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2021年09月28日
1 上陸・産卵「来年に期待」
 海亀を守る会がウミガメ放流  (新宮市王子ヶ浜 )

 ウミガメの保護活動を展開する「紀伊半島の海亀を守る会」(榎本晴光会長、環境ファースト連合会員)の会員4人は26日、新宮市の王子ヶ浜で14匹のアカウミガメを放流した。榎本会長は「今年は想像通りふ化率が低かったが少しでもふ化してくれて良かった」と総括した。

 同浜は絶滅危惧種・アカウミガメが訪れる世界でも数少ない海岸の一つ。同会は、波浪流失や小動物の捕食被害からアカウミガメの卵を守るための保護活動を行っている。卵は海岸に隣接するふ化場に移し、ふ化した子ガメは秋ごろ、同会や関係者、近隣住民らの手によって海に戻される。

 アカウミガメの上陸・産卵シーズンは5月中旬から8月半ばごろまで。1回の産卵で平均110~120個の卵を産み、60~80日でふ化する。

 同浜では、例年より早めとなった5月20日に今期初上陸および産卵が確認。会員らは同浜の大規模清掃活動などを通してウミガメの上陸に備えたが、初上陸以降、上陸はあったものの産卵は確認されなかった。

 初産卵で発見された卵は98個。うち、15匹がふ化したが1匹が死んだ。榎本会長によると、早い時期に産卵が見られた場合、砂の温度が低いなどの理由からふ化率は低いという。さらに、今年は産卵からふ化までに約90日を要した。

 会員らは、7㌢ほどに成長したウミガメを波打ち際で放流。榎本会長は「今年は天候不順などが影響して上陸も産卵も少なかった。来年に期待したい」と思いを語った。

(2021年9月28日付紙面より)

「紀伊半島の海亀を守る会」会員らがウミガメを放流=26日、新宮市の王子ヶ浜
7㌢ほどに成長したウミガメ
2021年09月28日
2 逆境に強い中小企業って?
 中村朱美さんが講演  (新宮市 )

 新宮市井の沢の新宮商工会議所で25日、同会議所が主催する繁盛店づくり推進事業「逆境に負けない強い中小企業の在り方―withコロナafterコロナの時代に向けて―」があり、㈱minitts代表取締役の中村朱美さんが講話した。

 中村さんは京都府亀岡市生まれ。専門学校の職員として勤務後、飲食事業や不動産事業を行う同社を設立。「1日100食」をコンセプトにおいしいものを手軽な値段で食べられる「佰食屋(ひゃくしょくや)」を行列のできる人気店へと成長させた。利用客や従業員、そして環境にも優しい経営の実現により、第32回人間力大賞農林水産大臣奨励賞、ForbesJAPANウーマンオブザイヤー2019大賞などを受賞している。

 100食という「制約」におけるメリットについて、中村さんは「毎日同じ量を出すのでどれだけ発注するかを考える必要もない。フードロスにつながり従業員の労働時間削減にもつながる」。地元食材業者の安定供給にも寄与できるとした。「100食限定」が生む希少価値に加えて原価率を上げ、宣伝広告費を削減した分を商品力アップに注いでいく経営術を紹介した。

 コロナ後を見越した「真の働き方改革」は「従業員が自己決定権を持つこと」とし、同店では▽出勤・退勤時間、それに伴う基本給を自分で選べる▽上司や自己評価だけではなく同僚や部下、客の口コミなど、関わる全ての人からの評価が反映される360度評価制度―を組み合わせることでモチベーションが維持されていると説明。

 有給休暇が自由に管理・取得できることに伴う人手不足対策として、常に人員を多く採用していると述べ「労働力が多いことで毎日80%の実力で労働をこなすことができる」と利点を話した。

 新型コロナウイルスが全国的に広がりを見せ始めた昨年、中村さんは緊急事態宣言発出前に2店舗の閉鎖を決意。

 そんな逆境のさなか、コロナに対する心理的不安が広がる中において、医療従事者への支援のためのコロナ対策や食中毒対策、店舗の行動指針などを会員制交流サイト(SNS)で発表。

 新型コロナの次の波を見据え商品開発を行ったほか、年末年始や卒業シーズンにおける新しいテークアウトの在り方を発信するなどして危機を乗り越えたことに対し、中村さんは「当たり前のことを誰よりも早く、たくさんやることが必要なのでは」と提案した。

 中村さんは、2店舗の閉鎖を決定した際、閉鎖店舗から出た計4㌧のごみを夫婦2人で処理した経験から「人を救うのは筋力」「経験が災害対応につながるのでは」と思い立って企画した、防災と筋力を掛け合わせた新事業「防災筋力」を紹介。

 経営のためには「会社」「働く人」「客」「仕入れ先」「環境」の一つも欠けてはいけないとし「AI(人工知能)、テクノロジーは愛を込めることはできない。事業に愛を込めるのが大事」と呼び掛けた。

(2021年9月28日付紙面より)

中村朱美さんが講話した=25日、新宮市井の沢
2021年09月28日
3 技術運用し支障乗り越える
 旧役場本庁舎内で実動訓練  (串本町消防本部 )

 串本町消防本部(寺島正彦消防長)の串本消防署(井本茂署長)が17日と24日、旧役場本庁舎を用いて実動訓練に取り組んだ。24日は第2警防班が資器材使用訓練を実施。日頃培っている技術を運用して救助の支障を乗り越える流れを実際の施設を用いて経験した。

 同本庁舎は8日から解体工事の工期に入り、10月から作業が本格化する予定。現状、内部で実動に近い想定訓練が実施可能だと判断し、17日に第1、24日に第2の各警防班がそれぞれに立てた訓練計画に基づいて臨んだ。

 第2警防班は倒壊建造物を想定し、エンジンカッターやドリルなどを用いて救助ルートを妨げる支障を取り除く手順を実践。当日は11人組で行動し、鉄扉や防火扉をエンジンカッターで切り開き鉄筋コンクリート製の壁をドリルで貫通するといった課題に対しどのような手法をとるべきかの判断も含めて実践した。資器材については時間をかけ全員が順番で取り扱い、個々に習熟に努めた。

 井本署長によると、第1警防班は火災を想定し、火勢が増し施設内から退避できなくなった職員を救出する手順を実践したという。職員は日頃の訓練で資器材の取り扱いなど技術の習熟に努めているが、実運用については現場同等の環境を準備する手間があり、現場自体が熟練するほど頻発しないこともあって習熟が難しい状況にある。今回は延焼や倒壊こそしていないものの、実現場に近い環境で身に付けた技術の運用に臨める絶好の機会となった。

 同訓練の様子を見守った井本署長は「実際の施設を用いたことで、例えば防火扉には心材が入っているなど今まで気付かなかった状況の発見もあった。(同本部は近年)若手の職員が増え平均年齢も若返っているが、同時に技術の習熟が求められる状況ともなっている。今回の経験を技術の一層の向上につなげることを職員の今後に期待したい」などコメントした。

(2021年9月28日付紙面より)

エンジンカッターで鉄扉を切り開こうとする職員=24日、旧串本町役場本庁舎別館
2021年09月28日
4 楽しく元気に運動会
 幼稚園や保育所などでシーズン始まる  (新宮市・那智勝浦町 )

 新宮市と那智勝浦町の幼稚園、保育園、保育所、こども園で運動会シーズンを迎えた。

 同市三輪崎の保育所型認定こども園「白梅保育園」(鈴木晴貴園長、園児43人)は26日、同市佐野のくろしおスタジアム屋内練習場で「第41回うんどうかい」を開催。園児たちはかけっこやダンスなど、さまざまな競技に元気いっぱい取り組んだ。

 運動会は「今日もげんき!」の体操でスタート。保護者や職員が見守る中、園児はかけっこやリレー、玉入れなど、全12種目に臨んだ。

 後半には3、4、5歳児が日頃の練習で取り組んで来た迫力ある「白梅太鼓2021『Make you happy』」を披露。会場から大きな拍手が送られた。

 鈴木園長は「子どもたちの一生懸命ながらも楽しそうな姿が見られました。コロナ禍で制限せざるを得ない行事もあるかもしれないが、明るく元気で健康な園生活を過ごしてもらえれば」と話していた。

(2021年9月28日付紙面より)

「白梅太鼓」を披露する園児=26日、新宮市佐野のくろしおスタジアム屋内練習場
一生懸命ゴールを目指した「TAKE OFF」
2021年09月28日
5 「交通事故死ゼロを目指す日」  管内3市町の庁舎に啓発物品  (紀宝署 )
2021年09月28日
6 前田君、竹中さんが入賞  動物愛護の絵・ポスター  (三重県 )
2021年09月28日
7 感染対策施し踊り楽しむ  蓬莱地区でサロン「民謡」  (新宮市 )
2021年09月28日
8 緑色の穂が風に揺れる  秋の風物詩・エノコログサ  
2021年09月28日
9 珍しい果実?自宅の畑で  長雄さん宅のバナナなど  (那智勝浦町 )
2021年09月28日
10 ドングリがいっぱい!  宇久井小1年が校外学習  (那智勝浦町 )
2021年09月28日
11 刈り取ったイネを脱穀  高池小5、6年生22人  (古座川町 )
2021年09月28日
12 ゆかりの御霊一同に供養  成就寺で千灯供養法要会  (串本町 )
2021年09月28日
13 配布など前提で6種類製作  『宇宙兄弟』コラボグッズ  (串本町 )
2021年09月28日
14 お悔やみ情報
  
2021年09月23日
15 事故減少のために協力を
 広角南交差点、信号機表示変更へ  (新宮警察署 )

 国道42号、広角南交差点(新宮市)の信号機の表示方法が今月30日の夕方ごろから変更となる。変更に伴い、同交差点は同日午後2時ごろより切り替え工事を実施。新宮警察署では「工事中は渋滞が発生する可能性もあるが、警察の指示に従って安全運転に協力を」と呼び掛けている。

 現在、青信号で直進左折車と右折車が同時通行となる同交差点。直進車と右折車の接触事故が絶えず、令和2年中(1~12月)には人身事故1件、物損事故7件が発生。今年1月から8月末にかけては人身事故の発生はなかったものの、10件の物損事故が発生している。

 信号機の表示切り替えは、右折車と直進車の接触を避けるなど、交通事故を一件でも減らすために講じられるもので、切り替えにかかる工事は数時間を予定しているという。改良後には矢印信号により直進左折車と右折車が分離となる。

 同署の楠間慎也交通課長は「交通状況の改良のためということにご理解を。ご迷惑をお掛けするかもしれないが、矢印信号に従って安全運転で通行していただければ」と話している。

(2021年9月23日付紙面より)

信号運用が変更となる、新宮市の「広角南」交差点

2021年09月23日
16 安心して遊べる公園を
 昨年度うどの幼保護者ら要望  (紀宝町 )

 昨年度の紀宝町立うどの幼稚園の保護者らが21日、紀宝町役場で西田健町長と面会し、184世帯479人分の署名を添えて防災公園の設置を要望した。

 既存の公園の老朽化やコンビニがたまり場になっていること、室内でのゲーム遊びに依存しがちになっている現状を踏まえ、令和2年度の同園PTA役員会が、3月から町内の子育て世代への署名活動を行った。

 新年度になったため、名称を「防災公園設立委員会」とし、子どもが安心して遊べる場所づくりを求めて取り組んでいる。

 要望では▽子どもが徒歩や自転車で行ける場所への設置▽安全に自転車の練習ができる広さがあること▽子どもから高齢者までが集える環境であること▽災害時にも活用できる機能があること―などを訴えた。

 この日は、委員長で同PTA前会長の中澤武さん、副委員長の中村和隆さんが訪れ、西田町長に要望書を渡し、意見を交わした。

 中澤さんは「子どもとお年寄りが寄り添えるような場所にしたい。次世代に地元にいてもらえるような起爆剤になり、地方創生に結び付けばいい」と伝えた。中村さんも「大人の目が届き、安心して遊べる場所に公園をつくってほしい」と話した。

 西田町長は「紀宝町に住んでもらいたいというのが原点で、このまちで安心して子育てをしていってほしい。気持ちはしっかり受け止めたい」と答えた。

 同町によると、町内に公園は条例化されていない4カ所を含めて18カ所ある。地区別では、鵜殿10カ所、井田2カ所、神内1カ所、成川1カ所、鮒田2カ所、大里2カ所となっている。

(2021年9月23日付紙面より)

要望書を渡す中澤武さん(中)と中村和隆さん(左)=21日、紀宝町役場
2021年09月23日
17 交通ルールの順守呼び掛け
 秋の交通安全運動で啓発  (串本町 )

 正しい交通ルールの順守とマナーの実践を呼び掛ける「秋の全国交通安全運動」が21日、始まった。串本町くじ野川の橋杭海水浴場駐車場では街頭啓発があり、関係者らが物資を配布しドライバーへ安全運転や交通ルールの順守などを求めた。

 同運動は30日(木)までの10日間。県内では▽子どもと高齢者をはじめとする歩行者の安全の確保▽夕暮れ時と夜間の事故防止と歩行者などの保護など安全運転意識の向上▽自転車の安全確保と交通ルール順守の徹底▽飲酒運転などの悪質・危険な運転の根絶―を重点にし活動が行われる。

 この啓発では交通事故をなくする県民運動推進協議会串本地区連合会の事務局・東牟婁振興局串本建設部、串本警察署、町交通指導員会、串本地区交通安全母の会、町などの関係者らが参加。同連合会会長の久保浩也・串本建設部長は重点を挙げ、秋の行楽シーズンで交通量も増加することから交通安全運動の取り組みの効果で事故が少しでも減少すればと述べた。

 同町の平井治司副町長は「運動期間中はもとより、日頃からも町において職員一丸となり交通ルールを順守するとともに、マナーの向上に努め、交通事故防止活動に積極的に参加し、町民の模範となるよう努力していきたい」。

 串本警察署の泉政勝署長は8月末現在の管内の交通事故発生状況を人身事故12件、物損329件の計341件で昨年同期と比較し微増していると説明。うち8割近くが地域住民の関わる事故となっており、啓発活動を通じ地元住民に「安全運動なんや。気を付けて運転せなあかん」と思ってもらうことに価値があると呼び掛けた。

 あいさつ後、パトカーや白バイがそれぞれパトロールに出発。以降ドライバーを駐車場に誘導し、物資を手渡すと「交通安全運動です」と声を掛けるなどして注意を促した。

(2021年9月23日付紙面より)

啓発物資を手渡し、注意を促した=21日、串本町くじ野川
2021年09月23日
18 渚の会が清掃に取り組む
 秋の海ごみゼロウイーク  (那智勝浦町 )

 日本財団「海と日本PROJECT」と環境省などが実施する全国一斉清掃キャンペーン「秋の海ごみゼロウイーク」にエントリーした「かつうら渚(なぎさ)の会」(猪飼伸会長)は19日、那智勝浦町のブルービーチ那智で清掃活動に取り組んだ。会員や一般参加者など45人ほどが集まり、マスク着用や3密に注意するなど新型コロナウイルス感染症対策を施して作業に汗を流した。

 清掃キャンペーンは同財団らが海洋ごみ問題の周知啓発と海洋ごみの流出を少しでも防ぐことを目的に、「ごみゼロの日」の5月30日から6月8日の「世界海洋デー」前後を「春の海ごみゼロウイーク」、9月18日の「ワールドクリーンアップデー」から26日までを「秋の海ごみゼロウイーク」と定めている。渚の会は春にもエントリーし、約100人が参加して海岸をきれいにした。

 前回と同様にキャンペーンの必須アイテムである青色の服やタオル、帽子などを身に着けた参加者が協力し合って海藻や流木などの漂着物やごみを拾った。

 同会の濵邊誠治副会長は「天気や潮によって漂着物の量は違うが、有名な那智の浜をきれいにすると気持ちがいい」。

 猪飼会長は「次回からは那智浜での清掃はザルなどを使って少しでも砂を減らさないようにしようと思う。若い世代の参加者が増えてくれてうれしい。子どもから大人まで皆さんで町の海をきれいにしていきたい」と語った。

(2021年9月23日付紙面より)

清掃活動に取り組んだかつうら渚の会や参加者の皆さん=19日、那智勝浦町のブルービーチ那智(一時的にマスクを外して撮影)
ごみ拾いに汗を流した
2021年09月23日
19 口紅のごとくあでやかに  宇久井半島の森にクチベニタケ  (那智勝浦町 )
2021年09月23日
20 和歌山31年連続で下落  三重も下落止まらず  (基準地価 )
2021年09月23日
21 追加含め全議案可決で閉会  那智勝浦町議会9月定例会  
2021年09月23日
22 観光機構や懸泉堂利活用で議論  那智勝浦町議会一般質問(終)  
2021年09月23日
23 対策講じ、練習再開  那智勝浦吹奏楽団  
2021年09月23日
24 2カ月ぶり、練習再開  紀の国わかやま文化祭「天の剣を託された男」  (熊野新宮ミュージアム )
2021年09月23日
25 新鮮で楽しい思い出  5、6年生がデイキャンプ  (熊野川小 )
2021年09月23日
26 町の発展祈願し斎行  勝浦八幡神社例大祭  
2021年09月23日
27 正しく使おう「抗原検査キット」  図らずも、PCR体験  
2021年09月23日
28 交通安全活動に協力を  安全運転管理推奨像伝達式  (紀宝署 )
2021年09月23日
29 楽しい一日過ごす  潮岬小5年生がデイキャンプ  (串本町 )
2021年09月23日
30 第3回定例会一般質問①  串本町議会  
2021年09月09日
31 ベトナムの高校生と交流
 対日理解促進プログラム  (新宮高校 )

 外務省が推進する国際交流事業「対日理解促進交流プログラムJENESYS」の一環として7日、和歌山県とベトナム・クアンナム省の高校生のオンライン学校交流が行われた。当地方からは新宮高校から4人が参加し、英語を中心に和気あいあいと互いの地域の歴史文化や学校生活について伝えた。

 和歌山県―ベトナム間の青少年交流は、2019年にグエン・スアン・フック首相(現国家主席)が来県したことが契機となってスタート。翌20年1月に県内6高校の生徒がベトナムを訪問し、現地の人々との交流や文化体験を通じて日本・ベトナム両国の関係について知見を深めた。

 今年はベトナムの高校生を県に招く予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大により両国間の往来ができないため、オンライン交流を実施する運びとなった。

 この日は県内6校から23人、ベトナムの2校から20人が参加。新宮高校生による学校・地域紹介では、今年同校が創立120周年を迎えることやクラブ活動の様子、地元銘菓の鈴焼などについて発表。他高校の生徒らも、分散登校とオンライン授業を併用した学校生活やそれぞれの地域の観光名所について伝え、浴衣で参加する姿も見られた。

 ベトナムの高校生も動画を交えて学校の歴史や学校祭、ローカルフードについての紹介。グエン・ビン・キエム専門高校の生徒と交流した東崎心さん(高2)は「コロナ禍の中、他の国の高校生はどんな学校生活を過ごしているのか知りたいと思って参加した。アニメや韓国アイドルなど、生徒の間ではやっているものは一緒だが、女の子の制服の形などが違うと感じた。新型コロナが収束したら、ベトナムに行ってみたい」と語った。

 最後にクアンナム省教育訓練局のグエン・コン・タン次長が「互いの地域の高校生が、温かな雰囲気で交流する様子を見た。新型コロナの感染が続く中だが、今後も定期的に高校生の交流事業を実施していき、より建設的な関係を築いていきたい。和歌山県の関係者や教職員、生徒たちの健康と幸福を願っている」と結んだ。

(2021年9月9日付紙面より)

交流に参加した生徒たち(日本国際協力センター提供)
学校生活について発表する生徒=7日、新宮市の県立新宮高校
2021年09月09日
32 高池小が最優秀賞
 「人権の花運動」写真コンテスト  (古座川町 )

 和歌山県人権啓発活動ネットワーク協議会主催の「第39回和歌山県小学校人権の花運動」写真コンテストの結果が発表された。116校の応募の中から最優秀賞10校が選ばれ、古座川町立高池小学校(大畑眞校長)が入賞した。

 小学生が協力して花を育てる中で命の尊さを実感し、人権尊重思想を育み情操をより豊かにしようと実施している。同小は毎年「花いっぱい あいさつ日本一の高池小学校」をテーマにコンテストに応募している。最優秀賞の受賞は3年ぶり。

 コンテストに応募した写真は今年の3月24日に撮影した。同協議会から送られたチューリップの他、ノースポールやネモフィラ、パンジーやビオラなどさまざまな花がちょうど見頃を迎えた時期で、当時5年生だった現6年生が笑顔で写っている。

 現在園芸委員を務めているのは6年生の紀田音色(ねいろ)さんと尾崎蓮音(れのん)君、5年生の洞勇佑君。委員長の紀田さんは「係の日は朝登校して準備をしたら花の水やりをします。元々動物や植物の世話をするのが好き。先生や昨年の園芸部の人が育ててくれた花が受賞でき、うれしいです」。

 中心となって関わる校務員の東山仁美さんは「卒業する6年生と入学してくる新1年生を、たくさんの花で送り、迎えたいという思いで育てています。散歩コースを変えて見に来てくれる方もおり、地域の人にも喜んでもらえてうれしいです」と笑顔。

 大畑校長は「校務員の東山さんがよくしてくれています。道行く人が『きれいやね』と声を掛けてくれ、子どもたちも授業で観察したりスケッチをしたりする機会があるなど、学校の環境整備や子どもたちの情操教育にも花は大切だと思います」と話していた。

 本紙エリアでは優秀賞に新宮市立三輪崎小学校と那智勝浦町立宇久井小学校、奨励賞に市立神倉小学校と王子ヶ浜小学校が入選している。最優秀賞と優秀賞の作品は11月20日(土)に和歌山ビッグホエールで開催の「ふれあい人権フェスタ2021」で展示を予定している。

(2021年9月9日付紙面より)

最優秀賞を受賞した写真(高池小学校提供)
花壇の前で笑顔を見せる園芸委員の児童と校務員の東山仁美さん=6日、古座川町立高池小学校
2021年09月09日
33 きれいな校内で2学期迎える
 大規模改修で教室など改装  (矢渕中 )

 夏休み期間中も続いた紀宝町立矢渕中学校の大規模改修工事。7月20日の1学期終業式以降、生徒の立ち入りを原則中止し、校舎内の改装工事が集中的に行われた。

 夏休み中は教室棟の内部工事を施工し、床や内壁、天井の改修工事、照明器具のLED取り替え、黒板、ロッカー、下足箱などの設置が完了した。生徒たちはきれいになった校内で2学期の学校生活を過ごしている。

 1974年に建設された校舎の老朽化が進むことから、町では大規模改修を計画。3月から本格的に工事が始まり、8月末時点で全工程の70%ほどが完成した。現在は外壁の修繕、防水塗装工事などに取り組んでいる。

 今後は、運動場のバックネット、防球ネット、駐輪場改修などを予定しているという。

 竹原巧校長は「終業式後から生徒が立ち入らない校舎内で改装工事が精力的に行われました。お盆も休みを返上して業務に取り組んでいただいたおかげで2学期を迎えることができました」と感謝し、「教室のロッカーが以前より1・5倍広くなり、使いやすくなったと好評です。廊下も木目調で温かみを感じ、LED照明のおかげで学校全体が明るくなった。玄関の靴箱もきれいになり、生徒たちも喜んでいます」と話していた。

(2021年9月9日付紙面より)

きれいになった下足箱や廊下=紀宝町立矢渕中学校
改修工事を終えた教室で授業に取り組む生徒たち
2021年09月09日
34 南紀園職員が15年表彰受賞
 全国老人福祉施設協議会  (太地町 )

 公益社団法人全国老人福祉施設協議会はこのほど、令和3年度の15年表彰を行い、太地町にある東牟婁郡町村新宮市老人福祉施設事務組合南紀園の岩佐記久子さんと、世古龍さん、掛橋みかさんに表彰状が贈られた。南紀園において初の表彰であり、金田健治園長から3人に表彰状が伝達された。

 表彰は同協議会が、多年にわたり老人福祉および介護事業に貢献し、その業績が顕著な正会員・準会員の施設および事業所の施設長や職員などに対し、功績を顕彰して労苦に報いることなどが目的。

 在職期間が通算15年以上の人が対象となる。全国で3923人が対象となり、和歌山県では98人が選ばれた。

 養護老人ホームの岩佐さんは「子育てしながらの勤務だった。家族の支えのおかげで15年間続けてこられたと思う」。

 特別養護老人ホームの世古さんは「入社してからここまで長く勤められたことを自分なりにほめてあげたい。今後は、20年、25年と頑張っていきたい」。

 掛橋さんは「家族の協力があり勤められた。いろいろなことがあったが、周囲にも恵まれていたので楽しく仕事ができている。感謝しています」と笑顔で話した。

 金田園長は「15年という長い間、ご苦労もあったと思う。一生懸命やってくれたことが表彰につながった。これからもよりいっそう頑張っていただけましたら」とねぎらった。

 その後、開かれたリーダー会議において、3人の伝達式が行われた。

(2021年9月9日付紙面より)

世古龍さん(前列左)、掛橋みかさん(同中央)、岩佐記久子さん(同右)が表彰された=7日、太地町の東牟婁郡町村新宮市老人福祉施設事務組合南紀園(一時的にマスクを外して撮影)
2021年09月09日
35 雑木林でアカヤマドリタケ  キノコシーズン到来か  
2021年09月09日
36 入賞作品候補17点を選考  観光フォトコン審査実施  (串本町 )
2021年09月09日
37 コロナ関連補正予算など  町会議第3回定例会始まる  (古座川町 )
2021年09月09日
38 ポジティブ行動支援学ぶ  市教育研究会が夏期講演会  (新宮市 )
2021年09月09日
39 将来の進路実現に向け  新翔高で就職希望生壮行式  (新宮市 )
2021年09月09日
40 4人が特別賞受ける  第55回記念高野山競書大会  (香波書道教室 )
2021年09月09日
41 10年前、町で起きたこと  市野々小学校で防災学習  (那智勝浦町 )
2021年09月09日
42 開館まであと1カ月  新宮市「丹鶴ホール」  
2021年09月09日
43 全小中学校にテントを寄贈  地域貢献活動で町建設業組合が  (紀宝町 )
2021年09月09日
44 女子大生が駅前でカフェ起業  活性化に大きな期待  (熊野市 )
2021年09月08日
45 来館者に安心安全を
 開館控え、合同消防訓練  (新宮市「丹鶴ホール」 )

 10月3日(日)に開館を迎える新宮市文化複合施設「丹鶴ホール」(同市下本町)で6日、合同消防訓練があった。市教育委員会文化振興課職員、市立図書館職員、消防職員ら39人が参加。施設開館に備え、消火や来館者の避難誘導訓練に当たった。

 訓練を事前に実施することで、開館後の来館者の安心・安全な施設利用につなげる目的。平日、ホール貸館時に1階備品庫から出火したとの想定で実施。

 来館者は車いす利用者など避難困難者を含む500人を想定し、消防職員が消火やはしご車を使った救助活動に当たる中、市職員らが各階の来館者を誘導。非常用階段避難車(キャリダン)を利用し、避難困難者を搬送した。

 訓練を終え、垣内一男署長は「初期消火、誘導、消防署への通報など、計画に基づいて担当それぞれが落ち着いて行動できていた。避難器具を使った避難困難者もスムーズかつ安全に誘導できていたのでは」と講評。

 「施設を利用いただく皆さんの安心・安全を守るためには連携が不可欠。今後も計画通りの対応ができるように万全を期していければ」と呼び掛けた。

 越水薫消防長は「職員の皆さんには訓練のときだけではなく、特にホールや図書館からの避難誘導などは普段から危機感をもって業務していただきたい。消防本部としても、全ての災害面で職員とさまざまな連携、協力をさせていただききたい」。

 文化振興課の宮上圭巨課長補佐は「想定に沿って適切な動きができたと思う。今日はシナリオも時間も決まっていたが、実際にはいつ起こるか分からない。いざというときに慌てないように何度も繰り返し訓練を続け、皆さんに安心してご利用いただけるように努めたい」と話していた。

(2021年9月8日付紙面より)

はしご車を使った救助訓練の様子=6日、新宮市下本町
避難困難者を想定した搬送訓練
消火訓練に当たる消防職員ら
2021年09月08日
46 コロナ禍でも地域で子育て
 ファミサポセンター  (紀宝町 )

 新型コロナウイルスの影響で〝孤立化〟が懸念される中、紀宝町では子育て世代へのニーズに応えるため、個人で対応するファミリーサポートセンターを継続中だ。子育てしやすい環境を整備することで、地域の中で助け合いながら子育てする取り組みが進んでいる。

 町内で新型コロナウイルスが確認されたことから、町では現在「新型コロナウイルス感染症対応タイムライン」のステージ5(非常事態)の状況だ。

 このタイムラインは町独自の取り組みで、「町内での感染や感染拡大が想定される場合」のステージ5を受け「紀宝はぐくみの森」(神内)2階の町子育て支援センターは、8月2日から閉所の措置を取っている。

 センターには遊具や絵本があり、子育て世代の交流の場として多くの親子が利用する施設。保育士が常駐し、母親同士の交流を大切にしながら子育ての相談なども受け付けており、早期の再開を望む声も多い。施設では現在、備品の消毒など再開に向けた準備を進めている。

 一方、密になりにくい家庭などで子どもを預かるファミリーサポートセンターは運営を続けている。生後6カ月~小学6年生を対象に、子育てを助けてほしい人の依頼に応じてサポート会員を紹介する会員組織で、7月には100件を超える依頼があった。

 急用や冠婚葬祭、通院、買い物、保育所の迎えなど理由はさまざま。コロナ禍であっても、仕事を休めない保護者に代わって地域ぐるみで子どもたちの生活を支えている。

(2021年9月8日付紙面より)

再開を待つ子育て支援センター=紀宝町神内
2021年09月08日
47 標識付きクエの連絡求む
 南部栽培漁業セが呼び掛け  (県栽培漁業協会 )

 串本町串本にある県栽培漁業協会南部栽培漁業センター(村尾啓一所長)で6日、放流するクエの稚魚に標識を付ける作業があった。後の漁獲時に放流魚と分かるようにするのが狙いで、村尾所長は「標識付きのクエを漁獲した方は、お手数ですが最寄りの漁協か本センターへご連絡を」と協力を呼び掛けている。

 この標識は、同センター産稚魚の放流効果を確かめることが目的。同センターが開所した2011年は右、12年は左の腹びれをそれぞれ抜去、間を開けて15年はダートタグ(県の略称〈WK〉、連絡先電話番号、Bから始まる通し番号を記載)を付ける標識付けをし、串本町、日高町、印南町で放流した。

 以降、方法を左の腹びれの抜去に一本化し、安定的に年次放流を続ける串本町を調査域として18年度以降の放流分に全て標識付けしている。同町産業課によると、この年次放流は海産資源の増大を目的として実施。和歌山東漁業協同組合と話し合い、現在はヒラメとクエの2種類を放流しているという。同町のクエの放流規模は毎年6000匹。この日は同センターに加え同課や県水産試験場の各職員も応援に駆け付け、12人がかりで作業に当たった。

 同センターが準備したクエは5月にふ化した稚魚で、体長は10㌢前後。作業は麻酔をかけピンセットで腹びれを引き抜く内容で、適切に抜去すればそのクエは生涯ひれが再生せず標識にできるという。放流は同漁協に依頼して9日(木)に実施予定。餌があり他魚などによる捕食のリスクが低いなど生残率の高さが見込める海域に分散して放つとしている。

 このサイズの稚魚が海で漁獲対象となる大きさとなるまでに要する期間は約10年。初期の標識付け分がいよいよ漁獲にかかる段階に差し掛かったため、同センターは漁協や遊漁事業者、釣具店など漁獲関係者とつながる拠点経由で標識付けの周知を図っている。

 漁獲時の連絡事項は▽漁獲日と場所、方法、体長、体重▽標識の形状(腹びれの欠落の位置またはタグ)▽漁獲者の連絡先(住所・氏名・電話番号など)。問い合わせは同センター(電話0735・67・7770)まで。

(2021年9月8日付紙面より)

放流するクエの稚魚に標識付けをする関係者=6日、串本町串本

2021年09月08日
48 地元産の野菜を食べよう
 勝浦小学校で農業学習  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町立勝浦小学校(山下真司校長)で3日、農業学習があり、3年生37人が農家の仕事や野菜が食卓に届くまでの仕組み、「地産地消」などについて学んだ。

 社会科の一環で、同町太田で農家を営む松本安弘さん、新宮広域圏公設地方卸売市場の中本勝久市場長、清水貴晶主事が来校した。

 年間20種類の野菜を育てている松本さんは、旬のナスを例に収穫、選別、出荷、畑の消毒や病気のチェックといった農家の一日を紹介。台風による風水害や害虫との闘いに加え、最近ではシカやイノシシによる獣害も増えていることなどを伝えた。

 「野菜のおじさん」として親しまれている中本市場長は▽病気を防ぐ▽骨を強くする▽血液をさらさらにする―など野菜が持つすごいパワーを紹介。「競り」が行われている市場の仕組みや、店で野菜を購入するときに支払ったお金が農家に還元される流れを説明し、「地元産の野菜は新鮮でおいしくて安心安全。地元野菜を食べることで無駄な輸送費もかからず、地元農家へお金が還元されるといういい循環が生まれる。みなさんには、おいしい野菜を食べて元気に学校に通ってほしい」と呼び掛けた。

 この日の給食には「春雨とゴーヤーの炒め物」が出され、放課後には児童にナスやクリ、青切りミカン、ナシなどがプレゼントされていた。

(2021年9月8日付紙面より)

中本勝久市場長が講話=3日、那智勝浦町立勝浦小学校
2021年09月08日
49 5選手が近畿大会へ
 選手権県予選会などで活躍  (新翔高バドミントン部 )
2021年09月08日
50 児童たちに新米324㌔届く  稲刈り中止で地区住民が収穫  (神内小 )
2021年09月08日
51 秋の気配漂う彼岸花  丸山千枚田の棚田を彩り  (熊野市紀和町 )
2021年09月08日
52 9月定例会が開会  一般会計補正など16議案  (新宮市議会 )
2021年09月08日
53 バス路線変更など27件上程  那智勝浦町議会9月定例会開会  
2021年09月08日
54 装い新たに運航スタート  ホテル浦島の浦島丸  (那智勝浦町 )
2021年09月08日
55 皆で収穫作業に汗流す  「たか田んぼ」で稲刈り  (新宮市 )
2021年09月08日
56 個展に込めた表現伝える  中里和人さんがイベント  (田並劇場 )
2021年09月08日
57 家族も含め予防意識促す  児童生徒に不織布マスク  (串本町 )
2021年09月08日
58 決算案含め27案件を上程  町議会第3回定例会始まる  (串本町 )
2021年09月08日
59 「ありがとう、元気やで」  復興に携わった全ての人へ  (新宮市熊野川町 )
2021年09月08日
60 お悔やみ情報
  
2021年09月01日
61 歌い継がれる宇久井小校歌
 歌詞作成の羽山美苗さん  (那智勝浦町 )

 「やさしい朝のあいさつが みんな仲よくたすけあう きょう一日のはじめです 明るい宇久井小学校

 みどりの芝の運動場 ちひろの浜の白砂に とんだりはねたり元気です 楽しい宇久井小学校

 大きくゆたかな黒潮の 心をうけて育とうと 勉強に仕事にはげみます かがやく宇久井小学校」―。

 「まさか自分の歌詞が選ばれるとは思わなかった。今も歌っていただいているのは本当にありがたいことです」。そう話すのは新宮市三輪崎在住の羽山美苗(みなえ)さん(93)だ。那智勝浦町立宇久井小学校で約70年歌い継がれる校歌の歌詞を作った羽山さんに当時の心境や校歌に対する思いを聞いた。

 田辺市下屋敷町に生まれた羽山さんは和歌山師範学校を卒業後、父親と同じ教職の道へ進む。幾つかの小学校を経て、20代前半で同校へ赴任。当初は知人や友人がおらず、不安を抱えていたが、当時の中地晴一校長や同僚たちに励まし支えられたという。 

 羽山さんによると、地域や教師生活に慣れてきた頃のある夏休みに、「教師への宿題」として中地校長から校歌の歌詞制作の話が上がった。同校にはすでに明治時代に作られた校歌はあったが、歌詞が難しく当時は歌われていなかったと話す。

 宇久井地域について、詳しくなかった羽山さんは困惑しながらも、夏休み期間中に地域の海や山などを自身の足で歩いて回り、前述の歌詞が完成した。その後、9月の職員会議で提出された歌詞の中から見事、羽山さんのものが選ばれた。

 「言葉や意味が難しい校歌じゃなく、子どもたちにとって分かりやすいものを心掛けて作った。私の校歌が当時の文部省に送られた後に、文部省の方が宇久井小へ来られた。歌詞にある運動場などを確認していたのを覚えている」と当時を振り返った。

 町立那智中学校で定年退職を迎え、教師としての務めを終えた。その後新宮市の自宅で、書道教室を開く。和歌山県美術家協会に所属し、現在も現役で地域の子どもや大人たちに書道を指導している。

 羽山さんは「歌い継がれていることに感謝しています。校歌にも『仲よくたすけあう』とあるように、宇久井小に赴任した時やこれまでも、今も多く方々に支えられて生きている。それを忘れず、今後も感謝していきたい」と笑顔で語った。

(2021年9月1日付紙面より)

現在も歌い継がれている校歌=8月27日、那智勝浦町立宇久井小学校体育館
校歌を作詞した羽山美苗さん
2021年09月01日
62 どうなる?老朽化する学校施設
 長寿命化計画を策定  (新宮市 )

 新宮市教育委員会はこのほど、「市学校施設等長寿命化計画」を策定した。子どもや、施設を利用する全ての人々の安心安全の確保を最優先に考え、80年改築を基本に改修周期などの方針を固めた。

 全国的な児童生徒数の減少による学校施設などの統廃合が進む。そんな中、市も例外ではなく、現在は小学校5、中学校5、幼稚園1。市教委が所管するスポーツ施設は現在7施設となっている。災害時には避難所としての役割も果たすため、施設の老朽化対策や環境整備は喫緊の課題だ。

 千穂・丹鶴小の統合に伴い神倉小が、王子・蓬莱小の統合に伴い王子ヶ浜小が誕生。その際、神倉、王子ヶ浜小ともに校舎の建て直しや増築などが実施された。建設から40年が経過し、経年劣化による雨漏りなどの被害があった緑丘中の体育館も先日、修復工事が完了した。

 しかし、城南中に至っては校舎、体育館ともに50年が経過しているほか、光洋中も45年、熊野川中も50年近く経過している。スポーツ施設では、総合体育館、佐野体育館が建築から40年以上がたっている。

 同計画は、長寿命化改修を実施し、80年改築を基本とし、改修周期は建築後25年程度で大規模改造、50年程度で長寿命化改修を実施するというもの。

 利用者の安心安全の確保を最優先とし、避難施設の位置付けも考慮しながら、ユニバーサルデザインの視点に立った施設造りを目指していくとしている。計画期間は今年7月から2060年までの40年間。なお、市の試算では計画実行で従来(築50年程度で改築を実施する更新)より年間8000万円のコスト縮減につながるという。

 一方、児童生徒数についてはどうか。市によると、2020年度の児童生徒数は約1880人。25年後の45年度には半数程度の約920人になると予測されている。

 今年2月に実施された市総合教育会議において、田岡実千年市長は「生徒数の減少に伴い、緑丘・城南中学校の2校の統合に向けて検討を」。8月19日の教育民生委員会の場で速水盛康教育長は「どのような学校にしたいかなど、さまざまなことを検討する委員会を本年度中に設置できたら」と発言した。

 計画は、学校や施設の統廃合と並行して進めていく必要があるが、施設老朽化も待ったなしの状況。市教委は「子どもたちのために安定した教育環境を整備する必要がある。子どもや施設利用者の安全性や時代性を考慮しながら、どういった施設を残すのかなどを議論していかなければならない」と話している。

(2021年9月1日付紙面より)

築50年以上が経過する城南中学校校舎=8月27日、新宮市
2021年09月01日
63 介護用ベッド一式6台寄贈
 古座川町社会福祉協議会へ  (JAみくまの )

 那智勝浦町天満に本所を置くみくまの農業協同組合(JAみくまの、漆畑繁生代表理事組合長)が8月30日、古座川町社会福祉協議会(会長・西前啓市町長)に介護用ベッド一式6台を寄贈した。

 この寄贈は、同組合とJA共済の連名で展開する地域貢献活動の一環。介護・福祉活動として同町社協が必要とする一助を話し合う中で同ベッドが話題となり、その購入代行を同町社協に依頼し現物の到着に合わせて寄贈を申し出た。

 この日は漆畑組合長と関係職員2人が西前町長を表敬訪問して目録を贈呈。その後は町社協が代行購入した同ベッドの実物を確かめて説明を受け、寄贈の旨を示すシールを貼り改めて有効活用を願い出た。

 目録の贈呈を受け西前町長は「うち(=古座川町)も高齢化率が非常に高く、介護用ベッドは昔から無料貸与している。今は55台あるが51台が稼働している状況で、今回提供いただけたことは本当にありがたい。上手に活用させてもらいたい」と述べて感謝。町社協事務局は現行の無料貸与の仕組みに乗せ、全町規模で希望を受ける中で託された同ベッドも活用していくとしている。

 この寄贈の背景には6月実施のJAみくまの第20回通常総代会で経済情勢の変化に対応しうる強固な経営基盤を確立するための拠点再編案が承認され、同町内にある七川店(購買店)と明神支所が次年度に西向支所・西向営農センターへ統合される状況がある。

 JAみくまの共済部の井上馨部長によるとサービスの提供自体は統合以降も西向を拠点にして極力不便を掛けることなく続ける方向で準備を進めているが、併せてこれまで明神、七川の拠点を支えてくれた地域への貢献ができないかを考えた末今回の寄贈に至った。この日は田辺市本宮町にある同市社協本宮事業所へも同事業所が必要とする物品の寄贈を申し出たという。

(2021年9月1日付紙面より)

古座川町社協が代行購入した介護用ベッドの内容を確認=8月30日、古座川町高池
目録を贈呈する漆畑繁生代表理事組合長(左)
2021年09月01日
64 ロケットあやかり新商品発売
 3日から、「スペースポート~天ノ光~」  (尾﨑酒造 )

 熊野地方唯一の地酒メーカー、新宮市船町の尾﨑酒造株式会社(尾﨑征朗(いくろう)社長)は、3日(金)から新商品「スペースポート~天ノ光~」の販売を開始する。500㍉㍑で1210円(税込み)。

 本州最南端の町・串本町田原で建設が進む、民間初の小型ロケット発射場「スペースポート紀伊」。

 同社は、熊野川の伏流水や地元産「コシヒカリ」を使用するなど、地元「熊野」にこだわった酒造りを続けている、本州最南端の蔵元。

 6代目の尾﨑社長は「地元の皆さんにかわいがってもらえるお酒を」と、1880(明治13)年から140年の伝統を守っており、新商品には「大宇宙への清らかな光を求めての思い」を込めた。

 宇宙や空をイメージした、青い爽やかなボトルの中身は本醸造酒で、ラベルには「太平洋」から月(宇宙)に向かって打ち上がるロケットをイメージ。気になるお味はボトルと同様「軽くて爽やかな味。癖がなくていろいろな料理に合わせやすい」(森本紘造・製造部長)。

 新宮・東牟婁地方の酒屋や土産屋、ホテルの売店などで購入可能とのことで、尾﨑社長は「(ロケットの打ち上げは)うれしいこと。本州最南端の地からの打ち上げに、本州最南端の蔵元から応援したい。(新商品は)幅広く楽しんでいただける一品。若い人にも手に取っていただければ」と話している。

(2021年9月1日付紙面より)

新商品をPRする尾﨑征朗社長(左)と森本紘造・製造部長=8月30日、新宮市船町
青色のボトルとラベルが宇宙とロケットをイメージ
2021年09月01日
65 12~15歳、約100人が接種  若い世代の新型コロナワクチン  (紀宝町 )
2021年09月01日
66 夏休みに全国の舞台で躍動  田尾心之輔君、疋嶋美拓さん  (神内小6年 )
2021年09月01日
67 サイクルトレイン実証実験  きのくに線でスタート  
2021年09月01日
68 「古代 熊野の夜明け」  坂本顕一郎さんの冊子が完成  (新宮市 )
2021年09月01日
69 新学期に向け準備進む  分散登校とオンライン授業で  (串本古座高校 )
2021年09月01日
70 お悔やみ情報