下里神社で迎春準備 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の下里神社(山本貞夫宮司)は29日、初詣や歳旦祭に向けた迎春準備を実施した。神社役員や総代ら8人が鳥居のしめ縄の作成や張り替え、のぼりの設置などに取り組んだ。
26日に奉納旗67本を設置し、28日に境内や駐車場を清掃。この日は新型コロナウイルス感染拡大防止に努めながら、総代らはのぼりを4カ所に設置。続いて、サラシで長さ2㍍、直径6㌢のしめ縄や護国神社や本殿用の一回り小さいしめ縄、門松などを協力して作成した。
鳥居や境内の樹齢400年と推定されるクスノキなど、11カ所に真新しいしめ縄を張り替え、門松も設置した。
同神社によると、昨年と同様にコロナ対策として、恒例となったぜんざいやお神酒の振る舞いも取りやめるという。さらに手水(ちょうず)舎には消毒液を置き、参拝の際はマスク着用を呼び掛けている。
山本宮司は「今年もコロナ終息はかなわなかった。しかし、状況は少し落ち着いてきたため、1月1日は2年ぶりに来賓を招待する。来年こそは従来通りの生活に戻っていただければ」と話した。
なお、初詣は1月1日(土・祝)午前0時に山本宮司の太鼓とともに開門。歳旦祭は同日午前9時から同神社本殿で執り行う。
(2021年12月31日付紙面より)
早ければ3月から開始 (新宮市熊野川町 )
新宮市の(一財)熊野川町ふれあい公社(下阪殖保代表理事)は、今年1月に休止したウオータージェット船に代わり、来春から新たに「瀞峡」をめぐる観光船を運航する。現在、海事事務所の航路許可を申請しており、早ければ来年3月中旬ごろから運航を開始する予定だ。
和歌山、三重、奈良の3県にまたがる景勝地「瀞峡」は国の天然記念物。大正時代にプロペラ船が瀞峡~新宮町(現新宮市)間を往来し、昭和40年代にはウオータージェット船が登場。多くの観光客を絶勝の地へと運んだ。
しかし、川に流入する土砂の増加により航路整備が困難になったこと、新型コロナウイルス感染症の影響による観光客の減少、作業員の高齢化などを理由に休止となっていた。
「多くの人にあの景勝を見てもらいたい」と下阪代表理事。川舟下り事業のノウハウを生かして運航開始を決めた。
和歌山県の「『水の国、わかやま。』体験観光事業者スタートアップ補助金」を利用し船頭含む8人が乗れる舟を新たに導入。川舟下りで使用していた11人乗り(船頭含む)の舟も利用する。新宮市熊野川町玉置口を出発し瀞峡までの往復約6㌔のルートを約40分かけて巡るという。
熊野川行政局によると乗船料金は1人3000円程度となる見込み。同町田長の川舟センターから玉置口までの観光客の運送については検討中だという。また、ホームページも現在制作中。予約受け付け準備などを進めているとのことで、下阪代表理事は「瀞峡は大事な景勝地で新宮市にとっても大きな財産。運航開始に向け頑張って準備をしていきたい」と話している。
(2021年12月31日付紙面より)
分団単位で年末警戒開始 (古座川町消防団 )
古座川町消防団(樫原一好団長)の年末警戒が29日夜から始まった。30日深夜までの2日間、町内を警戒巡視して出火に備え、その姿勢を通して町民の火災予防意識を高めることを目指すという。
この警戒は、地域の安全・安心を確保する目的で毎年、分団単位で活動する形で取り組んでいる。平年は四つある分団が七つある詰め所に分散待機し適時分団車両で管内を警戒巡視して出火の早期発見早期対処に努めるが、今年は新型コロナウイルスの情勢を考慮して分散待機をせず午後9時と11時に警戒巡視をする規模縮小の形で臨むとしている。
その活動に対し平年は町長、古座消防署長、串本警察署長が各詰め所を巡って激励を届けているが、今年は分散待機の中止に伴い町役場で出発式を営む手法を計画。団本部と各分団長が出席し、一括して激励を受けた。
西前啓市町長は今年9月に住宅火災で1人が亡くなったことを振り返り、「そういうことが二度とないよう火災予防の啓発をしっかりとしていきたい」と思いを掲げて同団の尽力を期待。串本警察署の泉政勝署長は、警戒巡視は防災に加え防犯でも効果があるとして行動をたたえつつ「住民が安全、安心に新年を迎えられるようもうひと頑張りしてほしい」と求めた。
これら激励を受けて樫原団長は団員に向け「住民が安心して新年を迎えられるようよろしくお願いします」と号令を掛け、分団車両を年末警戒へと送り出した。
(2021年12月31日付紙面より)
くろしお児で児童7人 (新宮市 )
新宮市佐野のくろしお児童館で28日、「お花をいけましょう」があった。同館に登録している小学1~6年生の児童7人が参加。花芸安達流の萱野賛曈(かやの・さんとう)さんから教わり、お正月飾りにふさわしい花を生けた。
この日用意されたのは枝若松、ヒペリカム、ガーベラ、チューリップの四つ。正しいお辞儀の仕方やオアシス(吸水スポンジ)の使い方などを学んだ児童らは、萱野さんの指導の下、バランス良く花を配置。最後に金色の水引で和紙でくるんだ器を飾って完成させた。
萱野さんは子どもたちに対し「今日は皆さん、お利口にきれいに生けてくれました」とあいさつ。慶事や弔事の水引のマナーなどを伝え、生けた花について「減ってきたらお水をあげて」と呼び掛けた。
昨年に引き続いて参加した橋爪健心君。水引を結ぶのが難しかったとしながらも「家の目立つ所に飾りたい」と笑顔で話した。
(2021年12月31日付紙面より)
6日間の休業に入る
官公庁は28日、仕事納めだった。仕事納め式では各首長らが職員たちの一年の労をねぎらい、新年からのさらなる飛躍に期待の言葉を掛けた。ほとんどの官公庁は1月3日(月)まで6日間の休業となっている。
新宮市では市役所別館で仕事納め式が行われ、榎本鉄也市議会議長や職員約50人が出席。田岡実千年市長は「職員一丸となってさまざまな課題に取り組んでくれたおかげで無事に仕事納め式を挙行することができた」と、ワクチン接種をはじめとした職員の新型コロナウイルス対応や市民の協力に対し感謝。
市文化複合施設「丹鶴ホール」オープン、東京大学大学院人文社会系研究科・文学部との連携協定締結などを振り返りつつ「市民一人一人に寄り添い、誰もが元気で心豊かに暮らせるまちづくりのために、来年も皆さんと一緒に頑張っていきたい」とあいさつした。
稗田明総務部長が、市が講じた新型コロナ対策や長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」の運行、岩手県一関市との友好都市締結、市長選、紀伊半島大水害追悼献花など、今年の出来事や主な事業を振り返り紹介。
向井雅男副市長が「一人一人の頑張りで無事今日の日を迎えることができた」と職員らをねぎらい「交通安全や新型コロナ感染対策に気を付けていただきたい。英気を養い元気に新年を迎えて」と呼び掛けた。
(2021年12月30日付紙面より)
消防本部と消防団が年末警戒 (新宮市 )
市民らが安心して新年を迎えることができるようにと、新宮市消防本部(越水薫消防長)と同市消防団(竹内由定団長)は28日から消防年末警戒に当たっている。
火を使用する機会の多い年末の火災予防啓発と警戒を行うことにより地域住民の防火意識の高揚を図ることを目的に、この時季に毎年実施している。市消防本部は市全域、消防団は各分団の担当地区の巡視や防火広報に取り組む。
同日夜にあった市消防本部における出陣式には、旧市内七つの消防団から43人が出席した。
整列した団員らを前に、田岡実千年市長は日頃の活動に対し感謝を述べ「火災が発生しやすい時季の警戒は大変意義深いこと」と激励。
榎本鉄也市議会議長は「市民が健やかに新年を迎えられるよう、警戒にご尽力を」。濱口太史県議は「2年にわたるコロナ禍の中、訓練や活動に苦労があったと思う。体に気を付けて来年もご活躍を」と呼び掛け。
山田守孝・新宮警察署長は「年末年始に当たり警察でも特別警戒を行っている。地域住民や帰省している人たちが平穏にお正月を過ごせるよう、力を合わせて」と協力を求めた。
式後、団員らは消防車両に乗り込み、市長らに見送られる中担当地域へ出発。30日までの3日間、午後8時から11時まで市内を巡視し、地域住民の防火意識の高揚を図る。なお、市内では今年に入って12件の火災が発生している(28日現在)。
那智勝浦町消防団では29、30日の2日間にわたり年末特別警戒を実施する。新型コロナ感染拡大防止のため、町長巡回を中止し、各団3密を避けるため出動人員を減らして取り組む。
(2021年12月30日付紙面より)
池野山出荷組合の関係者 (古座川町 )
古座川町の池野山出荷組合(淡佐口幸男組合長)の関係者約20人が27日、道の駅虫喰岩の美化に取り組んだ。建物周囲の掃除をし、入り口前に門松一対を設置。新年の営業再開に向けた迎春の準備を整えた。
同組合は同駅に地場産品を納める生産者で結成。過去に同駅の運営を担った経緯もあり、その当時からの流れで今年も迎春の準備に取り組んだという。
建物内の準備を現在の運営者・町観光協会に委ね、同組合は建物外の準備を担当した。関係者は役割分担をして未舗装の敷地に生えた雑草を刈り取り、建物についたクモの巣やすすを払って同駅を美化。池野山区内で主に調達した材料を使って高さ約1・5㍍の門松一対を組み、左に白、右に紅のハボタンを添えるなどして縁起良く仕上げた。
同駅の物産販売は29日から来年1月3日(月)まで年末年始休業し、翌4日(火)から営業を再開する。淡佐口組合長は「この組合も高齢者が増えていつまで続けられるか心配だが、今年もこうして多くの皆さんに参加いただけたのはありがたい話」と話し、来年も出荷した地場産品が親しまれることを願った。
今では町内でも見かける機会が少なくなった本格的な門松一対は、15日(土)まで飾っておくという。
(2021年12月30日付紙面より)
レスリング・山口、井筒両選手が表敬訪問 (那智勝浦町 )
16日から19日にかけて駒沢体育館(東京都)で開催された「天皇杯全日本レスリング選手権大会」男子フリースタイル65㌔級で優勝した那智勝浦町出身の山口海輝選手(22)=日本体育大学=と同92㌔級で3位に入賞した井筒勇人選手(22)=拓殖大学=が28日、同町役場を訪れ、堀順一郎町長を表敬訪問した。
65㌔級には11人が参加。2回戦からの出場となった山口選手は、同じ大学の堤泰樹選手に勝ち初戦を突破すると、準決勝で徳力貫太選手(専修大学)に勝利した。決勝戦では自他ともに認めるライバルである安楽龍馬選手(早稲田大学)と対戦。白熱した試合を展開し、ポイント2―0で接戦をものにして見事、大会2連覇を果たした。
12人が出場した92㌔級で井筒選手は、大原和也選手(育英大学レスリング部)、竹内亮亘選手(ALSOK)に快勝。準決勝で同級を制した高谷惣亮選手(ALSOK)に敗れたものの、3位決定戦で山中良一選手(名古屋工業高)にポイント10―0で勝利し、3位に入賞した。井筒選手は同大会を最後に競技からの引退を決め、卒業後は地元に戻ることを決めた。
訪問を受け、堀町長は新型コロナウイルスで暗い話題が多い中、喜ばしいことと述べ、山口選手に「競技ができる環境は整っている。今後も活躍を期待しています」とエール。井筒選手には「いろんな支援をしてもらい、勝浦を盛り上げていただきたい。子どもたちの指導などもしてもらいたい」と話した。
山口選手は「来年は日体大のレスリング授業の助手を務めさせていただく一方、2024年に開催されるパリオリンピックを目指し、頑張っていきたい」。井筒選手は「レスリングを通して多くの方々に人として成長させていただきました。自分の中では完全燃焼したと思っている。これからは大好きな地元に少しでも貢献していければ」と語っていた。
(2021年12月30日付紙面より)
県年金受給者協会グラウンドゴルフ潮岬大会
6年生お別れ試合と卒団式 (串本少年野球連盟 )
8人制サッカー「トルベリーノカップ」
飛鳥神社で報告祭営む (太地町 )
過疎地域活性化推進委員会、太地町赤十字奉仕団(和田千明委員長)、太地町地域連絡協議会(法花真左美会長)は25日、同町の飛鳥神社(髙橋正樹宮司)で、8月末に作成した来年の干支(えと)「寅(とら)」と「クジラ」2枚の大絵馬の奉納報告祭を営んだ。子どもたちや関係者など16人が参列し、絵馬の奉納と設置を祝った。髙橋宮司は「元気な絵馬を神様も喜んでくれている。楽しく作ったことを忘れないでほしい。大人になってもぜひ見に来てください」と呼び掛けた。
大絵馬作りは「地域活性化」「子どもたちの思い出づくり」「郷土愛の育くみ」を目的に昨年から始まった。大絵馬は縦120㌢、横150㌢のヒノキ製。今回も同町在住で日本画家の土長けいさんと共に町内の4歳から12歳までの子どもたち17人が自由な発想で描いた。
この日は森田瑛斗君、雑賀太陽君、垣内優月さん、山門咲紀さん、川﨑柚葉さん、雑賀菜ノ花さん、森栞那(かんな)さん、塩﨑心温(こはる)さんが参加。報告祭では髙橋宮司が祝詞を奏上し、子どもたちや関係者が玉串をささげた。最後は大絵馬の除幕が行われ、子どもたちにクレヨンのお土産が配られた。
町立太地小学校4年の塩﨑さんは「神社を通るときや大人になった際は見に来たい。来年も参加する予定です」と笑顔。
土長さんは「伸び伸び描いたという気持ちと記憶を未来に残し、町に関わったことを大事にしてもらえれば」。法花会長は「素晴らしい絵馬の奉納を機にコロナが終息し、子どもたちが伸び伸びと活動できることを願っています」とそれぞれ語った。
和田委員長は「コロナ禍の中、子どもたちが参加して奉納できてうれしい。大絵馬によって町とつながっていることを忘れないでほしい。人と人の世代間を超えた交流は小さな町にとって大切」と話していた。
なお、2枚の絵馬は報告祭後に同神社と金刀比羅(ことひら)神社にそれぞれ掲げられた。
(2021年12月29日付紙面より)
庵野組が宇久井保に滑り台寄贈 (那智勝浦町 )
那智勝浦町宇久井の株式会社庵野組(庵野了嗣・代表取締役)は27日、町立宇久井保育所(荘司千保所長)に小型の滑り台を寄贈した。
日頃からお世話になっている地元への貢献と新型コロナウイルス感染症の影響により行動が制限される中、子どもたちに少しでも元気に遊んでもらいたいとの思いから贈呈。保育所側に希望を尋ねながら25日に園庭に設置した。
この日は庵野代表取締役と庵野高司・専務取締役、堀順一郎町長、同町役場職員らが出席。庵野専務取締役らが除幕すると、園児たちから「かわいい」と声が上がった。その後、子どもたちはクラスごとに分かれて真新しい滑り台で遊びを満喫した。
堀町長は「地元である宇久井を思って寄贈していただき、本当にありがたい。園児の楽しんでいる姿は、こちらもうれしく思います」。
贈呈を受けた荘司所長は「素晴らしいものを贈っていただき感激しています。大きい子向けの滑り台はあるが、危険な部分もある。ちょうどいいサイズで安全面もしっかりしているので、大切に活用させてもらいます」と感謝した。
庵野専務取締役は「子どもたちの喜んでいる姿が見られてよかったです。宇久井で生まれ育ち、少しでも恩返しがしたかった。コロナ禍でも外で楽しく元気に遊んでもらえれば」と話していた。
(2021年12月29日付紙面より)
消防団の年末警戒始まる (串本町 )
串本町消防団(稲田賢団長)の年末特別警戒が27日夜から始まった。今年も30日(木)未明までの4連夜、分団単位で管内を警戒巡視する計画。初日に消防防災センターで出発式を挙行し、稲田団長らが各分団に思いを託し警戒へと送り出した。
年末の繁忙に加えて冬の寒さに伴う火気使用の頻度増など、火災発生の恐れの高まりを早期発見早期対処の体制発揮やその姿勢を示すことによる地域の火災予防意識の啓発で抑え込む事を目的として同団は毎年、この警戒に取り組んでいる。
平年は各分団が屯所に詰め適時警戒巡視をして出火に備え、その初日に団本部らが各屯所を慰問し激励する形を取っているが、昨年に続いて今年も新型コロナウイルスの情勢を鑑みて詰める状況を控え、定時警戒巡視のみするとしている。
併せて慰問に代わる激励の機会としているのが、同センターにおける出発式。11ある分団が消防車両1台と人員2人を出して参集し、本来であれば慰問する町長と警察署長から激励、団長から訓示を一括して受けた。
交田建二副団長による同式出動人員の報告を経て、田嶋勝正町長は団員の日々尽力に感謝し、管内の火災や地震の発生状況を回顧。帰省などでだんらんが増し寒さで火を使う機会も増える中、各分団が同警戒に臨むことは町民にとって心強いことだとして激励。泉政勝署長は住民が安全安心の中で年末年始を安らかに過ごす上で同警戒は有意義だと位置付け、同団の寒さにひるまぬ奮起を期待した。
稲田団長は寒波到来と空気の乾燥で火災が起こりやすい状況となっている点に着目し、町民が安心して新年を迎えられるよう気を引き締め、同ウイルス感染にも十分注意して同警戒に当たるよう訓示して、各分団車両を警戒巡視へと送り出した。
古座川町消防団は29日(水)と30日の2日間、年末特別警戒に臨むとしている。
(2021年12月29日付紙面より)
新宮市内で27日、「~ガイドと行く~新宮市内観光名所めぐりバスツアー」があった。参加者らは市観光協会登録ガイドの西浦康代さんの案内を受け、市内の世界遺産や観光地を周遊。魅力を再発見する機会とした。
同ツアーは熊野御坊南海バス㈱(佐伯一也社長)と新宮市観光協会(里中陽互会長)の共同企画。参加者らは新宮駅でバスに乗車し、王子ヶ浜や神倉神社、新宮城跡、阿須賀神社などを巡った。
熊野速玉大社では、参加者らに対し西浦さんが「熊野速玉大社の神様は過去を洗い流してくれる神様。熊野三山をお参りするといいことがあるといわれ、昔は多くの人が熊野詣でをした」などと説明。
境内の曼荼羅(まんだら)や各案内板を前に、神武東征神話や上皇(法皇)で熊野を初めて詣でた宇多法皇は山伏の案内で熊野に入ったこと、拝殿の特徴などを紹介し「山、川、海、歴史、神話などがあり、素晴らしい聖地世界を形成している」と伝えた。
福島県より参加した宮本加奈さんは「学生の頃まで新宮にいたが当時は行動範囲も狭く、知らないことがたくさん。福島県には熊野神社や新宮熊野神社があって、改めて熊野ってすごいと実感した」と笑顔。
「親戚がこっちにいることもあって帰省ついでに勉強しようと思っていたらたまたまツアーをやっていた。これもご縁だと思う。歴史や文化を勉強する最高の機会。熊野古道は海外の友達に大人気。勉強していつかこの地方を案内することができたら」と話していた。
同ツアーはガイド付きで参加費2000円(小児は1000円、未就学児は無料)が必要だが、同額の市共通商品券が付いてくる、実質無料の期間限定企画となっている。期間は来年2月13日(日)まで。
問い合わせや申し込みは同社(電話0735・22・5101、午前9時~午後6時)もしくは市観光協会(電話0735・22・2840、午前9時~午後5時)まで。
(2021年12月29日付紙面より)
本州最南端串本町少女バレー大会
那智勝浦町で起工式 (国土交通省など )
那智勝浦町天満の町体育文化会館で25日、一般国道42号串本太地道路の起工式があった。国土交通省や和歌山県、関係・近隣自治体関係者、地元選出国会議員ら約200人が出席。くわ入れや餅つきなどをもって工事の順調な進捗(しんちょく)を願った。
2019年度に全線事業化された紀伊半島一周高速道路(近畿自動車道紀勢線)。串本太地道路(太地IC〈仮称〉~串本IC〈仮称〉)は、18年度に新規事業化した。区間は那智勝浦町八尺鏡野(やたがの)~串本町鬮野川(くじのかわ)の延長18・4㌔で総事業費は900億円。
20年度から用地買収を進めており、用地取得率は面積で39%(今年3月31日現在)。今月中旬に太地IC付近の道路改良工事に着手している。
式典開催に当たり、国交省の村山一弥道路局長が「皆さま方の協力を得ながら早期完成を目指したい」と式辞。仁坂吉伸知事が、関係者や地域住民の協力や自民党の二階俊博衆院議員らの尽力に感謝を伝え「この地域は観光資源も多くいろんなものがそろっている。このインフラを基に私たちのまちづくり、地域づくりを進めていきたい」とあいさつした。
二階議員は「道路を活用して、その次にある観光や産業などさまざまな振興につなげていくことが大事。道路が良くなれば観光地として素晴らしいことは全国の人たちが知っている。将来、地域の子どもや孫から賞賛を浴びることができるように、地域の発展に真剣に取り組んでいきたい」と祝辞。
世耕弘成・自民党参院幹事長は「道路ができることによって地域の皆さんの不安が解消でき、多くの観光客を呼び込むことが可能となる。一日も早く完成できるよう汗をかいていきたい」。
自民党の鶴保庸介参院議員は「二階先生をはじめ多くの方々の努力があった。それをかみしめながら新たなスタートとしたい」とそれぞれ祝いを述べた。
地域住民や地元の子どもたちなどによる応援メッセージが動画で流された他、式典最後には堀順一郎那智勝浦町長の呼び掛けに応じ、出席者全員で万歳三唱。一日も早い開通を祈念した。
台風による越波などにより被災するリスクが高い箇所が多数存在し、南海トラフ巨大地震発生時には津波により約8割が浸水し通行不能となることが予測されている区間の現国道42号。
紀伊半島一周となる幹線道路として救急医療活動の支援と広域周遊観光の支援などを目的とする同道路の開通によって、災害時の交通確保を図る目的もある。また、開通により古座川町役場から新宮市立医療センターへの搬送時間が約12分短縮される見込み。同道路を含む近畿自動車道紀勢線が整備されることにより、紀伊半島の観光地を結ぶ周遊観光ネットワークが形成される。
(2021年12月28日付紙面より)
28日にかけても冬型の気圧配置
強い冬型の気圧配置の影響で、日本列島は27日、北日本から西日本の日本海側を中心に大雪が続いた。熊野地方でも26日から27日にかけて雪が降り、山間部などで雪が積もる所もあった。
和歌山地方気象台によると28日、南部ではおおむね晴れる見込みだが冬型の気圧配置が続く予想。路面の凍結による交通障害などに注意が必要だ。
熊野市紀和町の丸山千枚田では稲刈りが終わり、一休み中の棚田が一面銀世界に早変わり。27日も強い寒気が居座り、早朝には朝焼けに映える雪景色の棚田が広がった。
南国熊野の積雪を撮影しようと、朝早くからカメラマンたちが千枚田を訪れ、雪が積もる棚田をカメラに収めていた。
(2021年12月28日付紙面より)
互盟社がクリスマス奉仕 (古座川町 )
古座川町高池、下部区に拠点を置く青年団体「互盟社」(瀧本功社長)が25日夜、区内や社員の子ども約50人にクリスマスのプレゼントを届けて回った。
同社にゆかりがある子どもの楽しみを後押しするべく青年有志が始めた活動を受け継ぎ、同社をいっそう身近に感じてほしいという思いも乗せて毎年取り組んでいるクリスマス奉仕。
今年は社員9人がサンタクロースやモミの木、トナカイなどの衣装を身に着け、区内の子ども宅と区外社員の子ども宅の二手に分かれて訪問してお菓子やお楽しみのくじが詰まったプレゼント袋を配った。当たりくじは区内にあるもりとよ商店で使える商品券や互盟社賞で、同賞が当たった子どもには年齢相応にお菓子以外のプレゼントを届けるという。
先月の役員改選で新たに着任し、この日の奉仕が初の社長活動となった瀧本社長(42)は「互盟社の存在を地域の子どもたちに知ってもらえたらという思いが一番。大勢の子どもたちに興味を持ってもらい、互盟社と一緒に地元のお祭りに参加してもらえたら」と奉仕に込めた思いを語った。
(2021年12月28日付紙面より)
那智の滝で大しめ縄張り替え (那智勝浦町 )
那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)で27日、世界遺産である那智の滝で恒例の大しめ縄の張り替えがあった。周囲の山や参道が雪化粧した中、日本一の落差133㍍の滝口で神職たち5人が足元に注意を払いながら慎重に新しいしめ縄に取り換えた。
那智の滝は同大社の別宮・飛瀧(ひろう)神社のご神体。張り替え作業は7月14日の例大祭「那智の扇祭り(火祭)」の前と年末の毎年2回行われている。
しめ縄はサラシ製で長さ約26㍍、重さ約4㌔。大社本殿で安全祈願を行い、白装束に烏帽子(えぼし)姿の神職らが表参道約2㌔の
道のりを運んだ。到着後、粉雪が舞う中、滝の流れに足をつけた神職らは声を掛け合いながら無事にしめ縄を設置した。
年2回の張り替えの様子を見物できたことを喜び、写真撮影を行う参拝客らの姿も見られた。また、昨日には境内の大鳥居などのしめ縄も張り替えられた。
男成宮司は「今日はすす払いを行い、しめ縄の張り替えも済み、新年を迎える準備が整った。今年は厳しい社会情勢だった。そういうものが清められ、すがすがしい明るい一年になることを祈っています」と語った。
同大社では新年の新型コロナウイルス対策として▽階段の一方通行化▽検温・アルコール消毒の実施▽石畳にテープを貼って参拝者同士の距離を空ける▽拝殿前をポールで仕切る―などの対策を施すという。
なお、那智の滝は大みそかから元旦にかけて青岸渡寺の三重塔とともにライトアップされる。
(2021年12月28日付紙面より)
紀州勝浦漁協がイセエビ奉納 (熊野那智大社 )
那智勝浦町那智山の熊野那智大社(男成洋三宮司)で24日、紀州勝浦漁業協同組合(片谷匡代表理事組合長)によるイセエビの奉納があった。和歌山県漁業協同組合連合会の額田浩事務局長や同連合会勝浦市場部の𠮷村泰治参与らが参列。地元産イセエビ「南紀黒潮イセエビ」30匹10㌔を神前にささげ、新型コロナウイルス感染症の終息や海上安全、大漁、地域の発展などを祈願した。
額田事務局長によると、今年の漁獲量は不漁だった昨年と同程度で、例年の半分ほどだという。1㌔当たりの価格が当初は下がっていたが、現在は上がりつつあるとした。
額田事務局長は「来年こそはたくさんの海産物が取れ、多くの方々においしく食べていただける良い年になれば」。
男成宮司は「昨今の漁業を取り巻く環境が厳しい中、最近は不漁続きと聞いていた。水揚げも少しずつ戻りつつあるとのことで安心した。神様もお喜びのこととおもいます。漁業者の皆さまの操業の安全、豊漁をお祈りしています」と感謝を述べた。
(2021年12月26日付紙面より)
民児協がクリスマス会 (太地町 )
太地町民生児童委員協議会(東勝人会長)は25日、同町多目的センターで初の「クリスマスおたのしみ会」を開いた。町、町社会福祉協議会(岡本研会長)も協力。感染症対策をする中、児童70人が集まり、さまざまな催しを楽しんだ。
元々、夏休み中の子どもたちが交流する児童健全育成事業の一環として夏祭りを行っていたが、新型コロナウイルスの影響で2年間、中止となっていた。感染状況を考慮し今回、規模縮小する形で開催に至ったという。
この日は3密回避のため、低学年と高学年に分かれて屋内と屋外でゲームを実施。屋外ではサッカーとバスケットボール、鬼ごっこを合わせた「スポーツ鬼ごっこ」を、屋内では射的や輪投げ、スカットボールなどを楽しんだ。
児童は「射的が楽しい」「もっと遊びたい」「スポーツ鬼ごっこが面白い」など笑顔で話していた。景品として菓子なども配られ、委員や職員とも交流を深めていた。
東会長は「2年続けて開催できなかったので、思い出づくりをしてあげたかった。けがには注意して、しっかりと体を動かして楽しく過ごしてほしい」と話した。
(2021年12月26日付紙面より)
1040人の署名を追加提出 (新宮市 )
那智勝浦町在住の小阪三喜子さんと塩﨑いつ子さんは24日、新宮市役所を訪れ、市立医療センター開設者である田岡実千年市長に同医療センター産婦人科の分娩(ぶんべん)継続を要望する1040人分の署名を提出した。今月10日に提出した署名(2415人分)の第2弾として提出。署名人数は計3455人分となった。
常勤医師1人の退職決定に伴い、来年3月1日以降の分娩予約休止を発表している同医療センター。新宮・東牟婁エリアの中核病院として、年間約300件の分娩を行ってきた。
署名は小阪さんと津本芳光さんが呼び掛け人となり実施。「医療センターでの分娩ができなくなると、この地域では安心して出産できないという不安が生まれ、地域の衰退に拍車を掛けることにもなってしまう。安心して子どもを産み、育てることができる環境を守るために、産婦人科の分娩継続を」と求めるもので、1回目の提出後にも署名活動は続けられ、継続中にも署名への協力を申し入れる町民が多くいたという。
署名を受け取った田岡市長は「1040人もの署名を追加でお届けいただいた。改めて産婦人科医師の重要性を感じている。引き続き医師確保に向けて全力で取り組んでいきたい」と述べた。
(2021年12月26日付紙面より)
㈱海邊組の貢献たたえる (新宮市 )
新宮市三輪崎区は24日、三輪崎会館において、6日と22日に三輪崎八幡神社裏の避難所に向かう避難路を整備した同市三輪崎の㈱海邊組(海邊俊行代表取締役)に感謝状を贈呈した。
津波災害における一時避難所として指定されている三輪崎八幡神社裏。同社は地域貢献の一環として6日に未舗装部分の避難路を整備し、車両が通行できるようにした。
続いて、22日は前述箇所に並行した避難路の約50㍍間を整備。階段が破損している部分もあり、安心して避難できるように階段の設置などを人力で行ったという。
屋敷満雄区長から感謝状を受け取った海邊真哉常務取締役は「地域のために貢献できて良かった。われわれは地元業者。恩返しできるように、今後もご協力できる際は協力したいです」と話した。
屋敷区長は「区だけでは限界がある。建設業の方々のお力が必要であり、本当にありがたい。今回の貢献活動は三輪崎区にとって良い起爆剤になると思う」。
今後については行政OBなどのアイデアを参考にしながら、防災の取り組みや地域を盛り上げるために活動していくとし、「ゆくゆくは整備箇所に土を入れて防災倉庫の設置も行う。高速道路の取り付け道路にもアクセスできるようになれば」と語った。
(2021年12月26日付紙面より)
新年を前に煤払い (熊野速玉大社 )
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で24日、恒例の「煤(すす)払い式」が営まれた。上野宮司や神職、同大社敬神婦人会(久保あや子代表)有志16人らが境内のほこりを落とし、迎春準備を進めた。
煤払い式は神事の一つ。麻ひものたすきを巻いた神職が、長さ約5㍍のささ竹で各殿の壁面や屋根にたまったほこりを払い、拭き掃除を行った。婦人会はバケツや雑巾を手に境内各所を水拭きした。
敬神婦人会の中山清己さんは「久保代表の指示の下、毎年させていただいている恒例の掃除。みんなで団結してきれいにしています。新年にすがすがしい気持ちでお参りいただけるよう、心を込めてご奉仕させていただいています」と笑顔で話した。
上野宮司は「敬神婦人会からも多くの皆さんにご奉仕いただいた。心も境内も新たにすがすがしい思い。清掃や点検をもって、新年には気持ちよく参拝者をお迎えしたい」。
新年の初詣については今年同様、幅約8㍍のさい銭箱を準備。拝殿手前に設置し、要所要所に消毒液を設置するなどして新型コロナウイルス感染拡大防止対策を講じる構えであるとし「引き続き混雑時に向けて東門を開門するなど、万全の対策を整えていきたい。参拝される皆さんも安全対策をして新しい年を迎えていただければ」と話していた。
同大社では31日午後4時から大晦日大祓式(おおつごもりのおおはらいしき)、5時から除夜祭・神符遷霊祭(しんぷせんれいさい)を斎行。元日の午前0時、初太鼓開門をもって初詣客を迎える。
(2021年12月25日付紙面より)
歴探スクールで山本殖生さん (新宮市 )
熊野学研究委員会歴史部会・新宮市教育委員会が主催する令和3年度熊野学講座「第36回歴史探訪スクール」が23日、同市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」であった。熊野学研究委員会の山本殖生さんが「西国巡礼第一札所―なぜ那智山か―」をテーマに講話。約60人が聴講した。
新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、約1年半ぶりの開催となった同スクール。開講式を兼ねたこの日は、講演を前に熊野学研究委員会委員長の中瀬古友夫さんがあいさつ。多くの参加に感謝を伝えた。
山本さんは、西国巡礼は本来観音巡礼であったとし、観音信仰の変遷などについて説明。飛鳥時代の観音菩薩(ぼさつ)立像(那智山青岸渡寺)などが那智山から多く出土していることに触れ「古くから観音信仰があったことが分かる」と述べた。
平安時代後期の僧・行尊(ぎょうそん、1055~1135年)の「観音霊所三十三所巡礼記」では一番の長谷寺から始まり、如意輪堂(那智山青岸渡寺)は六番目に記されており、1211(承元5)年の「観音三十三所日記」(高山寺蔵)、鎌倉時代後期の「三十三所観音曼荼羅(まんだら)」(華厳寺蔵)にも同じ行程で記されていると紹介。一方で僧・覚忠(かくちゅう、1118~77年)の「三十三所巡礼記」には、「一番紀伊国那智山」と記されていると話した。
山本さんは、熊野は天台修験寺門派(三井寺)の修行道場であったことや、白河上皇の熊野御幸先達を務めた当時三井寺長吏であった増誉(1032~1116年)が最初の熊野三山検校に任じられ、聖護院を建立し絶大な権威を誇ったこと、そして院政期の熊野詣での盛行などを背景に、那智山青岸渡寺が第1番札所となったと説明した。
現在のルートや「西国」の呼称に至る経緯、巡礼歌(御詠歌)、巡礼札などの歴史についても言及。「西国巡礼は修験者の修行として始まったものが民衆化していったと結論付けられるのでは」と話した。
次回の歴史探訪スクールは同所で来年1月20日(木)午後2時から。中瀬古さんが「目で見る新宮・熊野の近代史7―明治22年の大水害と本宮大社―」をテーマに講演する。
(2021年12月25日付紙面より)
出身者の河田征夫さん (串本町 )
串本町出身の郷土史家・河田征夫さんがこのほど、串本町に図書や古文書など郷土史料の寄贈を申し出た。数は約1000点となる見込みで、同町図書館(池田三明館長)が所蔵元となり整理活用する方向で受け入れ作業を進めている。
町教育委員会教育課によると、河田さんは現在沖縄県に在住。町内にいた頃から串本やその近隣の史料収集を続けてきたが、自身も70代に差し掛かり収集した史料がこのまま失われるのが忍びないので町で保管してほしいとの思いで、初秋ごろに寄贈を申し出たという。
受け入れの作業中だが、図書は約650点、古文書などは数え方にもよるがざっくりと300点ほどあり、寛政年間の万覚帖や安政年間の漁舟水上帖など近世から刊行誌「熊野誌」や著書「大逆事件と大石誠之助」など近現代まで時代も地域も幅広く託されているという。
内容もさまざまで、池田館長は捕鯨も含め水産関係が多いが観光や偉人伝や文芸などもあり、確かな評価は専門家に判断してもらうが貴重と捉えざるを得ない史料や当時の社会情勢がうかがえる史料も相当数含まれていると印象を語る。
受け入れ作業は大詰めの段階で、今後は一度展示の機会を設けて寄贈の周知を図りその様子を河田さんに伝えて感謝した後に「河田文庫」の呼称を受け継いで町民が極力活用できる保管を始めるという。古文書類は朽ちたり焼損したりで触れがたい状態のものも複数あり、池田館長は串本古座高校の中根文庫のようにデジタルアーカイブとして残す方策も探っていきたいとしている。
21日現在で展示のめどはついておらず、池田館長は「来年中にはこぎ着けたい」と話している。
(2021年12月25日付紙面より)
宇久井の浜で清掃活動 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の宇久井地区(中路進総区長)と町、町建設業組合(上地秀和理事長)、和歌山県、新宮地方建設業協同組合(海邊俊行理事長)は23日、同町宇久井の海岸(千尋ヶ浜)周辺で官民一体の清掃活動に取り組んだ。約100人が参加し、漂着した流木などのごみを集めて撤去した。
清掃活動は元々、同地区が景観美化を目的に毎年実施してきたもの。度重なる台風などで多くの流木やごみが漂着し、区単独では困難となったため、町を通して、管理者の県に要望。その後、両組合に協力を呼び掛け毎年、実施されている。
今年は台風が少なく、例年より流木やごみも少なかったため、人力での撤去が主となった。参加者は協力しながら、ごみなどを町指定のごみ袋に詰めていった。
また、逆側(新宮市佐野寄り)の同浜では区役員ら10人が集まり、朝から木のように成長した草などを重機や道具を使って撤去作業に汗を流していた。
参加した堀順一郎町長は「今は海水浴場ではないが、海岸がきれいになることは、皆さまの環境への意識も高まる。多くの方々のご協力がありがたい」。
海邊理事長は「県からの要請を受けて、皆さんで取り組ませていただいている。きれいになって良かった」と話していた。
中路総区長は「宇久井の入り口なのできれいにしたい。日々、浜をきれいにしてくれている区民の方もいらっしゃる。汚れていることに気付いた際はご協力いただけましたらありがたいです」と語った。
(2021年12月25日付紙面より)
現場鑑識競技会で1位に (新宮警察署 )
新宮警察署(山田守孝署長)生活安全刑事課生活安全捜査係の永谷美波巡査(22)と地域課大橋交番勤務の川口淑翔(しお)巡査(21)の2人が、先月26日に和歌山市の鑑識科学センターなどで開かれた第25回和歌山県警察現場鑑識競技会で1位の快挙を果たした。
犯罪現場における鑑識技術向上のほか、優秀な鑑識員の発掘を目指し開催されている競技会。今回は車上狙いがテーマに定められ、乗用車の助手席ガラスが割られ、車内の現金が入った財布が盗まれたという想定で競技が行われた。
県内14署28人が参加。2人一組となり制限時間内で車に付着した指紋を採取したり、被害者役の立会人から状況を聞いたりしながら犯人に結び付く資料を作成。鑑識技術を競い合った。
適切な鑑識捜査ができているか、立会人にちゃんと説明ができているか、資料が的確に採取できているかなどが総合的に審査され順位が決定。なお、14署中女性ペアは新宮署のみであったという。
結果を受け、永谷巡査は「現場で実践を通して学んできた。やり切ったという気持ちはあった。『1位だったらいいな』ぐらいに思っていたけど、結果を聞いてとてもうれしい」。
川口巡査は「競技会は現場とはまた違う緊張感があった。結果がどうであれベストを尽くした。全力を尽くして1位だったことがうれしい」と笑顔。
今後の鑑識活動に対する自信向上につながったと口をそろえ「自分の経験として残った。現場でも犯人につながるような資料を作ることを心掛けたい」(永谷巡査)、「積極的に専門的な鑑識も実施していけたら」(川口巡査)と目を輝かせていた。
(2021年12月24日付紙面より)
修学旅行で児童が平和学ぶ (熊野速玉大社 )
熊野速玉大社のご神木で平和の象徴として知られる梛(なぎ)の木。梛、そして熊野とゆかりのある香川県善通寺市の市立筆岡小学校(佐藤宏一校長)の6年生28人が21日、修学旅行で新宮市の熊野速玉大社を訪れ、上野顯宮司から梛に込めた世界平和への思いを聞いた。
筆岡小学校区内には、紀伊熊野を意味する木熊野(きくまの)神社があり、熊野速玉大社から梛が移植されたことから「梛の宮」と呼ばれている。児童たちは「ふるさと学習」として、熊野速玉大社との関係性を調べ、その集大成として訪れた。
熊野速玉大社では祝詞奏上の後、2人の巫女(みこ)が世界遺産登録記念御神楽の「神なぎの舞」を奉奏。佐藤校長が玉串を奉奠(ほうてん)した。
上野宮司は、2012年6月に沖縄県で開催した「沖縄県本土復帰四十周年記念式典」に梛が深く関わっていたことを紹介。50年前、善通寺市の植木職人、山地義一さんが梛の木の苗500本を種から育て、本土復帰の記念として沖縄県内の各学校へ植樹する計画を立てた。
その後の足跡をたどるため、1991年ごろから沖縄に足を運び、2010年にようやく農林高校の校庭で発見したという上野宮司。痛々しい木が戦火にまみれた沖縄と重なり、校庭での式典挙行を決意し、平和への願いを梛の木に託した。
開催前年には紀伊半島大水害が発生し、「災害は人の力であらがうことができず、受け入れるしかない。戦争や犯罪、いじめなど人の手でつくられた悲しみは人の手でなくさないといけない」と説いた。
「迷ったときは自然を見渡して大きく深呼吸し、人は自然の一部と気付いてほしい」と伝え、本土復帰50周年の前年に訪問してくれたことに感謝。「山地さんや多くの人が思いをつなげた素晴らしさを感じ『できた人』になってほしい」と呼び掛けた。
(2021年12月24日付紙面より)
紀南高生らのPR映像を投影 (ウミガメ公園 )
紀宝町井田の道の駅「紀宝町ウミガメ公園」で22日、紀南高校、松阪商業高校、皇學館大学の生徒・学生が作成したプロジェクションマッピングの上映が始まった。同公園物産館に投影するイベントで来年1月3日(月)まで、午後5時から6時30分まで開催する。小雨決行。
昨年に続く取り組み。初日は物産館で点灯式があり、紀南高校の高橋幸暉君(3年)が「東紀州についてもっと知ってもらいたく、授業で精いっぱい作りました。ご家族や知り合いにぜひ、ウミガメ公園のプロジェクションマッピングを紹介してください」とあいさつした。
活動に協力した同公園の石本慶紀さん、紀勢国道事務所熊野維持出張所の阪井宣行所長、同校の森典英校長もそれぞれ、開催への感謝を伝えた。
式終了後、建物正面に映像を投影した。約20分のうち、紀南高校のプロジェクションマッピングは約7分。11月上旬から1カ月かけて作成し、ウミガメや紀州犬などを紹介した。
生徒たちは「みんなで協力し合って一つの作品ができた」「来てくれた皆さんに分かりやすいよう心掛けた」などと話し「ぜひ、ウミガメ公園に来てください」と呼び掛けている。
(2021年12月24日付紙面より)
ピーアップシングウでゆず湯 (新宮市 )
冬至となる22日、新宮市蜂伏の温泉利用型健康増進施設ピーアップシングウ(岡野俊平施設長)にゆず湯が登場した。爽やかな香りがプール内に広がり、利用者やスイミングスクールを終えた子どもたちが季節のお風呂を満喫した。
ユズの精油成分には血行を促進させる働きがあり、風呂に入れると体を芯から温める。疲れや痛み、冷え性の他、皮に含まれるクエン酸やビタミンCには美肌効果もある。
冬至とゆず湯の関係性は不明だが、ユズがこの時季に旬を迎えることや「冬至」に「湯治(とうじ)」が掛けられており、「ユズ」だけに「融通が利くように」という願いが込められているという説がある。
ピーアップシングウでは毎月、季節の草花などを楽しむ温泉を用意している。
宇井彩人君(9)は「いい匂いがして、いつもとは違う感覚で新鮮だった。ポカポカして気持ち良かったです」と笑顔を見せていた。
(2021年12月24日付紙面より)
グラウンドゴルフ交流大会 (太地町教育委員会 )
全国中学選抜レスリング選手権 (新宮ジュニアレスリングクラブ )
「銀河」最終運行へ (JR西日本 )
長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」紀南コースが22日、最終運行日を迎えた。本紙エリアの各停車駅や沿線では多くの人が見送りに訪れ、手旗を振りながら「また来てね」と声を響かせた。
観光を中心とした西日本エリアの活性化のためにJR西日本が運行する同列車。当地域では7月16日に紀南コースの運行を開始し、新型コロナウイルス感染対策のため乗客を半数としつつも約半年で京都―新宮間を41回往復(台風の影響で1回運休)。乗客数は延べ約3000人で、約7割が下り終点であるJR新宮駅で下車したという。
ラストラン始発駅のJR新宮駅では、乗客に記念として特産品が贈られ、田岡実千年市長や市民、関係者、「きいちゃん」、「めはりさん」らに見送られながら正午を知らせる「鳩ぽっぽ」が流れる中、同駅を出発。
乗客らは、その他の停車駅でも各自治体の首長や地域住民らの歓迎、地元特産品の振る舞いなどのおもてなしを受けた。
同列車受入協議会長の田岡市長は「半年近くにわたり多くの人を新宮・熊野にお運びいただき、地域の素晴らしさを体感いただいたことに心より感謝。JR西日本に列車の再運行を求める要望も実施している。来年も引き続き銀河で多くの人にお越しいただけることを期待している」。
JR西日本の金岡裕之・和歌山支社長は「多くの方にご利用いただき、改めて紀南地域の魅力を発信できたと思っている。今後も継続して運行できるよう努力していきたい」と述べ、地域住民や関係者、利用者らに対する感謝を示した。
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各駅ほか沿線では「おもてなしウェーブ」も行われ、地域住民や関係者らが通過する列車に向かって手を振った。
「999人とあなたの『WEST EXPRESS 銀河』おもてなしウェーブ」と題されたこの企画は「和歌山大学きのくに線活性化プロジェクト」、JR西日本和歌山支社、受入協議会の共催。ウェーブの様子は和歌山大学生が撮影。映像はホームページや会員制交流サイト(SNS)で公開するなど、おもてなしPRに使用されるという。
(2021年12月23日付紙面より)
潮岬灯台で参観時間延長 (串本町 )
串本町潮岬にある潮岬灯台で18日、「夕暮参観」(参観時間延長)が始まった。今後は25日(土)、26日(日)も実施するとし、荒天により中止する場合は公益社団法人燈光会の公式ホームページで告知するという。
この参観は、潮岬灯台の参観事業(灯台内部を含む敷地内の公開)を担う同会潮岬支所(阿部千穂支所長)が計画。通常は午後4時30分までの参観時間を1時間延長して夕景(実施日は午後4時52分~56分に日没)を楽しんでもらう内容となっている。
阿部支所長(50)によると10月~2月の参観時間終了が午後4時から4時30分に変わって以降、終了して灯台の扉を閉める時に眺める夕焼けの美しさに気づき参観の機会が作れないかを考えた。日没後も楽しんでもらえるようにとイルミネーションを準備し、同灯台を保守管理する田辺海上保安部も手伝い灯台や敷地、周辺の木々に飾り付けて実施へこぎ着けたという。
前半の18日と19日は雲や風があったが、その分夕闇の深まりが早く訪れイルミネーションで飾られた灯台一帯の光景が長く親しめた。参観者も断続的に訪れ、阿部支所長は今後さらに美しい夕焼けが見られる事を願って当初は実施予定としていた26日も実施日に加える事を決めた。
19日の実施に立ち会った同会の鈴木陽子さんによると、参観事業をしている16の灯台のうち潮岬灯台と御前埼灯台が初の「夕暮参観」を計画していて、御前埼灯台は25日に実施するという。阿部支所長は「今後も続けて、この時季のものとして浸透させていきたい」と意気込みを語った。
参観事業の一環となるため、利用時は協力金(中学生以上1人300円)が必要。問い合わせは燈光会潮岬支所(電話0735・62・0141)まで。
(2021年12月23日付紙面より)
県CSマイスターミニ座談会 (新宮市 )
和歌山県教育委員会は17日、新宮市丹鶴の旧チャップマン邸で「令和3年度県CS(コミュニティスクール)マイスターミニ座談会」を開いた。学校運営協議会や共育コミュニティ関係者ら18人(うちオンライン4人)が参加し、紀の川市社会教育指導員で県CSマイスターの岡本公博さんの講話に耳を傾けた。
県CSマイスターと学校・家庭・地域など、各教育分野の参加者が互いに学び合い、交流を深めることにより、きのくにコミュニティ・スクールのさらなる推進の輪を広げることを目的に実施。
県は▽「この地域で育ってよかった」と思える子ども▽地域社会を支えようとする意欲あふれる子ども▽ふるさとに愛着を持てる子ども▽ふるさとの未来を託せる子ども―を目指す子ども像としており、2008年に「きのくに共育コミュニティ」(国では学校支援地域本部事業)、17年に「きのくにコミュニティスクール」(同、コミュニティ・スクール)を開始した。
この日は「共育コミュニティは宝の山! ~すべての子供が輝くCSをめざして~」をテーマに開催。岡本さんは共育コミュニティの経緯や取り組み、学校と地域の連携によるさまざまな効果などについて講話した。
岡本さんは、少子高齢化やグローバル化、情報化の中で子どもを取り巻く環境が大きく変化し、また地域における教育力の低下や家庭の孤立化が見られる中、学校を核とした地域づくりが重要と主張。
地域が学校を支援する「共育コミュニティ」に対し、CSは地域の課題を解決することを目的に、学校と地域住民、保護者らが力を合わせて学校の運営に取り組むための仕組みと紹介した。
学校として「学校と地域をつなぐ地域コーディネーターを紹介する場を設け、コーディネーターが活動しやすい雰囲気をつくる」「学校経営方針を地域の人々に知らせる機会を捉える」「地域に開かれた学校づくり」「地域コーディネーターや学校支援ボランティアに対する感謝の気持ちを表す」などに取り組むべきであるとした。
「保護者や地域住民が学校の諸活動に参加している学校の方が学力が高い傾向にある」とし、学校と地域の連携により「不登校の児童数が減った」「児童の問題行動が減った」「校内の環境整備が進んだ」などの効果があり、また取り組みを通して子ども・大人ともに意識に変化が見られると説明。共育コミュニティ、CSは地方創生の実現や、地域の未来を担う子どもたちの育成に向けた手段であるとし「子どもが新宮市で育って良かった、新宮市に住み続けたいと思える地域をつくることが目標」と述べた。
講演後、参加者らは「コミスクの困りごと&私の町の宝もの」をテーマにグループ交流。岡本さんを交え、協働の大切さを再確認した。
(2021年12月23日付紙面より)
商工会青年部がイルミ設置 (那智勝浦町 )
南紀くろしお商工会青年部(由谷恭兵部長)は17日から来年1月8日(土)までの間、那智勝浦町のブルービーチ那智(熊野体験博跡地)で初となる「NACHIKATSUブルービーチイルミネーション」を開催している。夜のビーチ周辺を無数の美しい光が照らし、来場者の目を楽しませている。点灯時間は午後5時から10時まで。
催しはコロナ禍の影響で町内のイベントの多くが中止になっていることを受け、落ち込んだ地域のにぎわいを取り戻すとともに、地域住民に楽しんでもらうことが目的。
今年10月から企画・協議し、12日から数日間かけて、部員やOBら約20人で設置。初事業のため、試行錯誤を重ねながらのスタートとなった。初日の17日には強風で、イルミネーションが転倒するアクシデントにも見舞われたという。
会場内にはスマートフォンスタンドが設置された撮影スポットや、光のトンネル、クリスマスツリー型のイルミネーションなどが設置されており、同部によると、同町の海と山をイメージしているという。21日夜も多くの家族連れなどが喜ぶ姿が見られた。
南沙余親睦委員長は「コロナ禍で子どもたちも我慢する時期が続いた。少しでも楽しい空間になってもらえたら。これからも継続していきたい」。
由谷部長は「青年部でもクリスマスにサンタのイベントを実施していたが、もっと多くの人に楽しんでもらえる方法を模索して今回に至った。今後は少しずつ電球の数も増やしていく予定。多くの方々に見に来ていただけたら幸いです」と話していた。
(2021年12月23日付紙面より)
太地町立くじらの博物館(林克紀館長)で21日、大掃除が行われた。参加した職員はセミクジラ実物大模型などのほこりを落とすとともに、海洋水族館(マリナリュウム)の潜水掃除などにも取り組み、新年を迎える準備を整えた。
大掃除の公開は5年ぶり。数年前から本館大ホールで実施されていた企画展や工事などの関係から公開されていなかった。今回は展示が汚れないようにシートを掛けるなどして清掃した。
実物から型取りし造られたという全国的にも珍しい全長15・2㍍のセミクジラの模型。職員は模型に上ってモップで汚れをふき、周辺通路から長い柄付きのはたきでほこりを落とした。その他の骨格標本や室内の清掃にも汗を流した。
人気の水族館は、大水槽の漏水や復旧工事のため、約半年間、動物の展示が行われていなかったという。今月5日に工事が終了。
その後、アルビノのバンドウイルカ、カズハゴンドウなど、4種7頭を搬入し展示を再開した。この日はイルカたちが優雅に泳ぐ中、ダイバーが大水槽に潜って内側から磨き掃除をした。
学芸員の中江環さんは「2年間、コロナ禍で暗い年だった。来年は良い年になるように職員一同、頑張りたい」。
稲森大樹副館長は「本館も水族館もきれいになったので安心して楽しんでいただけたら」と語った。
同館は年末、年始も休まずに営業しており、年始にはさまざまなイベントも計画しているという。
(2021年12月22日付紙面より)
学生ら駅周辺を清掃 (那智勝浦町 )
和歌山大学の学生自主プロジェクト「きのくに線活性化プロジェクト」は18日、景観改善やJRきのくに線の魅力発信などを目的に那智勝浦町湯川のJR湯川駅の海側周辺の草刈りや清掃に取り組んだ。学生やJR西日本の各社員、土地を所有する協栄機械土地株式会社、同町職員など約20人が作業に汗を流した。
和歌山県の地域をつなぐJRきのくに線を通じて、県の地域活性化を目指す同大の学生らで組織される自主プロジェクト。旅行者向けの情報発信なども行っている。
「海の見える駅」を観光資源として来訪者に景色を楽しんでもらうために、景観を損ねている生い茂った木や草を整備すべく今年5月に同駅で初実施。今回で2回目。
同町出身でプロジェクトメンバーの宮井凜晴(りんせい)さん(観光学部2年)は「この活動がきのくに線沿線のPRにもつながる。異なる所属での交流の場にもなってほしい」とあいさつした。
各参加者は協力して、草刈り機やチェーンソーなどを用いて、生い茂った草木や竹に似たダンチクなどを伐採し清掃にも取り組んだ。一同は作業や昼食休憩を通して、交流を深めていた。
JR西日本和歌山営業部の上段貴司部長は「JRとしても地域の皆さまと共に周辺清掃に取り組めることは重要であり、ありがたい。また、『WEST EXPRESS 銀河』のラストランを学生や地域の方々と盛り上げていきたい。一連の活動は次につながる良い効果を生み出すと思います」と話した。
同プロジェクトの代表を務める岸本瑞生(みずき)さん(観光学部2年)は「景観を維持し、沿線の魅力を発信したい。観光客だけでなく、地元の皆さまにも楽しんでいただき、交流してもらいたい」。
今後については「ラストランを迎える銀河のおもてなしイベントにもつなげるために今日は頑張りたい。今後も活動を継続し、皆さまと共同し取り組んでいきたい」と話した。
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運行最終日の22日(水)にはJR新宮、紀伊勝浦、太地、古座、串本、周参見の各駅でお出迎えや、振る舞いが実施される。
また、新宮市の王子ヶ浜、同町のブルービーチ那智バス停付近、湯川海水浴場付近、玉之浦海水浴場、紀伊田原駅、串本町の古座川(右岸・鉄橋の海側)、見老津漁港において、通過する銀河に手を振っておもてなしを行う「999人とあなたの『WEST EXPRESS 銀河』おもてなしウェーブ」が行われる。
(2021年12月22日付紙面より)
文化センターで一般公演 (串本古座高校演劇部 )
県立串本古座高校演劇部(谷口克朗顧問、青木心優嘉部長、部員9人)が19日、串本町文化センターで創作作品「桜の花の咲くころに」の一般公演に臨み観客約80人が鑑賞した。
この作品は青木部長が考えた筋書きを原作にし同部一丸で磨き上げて仕上げた劇で、夢などの思いを持って東京へ出た18歳4人の上京と出会いから1年後までの成長を描き出す内容。10月実施の県高校総合文化祭演劇部門(以下県大会とする)で最優秀賞に選ばれ、県代表として11月実施の近畿高校総合文化祭演劇部門(以下近畿大会とする)に出演して優秀賞の評価を得た。
県大会以降、原作の流れを保ちつつ小道具の充実やせりふの間の取り方、暗転を減らすなど講評いただいた点を重点的に改善して近畿大会に臨んだという。
この挑戦の間に同校文化祭内でも上演したが、生徒教職員限定実施だったため、一般公演は今回が最初で最後。青木部長は「この作品の公演も今回が最後になる。一番いい舞台にしたい」と一般講演に込める思いを語り、約60分の上演に臨んだ。
終演後はキャスト4人が改めて舞台へ上がり鑑賞に感謝。同センター1階ロビーに感想ボードを設けて意見をもらいながら観客を送り出し、公演を締めくくった。
□ □
創作作品「桜の花の咲くころに」のキャストとスタッフは次の皆さん。
■キャスト
青木心優嘉 森 風香
田中歩実 廣瀬みりか
■スタッフ
久保文乃 船井早来
坂井美優 浦木利菜
海野 藍
谷口克朗〈顧問〉
(2021年12月22日付紙面より)
市内21団体が多彩なステージ (新宮市 )
丹鶴ホールプロモーションチーム「ICOLE(いこれ)」(文化複合施設自主事業実行委員会、髙由香委員長)は19日、新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」で自主事業「こんにちは。丹鶴ホール! みんなでいこれ~」を開催した。市内で活動する21団体が真新しいステージで和太鼓や書道、カラオケ、舞踊などを披露し、大勢の来場者を楽しませた。
「ICOLE」は市の公募により立ち上がった市民主体の組織。市民自らの手でイベントを企画・運営し、同施設の基本理念の一つである「一人ひとりがまちづくりの担い手」の実現を目指す。今回のイベントは貸し館事業のPRを含め、施設に親しみ、楽しく利用してもらうためのきっかけづくりにと開催した。
開演に当たり、速水盛康教育長が「ようやくこの丹鶴ホールで、皆さまの力でイベントを開催することができた。手作りならではの、バラエティーに富んだ内容となっている。感染予防のため拍手や手拍子を送って、今日という日を楽しんでください」とあいさつ。
県立みくまの支援学校の生徒や社会人からなる和太鼓サークル「はやぶさ」による太鼓演奏で開幕し、新宮観光協会登録ガイドによる熊野曼荼羅(まんだら)絵解きや松原恵苑書院による「新宮の宝」をテーマにした書など、新宮らしさあふれるステージが繰り広げられた。
熊野市から友人5人と訪れた90代女性は「23年フラダンスをしており、先生が出演されると聞いて見に来た。前のホールで踊ったこともあるが、近代的で木のぬくもりが感じられるホールになったと思う。己書(おのれしょ)など初めて見るステージもあって面白かった」と話していた。
(2021年12月22日付紙面より)
たまたまトルベリーノカップ
硬式野球体験練習会 (南紀ボーイズ )
横田南嶺老師講話に800人 (新宮市 )
新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」で18日夜、同施設開館記念講演があった。同市出身の臨済宗円覚寺派管長・横田南嶺(なんれい)老師が「ほほえみの種をまこう」を題目に講話。約800人が聴講した。
横田老師は1964年同市船町生まれ。旧丹鶴小学校、緑丘中学校、新宮高校卒業。87年に筑波大学卒業後、建仁寺僧堂、円覚寺僧堂で修行。円覚寺足立大進老師に嗣法した。2010年、臨済宗円覚寺派管長、17年に花園大学総長に就任。13年には旧市民会館で、紀伊半島大水害(11年)追悼講演会「生きねばならぬ」を行っている。
講話に先立ち、10年前の大水害の犠牲者に追悼の意を込めて手を合わせた横田老師。熊本県出身の詩人・坂村真民(しんみん)の詩の一節「念ずれば花開く」を紹介し「真民は、女手一つで5人の子どもを育てた母が、口癖のようにつぶやいていた言葉を世に広めるために詩を作った。海の深さを測ることはできるが愛の深さを測ることはできない」と話した。
「かつての日本人は、身内を大切にするように他人にも慈悲の心を示していたのでは」と述べ、1890年に日本を訪れた小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)が「日本の面影」で「日本人のように、幸せに生きていくための秘訣(ひけつ)を十分に心得ている人々は他の国にはいない」と記していると紹介。
串本沖で起こったエルトゥールル号遭難事故(1890年)の際、不眠不休でオスマン・トルコ帝国の生存者救助などに当たった日本人と、イラン・イラク戦争の際にイランに残された日本人救援のためにトルコ政府が救援機を派遣し、日本に対して恩返しを果たしたエピソード(1985年)にも触れた。
横田老師は「お釈迦(しゃか)様が説いたように、本来私たちはお互いのことを思いやる気持ちを備えている。しかしつらいことが続くと愚痴を言ったりしてしまう」。
「そんな中においても人の幸せを願い、人のために努力をしている人が観音様。観音様の心を持った人は身近にいる。それに気付く眼(まなこ)を持つことが大事」と説いた。
人のためにできることは数多くあるが、最も簡単でいつでも誰でもできることは「ほほ笑み」であるとし「ほほ笑むと免疫も上がる。磨くほど効果が大きい。ほほ笑むことは人間が最後の時までできることの一つでは」。
佐藤春夫が作詞した旧丹鶴小学校校歌の一節「心あかるく すこやかに ま心の人 たらんかな」を引用し「身近な人に対してできるだけの愛情を注ぎ、どんなときもほほ笑む努力をしたら『あのまちに行ってみたい』と思う人が増えると確信している。未来を開いていくのは私たち一人一人のほほ笑みでは」と講演を締めくくった。
(2021年12月21日付紙面より)
下里小と市野々小が傍聴 (那智勝浦町 )
那智勝浦町立下里小学校(泉一代校長)と市野々小学校(中西健校長)は15日、那智勝浦町役場議場を訪れ、一般質問を傍聴した。両校の児童は議員の質問や町当局の答弁を見学し、生の議会に触れた。
この日は午前に下里小の6年生児童14人が、午後に市野々小の5、6年生児童12人が社会科学習の一環で訪れた。堀順一郎町長と荒尾典男議長が児童にあいさつし、「議場の様子をしっかりと見学していってください」と歓迎した。
両校の児童はそれぞれの地元選出となる城本和男議員と中岩和子議員の一般質問を傍聴した。両議員は冒頭で議員や当局の役割、議会の意味などを説明した。
児童は真剣な表情で議論に耳を傾け、メモを取っていた。
(2021年12月21日付紙面より)
「銀河」見送りに400人 (JR西日本 )
長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」の22日(水)の運行終了に先立ち、新宮市徐福のJR新宮駅構内で19日、最終運行直前お見送りイベントが催された。子ども連れの家族やカメラを手にした鉄道愛好家ら約400人が、同駅を出発する列車に手旗を振り「またね」「ありがとう」などと声を掛けた。
観光を中心とした西日本エリアの活性化のためにJR西日本が運行する同列車。当地域では7月16日に紀南コースの運行を開始し、約半年にわたり京都―新宮間を往復。多くの観光客を当地方に運んだ。
この日のお見送りイベントでは、参加する子どもたちにはお菓子の詰め合わせをプレゼント。市ツイッターキャラクターめはりさんと一緒に、京都駅に向けて出発する列車を見送った。
同列車のラストランは22日正午新宮発。なお、同列車受入協議会(会長=田岡実千年新宮市長)は先月22日、JR西日本に対し同列車の再運行を求める要望書を提出している。
(2021年12月21日付紙面より)
買い物支援バス活動継続 (七川ふるさとづくり協議会 )
古座川町の七川ふるさとづくり協議会(下山隆正会長)が18日、平井地区の住民7人の希望を受けて買い物支援バスを運行した。
この運行は、2018~20年度に展開した過疎対策事業の中で試行を重ねてきた取り組みの発展形。同協議会は山間部にある七川地区で切実な課題となっている買い物の不便緩和策として、同事業が終了し自立運営が求められる中でも続ける方向で方策を模索している。
七川地区区長会が運用する送迎車両「福祉号」を活用し、一定人数(最大9人)の希望者を集めて荷物運搬車両分も含めて運行収支のバランスを取り継続する、というのが現在の考え方だそう。利用は有償で、その枠で今月中に4回の実施が決まり順次運行する状況となっている。
この日は平井地区の住民7人が平井簡易郵便局前で買い物支援バスと合流。▽コメリハード&グリーン南紀店▽オークワ串本店▽AコープVASEO店―を巡り、7人によるとこの機会に花苗や農薬、衣類や化粧品など地区内では得難いものを選り好みして買い出したという。
下山会長によると、地区内では移動販売2事業者が巡回しているが人口減で経営維持が年々厳しさを増しているそう。農協店舗も近々閉所となる予定で、この先移動販売が限界に達したときに移動手段を持たない住民の生活が成り立たなくなる状況を恐れてこのバスの継続に力を入れている。
同協議会の思いに呼応して、同区長会が同バス運行時に運転手の日当を出すことを最近になって決断したという。下山会長はその分で利用者1人当たりの有償負担の緩和(燃料代を分割負担)を見据え、次はさらに希望しやすい運行計画を組みたいと意気込みを語った。
本年度は今月中のみの運行で、今後は25日(土)と26日(日)に運行する予定という。
(2021年12月21日付紙面より)
田辺市本宮町の熊野本宮大社旧社地・大斎原(おおゆのはら)で18日、九鬼家隆宮司による恒例の一文字揮毫(きごう)があった。白装束に荒縄のたすき姿で力強く「今」と書いた九鬼宮司は「『今』を大切に1年を過ごすことができれば」と祈念した。
新年への願いを込め九鬼宮司が書き始めて14年目。来年は1889(明治22)年に熊野地方を襲った水害(十津川大水害)で旧社地にあった多くの社殿が流出したため、水害を逃れた四社を現在の場所に遷座してから130年を迎える。
正遷座130年を前に、今年は流出した中四社、下四社をまつる石祠(せきし)を前に揮毫。九鬼宮司は「光り輝く青空のような1年に」との思いがこもった青みがかった縦横約3㍍の布を前に精神統一。長さ1・3㍍の大筆で一気に書き上げた。
「令和四年壬寅(みずのえとら)」「正遷座百参拾年」と記し朱印を押して書を仕上げると、見守った関係者や参拝者らから大きな拍手が起こった。
「今」という文字について「どこかで書き納めたいとの思いはずっとあった。この瞬間の皆さんの笑顔や姿も焼き付けておきたい」と九鬼宮司。
「2年にわたる新型コロナウイルス感染症や変異株に対する苦しみの中で新たな年を迎える。365日、いろいろな思いで過ごす中で、『今』という一瞬を大事に過ごしていくことが大事」と述べ「『今』があるから未来に歩んでいける。多くの人と共に『今』を大切に過ごすことができれば」と新年の抱負を語った。書は年内中に社務所前に掲げる。
令和4年初詣では、3密回避のため、同大社鳥居周辺に縁起物テントや古札スペース、案内スペースなどを確保。境内は一方通行とし、手水(ちょうず)、御朱印所、授与所テント、おみくじテントなどを配する。大斎原でも縁起物授与テントが配置される。
(2021年12月19日付紙面より)
新翔高で中谷剛さん講話 (新宮ユネスコ協会 )
新宮市の県立新翔高校(藤田勝範校長)で17日、新宮ユネスコ協会の中谷剛さんによる講話「ユネスコについて~平和・世界遺産・アウシュビッツ・熊野古道~」があった。1年生111人が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の理念や活動、平和の大切さについて学び、作文に取り組んだ。
「産業社会と人間」の一環で、毎年実施している。同協会は2012年に和歌山県内で7番目に設立。文化講演会や世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の保全活動、平和の鐘、平和の集いといった平和への取り組みを行い、地域に根差した活動を続けている。
中谷さんはユネスコについて、世界で約5000万人の死者を出したといわれる第2次世界大戦後、「教育・科学・文化の普及によって、平和を維持する」という目的の下で設立されたと説明。
「人類共通の宝」である世界遺産について、戦争や差別によって生まれた「負の遺産」であるアウシュビッツ強制収容所(ポーランド)を取り上げて写真で紹介。「身近にある世界遺産『紀伊山地の霊場と参詣道』を実際に歩いて、その素晴らしさや平和の大切さを考える機会としてほしい」と呼び掛けた。
音無摩迦(まか)君は「無理矢理連れてこられた大勢の人々が殺されてしまったアウシュビッツの話が印象に残った。作文では負の遺産をテーマにしたい」と話していた。
(2021年12月19日付紙面より)
守る会と清水峠を歩き学ぶ (那智勝浦町 )
那智勝浦町立下里小学校(泉一代校長)の4年生19人は16日、「なちかつ古道を守る会」(地庵晋司会長)の協力の下、世界遺産熊野古道「清水峠」を歩き、道普請(みちぶしん)を行った。児童は歴史を学び自然に触れるとともに、清水峠入り口付近のぬかるんだ道に石を置くなどして整備に汗を流した。
同校によると、今回の古道歩きと道普請は社会科の「のこしたいもの、つたえたいもの」の一環で地域の歴史や文化、生活を学ぶことが目的だという。今回で2回目。
児童は同会の太田耕二さんから会の活動や世界遺産、熊野古道などを事前に学んでおり、この日は身近にある世界遺産を自分の足で歩いて体感するために実施された。
JR紀伊浦神駅に集合した児童は同会が準備していた石をリュックに詰め、出発。太田さんやメンバーの案内の下、元気いっぱいに古道を歩いた。道中、太田さんが「浦神港は昔、台風の際などに古座の方から船を避難させる避難港だった」「浦神を通る国道の辺りは昔、海だった」「浦神は真珠の養殖が盛んだった」と地域の歴史なども解説した。
清水峠の入り口付近に到着後は持参した石を丁寧に敷き、道普請に取り組んだ。その後、同町と串本町の町境をしるす道標や古道沿いの巨岩を見学。ゴールの串本町側の清水峠入り口まで歩いた。
児童は「勉強になった」「道普請は楽しい」「景色がきれい」と笑顔で道普請や熊野古道を楽しんでいた。
地庵会長は「道を直す意識付けや道中、センリョウとマンリョウの区別など植物についても学んでもらえた。初めて歩いた熊野古道を、今度は子どもたち自身が保護者の皆さまに道案内して一緒に歩いていただけたら幸いです」と語った。
(2021年12月19日付紙面より)
那智勝浦町総体ソフトバレー
近畿・全国スポ少剣道交流大会 (三輪崎剣道クラブ )
全国小学生タグラグビー和歌山県大会
緊急災害応急対策業務協定を締結 (近畿地方整備局 )
紀伊山系砂防事務所(山本悟司所長)は16日、那智勝浦町市野々の大規模土砂災害対策技術センター(県土砂災害啓発センター)で、(一社)県建設業協会紀南建設業協同組合(泉巌理事長)、(一社)県建設業協会新宮地方建設業協同組合(海邊俊行理事長)、(一社)県測量設計業協会(鈴木啓司会長)とそれぞれ「紀伊山系砂防事務所緊急災害応急対策業務協定」を締結。協定書に調印し、災害時のさらなる連携強化を誓った。
2011年の紀伊半島大水害から10年。国土交通省近畿地方整備局は、那智川で同時多発的に発生した土石流による甚大な被害を受け、大規模斜面崩壊や河道閉塞箇所の決壊による二次災害の恐れのある箇所に対し、緊急的に砂防事業を実施し安全を確保することを目的に12年4月、「紀伊山地砂防事務所」を設置した。
17年より近畿地方整備局は「紀伊山系直轄砂防事業」に新規着手。それに伴い、紀伊山地砂防事務所は廃止。紀伊山系直轄砂防事業と木津川水系直轄砂防事業を担当する「紀伊山系砂防事務所」が新たに設置された。
このたびの協定は、地震・津波・風水害などの異常な自然現象および予期できない災害などが発生した際、同事務所が管理している施設などに発生した災害の緊急的な応急対策調査や対策への協力を求めるもので、締結により一層の災害対応への迅速化が期待される。
協定締結に当たり山本所長は、いつ発生するか予測できない災害や震災に対して危機感を示しつつ「より一層緊密に連携し、地域の住民の安全を守るために災害への備えをしっかりしていきたい」とあいさつ。
鈴木会長は「私たちにとって10年前の水害は忘れることができない。県を守るという強い思いを持って力を合わせて迅速に協力することを約束したい」。海邊理事長は「10年前の大水害時には組合業者らが協力し合った。そのノウハウや経験がある。皆さんと連携しながら進めていきたい」。
泉理事長は「微力ではあるが連絡を密に取り、皆さんの命と財産を守るために迅速に対応させていただきたい」とそれぞれ思いを語った。
(2021年12月18日付紙面より)
海中公園と共催で特別展 (南紀熊野ジオパークセンター )
串本町潮岬にある南紀熊野ジオパークセンターで14日、特別パネル展「ウミガメから海洋環境を考えよう」が始まった。
このパネル展は、串本海中公園センターと施設間連携を図る中から持ち上がった共催企画。同センターからテーマに関係する解説パネル9枚を借り、1階に並べている。
同パネルの内容は▽ウミガメの起源と系統▽絶滅の危機が迫るウミガメ類▽アカウミガメの大回遊▽串本海中公園でのウミガメの繁殖▽繁殖ウミガメの野生復帰への取り組み▽アーケロンについて▽アーケロンのいた時代▽アーケロンとアンモナイトの関係など▽アーケロンと同じ時代を生きた日本のウミガメ・メソダーモケリス。
この展示を担当する南紀熊野ジオパークセンターの本郷宙軌研究員は、砂浜を産卵場所とするウミガメの話題を通して身近な海洋環境を保全する重要性を伝える支援ができればとコメント。常駐する南紀熊野ジオパークガイドの会の会員も見せ方に協力し、丸石でカメをかたどり飾る趣向を交えるなどして来館者の特別パネル展鑑賞を促している。
実施期間は26日(日)まで。同センターは入館無料で、午前9時~午後5時に随時鑑賞できる。問い合わせは南紀熊野ジオパークセンター(電話0735・67・7100)まで。
(2021年12月18日付紙面より)
紀州舞踊隊がソーラン踊り (紀宝町 )
紀州舞踊隊(きしゅうおどりたい)(廣畑勝也代表)は12日夜、紀宝町大里のふるさと資料館で開催中の「光の祭典in紀宝」の会場でソーラン踊りを披露した。光り輝くイルミネーションをバックに6曲を踊り、来場者も手拍子で盛り上げるなど一緒に楽しんだ。
世代間、地域間交流を目指し、25年ほど前に誕生した紀州舞踊隊。現在は、熊野市~新宮市間の5歳から70代まで約30人が所属し、週に1回、練習に励んでいる。
これまで、老人福祉施設への慰問やキラフェス、紀宝みなとフェスティバル、新宮秋まつりなどで踊ってきたが、新型コロナウイルスの影響で約2年間、発表の場がなく、活動の休止、再開を繰り返してきた。
1カ月前にようやく練習を再開し、今回は「みんな元気に踊ってますよ」とのメッセージを発信しようと企画。メンバーは「海彩わっしょい」「ヨッチョレ」「ハレヤ節」「南中ソーラン」などを華麗に舞い、アンコールにも応えた。
毎週水曜日午後7時30分から、紀宝町神内福祉センターで練習しており、廣畑代表は「随時、メンバーを募集しています。興味のある方は見学にお越しください」と呼び掛けている。
(2021年12月18日付紙面より)
ドローン技術活用の実証実験 (那智勝浦町 )
那智勝浦町市野々にある国土交通省近畿地方整備局大規模土砂災害対策技術センター(県立土砂災害啓発センター内)は15日、ドローン(UAV)全自動飛行による内の川の砂防施設点検および、2011年の紀伊半島大水害で土石流が起きた渓流崩壊地調査の実証実験を行った。砂防事業では日本初の取り組みとなる。
今回の実証実験は、ドローン導入による砂防施設点検の効率化・省力化はもちろんのこと、渓流の危険箇所監視を完全自動化するモデルケースとして、得られた知見を全国に生かす目的がある。
那智川流域で建設が進む砂防施設(えん堤)では、施設の摩耗やひび割れの定期点検に加え、出水後には人力でえん堤内の堆積土砂や上流部の調査を行っている。しかし、土砂流出などの異常が発生した後に渓流に近づくには危険が伴い、災害現場の迅速な状況把握が困難を極めるため、ドローン技術活用が模索されてきた。
今回の実験で使用した機体は㈱センシンロボティクス製の90㌢四方、高さ35㌢、重さ8・5㌔の産業用ドローン。飛行時間は25分で、速度は毎秒18㍍。
実験では、ドローンが目視外の無人地帯を補助者なしで自律的に飛行する「レベル3飛行」に挑戦。屋外に設置したドローン基地からボタン操作一つでドローンが飛び立ち、あらかじめ設定したルートに従って地上149㍍を飛行した。実験は計3回行われ、基地から約800㍍離れた渓流上部や砂防施設の動画および写真を記録した。
得られた映像や写真を解析することで、渓流部の3Dモデルを制作でき、堆積土砂の体積や流木の高さまで正確に把握できる。その他、サーモカメラを搭載して撮影すれば、えん堤からの異常漏水なども検出できる。また、現在は得られた情報を基に人の目で点検をして異常を検出しなければならないが、将来的には異常の検出を自動で行うソフト開発も視野に入れているという。
この日は全ての実験が成功。同センターの小杉恵調査課長は「法整備や電源確保、機体制御電波の状況など、まだまだクリアしなければならない課題がある。ドローン技術は日々進んでおり、さまざまな情報をキャッチしながら、一歩一歩実用化に近づいていければ」と話していた。
(2021年12月17日付紙面より)
民生委員児童委員が要望書提出 (新宮市 )
新宮市民生委員児童委員協議会(村上和弥会長)の代表ら5人は15日、新宮市役所を訪れ、田岡実千年市長に市立医療センター産婦人科や小児科の医療体制充実などを訴える要望書を提出した。
同センター産婦人科では、常勤医師2人のうち1人の退職が決定したことに伴い「後任の医師が確定していない状況下では、安心・安全な医療の提供ができない」との理由から、来年3月以降の分娩(ぶんべん)予約休止を発表している。
同協議会の要望書では、日頃より児童問題にも取り組んでいる傍ら、今回の発表は到底見過ごすことができない大きな問題とし「早急に産科医の確保を行い、分娩休止にならない体制を実行する」よう求めた。
村上会長は「市民をはじめ、多くの方から何とかしてほしいとの声が上がっている。少子化がいわれている中で、ぜひ実現していただきたい」。
要望書を受け取った田岡市長は「市民の安心、安全の根底は医療。医療センターで安心して分娩ができるよう、全力で取り組んでいきたい」と述べていた。
(2021年12月17日付紙面より)
串本町など情報提供を求む
串本町で小笠原諸島域の海底火山由来とみられる軽石の漂流・漂着が確認された。町産業課は県と情報共有を図りながら漁協などを通して目撃情報の提供を呼び掛け、状況の注視を始めている。
南紀熊野ジオパークセンターの福村成哉研究員は先週末に漂流を察知し、最寄りの上浦海岸に軽石が漂着しているのを見つけてサンプルを採取。別途沖縄県で採取されたサンプルを取り寄せて比較し、似ていると判断して直ちに分析に出したという。打ち上がっている量は他の地域の状況と比べてごく少ない印象で、海流・黒潮の流れから外れた一部が同海岸へ漂着したと推察している。
町産業課農林水産グループによると現時点で直接的な対応の考えはないが、情報提供を呼び掛け状況の把握を進めている。東牟婁振興局農林水産振興課も状況の推移を注視していて、16日正午時点で被害など影響の報告は入っていないという。
(2021年12月17日付紙面より)
JR新宮駅へ絵馬授与 (熊野速玉大社 )
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)は15日、JR新宮駅(坂本純一駅長)に来年のえと「壬寅(みずのえとら)」の絵馬を授与した。
絵馬はヒノキ製で、大きさは縦70㌢、横110㌢。上野宮司がアクリル絵の具などを使い、瑞光を背景に梛(なぎ)の御幣をくわえて鋭い眼光で前方を見据える雄虎を描いた。
この日、手渡した上野潤権宮司は「祈りは人間だけのものではなく、自然も地球の一部。改めて自然を大切にし、明るい年になってほしいという思いが込められています。駅で働く皆さんの安全とご健勝はもちろん、お客さまを明るくおもてなししていただきたい」。
絵馬を受け取った坂本駅長は「ありがたい絵馬を頂き本当に光栄です。世界中の方々が新型コロナウイルスで大変な思いをしている中、みんなで乗り越えていこうという思いを感じている。新宮地域を訪れるお客さまに絵馬を見ていただき、力強く前進するという気持ちになってもらえれば」と話していた。
(2021年12月17日付紙面より)
光洋中で教育講演会 (新宮市 )
新宮市立光洋中学校(榎本由香校長)の学校運営協議会「光洋やろら会」(下地芳延会長)は13日、同校体育館で教育講演会を開いた。同市出身でサッカーJリーグに加盟しているFC町田ゼルビアのフィジカルコーチを務める津越智雄さん(42)が仕事内容や夢をかなえるために必要なことなどを講話した。
やろら会は、同校が家庭や地域と連携して教育活動を展開し、地域や社会に開かれた学校づくりを推進できるようにつくられた組織。地域の代表者や育友会、教職員で構成され、綱引き大会など幅広く活動している。同会の江川大二郎さんが同級生で友人でもある津越さんに講演を依頼し実現した。
津越さんは旧蓬莱小学校、近畿大学附属新宮中学校・高校、筑波大学大学院を卒業後、選手として栃木SCやイングランドの「Woodley Sports FC」などで活躍。25歳でサッカーをやめた後、東京ベルディやサガン鳥栖などでフィジカルコーチを務めた。昨年、韓国の蔚山現代(ウルサンヒョンデ)FCでの指導時には、アジア・チャンピオンズリーグ優勝を経験した。
この日は3年生71人が体育館、1、2年生は各教室からリモートで津越さんの話に耳を傾けた。講話を前に下地会長が「皆さんは夢を持っていると思います。今日の話を聞いて今後の学生生活に取り入れ、目標に向かって頑張っていただきたい」とあいさつした。
講演で津越さんは、子どもの頃はけがや病気が多かったと振り返り、中学2年生の時に始まったJリーグの試合を見て「自分もプロのサッカー選手になりたい」と思うようになったと説明。体幹や筋力トレーニングなど、体力的な強化を図るコーチの仕事内容を紹介した。
将来については「今の時代はSNS(会員制交流サイト)などの普及で自分がどんな位置にいるのか分かってしまう部分もあるかと思いますが、気にせず、真面目に取り組み続けることで今後の仕事での成功や夢をかなえられると思うので頑張ってください」と呼び掛けた。
田原智弥君は「モチベーションの保ち方などが印象に残り、参考になりました。スポーツだけでなく生活の面でも大切なことなので、話してくれた言葉を忘れず将来に生かしていければ」と話していた。
(2021年12月16日付紙面より)
医療センター分娩予約休止受け (那智勝浦町 )
新宮市立医療センター産婦人科の分娩(ぶんべん)予約休止の発表を受け14日、那智勝浦町の各組織の代表ら6人が同町役場を訪問。12団体が連名で安心して出産、子育てできる環境の保持についての要望書を堀順一郎町長に提出した。
提出した要望書には分娩休止によって、妊婦の負担増や地域に暮らす若者が出産に向き合えなくなることから、産み控えや居住すら断念してしまい地域の急激な衰退が生じるとあった。さらに地域で安心して出産ができるよう、和歌山県や国などへの一層の働き掛けを要望する旨が記されていた。
町民生児童委員協議会と那智勝浦地区更生保護女性会の岡本美智子会長は「休止によって里帰り出産もできない状況。少子化にも拍車が掛かってしまう。出産は一つ間違えれば大変なことになる。医師がいないと助かるものも助からない。あらゆる方面での尽力をお願いします」。
町老人クラブ連合会の峰武久会長は「安心安全な地域の構築のためにぜひ、医師の確保をお願いしたい」と訴えた。
堀町長は「新宮市とも医師の招聘(しょうへい)について協議している。医師の給与増額の際の分担金も考えている。今後も県や国に実情を訴えていきたい」。
また、招聘がかなわなかった場合について、「あくまで最後の手段だが、招聘が難しい場合は遠くの病院に向かう妊産婦の方々の旅費や宿泊費を補助できるように予算の計上を検討している。しかし、招聘することが一番。私も皆さんと同じ方向を向いています」と話した。
□ □
要望書を連名で提出した団体や代表は次の通り。
■要望書の提出団体
▽那智勝浦町区長連合会(串俊男会長)
▽那智勝浦町保育所保護者会(村田英典会長)
▽南紀くろしお商工会(森川起安会長)
▽那智勝浦町社会福祉協議会(岡﨑晴賀会長)
▽那智勝浦町老人クラブ連合会(峰武久会長)
▽那智勝浦町民生児童委員協議会(岡本美智子会長)
▽那智勝浦地区更生保護女性会(岡本美智子会長)
▽那智勝浦町赤十字奉仕団(浦上眞千代委員長)
▽那智勝浦ロータリークラブ(後誠介会長)
▽勝浦ライオンズクラブ(戸間宏治会長)
▽那智勝浦町建設業組合(上地秀和理事長)
▽一般社団法人和歌山県建築士会新宮支部(清水重延支部長)
(2021年12月16日付紙面より)
潮岬こ小中区津波避難訓練 (串本町 )
串本町立潮岬こども園(勝山久美園長、園児38人)、同潮岬小学校(堀靖典校長、児童149人)、同潮岬中学校(水上茂秀校長、生徒63人)、潮岬区(増本昌弘区長)が10日、紀伊半島沖を震源とするマグニチュード9の地震発生を想定し合同津波避難訓練に取り組んだ。
この訓練は、高台の潮岬地区で主に生活していることで薄れがちな津波避難意識を子どもたちに託したいと考えた潮岬区自主防災会が3校園や区に働き掛けて始まった取り組み。同防災会が避難路の交通安全確保に努める形で合同実施しているが、おととしは津波避難以外の備えを考えることも大切だとして合同防災学習に置き換え、昨年は新型コロナウイルスの影響で実施できなかったため久しぶりの実施となった。
この日は午後1時30分の大地震発生を想定して訓練を始めた。園児や児童、生徒は強い揺れから身を守る行動を取った後、教職員の合図で3校園より高台となる潮岬特別地域気象観測所横駐車場へ駆け上がった。津波避難中は可能な限り防災頭巾を着用。園児、生徒、児童の順で同駐車場に到着し、約8分で全員の津波避難が完了した。
今回は300人規模での実施で、様子を見届けた町総務課防災・防犯グループの大芝英智グループ長は低地の店舗にいるときに大地震が起こったら避難行動をしなければならない、と同訓練に取り組む理由を意識付け「東日本大震災ですぐ避難した人が助かったのは、日頃から訓練や学習をして防災意識が高かったから。皆さんも訓練すれば自然災害から自分の命、家族の命を守れると思ってほしい」などと講評。園児児童生徒を代表して潮岬中生徒会の濵口優希乃会長(2年)が取り組んだ感想や地域への感謝を述べて締めくくった。
(2021年12月16日付紙面より)
太田小と三尾川小が遠隔授業
那智勝浦町立太田小学校の加苅愛心(あいみ)さん(2年)と古座川町立三尾川(みとがわ)小学校の田堀まつりさん(2年)が11月30日から12月15日にかけて、オンライン授業で一緒に国語「わたしはおねえさん」を勉強した。
両校の2年生はともに1人学級で、昨年から作文などの成果物交換や単元ごとの学習発表といった形で交流を重ねてきた。今回は「GIGAスクール構想」で導入された1人1台のタブレット型パソコンを活用し、2週間かけて一緒に勉強した。
授業は三尾川小の前田知香教諭が担当。児童2人はそれぞれの学校の教室で、前田教諭は別室からパソコンをつないで授業を行った。
授業では、句点ごとや登場人物の役割ごとに、2人で交代しながら教科書を音読。それぞれの心に残ったところやその理由を発表し、作文用紙にまとめた。
前田教諭は「1人学級では、同い年の友達の意見を聞き、自分と比較することが難しい。そのため今回の授業では、多少時間がかかっても2人に意見を発表してもらい、『今の発表についてどう思う?』と問い掛けることを意識した。以前からときどきオンライン交流をしていたこともあり、2人とも授業に集中して楽しんでくれた。自分が話すとき以外はパソコンのマイクをオフにするなど、オンライン学習のマナーも身に付けていた」と振り返る。
授業を終えて加苅さんは「すごく楽しかった。お話ししながら授業をするのが良かった」。田堀さんは「愛心ちゃんとは同じ意見になることが多かった。実際に会ってみたい」と話していた。2人は今後も年間を通じ、交流を継続していくという。
(2021年12月16日付紙面より)
男子団体も出場権を獲得 (新宮高校 )
元気いっぱい寅描く (勝浦八幡神社 )
那智勝浦町の勝浦八幡神社(髙橋正樹宮司)で11日、初の大絵馬作りが行われた。太地町在住で日本画家の土長けいさんと共に町内の3歳から12歳までの32人が参加。子どもたちは来年の干支(えと)である「寅(とら)」を色とりどりの絵の具を使って自由に描いた。大きな虎と小さな虎が寄り添い、勝浦の祭りで見られるササが彩りを添えた大絵馬は30日(木)に境内に掲げられる予定。
大絵馬作りは神社本庁の過疎地域活性化推進施策を同社が受け実施。髙橋宮司によると「勝浦でも大絵馬を作りたい」という声もあり、今回に至ったという。これまでには太地町の飛鳥神社で2度、大絵馬が制作されている。
髙橋宮司は「町が元気になるように、皆さんの元気で自由に描いてください」とあいさつした。
大絵馬は縦120㌢、横150㌢のヒノキ製。今回は感染症対策と参加人数が多かったことから、「大虎」「小虎」「ササA」「ササB」の四つの班に分かれて、アクリル絵の具や筆を用いて作業に取り組んだ。順番を待つ班は小さな絵馬に好きな絵や目標を描いていた。
また、神社総代会のメンバーらが大絵馬を設置するための絵馬立てにニスを塗るなど協力した。子どもたちは「楽しい。もっと塗りたい」「模様をもっと付けたい」と笑顔で楽しんでいた。
土長さんは「元気な絵馬ができた。班が変わるごとに完成に近づくのは不思議で面白かったのでは。わくわくしながら楽しむ感覚を記憶していただくことが大事」。
髙橋宮司は保護者に対して「町の元気がないと神社も元気が出ない。子どもたちが地元を出ても、今回の絵馬を思い出して帰ってきてもらえたらありがたい。ふるさとを愛する気持ちを伝えていただけたら」。子どもたちの絵馬については「皆さんが真剣な表情で集中して描いてくれた。心に残ってくれたのでは。元気いっぱいの絵馬になった。面白かったなと思っていただければうれしいです」と語った。
大絵馬作りは毎年実施する予定で、新しい大絵馬ができた際は社務所に設置していくとしている。
(2021年12月15日付紙面より)
旧古座分庁舎で体験企画 (串本町 )
串本町が11、12日の2日間、旧役場古座分庁舎で体験企画「どんな力をつければ宇宙飛行士になれるか?~宇宙飛行士候補者選抜試験に挑戦!!」を実施した。
この企画は、町が前年度に町民向けワークショップを監修するなどロケット振興事業に協力した株式会社USPジャパン=東京都=の提案に基づいて展開する機運醸成策の一つ。同試験の体験を通して宇宙への関心を高めてもらうことを狙いとし、今月と来年1、2月に計3回開く予定という。
初日は町内の小学生~高校生や小中学生の家族、2日目はガイドや教育関係者を対象とし、講師は宇宙関係の次世代教育団体「日本宇宙少年団」の宇宙兄さんズ(小定弘和・副事務局長と小島俊介・宇宙ホンモノ体験総括の2人)が担当している。
両日とも90分の枠組みで「図形を言葉で伝える」など同試験3題を体験する内容。2日目は内容の意図や体験を動機付ける要領など指導する側のノウハウ解説も含んでいる。
講師2人は宇宙という素材が子どもたちの成長にとても役立つことや、その実行手段として同団が展開している宇宙教育の理念や正しい情報に基づく進め方などを町域へ伝えて託す思いで取り組んでいるそう。残り2回も同一の内容を体験提供するとして、思いの裾野を広げるため対象となる子どもやその家族、ガイドや教職員の意欲的な参加を期待した。
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■今後の実施は後日告知
この企画は参加無料、事前申し込み制。1、2月の詳細は同日現在未定で、事務担当の町企画課ロケット推進室は決まり次第、学校や観光協会経由の告知などで伝えるとしている。問い合わせは同室(電話0735・67・7004)まで。
(2021年12月15日付紙面より)
市民有志が署名提出 (新宮市 )
新宮市民有志(清原和代代表世話人)ら6人は14日、新宮市役所を訪れ、田岡実千年市長に市立医療センター常勤産婦人科医師の確保を求める9856人分の署名を届けた。
常勤医師1人の退職決定に伴い、来年3月19日以降の分娩(ぶんべん)予約休止を発表している同医療センター。新宮・東牟婁エリアの中核病院として、年間約300件の分娩を行ってきた。
このたびの署名は、約2週間の期間内において市内を中心とした市立医療センター圏域内の住民らから集められたもの。清原代表世話人は1万近く集まった署名を田岡市長に手渡すとともに、医師の確保を強く求めた。
清原代表世話人は、他府県において出産の際にトラブルがあり、30分離れた総合病院に移送されたが脳性まひとなり、30代で亡くなった事案や、個人病院で普通分娩を予定していたが予定日が遅れ、血圧が異常に上昇したため緊急帝王切開手術になり、ドクターヘリで受け入れ可能な病院で出産した事案など、署名活動の賛同者から寄せられたエピソードを紹介。
「今まさに子どもを作ろうとした矢先に今回の休止を聞き、新宮を離れる選択を語り合う夫婦の嘆き、よそで暮らす娘さんの里帰り出産を望む親御さんの不安など、心から安心して出産できない憂いの数々を耳にした」と述べ、引き続いての医師確保や、法律や条令など改正実現に向けた取り組みを要望した。
署名の重みを両手で受け取った田岡市長は「医療センターで分娩できないということはあってはならない。(署名は)心強い。必ず医師を確保するという強い思いで引き続き努力したい」。
「市民の安心安全の根幹は医療。長期的にも医師不足解消は課題。最優先事項として取り組み、医療センターの充実に努めたい」と述べた。
清原代表世話人は紙面を通して「市長に皆さまの思いを届けることができました。署名へのご協力、ありがとうございました」と感謝を伝えている。
(2021年12月15日付紙面より)
自然探訪スクールに19人
那智勝浦町の環境省宇久井ビジターセンターで11日夜、熊野学研究委員会自然部会と新宮市教育委員会主催の自然探訪スクール「上弦の月と冬の星座」が開かれた。近隣市町から親子連れなど19人が参加し、天体観測を楽しんだ。
美しいふるさとの自然に触れ親しみながらその恵みに感謝し、大自然の営みを学び、それを愛護する精神を培う目的で毎年開催している。今回は元中学校教諭の小林眞人さんが講師を務めた。
小林さんは屋外に設置した望遠鏡で、金星や土星、木星などの惑星を見せ、土星の衛星タイタンや月の表面なども観察。冬の代表的な星座や、地球の自転によって星が移動しているように見える仕組みを解説した。
小山田眞志君(神倉小5)は「土星の輪っかや、木星の衛星が三つ並んでいるのが見えた。いつか宇宙に行ってみたい」と話していた。
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■ふたご座流星群
三大流星群の一つであるふたご座流星群が、14日ごろに極大を迎える。今年は月夜のため、観察は月が沈んだ15日(水)午前3時から明け方までがおすすめ。
ふたご座流星群は、小惑星フェートンが軌道上にまき散らしたちりの道(ダスト・トレイル)に地球が突入することで、宇宙空間の流星物質が大気と衝突し、多くの流れ星が出現する現象だ。
(2021年12月15日付紙面より)
日本少年野球和歌山岩出大会
県レスリング新人大会で活躍 (新宮高校 )
熊野三山小学生バレーフェスタ
打ち上げ開始の延期明かす (スペースワン株式会社 )
スペースワン株式会社(太田信一郎代表取締役)が11日、小型ロケット「カイロス」の打ち上げ開始について来年年末ごろを目指して取り組む考えを明かした。当初掲げた本年度中からの延期で、同社の阿部耕三取締役(43)は新型コロナウイルス感染拡大に伴う部品調達難を事由として挙げている。
同社は串本町田原に射点がある民間小型ロケット発射場「スペースポート紀伊」の運営母体。現在の進捗(しんちょく)状況などを説明したいと地元のスペースポート紀伊周辺地域協議会(会長・下宏副知事)へ申し入れ、串本町サンゴ台にあるホテル&リゾーツ和歌山串本で開かれた臨時総会に出席して説明する中で打ち上げ開始延期の経緯を伝えた。
説明に臨んだ阿部取締役によると、同発射場の建屋は完工し現在設備を整備中。必要な部品を国内外から調達しているが、世界規模の感染拡大に伴う生産、物流の停滞で思うように進まず、打ち上げ前の試験も含めて計画に遅れが生じ本年度中の開始が困難になったという。地元の期待に添えないことへの謝意と今後も地域と共生する企業であり続ける思いを掲げ「来年年末ごろを目指して取り組んでいきたいと考えている」と伝えて理解と協力を求めた。
会員から意見や質問はなく、下副知事は「来年年末で努力していただける」と解してこの報告を受け止めた。
(2021年12月14日付紙面より)
みんなで考える防災の継続を (紀宝町 )
2011年の紀伊半島大水害から10年の節目を迎え、紀宝町は12日、町総合防災訓練を実施。32の自主防災組織が避難や炊き出しなどの各種訓練に取り組み、参加した約1600人が防災意識の高揚を図った。
午前9時、大津波警報、大雨洪水警報、土砂災害警戒情報発令の放送が流れ、各地区で訓練を開始。鵜殿6組自主防災は、高台の一角で避難者の受け入れ訓練を行い、約60人がテント設営やコロナ対策を意識した炊き出しなどに取り組んだ。野村由美代表は「継続することで防災意識につながる。今後も続けたい」と話した。
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午後からは町生涯学習センターまなびの郷で開催。町防災行政総合アドバイザーで東京大学大学院客員教授の松尾一郎さんが「備えは命を守る」をテーマに講演した。
▽危機感を共有できる社会▽被害を想定できる人を増やす▽役割に応じて正しく行動する「地域とひと」をつくる―の防災三原則を紹介。「みんなで考える防災を継続し、タイムラインは使いながら改善を」と示した。
大水害から10年をテーマに、西田健町長、近畿地方整備局の小島優・河川部長、紀南病院の森本真之助医師、津本地区自主防災会役員がパネル討論を展開。西田町長は「タイムラインが町の文化となるよう災害に強い町づくりに努める」と語った。
小島部長は河道掘削や護岸整備などを紹介し「治水対策を総合的に進めていく」とした。コロナ禍の避難について森本医師は「マスク、手洗い、3密回避を徹底し、ためらわず避難することが大切」と解説した。
パネラー4人が「人の命が一番」「事前防災」「何よりも命が大事」「段取り8割」と命を守るキーワードを掲げ、コーディネーターの松尾さんは「今後は南海トラフ地震対策が求められる。災害に強い地域に向けて一緒に取り組んでいきたい」と締めくくった。
(2021年12月14日付紙面より)
新宮市名誉市民・西村伊作(1884~1963年)と、伊作と親交があった小説家で牧師の沖野岩三郎(1876~1956年)の原稿がこのほど発見された=写真。同市丹鶴の旧チャップマン邸では11日、伊作のひ孫の立花万起子さん立ち会いのもと記者会見が開かれ、市立佐藤春夫記念館の辻本雄一館長が「時代背景をうかがうことができ、いろいろなことが想像できるおもしろい原稿」と見解を述べた。
発見されたのは「財産全部を棄(す)てよ(資本家の取る可(べ)き唯一路)」(伊作)と「悪(にく)まれ口を叩(たた)きます」(岩三郎)。二つの原稿は茶色の封筒に入っていたことから同時期のものであると推測。
伊作が文化学院や芸術村構想などに触れていないことなどから、ロシア革命(1917年)の影響でブルジョア階級への風当たりが強くなり、さらには米騒動(18年)が全国的な展開を見せた時期(19年ごろか)のものと思われる。
岩三郎の文章から、雑誌「紀州縦横公論」用の原稿だと考えられるが、雑誌が刊行されたかは確認できず、市立図書館に依頼し県立図書館、国会図書館をはじめ各大学図書館などで検索をしたが所在は明らかにならなかった。
辻本館長によると、明治天皇暗殺を企てたとして11年、全国から24人が連座され、熊野地方からも大石誠之助をはじめとした6人が連座した「大逆事件」の波紋も大きかった時期だけに、出版が困難であった可能性もある。
原稿の存在が初めて明らかになったのが3年ほど前。三重県津市在住の平野繁さんが所蔵していた。平野さんの祖父に当たる里中梅吉は旧矢倉町(新宮市千穂)にあった紀州印刷(2005年閉業)創業者の一人で、伊作と親交があった。伊作は株を持たなかったというが、北山銀行と紀州印刷の株だけは所有していたという。
その過激ともいえる見出しが付けられた伊作の原稿内容は、全財産を社会や国家、人類のために提供するといったもので、さらに「諸君大小の資本家諸君も僕にならひ僕の様(よう)にし給へ」と呼び掛ける。岩三郎の原稿では、伊作の財産放棄の意思への見解や、新宮人に対する思いが皮肉まじりに表現されている。
立花さんは「財産を公共に提供するとしながらも自分で管理すると書いている。やりたいことを公共事業でします、と。とても伊作らしいと思う」と笑顔で感想を述べ「私利私欲を言われないための財産の使い方。文化学院創立にもつながっていくと思う。社会のために大きいことをしたいが人任せではなく自分でやりたい。そういった思いが言葉になり始めた頃の原稿では」。
辻本館長は「資産を持っている危機感が見られる。文章からの判断は難しいが、日本帝国に対するカモフラージュかもしれない。ロシア革命を背景に、自身の財産と向き合った時期だったのでは。ロシア革命の影響を証明する貴重な原稿」と話していた。
(2021年12月14日付紙面より)
城南校区クリーン作戦 (新宮市 )
新宮市立城南中学校(吉田元紀校長)の全生徒160人と市立王子ヶ浜小学校(谷口幸生校長)の5、6年生115人は10日、「城南校区クリーン作戦」を実施した。児童生徒、教職員らが15班に分かれて阿須賀神社や浮島の森、新宮消防署などから出発し、城南中を目指してごみ拾いに励んだ。
地域貢献の一環として毎年開いており、縦割りグループで作業することで中学生の自覚を深めて学校と地域の連携を強めるのが目的。以前は生徒会が「通学路クリーン作戦」として主催し、2009年から現在の形になった。例年は地域住民を含めて約500人が参加するが、昨年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から中学校のみで行った。
阿須賀神社から出発した児童生徒は火箸を手に「これは燃えるごみですか?」などと教職員に尋ね、紙くずやたばこの吸い殻、ガラスの破片などを分別しながら回収していった。
安井薙颯(ちはや)君(城南中3年)は「昨年に比べて全体的にごみが少なかった。地域の人たちが心掛けてくれているおかげだと思います。自分自身は今年で最後ですが、これからも続けてもらい『ごみゼロ』を目指して自分たちの町をきれいに保ってもらえれば」と話していた。
(2021年12月14日付紙面より)
需要期に向け目慣らし会 (那智勝浦町 )
那智勝浦町苺(いちご)生産組合(桒野稔近(くわの・としちか)組合長)は、クリスマスや年末年始の需要期出荷に向け10日、同町南大居のJAみくまの太田営農センターで、和歌山県オリジナル品種のイチゴ「まりひめ」の目慣らし会を開いた。イチゴ生産農家や、みくまの農業協同組合らが参加し、イチゴの品質などについて意見を出し合った。
「まりひめ」は東牟婁地方を代表する特産品で、那智勝浦町の太田地区が主要産地。果実は大きめ、甘味が強く酸味もほどよい。例年12月初旬から翌年の5月ごろにかけて出荷。公設市場を通して近隣のスーパーなどで販売される。昨年は4パック入り約1万4000ケースが出荷された。
目慣らし会はケース詰め基準の統一と等級の確認を目的に、イチゴの出荷が本格化し始める時季に開催している。
桒野組合長は、同センターに届いた163ケースのイチゴを前に「昨年より1週間早めの開催。クリスマスや年末年始に向け、皆さまでイチゴを見ていただきたい。自分のイチゴに自信を持って販売につなげてください」と参加者らに呼び掛けた。
組合によると、長雨はあったが、今年は台風が少なかったため、イチゴの出来も良いという。出荷数も昨年を上回るはずと期待を膨らませていた。
桒野組合長は「コロナ禍の影響も特になく、まりひめは好評をいただいている。半年の間、おいしいイチゴを味わっていただけたら」と語った。
同組合は1971(昭和46)年に結成され、設立50年を迎えた。現在、生産農家は9世帯16人おり、新規就農者も増えたという。
昨年には産業の振興や発展、農山漁村の活性化に貢献したとして、令和2年度「和歌山県農林水産業賞」(農業部門)を受賞している。
(2021年12月12日付紙面より)
医療センター分娩継続求め (新宮市 )
那智勝浦町在住の小阪三喜子さんと塩﨑いつ子さんは10日、新宮市役所を訪れ、市立医療センター開設者である田岡実千年市長に同医療センター産婦人科の分娩(ぶんべん)継続を要望する第1次署名2415人分を提出した。
常勤医師1人の退職決定に伴い、来年3月以降の分娩予約休止を発表している同医療センター。新宮・東牟婁エリアの中核病院として、年間約300件の分娩を行ってきた。
このたびの署名活動は小阪さんと津本芳光さんが呼び掛け人となり実施。「医療センターでの分娩ができなくなると、この地域では安心して出産できないという不安が生まれ、地域の衰退に拍車を掛けることにもなってしまう。安心して子どもを産み、育てることができる環境を守るために、産婦人科の分娩継続を」との切実な訴えに、那智勝浦町を中心とした新宮・東牟婁地域2415人が署名した。なお現在も署名活動は継続しているという。
田岡市長に署名を手渡した小阪さんと塩﨑さんは「分娩ができないと里帰り出産もできない。若い人の人口増加につながらない」と危惧。田岡市長は尽力に感謝を示し「多くの住民の思いが詰まった署名を、大変心強く思う」と述べた。
市によると、今月中に田岡市長、堀順一郎那智勝浦町長、市議会議員らが地元選出国会議員らと共に厚生労働省などに赴き、要望活動を展開する予定としている。
(2021年12月12日付紙面より)
紀の宝みなと市9周年記念市 (紀宝町 )
「紀の宝みなと市9周年記念市」が11日、紀宝町鵜殿の鵜殿港で開催された。毎月第2土曜日に開催してきた「みなと市」だが、新型コロナウイルスの影響で昨年12月以降中止となっていたため、1年ぶりに活気が戻った。
みなと市は紀宝バイパス開通を集客の契機と捉え、2012年12月に初開催。毎年12月に周年祭を催し、例年、800人ほどが訪れている。
今年は新型コロナ対策として来場者にマスク着用を求めた。会場には鮮魚や米、野菜、果物、手作り雑貨など25の店が並び、お目当ての品を買い求める人が多数訪れた。
釣り堀は子どもたちでにぎわい、家電製品や町商工会共通商品券などが当たるガラポン抽選会も盛り上がりを見せた。
実行委員会の田尾友児委員長は「1年ぶりに開催できてよかった。出店者の皆さんも張り切って品物を出してくれた。来月から毎月1回開く予定なので、多くの人に来ていただきたい」と話していた。
次回のみなと市は来年1月8日(土)午前9時から開催する予定だという。
(2021年12月12日付紙面より)
新宮グラウンドゴルフ同好会
くまのスポフェス・テニス大会
第14回新宮ジュニアレスリング大会
漫画家のやまさき拓味さん
「競馬や馬を知らない方々に読んでいただくことがテーマだった」と語る新宮市出身の漫画家・やまさき拓味(ひろみ)さん(72)の一話読み切り型の新連載「令和 優駿たちの蹄跡(ていせき)」が双葉社の漫画アクションで始まった。第1回は前後編でストーリーが展開され、故郷や恩師である植地貞夫さん(85)も登場している。雑誌は現在、各書店などで発売中。後編掲載分は21日(火)ごろ店頭に並ぶという。
やまさきさんは和歌山県立新宮商業高校(現・新翔高校)を卒業後、さいとうたかをプロダクションに入社。1972年に小池一夫氏原作の「鬼輪番」でデビュー。90年にはバディ・プロダクションを設立。少年チャンピオンで「優駿の門」が連載され、ビジネスジャンプでスーパーホース列伝「優駿たちの蹄跡」を発表した。
長年にわたり、競馬漫画の第一人者として活躍。連載中の「雑兵物語」や元競走馬とオリンピックを目指す「優駿の門2020馬術」も人気を博している。
実在した競走馬や人々の絆を描く今回の作品。同校をモデルとした熊野商業高校(誤植。後編では新宮商業高校に訂正)や当時の学校周辺の風景に加え、新高(新宮高校)、北山村などのフレーズも登場する。やまさきさんの作品で同市が登場するのは過去にも数度ある。
新宮商業高校美術部に入部したやまさきさんに絵を教えたのが教師の植地さんだった。植地さんは「絵が好きな生徒だった。『80号サイズの絵を描かせてほしい』と言った時は驚いた。教師はそういう声が欲しくなる」。
連載については「水墨画の要素で演出したきれいな絵。新宮出身の漫画家がいること、新宮が登場し物語をまとめているところを読んでほしい。彼は自慢の教え子」と笑顔で話した。
やまさきさんは「今の僕があるのは植地先生のおかげ。出会わなければ、この仕事はしていなかったと思う」。
作品については「根底には新宮にいたあの頃の時代がある。今回の作品は僕らの年代であれば『分かる』と共感してもらえるはず。今後も馬を一頭ずつ取り上げ、普遍的な人間の物語を描いていくので、若い方にも楽しんでいただけるはず」と語った。
(2021年12月11日付紙面より)
宇久井小で野菜の学習 (那智勝浦町 )
那智勝浦町立宇久井小学校(芝﨑勝善校長)で10日、野菜の学習があった。「野菜のおじさん」こと新宮広域圏公設地方卸売市場の中本勝久市場長が講話し、4年生23人が、野菜が食卓に届くまでの仕組みや地産地消について学んだ。
社会科と総合学習の一環で、自分たちが住む地域や県について知識を深めてもらうことが目的。
中本市場長は、市場の仕事について「八百屋やスーパーマーケットなど野菜を仕入れたい店が値段を競う『競り』を通じ、農家さんの野菜や果物に最初に値段を付けて売るところ」と紹介。遠方で取れた野菜が輸送される中でどんどん値段が上乗せされていく仕組みなどを解説し、「地産地消」の大切さを訴えた。
野菜のパワーについて「今が旬のブロッコリーには、ビタミンCがたくさん含まれており、食べると風邪の予防になる。コマツナ200㌘には牛乳1本分のカルシウムが含まれている」と例を挙げて説明。「宇久井では枝豆やネギを生産しており、特に高津気ピーマンはブランド野菜。地元産の野菜には輸送料もかからず、すぐに皆さんの元に届くので新鮮で栄養もたっぷり。皆さんにはぜひ那智勝浦産、和歌山産の野菜を食べてほしい」と呼び掛けた。
授業後、児童には地元産のブロッコリーやダイコン、ニンジン、ネギ、生シイタケ、ミカンがプレゼントされた。
(2021年12月11日付紙面より)
院長代理を迎えて健康教室 (串本町 )
串本町が9日夕方、役場会議室で本年度の健康教室を開いた。今回はくしもと町立病院の院長代理で内科医の秋山裕由(ひろゆき)さんが登壇。「慢性閉塞性肺疾患(COPD)と喫煙について」と題して語り、50人が聴講した。
この教室は、町健康増進計画に掲げる諸項目の達成を目指し町保健センター主体で毎年実施。運動指導や講演などさまざまな形で計画して町民の主体的な健康増進の裾野を町内へ広めている。
今回は項目の一つ、喫煙と健康の関係を啓発し禁煙や受動喫煙防止に努めることに基づいて計画。秋山医師は呼吸器内科を専門としその見地から健康増進を図る内容を求めつつ、当日の受講を呼び掛けた。
始めるに当たり田嶋勝正町長は、新たにいろいろな知識を得て健康増進につなげてほしいと呼び掛けて秋山医師を迎えた。
秋山医師はまずCOPDの定義とその症状、発症時に肺はどうなるかを進行の度合いを踏まえて解説。対して医療では薬物治療(吸入薬など)と非薬物治療(禁煙や呼吸リハビリなど)を並行実施し、将来の重症化リスクの低減を図るとした。
国内のCOPD発症者が500万人を超えるとされる一方、治療を受けているのは数十万人。せきやたんが出る段階を中等度、周りの人と同じ生活行動で息切れをする時点を高度と位置付け、「壊れずに残るところを効率良く使うのが治療の目指すところ」という点も強調して少しでも症状を感じたら受診する(使えるところを多く残す管理を始める)事を求めた。
喫煙がCOPDにつながる事を喫煙歴別の肺CT画像を交えて伝え、COPDの進行抑制や皮膚の老化抑制、生計圧迫の解消など禁煙がもたらすメリットや喫煙がもたらす影響にも触れて肺機能の適切な管理意識を促すなどした。
(2021年12月11日付紙面より)
生涯現役スキルアップセミナー (新宮市 )
新宮市生涯現役促進地域連携協議会は9日、市保健センターで令和3年度生涯現役スキルアップセミナー「郷土料理を作ってみよう」を開催した。市内の55歳以上の8人が、在宅栄養士の堀順子さんに教わり、「いももち」などの郷土料理作りに挑戦した。
この日の献立は、めはりずし、かつおの角煮、いももちの3品。堀さんは、実習前に調理のこつや栄養バランスの良い食事について解説し、「高齢になって食欲がなくなったときにも、かつおの角煮などちょっとした料理があればタンパク質を取れる」と食事の大切さを語った。
参加者たちは2班に分かれて調理を開始。いももち作りでは、柔らかく煮たサツマイモに餅と砂糖をつき混ぜ、中にあんこを入れたり、きなこを掛けたりして完成させた。
堀さんは「私は串本在住ですが、新宮市ではいももちをあまり作らないと聞いた。おいしいので、皆さんにもぜひ作ってほしい」。
参加した70代女性は「いももちは今まで作ったことがなく、気になって参加した。手間の掛かる料理だけれど、サツマイモをいただく機会が多いので、時間があれば作りたいと思う」と語った。
同協議会は市内在住の55歳以上を対象に、就労を希望する人と雇用を希望する企業・事業所のマッチングを行い、中高年齢者の雇用促進と生きがいづくりを支援。平日午前9時~午後4時30分に市役所別館1階(旧職業訓練センター)で生涯現役相談窓口を開設している。問い合わせなどは同協議会(電話0735・29・7384)まで。
(2021年12月11日付紙面より)
【第44回】シニアの食育
食育は子どものもの、と思われている方はとても多いです。確かに、私もずっと子どもの食に関することを調べてきましたし、食育が積極的に行われるのは、幼少期から小学生くらいが一般的ではあります。先日シニアの方向けの食育について、話す機会があったので、ご紹介しておこうと思います。
60代以上の方は、30代から40代よりもさらに健康的な食生活を意識されている方がほとんどです。野菜を中心の食生活にしたり、肉より魚、洋食より和食という方も多いのではないでしょうか? そして、今のシニア世代は、昔に比べてうんと若くて、情報にも敏感ですよね。テレビや雑誌、インターネットなどで、「○○が体にいい」「○○食がブーム」なんて聞くと、試してみようと思われる方もたくさんいます。今のトレンドで言うと、「糖質オフ」や野菜中心の「ビーガンフード」「オートミール」なんかでしょうか?こういったトレンド食もいち早く取り入れるのは、実は50代以上だったりすることもあるんです。
ただ、これらは50歳を過ぎると、むしろ取り入れることは危険な側面もあります。東京都健康長寿医療センター研究所によると、BMI(体格指数)の低い痩せ型が一番死亡リスクが高く、軽度や中度の肥満はリスクは変わらないそうです。つまり痩せ型の方は生きるための栄養が足りていない状況にあるのです。この低栄養こそ寿命を縮める原因です。栄養が十分にないと、免疫力も低下しますし、骨がもろくなったり、集中力や記憶力も低下します。手術や骨折の回復にも時間がかかります。しかも、この低栄養は女性に多いのです。65歳以上になると、22%の女性が低栄養といわれています。(平成28年国民健康・栄養調査結果)
低栄養にならないためにも、1日3食しっかりと食べる!をまずは意識してください。野菜信仰を捨てて、お肉やお魚・お米などタンパク質や炭水化物を取ってほしいのです。コレステロール値でさえ高い人の方が低い人より長生きというデータがあるくらいです。
私が一番伝えたいのは、シニアにも食を楽しんでほしいということです。孤立感や孤食から食事がおろそかになり、しっかり食べない人が増えているというのも事実です。これは子どももそうですが、シニアも、「楽しく食べること」で生活の質は大きく向上するのです。作るときに、気になるレシピを試してみてもいいし、作ったことのない料理にトライしてみるのもいいですよね。ぜひ趣味として、食事作りや食事を取ることを、何らかの形で楽しんでください。
そして、トレンドに振り回されず、できるだけ多くの品目をバランスよく食べることを意識してほしいと思います。できる範囲で構いません。今は作り置きのレシピもたくさんあるので、まとめて作って、毎日少しづつ食べていくのもいいと思います。食を楽しめるシニアになれたら、きっと健康で楽しく長生きできると思います。
(2021年12月11日付紙面より)
一関市から学校給食に提供 (新宮市 )
今年7月21日に新宮市と友好都市提携を結んだ岩手県一関市から、新宮市内小・中学校の給食にリンゴ約400個が届いた。8日には市立王子ヶ浜小学校(谷口幸生校長)をはじめとする4校の給食で提供され、児童・生徒計1069人が甘くシャキシャキした「サンふじ」を味わった。
一関市は岩手県最南端、仙台市と盛岡市の中間に位置するまちで、面積1256・42平方㌔㍍、人口は11万2639人(3月31日現在)。室根山(むろねさん)中腹に鎮座する室根神社は、718(養老2)年に熊野速玉大社と熊野本宮大社の熊野神の分霊を迎え、1300年の歴史を持つ。両市の交流は1996年に熊野三山協議会が室根神社を訪問して以来、約25年にわたって続いている。
今回の提携記念事業は一関市からの提案によるもので、新宮市からは一関市内44校の小中学校へ県産ミカン約9600個を提供。食材交換はこれまでの新宮市の姉妹・友好都市交流の中でも初の試みとなる。
王子ヶ浜小学校では、校内放送で一関市の紹介があり、「一関市には新宮市と関わりのある場所がたくさんある。ぜひ調べてみましょう」と呼び掛けがあった。
この日提供された「サンふじ」は甘味、酸味、歯応えの三つがそろったリンゴの品種。吉見明真君(6年)は「今まで食べたリンゴの中で一番甘くてシャキシャキしている」と笑顔で語った。
市教育委員会の澤原謙二教育部次長は「両市の子どもたちの相互交流など、新たな交流方法を模索しながら、発展させていければ」と話していた。
(2021年12月10日付紙面より)
石垣記念館創立30周年講演 (太地町 )
太地町公民館で11月27日、同町立石垣記念館創立30周年記念講演会が開かれ、ニューヨークの日本人社会や日本人芸術家の研究を行う佐藤麻衣さんが「海を越えた芸術家―ニューヨークの石垣栄太郎―」と題して講演した。
講演では、石垣栄太郎のニューヨークでの創作活動を▽1910年代の文芸作品(第一次世界大戦とアメリカ)▽20年代の美術作品(狂騒のアメリカ社会)▽30年代の美術活動(世界恐慌と社会問題)―の3期に分けて解説。「ボーナスマーチ」や「鞭(むち)打つ」、「リンチ」などの代表的な作品を題材に、当時の新聞・雑誌での論評など多様な資料を交えて変遷を追った。
アメリカで出会った芸術家との関わりによる石垣の思想の変容にも触れ、「石垣の作品には、世界恐慌や第2次世界大戦という混沌(こんとん)とした世情の中で、アメリカ社会の変容や民衆の様相をつぶさに描き、記録するジャーナリスト的視点があったのでは」と結んだ。
町歴史資料室の櫻井敬人・学芸員は「石垣栄太郎の旧制新宮中学校時代のスケッチなども見つかっており、当時の社会運動家との関わりなどが明らかになれば、今後も新しいことが分かってくるのでは」と語る。
佐藤さんの著書「ニューヨークの日本人画家たち―戦前期における芸術活動の足跡―」は、石垣記念館などで販売している。
(2021年12月10日付紙面より)
串本町文化センターで8日に第25回中学校音楽会があり、町立の4中学校がそれぞれに音楽発表に臨み互いに鑑賞するなどして交流した。
この音楽会は町教育研究会が主催、同研究会音楽部会が主管する全町規模の交流行事。前年度は新型コロナウイルス対応の一環で中止したが、本年度は町内近隣で感染者が出ておらず予防対策を講じる条件で実施することとし、各校とも対策相応に発表する音楽内容を決め、練習に打ち込んできた。
生徒教職員数だけで同センターホールの座席(600席)の半分を埋める規模となるため、今回はソーシャルディスタンス確保のため家族など招待をせず。同研究会を代表して潮岬中の水上茂秀校長が実施のいきさつを伝えて予防意識を促しつつ、人の心を動かす力が音楽にはあることを振り返り「それぞれの学校でどんな練習を重ねてきたのかを想像し、真剣な頑張りに敬意を払いしっかりと聴いてほしい」と呼び掛けて元気な成果発表を期待した。
発表内容は▽潮岬中吹奏楽部〈演奏〉▽西向中〈器楽演奏〉▽串本西中〈合唱〉▽潮岬中〈ボディーパーカッション〉▽串本中1年生〈合唱〉▽同2年生〈同〉▽同3年生〈同〉。合唱コンクールを体育祭と対の文化行事としている串本中と串本西中は全員マスク着用で合唱に臨み、潮岬中と西向中は演奏を選ぶなど四半世紀の節目となった今回は表現の幅が広がる音楽会となった。
最後に同研究会音楽部会を代表して潮岬中の坂本健斗教諭は「2年ぶりの実施だが、楽しい、良かったと互いに言える音楽会になった」と講評。他人と合わせる場面は音楽に限らず人生の中でいろいろと出てくるものだとし、今回の音楽にかけた努力を忘れることなく、勉強にクラブ活動、好きなことにも注ぐことを今後に願って締めくくった。
(2021年12月10日付紙面より)
那智勝浦町立下里中学校(布引伸幸校長)で、1年生30人による読み聞かせ学習がスタートしている。8日には地域の読み聞かせボランティアグループ「ブックスマイル」(草下千秋代表)、「りぼん」(尾鷲愛子代表)のメンバー6人が来校し、読み聞かせのこつを伝授した。
2016年度から始まった取り組みで、生徒たちが母校である町立下里小学校、太田小学校を訪れ、児童に絵本の読み聞かせを行う。
8日の学習では、絵本、大型絵本、紙芝居の特徴やページの送り方、立ち位置などの基礎的な技術を学習。草下代表は生徒たちに向け「人に何かをしてもらうというのは、とてもぜいたくなこと。それを皆さんが、小学生にしてあげる。一番大切なのは、心を込めて、一生懸命読むこと」と語り掛け、絵本「であえてほんとうによかった」「にげてさがして」の読み聞かせを実演した。
りぼんメンバーによる大型絵本「よかったねネッドくん」では、生徒も「そいつはよかった」「なんてこった」などの掛け声に参加し、小学生に戻った気持ちで絵本の世界に引き込まれていた。母校への訪問は、来年1月を予定している。
(2021年12月10日付紙面より)
山本大喜選手、初代個人総合王者に (キナンサイクリングチーム )
歳末助け合い托鉢 (新宮仏教会 )
新宮仏教会(会長・白井清牧清蔵寺住職)は8日、新宮市大橋通の淨泉寺で成道会(じょうどうえ)の法要と「歳末助け合い托鉢(たくはつ)」を実施した。同会加盟寺院の僧侶11人が網代がさ姿で市内を回った。
成道会は釈迦(しゃか)が菩提樹(ぼだいじゅ)の下で悟りを開いたとされている12月8日を記念して行う法会。2月15日の涅槃会(ねはんえ)や4月8日の降誕会(ごうたんえ=花まつり)と並んで三大法会の一つとなっている。托鉢は1922(大正11)年ごろから行われている。集まった寄金は市社会福祉協議会に寄付された。
法要を営んだ後、僧侶たちは同寺を出発。国道42号沿いやJR新宮駅前、仲之町商店街などを回り、ずだ袋を掛けて「恵まれない子どもたちに温かなお正月を」と呼び掛ける声に、市民らは「ご苦労さまです」と応えながら浄財を入れていった。
白井住職は「大勢の人たちの温かい気持ちに感謝しています。苦労されている方々の手に届くよう願い、コロナ禍でも感染対策を施しながら役に立てれば」と話していた。
新宮仏教会加盟寺院は▽松巌院▽淨泉寺▽瑞泉寺▽清閑院▽清蔵寺▽清凉寺▽専光寺▽宗応寺▽長徳寺▽東仙寺▽遍照院▽本廣寺―の12寺院。
(2021年12月9日付紙面より)
民生委員児童委員らが要望書提出 (新宮市 )
新宮市民生委員児童委員協議会、子育てサポートキッズクラブ、新宮市・那智勝浦町・太地町・古座川町・北山村・串本町母子保健推進員会の代表ら6人は8日、新宮市役所を訪れ、田岡実千年市長に市立医療センター産婦人科常勤医師の確保などを訴える要望書を提出した。
市立医療センター産婦人科では、常勤医師2人のうち1人が退職することが決定したことに伴い「後任の医師が確定していない状況下では、安全で安心な医療の提供が担保できない」といった理由から、来年3月以降の分娩(ぶんべん)予約休止を発表している。
市民生委員児童委員協議会、子育てサポートキッズクラブの要望書は「子どもを産み、育てられないまちに将来はない」とし▽産婦人科常勤医師を確保し、来年3月1日以降の分娩予約を再開する▽分娩休止に伴う相談窓口を設置し、とりうる他の手段を市民・圏域住民に伝える▽市の医師確保の取り組みについて、今後の方法と予定を公表する▽市外で出産する妊産婦の通院交通費や出産前の待機宿泊費を助成する支援策など、分娩ができない状況における妊産婦の支援策を整える―の項目を盛り込んだ。
また、新宮・東牟婁の母子保健推進員会長連名の要望書では「市立医療センターにおいて、妊婦や家族が安全・安心に出産を迎えられるよう、産科医師の確保及び分娩体制の再構築を図る」よう求めた。
市民生委員児童委員協議会の勢古啓子・主任児童委員委員長は「受け入れられない状況。住民として訴えていかなければ。ますます少子化が進んでいる状況の中、切に要望したい」。
子育てサポートキッズクラブの川嶋ひとみ代表は「協力できることはさせていただきたい」と訴えた。
要望書を受け取った田岡市長は「市の最優先課題として取り組んでいる。県でも技監を先頭に尽力いただいている。あらゆる手を使って、医師確保に全力で努めたい」と述べた。
(2021年12月9日付紙面より)
串本町潮岬にある県立潮岬青少年の家で4日、町内の小学生を対象にしたロケット体験会があり23人が製作を交えて打ち上げの原理に親しむなどした。
この体験会は、県宇宙教育研究会が主催。昨年9月の発足以降社会教育の領域で回を重ねていて、今回は1~3年生向けに空気ロケット、4~6年生向けにモデルロケットの各製作・打ち上げ体験を準備し学校経由で参加を呼び掛けた。
今回も県立桐蔭高校・中学校科学部の部員有志が参加者をサポート。空気ロケットの体験は午前に実施し、バンドー神戸青少年科学館サイエンスアドバイザー・齋藤賢之輔さん指導の下で18人が空気の力を原動力とするミニロケット作りに取り組んだ。
同会の定番となりつつあるモデルロケットの体験は午後に実施し、藤木郁久事務局長(同部顧問)指導の下で5人がキット「アルファⅢ」を組み上げ、望楼の芝へ移動して打ち上げに臨んだ。このロケットは火薬エンジンを原動力とし、3秒で約100㍍まで飛びパラシュートを開いて落下する仕組み。点火の指導ができる藤木事務局長と一緒に一人ずつ発射して一連の過程を見届けた。今回は定員に対して少人数の参加だったため、打ち上げ後の余った時間でドローンの操縦体験も提供した。
同研究会は7月に町子ども会連絡協議会主催のモデルロケット体験に協力。他方で学校教育領域(本年度は試験的に串本中1年生と串本西中が参加)における体験提供に踏み出した状況もあり、本年度の体験会は今回が最終となる予定。藤木事務局長は今後もタイミングを見て計画するとし、対象となる子どもやその家族にぜひ参加してほしいとコメントした。
(2021年12月9日付紙面より)
合同で移住ウェブセミナー (紀宝町 )
紀宝町は4日、大紀町と合同で移住ウェブセミナーを開催。オンラインでの配信を通して町の魅力を全国に発信した。
新型コロナウイルスの影響で移住相談会が困難な状況となっていることから、昨年に引き続き、合同で開催。愛知、東京、兵庫などから移住に興味がある人が参加した。
紀宝町は高岡地区の「お試し住宅」から発信し、森まりかさんが進行。大阪府出身の自然ガイド・佐竹剛さんと沖縄県出身で子育て真っ最中の大山ゆかさんが町での暮らし、働き方、子育て事情などを紹介した。
佐竹さんは「地域おこし協力隊の募集があり、滝がメインの飛雪の滝キャンプ場で、ゼロから自分で考えて運営できる内容だったので、またとない機会だと思った。ちょうどアウトドアガイドを起業したところで、それを進めていくにもメリットがあると感じた。自然に関わる仕事をしたかったので今の仕事に満足しています」と移住のきっかけや現状を語った。
大山さんは、お試し住宅を通じて紀宝町が気に入ったと伝え、「自然が豊かで過ごしやすい。図書館などの公共施設が充実し、新宮市もあるので買い物にも便利だし、外食も病院も一通りそろっているので不便さはほとんど感じない」と話した。
子育て環境について「保育所も待機することなく入れて良かった。子どもの医療費が高校生まで無料など、子育て支援が手厚くうれしい」と紹介した。
(2021年12月9日付紙面より)
県中学校剣道選手権大会
那智勝浦町総体グラウンドゴルフ大会
特選児童にカレンダー贈る (那智勝浦RC )
那智勝浦ロータリークラブ(那智勝浦RC)はこのほど、第17回ふるさと自慢写真コンクールの入賞作品を集めたカレンダーを製作した。同クラブの後誠介会長と松下裕次郎幹事が1日に那智勝浦町立勝浦小学校、6日に市野々小学校を訪れ、特選作品に選ばれた児童3人に完成したカレンダーを手渡した。
同コンクールは南紀くろしお商工会(森川起安会長)が主催。那智勝浦町と太地町の小・中学生を対象に写真を募集し、ふるさとの良さを再認識してもらう機会としている。カレンダーは2014年から、同クラブが製作している。
後会長は「今年のコンクールには児童52人、生徒22人から計118点の応募があった。昨年と比べると応募数は2・7倍。過去に参加していた児童・生徒の兄弟の応募もあり、世代を超えて輪が広がっている」と話し、「子どもらしい視点の面白い作品が多かった」と頑張りをたたえた。
「海を行くゴジラ」(2月)を撮影した下原咲和さん(勝浦小5)は「おじいちゃんや妹と散歩に行った時、狼煙山(のろしやま)から見える島がゴジラみたいに見えた」。「貴久の滝」(3月)の角拓利君(勝浦小6)は「夏休みに色川で撮った。コケや背景がうまく撮れたと思う」と笑顔で話した。
「六地蔵と那智の滝」(1月)の小賀実樹君(市野々小5)は「夏休みの最後の日の朝に撮りに行った。カレンダーは家族に見せたい」と語った。
カレンダーは入賞者の他、那智勝浦町と太地町の各校や宇久井ビジターセンター、地域の銀行などにも配布。南紀くろしお商工会、那智勝浦RC事務所でも先着順で希望者に無料配布している。
(2021年12月8日付紙面より)
CD発売記念で初ソロライブ (太地町 )
8月に開催された「~障害のある人たちの心を歌う~第46回わたぼうし音楽祭」において、審査員会特別賞を受賞した太地町在住の野澤大輔さんが4日、那智勝浦町市屋の太地町地域福祉センター梛(なぎ)で受賞とCD発売を記念して初のソロライブ「野澤大輔ライブ THANKS TO YOU」を開催した。野澤さんは歌やステージパフォーマンスで会場を盛り上げ、来場者は拍手や声援を送った。
野澤さんは新宮市佐野の社会福祉法人いなほ福祉会ワークショップゆうの利用者で、フォークデュオ「ヤブシン」の藍田真一さんにギターを師事し、2013年に誕生したバンド「ハリケーン」でギターとボーカルを担当している。同音楽祭では全国から680点の作品が集まる中、初応募で同賞を受賞した。
今回のライブは梛を運営する有限会社山永サービスや特定非営利活動法人七彩会、有志らが主催したという。当初は8月に開催予定だったが、新型コロナウイルスの影響で延期となっていた。
この日は藍田さんに加え、京都発のエモーショナル・インストバンド「colspan(コルスパン)」が演奏に参加した。プロの迫力ある演奏の下、野澤さんは受賞曲の「僕の一日」を含む数曲を披露。踊ったり、手を振ったりする来場者の姿も見られた。
また、ステージ上では受賞の際に太地町から贈呈された名前入りのギターストラップの紹介や、藍田さんと軽快なトークを繰り広げ、笑いを誘う場面もあった。
野澤さんの母・宮子さんの友人で、幼い頃から野澤さんを知る博多保子さんは「ここまでが大変だったと思う。プロの演奏でライブができたことは大輔君の自信につながったと思う」。
宮子さんは「小さい頃からの息子への思いが浮かび上がってきた。人は幾つになっても成長するのだと心から思った。今日は本当に良かったです」と思いを語った。
野澤さんは「最初はすごく緊張した。途中で感動して涙が出そうになりました。めっちゃ楽しかったです。また、新曲を作ってライブもやりたいです」と笑顔で話していた。
(2021年12月8日付紙面より)
木葉神社例祭「祢んねこ祭り」 (串本町 )
串本町田原にある木葉神社(井谷正守宮司)で5日、例祭「祢(ね)んねこ祭り」が営まれた。新型コロナウイルスの情勢を考慮し、昨年に続いて今年も本殿大前の儀のみ執行。責任役員会ら地元の代表参列で礼を尽くし、信仰を今後へとつないだ。
神功皇后の養育の故事にあやかる同神社は田原区の氏神社であり子安の宮としても根強い信仰を集める。その例祭は▽朝日遙拝行列▽本殿大前の儀▽子守神事―の諸行事から成り、信仰にちなんだ他に類のない奉仕も数多く含む内容で県の無形民俗文化財指定を受けている。
さらに田原獅子保存会による奉納や公民館田原支館による農産物品評会・作品展の奉賛も伴い、とりわけ本祭日は区内外から見物が集まるところとなっている。この状況が密を招くと考え代表参列による本殿大前の儀のみ営んで礼を尽くすこととした。
当日は宮本敏治区長を筆頭に区や同神社の責任役員と総代、同保存会の会長や獅子係、計10人が代表参列し、来賓の招待はせず。今年の本殿大前の儀は無社殿神社独特の古式作法・湯立ての儀も見合わせて執り行い、井谷宮司に続き一同で玉串をささげて主祭神・木花咲耶姫(このはなさくやひめ)への礼を尽くした。
井谷宮司は新型コロナウイルスが収まりいつも通りに営める今後を一心に祈念。宮本区長は「2年続けて本来の形でできなかったのは残念」と胸中を語り、奉仕継承も見据えて「来年はぜひ本来の形で行いたい」と意気込みを掲げた。
(2021年12月8日付紙面より)
海邊組が三輪崎区避難路整備 (新宮市 )
新宮市三輪崎の㈱海邊組(海邊俊行代表取締役)は6日、三輪崎八幡神社裏の避難所に向かう避難路の整備を実施。同社員約10人が舗装工事に力を尽くした。
海抜30㍍を超える三輪崎八幡神社裏は、津波災害における一時避難所として指定されている。有事の際には住民らが円滑に避難できるようにと、毎年区役員や住民有志らによる整備活動が行われている。
「ワークショップトータル新宮店」横から入る避難路は、避難所に向かう経路の一つ。古くから地域住民の身近な逃げ道として利用されているが私有地のため、全長約100㍍のうち約半分が未舗装となっている。
このたびの整備は同社が行う地域貢献の一環として実施。道の所有者の許可を得ながら、有事の際にスムーズに避難できるように地表をならして簡易舗装を行った。
同社の海邊真哉常務取締役は「避難路の整備の必要性については近隣住民の方々からも声があった。整備を通して地域に貢献できて良かった」。
三輪崎区防災委員長の湊川大介さんは「万が一のために平時に備えることが大事。この避難路は道も広く、整備によって高齢者や子どもも安全に利用できる。ありがたい」と奉仕に感謝。
「災害は人ごとではない。自助共助の精神が大切。防災ボランティアや、区の取り組みに対し、若い人も協力していただければ」と話していた。
同区では今後、避難経路の一つである林道に手すりを付けるなどの整備を行うほか、避難路入り口への看板設置、有事の際、早急に避難所へ向かうために障害となる線路の横断などの課題解決に向けて取り組みを展開していくという。
(2021年12月8日付紙面より)
紀宝GGペア大会
県新人卓球大会で活躍 (新宮高校 )
高田テニスコートで支部長杯 (県ソフトテニス連盟新宮・東牟婁支部 )
南紀熊野ジオパークは4日、北山村で「ジオ興し活動」を実施。同村下尾井の久保岡徳美さん宅で「北山村の伝統料理を残そうプロジェクト」を開催した。地域住民らが参加し、久保岡さんが作る同村の伝統料理に舌鼓を打った。
南紀熊野ジオパークでは、ジオパークガイドや民間事業者、行政担当者らが、東西南北の四つのエリアに分かれて「南紀熊野ジオ興しチーム」を結成。地元住民らの協力を得るなどして地域資源の発掘やジオパークの活用・普及に向けた活動を展開している。
このたびのプロジェクトでは、同村において昭和30年代ごろまで正月や結婚式など「ハレの日」に振る舞われていた伝統料理を再現。その技術や味を継承してもらうことを目的に、若年層の地域住民を対象に試食会を実施した。なお、記録として残すため、料理の手順などはスマートフォンなどで動画撮影された。
山間部に位置する同村では、日持ちさせるためにマグロに塩を振って一晩置いた「塩シビ」など、保存のために塩や酢を用いた料理が発展。しかし、交通網の発達や道路状況の改善などから、現在「塩シビ」が作られることは少なく、また、当地域に伝わる「サンマずし」や「昆布巻き」を作る人も減少している。
久保岡さんはかつて、地元食材を使ったレストラン「かからの食の店」を営業。和歌山大学の鈴木裕範・客員教授(当時は同大学経済学部助教授)の協力を得て「奥熊野の村の暮らし365日~北山村の食ごよみ~」を制作するなど、同村の伝統料理の継承に尽力してきた。
この日は鈴木客員教授も参加する中、久保岡さんは▽塩シビ▽手作りこんにゃく▽酢でしめた塩シビを入れた大根のなます▽サンマずし▽昆布巻き▽めはりずし▽ごま豆腐―など、主に熊野地方の産品を使った数々の料理を用意。参加者らは料理を口に運び「おいしい」「懐かしい味」などと感想を述べた。
同村役場の里中恵理さんがプロジェクトの趣旨を説明し、鈴木客員教授が「作る様子を見て、手間暇かけて作るからおいしいんだと改めて実感した。古くからのものは残っているが、少子高齢化の影響などでなくなっているのも事実。記録だけではなく、技術として学んで次に残すことが大事」と呼び掛けた。
試食会に参加した、同村出身の井野千代さん(55)は「小さい頃は当たり前に食べていたことを思い出した。おばあちゃんの味と同じでうれしい。生まれ育った場所の料理が、こんなにおいしいんだと再確認した。次に伝えていくために覚えて残したいと思う」と話していた。
(2021年12月7日付紙面より)
長島りょうがんさん招き人権学習 (三輪崎公民分館 )
新宮市の三輪崎公民分館(杉山秀樹分館長)は4日夜、市立三輪崎小学校体育館で、長島りょうがんさんによるトーク&ライブ「そっとやさしく」を開催した。来場者らは、りょうがんさんが展開する、笑いあり、涙あり、音楽ありのステージを楽しんだ。
同公民分館が取り組む人権学習の一環として開催。
りょうがんさんは三重県熊野市出身。中学時代からラグビーに取り組み、県立木本高校ではキャプテンとして東海大会、三重県大会で優勝した。
日本代表選手に選ばれ、オーストラリア選抜と国際試合をした時の縁でオーストラリアなど赤道付近を放浪。その時に出会った子どもたちの姿が忘れられず、教師となった。
「りょうがん」は本名ではなく、自身で「良顔先生」と名乗ったことがきっかけ。体育教師や中学校長、各教育施設勤務、三重大学・三重短期大学でも教べんを振るった経験などを基に、手作りの歌と講話を通した人権ライブキャラバンを全国各地で展開。人の温かさや優しさなどを語り伝えている。現在は三重県生涯学習センター所長を務めている。
りょうがんさんは開催に当たり、「人は人と関わることによって変わることもある。人権学習で大切なことは一人にさせないことだと思う」とあいさつ。さだまさしさんの「奇跡」をピアノの弾き語りで披露した。
唱歌「埴生(はにゅう)の宿」(原題「ホーム・スイート・ホーム」、イングランド民謡)について「音楽の教科書から消えたのが不思議」。アニメ「火垂(ほた)るの墓」(原作=野坂昭如)において、故・高畑勲監督が同曲を挿入歌に採用したことに触れ「音楽は争いも超える。戦争をなくしたい、そういう思いを入れたかった」と話した。
りょうがんさんは、家族やこれまで関わってきた人々との触れ合いや交流、心温まるエピソードの数々を講話。市場で働く母親と、その母親を絵で「世界でいちばん美しい姿」と表現した娘との心の触れ合いを紹介し「99%自分のことを考えていたとしても、1%でも自分のできることがある気がする、そう思うだけでいいと思う。つらそうな人がいたら気に掛けてあげてほしい」と講演を締めくくった。
(2021年12月7日付紙面より)
勝浦小4年が防煙教室
那智勝浦町立勝浦小学校(山下真司校長)で2日、防煙教室が開かれた。新宮保健所の中山夏美さんが講話し、4年生44人がたばこの害について学んだ。
管内の小中学校などを対象に、たばこに関する適切な知識を身に付け、将来「吸わない選択」をしてもらえるよう実施している。
中山さんは「皆さんのお父さんやお母さんが子どもの頃は、大人の男性の10人に8人がたばこを吸っていたが、今は10人に3人まで減っている」と紹介。三大有害物質である▽ニコチン▽タール▽一酸化炭素―が体に与える影響を解説した。
たばこを吸う人の口の中の写真を見せると、児童は「歯茎が紫色」「歯磨きしても色は取れないの?」とびっくり。近年市場を広げている電子たばこについても学習した。
中山さんは「たばこに依存すると、体に悪いことを知っていてもやめられなくなる。だから、最初の1本を吸わないことが大切です。皆さんには、自分の体を守る選択をしてほしい」と語り掛けていた。
(2021年12月7日付紙面より)
新宮労働基準監督署と紀南河川国道事務所紀勢線出張所が3日、串本町高富にあるすさみ串本道路高富トンネル他工事の現場で建設工事パトロールを実施し、労働災害防止のための意識喚起に努めた。
中央労働災害防止協会が主唱し、同署の上位機関となる厚生労働省が後援する本年度年末年始無災害運動(12月1日~1月15日)の一環。この運動は年末年始の慌ただしさや寒冷に伴う労働災害の発生を意識の力で抑え、従事者がそろって無事に一年を締めくくり明るい新年を迎えられるよう願いを込めて展開していて、今年で51回目を数える。
その趣旨を管内に浸透させるために同署は毎年、このパトロールに取り組んでいる。前述した現場は株式会社大林組が同事務所より発注を受けて施工中で、管内でも規模が大きい現場という点で実施を申し入れたという。当日は同署から最近の労働災害の発生状況報告と同運動の概要など、同社から工事概要と施工状況を互いに報告し、以降このパトロールに臨んで現場の安全確保に発生の要因がないかを確かめた。
パトロールの重点実施事項は▽墜落・転落災害の防止▽建設機械やクレーン等災害の防止▽倒壊や崩壊災害の防止▽火災や爆発等災害の防止▽転倒災害の防止▽職業性疾病の防止▽自主的安全衛生活動の推進―の7項目。中前英人署長と鈴木達也・労働基準監督官が同社高富トンネル工事事務所の村上正一所長ら責任者とともに現場を目視し、聴取を重ねた内容に基づいて講評を寄せて意識喚起を後押しした。
同出張所はこの日午前にあった紀伊水道を震源とする地震対応のため、急きょ代理の職員が状況を確認する形を取った。このパトロールの実施に当たり中前署長は、日頃から実践し培っている安全管理に改善点はないかをいま一度確認して無事故で新年を迎えることを同社の現場作業員に呼び掛け。パトロール対象外の管内各現場においても同様に、この運動期間をきっかけにして労働災害防止の意識が高まる状況を願った。
(2021年12月7日付紙面より)
下里小児童らがインドネシアと交流 (那智勝浦町 )
那智勝浦町立下里小学校(泉一代校長)体育館で3日、「那智勝浦町・インドネシア交流プログラム」があった。同町住民および同小児童らと、オンラインで参加したインドネシア共和国のマルスディリニ小学校児童らは、自国の伝統芸能などの発表を通して異文化を認め合う機会とした。
和歌山県とインドネシアは、2016年4月にインドネシア商業省との間で経済交流促進を目的とする共同声明が発表されたことをきっかけに、翌年10月に工業省とも共同声明を発表するなど、ビジネスミッション団の派遣や文化交流などを通じて、さまざまな交流を継続して実施している。
このたびのプログラムは、両国の伝統芸能の披露を通じて文化交流を図ることを目的に第1部「文化交流」、第2部「学校交流」の2部制で実施した。
開会に当たり、堀順一郎町長が「町にとって名誉ある事業。皆さんにはいろいろな国の文化を知ってもらい、いつか世界に飛び出し、世界から那智勝浦町を見てほしい。今日のプログラムが県、那智勝浦町、インドネシアにとって成長につながる機会となれば」とあいさつ。
プログラムに向けて来町した、ディアナ在大阪インドネシア共和国総領事は「こんにちは。お元気ですか」と日本語で呼び掛け。「明るい生徒の皆さんと町民の皆さんと一緒にいることができてうれしく思っている。お互いの文化をより知り合えることを願っています」と述べた。
1部では、日本人とインドネシア人から成る「マギカ・マメジカ」のメンバーらが、ジャワ舞踊と影絵芝居「ワヤン・クリ」を披露。高芝の獅子舞保存会が、県の無形民俗文化財に指定されている獅子舞から「牡丹獅子」「天狗獅子」で勇壮な舞を見せた。
2部では、下里・マルスディリニ両小児童らが、お互いの学校や地域の紹介、伝統的な舞踊や御神楽、合唱、リコーダー演奏などを通して交流。下里小を代表して、中山紫月さんと松下澄珠さんが「外国の人と交流できる機会が少なく、いい経験になりました」。マルスディリニ小のエルギオさんが「私は日本について興味を持っています。オンラインでしたが皆さんに会えてうれしい。早く直接会いたいです」とあいさつ。「さようなら。また会いましょう」とカメラ越しに手を振った。
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午前中はディアナ総領事一行が同町役場を表敬訪問し、堀町長や荒尾典男町議会議長、岡田秀洋教育長らが出迎えた。
堀町長は「インドネシアの船員の方々が町の生マグロの水揚げを支えてくれている。本当にありがたい。リゾート地同士としての交流も図っていきたい」。
ディアナ総領事は「私たちだけではなく、町民の皆さまも初交流を楽しみにしていると思う。コロナ禍が収まればぜひ、インドネシアにも訪問を」と呼び掛けた。
(2021年12月5日付紙面より)
開運暦の発送作業大詰め (那智山青岸渡寺 )
那智勝浦町の那智山青岸渡寺(髙木亮英住職)で、来年の「那智山開運暦」の発送作業が大詰めを迎えている。来週初めに全国各地の信者約1万7000人に発送する予定で、3日は髙木住職ら3人が発送作業の追い込みに入った。
那智山開運暦はB6判34㌻で、平常公開されない同寺秘仏の如意輪観世音菩薩のお前立ち像が表紙を飾る。▽方位吉凶図と解説▽九曜星の年齢と吉凶▽六曜星と七曜星の吉凶▽結婚の吉凶▽1月から12月の運勢▽二十四節気の解説―などが掲載されている。
先月末から準備を始め、この日は開運暦と優待参拝券などを封筒に詰める作業を進めた。
髙木住職は「観音様のみ心で、思いやりや優しさ、慈しみを深めていただけたら。そして、来年は寅年。皆さまが目標に向かってさまざまなことに挑戦できる年になることを祈っています」と語った。
希望者には1部300円(送料込み)で発送する。問い合わせは那智山青岸渡寺寺務所(電話0735・55・0001、〒649―5301 那智勝浦町那智山8番地)まで。
(2021年12月5日付紙面より)
新婦連が寿楽荘を慰問 (新宮市 )
新宮市婦人団体連絡協議会の仲富美子会長、川嶋みどり副会長、劔持幸代副会長の3人が3日、同市木ノ川の市立養護老人ホーム「寿楽荘」(松畑理荘長、入荘者21人)を慰問した。手作りのケーキやふくさ入れ、施設内行事の賞品にできる菓子などをプレゼントした。
新型コロナウイルス感染拡大以前はカラオケやゲーム、踊りを交えた慰問イベントを開いていたが、本年度は感染症対策のためにプレゼントの手渡しのみを行った。
仲会長は「コロナ禍が収まったら、ぜひまた交流をしたい。入居者の皆さんには、いつまでも元気に過ごしてほしい」。松畑荘長は「大変ありがたい。外へ出る機会の少ない入居者さんたちも、慰問を楽しみにしている。来年こそは交流をできるよう願っています」と感謝を述べていた。
(2021年12月5日付紙面より)
王子権現親睦会がマスク配布 (新宮市 )
新宮市の王子権現親睦会(矢野隆一会長)は3日、町内会や自主防災の会員たち210世帯を訪問し、マスクを手渡した。
新型コロナウイルスや新たな変異ウイルスに備え、改めて感染予防の一助になればとの思いから、箱に入った50枚入りの大人用使い捨てマスクを手渡した。歳末たすけあい運動の助成を受けている。
この日は、矢野会長と坂井裕副会長が会員たちの自宅を訪れ「感染しないように気を付ける意味でもマスクを使ってください」などと声を掛け、感謝の言葉とともにマスクを配っていった。なお、2日には王子権現自主防災の会の木戸地伸事務局長が16軒にマスクを配布した。
受け取った90代男性は「町内会のことを気に掛けてくれる心遣いに感謝している。いまだにマスクを装着するのは苦手ですが、感染予防にはマスクは必需品。有効利用して大事に使わせていただきます」。
矢野会長は「ようやく実現にこぎ着けることができました。皆さんに喜んでいただいて、私たちもうれしいです。最近、マスクのポイ捨てをよく目にする。感染もいつ、どんな状況になるか分からないため、予防アイテムの一つとして改めて大切さを実感してもらえれば」と話していた。
(2021年12月5日付紙面より)
築地公園整備終わり、お披露目 (那智勝浦町 )
那智勝浦町は役場横の築地公園の整備終了に伴い2日、お披露目を行った。この日は日本基督教団紀南教会天満保育園(小宮一文園長)の園児26人が訪れ、新しく設置された滑り台などの遊具で元気いっぱいに遊んだ。
同公園には遊具が少なく、設置されていた木製のブランコやシーソーなども老朽化していたため、今回の整備に至ったという。
11月上旬から着工し、同月末に終了した。遊具購入や整備費含め約1100万円で、コミュニティ助成金(宝くじ助成金)を主な財源としている。
今回、古い遊具やこれまであった築山を撤去。新しく、うんていなどが一つになった滑り台やブランコ、築山、砂場が設置、整備された。
園児は一斉に各遊具や砂場などに駆け寄って順番を待ち、交代しながら笑顔で楽しんでいた。
小宮園長は「他の保育園さまが役場や消防署見学をされているので、本園でも実施を検討しています。その際や築地地区見学時などにこの公園を利用させていただきたいと思います」と話した。
堀順一郎町長は「町内では親子で弁当を広げて遊ぶ場所が少ないため、子育て支援の一環で今回整備させていただいた。子どもたちには目いっぱい遊んでもらい、家族や友人など住民の皆さまが集い楽しめる場所になれば幸いです」と語った。
なお、トイレは役場庁舎内のトイレが利用でき、土、日曜日も開放するという。
(2021年12月4日付紙面より)
読み聞かせの三浦さんが講座 (紀宝町 )
紀宝町神内の紀宝はぐくみの森で、NPO(特定非営利活動)法人ほがらか絵本畑(菰野町)の理事長を務める三浦伸也さんによる子育て講座「大人がわくわくする生き方~笑いあり涙あり~」が開かれた。現代の子どもたちとどう向き合うべきか考えた。
紀宝町ファミリーサポートセンター主催の会員講習会の一環。受講生のほか、関心ある人の参加も受け付け、14人が耳を傾けた。
子どもたちと掛け合いをしながら笑いの渦を巻き起こす、独特の読み聞かせスタイルが特徴。子どもへの読み聞かせから、世代に合わせた講演などに取り組んでおり、療育施設も運営している。
ホワイトボードに「安心、自信、本心」と書くと、赤ちゃん向けの絵本を読んで場を和ました。
「安心」はどんな子どもも求めているものとし、「最近は不安な子が多くなっている」と指摘。スマホでのゲームなどが影響を与えているとし、母親など「安全基地」の存在が必要不可欠とした。
「自信」は子どもに与えたいものと紹介。「リンゴ+オレンジ=」の絵を描くと、子どもたちの発言を紹介し「答えは一つじゃない。大人が一つにしている。失敗は恐れず、できたことにスポットを当てて。大人になっても自信があれば生きていける」と伝えた。
「本心」は大人が求められているものとし、「思っていることと、実際していることの一致点を見つけて。自分に嘘はないか。子どもは常に見抜いている。子どもをフィルターにして自分を見て」と語りかけた。
(2021年12月4日付紙面より)
クリスマス水槽展示開始 (串本海中公園 )
串本町有田にある串本海中公園センター水族館(森美枝館長)で2日、クリスマス水槽の展示が始まった。
館内Aゾーンにある串本の海の話題を伝えるトピックス水槽の一趣向。年2期、クリスマス前と年末年始はスタッフ発案の風物詩企画で飾るのが定例化していて、今年は佐久間夢実さんと中村公一さんがクリスマス水槽を形作った。
同日現在で数はまだ少ないが、名前に星の言葉が入るミツボシクロスズメダイを搬入。明るい夜空に似た色彩のデバスズメダイやホンソメワケベラ、星の形をしたアライボヒトデやサンタクロースの衣装を連想させるアカシマシラヒゲエビ、クリスマスになじみ深い色の毛糸をまとったモクズショイなど12種類37匹をサンゴのツリーや雪だるま、人工物となるが雪の結晶の飾りや星空の背景と一緒に展示し、串本の海の聖夜を構成している。
全体構成は星空も好きな佐久間さんが主に担当。テーマは「星の導き」で、ツリーの頂に掲げる飾り物「ベツレヘムの星」に串本の海の生き物がにぎやかに集う様子を見ることができる。佐久間さんは「クリスマスの飾り物には一つ一つ意味がある。この水槽が皆さんにとって、込められた意味を考えながらクリスマスを過ごす導きになれば」と思いを込め、期間中の鑑賞を呼び掛けている。
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年末年始の趣向も控えているため、展示期間は25日(土)まで。別途、くしもと大水槽の年末恒例となっているサンタクロース姿での水槽掃除を11、18、25日の各土曜日午前11時から30分程度実施するそうで、併せて楽しみながら串本の海に親しんでほしいとした。
これらの企画は館内実施で、鑑賞する場合は入館料が必要となる。クリスマス水槽は期間中に生き物の状態を見て内容変更する場合があり、佐久間さんはミツボシクロスズメダイの採取を引き続き試みて数を充実していきたいと話している。問い合わせは同センター(電話0735・62・1122)まで。
(2021年12月4日付紙面より)
旧チャップマン邸で記念展 (新宮市 )
新宮市丹鶴の旧チャップマン邸で「文化学院創立100周年記念展 西村伊作の理想の学校 in Shingu」が開催されている=写真。「西村記念館・旧チャップマン邸の会」(関康之会長)主催。12日(日)まで。入場無料。
今年は市名誉市民の西村伊作が、1921年に東京駿河台に歌人・与謝野晶子・寛夫妻や画家・石井柏亭らの協力を得て文化学院を創立して100年の節目を迎える。
伊作は、理想の教育のため、当時第一線で活躍する芸術家や文化人、学者らも講師として招き、画一的な枠にはめる教育ではなく、男女の区別なく自由に個々の天分を伸ばす、当時としては画期的な教育を実践。日本で初めての男女平等教育を実施し共学を実現した。
記念展では、文化学院の初代校舎を復元した「ルヴァン美術館」の協力を得て、伊作が創立した文化学院の歩みや学院の教育、戦時体制において弾圧を受けてきた歴史などをパネルで紹介。また、伊作をはじめ、石井柏亭、棟方志功、佐藤春夫、有島生馬、村井正誠ら講師陣の絵画作品などを展示している。
記念展開催に当たり関会長は「残念ながら文化学院は2018年に閉校となったが創立100周年は大きな節目。娘や自由の教育のために東京で建物を建てた心意気、当時の日本を代表する文化人がほれ込んだその意気込み、そして新しい教育のために国からの補助も受けなかった熊野人・伊作の反骨精神を感じてほしい。この記念展が、伊作と文化学院のことを広く知るファーストステップになれば」と話している。
時間は午前10時から午後5時(最終日は3時)まで。6日(月)は休館。11日(土)午後1時30分からは、伊作のひ孫で元学院教員の立花万起子さんが、「西村伊作と文化学院―100年前の芸術教育―」を演題に講演する。
(2021年12月4日付紙面より)
田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)で2日、神門の大しめ縄と大絵馬の掛け替え、大しめ縄の奉告祭があった。新しいしめ縄を前に九鬼宮司は「シャープで力強く、すっきりとしたしめ縄。気が引き締まる思い」と話した。
大しめ縄は紀宝町成川の榎本政子さん(88)が家族や友人、親族らと毎年編んでいる。1983年に政子さんの夫の故・剛吉さんが先代宮司から「熊野の伝統と歴史を守ってほしい」としめ縄づくりの依頼を受けて以降、38年にわたり奉納を続けている。
今年は約10人がかりで10月末から11月末にかけて制作。稲わら約2000束を使用し、長さ約4・5㍍、重さ約250㌔に及ぶしめ縄を完成させた。今年は天候の影響で稲わらが少なく、わらを選定する作業に苦労したという。
政子さんは、掛け替えられた大しめ縄を前に「病気も戦争もいや。新型コロナウイルスが収まって、平和が続くように祈りながら制作しました」と述べ「苦労はあったが立派にできたと思う」と笑顔を見せた。
えと「壬寅(みずのえとら)」の大絵馬(横232㌢、縦117㌢)は九鬼宮司が制作したもの。太陽を背にした白虎が、先を清眼として見据える構図。全体を包み込む形で虹を描き、「人々が未来に向かって進み、皆にとって光差す一年であるように」と思いを込め、「一筋の道」と「光」の文字を揮毫(きごう)した。
九鬼宮司は「現在、新型コロナが収まりつつあるが、いまだ厳しい状況。新しい大しめ縄をくぐって、多くの人が光り輝く年であってほしい」と思いを語った。
(2021年12月3日付紙面より)
高速道建設協が要望 (那智勝浦町 )
高速道路をつなぐ建設促進那智勝浦協議会(小阪三喜子会長)はこのほど、近畿自動車道紀勢線すさみ・那智勝浦間(串本太地道路)の早期整備やその工事に伴う年内の起工式開催について、国土交通省や地元選出の国会議員などの元を訪問し要望活動に取り組んだ。
11月の要望では小阪会長や大江清一副会長、漆畑繁生副会長らと共に、堀順一郎那智勝浦町長も同行。
国交省道路局の村山一弥局長や長谷川朋弘国道・技術課長、加藤鮎子国土交通大臣政務官、泉田裕彦国土交通大臣政務官らと面会。さらに自由民主党の二階俊博衆院議員や鶴保庸介参院議員、林幹雄衆院議員、鈴木英敬衆院議員などの元を訪ねた。
要望書には全国的に、近年の大型台風や局地的豪雨、地震などによる自然災害の多発、発生が懸念される南海トラフ巨大地震による津波で紀南地方は甚大な浸水被害が想定されるとし、唯一の幹線道路である国道42号の分断で、多くの「孤立地域」が発生すると記した。「防災」「減災」「国土強靱(きょうじん)化」の加速化、深化を図るため、令和3年から7年の5カ年間の事業費15兆円確保は平成31年度事業化された紀伊半島一周高速道路の完成を加速するとし、感謝を示した。
さらに「防災・減災等に資する国土強靱化基本法」にのっとり、「串本太地道路」の一日も早い多数箇所着工に向けた配慮を求める内容となっている。
小阪会長は「2025年の大阪万博までに完成し、国内外からのお客さまを安心安全に那智勝浦へお越しいただけるよう、ご配慮賜りますよう、強く要望いたします。25年には道路の景色が変わる。人々の幸せにつながる道路。道路が変われば街も変わる。私たちはこのことを望んでいます」と話した。
(2021年12月3日付紙面より)
わかやま冬交安街頭啓発 (串本町 )
串本町くじ野川にある橋杭園地駐車場で1日、わかやま冬の交通安全運動(12月1~10日)にかかる街頭啓発があり国道42号を走行するドライバーに安全運転が呼び掛けられた。
この啓発は、県・交通事故をなくする県民運動推進協議会串本地区連合会(会長=久保浩也・東牟婁振興局串本建設部部長)が主催。事務局の東牟婁振興局串本建設部と▽串本警察署▽町▽町交通指導員協議会▽串本地区交通安全母の会▽県交通安全協会串本支部―の各関係者計16人が啓発員として参加し、同署署員が国道42号を田辺市方面に向け走行する車両を同駐車場へ誘導して停車を求め啓発員が手分けしてドライバーに啓発物資を配る形で今期運動の趣旨を託した。
同協議会が掲げる今期運動の重点事項は▽飲酒運転の根絶▽高齢運転者等の安全運転意識の向上▽歩行者の安全確保と自転車の安全利用の推進―の3点で、啓発物資の一品として組み込んだ周知チラシでは佐川急便株式会社とヤマト運輸株式会社の各車両がキャラクター「きいちゃん」をモデルにした交通安全啓発ステッカーを貼って安全運転を促していることや、各重点事項に関係するトピックスなどを紹介している。
同署によると管内ではこの日のほか、6日(月)にオークワ串本店前と同古座川店前、7日(火)に同すさみ店前でも街頭啓発がある予定という。
(2021年12月3日付紙面より)
「光の祭典in紀宝」始まる (紀宝町 )
紀宝町の冬の夜空をイルミネーションで彩る「光の祭典in紀宝」が1日、同町大里のふるさと資料館で始まった。点灯期間は来年1月5日(水)までで、時間は午後6時から10時まで。12月31日(金)と1月1日(土・祝)はオールナイト点灯する。
今年も新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、密にならないよう飾り付けに工夫した。初日はカウントダウンで一斉に点灯し、かわいいキャラクターのオブジェや20㍍ツリーなどが暗闇に浮かび上がると、来場者がきらびやかな光のショーを見入っていた。2人同時にスイッチを踏むとハートが点灯するイルミネーションでは、カップルや友達同士で楽しむ姿が見受けられた。
町ににぎわいを創出しようと、光の祭典in紀宝実行委員会(西村喜久男会長)が毎年点灯。西村会長は「魅力ある明るい町づくりを願ってイルミネーションを点灯した。今年は昨年同様、医療関係者への感謝の気持ちを込めた」と話し、来場時のマスク着用を呼び掛けている。
イルミネーションをバックに演奏や踊りを繰り広げる「キラフェス」は昨年に続き中止となった。
(2021年12月3日付紙面より)
「県立高等学校の在り方」公表 (和歌山県教委 )
和歌山県教育委員会は11月30日、県立高校の再編に向けた「県立高等学校の再編整備の基本的な考え方」と「各地域における今後の県立高等学校の在り方」を発表した。
紀南エリアでは、串本古座高校は地域の特性を踏まえ、存続充実を目指し、県立新宮高校と新翔高校は地域の教育ニーズに応える1校への再編整備を検討し、着手するという。
県教委の諮問機関「きのくに教育審議会」は昨年夏、「現在29ある県立高校(全日制)の数を今後15年で3分の2の20校程度とするのが適正」といった内容の答申を提出。県教委は答申を基に再編整備実施プログラム(仮称)の策定に着手していた。
これまで、県内各地で説明会や懇談会を開催。「再編整備の考え方の骨子」や「各エリア(地域)にどのような学校や教育を整えるか」などについて説明し、意見や要望を聴取してきた。
このたびの公表では、再編整備についての共通認識を▽県民が期待する高校教育の姿▽再編整備の理念▽県立高校の魅力化に向けて重視するポイント▽再編整備のステップ―の項目別にまとめ、「県民の願いを叶(かな)えていく上で、学校規模は1学年あたり6学級を目標、4~8学級を適正範囲とする」などと記している。また「再編整備は全県的な視点で計画されるが、時期や進め方は地域により異なる。また、今後人口動態や学級定員など状況の変化があれば、柔軟に対応していく」としている。
「考え方」「在り方」はいずれも県教委ホームページから閲覧可能。
(2021年12月2日付紙面より)
水中クリスマスツリー設置 (串本ダイビング事業組合 )
串本ダイビング事業組合(高岡誠会長、会員24店舗)が11月30日、ダイビングポイント・備前の海底に水中クリスマスツリーを設置し聖夜の雰囲気を添える取り組みを始めた。
平成23年紀伊半島大水害に伴う自粛機運の打破を見据えて始めた話題づくりの一環で、実施11回目。より多くのダイバーに串本を知ってもらい、さらにはそのような挑戦を重ねる地域をアピールして町全体の盛り上げにつなげる思いで今年も取り組むこととした。
このイベントを担当する道井洋之さん(バブルリングダイバーズ串本)によると、準備したクリスマスツリーは人工物で高さは約3㍍。前日に組み立てと飾り付けをし、当日はサンタクロースの衣装を着た2人を含むダイバー8人が手分けして水深18㍍の海底に固定しアピール用の撮影をして作業を締めくくったという。
電飾は付いていないが、ダイビング時に持参する懐中電灯をその代わりにしてツリーに差し込んで記念撮影をする形でダイビング客に雰囲気を楽しんでもらうそう。人工物のため、クリスマス終了後の27日(月)以降速やかに回収するとしている。道井さんはこの話題づくりが自粛機運の打破から始まった経緯を振り返り、この取り組みがコロナ禍を乗り越え目指す盛り上がりにつながる話題となることを今後に願った。
(2021年12月2日付紙面より)
拝殿に来年の大絵馬掲揚 (熊野速玉大社 )
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で1日から一足早い迎春準備が始まった。拝殿の外に、来年のえと「壬寅(みずのえとら)」の大絵馬が掲げられた。
大絵馬はヒノキ製で、縦1・5㍍、横2・1㍍。アクリル絵の具などを使用し、瑞光を背景に梛の御幣をくわえ、鋭い眼光で前を見据える雄虎を表現。疫病や不浄を表したという岩を、たくましい前脚で力強く踏み付ける様子が描かれ、「地球のために全ての祈りを」の文字が添えられている。
例年は拝殿の内部に掲揚する大絵馬だが、参拝者が拝観しやすいように外に掲げられた。
同大社によると、新年の参拝時は今年と同様に、参拝所の石段手前にさい銭箱を配置し、要所要所に消毒液を設置するなどして参拝者の新型コロナウイルス感染症対策を講じるという。
上野宮司は掲げた絵馬について「力強い神様の虎を描き、『地球のために全ての祈りを』と書き添えた。われわれは地球のために一人一人ができることをしていかなくてはならない。自然環境を大切にする年にするためにも、速玉大社としても訴えていきたい」。
参拝者や崇敬者に対しては「年内に神社を訪れる参拝者さまのためにも一足早い迎春準備をさせていただいた。皆さまにとってより良い一年であることを祈願しております」と語った。
(2021年12月2日付紙面より)
下里小で遠隔教育プログラム (那智勝浦町 )
那智勝浦町立下里小学校(泉一代校長)で11 月30日、大手しょうゆメーカー・キッコーマン株式会社と映像でつながる「食育×しょうゆ 遠隔教育プログラム」があった。5、6年生22人がしょうゆの歴史や魅力、料理をおいしく食べる秘訣を学んだ。
静岡大学発のベンチャー企業・一般社団法人「プロフェッショナルをすべての学校に」(代表=塩田真吾・静岡大学教育学部准教授)による事業。情報通信技術(ICT)を活用してさまざまな企業と遠隔授業を行うことで、中山間地域や離島に暮らす子どもたちに多様な価値観や職業観に触れる機会を提供し、教育格差の縮小を目指す。
授業では、キッコーマン東京本社のしょうゆ博士・渡辺圭さんが講話。大豆、小麦、塩を使った製造工程やしょうゆが使われている意外な食品を紹介し「しょうゆには甘味、塩味、酸味、苦味、うま味の五つが全部入っている。おいしそうな色や味、香りを付けるだけでなく、臭み消しや殺菌効果もあり、世界中の料理で使われている」と魅力を語った。
「今までで1番『おいしく食べた』のはどんなとき?」の問いを考えるワークショップでは、児童一人一人が「野球の大会で優勝した後の焼肉」「おなかがすいたときの卵かけご飯」「山の上で海とサクラを見ながら食べる」と発表。しょうゆの搾りかすに触れる時間もあり「くせになる香り」などの声が上がった。
関谷実波さん(6年)は「しょうゆを作るにはたくさんの工程があって、温度管理なども大変だと思った。食事をおいしく食べる秘訣は、友達や家族と楽しい話をしながら食べることだと思う」と話していた。
(2021年12月2日付紙面より)
那智勝浦ゴルフ倶楽部
軟式野球部「第4回大会」 (那智勝浦町体育協会 )
JAみくまの杯学童女子軟式野球大会
県軟連東牟婁支部学童部新人大会
尾﨑酒造で初搾り (新宮市 )
熊野地方唯一の地酒メーカー、新宮市船町の尾﨑酒造株式会社(尾﨑征朗(いくろう)社長)で新酒の仕込み作業が本格化している。来年3月末までに700石、一升瓶で約7万本を造る予定で、正月用の太平洋しぼりたて生原酒、大吟醸、純米酒など約30種類の銘柄になる。
同社は紀伊半島の和歌山県田辺市以南から三重県松阪市周辺までの間で唯一、本州最南端の蔵元。6代目の尾﨑社長(77)が「地元の皆さんにかわいがってもらえるお酒を」と1880(明治13)年から約140年の伝統を守っている。
熊野川の伏流水や地元産「コシヒカリ」を使用するなど、地元「熊野」にこだわった酒造りを続けており、新宮出身の文豪・佐藤春夫や中上健次も愛飲していたことで知られている。
代表銘柄「本醸造太平洋」は「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」で2017年、18年と2年連続の最高金賞を受賞するなど、数々の栄冠に輝いている。今年8月には「全国燗(かん)酒コンテスト2021」の「お値打ちぬる燗部門」で最高金賞を受賞した。
仕込みは10月25日から始まり、11月29日に初搾りが行われた。杜氏(とうじ)を務める小林武司さん(47)らがタンクに入ったもろみを櫂(かい)でかき混ぜる「櫂入れ作業」などに取り組んでおり、清酒を利き猪口(ちょこ)にすくい、色や不純物の有無などの品質を確認した。
新酒は「太平洋」の搾りたて生原酒として今月15日(水)から店頭に並ぶ予定だ。
小林さんは「今年は暖かかったが、ここ数日で温度が下がって安心している。うま味があって飲みやすいお酒に仕上がりました」。製造部長の森本紘造さん(44)は「楽しみにして待ってくれている人もいる。地元に密着したお酒造りを心掛けている。多くの人に楽しんでいただければ」と話していた。
搾りたて生原酒は3000本限定で3135円(税込み)。商品に関する問い合わせは同社(電話0735・22・2105)まで。
(2021年12月1日付紙面より)
熊野姫まつりに大勢が参拝 (那智勝浦町 )
加寿(かす)地蔵尊世話人会(中田勝康代表)は11月27日、那智勝浦町の熊野古道駿田峠の加寿地蔵尊(同町湯川笹ノ子)で「熊野姫まつり」を開催した。10周年の節目を迎える今年も多くの人々が参拝し、催しを楽しんだ。
加寿地蔵尊は、千年前に熊野詣での途中、駿田峠で命を落としたといわれる姫を祭っている。姫の伝承にちなんだ短編映画「熊野古道加寿姫」の作成をきっかけに、それまで秋の大祭として営んでいた祭りを「熊野姫まつり」と改称し、今年で10年となる。
修験者の富岡秀清さんのほら貝に合わせ、平安装束の姫たちが加寿地蔵尊へ参拝。身体健全や無病息災を祈願する神事を営んだ。
奉納神楽のステージでは、藤紀流藤紀和会の姫組が「加寿姫舞」で稽古の成果を披露。晴天の下、タヒチアンダンスや江戸芸かっぽれ、Team雅龍のよさこい、しの笛と琴の演奏などがあり、小芝陽子さんも演歌で会場を盛り上げた。
会場ではマグロのかぶと焼きの振る舞いや農作物の販売、各家庭から持ち寄った「もらってくださいコーナー」もあり、最後は抽選券付きの「姫くじ引き」の賞品交換でにぎわった。
中田代表は「駿田峠が世界遺産に登録されて以降、本当に大勢の方に足を運んでいただいている。来年はこの地で命を落とした3人の姫をまつる三つ目の祠(ほこら)も完成する。今後も加寿地蔵尊を知っていただくため、新しいことに挑戦していきたい」と話していた。
(2021年12月1日付紙面より)
町子ども劇団等鑑賞事業 (串本町 )
串本町文化センターで11月29日、2年ぶりとなる町子ども劇団等鑑賞事業に基づく公演があり、町内の年長園児~小学4年生が劇団ポプラ=東京都=のミュージカル作品「ピーターパンとウェンディ」を鑑賞した。
この公演は、環境に秀でた同センターホールでプロの舞台芸術に親しむ機会として年1回、町教育委員会が町子ども会連絡協議会と連携し町内の小学生を対象にして実施。座席数(600席)の都合で1~3年生と4~6年生が隔年で参加する形となっていて、1~3年生が参加するときは次年度に入学する年長園児をゲストとして招待する形が定着している。
前年度は1~3年生が参加する番だったが、新型コロナウイルスの影響で実施できなかった。本年度はその巡りを引き継ぎ、劇団側が2回公演の協力をしてくれたこともあり、家族参加は見合わせたものの年長園児に加えて前年度に鑑賞できなかった4年生(前年度の3年生)も招待。対象者計491人を午前と午後の2組に分け、引率の教諭らと一緒に迎えた。
午後の部実施に当たり同協議会の小原真子会長は、年長園児もいることから分かりやすく「(本物の演劇を見るのは)なかなかない機会なので、しっかりと楽しんで」と気持ちを促して歓迎。以降はさっそく上演が始まり、約90分の鑑賞に親しんだ。普段は家族の参加も受け入れているが、今回は子どもと教職員のみに制限した。
(2021年12月1日付紙面より)
観光機構の理事会で選任 (那智勝浦町 )
一般社団法人那智勝浦観光機構(NACKT)は11月29日、那智勝浦町築地の商工会館(南紀くろしお商工会本所)で令和3年度の第2回理事会を開いた。この日はオンライン含め11人が出席。機構設立時より理事長を務めてきた堀順一郎町長が理事長を退任し、清水貞吾副理事長が理事長職を引き継いだ。そのほか、一般会計収支補正予算などが承認された。
機構が11月4日付で観光地域づくり法人(登録DMO)となったことを受け、堀町長が19日付で理事長辞職届を提出。堀町長は機構が登録DMOとなったことで国庫補助金をはじめとする国からの支援が幅広く受けることが可能となったことを説明し、「かねて登録DMOとなった際には町の観光施策を推進していくためにも、常に観光の最前線におられて、民間の感覚と経験を持った方に交代すべきだと考えていた。今後は理事として引き続き、機構の運営に尽力してまいります」とあいさつした。
事務局からは南紀勝浦温泉旅館組合長の清水副理事長が理事長に、副理事長には理事である南紀くろしお商工会の森川起安会長が選任され、全会一致で承認となった。
森川副理事長は「堀町長、立ち上げから今日までの間、本当にご苦労さまでした。今後は副理事長として、理事長を支えていきたい」。
清水理事長は「大役を仰せつかり、身の引き締まる思い。観光機構の定款には関係団体と連携し、町の観光振興や地域活性化、産業の振興に関する事業を行い、地域の経済振興と地域社会の健全かつ持続的発展に寄与することが目的となっている。それらを皆さまと連携をしながら、精いっぱい努力する所存でございます」と抱負を述べた。
(2021年12月1日付紙面より)