる限り啓発を行い、いろいろな活動を展開していければ」と士気を高めた。

 委嘱状を受け取った太田君は「率先して他の自転車利用学生の模範となるような運転を心がけ、自転車安全利用五則を順守し学校全体に浸透させます。悲惨な交通事故をなくすため、進んで交通安全活動に参画します」と宣言した。

(2022年5月26日付紙面より)

委嘱式に出席した皆さん=24日、新宮警察署
太田誇音君が高らかに宣言した
2022年05月26日
65 行方不明者発見に協力
 JR西日本職員に感謝状  (新宮警察署 )

 新宮警察署(田原正士署長)は24日、行方不明者の発見と保護に尽力したとして、西日本旅客鉄道株式会社(JR西日本)和歌山支社串本駅勤務の宗和弘修(そわ・ひろみち)さん(31)に感謝状を贈呈した。

 先月10日、串本町で高齢男性が行方不明となった。宗和さんは、男性の家族から「家族が行方不明になっている。自転車が串本駅に止まっているので電車に乗車しているかもしれない」といった申し出を受け、家族に警察署に相談を促すとともに和歌山司令所に連絡。

 家族から聞いた行方不明者の特徴を基に、構内に設置された防犯カメラ映像から高齢男性が電車に乗車したことを確認した。

 さらに他駅の防犯カメラ映像などにより追跡し、和歌山駅行きの電車に男性が乗車している可能性があることを突き止め、同電車の車掌や和歌山駅駅員と連携して男性を保護。男性は臨場した警察官に引き渡され、無事に家族の元に帰ることができたという。

 感謝状は、宗和さんの迅速かつ的確な行動により、行方不明者を早期に保護できたことをたたえるもの。

 感謝状を手渡した田原署長は「迅速に連携していただいたおかげで人命を守ることができた」と感謝。「与えられた持ち場で力を尽くしていただきありがたい」と伝えた。

 宗和さんは「無事に見つかって良かった。関係者が最善と思える行動を取ったことがいい結果につながったと思っています」。贈呈式に同席した坂本純一・新宮駅長は「感謝状を頂けてありがたい。彼(宗和さん)にとっても正しい行いをしたことが人生の励みになったのでは」と話していた。

 なお、同署は和歌山駅員の高橋和也さんにも感謝状を贈呈。JR職員を通じて高橋さんに届けられるという。

(2022年5月26日付紙面より)

感謝状を受けた宗和弘修さん(左)と田原正士署長=24日、新宮警察署
田原署長(右)が感謝状を手渡した
2022年05月26日
66 フレイル予防掲げて展開中
 地域リハビリ活動支援事業  (串本町 )

 串本町が本年度も地域リハビリテーション活動支援事業を展開している。24日は姫ふれあいサロンと食生活改善推進協議会が同事業を利用。新型コロナウイルス感染拡大が落ち着く方向にある中、町はフレイル(虚弱)予防をキャッチフレーズにしてさらに利用の裾野を広げるべく周知に意気込んでいる。

 町民の健康寿命を延ばす意識を家庭や身近な地域で高めるため、地域包括支援センターが軸となって前年度から取り組み始めた同事業。生涯元気を目指して月1回以上、町内を拠点にして自主活動する高齢者グループ(団体も含む)を対象にしたリハビリテーションの専門職派遣型の講座で、計2回の出張実施を基本の形としている。

 1回目は体成分分析装置「InBody」や各種体力テストによる測定会を実施し、その結果を基にして2回目は健康寿命延伸のための個別提案やグループ提案をする内容。提案作成の都合で2回目の実施は約1カ月後となる点はあらかじめ了承してほしいという。利用を希望する場合は、専門職との日程調整のため

1回目の希望日の1カ月前までを目安にして同センターへ申し出をしてほしいとしている。

 同サロンは新宮保健所管内の新型コロナウイルス感染状況を目安にして開けるときに開いていて、この日は運営ボランティアと利用者16人が同事業の1回目を利用。同協議会は2回目の利用で、事業を町民に紹介できる立場でもあり個別提案を受けた後は口腔(こうくう)衛生やフレイル予防の概論について説明を受けるなどした。グループ提案の内容はグループ向けの体操メニュー指導を基本としているが、利用する集団に応じて弾力的に内容を組むとしている。

 この事業は、1グループにつき年1回まで利用できる。測定データは個人が特定されない形で町が統計的に活用するという側面があり、町の実態に即した介護予防施策展開のためより多くの高齢者にこの事業を利用してほしいというのが同センターの願うところ。利用の申し出や問い合わせは同センター(電話0735・62・6005)まで。

(2022年5月26日付紙面より)

地域リハビリテーション活動支援事業を利用する姫ふれあいサロンの皆さんら=24日、串本町姫
フレイルの概念や予防の視点を伝える理学療法士・高垣弘行さん=24日、串本町役場
2022年05月26日
67 弁当配布し見守り行う
 勝浦四区福祉委員  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町の勝浦四区福祉委員(藤社和美班長)は21日、地区内の独居高齢者に対して弁当を配布した。

 同委員は寝たきりや引きこもり防止、防災意識向上への声がけに努めている。例年は住民同士の交流を目的にサロンなどを開いていたが、現在は新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から活動が制限。「少しでも地区に住む高齢者に見守りを兼ねて何かできないか」との思いから提案した。

 弁当は同町の飲食店「elcamino delpoeta(エルカミーノ・デルポエタ)」の佐藤由明さん、さゆりさん夫妻に相談し依頼。地域の人たちの役に立てるならと快諾し製作を引き受けた。配布は今後、月に1度のペースで行い、町内の飲食店にも協力を依頼していくという。

 この日は、藤社班長ら3人が1人暮らしの高齢者宅10軒を回り「元気に過ごしやる?」「また、みんなで会いたいね」などと会話を交し弁当を手渡していった。

 受け取った楠本由美子さんは「心遣いが大変ありがたいです。サロンで集まれる機会が少なくなり1人の時間が長くなる中、皆さんが弁当を届けて気にかけてくれることが心強い。これからも元気に過ごしていこうと、力をもらいました」と笑顔を見せた。

 藤社班長は「以前は手作り弁当という形で訪問させてもらっていたが、コロナの影響により中断を余儀なくされていたので様子が見られてよかった。何より、地域の方々の協力のおかげ。加えて近い将来に発生するとされる南海・東南海地震などの災害や緊急時に備えて状況を把握しやすくするよう、今後も見守り活動を続けていければ」と話していた。

(2022年5月26日付紙面より)

見守りを兼ねて弁当を届けた=21日、那智勝浦町
藤社和美班長(左)と弁当製作を引き受けたエルカミーノ・デルポエタの佐藤さゆりさん
2022年05月26日
68 山口酒店さくら組が優勝 第178回職場対抗ボウリング大会 
2022年05月26日
69 塩﨑さんが2種目で1位
 和歌山陸協の第2回記録会  
2022年05月26日
70 優勝は元平さん、小川さん
 グラウンドゴルフかつうら大会  (県年金受給者協会 )
2022年05月26日
71 「大鵬」の銘入り扇子届く  大嶽部屋からは浴衣地の反物  (熊野市 )
2022年05月26日
72 ジャガイモの収穫楽しむ  うどの幼稚園児が畑に出向き  (紀宝町 )
2022年05月26日
73 ササユリ、かれんに咲き誇る  山の斜面で甘い香りを漂わせ  (紀宝町 )
2022年05月26日
74 相次ぐ迷惑行為受け…  嶋津で絶景ツアー中止  (新宮市熊野川町 )
2022年05月26日
75 健康のために快適な利用を  運動や休憩もできる体文  (那智勝浦町 )
2022年05月26日
76 ゆらゆらカタツムリ!  すくすくワークショップ  (那智勝浦町 )
2022年05月26日
77 ハッチョウトンボ確認  国内最小、今年も羽化  (新宮市 )
2022年05月26日
78 どうして教師の道に?  教育実習生と座談会  (近大新宮高 )
2022年05月26日
79 いにしえに思いをはせて 新宮市内で名所探訪 (熊野少年自然の家)
2022年05月26日
80 班長級以上72人反復練習  望楼の芝で幹部教育訓練  (串本町消防団 )
2022年05月26日
81 お悔やみ情報
  
2022年05月25日
82 大字の変更を検討
 鴻田・砂羅で住民協議  (新宮市 )

 新宮市新宮の鴻田(こうだ)・砂羅(じゃら)地区で、大字を変更する住居表示変更の検討が始まっている。新宮市は2023年2月1日の変更実施を目指しているが、地域住民の意向やコロナ禍の影響もあり、実現はいまだ流動的で、町内で協議が始まったばかりとなる。

 新宮市では1980年より順次「王子町一・二・三丁目」「田鶴原町一・二丁目」「あけぼの」「阿須賀」「池田」「清水元」「佐野」「磐盾」「五新」「蜂伏」「井の沢」「徐福」などの住居表示変更を実施。直近では2021年7月に、新宮市新宮の主に7000番地台が「丹鶴町」に変わった。

 他にも「松山」や「広角」など、住居表示変更の候補地はあるが、実施は地域住民の意向次第。担当する生活環境課は「分かりやすくはなるが、反対の意見が出ることもある。所有地の住所が変わることに、抵抗を感じる人もいる」と語る。

 変更により「救急車やパトカーなどが目的地に早く着きやすくなる」「訪問者が建物や人を探しやすくなる」「郵便や配達の間違いや遅れが少なくなる」などの利点がある。しかし住民自身で▽運転免許証▽不動産登記▽法人登記▽車・単車の登録▽年金▽マイナンバー▽預金通帳―などの住所変更が必要となる。

 今回の鴻田・砂羅の候補地には、約500戸がある。ただし、この全域を例えば鴻田とするか、砂羅とするか、鴻田と砂羅を別々にするか、住居表示変更それ自体をしないかは、全くの未定。同課は「町内会で住民の意見を集約してもらい、検討委員を決めて会議してもらえれば」と話す。

 地域住民の間で住居表示変更の合意形成ができた場合、地域の代表者や法務局の担当者で審議して公示することになる。これに反対意見がなければ、新宮市が市議会に提案。可決承認されたら、調査や手続きを経て、住居表示の変更に至る。

(2022年5月25日付紙面より)

住宅が広がる鴻田地区=20日、新宮市新宮
2022年05月25日
83 英霊に感謝し平和願う
 3年ぶりの戦没者慰霊祭  (太地町 )

 太地町の飛鳥神社(髙橋正樹宮司)境内にある護国神社で21日、戦没者慰霊祭が営まれた。おととし、昨年と新型コロナウイルスの影響から中止していたため、3年ぶり。この日は天候の関係から社務所内で式典があり、遺族や関係者、三軒一高町長、太地町漁業協同組合ら約40人が参列し、国の繁栄の礎を築いた二百数十柱の英霊に感謝の誠をささげ、恒久平和を願った。

 同神社の例祭は遺族の高齢化などの影響で途絶えていたが、これを憂いた有志たちが友の会(久原拓美会長、会員40人)を立ち上げて復活させた。今年で11回目。

 社務所には「和」の掛け軸が掲げられ、髙橋宮司が祝詞を上げた。参列者はそれぞれの思いを胸に白菊を神前に供えた。

 髙橋宮司は「3年ぶりの慰霊祭。年々、どの地域でもご遺族が少なくなっている中で、広い意味でわれわれ町民や里の人がご遺族となる。今後もお祭りを存続いただけるようにお願いいたします」と締めくくった。

 久原会長は「国や地域の御楯として戦火に倒れ、散華された方々のご心情とご無念を思うとき、長い歳月を経た現在も深い悲しみが胸に迫ってきます」と述べ、戦後生まれの人々が多い現在に触れ、「意識されることの少ない平和のありがたさ、命の尊さを再認識し、令和の新しい時代になっても次の世代に伝えていくことが今を生きる私たちの責務だと考えます」と語った。

(2022年5月25日付紙面より)

3年ぶりに営まれた戦没者慰霊祭=21日、太地町の飛鳥神社社務所
久原拓美会長
2022年05月25日
84 食事通して交流広がる
 新たなサロン活動始まる  (大里ランチ会 )

 紀宝町の大里多目的集会施設で21日、ふれあいいきいきサロン「大里ランチ会」が初めて開かれた。メンバー7人とボランティアの小中学生10人が食堂、喫茶、駄菓子屋を開設し、地区住民をもてなした。

 大里地区のサロンは、以前から食堂の開設案があったが、新型コロナウイルスの影響で2年間活動できなかった。再開を模索していた際、昨年4月にオープンした町社会福祉協議会による「ふれあい子ども食堂」に着目。サロンと食事、交流を組み合わせた新たな活動にたどり着いた。

 これまで、2カ月に1回集まっていたが、サロンの形を残しつつ、食堂の要素を取り入れ、名称を大里サロンから大里ランチ会に変更した。

 地区住民が自由に出入りできるよう、午前10時から午後3時までの5時間をサロンの活動時間とし、喫茶、駄菓子コーナーといった集まりのスペースも設けた。

 この日、午前8時から準備を開始し、調理は西令恵さん、喫茶は石本美知子さん、駄菓子は山本みゆきさんが中心に進めた。

 午前10時に喫茶コーナー、11時に食堂がオープン。地元住民が足を運び、食堂でカレーライスを味わい、会話も楽しんだ。小中学生ボランティアは受付や配膳、店番などを担当し、地区住民との交流も深めた。

 ランチ会の井之元喜代子代表は「子どもたちが参加しやすいよう土曜日に開催した。好きな時間に集まっておしゃべりしてもらう形にしたところ、多くの人が参加してくれた。今後、メンバーの意見を聞きながら2カ月に1回のペースで開き、地域みんなの交流の場になれば」と話していた。

(2022年5月25日付紙面より)

初めて開いた「大里ランチ会」でカレーライスを提供=21日、紀宝町の大里多目的集会施設
ボランティアで参加した相野谷中学校の生徒
2022年05月25日
85 子どもたちの安全守りたい
 「おやじの会」がカーブミラー磨き  (新宮市 )

 新宮市佐野を中心にボランティア活動を展開する「佐野おやじの会」(中村優会長、15人)は22日、地区内でカーブミラー磨きを実施した。会員9人が参加。2時間ほどかけて約30カ所のミラー清掃に汗を流した。

 昨年秋に設立した同会。平均年齢40歳の若手で組織され、環境美化や保全対策などの活動を展開している。

 会名には「佐野区に寄り添い、今後を担う若い力として先人の方々の経験や知識をつないでいくこと、地域の方々のため子どもたちのため、そしてゆくゆくは自分の子どもたちが後を継いでくれるようなおやじとしての背中を見せられるように」との思いを託した。

 カーブミラー磨きは、新しく三輪崎小学校に入学した子どもたちが、少しでも安全に通学できるようにと昨年末に初めて実施し、20カ所以上のミラーを磨いた。登下校時に合わせて、自主的に交通安全の見守りや声かけを行っている会員もいるという。

 この日、佐野会館に集合した会員らは、二手に分かれて雑巾や洗剤を手に清掃を開始。子どもたちの安全を願いながらミラーを磨いた。同会は今後、新型コロナウイルス感染状況などを考慮しつつ、駅周辺の草刈りや夏祭りなどにも積極的に参加して地区を盛り上げていく予定としている。

 中村会長は「子どもたちが少しでも安全に学校に通えれば。これからもできることを一つずつやっていければと思っています」と思いを語った。

(2022年5月25日付紙面より)

カーブミラー磨きに参加した「佐野おやじの会」の皆さん=22日、新宮市佐野
一つ一つ丁寧にミラーを磨いた
2022年05月25日
86 笑顔でグラウンド駆ける  公立6中学校で体育祭  (新宮市・那智勝浦町・太地町 )
2022年05月25日
87 佐野川の工事が進行  川幅広げ流量増やす  
2022年05月25日
88 自然保護活動に取り組む  宇久井海と森の自然塾が総会  (那智勝浦町 )
2022年05月25日
89 財産適切管理へ前進  地縁団体申請を承認  (新宮市三輪崎 )
2022年05月25日
90 渡御前社で季節の彩り  ちょうず鉢にアジサイ浮かぶ  (新宮市 )
2022年05月25日
91 自分の命は自分で守ろう  勝浦小学校で交通安全教室  (那智勝浦町 )
2022年05月25日
92 三十数年ぶりに集まり絆深める  観光協会青年部OB会  (那智勝浦町 )
2022年05月25日
93 県で準優勝し全国、近畿へ  ソフトテニスの前虎之朗君  (串本町 )
2022年05月25日
94 3小中学校が先陣切って挙行 運動会体育祭シーズン始まる (串本町)
2022年05月25日
95 河上市長が新会長に  中部B&G地域海洋センター連絡協総会  (熊野市 )
2022年05月25日
96 災害対応能力の向上目指し  24人がBHELPを受講  
2022年05月24日
97 キセキをおこせ!がんばれ市小 町内4地区の合同運動会 (那智勝浦町)

 澄んだ青空が広がった22日、那智勝浦町立市野々小学校のグラウンドで「2022春季合同運動会」が開かれた。保護者や地域住民の声援を受け、児童や園児がこれまでの練習の成果を披露し、「熊野ハレヤ音頭」で元気なかけ声を響かせた。

 市野々小学校、同校育友会、井関保育所、市野々公民分館、那智山区、市野々区、井関区、八反田区などが合同で開く地域の運動会。今年は雨天の影響で1日延期しての開催となった。

 開会に当たり市野々小の中西健校長が「今日は太陽が輝いて、絶好の運動会日和。雨が続き、あまりグラウンドでの練習ができませんでしたが、5、6年生は係の打ち合わせを行い、3、4年生も草引きや石拾いをしてくれた。1、2年生もいっぱい練習しましたね。君たちの一生懸命な姿を地域の方々へ届けてください」。

 児童会を代表して村井芹さんが「今年のスローガンは『キセキをおこせ!がんばれ市小』です。最後まであきらめない、かっこいい姿を見せてください」とあいさつ。

 徒競走で開幕し、児童29人と園児16人はリレーや玉入れ、ダンスなどを披露。地域住民や保護者も「めはり音頭」や「グラウンドゴルフ競争」で一緒に汗を流し、笑顔で一日を終えた。

 なお、この日は新宮市、那智勝浦町、太地町の公立中学校6校でも体育祭が開かれた。

(2022年5月24日付紙面より)

児童29人が力を合わせ「熊野ハレヤ音頭」=22日、那智勝浦町立市野々小学校
笑顔で駆ける園児たち
2022年05月24日
98 社会貢献活動など承認
 土建協同組合が総会  (新宮市 )

 新宮市土建協同組合(松根康隆理事長、組合員58社)は20日、同市緑ヶ丘の新宮地方建設業協同組合の会館で第72回通常総会を開き、昨年度事業実施報告や収支決算、本年度事業計画など3議案を承認した。

 新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、可能な限り規模を縮小しての開催。開会に当たって物故者へ黙とうをささげた。

 松根理事長はあいさつで「入札制度問題において、簡易的な総合評価制度の導入、最低価格の底上げなどいろいろと課題はあったが、おととしより総合評価が土木Aで実施され、昨年度から舗装工事で採用された。また、3月末に新宮市と3役で意見交換を行い、総合評価の拡充、最低価格のアップ、工事量の拡大などを要望した」と報告。

 「今後も簡易的な総合評価を土木B、C、Dおよび建築工事に総合評価が浸透していくよう、市と協議していきたい」と述べ「日頃は騒音や振動など、住民の方々に迷惑をかけている。防災頭巾の寄贈や新宮市美化里親制度(アダプト・プログラム)など、今後も引き続き継続していきたい」と理解を求めた。

 本年度事業は▽市との災害協定に基づく緊急支援活動が迅速に行える応援体制の確立▽入札・契約制度の改革要望▽地域住民とのコミュニケーションを深めるため、積極的な社会貢献活動などへの参加推進▽工事の安全や品質を確保するために必要な各種講習会などを地元開催し、組合員の建設技術の向上を図る―の4点。

 入札制度などに対する要望は「簡易な総合評価落札方式適用工事の拡大」「ダンピング防止の観点から、低入札価格調査制度における審査および契約後の品質管理の厳格化」「適正積算と適正工期の確保」「組合員への受注機会の確保」。

 事務局から新規入会3社の紹介があり、閉会に当たり阿万卓也副理事長があいさつ。「コロナの影響で資材などが高騰しているが、市においては単価の見直しなどを渋る面もある。組合に相談していただき、その中で中身を検討してどうしても合わないものに対しては組合からも言っていくべき。皆さんの協力の下、組合の力を持ってしてきちっとビジネスを行うべきだと思う」と呼びかけた。

(2022年5月24日付紙面より)

事業計画などを承認した=20日、新宮市緑ヶ丘の新宮地方建設業協同組合
松根康隆理事長
2022年05月24日
99 橋杭岩周辺清掃で絆強める
 県内25の単位クラブ合同で  (ライオンズクラブ )

 和歌山県に25ある単位ライオンズクラブ(LC)合同の橋杭岩周辺清掃が20日にあり、会員50人が「ONE TEAM 和歌山」の思いを胸にして奉仕した。

 この奉仕は、同じ和歌山県内で活動する単位クラブの結束を目的とした第3回9R・10R会員交流会の記念事業の一つとして計画。同交流会は当初2019―20年度に開く計画だったが新型コロナウイルスの情勢に直面し3年連続で実施できず。実施に向けて各単位クラブから人員を出し合って結成する同交流会実行委員会(小森正剛実行委員長)だけでも結束を今後につなげないかと考え、実行委員のみ参加とすることで規模を抑えつつ記念事業を実施することとした。

 この日は実行委員に加え会場地の串本LCと近隣の各単位クラブ会員有志が奉仕支援のため合流。同交流会の代表世話人を務める9R・太田勉チェアパーソンと10R・楠本健治チェアパーソンを軸に50人が集まり、串本LCは主に橋杭ビーチ、他は小森実行委員長ら串本LCの世話役陣と共に橋杭岩周辺の流木やごみを拾い集めて回収した。

 約1時間の活動でおおむね軽トラック3台分を引き上げ、最後に結束のあかしとなる記念写真を撮影して締めくくった。

 太田チェアパーソンは「和歌山といえば海で、串本は加えてロケットの打ち上げもあるなど脚光を集めている。だからこそこのような活動が必要」、楠本チェアパーソンは「ライオンズクラブは奉仕を活動の主体とする集まり。今回の奉仕で少しでも串本の皆さまのお役に立てたら」とそれぞれコメント。

 小森実行委員長は「この交流会を迎えることは串本LCにとって光栄なことで、今回は流れてしまったがいつか実現したい。同じ和歌山県のメンバーとして『ONE TEAM 和歌山』の思いを強めるためにまず、紀南(=おおむね10R)がどのようなところかを知ってもらえたら」と心境を語った。

(2022年5月24日付紙面より)

「ONE TEAM 和歌山」の思いを胸にし橋杭岩周辺の漂着物を回収=20日、串本町くじ野川
橋杭岩周辺清掃に参加した県内のLC会員の皆さん
2022年05月24日
100 3年連続で花火大会中止
 新型コロナ感染拡大予防で  (那智勝浦町 )

 新型コロナウイルスの感染拡大予防のため、8月11日(木・祝)に予定されていた第14回「那智勝浦町花火大会」の中止が決まった。町の夏の風物詩である花火大会の3年連続の中止について、町民からは残念がる意見や、やむを得ないという声も聞かれた。

 同花火大会は町民手づくりの大会を基本理念に、これまで13回開催されてきた。那智湾を舞台に1万発の花火が大輪を咲かせ、2019年は海の章、追善供養、山の章、フィナーレの4部構成で多くの観客を魅了した。

 大会中止の旨は23日から町ホームページにも掲載されている。

  □      □

■那智勝浦町花火大会の中止について

 中止に当たり、堀順一郎町長と花火大会実行委員会の串俊男会長は連名で次の通りコメントを発表した。

 令和4年8月11日に開催を予定しておりました第14回那智勝浦町花火大会は、新型コロナウイルス感染症拡大予防のために中止とすることを決定いたしました。

 観覧にお越しになる町民の皆さまや大会関係者などに対し、万全の感染防止対策を講じての大会運営は困難であると判断し、このような決定に至りました。

 「住民手づくりの花火大会」として本町の夏の恒例行事である花火大会を3年連続中止することは断腸の思いであり、例年の開催に当たりご支援、ご協力を賜っております企業や関係者の皆さま、何より花火大会を楽しみにしていただいている町民の皆さまには誠に申し訳ございませんが、ご理解賜りますようお願い申し上げます。

 一日も早く事態が収束することを願うとともに、収束後にはなんらかの形で皆さまに楽しんでいただける花火大会が実施できないかを検討してまいりますので、引き続きご支援、ご協力をお願い申し上げます。

(2022年5月24日付紙面より)

第13回花火大会の様子
2022年05月24日
101 5月度月例杯の結果
 那智勝浦ゴルフ倶楽部  
2022年05月24日
102 川村さん(男性)、笠松さん(女性)が優勝
 那智勝浦町体協GG夏季大会  
2022年05月24日
103 5チームが出場し開幕
 学童軟式野球(B級)東牟婁大会  
2022年05月24日
104 新区長に垣下純三さん  区民総会で横領事件など説明  (新宮市佐野区 )
2022年05月24日
105 1位に佐古金一さん  写連紀南支部5月例会  
2022年05月24日
106 大野ちづるさんが新人賞  新世紀美術協会「新世紀展」で  
2022年05月24日
107 演奏や歌、踊り楽しむ  第一蓬莱親睦クラブ定期総会  (新宮市 )
2022年05月24日
108 地元児童も大役果たす  市場オペラ「蝶々夫人」  (那智勝浦町 )
2022年05月24日
109 ビンゴゲームで盛り上がる  特殊詐欺の防止啓発も  (いっぷく亭 )
2022年05月24日
110 秋の収穫を楽しみに  3年ぶりに「田植えの集い」  (丸山千枚田 )
2022年05月24日
111 善意の寄付、全額届けたい  がん研究支援呼びかけ走破  (生命の駅伝 )
2022年05月24日
112 「元気でね」と見送る  アオウミガメ2頭を放流  (ウミガメ公園 )
2022年05月24日
113 住民も誘って盛り上がる  三尾川小で地区運動会  (古座川町 )
2022年05月24日
114 お悔やみ情報
  
2022年05月22日
115 目指せ!インターハイ出場
 新宮高・新翔高で壮行式  (新宮市 )

 和歌山県高校総合体育大会(インターハイ県予選)に向け、新宮市の県立新宮高校(東啓史校長)と新翔高校(藤田勝範校長)で20日、壮行式が開かれた。6月3日(金)~12日(日)を中心に県内で31競技の大会が開かれ、県予選を勝ち抜いた選手は今夏のインターハイ「躍動の青い力 四国総体2022」への出場権を手にする。

 全国高等学校体育連盟は、インターハイでの観客入場を認める方針で、3年ぶりとなる総合開会式も開催予定。高校生最大のスポーツの祭典に活気が期待されている。

  □     □

■新宮高校



 新宮高校からは▽レスリング▽空手道▽剣道▽陸上競技▽サッカー▽ラグビー▽弓道▽卓球▽ソフトテニス▽バドミントン▽バスケットボール▽バレーボール▽ハンドボール―の選手たちが大会へ出場する。

 この日は東校長に代わり、橘恭子教頭が「一つでも多く勝利し、県内に新宮高校の名を知らしめて。応援してくれる保護者や先生方への感謝を忘れず、コロナ禍の中で頑張ってきた自分と仲間を信じてプレーを」と激励。生徒会の小阪輝大会長(3年)は「クラブは違えど、みんな新宮高校の仲間。全力を尽くして頑張ろう!」とエールを送った。

 各クラブの主将が大会日程を発表して健闘を誓い、応援歌を斉聴して士気を高めた。

  □     □

■新翔高校



 新翔高校では▽ソフトテニス▽卓球▽バスケットボール▽弓道▽サッカー▽バドミントン▽ラグビー―の各クラブの選手が拍手で迎えられ体育館に入場。生徒と教職員を前に各主将が大会日程を紹介し、意気込みを語った。

 宮井貴浩教頭は「ここにいる先生方や生徒のみんなが、活躍を祈っています。その思いを感じながら総体に臨んでください」。生徒会の苫谷(とまたに)雄基会長(3年)は「努力は決して裏切らない。思い出に残る試合にできるよう頑張ってください」と激励した。

 出場選手を代表し、ラグビー部の川原廉主将(同)は「自分たちの力を信じ、全力で戦ってきますので、応援よろしくお願いします」と呼びかけていた。

(2022年5月22日付紙面より)

激励を受ける選手たち=20日、新宮市の県立新宮高校
拍手で迎えられ入場する選手たち=同日、新宮市の県立新翔高校
2022年05月22日
116 地域活性化の鍵は地域にあり
 澤上篤人さんが講演  (那智勝浦町 )

 一般財団法人さわかみ財団は20日夜、那智勝浦町役場で地域振興セミナー「地域活性化の鍵は地域にあり!”おもしろがり”の精神で経済は動く」を開催した。21日に同町築地の勝浦地方卸売市場で「さわかみオペラin南紀勝浦生まぐろ市場コンサート」を実施する㈱さわかみホールディングス代表取締役で公益財団法人さわかみオペラ芸術振興財団理事長の澤上篤人さんが講師を務め、地域の活性化には地元住民の行動やお金を使うことが重要であるなどと訴え、新宮市・東牟婁郡から参加した約30人が耳を傾けた。

 澤上さんは過去にスイス・キャピタル・インターナショナルでアナリスト兼ファンドアドバイザーなどを務め、1999年に設立したさわかみファンドを純資産3500億円の規模にまで育て上げるなど、日本の長期投信のパイオニアとしても有名。

 さわかみグループは▽JPSAジャパンプロサーフィンツアーへの協賛▽関西独立リーグへの協賛▽徳島県や新潟県、同町でのオペラコンサートの開催―など、多岐にわたって地域貢献活動に尽力している。

 堀順一郎町長が「セミナーを通じて、町が元気になるような地域振興に取り組んでいきたい」とあいさつした。

 澤上さんは現在の日本経済について「今は駄目。アメリカやヨーロッパは3倍近くに伸びており、所得も3倍近くになっている。日本では少子高齢化を問題に挙げるが、そうではない。問題は国民がお金を使わなくなったから。高度経済成長時代はお金を多く使ったことで経済が成長した」と指摘した。

 日本の預貯金残高が1000兆円近くあることに触れ、それにより経済が循環せず、収入も増えないとし、「例で言えば、高額な年収がある一部のスポーツ選手や音楽家を除くと、それ以外の方は生活がきつい。そういった方に寄付することで、即座に消費が発生する。巡り巡って自分たちの所得も増える。経済はお金を使うことで豊かになる」と話した。

 また、音楽と文化、スポーツは経済に大きな効果があると主張。物を使って豊かになった時代は一段落したと述べ、今後は生活の豊かさや気持ちの満足度などの方向に進み、それにより経済は伸びると力強く語った。

 地域活性化については、「都会より地方の方が、循環は分かりやすい。民間が主導し、動くことが重要。自分たちが楽しみながら、自分たちでお金を出すことで、活性化につながり、お金を使う価値を理解できる」と締めくくった。

 その後、質疑応答の時間が設けられ、多くの参加者が質問を行った。

(2022年5月22日付紙面より)

地域活性化についての講演に耳を傾ける参加者=20日夜、那智勝浦町役場
澤上篤人さん
2022年05月22日
117 運行再開に向け意見交換 「WEST EXPRESS 銀河」 (JR西日本)

 新宮市役所別館で20日、令和4年度「WEST EXPRESS 銀河」受入協議会総会(会長=田岡実千年・新宮市長)があった。構成自治体やJR西日本和歌山支社などが出席。昨年度の事業報告や決算、本年度事業計画や収支予算などを承認し、今秋からの運行再開に向け意見交換をした。

 観光を中心とした西日本エリアの活性化のためにJR西日本が運行する長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」。「多様性」「カジュアル」「くつろぎ」をキーワードに、鉄道の旅の実現を目指し、1両ごとに異なる座席タイプを配置している。当地域では昨年7月16日に紀南コースの運行を開始し、12月22日までの約5カ月間にわたり、延べ約3000人が乗車した。

 同協議会は、「銀河」の受け入れにおいて、構成団体の情報の共有を図り、乗客に対する満足度の高いおもてなしを通じて、当地域への継続的な運行を確保し、将来にわたって地域振興・経済の活性化などに寄与することを目的に設立。新宮市、すさみ町、那智勝浦町、太地町、古座川町、北山村、串本町、県で構成されJR西日本和歌山支社がオブザーバーを務める。

 同協議会は「銀河」の運行再開を求めて昨年11月に要望活動を展開しており、JR西日本は今年に入って10月から紀南コースの運行再開を発表。来年3月までの約5カ月間にわたり京都から新宮間を運行する予定となっている。

 開催に当たり、田岡市長は「経済効果や活性化はもちろん、『銀河』を見送る子どもたちの姿や、ラストランではそれぞれのまちの沿線から数え切れない方々が手を振って見送るなど、予想以上の盛り上がりとなった。今年もあの美しい車両や、たくさんの乗客の皆さまにお会いできる時が来るのが待ち遠しい」とあいさつ。

 金岡裕之・和歌山支社長は「新型コロナウイルスの影響で乗客を半減させての運行だったが、約3000人の方にご利用いただき、ラストランの盛り上がりに至るまで多くの方々に参画いただいた」と感謝を示し、さらなる盛り上がりに向け「忌憚(きたん)のないご意見を」と呼びかけた。

 本年度は▽地域内周遊事業(紀南×銀河パスポート、重ね捺(お)しスタンプラリー)▽誘客促進事業(都市圏でのイベント出展、和歌山大学の学生グループ「きのくに線活性化プロジェクト」との連携▽受け入れ環境構築事業(各駅でのイベントの実施、女性専用席用ノベルティの配布、試運転時おもてなしなど)―などを展開していく予定。

 閉会に当たり、副会長の田嶋勝正串本町長は「皆さんで力を合わせて必ず成功できるように頑張っていきたい」と協力を求めた。

(2022年5月22日付紙面より)

「WEST EXPRESS 銀河」(JR西日本提供)
本年度事業計画などを承認したほか、意見交換を行った=20日、新宮市役所別館
2022年05月22日
118 力合わせて「どっこいしょー!」
 小・中・保が合同運動会  (新宮市熊野川町 )

 新宮市立熊野川小学校(山本佳人校長)、中学校(松本潤校長)と三津ノ保育所(林眞一所長)は21日、熊野川ドームさつきで合同運動会を開いた。保護者や地域住民らが見守る中、子どもたちは全力で競技に取り組み汗を流した。

 今年のスローガンは「すてきで楽しい運動会に~努来勝(どっこいしょう)~」。

 開会に当たり、松本校長は「練習の成果を十分に発揮して。一生懸命頑張って楽しい一日にしてください」とあいさつ。

 生徒を代表して嶋光翔(ひかり)君(中3)が「みんなで楽しい運動会になるよう頑張りましょう」と呼びかけ、全員で「どっこいしょー!」と唱和。競技開始に向け士気を高めた。

 あいにくの雨となったが、子どもたちはドーム内で元気いっぱい。徒競走やダンス、玉入れ、リレーなどのプログラムに、笑顔で力いっぱい取り組んだ。「小・中混合3色リレー」では、小学校高学年と中学生が力を合わせてバトンをつなぐ姿に、保護者らからは大きな声援と拍手が送られた。

 来年度入学児によるかけっこや、地域に伝わる「熊野川小唄」を全員で踊る場面もあり、地域一体となって運動会を盛り上げた。

(2022年5月22日付紙面より)

全員で踊った「熊野川小唄」=21日、新宮市熊野川町の熊野川ドームさつき
全力で競技に取り組む子どもたち
2022年05月22日
119 1位に松本武則さん  写連新宮支部5月例会  
2022年05月22日
120 おもてなしの一環として  山賀で傘の無料貸し出し  (那智勝浦町 )
2022年05月22日
121 ササユリが群生  新宮市南谷で  
2022年05月22日
122 役場・公民館の仕事とは  太地小3年生が社会見学  (太地町 )
2022年05月22日
123 税金の意義や役割学ぶ  王子ヶ浜小で租税教室  (新宮市 )
2022年05月22日
124 古い着物をリメーク  カルチャーサロンで教室  (新宮市 )
2022年05月22日
125 ミニゲームで白熱  本年度のクラブ活動始まる  (鵜殿小 )
2022年05月22日
126 6次産業化の推進へ  アドバイザーに吉田修さん  (熊野市 )
2022年05月22日
127 4歳児から英語体験  鵜殿保モデル園に実施  (紀宝町 )
2022年05月21日
128 職員名乗る不審な電話相次ぐ
 還付金詐欺に注意!  (新宮市 )

 新宮市役所では、18、19の両日で市内の高齢者から還付金詐欺が疑われる電話があったとの連絡を受け、市役所職員などを名乗り口座番号などを聞き出そうとする電話などに対して注意を呼びかけている。

 寄せられた情報提供は2日間で4件。市役所や和歌山市役所の職員を名乗る者から保険料の還付について電話があったという。

 いずれも被害はなかったが、市では市役所から電話で還付金の知らせをすることはなく、また口座の暗証番号を聞くこともないとし「少しでも疑問に感じたら市役所か警察署に相談を」と呼びかけている。

 市役所に寄せられた情報提供は次の通り。

  □     □

■18日

▽「書類を送ったが返信がない。還付金1万4400円あります」と市役所を名乗る人物から電話がかかってきた。通帳にお金を振り込むのでどこの銀行がよいかと聞かれる。ゆうちょ銀行と答えるとカードの番号を教えろと言われた。不審に思い、通帳などは娘に預けているので分からないと答え電話を切る(健康長寿課に情報提供)。

▽和歌山市役所を名乗る男性から電話があった。健康保険料の還付金があり5カ月ほど前に手続き書類を郵送したが、手続きがされていないので電話したとのことであった。今日中にゆうちょ銀行へ振り込む必要があるのでどこの郵便局を利用しているか教えてほしいと言われ、利用している郵便局を答えると、5分後くらいに郵便局から電話がかかってくると言われた。その後、5分ほどたってから郵便局を名乗る男性から電話があり、市役所から還付金があるので口座番号と暗証番号を教えてほしいと言われたとのこと。確実に振り込まれると言われ、本当のことであると信じてしまい口座番号と暗証番号を伝えてしまったとのこと(福祉課に情報提供。新宮警察署に通報済みで被害なし)。

  □     □

■19日

▽18日昼過ぎに男性から電話があった。本人の妻が対応し、名前を聞かれたため本人の名前を伝えた。健康保険から1万4000円ほど払い戻しがあり、その旨の文書を返信用封筒同封の上緑色の封筒で送付しているが、提出期限が切れてしまっている。妻の分も払い戻しが発生しているとのこと。相手側が子機から電話しているのか聞き取りづらく、口座情報を教えてほしい様子であったため「市役所に確認する」と答えると難色を示し通話が終了した(市民窓口課に情報提供)。

▽18日の午後0時45分ごろに和歌山市役所の職員を名乗る者から、保険料の還付についての連絡あり。1万4000円程度の還付があると言われたとのこと。不審に思った連絡主は詳しいことは窓口に行ってうかがいますと伝えると、「タイラ」宛てに来庁してくださいと案内されて電話を切った(税務課に情報提供)。

(2022年5月21日付紙面より)

職員をかたる電話に注意!(写真はイメージ)
2022年05月21日
129 出場各クラブの健闘期す 生徒会主導で総体壮行会 (串本古座高校)

 和歌山県立串本古座高校(榎本貴英校長)が20日、県高校総合体育大会に挑む各クラブの壮行会を開いて健闘を期した。

 生徒会執行部(岡村文音会長)による、生徒相互の連帯感を強め母校への愛校心を高めることを狙いとした激励行事。本年度は26日(木)に初戦を迎えるサッカー部をはじめとし、陸上競技部、ソフトテニス部、バレーボール部、柔道部、剣道部、弓道部が出場する。

 生徒の拍手を受けて第一体育館壇上に整列した各部部員総勢53人に向け、榎本校長は「友達や自分を信じて最後まで全力を尽くし、応援してくれる家族や友達や地域、そして対戦相手への感謝を持って精いっぱいのプレーをしてほしい」と激励。応えて各部部長が意気込みを掲げ、岡村会長(3年)は「3年生は後悔なく、1、2年生も3年生から何が吸収できるかを見ながら戦ってほしい。学校から精いっぱい応援しているので堂々と頑張ってきてほしい」と期待した。

  □     □

 県高校体育連盟発表、同校関係の大会日程は次の通り。記述は競技名=日程、会場の順。

■サッカー=5月26日(木)~29日(日)〈1、2回戦〉、南山スポーツ公園陸上競技場・上富田スポーツセンター。6月3日(金)~5日(日)〈3、4回戦〉、同センター・田辺スポーツパーク。10日(金)〈準決勝〉、同センター。12日(日)〈決勝〉、同センター

■陸上競技=6月3日(金)~5日(日)、紀三井寺公園陸上競技場

■ソフトテニス〈男女とも〉=6月2日(木)~6日(月)、かわべテニス公園

■バレーボール=6月4日(土)~6日(月)、田辺スポーツパーク体育館・湯浅スポーツセンター・広川町民体育館・田辺市体育センター

■柔道=6月3日(金)~4日(土)、白浜町立総合体育館

■剣道=5月27日(金)~29日(日)、和歌山ビッグホエール

■弓道=6月3日(金)~5日(日)〈予備日6日(月)〉、田辺市立弓道場

(2022年5月21日付紙面より)

岡村文音会長から期待を受ける総体出場各部の部員=20日、和歌山県立串本古座高校
2022年05月21日
130 今年もウミガメ来てほしい
 下里小が大浜クリーン作戦  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町立下里小学校(泉一代校長)は19日、同町の大浜海岸でクリーン作戦を実施した。全校児童72人が浜に漂着した流木やごみを拾い「今年もアカウミガメに産卵に来てほしい」と期待を込めた。

 太田川河口に位置する大浜海岸には、毎年6~8月にアカウミガメが産卵のために上陸する。子どもたちに地域の歴史や自然について伝える「玉の浦リップルズクラブ」(濵﨑修会長)が30年にわたって保全活動を行い、台風による増水で流失する可能性がある卵を浜のふ化場で保護している。

 この日は海洋教育の一環として「ウミガメ学習」を行う5年生19人が中心となって清掃を実施。「昨年は2匹のウミガメが250個の卵を産み、130匹がふ化した。今年も下里の浜に来てくれるよう、みんなで浜をきれいにしましょう」という呼びかけの後、縦割りの8班でごみ拾いに励んだ。

 竹本斗真君(5年)は「みんなで協力してできてよかった」。浦暖人君(5年)は「去年、ふ化した小さな子ガメを見た。今年も見られたらいいな」と話していた。

 清掃に協力した濵﨑会長は「荒天の後にたくさんのごみが漂着するが、子どもたちの頑張りできれいになった。今年生まれたウミガメは20年後、子どもたちが大人になる頃にまた浜に戻ってくる。将来都会に行く子もいると思うが、大人になったときにふるさとの自然を思い出してほしい」と話していた。

(2022年5月21日付紙面より)

協力して浜をきれいに=19日、那智勝浦町の大浜海岸
大きな流木を運ぶ児童
2022年05月21日
131 井筒建設が電子黒板寄贈
 市野々小学校でお礼集会  (那智勝浦町 )

 井筒建設株式会社がこのほど、那智勝浦町立市野々小学校(中西健校長)に電子黒板1台を寄贈した。18日には全校児童29人がお礼集会を開き、来校した井筒千津留代表取締役と近隣の工事を担当する瀬古幸信さんらに感謝を伝えた。

 井筒建設は同町に本社を置き、建設工事やアスファルト製造・販売、太陽光発電事業を手がける企業。創業は1976年。現在は同校近くの那智川沿いで、発生した土石流の流れを緩和して堆積させる堆積地などを造成する「那智川本川上流帯工(左岸)他工事」を行う。工事車両の通行などの影響を受ける近隣地域への貢献のため、電子黒板を寄贈した。

 現在、国が推進するGIGAスクール構想の一環で、「デジタル教科書」の開発が進み、電子黒板はその活用に欠かせない学習ツールとなっている。紙の教科書と同じ内容を画面に表示させるだけでなく、文字の拡大縮小やマーカーによる書き込み、音声読み上げ、立体図形の回転など複数の機能を使用することができる。

 児童会代表の梅田羽菜さんは「電子黒板は、毎日授業で使うもの。寄贈してくれて、ありがとうございました」と感謝。

 中西校長は「本校は1、2年生、3、4年生、5、6年生がそれぞれ複式学級で、異なる学年が同じ教室で授業を受ける。電子黒板が複数台あれば、さらに学習の幅が広がる」と語る。

 井筒代表取締役は「現在の子どもたちが、電子黒板で授業をしていると知って驚いた。楽しんで授業に取り組んでいただきたい」。瀬古さんは「さまざまなものがデジタル化する時代、子どもたちの興味を広げ、深めるために使ってほしい」と話していた。

 同社は6月、同校の児童を対象に、工事現場で働くショベルカーの体験行事も開く予定だ。

(2022年5月21日付紙面より)

寄贈された電子黒板と記念撮影=18日、那智勝浦町立市野々小学校
2022年05月21日
132 串本町担当2人に感謝状  本年度行政相談委員表彰  (総務省 )
2022年05月21日
133 注意掲げスケボー利用許可  旧サンゴの湯跡地の一角で  (串本町 )
2022年05月21日
134 漁港岸壁を耐震化  鉄くい打ち込み補強  (太地町 )
2022年05月21日
135 色川に国の補助金  移住促進など実施へ  (那智勝浦町 )
2022年05月21日
136 マツバラン  新宮市  
2022年05月21日
137 3本の木から実盗まれる  山本さん宅のユスラウメが被害  (那智勝浦町 )
2022年05月21日
138 「支えあう住みよい社会」へ  紀宝町民児協が総会  
2022年05月21日
139 船で渡り、絶滅危惧種など観察  6年生が熊野川の昼嶋で  (成川小 )
2022年05月21日
140 勇気ある行動に感謝状  消防と警察が合同で贈る  (新宮市 )
2022年05月21日
141 ママも子どもも笑顔になる「疲れない食育」
 【第49回】フルーツシロップを作ろう!  

 今の時期、スーパーに行くと大きな瓶の容器と氷砂糖が売られていますよね。これはまもなくやってくるウメのシーズンに合わせて陳列されるものですが、私はこれを使って、お子さんとフルーツシロップを作るのをお勧めしています。なんとなく、ベテラン主婦がやる印象がある、梅酒や果実酒。実はそれらもそんなに難しくないのですが、フルーツシロップもそうです。作ってみるととっても簡単! お子さんと一緒に作れて、色々な活用法があるので、お勧めです。そしてもちろん、食育にもなります。

 まずは、その作り方をお伝えしようと思います。用意するものは、果物と、氷砂糖・お酢。たったこれだけです! 果物は基本的に何でもオッケー! かんきつ系でももちろんいいですし、イチゴなどのベリー系、甘くないレモンやウメなどでも作ることができます。きっちり密封できる瓶を用意して、まずは煮沸消毒してください。煮沸できない場合は、キッチン用のアルコールスプレーなどで消毒するといいと思います。ここで消毒することはとっても大切です! 煮沸消毒する様子も、ぜひお子さんに見せてあげてくださいね! 瓶の用意ができたら、果物をきれいに洗って、ヘタを取ったり、皮をむいてキッチンペーパーなどで水気を拭き取ります。かんきつ系の場合は、白いワタも除いてください。氷砂糖と果物の量は1対1!同じ分量用意するだけなので、これも簡単ですよね。瓶に果物を入れて、氷砂糖を入れて、果物を入れて…と交互に重ねていきます。4分の1量くらいを目安に4層にして、最後に氷砂糖が上にくるように重ねてください。最後に、瓶の大きさにもよりますが、果物と氷砂糖が各500㌘くらいの量で、大さじ2分の1くらいのお酢を加えます。これはお酢が呼び水代わりになり、エキスが出やすくなるからです。ここで使うお酢はリンゴ酢がお勧めですが、穀物酢でも大丈夫。そんな話もお子さんにしてあげてくださいね。

 ここから2週間、毎日瓶を1回揺らして、上下を返し、動かしてあげます。どんどんエキスが出てきて、氷砂糖が溶けていきます。完全に溶けたら、シロップの完成です! お砂糖には、フルーツのエキスを出す力があったり、カビや細菌の餌になる水分を取り込んで守ってくれる作用があることも、お子さんに教えてあげてほしいのです。

 瓶を毎日動かすだけでできるフルーツシロップ。炭酸で割ってジュースにしたり、ヨーグルトに混ぜたり、使い方は無限大です。イチゴで作ったら、牛乳で割って、いちごミルクにするのもお勧めです。そして、これからの季節一番お子さんにお勧めなのは、かき氷にかけること。自分で作ったシロップは、格別だ!となるでしょうし、市販のものよりずっとヘルシーですよね? お子さんに大切なのは「自分でできた!」という成功体験です。毎日少しづつ変わる瓶の中の様子を観察するだけでも、とてもいい食育になります。おいしいフルーツがたくさんあるこの時期、ぜひお試しください。

(2022年5月21日付紙面より)

2022年05月20日
142 瀧本さんとアイザック号が優勝
 嘱託警察犬競技会で健闘  (和歌山県警 )

 和歌山県警察本部主催第54回嘱託警察犬競技会が4月29日、和歌山市の県交通センターで開催され、「捜索の部」で警察犬指導手の瀧本美鈴さん(太地町)とアイザック号(ラブラドルレトリバー、7歳雄)が優勝。同じく指導手の榎本義清さん(新宮市)とキャッチフライ号(ラブラドルレトリバー、11歳雌)が準優勝の栄誉に輝いた。

 犯罪捜査や行方不明者の捜索などで活躍する嘱託警察犬。指導手と警察犬の日頃の訓練の成果を競う同競技会は、新型コロナウイルス感染症の影響で2019年以来、3年ぶりの開催となった。

 競技会は「捜索」ほか、「足跡追及」「臭気選別」の部門別に実施され28匹が参加。捜索の部では定められたエリア内に設けられた隠れ場所から要救助者と腐敗臭(死者)を発見するもので、発見スピードなどが競われた。

 要救助者と死者の両方を発見したのはアイザックとキャッチフライ含む3匹のみで、アイザックは「生存者の発見スピードが速かった」(榎本さん)、キャッチフライは「安定した捜索」(同)で、多くの人が見守る競技会の独特の緊張感の中、見事ワンツーフィニッシュを飾った。

 普段は県警からの要請に応じて行方不明の高齢者の探索や山での遭難者の捜索などの案件を行うベテラン犬2匹。榎本さんは「競技会は普段の訓練を試す場であり、どんな場所でも対応できるかどうかを再確認できる場。たとえ亡くなっていても家族は家族。『見つけてあげたい』という気持ちで訓練している。新しい犬や若い人をもっと育てていきたい。今後も何があっても出動できる体制を維持していければ」。

 瀧本さんは「(アイザックは)長年訓練しており、競技会においても緊張感はあまりなく落ち着いていたと思う。信頼して見守りました」と話していた。

(2022年5月20日付紙面より)

(左から)榎本義清さんとキャッチフライ号、瀧本美鈴さんとアイザック号=17日、新宮市
2022年05月20日
143 生まぐろ丼が全国第1位
 IPPINグランプリで  (休暇村南紀勝浦 )

 全国の国立・国定公園などにリゾートホテルを経営している(一財)休暇村協会が主催し、全国35の休暇村施設で争われた、朝食ビュッフェのお客参加型企画「IPPINグランプリ」で、「休暇村南紀勝浦」(那智勝浦町宇久井)の「活〆天然生まぐろの特製漬け丼」が全国第1位を獲得した。

 同協会60周年の創業祭の一環として開催された同グランプリは、全国の休暇村の料理長が特におすすめする朝食の「逸品」を、お客の人気投票にリアルタイムでランキング化。同ホテルは前半戦(昨年4月1日~9月30日)では2位だったが、後半戦(昨年10月1日~今年3月31日)では見事グランプリに輝いた。

 同ホテルの生まぐろ丼は、株式会社髙岡商店(新宮市三輪崎)から仕入れた船上活〆天然生マグロを、もろみを熟成させてまぐろ丼に合うよう甘口に仕上げた料理長特製ダレに漬けた逸品。タレには藤野醤油(那智勝浦町天満)の「まぐろ醤(じゃん)」を使用することで、天然生マグロの甘みをぐっと引き出し、お客からの1092票の投票の平均が9.59点(10点満点中)と、高得点を維持した。

 同ホテルは「コロナ禍にもかかわらずたくさんのお客さまに訪れていただき、グランプリ1位を受賞することができました。お客さまがいつでもご朝食でお召し上がりいただけるよう、今後も提供していきます」と話した。

 ランキングの順位は休暇村公式ホームページ(https://www.qkamura.or.jp/campaign/ippin/)で確認できる。問い合わせは同ホテル(電話0735・54・0126)まで。

(2022年5月20日付紙面より)

宿泊客からも大人気の特製漬け丼(提供写真)
2022年05月20日
144 8人チームで訓練を始める 県消防操法大会出場に向け (串本町消防団)

 串本町消防団(稲田賢団長)が18日、町消防防災センターで第29回県消防操法大会に向けた訓練に取り組み始めた。今回はポンプ車の部に出場するため別枠の8人チームを結成。週3回の頻度で訓練を重ね、実力を磨き上げていくという。

 この大会は、「消防団の甲子園」と形容される全国消防操法大会出場チームを決める予選会として2年に1回開かれている。ポンプ車と小型ポンプの2部門があり、県内各市域と各郡域にそれぞれ1チームの参加枠を割り当てて出場を求めている。

 東牟婁郡内5町村の各消防団は持ち回りでチームを結成し挑戦する形を取っていて、今回は串本町がポンプ車、北山村が小型ポンプに出場する巡り。参加枠を得た同団は11ある分団から選手候補を募る形でチームを結成し、町消防本部(寺島正彦消防長)によるポンプ車の部の事前説明を経てこの日の訓練開始を迎えた。

 実施に当たり稲田団長は「けがなく優勝を目指していきたい」と思いを掲げて8人の奮起を期待し、以降は同本部指導の下で一連の操法の流れの前半部分を集中的に反復練習し、つぶさにアドバイスを受けて所作の習得と錬磨に打ち込んだ。

 県大会は7月31日(日)、和歌山市にある県消防学校で実施予定。ポンプ車の部は指揮者と1~4番員からなる5人組の種目で、同団は練習の都合上暫定的に指揮者と1~4番員を割り振っているが、8人の成果を見極めた上で選手5人、補欠3人を決めるという。その人選の場ともなる訓練は基本月、水、金曜日の午後7時~9時に行う計画で、稲田団長は「だんだん良くなっている」とメンバーの飲み込み具合を確かめつつ副団長や訓練支持で集まった団員と共にメンバーの練習を見守った。

(2022年5月20日付紙面より)

ポンプ車の部の前半の流れを集中練習するメンバーら=18日、串本町消防防災センター
メンバーを激励する稲田賢団長
2022年05月20日
145 バケツイネ作りスタート
 太田小学校5、6年生  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町立太田小学校(上地巳奈子校長)で17日、「バケツイネ」作りがスタートし、5、6年生7人が泥んこになりながら土作りやコシヒカリの苗植えに取り組んだ。

 JAグループによる食農教育の一環で、次世代を担う子どもたちに、日本の稲作や農業に触れ、地域の農業に興味を持ってもらうことが目的。

 「バケツイネ」はバケツで育てる稲のこと。狭いスペースでも手軽に米作りを体験できるだけでなく、自分のバケツで土作りや日々の水やり、成長の観察、害虫対策、収穫など、稲作に関わる全ての工程を体験できることが特徴だ。同校では2年目で、昨年はイナゴの被害を乗り越え、12個のバケツで3合(450㌘)の米を収穫した。

 この日はJAみくまのの清水重良さん、亀井秀昌さん、柳瀬元博さんの3人が来校し、作物を育てる水の管理を行う「灌漑(かんがい)」の重要性などについて講話した。

 その後、児童は田んぼの土を砕いて均一にする「代かき」の工程として、粒状の田植え機用育苗床土を水と混ぜて泥にする作業を体験。5本の苗を植え、バケツにネームプレートを貼った。

 今年は稲の分けつについて調査するため、1本だけ隔離して植えたり、種もみを直接まいた比較用バケツを作ったりする工夫もした。

 山田結菜さん(5年)は「家でも米を作っているけれど、土を練るのは大変だった。収穫が楽しみ」と話していた。収穫は夏休み後の9月ごろを予定している。

(2022年5月20日付紙面より)

泥んこで土作りをした5、6年生=17日、那智勝浦町立太田小学校
苗植えを終えたバケツ
2022年05月20日
146 目で見て、手で語る  手話入門講座がスタート  (那智勝浦町 )
2022年05月20日
147 漁業就業を支援  三輪崎や宇久井でも  (和歌山県 )
2022年05月20日
148 ホタルブクロ咲き始める  大浜の遊歩道沿いで  (新宮市 )
2022年05月20日
149 功労たたえ県知事表彰  新宮・東牟婁で3人1団体  (和歌山県 )
2022年05月20日
150 57世帯に防災グッズ配布  三本杉町内会がいのちの募金活用  (新宮市 )
2022年05月20日
151 地元の伝説を学ぼう  神倉小でふるさと学習事前授業  (新宮市 )
2022年05月20日
152 種子から育てた苗を水田へ  三尾川小児童一丸で田植え  (古座川町 )
2022年05月20日
153 町内の児童に収穫体験を提供  エコ工房四季とCAW'IT  (古座川町 )
2022年05月20日
154 横断歩道で安全確認を  本年度最初の交通安全教室  (相野谷小 )
2022年05月20日
155 花々詰め込みフレグランス  子育てサロン「つむぐ」  
2022年05月20日
156 「産卵環境守っていきたい」  ウミガメ保護監視員の委嘱式  (紀宝町 )
2022年05月20日
157 ホタルの乱舞、幻想的に  例年より早く初夏の風物詩  (紀宝町 )
2022年05月20日
158 お悔やみ情報
  
2022年05月19日
159 渡海上人供養し平和祈願
 補陀洛山寺で春まつり  (那智勝浦町 )

 補陀落渡海の信仰で知られる那智勝浦町浜ノ宮の補陀洛山寺(髙木智英住職)で17日、年中行事の一つ「春まつり」があった。おととし、昨年は新型コロナウイルスの影響で僧侶のみの斎行となったが、今年は3年ぶりに信者らの参拝も可能となり、約20人が集まって法要が行われた。

 補陀落渡海は、平安時代から江戸時代まで行われた宗教儀礼。観音の浄土、補陀落山に往生しようと多くの行者が渡海した。渡海上人が一度乗り込むと出入り口には板が打たれ、外に出られないようにした状態で、海のかなたへ出航したという。

 この日、世界遺産に登録されている本堂では、国重要文化財の本尊「三貌十一面千手千眼観世音菩薩(ぼさつ)」を開帳した。

 信者が手を合わせる中、髙木住職らが読経を行った。その後の大護摩祈祷では、熊野修験の山伏として修行を積む埼玉県在住の成田佳子さんも加わり、髙木住職らと共にコロナ終息や世界平和を祈った。

 同寺裏山にある渡海上人の供養塔と歴代住職の墓地で追善供養も営まれた。

 髙木住職は「補陀落渡海は強い思いがないとできる行ではない。渡海上人や歴代住職らの強い意志や背中を引き継いでいきたい」。

 例年通り斎行された春まつりについては「お参りの方があっての寺。3年ぶりのご参列に、身が引き締まる思い。また、現在はコロナ禍やロシアによるウクライナへの軍事侵攻が行われている。われわれとしてできることは微々たるものだが、世界遺産の熊野から、終息と平和を祈っています」と語った。

(2022年5月19日付紙面より)

例年通りの春まつりが営まれた=17日、那智勝浦町浜ノ宮の補陀洛山寺
渡海上人や歴代住職をしのび、追善供養を営んだ
2022年05月19日
160 高齢化社会に向け利用促進
 新宮市の高齢者向け福祉サービス  

 高齢化率(総人口に占める65歳以上人口の割合)が28・8%に及ぶ日本。2065年には約2・6人に1人が65歳以上、約3・9人に1人が75歳以上になるといわれており(内閣府「令和3年版高齢社会白書」より)、少子高齢化に歯止めがかからない状況の中、高齢者が住み慣れた地域で尊厳ある自立した生活を送るために質の高い医療・福祉サービスの確保は重要な課題の一つだ。

 特に地方において顕著となっている高齢化の波。65歳以上の人口1万345人(総人口2万7132人、4月末現在)、高齢化率38・13%となっている新宮市が展開する、高齢者向け福祉サービスを調べた。

 「人生100年時代」という言葉が叫ばれるようになった昨今、学びや趣味、就労、社会活動を通して「生涯現役」を体現する高齢者は多い。しかし、市では65歳以上人口1万345人のうち、70~74歳が2588人、75~79歳が1800人、80歳以上が3896人となっており、今後訪れるであろう超高齢化社会を見据え、さらなる福祉サービスの充実と既存のサービスの利用促進に向けた周知が求められる。

 市が現在実施している高齢者向け福祉サービスは①生きがい対応型デイサロン②健康増進型デイサービス③ふれあいデイサービス④生きがいデイサービス⑤「食」の自立支援事業配食サービス⑥寝具乾燥消毒サービス⑦認知症高齢者等見守り事業⑧緊急通報システム⑨家族介護用品給付(おむつなど)⑩ねたきり高齢者等訪問理髪サービス⑪家族介護慰労金支給事業。

 ①~④は65歳以上で介護保険の認定を受けていない人、または総合事業における事業対象者でない人が対象で、それ以外は各サービスごとに対象となる条件が異なる。

 雲取温泉で自由に歓談などができ、健康チェックや入浴、給食サービスが受けられる「生きがい対応型デイサロン」には47人が登録しており、ピーアップシングウでインストラクターの指導による健康チェック、脳トレ、機能改善体操、ジム・プール・内風呂などの利用、給食サービスが受けられる「健康増進型デイサービス」には155人が登録している。

 また、月~土曜日のうち、希望する曜日の昼食または夕食を定期的に配達し、利用者の安否を確認する「『食』の自立支援事業配食サービス」には225人が登録。新宮・東牟婁圏域の各市町村が取り組む、見守りシール交付による徘徊高齢者の早期発見と家族の安心に寄与するための「認知症高齢者等見守り事業」の市内における登録数は19となっている。

 「サービスを受けられるけどまだ必要ない」「今の自分には関係ない」と感じている人も多い高齢者向け福祉サービス。しかし、自身や家族が当事者、対象者となったときを見据え、受けられるサービスを把握しておくことは肝要だ。市健康長寿課では「事業によって対象者は異なるが、積極的にサービスをご利用いただければ」と話している。高齢者向け福祉サービスに関する問い合わせは同課(電話0735・29・7193)まで。

(2022年5月19日付紙面より)

(写真はイメージ)
2022年05月19日
161 観光川下り船の安全を確認
 熊野川体感塾で県警ら点検  (紀宝町 )

 北海道知床沖での観光船海難事故を受け、三重県警は17日、紀宝町北桧杖で河川観光船事業を行う熊野川体感塾(谷上嘉一塾長)に安全指導を行った。

 船舶免許や運行書類、船上からの連絡方法などを確認した国土交通省中部運輸局三重運輸支局鳥羽海事事務所の定期点検と合同で実施。県警水上警察隊はライフジャケットの安全性を確かめたほか、運行の計画や基準、通信手段などをチェック。広報チラシを事務所に掲示するよう依頼し、乗船者に「船頭の指示に従いましょう」「ライフジャケットは必ず着用しましょう」などと求めるチラシの配布を呼びかけた。

 事務所で書類などを確認した後、熊野川の乗船場に移動し、観光川下り船「三反帆(さんだんぼ)」の安全対策を点検。船で観光コースに向かい、運行の安全性も確かめた。

 鳥羽海事事務所の岩崎雅樹所長は「点検の結果、よくできていると感じた。観光客の皆さんには、体感塾の説明をよく聞き、川下りを楽しんでほしい」と話していた。

 熊野川体感塾は地域おこしを目的に、15年前から遊覧事業を続けている。川風を受けて進む三反帆に乗り、世界遺産「熊野川」の景観などを望むコースが人気だという。谷上塾長は「お客さんの安全を最優先に運行している。コロナ禍でおととしから利用者が激減しているが、これからも熊野川の歴史や自然を愛する人たちに利用していただきたい」と話していた。

(2022年5月19日付紙面より)

観光川下り船「三反帆」の安全性を確認する=17日、紀宝町北桧杖
ライフジャケットを点検する
2022年05月19日
162 業界の発展祈る 熊野本宮大社に奉納 (古城梅振興会)

 古城梅(ごじろうめ)奉納奉告祭が16日、田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)であった。同市長野の一般社団法人長野古城梅振興会(那須豊平会長)が、収穫したばかりの約3㌔の梅を奉納し、業界の発展を祈願した。

 古城梅は、長野発祥の希少品種。実の色が美しく「青いダイヤ」とも呼ばれ、ほとんどが梅酒やジュースとして消費されている。収穫はこの日から始まり、今月末ごろまで続く。同大社への奉納は、「ごじろ」に語呂を合わせて2015年より毎年5月16日に行っており、今回で7回目となる。

 同振興会から2人が訪れたほか、田辺市やJA紀南の職員、同大社の関係者など、合計で14人が参列した。古城梅を神前に供えて祈りをささげた。九鬼宮司(65)は「全国、全世界に、梅の素晴らしさ、特に紀州の梅を多くの人に知ってもらえるよう、発信していただければ」と呼びかけた。

 那須会長(73)は「今年の出来は今のところ、並といったところ。梅を通じてヘルシーになるよう、体のケアに使ってもらえれば。梅酒などでもいただいてほしい。最近は若い人が古城梅を作らない傾向があるが、何とか伝承していきたい」と話した。

(2022年5月19日付紙面より)

参列した皆さんと「古城梅」=16日、田辺市本宮町の熊野本宮大社
2022年05月19日
163 3人が全国や近畿大会へ
 和歌山県空手道選手権大会  (和道流空手道新宮支部 )
2022年05月19日
164 競技の楽しさと魅力学ぶ
 増田さん招き「ソフトテニス教室」  (那智勝浦町 )
2022年05月19日
165 バスケットを楽しもう
 「SMILE.E.T」  (進め!!青春 )
2022年05月19日
166 昨年度の修学旅行受け入れ実績  和歌山県  
2022年05月19日
167 熊野地域から都会へ発信  ボラセン総会で福本さんが講演  (新宮市 )
2022年05月19日
168 総合的な治水対策促進など求め  新宮市が国交省に要望  
2022年05月19日
169 暮らしを良くする会費  下里小学校で租税教室  (那智勝浦町 )
2022年05月19日
170 岩見真花さん(古座川町)が中学生の部で4位  SAKURA JAPAN MUSIC COMPETITION 2022  
2022年05月19日
171 家族3組が創作に親しむ  主催事業で草木染を紹介  (潮岬青少年の家 )
2022年05月19日
172 協定締結後初の実地研修  県農林大学校の8人迎え  (北大和歌山研究林 )
2022年05月19日
173 ジオパーク主題にし研さん  串本町で自治研集会開く  (自治労和歌山県本部 )
2022年05月19日
174 新規就農促進を強化  タウンサイト「青を編む」  (御浜町 )
2022年05月19日
175 しばらくは観察できそう  ブラシノキが真っ赤に色づく  (紀宝町 )
2022年05月18日
176 魚類などの生態学ぶ
 「磯のいきもの観察会」  (太地町立くじらの博物館 )

 太地町立くじらの博物館(稲森大樹館長)は15日、森浦湾の磯で「磯のいきもの観察会」を開いた。同館水族館担当の荻原拓さんらの解説の下、町内外から参加した親子4組13人は磯や潮だまりに生息する生き物を観察し、生態などを学んだ。

 観察会は魚類やヤドカリ、エビなどの無脊椎動物の観察、採集を通して種類や生態を学ぶとともに、海を利用する際の危険や注意の普及啓発を行う目的で昨年から実施している。

 参加者は同館園内に集合し、徒歩で森浦湾の磯へ移動。荻原さんから、湾内に生息するウツボやハオコゼ、ガンガゼ、カツオノエボシなどの危険な生物の紹介や海での事故防止について説明があった。

 参加者はライフジャケットや軍手を装着後、網とバケツを持って、磯や潮だまりで生き物の観察や採集に取り組んだ。

 「ヤドカリ見つけた」「魚おった」「海草が柔らかい」と笑顔ではしゃぐ子どもたちの姿が見られた。その後、各自で採集した生き物約20種類を大きな水槽に移し、荻原さんが特徴や生態を解説した。

 町内から参加した山下みつきさん(太地小5年)は「生き物を捕まえたり、観察ができてすごく楽しかった。いろいろなことを知れたので、家でも家族に話してあげたいです」と語った。

 荻原さんは「当館はクジラを専門としている博物館。そのクジラやイルカが生息する豊かな海を支えている小さな生物たちにも目を向けていただきたかった。子どもさんたちには観察会を通して、水温を直接感じ、海草を踏む感触や生き物に触れることなどを体感して、楽しんでいただけたら幸いです」。

 稲森館長は「皆さま方に、自然に直接触れて体験していただける機会として昨年から実施している。どのような頻度や形になるかは検討中だが、今後も観察会などの催しを拡充していく予定です」と話した。

(2022年5月18日付紙面より)

磯に生息する生物を探す参加者=15日、太地町の森浦湾
荻原拓さんの解説に耳を傾ける子どもたち
2022年05月18日
177 本年度事業など承認
 新宮ユネスコ協会が総会  (新宮市 )

 新宮ユネスコ協会(個人60人、法人12社)は15日、新宮市福祉センターで令和4年度総会を開いた。会員約20人が出席する中、本年度事業や予算などを承認した。

 日本では、民間ユネスコ活動から起こったユネスコ運動が、政府、国会などに波及し、ユネスコ加盟の機運が高まって

いったという経緯がある。1947年に宮城県で、世界で最初の民間ユネスコ運動団体「仙台ユネスコ協力会」が発足。新宮ユネスコ協会は2012年10月20日、和歌山県で7番目に立ち上げられた。

 開会に当たり、中谷剛会長があいさつ。いまだ世界的に猛威を振るう新型コロナウイルス情勢、ロシアのウクライナ侵攻に言及し「日々、大変悲惨な状況が耳に入ってくる。国際社会や国連の無力さを感じるが私たちもなすすべなく見守っていくしかないのが現状。平和や戦争について考えていかなければならない。この総会が祈りの場となるような、実り多きものになれば」と思いを語った。

 来賓の田岡実千年市長は、同協会の日頃の尽力と新型コロナ対策への協力に感謝を伝え「多くの皆さま方からの支持を受けられるようになったのは、設立メンバーの皆さま方がユネスコの理念の持つ素晴らしさと民間ユネスコ運動の意義の正当性を信じ、この世界に誇れる歴史と伝統と文化の地『新宮』を守るため、そしてより世界に開かれた地域とすべくため、熱意をもって呼びかけられた成果」と活動や取り組みをたたえた。

 本年度の事業計画は▽熊野古道の実地学習と保全活動▽市町村行事、学校行事への団体参加▽ユネスコ協会連盟、連絡協議活動への参加▽書き損じはがきキャンペーンへの参加▽組織ならびに活動の活性化に向けての方策▽平和への取り組み▽会議の充実―などを予定している。新型コロナウイルス感染症の状況を見ながら、ユネスコ文化講演会の実施に向けて準備を進めていくという。

  □     □

■ジェンダー平等とは



 総会後には、勢古啓子副会長による講話があった。勢古副会長は「ジェンダー平等について」をテーマに、日本におけるジェンダーバイアス(性的役割の固定的価値観)の現状について話した。

 勢古副会長は、1975年に国連によって制定された「国際女性デー」(3月8日)に触れ「日本でも『女性の生き方を考える』として全国に拡大している。47都道府県中22県で開催されたが、和歌山県は不参加だった」。

 また、ジェンダーギャップ指数は国連加盟156カ国中、日本は120位であるとし「日本は男女の賃金格差が大きく、役員や管理職、女性議員の割合が低く深刻な状況」と説明した。

 ▽管理職には男性の方が適している▽喪主は長男がすべきだ▽育児休業を男性が取るなんて考えられない―などの項目を挙げて意識チェックを促し「ジェンダーバイアスの影響を受けている人は少なくない。ジェンダー平等を実現するためには身の回りの当たり前に気付き、見直しと気付きを深めていくことで自分らしく生きられる社会が実現できるのでは」と締めくくった。

(2022年5月18日付紙面より)

会員らが出席した総会の様子=15日、新宮市福祉センター
中谷剛会長
勢古啓子副会長
2022年05月18日
178 暗闇照らす千手観音菩薩
 星野さんの刺しゅう画展示  (補陀洛山寺 )

 「東日本大震災から10年。東北の皆さまの心や思いなどを考えた際に千手観音菩薩(ぼさつ)の姿が浮かんだ」。そう話すのは刺しゅう作家として国内外で活躍する東京都在住の星野真弓さんだ。「慈愛」をテーマとし、一針一針に東北復興への思いなどを込めて作成した「レジリエンス~千手観音菩薩~」の特別展示会が16日から、那智勝浦町の補陀洛山寺(髙木智英住職)で始まった。

 慈愛に満ちた表情を浮かべる千手観音菩薩が座した大作は約44万針刺し、およそ22万個のマスをクロスステッチで仕上げた。作成に使用した針も同じく展示されている。7月1日(金)まで観覧できる。

 星野さんは国際平和芸術協会の特別会員や一般社団法人三月のひまわりの代表なども務め、日本代表団の一員として、スイス・ジュネーブ国連欧州本部で作品の展示も行われるほど。今年6月にはフランス・パリの国連教育科学文化機構(ユネスコ)本部において、桜をイメージした作品の展示も決まっている。

 東日本の震災後、作品の寄贈や刺しゅう教室を開くなどして、10年にわたって東北地方の復興のために尽力してきた。

 10年を機に癒やしや鎮魂の願いを込めた作品に取り組むことを決意。一針入魂の思いで作業に没頭し、約80色の糸を使い用いた針は1本。5㌢ほど短くなったが折れることはなかった。

 作成期間中には最愛の父を亡くした。その悲しみにも耐えながら作品に力を注ぎ、1年3カ月をかけて仕上げた。サイズは縦124㌢、横106㌢、重さ16㌔(額含む)。

 災害などの困難に負けないという思いも込めて、作品名には「回復力」「復元力」「しなやかな強さ」などの意味を持つレジリエンスを加えた。完成後は東北地方、千葉、佐賀県など各地で巡回展を実施してきた。

 今年1月、母と共にクルーズ船の旅に出かけ、船が新宮港へ着岸。タクシーで周遊した際、偶然にも最初に立ち寄ったのが同寺だったとし、「補陀洛山寺のご本尊は十一面千手観音菩薩。ご縁を感じた。自身の作品や巡回展のお話をさせていただいた」と述べ、今回の展示に至ったと話した。

 同寺の管理人である南善文さんは「素晴らしい作品の展示、ありがとうございます。ぜひ、多くの皆さまに見に来ていただけましたら」。

 星野さんは「糸には思いが宿る。多くの方々のさまざまな思いと一緒に全国を回っている。現在、コロナ禍で世の中が沈んでいるが、暗闇の中にも必ず光がある。この作品が皆さまの光となり、心の豊かさにつながれば」と語った。

 刺しゅう画の観覧は午前8時30分から午後4時まで。年中無休。問い合わせは補陀洛山寺(電話0735・52・2523)まで。

(2022年5月18日付紙面より)

思い紡いだ星野真弓さんの刺しゅう画「レジリエンス~千手観音菩薩~」が展示中=16日、那智勝浦町浜ノ宮の補陀洛山寺
2022年05月18日
179 ヒラメ稚魚1200匹を放流
 南紀串本観光協会協力し  (日本釣振興会 )

 串本町くじ野川にある橋杭ビーチで16日、ヒラメの稚魚放流があった。公益財団法人日本釣振興会和歌山県支部による釣りを楽しむ環境づくりの一環で、会員の南紀串本観光協会(島野利之会長)が協力し稚魚約1200匹を串本の海へ送り出した。

 同協会がフィッシングタウンとしての地域振興に打ち込む一環で同振興会の団体会員となったことで始まった取り組みで、同支部はまず4年ほど定点実施し放流効果のデータを得る方向で同協会に協力を求めている。

 2回目となる今回も、県南部栽培漁業センターからふ化後約3カ月、体長8・5㌢前後まで育った稚魚を入荷。同協会の職員や会員、西向出身のアングラーズアイドル・そらなさゆりさんら関係者計8人が協力し、同ビーチ駐車場から波打ち際まで急ぎ稚魚を運び入れ、今回は沖へ出やすいよう引き波へ乗せることを意識して放った。

 稚魚が同振興会の見据える大きさになるまでには3~4年ほどかかるとされ、このことが定点放流を続ける期間の一目安となっている。

 2回目の実施を経て同協会の宇井晋介事務局長は「フィッシングタウンとして振興を目指す中、資源が増えてほしいなぁという思いで協力しています。稚魚は来年の今ごろには30㌢ぐらいになる予定。橋杭ビーチの活用ということでいろいろ使っていますが、(その中でレンタル提供している)フィッシングカヤックなどいろいろな形でヒラメの釣りを楽しんでいただければ」と話した。

(2022年5月18日付紙面より)

ヒラメの稚魚を放つ宇井晋介事務局長(右)とそらなさゆりさん=16日、串本町くじ野川
放流した稚魚。体長は8.5㌢前後
2022年05月18日
180 那智勝浦が激戦制す
 スポ少野球東牟婁予選  
2022年05月18日
181 串本JFCが優勝
 県サッカーU―12選手権東牟婁予選  
2022年05月18日
182 聖化動物と精神文化  東大人文・熊野フォーラム  (新宮市 )
2022年05月18日
183 高田一の滝を訪ねる  自然探訪スクールが開講  (新宮市 )
2022年05月18日
184 木陰に大の字の花揺らす  ユキノシタが花の時期に  (古座川町 )
2022年05月18日
185 道路復旧予算など承認  町議会第4回臨時会で  (古座川町 )
2022年05月18日
186 一品物求める来場集める  サンゴ台で手作り五人展  (串本町 )
2022年05月18日
187 PCR検査費用、全額助成  新型コロナ対策の独自事業  (紀宝町 )
2022年05月18日
188 久保智議長と畑中新子副議長を選出  熊野市議会  
2022年05月18日
189 松田さん、畠君が準優勝  県中学生柔道体重別選手権  (矢渕中 )
2022年05月18日
190 「こどもゆめまつり」を計画  ボラ・市民活動セ「きぼらんせ」  (紀宝町 )
2022年05月18日
191 地元外出産の妊婦へ支援  交通宿泊費や託児料  (紀宝町 )
2022年05月18日
192 危険な外来植物を除去  タウンガーデンで有志ら14人  (新宮市 )
2022年05月18日
193 お悔やみ情報
  
2022年05月17日
194 3年ぶりの熱戦迫る
 27日に「第22回ツール・ド・熊野」開幕  



 熊野地方を舞台に27日(金)から29日(日)までの3日間、3年ぶりに「TOUR・de・熊野(ツール・ド・くまの)」が開催される。NPO法人「SPORTS PRODUCE熊野」が主催、公益財団法人日本自転車競技連盟が後援。

 ツール・ド・熊野は「南紀熊野体験博」「東紀州体験フェスタ」の関連イベントとして1999年4月に初めて開催。地域の振興と地球環境に優しい自転車の普及を目的に「3DAY CYCLEROAD 熊野」が行われた。

 07年の第9回大会からNPO法人「SPORTS PRODUCE熊野」が主催し、名称を「ツール・ド・熊野」に変更。翌08年からUCI(国際自転車競技連合)アジアツアー2・2のカテゴリーに指定され「ツアー・オブ・ジャパン」「ツール・ド・北海道」と並んで国際自転車競技連合公認の国内3大レースの一つとなった。

 大会は新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から昨年、おととしと中止となっていた。22回目の今年は新宮市を拠点とする「キナンレーシングチーム」をはじめ海外1、国内17の計18チームが出場し、熱戦を展開する。

 コースは海、山、川の景観と起伏のある自然豊かな環境で、本場ヨーロッパに似た雰囲気が特徴。初日の27日は第1ステージとなる新宮市熊野川町の「赤木川清流コース」で開幕する。28日(土)には三重県熊野市紀和町の山間部を走る「熊野山岳コース」で第2ステージ、29日に太地町の「太地半島周回コース」で行われる3日間の総合タイムで競われる。

 開幕に向け、角口賀敏理事長は関係者やボランティアなど多くの人たちに感謝し「コロナ禍で迷いもありましたが、前に進まなければ地域の未来はないと思い、徹底した感染対策を施し開催することを決めました。当地方の皆さんにはお世話とご迷惑をお掛けしますが、非常に盛り上がる大会にしていければ」と話している。

 今大会も恒例のフォトコンテストや地元ケーブルテレビ局による生中継、動画投稿サイト「ユーチューブ」の「サイクリングチャンネル」での配信を予定している。

(2022年5月17日付紙面より)

開催をPRする角口賀敏理事長(右)と下澤友紀雄事務局長=16日、新宮市浮島の株式会社キナン本社
2022年05月17日
195 税金やその必要性を考える
 高池小6年対象に租税教室  (古座川町 )

 古座川町立高池小学校(大畑眞校長)の6年生10人を対象にした租税教室が13日にあり、児童が税を意識しその必要性を考えるきっかけを得た。

 この教室は、新宮・東牟婁租税教育推進協議会(山端克明(やまばな・よしあき)会長)が管内の小学校~高校の希望を受け講師を派遣する形で通年実施。今月は4小学校が希望していて、高池小はその先陣を切る参加となった。

 この日は新宮税務署個人課税部門の小田大樹さんが講師として来校。消費税や所得税など約50種類の税金があることを伝え、映像教材で税金の有無で社会はどう変わるか、学校を例にして税はどのように使われているかを児童と一緒に考えた。

 1億円の見本を児童に持ってもらうなどして金銭感覚を培いつつ、学校を一つ建てるのに平均15億円、義務教育を受けるのに小学生は1人年間約88万円、中学生は約100万円の税金が使われているといった紹介も。児童はそれら話を聞いた感想を発表して、小田さんの紹介に感謝した。

 児童の大屋沙織さんは家族から消費税や所得税などの話を聞いて社会に税金があることを知っていたそうで「いろいろな税金があることを知れて良かった。ムービー(=映像教材)で税があるとないの差が激しくて、ないと国民は損をするので必要だなと思った」と印象を話した。

 選挙権年齢の引き下げで主権者教育の重要性が一層高まる中、国民の三大義務の一つでもある納税への関心と適切な理解を児童・生徒の段階から促すことがこの教室の趣旨。今後は下里小と北山小=ともに17日(火)、王子ケ浜小=18日(水)=も参加する予定となっている。

(2022年5月17日付紙面より)

1億円の見本を交えて税制度を教わる6年生ら=13日、古座川町立高池小学校
2022年05月17日
196 常呂と熊野をつなぐ試み
 東大人文・熊野フォーラム  (新宮市 )

 新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」で14日、東京大学大学院人文社会系研究科・文学部と新宮市が主催する「東大人文・熊野フォーラムin新宮」があった。「常呂(ところ)と熊野―地域を繋(つな)ぐ試みとして」をテーマに開催。フォーラムの様子はオンラインでも同時配信された。会場では約100人が聴講する中、人文社会系研究科前研究科長の大西克也教授が基調講演を行った。

 第2回となる同フォーラムでは、常呂(北海道北見市)と熊野(新宮市)をつなぐ新たな人文学の試みとして、熊や鯨などの聖化動物を通して熊野とオホーツクの精神文化の通底を考えるといった趣旨に基づきテーマを定めた。2021年に新宮市と連携協定を締結した同大学は、半世紀にわたって常呂町(現北見市)と地域連携協定を結んでいる。

 開催に当たり、同大学の津田敦副学長が「多くの人が『熊野』に取りつかれていくのを見てきた。私も『熊野』に取りつかれたいとの思いで熊野に来た。『熊野』に選ばれ、足繁く通えるようになれば」とあいさつした。

 辻直孝・北見市長のビデオメッセージが紹介され、田岡実千年市長は「遠く離れた地域に通底する文化の特徴とは、また外国はどうかを学ぶことができるこれまでになかった大変興味深いプログラム。熊野の個性と文化を再検証する機会としていただければ」。

 秋山聰・人文社会系研究科長がフォーラムの趣旨を説明。「それぞれの文化的事象や歴史文化をじっくりと眺めてみれば、多かれ少なかれ人文学的比較対象の種となる要素はおのずと見つかるのではないか。二つの地域を人文学的見知からつなげ、予想もしない共通点を見つけたり比較を試みたりすることによって、双方の文化振興に寄与することが人文学には可能ではないかと思い始めている」と期待を込めた。

  □     □

■牛玉宝印と鳥文字の関係は



 大西教授は「熊野の牛玉(ごおう)宝印と呉越の鳥書(ちょうしょ)―漢字の伝来と信仰―」を題目に講演。中国では春秋時代後期(前6世紀)~戦国時代初期(前4世紀)の「越王句践剣」に記されている鳥書や漢時代の鳥書、雑体書を紹介し「当時は瑞象(ずいしょう)の意味合いがあったと思われるが、後漢時代には魔よけの機能が備わっていた」。

 漢字を発明したとされる古代中国の伝説上の人物・蒼頡(そうけつ)の記録では「鬼は文字によって告発されることを恐れて夜に泣いたのである」と伝わっていると紹介し「漢字の魔よけの機能が、記録という漢字の本質に由来している」と説明した。

 宮殿や寺社などに掲げられたという「扁額(へんがく)」と牛玉宝印との共通点を上げ「牛玉宝印が扁額の書を取り入れたのは間違いない」。

 三山で最も古いとされる「那智瀧宝印」は15世紀に全ての文字を烏点で作り上げる劇的な変革が行われたことや、需要が増加したことや誰にでも書けるものではないことなどから手書きから木版となったことなどについても紹介。「連携協定締結により、このようなことを考える機会に恵まれたことは私にとっても楽しい経験となった」と講演を締めくくった。

(2022年5月17日付紙面より)

会場では約100人が聴講した=14日、新宮市下本町の「丹鶴ホール」
大西克也教授
秋山聰・人文社会系研究科長
2022年05月17日
197 児童が紙工作に挑戦
 少年少女発明クラブ  (新宮市 )

 小学生にさまざまな工作や体験の機会を提供する「新宮市少年少女発明クラブ」(瀧野秀二会長)の開講式と、その第1回の講座「ペーパークラフト」が14日、新宮市福祉センターであった。所属する児童28人のうち、27人が参加。式で所属バッジを受け取ったほか、昆虫や動物を作る紙工作を楽しんだ。

 発明クラブは全国にあり、和歌山県内でも11市町で活動が行われている。新宮市は2015年に開始しており、市内の小学校の4~6年生を対象に、児童に理科や科学、ものづくりなどに関心を持ってもらえるように取り組んでいる。本年度は11回の講座の実施を予定している。

 式では、瀧野会長があいさつ。講座について「昨年は新型コロナでできなかったものもあるが、今年は全部できるように祈っている。皆さんもぜひ、全部参加を。一生懸命に、いろんな講座に挑戦を」と呼びかけた。続いて、児童に1人ずつ、クラブのバッジを手渡した。

 ペーパークラフトは、和歌山県立新翔高校の教諭でもある中岸速人さんが講師を務めた。児童に対し「ものづくりは失敗を恐れず、失敗しても次に生かすことが大事。その過程を大事に。頑張って完成品ができたなら、それは素晴らしいこと」と伝えた。

 講座の内容は、切り取り線や折り線、のりしろを加えて描かれた、昆虫や動物の図柄の付いた用紙をはさみやカッターで切り抜き、折ったり貼ったりして立体的に工作するもの。カブトムシやクワガタムシ、チョウ、キリン、クマ、サルなどの種類があった。

 児童は、好みの2種類の図柄を選び、工作を開始。中岸さんは完成見本を配るなどしながら、その様子を見て回った。児童に対して「カッターで切る時はもっと立てて」「(昆虫の)触角を切る時は気を付けて」「ここは山折りで、こっちは谷折り」などと指導。児童はこれらを聞き入れ、一心に取り組んでいた。

 キリギリスとトンボに挑戦した、王子ヶ浜小6年生の岸本青空(すかい)君は「参加するのは初めて。工作は夏休みに、お父さんと木材で貯金箱を作ったりしている。ペーパークラフトは楽しい。キリギリスは胴体のところの折り方が難しかった。これからの講座も楽しみ」と話した。

(2022年5月17日付紙面より)

児童に完成見本を示す中岸速人さん=14日、新宮市福祉センター
開講式に参加した皆さん(一時的にマスクを外して撮影)
2022年05月17日
198 ユニークな姿の幼虫  紀州の名蝶イシガケチョウ  
2022年05月17日
199 インテリア作品などを提案  紀州備長炭ギャラリー開設  (株式会社サウススカイ )
2022年05月17日
200 町おこしや復興につながれば  総健歌謡クラブが寄付  (那智勝浦町 )
2022年05月17日
201 ジャガイモの収穫楽しむ  「くまの里山」の恒例行事  (那智勝浦町 )
2022年05月17日
202 「新しい時代へ向かう一歩」  総会でスローガンなど承認  (新宮YEG )
2022年05月17日
203 「紀の宝みなと市」にぎわう  子どもたちも「型抜き」に挑戦  (紀宝町 )
2022年05月17日
204 カレーライスに舌鼓  「こどもの日」ミニイベントも  (紀宝町 )
2022年05月17日
205 今年も純白のセッコク美しく  神内神社の「安産樹」に  (紀宝町 )
2022年05月17日
206 お悔やみ情報
  
2022年05月15日
207 慶喜の心情、今に伝える
 貴重な「奏聞書」劔持家に  (新宮市 )

 新宮市下本町の劔持さん宅に伝わる「慶喜奏聞書」がこのほど、徳川慶喜から新宮藩最後の藩主・水野忠幹に送られたものであることが分かった。文書は慶喜の家臣が書いたと思われるが、大政奉還後の苦悩がつづられており慶喜の心情を現在に伝える貴重なものとなっている。

 江戸幕府かつ日本史上最後の征夷(せいい)大将軍、徳川慶喜。江戸末期、「薩長同盟」が成立し倒幕への動きが加速する中、慶喜は1867年10月に政権を朝廷に返上。大政奉還により、鎌倉幕府が開かれてから約700年続いた武士による政治は終わりを告げた。

 文書の鑑定には和歌山県立博物館や和歌山城郭調査研究会の水島大二顧問、同研究会会員の小渕伸二さんらが協力した。

 和歌山信愛大学非常勤講師の小山譽城・歴史学博士によると「徳川慶喜が将軍職を辞退し、天下の公議を尽くして政権を運営するようにと朝廷に政権を返上したにもかかわらず、列藩の衆議もなく、薩摩・長州の藩士らが幼い明治天皇の近くにいて勝手な振る舞いに及んでいることは嘆かわしいこと」などと苦悩がつづられており、天皇と万民の安心できる国にしたいという慶喜の願いが奏聞されているという。

 文書は大政奉還から約2カ月後の同年12月に江戸城において幕府の老中から紀州藩の家老に渡されたもの。一方、劔持家は1619年に水野家が新宮城領主として入部した際に、側用人として浜松から入国したという家系で、水野家に送られた文書を所有していることから、水野家から絶大な信用を得ていたことがうかがわれる。なお、文書は田辺の安藤家にも届けられた可能性があるが、県内では確認はされていない。

 文書を所有する劔持幸代さんは「新宮市で出てきたもの。ちゃんと扱っていただけるのなら市に寄贈したい」と胸中を明かし「大政奉還に苦悩した慶喜さんの心情が伝わってくるように思う。どこかに展示していただけるのなら、新宮市の方々に見てもらいたい」と話している。

(2022年5月15日付紙面より)

水野家に送られたという「慶喜奏聞書」=新宮市下本町
2022年05月15日
208 西田紀宝町長、初代議長に
 タイムライン防災・全国ネットワーク国民会議  

 台風や大雨などの災害が起こる前に行政、住民、関係機関が取るべき行動をあらかじめ定めておく事前行動計画「タイムライン防災」の普及を目指す「タイムライン防災・全国ネットワーク国民会議」の設立総会が10日、東京都千代田区であった。全国34市区町村の首長らで組織し、全国で初めてタイムラインを策定した紀宝町の西田健町長が初代議長に就任した。

 紀宝町は2011年の紀伊半島大水害を教訓に、15年にタイムラインを策定し、これまで約40回運用してきた。今では全国137市区町村が導入している。

 同会議は、タイムラインをより多くの市区町村や地域住民に広めていくことで、災害から命を守る防災意識社会の構築を目指す。人材育成の推進や全国の防災機関への普及啓発なども展開する。

 内閣府政策統括官、消防庁次長、国土交通省水管理・国土保全局長、気象庁気象防災監らがアドバイザー、河田惠昭・関西大学社会安全学部特別任命教授、タイムライン防災を提唱した松尾一郎・東京大学大学院情報学環客員教授らが技術顧問、太田昭宏・元国土交通大臣、足立敏之・参院議員が特別顧問を務める。

 総会では内閣府、消防庁、総務省、国土交通省、気象庁への支援などを盛り込んだ決議文を採択。タイムラインを活用した防災対策の推進を図り、政府の防災基本計画に位置付けること、地域防災の担い手確保への財政支援などを要請し、山口那津男・公明党代表らに要望した。

 議長の西田町長は「正しい避難が可能な地域防災社会の形成と国民一人一人のタイムライン防災の徹底が急務となっている中、タイムライン防災の一層の充実と日本の文化となるよう、まい進していく」とコメントした。

(2022年5月15日付紙面より)

タイムライン防災・全国ネットワーク国民会議の設立総会(紀宝町提供)
山口那津男・公明党代表(右から2人目)に要望する西田健議長(同3人目)=同提供
2022年05月15日
209 子どもの安全や緑化のために
 朝日・築地公園で芝生養生中  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町役場横の築地公園と同町朝日の朝日公園の一部区画でこのほど、芝張りが行われた。現在は養生中の芝生部分に立ち入りできないようにロープを設置しており、芝の根がしっかりと張る6月初旬に開放を予定している。

 町建設課によると、公園を利用する子どもの安全対策や緑化のために本年度事業で実施。費用は約40万円で、どちらも4月中旬に芝張りを行ったという。

 担当者は「芝生化は景観面を良くすることはもちろんだが、公園で遊ぶ子どもさんが転倒した際の危険防止にもつながると思う」と話していた。

(2022年5月15日付紙面より)

芝張りを行い、養生中となっている=11日、那智勝浦町築地の築地公園
築地公園よりも芝を多く張った朝日公園=同日
2022年05月15日
210 人口増減率で下位  北山村と古座川町  (和歌山県推計 )
2022年05月15日
211 イベント「市独自の基準を」  各課が所管事務を報告  (新宮市議会総務建設委 )
2022年05月15日
212 維持発展に向け団結図る  市ボランティア・市民活動センター総会  (新宮市 )
2022年05月15日
213 「ぺったん」と手足形  子育てサロン「ふれんZOO」  (紀宝町 )
2022年05月15日
214 園庭元気よく駆け回り  うどの幼と鵜殿保が交流  (紀宝町 )
2022年05月15日
215 自然や近代文化遺産も堪能  24人が甑山~電気の谷を歩く  (紀宝町 )
2022年05月14日
216 人数など制限し例年通り斎行
 熊野那智大社「那智の扇祭り」  (那智勝浦町 )

 新型コロナウイルス感染拡大防止のために2年連続で規模を縮小し斎行してきた熊野那智大社(男成洋三宮司)の「那智の扇祭り(火祭)」。今年は参列者の人数制限や斎行時間の変更はあるが、諸祭儀は3年ぶりに例年通り執り行うことが決定した。7月13日(水)が宵宮、14日(木)が本宮となる。

 扇祭りは、大社にまつられている12柱の神々を12体の扇神輿(みこし)にうつし、那智の滝前に里帰りさせて神霊、神力を奮い起こし、万物の生成発展を祈る神事。

 8日に開かれた扇祭り保存会の役員会で、現在の感染者数や各地で実施されている催しなどの状況を踏まえ、協議した結果、今回の決定に至ったという。

 例大祭の内容や決定事項は▽大前の儀は拝殿内の3密回避のために、神社役員や祭り役員、地元官公庁や神社関係者に絞って30人程度を案内する▽「那智の田楽」は宵宮のみ実施▽大和舞は町立市野々小学校と協議し判断する▽別宮への渡御は扇神輿および大たいまつともに通常通り12体を繰り出す▽御田植式、御田刈式、那瀑の舞も執り行う▽別宮には例年通り拝観者の参入も認めるが、マスク着用などの感染防止の協力を呼び掛ける▽奉仕者は全員がマスクを着用して、当日の検温で37度5分以上または体調不良者は奉仕を控える―となった。

 当日は感染対策として、斎行時間も繰り上げて行う。本宮では午後0時50分の終了を予定しているとした。

 男成宮司は「昔から伝統あるお祭りが営まれてきた。ここ数年はコロナ禍で規模縮小となっていたが、年に1度のお祭りを本来の形で斎行することが大切だと思う。感染対策に取り組むとともに、感染の危険が高い奉仕者の飲食などを控え、時間を繰り上げて行う。お祭りは五穀豊穣(ほうじょう)や国の繁栄、地域の安寧を祈願するが、疫病退散も含まれている。今年の例大祭は意義のあるものにしてきたい」と語った。

 同大社によると、今後の感染状況やまん延防止等重点措置、緊急事態宣言などが発令された場合は祭典内容に変更の可能性もあるとした。

(2022年5月14日付紙面より)

規模縮小して斎行された昨年の例大祭の様子
2022年05月14日
217 今年こそは通常通りに
 早船と倉庫の修繕が完了  (熊野速玉大社 )

 新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)の例大祭「新宮の速玉祭(はやたまさい)」早船競漕(きょうそう)で使用される早船と早船倉庫扉部分の修理・修繕作業が、このほど完了した。早船の修理はコロナ禍を利用して昨年11月に開始。上野宮司や大社関係者らは修理完了に胸をなで下ろしている。

 例大祭は同大社の主神、熊野速玉大神(くまのはやたまのおおかみ)の御神霊が神馬(しんめ)で阿須賀神社へ渡御し、熊野川河原の乙基(おとも)の御旅所(おたびしょ)へ渡る「神馬渡御式」と、熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ)の御神霊が神輿(みこし)でまちを練り、神幸船(しんこうせん)で御船島を廻(まわ)る「神輿渡御式(御船祭=みふねまつり)」からなる祭り。

 2月の御燈祭(おとうまつ)りと合わせ、「新宮の速玉祭・御燈祭り」として2016年3月に国の重要無形民俗文化財(重文)に指定されている。新型コロナウイルス感染症の影響でおととし、昨年とも、御船祭は斎主船、諸手船(もろとぶね)、神幸船のみで斎行。早船競漕は2年連続で中止となっている。

 大規模な舟の修理と倉庫修繕は、15年前に舟と倉庫を一新して以来初。㈱R.LinkCorporationの椋野玲史・代表取締役会長が協力を申し出たことにより実施に至った。早船修理には紀宝町の船大工・谷上嘉一さんが協力。主に櫂(かい)が当たる縁(へり)部分の修理を行った。倉庫扉部分は木製だったが経年劣化により腐食が進んでいたことから、新たにシャッターに付け替えられた。

 上野宮司や神職、御船祭審判員(下地昌宏委員長)役員らは椋野代表取締役会長らの力添えに感謝。「新しくなった早船が使えるように、今年こそは通常通り祭りを執り行うことができたら」と期待を寄せている。

(2022年5月14日付紙面より)

早船と倉庫の修繕が無事終わった=12日、熊野速玉大社
2022年05月14日
218 郷土愛の中でジオの意識を
 絵本「南紀熊野の民話」作成  (南紀熊野ジオパーク )

 南紀熊野ジオパーク推進協議会が地質の日の10日、絵本「南紀熊野の民話『橋杭岩の立岩伝説 鯛島(たいじま)と河内島(こうちじま)』」を作成したことを発表した。

 同協議会が展開する教育普及事業の一環で作成。橋杭岩や鯛島と河内島にまつわる民話をそれぞれ紹介した後に実物の解説を交える内容で、フルカラー25㌻構成。挿絵を担当した大江みどりさんは技法「フロッタージュ」で写し取った橋杭岩の模様を絵柄に取り入れて大地の質感を再現し、文章を担当した同協議会は串本弁や古座弁で民話を紹介して巻末に標準語版を添えるなど、身近に興味を持ってもらうための工夫も注いでいる。

 作成数は250冊で、ハードカバー仕立て。同パークエリア内の小学校や保育・幼児教育施設と図書館施設、県立図書館や情報交流センターBig・Uへ託し、子どもたちが親しめるよう活用してもらうとしている。数に限りがあるため販売や一般への配布はせず、代わりに教材シリーズの一つとしてPDFデータを公式ホームページの冊子掲載ページ(アドレスhttps://nankikumanogeo.jp/download/)で閲覧できるようにしている(無断複製や転載は禁止)。

 今回は同センターがある南エリアから民話を選んだが、今後も予算が確保できれば偏ることなく他のエリアの民話も選んで絵本のシリーズ化を進めたいという。同パークセンターの大江晃司主査は「民話がもたらすふるさと感と一緒に関係する地質への関心を持ってもらい、郷土愛の中で同パークを意識してもらうことが狙い。絵本なのでまずは民話を楽しむところから活用していただければ」と話している。

(2022年5月14日付紙面より)

このほど作成、配布した絵本「南紀熊野の民話」=11日、南紀熊野ジオパークセンター
2022年05月14日
219 民生児童委員が見守り
 下校児童の安全を確認  (新宮市 )

 全国民生委員児童委員連合会が定める「民生委員・児童委員の日」であり、活動強化週間の初日でもある12日、千穂第一・第二地区民生委員児童委員協議会(小内潤治第一地区会長、和田町子第二地区会長)は、新宮市の千穂と橋本で、新宮市立神倉小学校に通う児童の下校時の見守り活動を行った。雨天の中で交差点に立ち、児童らに危険が及ぶことがないかを見守った。

 千穂第一と第二はともに、神倉小の校区内となる。普段は毎月第3金曜日、神倉小の低学年児童が下校する時間帯に交差点に立ち、横断歩道を渡る際の安全指導や、交通安全に関する注意喚起を行っている。この日は、民生委員・児童委員の日の取り組みとして実施した。なお活動強化週間は12日から18日(水)まで。

 千穂第一からは、4人が参加した。国道42号の裁判所南交差点の付近に立ち、下校を見守った。委員らは、友人とはしゃいで道路にはみ出しそうになる児童に注意をしたり、顔見知りの児童と言葉を交わしたりしながら、それとなく安全を確認していた。

 小内会長は「下校時の見守りは、千穂第一と第二の合同活動として、始めて5年ほどになる。活動を行うようになってからは、子どもの危ない行動もなくなったように思う。児童もあいさつしてくれ、車のドライバーも気を配って運転してくれている。民生児童委員もコロナ禍で活動が難しいが、誰もが笑顔で安全安心で暮らせる地域づくりのために、今後も地道で身近な活動を続けたい」と話した。

(2022年5月14日付紙面より)

下校児童を見守る小内潤治・千穂第一地区民生委員児童委員協議会長(右)ら=12日、新宮市千穂の国道42号裁判所南交差点付近
2022年05月14日
220 2部門ともに三輪崎が優勝
 県スポ少剣道東牟婁予選  
2022年05月14日
221 楽しさや魅力を伝える
 新宮RFCが「ラグビー体験会」  (新宮市 )
2022年05月14日
222 まずまずの結果に  観光施設のGW来場数  (新宮市 )
2022年05月14日
223 薬物乱用を防ぐには  保健所が生徒に講話  (近大新宮高校 )
2022年05月14日
224 分娩再開「状態維持を」  各課が所管事務を報告  (新宮市議会教育民生委員会 )
2022年05月14日
225 下里小児童がウミガメ学ぶ  玉の浦リップルズクラブ  (那智勝浦町 )
2022年05月14日
226 素晴らしい子の姿が広まれば  山﨑浩敬さんの作品が絵本に  (串本町 )
2022年05月14日
227 暫定1位との対戦に挑む  和歌山FB―06Bu戦  (関西独立リーグ )
2022年05月14日
228 196人が30Hを巡り競う グラウンドゴルフ競技会「第1回記録会」 (串本町)
2022年05月14日
229 交流深め、和気あいあいと  3年ぶり、グラウンドゴルフ大会  (紀宝町シルバー人材センター )
2022年05月14日
230 矢渕中女子が準優勝  県中学生ソフトテニス大会  (紀宝町 )
2022年05月14日
231 県内で「架空請求詐欺」が増加  高齢者見守り隊、紀宝署が啓発  (紀宝町 )
2022年05月14日
232 お悔やみ情報
  
2022年05月13日
233 3年連続の花火中止決定
 熊野徐福万燈祭運営委員会  (新宮市 )

 熊野徐福万燈祭運営委員会(委員長=田岡実千年・新宮市長)は11日、市役所別館大会議室で今年1回目の委員会を開き、今年の花火大会を中止とすることを全会一致で承認した。

 新型コロナウイルス感染収束の見通しがいまだ予測できない状況にある中、観覧者や関係者に対する万全な感染対策を講じての安心・安全な運営が保証できないことから中止を決定した。

 コロナ禍以前に花火大会が実施されたのは2019年で、3年連続の中止となる。なお、花火大会に先立って執り行われる徐福供養式典は、一般参列は行わず関係者のみ20人ほどで実施する。

 花火大会中止の決定について、委員からは「来年、再来年の開催に向けて国や県が指針を示してくれたら」「熊野市も中止を打ち出しているが、どうなれば実行できるのか、ある程度の目安を決めておかないといつまでたってもさまざまな催しが開催できない」などの意見も上がった。

 同委員会は令和3年度事業報告や収支決算、令和4年度収支予算案などを承認し閉会した。

 熊野徐福万燈祭は、秦の時代に渡来したと伝わる徐福の遺徳をしのぶために始まった花火大会。毎年8月12日に同市徐福の徐福公園で徐福供養式典が営まれ、翌日に熊野速玉大社下の熊野川河川敷を舞台に花火が打ち上がる。

(2022年5月13日付紙面より)

2019年の花火大会の様子
2022年05月13日
234 当事者に関わりなど教わる
 1年生対象に宇宙講座開く  (串本古座高校 )

 和歌山県立串本古座高校(榎本貴英校長)が11日、1年生53人を対象にした宇宙講座を開いた。講師は有人宇宙システム株式会社(JAMSS)の前村孝志常務取締役と安全開発・ミッション保証部の土田哲主席。生徒は2人が関わっている宇宙の紹介を受けつつ、求められるスキルを教わるなどした。

 国内初となる普通科宇宙探究コース設置(2024年度~)の準備段階に入った同校。本年度はその一端で1年生の総合的な探究の時間へ宇宙関係の学習を適宜組み込み学校としての特色を強めることとしている。

 この日はその1回目で、講師は県教育委員会の仲介を得て招致した。前村常務取締役は初代の打ち上げ執行責任者を務めたH―ⅡAロケット、土田主席はフライトディレクタとしての接点を持つ国際宇宙ステーション(ISS)の概要と生活の様子をそれぞれ紹介。続けて土田主席がフライトディレクタとして思う事柄を語った。

 誤解やミスコミュニケーションを少なくするために接する宇宙飛行士への理解を前もって深めること、一例として日本の手でISSのトイレを提供するための取り組みを挙げ原因そのものを取り除くこと、が土田主席の掲げた事柄。「日頃の付き合い方を知り信頼関係をつくることで、宇宙飛行士は素晴らしい生活ができる」と筋道を示し、宇宙飛行士の若田光一さんの言葉「夢、探究心、思いやり」も交えて思いを伝えるためにコミュニケーションは大切だとくくった。

 興味深い内容だったと同講座の印象を語る1年生・慶幸羅(しあら)さんは「話を聞いて宇宙飛行士の生活は大変だと思ったし、(だからこそ)コミュニケーションがとても大切だと分かった」とコメント。同校は同時間の目標を社会人として不可欠なコミュニケーションスキルの習得と向上と位置付けていて、今後も宇宙と目標を両立する形で学期ごとに1~2回、この学習機会をつくりたいとしている。

  □     □

先輩として盛り上げを



 この日は県の宮﨑泉教育長も同講座の様子を視察。「カリキュラムはこれからの検討で、生徒の感想を聞いて反省もしながらより良い方向へ進める。生徒に少しでも宇宙への関心を持ってもらい、その盛り上がりの中で同コースを始めたい」と思いを語り、同コースには加われないが宇宙の学びを得る現1年生と来年度の1年生が先輩として後輩の歩む学びの道を開いてくれることを期待した。

(2022年5月13日付紙面より)

宇宙との関わりなどを語る前村孝志常務取締役(右)と土田哲主席=11日、県立串本古座高校
2022年05月13日
235 町内河川で治水対策進む
 神内川、井田川、熊野川などで  (紀宝町 )

 国、県が管理する紀宝町内の河川で浸水被害軽減対策や治水対策が進んでいる。町では「今後も浸水被害軽減が図られるよう、関係各位と緊密に連携し、安全な川づくりに向けた取り組みを進める」としている。

 県管理の神内川は沿線で頻繁に発生する浸水被害に対し、安全な川づくりを目指すため2018年度に河川整備計画を策定し、19年度から大規模特定河川事業として、地質調査や測量設計などを進め、20年度から下流域の工事に着手している。

 井田川では、沿線の浸水被害軽減を図るため、井田神社宮ノ前橋から狼谷団地間で16年度から河積の拡大を目的に護岸改修工事を実施。県では今後、狼谷団地から上流側の測量設計業務に着手する計画だという。

 国管理河川の熊野川では、近年の気候変動の影響による将来の降水量の増大を考慮するとともに、流域治水の観点も踏まえた「新宮川水系河川整備基本方針」が昨年10月15日に改定され、現在、その方針に基づく河川整備計画の策定に取り組んでいる。

 浸水被害軽減対策として17年度から5年間、熊野川を緊急対策特定区間に設定し、河道掘削を実施。掘削した砂利は県管理の井田海岸に養浜材として有効活用するなど、国、県が連携して侵食対策を講じている。

 相野谷川は20年度から引き続き、鮒田水門の耐震工事を実施している。

(2022年5月13日付紙面より)

大規模特定河川事業に着手する神内川=紀宝町鵜殿
2022年05月13日
236 ウクライナ人道支援のために
 築地地区が義援金手渡す  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町築地地区の坂井與己(よしみ)区長と大塚茂之副区長は11日、同町役場を訪れ、堀順一郎町長にウクライナ人道支援に係る義援金を手渡した。義援金は日本赤十字社を通じて寄付される。

 ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が続き、日本国内では戦闘や被害の様子が連日、報道されている。

 そんな状況の中、同区でも何かできないかと模索。坂井区長が4月23日の総会で「区でも人道支援のための寄付を行ってはどうか」と提案し、出席者全員が賛同したという。義援金は区費の一部から集め、総額10万円となった。

 坂井区長は「テレビや新聞などの報道でウクライナ国民の悲惨な状況を毎日、目にしているが非常に悲しい思い。まさか、このような形で戦争が起きるとは思いもしなかった。それらを受けて、築地区でも何かしたいと思って今回に至った」と話した。

 受け取った堀町長は「ご寄付ありがとうございます。医療支援などにお使いいただけるように日赤を通じて届けます。一日も早く収束してほしい。どのような形になるかは分からないが、町としても支援できることがあればしたいと考えている」と話した。

(2022年5月13日付紙面より)

築地地区から義援金が手渡された=11日、那智勝浦町役場
2022年05月13日
237 感謝込めて演奏届ける  近大新宮吹奏楽部が第11回定期演奏会  
2022年05月13日
238 3年連続の中止へ  新宮・那智勝浦天空ハーフマラソン  
2022年05月13日
239 羽化始まるも勢いは鈍く  直見のハッチョウトンボ  (古座川町 )
2022年05月13日
240 ウナギ稚魚約3000匹を放流  今後の管理対象魚化見据え  (古座川漁協 )
2022年05月13日
241 子どもの成長や悩み語り合う  和やか「子育てほっとサロン」  (紀宝町 )
2022年05月13日
242 自由に大胆に筆を走らせる  寺子屋広場で「己書」楽しむ  (紀宝町 )
2022年05月13日
243 ジオの恵みを伝え続けて8年  まちなかジオツアー実行委の歩みを振り返る㊦  (「地質の日」特集 )
2022年05月13日
244 チゴガニがダンス  新宮市  
2022年05月13日
245 「少しでも地域の役に」  市役所周辺で清掃活動  (新宮赤十字団 )
2022年05月12日
246 引き上げ救助を競う
 消防大会の署内選考会  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町消防本部(湯川辰也消防長)の同町消防署(関谷善文署長)は11日、同本部の訓練塔で、和歌山県消防救助技術会の出場選手署内選考会を開いた。5人一組の3班が出場。探索、発見した要救助者を7㍍引き上げて救助し、その技術を競った。

 県消防救助技術会は、県内の17消防本部の選抜選手が集い、個人・団体の複数の種目で、救助技術を競うもの。今年は6月1日(水)に、和歌山市の県消防学校で実施される。同町消防本部は、団体の「引揚救助」の種目で参加を予定しており、今回はその選考会となる。日常において、3班の消防隊が交代勤務しているため、この3班から選抜された各5人が、選考会に参加した。

 開始に先立ち、湯川消防長が訓示。選手に対して「今日はあいにくの雨だが、われわれの活動は天候には左右されない。今日は持てる力を十分に発揮してほしい。選考されたらここの代表として、頑張ってほしい」と激励した。

 選考会は、火災現場に救助に駆け付けた消防隊が高所から降下し、煙に包まれた中で要救助者を探し出して運び、引き上げるというもの。救助に要する時間のほか、救助用のロープや金具の取り扱い、動作の正確性なども審査対象となった。

 スタートと同時に、2人の隊員が空気ボンベを着けて降下、煙の中で要救助者を発見した。協力して搬送し、救助用具でつり上げ。いずれの班も真剣に取り組んでいた。その様子をベテラン職員が見守り、採点していた。

 関谷署長は「大会があると、訓練にも力が入る。現場活動に生かせる力を、訓練を通して養ってもらえたら」と話した。

(2022年5月12日付紙面より)

7㍍引き上げて救助し、その技術を競った=11日、那智勝浦町消防本部
2022年05月12日
247 多数来場でにぎわう
 太田の郷でフリーマーケット  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町南大居の交流センター太田の郷の屋外で8日、フリーマーケット(フリマ)があった。衣類や雑貨など、約50店が出店。町内外から多数が訪れ、コロナ禍前のようなにぎわいを見せた。

 太田の郷では例年、春と秋の2回、フリマを開催している。ただし昨年の秋は、コロナ禍の影響で中止となっていた。また今回も、もともとは4月3日に、音楽イベントとの同時開催を予定していたが、雨天のため音楽イベントのみ室内実施、フリマは延期となっていた。

 会場では、中央通路を挟んだ左右両側に、出店のブースが並び、商品が置かれていた。衣類や雑貨のほか、食器やスイーツ、軽食、古本などもあった。太田の郷の中にある食事処「太田川のめぐ味」も、太田米を使ったおまぜや弁当を販売しており、行列ができていた。

 午前11時ちょうどに、販売開始となった。会場は時間前にすでに来場者であふれており、開始と同時に目を付けた商品を買い求めていた。売り手と買い手で値段を交渉する姿もあった。

 近所から父親の博さん(42)と共に訪れた、長女で太田小5年の池田怜(りょう)さん(10)は「ここのフリマはよく来る。この間も来た。鉛筆とアクセサリーを買った。コロナでいろいろ大変だけど、フリマをやってくれているので楽しい」と話した。

(2022年5月12日付紙面より)

来場者でにぎわう会場=8日、那智勝浦町の交流センター太田の郷
2022年05月12日
248 今後の実動に向け素地づくり
 CGS部が樫野埼灯台で  (串本古座高校 )

 和歌山県立串本古座高校(榎本貴英校長)のCGS部(嶝口怜旺部長、寺本侑右部長)が6日、串本町樫野にある樫野埼灯台で草引きや灯台内部清掃に取り組んだ。

 2月に同灯台の航路標識協力団体指定を受けた同校は現在、田辺海上保安部と接点があるCGS部を実動母体とし▽敷地内の植生管理(通称・スイセン再生プロジェクト)▽定期点検協力▽年5回程度の一般公開〈イベント保険料など経費確保のため有償実施〉―などの活動を目指している。

 この日はそのための素地づくりを目的として活動。放課後かつ帰りの列車の時間との兼ね合いで1時間程度だが、部員16人が手分けして草引きや灯台内部清掃をしつつありのままの状態に触れる機会を持った。

 この経験を骨格にして今後は関係する情報やアイデアを肉付けしていき、協力団体としての体制をつくり上げるのが今後に見据えている筋道。他方、この日は業社による同灯台の内部点検日で、同部を代表して清野祐介顧問が立ち会い今後の点検すべき事柄の把握に努めた。

 活動を終えて清野顧問は、観光客らに喜んでもらうという視点で▽一般公開時のイベント案▽灯台内部の空き室を使った展示案―の提案を各自一つするよう求めて締めくくった。

 田辺海上保安部はこれまで実施してきた内部一般公開の運営を、これからは同校主導に委ねる考え。CGS部は早ければ海の日(今年は7月18日)、遅くともトルコ軍艦エルトゥールル号遭難の期日(9月16日)に近い位置付けで初のイベント実施へこぎ着けられるよう、今後の準備に臨むという。

(2022年5月12日付紙面より)

敷地内の草刈りに取り組む串本古座高校CGS部の部員ら=6日、樫野埼灯台
2022年05月12日
249 声を使ってエクササイズ スポーツボイス教室開講 (新宮市)

 新宮市役所別館で11日、「令和4年度スポーツボイス教室」が開講した。本年度は65~90歳の28人が参加し、スポーツボイス公認インストラクターの森まりかさんと、軽快な音楽に合わせて発声しながら体を動かした。

 プロのボイストレーニングを誰でも簡単に楽しめるよう開発された健康エクササイズ。▽誤嚥(ごえん)性肺炎予防▽心肺機能向上▽ストレスの解消―などに効果があるとされ、シニアの健康や生きがいづくりに期待が寄せられている。

 市内での開催は2年目。本年度も募集を開始してすぐに申し込みが集まり、リピーターも多い人気の教室になっている。会場では2㍍の席間隔を空け、検温や手指消毒などの感染症予防対策を講じて開催した。

 開講に当たり市健康福祉部地域包括推進課の辻本美恵課長は「介護予防事業の一環で始まった教室だが、毎回笑いもあり、楽しんで参加してほしい」とあいさつ。

 森さんは口を閉じてハミングしながら音を1オクターブ上下させるという基本の声帯ストレッチ方法を紹介。顔の筋肉を動かすフェイスアップなどと組み合わせながら「この後カラオケに行けば、とても声が出しやすく、気持ちよく歌えるはず」と盛り上げ、最後は全員で大笑いして教室を終えた。

 初参加の松﨑美恵子さん(73)は「体を動かすのが大好きで、スポーツボイスは以前から気になっていた。声を出しながら体を動かすのは上手にできませんでしたが、次回も楽しみです」と話していた。

 前期は9月21日(水)まで全10回で実施。後期は9月中に募集を行う予定だ。

(2022年5月12日付紙面より)

教室を楽しむ参加者=11日、新宮市役所別館
森まりかさん
2022年05月12日
250 智弁和歌山が優勝
 春季高校野球県予選  
2022年05月12日
251 奥村美羽さんが栄冠に
 瀧本君、西田君も準優勝と活躍  (北道院拳法錬成大会 )
2022年05月12日
252 優勝は川村淳二さん
 2022・4月春季大会  (新宮グラウンドゴルフ同好会 )
2022年05月12日
253 9チームが熱戦展開
 県サッカーU―12選手権東牟婁予選  
2022年05月12日
254 密輸など水際で阻止  24日まで取り締まり強化期間  (大阪税関 )
2022年05月12日
255 児童との再会楽しみに  宇久井VCでムギ刈り取り  (那智勝浦町 )
2022年05月12日
256 GW入り込み多数  新宮市と太地町  
2022年05月12日
257 教育充実目指して協定締結  県農林大学校林業研修部と  (北大和歌山研究林 )
2022年05月12日
258 池野山でもち米栽培始める  高池小5、6年生が田植え  (古座川町 )
2022年05月12日
259 ノーマスク学校生活宣言書  紀宝町教育委員会に提出  
2022年05月12日
260 田植えイベント楽しみに  丸山千枚田で田植え作業  (熊野市 )
2022年05月12日
261 夏の川遊びシーズンに向け  大里桜愛好会が伐採と草刈り  (紀宝町 )
2022年05月12日
262 「趣味の作品展」など計画  本年度事業など書面決議で可決  (紀宝町老連 )
2022年05月12日
263 ジオの恵みを伝え続けて8年  まちなかジオツアー実行委の歩みを振り返る㊥  (「地質の日」特集 )
2022年05月12日
264 お悔やみ情報
  
2022年05月11日
265 広域で受け入れ体制強化
 那智勝浦町が加入  (スポーツ合宿誘致推進協 )

 田辺市や白浜町、串本町など1市5町、和歌山県でつくる「南紀エリアスポーツ合宿誘致推進協議会」にこのほど、新たに那智勝浦町が加入した。印南町も同じく加入し、本年度から8市町となった同協議会は、県外からのスポーツ合宿誘致をさらに強化していく構えだ。

 同協議会は、2013年に設立。15年に和歌山県で開催された「紀の国わかやま国体」を契機に整備・改修されたスポーツ施設などを有効活用するため、スポーツ合宿や大会などを広域的に誘致していくことを目的に発足した。串本町は17年度に加入した。

 那智勝浦町と印南町の加入は、先月26日に田辺市の西牟婁振興局で開かれた同協議会総会で承認されたもの。那智勝浦町は昨年度からオブザーバーとして同協議会に参加していた。

 なお、同協議会によると、18年度には6市町で8万6627人を受け入れたが、19年度には猛威を振るい始めた新型コロナウイルス感染症の影響で合宿のキャンセルが相次ぎ、受け入れは7万7388人に。20年度には2万8648人にまで落ち込みを見せた。昨年度は5万2346人のキャンセルが生じたが、5万4334人を受け入れている。

 国体時にレスリング競技の会場となり、受け入れ体制が整っていることからレスリングの合宿誘致に力を入れていくという那智勝浦町。同協議会は加入自治体が増えることで誘致に向けた連携がより強化され、また取りこぼしをできる限り少なくするといった体制が構築できるとし「受け入れられる競技が増えるとバリエーションに強みが出る。(那智勝浦町は)これまでのエリアと離れているため、東海圏からの受け入れにも力を入れていきたい」と展望を語る。

 那智勝浦町観光企画課では「加入により、協議会の持っているノウハウを借り、レスリングや卓球の合宿などの誘致はもとより、これまであまり利用されていない文化系の団体の誘致にもつながっていけば」と話している。

(2022年5月11日付紙面より)

国体開催時にレスリング競技などの会場となった那智勝浦町の体育文化会館
2022年05月11日
266 2回目後も重篤な反応見られず
 小児ワクチン、副反応報告  (新宮市医師会 )

 新宮市医師会(米良孝志会長)はこのほど、新型コロナウイルス小児ワクチンを接種した5~11歳の年齢層における、2回目接種後の副反応集計結果を公表した。1回目接種後同様、重篤な副反応は確認されなかった。

 市医師会では、独自に接種者の保護者に副反応記録用紙を配布。その記録を基に同年齢層の副反応調査を行っている。

 調査は新宮会場(4月3日)と那智勝浦会場(10日)、個別(16日)で接種を受けた267人を対象に実施。このたびの公表は4月22日までに到着した分の集計結果となっている。

 集計の結果、重篤な反応はなかったが1回目に「息苦しい」「気持ちが悪かった」「基礎疾患関連症状」などの症状が見られた3人のうち、2人は2回目は異常がなかった。また、2回目に症状が見られた2人については、1回目は異常はなかった。

 接種当日から7日目までの8日間で、37・5度以上の発熱があった人は、1回目は5人(2・0%)、2回目は10人(7・6%)。うち、2回目で38・0度以上の発熱は3人(2・3%)だった。なお、2回目の最高体温が1回目より0・5度以上高かった人は16人(12・1%)いた。発熱の頻度は高くはなかったが、2回目で体温が高くなる傾向が見られた。

 接種部位の痛み(疼痛=とうつう)の頻度が最も高く、次に接種部位の腫れ(腫脹=しゅちょう)が続いた。2回目の頻度が高かったのは腫脹のみだった。

 全身の反応では、1回目、2回目とも身体のだるさ(倦怠=けんたい=感)の頻度が最も高く、次いで頭痛の頻度が高かった。倦怠感、頭痛の頻度を日別で見ると、1回目、2回目とも接種翌日が高く、いずれも2回目での頻度が高かった。

(2022年5月11日付紙面より)


2022年05月11日
267 会長自ら葉の特徴など紹介
 タイプ木前で観察会開く  (日本クマノザクラの会 )

 日本クマノザクラの会(勝木俊雄会長)が7日、古座川町池野山にあるタイプ木前で葉や実の観察会を開いた。

 昨年2月の発足以降、新型コロナウイルスに伴う活動のしづらさにひるまずオンライン研修などで会員の知識の深化を図っている同会。現地観察会は今年3月に熊野市で花の観察会を開いて以来の実施で、若干数だが一般の参加希望にも応える形とした。

 当日は勝木会長自ら講師を務め、会員や一般など30人が参加。勝木会長はクマノザクラの学名登録をした当事者で、そのためのホロタイプ標本〈花の標本〉を採取したのがタイプ木だと紹介しつつ今時期はどこを見比べたら他のサクラと区別できるかを紹介するとして話を切り出した。

 予備知識として国内の野生種はクマノザクラを含めて11種類あり他に雑種や栽培品種があるとする捉え方を意識付け。以降本題へと入り、葉で区別する場合は短枝を観察するのが良く、鋸歯と蜜腺の2点で同会が準備した複数のサクラの枝葉の実物比較をしてクマノザクラ特有の特徴を確かめるなどした。

 実については▽所有者の許可を得てから採取する▽サクラの種子は雑種が生じやすい―の2点で注意喚起をしつつ、実物を観察した。質問も受け付け、その一端でクマノザクラはヒトが山の木を切ってまきを得ていた時代の環境の中で存続してきたが今はそれがなくなり伸び放題となった高木との生存競争に勝てず将来的に消えゆく状況にあると懸念。個人的には手を入れて森林を若返らせて管理したい、という思いも掲げるなどした。

 その他、観察を終えた苗木の提供や導入を目指している技能検定の原案紹介、入会案内などもして参加者の興味を誘った。勝木会長は今後、各地を巡る形で現地研修を開いて盛り上げたい考え。今回の観察会について「花で区別する人は随分増えたが、花以外でも見分けることができる。まずはそれができることを知ってもらい、クマノザクラをさらに理解する足掛かりにしてもらえれば」と語った。

 同会の取り組みについては公式ホームページを参照。

(2022年5月11日付紙面より)

クマノザクラの葉や実の特徴を解説する勝木俊雄会長(左)=7日、古座川町池野山
2022年05月11日
268 外来種のメリケントキンソウ
 小学校グラウンドに拡大  (那智勝浦町 )

 種子に鋭いとげを持つ外来植物のメリケントキンソウが現在、小学校のグラウンドなどに広がり、教育関係者らの頭を悩ませている。

 メリケントキンソウは南米原産のキク科の一年草で、国内では1930年代に和歌山県で発見された。公園や芝生などの明るい場所を好む。種には2㍉ほどのとげがあり、靴底などに刺さって分布域を拡大。芝生に寝転んだり、こけたりした際に皮膚に刺さってけがをすることがある。

 2008年に県教育委員会の屋外運動場芝生化促進事業でグラウンドを芝生化した那智勝浦町立太田小学校(上地巳奈子校長)では、月1回「芝生の日」を設定して手入れをしてきたが、現在ではほぼ全面にメリケントキンソウが繁殖。8日朝にも児童や保護者、地域住民、小学校教職員、南大居保育所の保育士ら約40人が除去作業を実施するも、取り切れない個体が散見される状態だった。

 町立下里小学校でも10年から児童のけが防止や砂ぼこりの飛散防止策として校庭を芝生化したが、14年ごろから少数の個体が確認され始めた。現在では校庭の周辺部に広がり、柴原寛教頭は「児童の足に刺さったとげを一個一個ピンセットで取ったことも。種ができる5~6月は絶対にはだしでグラウンドに出ないこと、座らないことを呼びかけている」と語る。

 町立宇久井小学校でもメリケントキンソウが確認されている他、町内外から多くの子どもたちが訪れる環境省宇久井ビジターセンターでも近年急速に拡大している。

 メリケントキンソウは非常に繁殖力が強く、ひとたび広がると根絶は困難。全国的に問題視されているものの、子どもたちが集う場所という特性上、除草剤散布が忌避されることも多い。早期発見、および地道な摘み取りによる早期対応が重要となる。

(2022年5月11日付紙面より)

除去作業を行う児童や地域住民ら=8日、那智勝浦町立太田小学校
鋭いとげを持つ種子
2022年05月11日
269 「いのちの停車場」を鑑賞  ひまわりサロンが活動再開  (紀宝町 )
2022年05月11日
270 ふれあい遊びなど楽しむ  うどの幼稚園で保育参観  (紀宝町 )
2022年05月11日
271 パッチワークとおしゃべりが好き  ハンドメイドの会  (趣味日和 ~生活に、彩りを。~ )
2022年05月11日
272 山に生きた「六さん」 中上健次、没後30年 
2022年05月11日
273 ジャスミンが一面に  渡御前社の岩肌覆い香り漂う  (新宮市 )
2022年05月11日
274 快晴の下、楽しく田植え  「太田の郷」の田んぼで  (那智勝浦町 )
2022年05月11日
275 GW中に156人利用  那智山で平安衣装体験  (大門坂茶屋 )
2022年05月11日
276 家族6組が参加し楽しむ  新緑!ファミリーキャンプ  (潮岬青少年の家 )
2022年05月11日
277 津波緊急避難路など確認  本年度第1回防災学習で  (串本古座高校 )
2022年05月11日
278 ジオの恵みを伝え続けて8年  まちなかジオツアー実行委の歩みを振り返る㊤  (「地質の日」特集 )
2022年05月11日
279 お悔やみ情報
  
2022年05月10日
280 3年ぶりのにぎわい
 コロナ制限なしのGW  (熊野三山 )

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う行動制限が、3年ぶりになくなった今年のゴールデンウイーク(GW)。本紙エリア内の各所でも、拡大前をほうふつとさせる人出のにぎわいを見せた。

 熊野三山はいずれも、参拝客でごった返した。熊野那智大社では、3日、4日、5日の順で▽約1700人▽約2000人▽約1600人―が参拝。那智の滝では若干多く▽1802人▽2016人▽1837人―が訪れた。

 神職は「コロナ禍前の2018年と比較すると、1割から2割ほど減少した感じと思う。当然、昨年やおととしと比べたら、相当多かった。3日から5日にかけ、那智山線も渋滞したと聞いている」と語った。

 なお、19年は特別に参拝客が多かったため、比較対象とはしなかった。

 熊野速玉大社では、コロナ禍前ほどではないものの、4月28日から増え始め、3日から5日は相当な忙しさだったという。「3日と4日は特に多く、御朱印がずっと続くような状態だった」と話していた。

 熊野本宮大社も、状況は同様。「3、4、5日は、神門の外まで人があふれ、われわれ神職がずっと、メガホンを持ち整理するような状態が続いた」と言う。

(2022年5月10日付紙面より)

参拝客でにぎわう境内=3日、熊野那智大社
2022年05月10日
281 働く場所の創出を目指して
 「四季彩まるしぇ」始める  (エコ工房四季・株式会社天然 )

 串本町古座にある社会福祉法人つばさ福祉会(北野好美理事長)の就労継続支援B型事業所「エコ工房四季」(平原正雄施設長)が4月30日、国保古座川病院跡地で株式会社天然=和歌山市=(以下天然とする)と連携した出店イベント「四季彩まるしぇ」を始めた。

 天然は古座川町を保養先とする和歌山トヨタ自動車株式会社が地域貢献のために起こしたグループ会社。保養時の地域交流活動を通して接点を得た同事業所は、天然が力を入れるキッチンカー「PANDA」やその仲間を迎え入れる形でこのイベントを計画し、3月の試行を経て実施にこぎ着けたという。

 この日は「PANDA」とその仲間計4台が来場し、客寄せとして8歳以下対象の遊具やテラス席も持ち込み。同事業所や県セルプセンター、会場一帯の出店希望者も軒を連ね、国道42号に面する出入り口にのぼりを掲げて来場を誘った。同事業所の利用者は職員と共に自店運営に加え車両誘導、遊具の適時消毒など会場運営もこなし、来場者の円滑な利用を図った。

 天然の営業責任者・東照之さんによると、同事業所との連携の狙いは利用者や出店者などの働く場所の創出。今回は会場運営を同事業所に委ねて利用者らの勤労としての場慣れと収入を図る筋道つけをし、今後は出店数増強(同カー・屋台・物販・フリマ・農家直売・ハンドメード・ワークショップなど)やゲストステージなども積極的に組み込んでやりがいと収益をいっそう増すよう目指すという。

  □     □

本年度は11月まで週末開場



 このイベントは11月まで、月1~4回の頻度で週末に開場する計画。開場時間は基本午前10時~午後5時で、7月と8月は午後9時まで時間延長する。出店希望(要出店料)は両者を代表しオフィスkokomoが統括していて、メール(officekokomo1@gmail.com)やインスタグラムのメッセージ(@officekokomo)で相談してほしいとしている。

 次回の開場日は5月22日(日)。以降の開場日は▽6月11、12日▽7月23、24日▽8月6、7日▽8月20、21日▽9月3、4日▽9月17、18日▽10月8、9日▽11月5、6日―を予定している。いずれも会場設営が困難な場合は中止するので、あらかじめ了承してほしいという。

 同事業所の地域交流行事「エコまつり」の月例版的な内容となっていて、回を重ねるほど利用者の収入につながる仕組み。平原施設長は「まだ始まったばかりで今回は小規模だが、今後は地元の皆さんにも参加を呼びかけ、より多くの皆さんに来てもらえるよう盛り上げていきたい」と意気込みを語った。

(2022年5月10日付紙面より)

本年度から始まった出店イベント「四季彩まるしぇ」の様子=4月30日、串本町古座
2022年05月10日
282 鍛錬の成果を披露 不二流体術が演武奉納 (熊野那智大社)

 古武術の不二流体術和歌山県支部新宮道場(山本盛夫支部長)は7日、那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)で奉納演武会を開いた。同大社での奉納は4回目で、第三代宗家の大嶋竜太郎さん他、18人が体術や棒術、剣術を披露。足を止めて見物したり、撮影を行う参拝者の姿も多かった。

 不二流体術とは、突き、蹴り、投げなどといった古来から伝わる日本伝統の総合武術で、審判のいないルール不在の中で行われるのが特徴。開祖・古賀不二人師が、合気道開祖・植芝盛平師、親和体道開祖・井上方軒師を源流に、真の合気武術を目指してより実践的に練り上げた。

 二代宗家・田中光四郎師を経て、現宗家の大嶋さんに伝えられた奥義は、講道館出身の柔気流宗家・八木不動師から伝授された柔気流の技を加えて、今や一段と深みを増しているという。

 正式参拝後に行われた奉納演武では、道着やはかま姿の門下生が素手による実践的な演武や短刀、木刀を用いた数々の技を披露した。子どもたちも元気いっぱい鍛錬の成果を発揮し、参拝者からは大きな拍手が送られた。

 奉納後、大嶋さんは「半年に1回、和歌山に来ているが、皆さんの成長が素晴らしいのでうれしい限り。那智大社さまには毎年奉納させていただいているが、尊い場所で演武ができることをありがたく思います。良いご縁が広がっているため、9月には伊勢神宮の外宮でも奉納演武会をさせていただくことになりました」と話した。

 同大社の伊藤士騎(しき)禰宜(ねぎ)は「地域のお子さんたちが神社で演武をご奉納する機会は少ないと思うので、毎年の楽しみや良い思い出にしてもらえたら。大人になり熊野地方を離れた際にも、今日の日を思い出していただきたいです」と語った。

 なお、11月には熊野本宮大社で奉納演武会を実施する予定。

(2022年5月10日付紙面より)

演武を奉納した不二流体術和歌山県支部新宮道場の皆さん=7日、那智勝浦町の熊野那智大社
第三代宗家の大嶋竜太郎さんが演武を披露した
2022年05月10日
283 産卵シーズン前に清掃活動
 紀伊半島の海亀を守る会  (新宮市 )

 ウミガメの保護活動を展開する「紀伊半島の海亀を守る会」(榎本晴光会長、環境ファースト連合会会員)の会員らは8日、アカウミガメの産卵シーズンを前に、新宮市王子ヶ浜のふ化場周辺で清掃活動を実施した。市職員らも活動に参加し、総勢16人で草刈りや溝掃除などに汗を流した。

 同浜は絶滅危惧種・アカウミガメが訪れる世界でも数少ない海岸の一つ。同会は、波浪流失や小動物の捕食被害からアカウミガメの卵を守るための保護活動を行っている。

 アカウミガメの上陸・産卵シーズンは5月中旬から8月半ばごろまで。1回の産卵で平均110~120個の卵を産み、60~80日でふ化する。卵は海岸に隣接するふ化場に移し、ふ化した子ガメは秋ごろ、同会や関係者らの手によって海に戻される。

 なお、昨年は例年より早めとなった5月20日に初上陸と産卵を確認。会員らは同浜の大規模清掃活動などを通してウミガメの上陸に備えたが、以降、上陸が1度あったものの産卵は確認されなかった。初産卵で発見した卵は98個。うちふ化した14匹を放流した。

 早い時期に産卵が見られた場合のふ化率は低く、また海水温の上昇など地球温暖化も影響してか、上陸数が減少しているという。

 今月から、同浜で早朝のウミガメパトロールを開始した榎本会長。「今シーズンは多くのウミガメが上陸してくれたら。今年は新型コロナウイルス感染症の影響などで大々的に行えていなかった放流会も開催したい」と話していた。

(2022年5月10日付紙面より)

会員ら16人が草抜きや溝掃除などに汗を流した=8日、新宮市の王子ヶ浜
浜辺をパトロールする榎本晴光会長ら
2022年05月10日
284 触れ合い通じて夢抱く
 新宮RC旗学童軟式野球大会  
2022年05月10日
285 白い綿のような不思議な虫  ババシロアシマルハバチ  (古座川町 )
2022年05月10日
286 大柳の水田借り稲作に挑戦  明神小児童ら一丸で田植え  (古座川町 )
2022年05月10日
287 来年もまたこの場所で  猿田彦・三宝荒神社で例祭  (新宮市 )
2022年05月10日
288 種まきや昼食楽しみ交流  下里とも子ガーデン  (那智勝浦町 )
2022年05月10日
289 14人の児童が入部  王子ヶ浜少年消防クラブ結成式  (新宮市 )
2022年05月10日
290 矢渕中が男女で県大会へ  学校対抗ソフトテニス大会  (南郡予選 )
2022年05月10日
291 新しいお友達と仲良く  ママサークルでこいのぼり  (紀宝町 )
2022年05月10日
292 「いきいき百歳体操」で元気に  神内の子安サロンで体験  (紀宝町 )
2022年05月10日
293 泥んこになって楽しむ  GW最終日に田植え体験  (紀宝町 )
2022年05月10日
294 お悔やみ情報
  
2022年05月08日
295 少年時代の水彩画寄贈 短冊や関連資料も (佐藤春夫記念館)

 新宮市立佐藤春夫記念館(辻本雄一館長)にこのほど、佐藤春夫が中学校時代に描いた水彩画などの寄贈があった。6日、辻本館長が発表した。

 春夫の新宮中学校の同級生であった故・汐﨑慶三さんが所蔵していたもので、孫の慶宏さんが寄贈した。慶三さんは当地方で教師をしており、旧丹鶴小学校などで校長を務めた他、「和歌山県移民史」の編集にも力を注いだ人物。那智勝浦町下里の「懸泉堂」の縁者であり春夫の親戚筋にも当たる。

 水彩画は、春夫が新宮中学1年生(12歳ごろ)の時の作品で、子どもと犬を中心に、川や山、町並みが円形に縁取られた枠内に収まる構図となっている。少年時代に描いた絵は少なく大変貴重で、同記念館では同作品を含む2点のみが所蔵されている。

 また、慶三さんは「望郷五月歌」「秋刀魚(さんま)の歌」詩碑の除幕式のために当地方に滞在していた1959年当時、宿泊先の湯川楼(那智勝浦町湯川)に春夫を訪ね、持参した中学時代の絵を本人に見せた時に春夫が筆書きした「少年時戯画 春夫」の短冊も所持しており、併せて寄贈された。

 辻本館長は「春夫は二科展に3回入選するほどの腕前。少年時代から絵の才能があったことは間違いない。(寄贈の水彩画は)構図的にも面白い」と感想。

 背景の川には、熊野川の伝統・三反帆(さんだんぼ)が描かれている点に着目し「ヨーロッパの背景のようであるが新宮の町並みをイメージしているのでは。春夫はふるさとをエキゾチックな目線で見ていたのかもしれない」と話していた。

 寄贈品は水彩画の他、春夫が揮毫(きごう)した「行く春のカメラ行脚や那智の瀧」(全集未収録)の短冊や慶三さんに宛てたはがき、書簡など。

 慶三さんが同級生の立場から新宮中学校時代の春夫の様子などを記したエッセーも。チョーク入れに生きたカエルを仕込んで先生を驚かせたり、授業中に目覚まし時計を鳴らしたりしたエピソードがつづられており、生き生きとした少年時代の春夫を今に伝える貴重なものとなっている。

 寄贈品は31日(火)まで同記念館で展示される。

(2022年5月8日付紙面より)

佐藤春夫が少年時代に描いた水彩画などが寄贈された=6日、新宮市立佐藤春夫記念館
春夫揮毫の短冊など
2022年05月08日
296 春の田長谷で自然観察会
 熊野林業が3年ぶりに  (新宮市熊野川町 )

 公益財団法人熊野林業は3日、新宮市熊野川町田長の山林で3年ぶりとなる「自然観察会~春の田長谷・白倉観察会~」を開催した。市内などから20人が参加し、希少なアケボノツツジの群生地やツガやモミの大木が自生する天然林で森林浴を満喫した。

 同財団は所有山林の調査研究および普及啓発事業を通じ、自然環境とバランスを保った森林を形成してゆくため、1992年に発足。非皆伐方式による天然林型複層林施業の生育状況調査などを行うとともに、所有している天然林を「森林自然公園」として一般開放している。

 観察会には熊野自然保護連絡協議会の瀧野秀二会長、南敏行副会長ら植物・昆虫の専門家も同行。参加者たちはウンゼンツツジ(愛称・コメツツジ)などが咲く林道をマイクロバスで移動し、紀伊半島と四国のみに分布する大型のアケボノツツジの群生地を訪れた。

 瀧野会長は「アケボノツツジには福岡県~三重県に分布するアカヤシオや九州のツクシアケボノツツジなどの近縁種がある。いずれもおしべが10本だが、おしべ基部の軟毛の有無で違いがある」と解説。参加者たちはルーペで花を拡大し、違いを観察した。

 森林自然公園では「この木何の木?」のクイズを考えながら遊歩道を一周。紀伊半島や四国の一部にしか自生していないマツ科のトガサワラ(絶滅危惧Ⅱ類)の巨木を見上げ、感嘆の声を上げた。

 友人と参加した三﨑幸子さんは「花だけでなく、その周りの景色も合わさって素晴らしかった。新緑の若葉もきれいで天気も良く、気持ちが良かった」と笑顔で話していた。

(2022年5月8日付紙面より)

森林を歩く参加者たち=3日、新宮市熊野川町
2022年05月08日
297 鯉よ、新宮の空を泳げ!
 近大新宮中・高生徒会  

 新宮市の近畿大学附属新宮高校・中学校の2021年度後期生徒会メンバーは6日、「鯉(こい)よ、新宮の空を泳げ!」と題し、七里御浜鯉のぼりの会から借り受けた6匹のこいのぼりを1号館玄関前に揚げた。

 七里御浜鯉のぼりの会は毎年ゴールデンウイークに、熊野市・七里御浜海岸の獅子岩から鬼ヶ城方面へ約1㌔にわたってこいのぼりを揚げる「泳げ!鯉のぼりくん」を開催している。

 しかし、新型コロナウイルスの国内での再拡大を受け、3年連続の中止を決断。希望のあった学校などへ貸し出しを検討していたところ、同校生徒会が名乗りを上げた。生徒会メンバーは28匹を借り、4月25日~5月6日の晴れた日に校舎各所に揚げた。

 高校生徒会の濱田青葉会長は「コイは生命力が強く、汚れた水の中でも生き抜く強さを持っている。コロナ禍がもう何年も続く中ですが、強くたくましく生きていこうという思いが、地域の方々にも伝われば」。中学校生徒会の𠮷良和子会長は「2日には校舎4階と玄関前の手すりをロープでつないでこいのぼりを揚げ、廊下からの景色が中1の子たちにも好評だった。こいのぼりを見て『授業を頑張ろう』と気持ちが晴れ晴れしたらいいなと思う」と語る。

 この日は役員改選に伴い、後期生徒会最後の活動で、校内生徒らへ感謝を述べる校内放送もあった。

(2022年5月8日付紙面より)

中・高校生徒会メンバーの皆さん=6日、新宮市の近畿大学附属新宮高校・中学校
2022年05月08日
298 絵や花の力作と茶を楽しむ
 感染症対策し第14回展示祭  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町文化協会(後誠介会長)、町民展示祭実行委員会は7日、町体育文化会館で絵画、生け花、呈茶の合同展「第14回町民展示祭」を開催した。来場者は会員の力作やお茶を楽しんだ。最終日の8日は午前9時から午後3時30分まで。

 展示祭は絵画の弁天画会(平内嘉子会長)、生け花の花好きクラブ(牧邦子代表)、茶道表千家流音無会(築紫充代会長)の3団体が成果を発表する場。例年多くの来場者でにぎわっている。今年はウクライナ人道支援の募金箱も設置した。

 会場では▽消毒▽体温計測後、マスクに受付完了シールを貼る▽感染症発覚時の追跡用に入場時間などを記したカードを発行―など新型コロナウイルス感染症対策に取り組んだ。

 弁天画会のテーマは各地域の滝で70点余りの力作を出展。また、前会長の故・坪野一郎さんの絵を喪章とともに展示した。平内会長は「自由に描いた絵もあります。楽しんでいただけたら」。

 花好きクラブは季節の花を生けた作品40点余りを並べた。牧代表は「捨てる予定だった物を花器として使い、自然の花を生けています。最高齢は93歳で、会員一同が楽しんだ作品を見てほしいです」と話した。

 茶道表千家流音無会はテーブルに仕切りを設け、茶わんなどの消毒にも注意。築紫会長は「無事開催できて良かった。おいしいお茶を味わってください」と語った。

 町文化協会の後会長は「作品作りはもちろん、多くの人に見てもらうことは会員の皆さんの生きがいになっている。来場者の方にも楽しんでほしい」。

 会場に訪れた堀順一郎町長は「生き生きとした作品やおいしいお茶をいただくことで毎年、元気を頂いています」と語った。

(2022年5月8日付紙面より)

堀順一郎町長らに作品などを説明する各代表ら=7日、那智勝浦町の体育文化会館
2022年05月08日
299 二階氏が見舞金届ける  ウクライナ大使と面会  
2022年05月08日
300 肉牛のエサ代を圧迫  穀物価格上昇で影響  (尾呂志屋精肉店 )
2022年05月08日
301 ハマヒルガオが満開  ブルービーチに多数咲く  (那智勝浦町 )
2022年05月08日
302 親子でタマネギ収穫  のいちごの会が体験  (那智勝浦町 )
2022年05月08日
303 磯遊びで春の遠足満喫  近隣小中学校が夏山海岸へ  (太地町 )
2022年05月08日
304 梅雨を前にホウ酸団子  さつきサロンが活動再開  
2022年05月08日
305 川村さん、橋爪さんが優勝  グラウンドゴルフ大会  (紀宝町 )
2022年05月08日
306 母乳育児ママを支援  ケア助成回数を3回に  (紀宝町 )
2022年05月08日
307 お悔やみ情報
  
2022年05月07日
308 夢や野球の未来につなぐ
 斎藤佑樹さん迎え選手と触れ合い  (新宮RC )

 新宮市佐野のくろしおスタジアムで3~5日、和歌山県軟式野球連盟東牟婁支部学童部が主催する「第5回新宮ロータリークラブ旗学童軟式野球大会」が開催され、ゲストで訪れた元プロ野球選手の斎藤佑樹さん(33)が競技を通じて選手たちと触れ合った。

 青少年育成事業の一環として、新宮ロータリークラブ(新宮RC、床浦勝昭会長)が2017年の第1回大会から特別協賛の形で協力。子どもたちに夢を持ってもらい、コロナ禍で沈んだ地域社会の活性化を図りたいとの思いから実現した。

 開会式で床浦会長は関係者をはじめ、多くの人たちの応援と協力に感謝し「子どもたちの夢を膨らませ、野球の未来につながればと願っています。選手の皆さん、優勝を目指して頑張ってください」とあいさつ。

 来賓の田岡実千年市長は「国民的スーパースターである斎藤さんを招いての素晴らしい大会。大好きな野球ができることを監督やコーチ、家族に感謝し、力いっぱい頑張ってください」と述べた。

 選手らはチームごとに外野のグラウンドへ集まると、斎藤さんと一緒にランニング。その後、キャッチボールをして楽しく汗を流した。質問コーナーでは子どもたちから「試合で緊張せずに練習の成果を発揮する方法はありますか?」「苦しさや練習で疲れた時、どう乗り越えましたか?」などが挙がり、斎藤さんは丁寧に回答していた。

 蓬莱フレンズの西内壱昂(いっこう)主将(6年)は「テレビ中継などで見ていた有名な人と一緒に過ごせて夢のようで、楽しかったです。斎藤さんの姿を目にして、もっと野球を上手になりたい思いが強くなった」。

 斎藤さんは「熊野地方を訪れたのは初めてですが、選手一人一人が野球を愛しているのだと感じました。自分自身、小学1年生から長い間、野球をさせてもらい幸せな競技生活だった。自分の好きなことを追いかけられるのは素晴らしいことなので、これからも一人でも多くの選手に体験してもらえれば」と話していた。

(2022年5月7日付紙面より)

選手からの質問に答える斎藤佑樹さん(中央)=3日、新宮市佐野のくろしおスタジアム
ランニングなどで楽しく汗を流した
2022年05月07日
309 命日に春夫の遺徳しのぶ 3年ぶりのお供茶式、30人参列 (新宮市)

 新宮市出身の文豪で、望郷詩人とも呼ばれる佐藤春夫(1892~1964年)の命日の6日、市内の佐藤春夫記念館前庭で3年ぶりとなるお供茶式(くちゃしき)が営まれた。関係者や一般約30人が参列し遺徳をしのんだ。

 茶道裏千家淡交会が長年、大社烏集庵(うしゅうあん)や望郷五月歌碑前で営んできた式で、記念館がオープンした翌年の1990(平成2)年から佐藤春夫記念会(舩上光次代表理事)と共に記念館庭園で開いている。

 式には田岡実千年市長、濱口太史県議、榎本鉄也議長をはじめとした市議会議員らも出席。茶道裏千家淡交会南紀支部の西宗友さんがお点前、半東は関宗重さんが務めた。なお、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、お茶の振る舞いは取りやめとした。

 今年は春夫生誕130年の年。田岡市長は「生誕130年に当たり、その功績を改めて顕彰し、その精神、作品を後世に伝えていくことが私たちの使命」。

 淡交会南紀支部や関係者らに感謝を伝え「春夫先生がこよなく愛された『ふるさと新宮』の豊かな自然と伝統を守り、新しい文化の創造と発展に力を尽くしたい」とさらなる協力を呼びかけた。

 辻本雄一・佐藤春夫記念館長は「春夫はかつては谷崎潤一郎、芥川龍之介とともに三者鼎立(ていりつ)などと称されたが、残念ながら春夫だけが欠けているのが今の文学の状況。生誕130年を機に、小学生や中学生にも春夫の作品を気軽に読んでもらえる環境をつくっていかないといけない」とあいさつした。

(2022年5月7日付紙面より)

お茶を供え遺徳をしのんだ=6日、新宮市立佐藤春夫記念館
約30人が出席した
2022年05月07日
310 本年度初は延べ1030人利用
 望楼の芝キャンプ場開場  (串本町 )

 串本町潮岬にある潮岬望楼の芝キャンプ場が4月28日から5月5日まで、本年度最初の開場期間〈有料期間〉を迎えた。ゴールデンウイーク(GW)中の有料開場はおととし、昨年と新型コロナウイルスの情勢で見合わせたため、3年ぶりの実施。潮岬望楼の芝管理運営委員会(田仲康慧会長)によると、期間計で延べ1030人の利用を集めたという。

 本年度から無料期間を設けず、有料期間のみとして開場期間を告知している同キャンプ場。有料期間は既設キャンプ場では収容しきれない数の利用が見込まれる場合に同委員会が実施している管理対応で、環境省の許可に基づき日帰りや車中泊の利用も含め小学生以上1人1泊1000円の清掃協力金を得て望楼の芝の東半分(既存施設も含む)をテント設営場所として提供し、キャンプに伴うごみの引き受けもしている。

 本年度最初となる開場期間の前半は天候不順で2桁台推移と利用が伸び悩んだが、後半は好天に恵まれ利用もいよいよ3桁台へ。ピークの3日は最終的に531泊分の清掃協力金を受け付け、テント設営場所を急きょ拡張したり臨時駐車場を即日交渉で確保したりと受け入れの対応に追われた。

 GW中の有料期間は年間を通してもっとも利用が多い時期。3年ぶりの実施を経て田仲会長は「コロナ禍は続いているが、思っていた以上に大勢の皆さんにご利用いただけた。この先行動制限がさらに緩んで勢いづくのが怖い」など印象を語り、相応の有料期間運営を心がけることに意気込んだ。

  □     □

今後も計6期有料開場予定



 同キャンプ場の今後の開場期間〈有料期間〉は▽7月16~18日▽8月10~15日▽9月16~19日▽9月22~25日▽10月7~10日▽11月2~6日―の計6期を予定(期間中に見込まれる状況により急きょ開場を中止する場合がある)し、いずれも初日は午後4時開場、最終日は午前10時閉場。町と同委員会の最新の申し合わせでGW期間中も含めて初日を1日繰り上げ、初日と最終日を除く中日の午前8時~午後6時(9月以降は午後5時まで)に同キャンプ場専用駐車場そばで清掃協力金の受け付けをする形に変更となっている。

 開場期間外は既存施設を閉鎖し利用できない状況としている。開場中の注意事項などは町公式ホームページの新着情報〈一覧表示〉内にある3月15日付のリンク先を参照。問い合わせは町産業課(電話0735・62・0557、平日午前8時30分~午後5時15分)まで。

(2022年5月7日付紙面より)

利用のピークを迎えた潮岬望楼の芝キャンプ場のテント設営場所=3日、串本町潮岬
2022年05月07日
311 スリルと渓谷美楽しむ
 観光筏下り開航  (北山村 )

 熊野川の支流・北山川で3日、筏(いかだ)に乗り急流のスリルと渓谷美を楽しむ北山村の観光筏下りが始まった。関係者らが神事を執り行った後、マスク姿で救命胴衣を身に着けた観光客らを乗せた第1便が出発。乗客らは水しぶきを受けながら迫力満点の川下りを満喫した。

 筏下りは元筏師や村民の努力で1979年に観光筏下りとして再開し今年で43回目。特産品のかんきつ系果実「じゃばら」とともに村の基幹産業になっている。スギの丸太8本で組んだ床を七つ連結している筏は、全長約30㍍、幅約1・6㍍、重さは7㌧。手すりと席が設けられ、訓練を積んだ筏師たちが櫂で操船する。

 約5・5㌔を約70分かけて下るコースで、水量豊かな北山川の急流と渓谷の大自然、そして筏師の伝統技術を楽しむことができる人気のレジャーだ。例年なら年間約7000人ほどが体験に訪れるが、昨年は新型コロナウイルス感染症の影響で、おととしに引き続き特別便の運航は取りやめに。また、天候不順で約20日が欠航となったため、乗客は4277人にとどまった。

 初日のこの日は午前68人、午後47人の計115人が筏に乗船した。今年も引き続き、定員を減らした上で乗客にマスク着用と検温への協力を呼びかけるなど新型コロナ対策を講じつつ、9月末まで運航する予定だ。

 運航責任者の山本正幸さん(55)は「安全第一に努めて運航したい。サツキやイワチドリも現在見頃を迎えている。昨年に引き続きコロナ対策を徹底している。多くのお客さんに楽しんでもらいたい」と話していた。

 観光筏下りは1日2便。料金は大人6600円、小学生3300円。乗船対象者は10~75歳の健康、健脚な人。筏をゆっくり進めながら景観を楽しむことができる人気の特別便は6月4日(土)に運航予定で大人9900円、小学生6600円(弁当、お茶、おくとろ温泉入浴含む)。予約・問い合わせは北山村観光センター(電話0735・49・2324)まで。なお、コロナ情勢により運航に変更が生じる場合がある。

(2022年5月7日付紙面より)

観光筏下りのシーズンがスタート=3日、北山村
2022年05月07日
312 大屋二六世さんが優勝
 なちかつGGCクラブ大会  
2022年05月07日
313 串本オーシャンズがV
 新宮RC旗学童軟式野球大会  
2022年05月07日
314 ヤマドリゼンマイ立派な姿に  浮島の森のシンボル  (新宮市 )
2022年05月07日
315 三村慈光さんが住職就任  光明宝院で晋山式  (那智勝浦町 )
2022年05月07日
316 季節感味わい健康に  ピーアップシングウでしょうぶ湯  (新宮市 )
2022年05月07日
317 命の重みと向き合う  初の生命のメッセージ展  (新翔高校 )
2022年05月07日
318 英霊258柱の冥福祈る  勝浦護国神社で例祭  (那智勝浦町 )
2022年05月07日
319 見学通じ防災意識高める  いきいきサロン三四朗  (那智勝浦町 )
2022年05月07日
320 今の思いを分かち合う  希望が持てるよう意見交換も  (ワクチン後遺症の上映会 )
2022年05月07日
321 予算編成に向け県に要望  田岡市長らが要望活動  (新宮市 )
2022年05月07日
322 害獣被害対策に本腰  生息数の半減目指す  (和歌山県 )
2022年05月07日
323 タケの花が咲くと不吉の予兆か  古座川町  
2022年05月07日
324 1年生歓迎兼ね親交培う 望楼の芝で春の遠足にぎわう (串本町)
2022年05月07日
325 12人で作品26点を披露  H&R串本で合同作品展  (紀の国押し花会紀南支部 )
2022年05月07日
326 今シーズンの釣果に期待  熊野川に稚アユを放流  
2022年05月07日
327 高学年が田植えを体験  6年生は「すじつけ」に挑戦  (神内小 )
2022年05月07日
328 健やかな成長を願い  成川保で「こいのぼりのつどい」  (紀宝町 )
2022年05月07日
329 お悔やみ情報
  
2022年05月03日
330 平和と民主主義を守ろう
 第93回紀南統一メーデー  (新宮市 )

 紀南地区労働組合協議会(喜田俊生議長)などでつくる「第93回紀南統一メーデー実行委員会」は1日、新宮市福祉センターでメーデー集会を開催。国民主権、平和主義、基本的人権の尊重を徹底する政治の実現を求めるメーデー宣言を承認したほか、雨の中、市内でサイレントアピール行進を実施。世界平和や民主主義の重要性などを広く呼びかけた。

 メーデー(労働者の日)は、労働者が権利を要求するために行進や集会を行い、団結力を示す日として世界各地で実施されている。日本では1920年5月に、第1回メーデーが東京都の上野公園で開かれた。

 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、集会は人数を制限して開催。あいさつに臨んだ喜田議長が、ロシアのウクライナ侵攻などに言及。国際連合の取り決めの中、ロシアの行いはあってはならないことであるとし「多くの人を救うことができるよう、日々努力を重ねていかなければならない」。

 また「日本が良い国であり続けるために、憲法9条の改正はあってはならない」と力を込めた。

 東牟婁労働者福祉協議会と近畿労働金庫新宮支店を代表し、岩崎浩明・同金庫新宮支店長が祝辞。「相互扶助と連帯といった労働者自主福祉運動の原点を大切にし、事業を進めていきたい」などとあいさつした。

 丸山さおり・和歌山県教職員組合東牟婁支部長、新宮市平和委員会の金田真さん、年金者組合の高塚建さん、新日本婦人の会の田中幸子さん、畑野よしひろ・日本共産党南地区委員会副委員長らによるリレートークも行われ、各登壇者が教育や平和、生活などの諸問題について問題提起を行い、課題と認識を共有。同協議会の岸本芳明事務局長がメーデー宣言を読み上げた。

 紀南統一メーデーのスローガンは▽国民のいのちと健康確保へ コロナ対策予算拡充を!▽なくせ貧困と格差▽消費税減税▽軍事費削除、「敵基地攻撃能力」保有反対―の四つ。

(2022年5月3日付紙面より)

雨の中、行進で平和の大切さなどを呼びかけた=1日、新宮市
2022年05月03日
331 命の大切さ伝えたい
 イオン新宮店で「生命のメッセージ展」  (紀南交通事故被害者の会 )

 新宮市橋本のイオン新宮店イベントスペースで1日、紀南交通事故被害者の会(中岡貴恵代表)が主催する「生命(いのち)のメッセージ展」があった。会場には遺族が制作した、理不尽に生命を奪われた犠牲者を型取りメッセージを託した30人分の「メッセンジャー」を展示。買い物客らは足を止めてメッセンジャーを見つめ、命の大切さを再認識するなどしていた。

 殺人や悪質な交通事故、いじめ、医療過誤、一気飲ませなどの結果、理不尽に人生を断ち切られた犠牲者が主役のアート展。犠牲者一人一人の等身大の人型「メッセンジャー」(硬質発泡材)に遺品の靴、残された遺族がつづったメッセージが添えられているもので、向き合う者に命の重さや尊さを訴える。

 同展は昨年11月、王子公民分館が主催して新宮市内で初めて開催。多くの来場者が訪れた。同店での開催は新宮警察署からの声かけにより実現したもので、同店23周年記念イベントの一連として実施。新宮警察署は同店駐車場でパトカーなどの展示を通して、交通安全や犯罪防止に向けた取り組みを展開した。

 また、イベントスペースでは同展開催時間に合わせて県立新翔高校吹奏楽部による演奏会も実施。「風になりたい」「宝島」「シェリーに口づけ」など5曲を披露。イベントの盛り上がりに花を添えた。

 2018年に最愛の母・中尾叔子さん(享年85)を交通事故で亡くした中岡代表は、市内で再び開催できたことを、関係者らの協力によるものとし、また新翔高校吹奏楽部に対して「心を込めて楽しく演奏する姿で、生きていることの素晴らしさを皆さんに伝えていただいた」と感謝。

 「生きたくても生きられなかった人もいる。生きていることは当たり前ではない。命を大切に、毎日を生きてほしい。事故や犯罪のない社会の実現を願っています」と同展に託した思いを語った。

(2022年5月3日付紙面より)

真剣な表情でメッセンジャーを見つめる買い物客ら=1日、新宮市橋本のイオン新宮店
新翔高校吹奏楽部が演奏を披露
駐車場では新宮警察署によるパトカーなどの展示が行われた
2022年05月03日
332 状況整い受け入れ開始
 ぼたん荘のRVパーク  (古座川町 )

 古座川町月野瀬にある南紀月の瀬温泉ぼたん荘が4月29日、いろり館横で車中泊施設「RVパーク南紀月の瀬温泉ぼたん荘」をオープンした。

 RVパークは、日本RV協会が快適に安心して車中泊ができる場所として規定の滞在環境を満たした運営者からの申請を受けて認定する施設。認定後は公式ホームページによる統括紹介などでニーズにアプローチし、誘客を図る仕組みとなっている。

 同荘はブームが過ぎ利用が停滞していた旧ゲートボール場を整地改修し、13区画分の給電設備を整備。同環境として不足していた炊事場やコインランドリー(3台)を新設しごみの引き取りにも対応する準備をして申請し、認定後の4月28日に公式ホームページでの紹介が始まるなど状況が整ったことを受け、翌日の受け入れ開始へとこぎつけた。

 RVはレクリエーショナル・ビークルの略称で、RVパークは国内でキャンピングカーと通称される車種などをターゲットにした車中泊施設で、同荘は一区画につき3000円〈税込み〉で提供する。当日の利用状況にもよるが、区画数の多さを生かして複数区画の追加利用(2区画目以降は1区画につき1500円〈税込み〉)の相談にも応じるという。詳細は同協会か同荘の公式ホームページを参照。

 県内では4番目となる登録で、区画数は目下県内最大級。飲食は同荘提供のサービス利用となるが、入浴は温泉館が優待利用できるなど敷地内に必要な環境が一通りそろっている点を魅力として自負している。当面は同協会の仕組みに加え、独自広報として近隣の道の駅などへチラシなどの設置や紹介の協力を求めて誘客を図るという。

 同荘を運営する古座川ふるさと振興公社の関口隆男理事長は「当面の課題は認知度の向上で、一番は口コミによる広まりだと思っている。環境は十分と自信を持っているので、後は広まりとともに日々の利用が伸びてくれれば」と話した。

 問い合わせは同荘(電話0735・72・0376)まで。

(2022年5月3日付紙面より)

いろり館横でオープンしたRVパーク南紀月の瀬温泉ぼたん荘=4月30日、古座川町月野瀬

2022年05月03日
333 「感謝の思いを込めて」
 吹奏楽部が定期演奏会  (近大新宮 )

 近畿大学附属新宮高校・中学校の吹奏楽部(廣下亜美部長)は1日、御浜町中央公民館アメニティホールで第11回定期演奏会を開催した。部員ら計46人が部活動に関わる全ての人々へ感謝を込め、演奏を届けた。

 吹奏楽部は創部16年を数え、昨年の第57回和歌山県吹奏楽コンクール高校小編成部門では初の関西大会出場をつかんだ。定期演奏会は毎年3月に開いているが、今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、2カ月延期。会場では検温や手指消毒、席間隔の確保などの対策を取った。

 演奏会には新1年生6人を含む部員37人とOB・OG9人が出演し、行進曲「アルセナール」で開幕。本年度の夏のコンクールで挑戦する「梁塵秘抄(りょうじんひしょう)~熊野古道の幻想~」では、熊野の霧深い山々の風景や行き交う人々の心情を表現した。

 第2部は2グループに分かれ、紅組「BEAUTY AND THE BEAST」、白組「明日があるさ」で演奏対決。 ポップスステージの第3部では「ご長寿番組大メドレー~テレビの名作・ケッサク20曲」などで会場を盛り上げ、卒部式では卒部生4人に花束を手渡した。アンコールでは、おなじみの「Sing Sing Sing」を披露し、観客らが惜しみない拍手を送った。

 廣下部長は「2カ月延期したが、まずは開催できたことがうれしい。部員たちにとっても、いい経験になりました。ありがとうございました」と話していた。

(2022年5月3日付紙面より)

演奏を披露する部員ら=1日、御浜町中央公民館
2022年05月03日
334 笑顔あふれるまちに  堀順一郎氏、選挙を振り返る  (那智勝浦町長選 )
2022年05月03日
335 どんな生き物がいるかな?  下里小学校が天満の磯へ  (那智勝浦町 )
2022年05月03日
336 俳句と山草盆栽展  喫茶きよもんで開催  (那智勝浦町 )
2022年05月03日
337 「一度履いたら手放せない」  布草履作りに4人参加  (新宮市 )
2022年05月03日
338 優秀な自衛官確保を  3人に自衛隊募集相談員を委嘱  (那智勝浦町 )
2022年05月03日
339 「ありがとう、また来てね」  住民らが「にっぽん丸」お見送り  (新宮市 )
2022年05月03日
340 かわいいヤギに餌やり  町内各小学校が春の遠足  (紀宝町 )
2022年05月03日
341 輝く未来をつくろう!  第93回紀南地区メーデー  
2022年05月03日
342 盛り上げ意識し16本掲げる  住崎に水中こいのぼり設置  (串本ダイビング事業組合 )
2022年05月03日
343 コシヒカリの苗を田植え  潤野の水田借り利用者ら  (エコ工房四季 )
2022年05月03日
344 お悔やみ情報
  
2022年05月01日
345 ルールを守り、命を守ろう
 オンラインで交通安全教室  (宇久井小 )

 那智勝浦町立宇久井小学校(芝﨑勝善校長)で4月28日、和歌山県警察本部交通部交通企画課安全教育係(通称・ひまわり)による交通安全教室があった。全校児童178人が、オンラインで交通ルールや安全な自転車の乗り方を学んだ。

 和歌山県警が公表している「令和3年中 和歌山県の交通事故概況」によれば、県内の中学生以下の子どもが関係する事故は死者1人(小学生)、傷者計98人を出している。「令和2年版交通年鑑」を見ると、登下校や買い物、訪問中に事故が起こっており、原因は歩行中の「飛び出し」や自転車乗車中の「前左右安全不確認」が多い。

 教室には、ひまわりの西山俊幸警部補、池田映実巡査部長、北岡萌巡査の他、宇久井駐在所の中井功治巡査部長、同町の交通安全指導員らが協力。前日の雨でグラウンドが使えないことや、新型コロナウイルス感染拡大状況を受け、初めてオンラインで実施した。

 児童は「歩く人は右側。自転車は車の仲間なので左側を走る」という基本的な交通ルールを学習。自転車に乗るときには「ヘルメットをかぶる」ことを約束した。ゴールデンウイーク中に遊びに行くときの不審者対策や、川や海で遊ぶときの注意点も学んだ。

 西山警部補は「横断歩道を渡るときは、右、左、右を見るだけでなく、後ろから曲がってくる車がないかどうかも確認して。命は一つしかない。小学1、2年生は事故に遭いやすいため、特に注意を」と呼びかけていた。

 ゴールデンウイーク中は、日中に子どもたちが遊びに出かけることも増えるため、ドライバーも十分が注意だ。

(2022年5月1日付紙面より)

正しい自転車の乗り方を学ぶ1年生=4月28日、那智勝浦町立宇久井小学校
2022年05月01日
346 行動制限なしの連休始まる
 JR利用者ら、昨年より増加  (熊野地方 )

 大型連休をふるさとや観光地で過ごす人たちの帰省ラッシュが本格化している。今年はコロナ禍で迎える3回目の大型連休。連休初日の4月29日はあいにくの雨となったが、移動や帰省の自粛などの行動制限がない中、JR新宮駅では家族の帰省を車中で待つ人の姿などが見られた。

 同駅職員によると、電車利用者はコロナ以前には回復していないものの、連休開始日周辺の利用者数はおととし、昨年に比べて増加の傾向にあるという。

 西日本高速道路株式会社(NEXCO西日本)などでは、渋滞のピークを4月29日~5月1日、3日(火・祝)~5日(木・祝)と予想。和歌山県警が発表している5月の交通事故発生予報では、1日、2日(月)、3日を当地方の交通事故多発厳重警戒日としており「レジャー中の交通事故に注意を」と呼びかけている。

 連休中前半は全国的に雨が多いが、中盤は東日本や西日本で晴れる所が多く、後半にかけて気温が高くなる見込み。

(2022年5月1日付紙面より)

雨の中、家族の帰省などを待つ車=4月29日、JR新宮駅
2022年05月01日
347 工作しながら興味を高める
 家族でロケットのぼり作り  (潮岬青少年の家 )

 串本町潮岬にある県立潮岬青少年の家(山口和紀所長)の主催事業「家族で作ろう!ロケットのぼり」が4月24日にあり、新宮市や串本町から家族3組が参加し小型ロケット「カイロス」打ち上げ開始への期待を高める一助にした。

 この事業は、子どもたちに創作意欲とともにロケットへの興味を高めてほしいという願いを込めて立案した日帰り型の体験プログラム。感染予防を意識し事前告知を県民の友と公式ホームページのみにとどめて参加を呼びかけた。

 後藤明洋副所長が歓迎のあいさつを述べ、以降は立案したスタッフ・松原孝季さんが小型ロケット発射場「スペースポート紀伊」について現在分かっている状況を伝えて本題の工作指導を進めた。

 ロケットの形になるようテーブル用の透明ビニールクロスを切り出し、出来上がる形をイメージしながら油性フェルトペンで好みのデザインを考えて着色。筒状とよりシンプルなシート状の2種類を仕上げ、最後にひもで棒へつないで手持ちのこいのぼりのような形に仕上げた。また紙コップ2個を使いゴムの力で飛び上がる紙ロケット作りもしたという。

 3年前の秋にスペースポート紀伊の設置が決まって以降、イベント「おもしろらんど春祭り」など機会を捉えて体験企画を実施したりスタッフ手作りのロケットのぼりを掲げたりして地域の盛り上げに力を入れている同家。主催事業としてはロケットの高さをバルーンで体験するプログラム以来で、松原さんは「ロケットの打ち上げを楽しみにするきっかけを託せれば」の一心で、参加した子どもらの創作活動を後押しした。

(2022年5月1日付紙面より)

ロケットのぼりの作り方を紹介する松原孝季さん(左)=4月24日、県立潮岬青少年の家
ロケットのぼりの出来栄えを確かめる参加者
2022年05月01日
348 「マグロのぼり」青空泳ぐ
 熊野那智大社  

 5月5日の「こどもの日」に先立ち、熊野那智大社(男成洋三宮司)境内では、マグロを模したこいのぼり「マグロのぼり」が青空の下、風を受けて元気よく泳いでいる=写真

 「マグロのぼり」は、生マグロの水揚げ日本一を誇る同町のPRにと、南紀くろしお商工会が同大社に奉納したもの。青色と赤色のマグロはそれぞれ約4㍍。大型連休初日はあいにくの雨となったが、30日は天候に恵まれ、風を受けて気持ちよさそうに泳ぐマグロたちの姿が見られた。

 5月8日(日)の午後3時30分まで掲揚される。

(2022年5月1日付紙面より)


2022年05月01日
349 那智大滝の魅力を紹介  名勝指定50周年を祝い企画展  (那智勝浦町 )
2022年05月01日
350 売れ行き回復傾向  こいのぼり・五月人形  (イオン新宮店 )
2022年05月01日
351 復興祈念のシンボルに  新宮RCが名取市にサクラ植樹  
2022年05月01日
352 コロナ収束と安泰を祈願  熊野那智大社で昭和祭  
2022年05月01日
353 本紙エリアで4人受章  令和4年春の叙勲  
2022年05月01日
354 元気なカメ見てね!  GW中、ユーチューブ生配信  (ウミガメ公園 )
2022年05月01日
355 安心して暮らせる町づくりを  地域包括ケア会議委員に委嘱状  (紀宝町 )
2022年05月01日
356 雨の中、地域の発展願う  貴祢谷神社で春の例大祭  (紀宝町 )
2022年05月01日
357 キンカン生産の存続に献身  樫野の青木寛さん筋道つけ  (串本町 )
2022年05月01日
358 バルーンアートやビンゴ  イオン新宮店が開店23周年  (新宮市 )
2022年05月01日
359 お悔やみ情報