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2021年09月15日
1 感染対策施し練習に励む
 各スポーツ少年団が活動再開  (新宮市 )

 新型コロナウイルスの急激な感染拡大を受けて先月3日から休止していた新宮市の関連施設再開に伴い、市内の各スポーツ少年団は13日から随時練習を始動させている。

 新宮保健所管内の感染者発生状況を鑑み、再開決定に至った。今後は感染対策を徹底して運営していく。現在、市スポーツ少年団にはサッカー、野球、バレーボール、ラグビーなど21団体が所属している。

 蓬莱体育館では、新宮バドミントンスポーツ少年団(奥田清二代表)が練習を再開。▽うがい▽手指消毒▽換気▽できる限りの密を避ける▽各家庭での検温―などの予防対策を講じ、熱中症を防ぐため、練習中はマスクを着用せず、こまめな水分補給も行っていく。

 この日は約30人が参加。全員でランニングした後、ネット際やレシーブを打つ「ノック」「基礎打ち」、試合形式の「ゲーム練習」などに励み、久しぶりの練習に汗を流した。

 丸山莉実(れみ)さん(12)は「久々にみんなと会えてうれしい。練習ができない間は家でトレーニングや壁打ちをしていた。しばらく期間が空いていたので、これから少しずつ感覚を取り戻していきたいです」と笑顔を見せた。

 奥田代表は「子どもたちの元気そうな姿が見られてよかったです。練習が再開したとはいえ、まだまだコロナの状況は油断できないので、今後も感染対策をしっかりと施していきたい」と話していた。

 なお、同日には木戸浦グラウンドや天満球場、テニスコートなど、スポーツ施設を含む那智勝浦町の関連施設も使用を再開した。

(2021年9月15日付紙面より)

久々の練習で汗を流す子どもたち=13日、新宮市の蓬莱体育館
2021年09月15日
2 宇久井半島のシダ標本展
 10月31日まで、宇久井ビジター  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町の環境省宇久井ビジターセンターで13日から、「宇久井半島のシダ標本展」が始まった。宇久井半島で確認されている65種のシダのうち48種の標本を展示しており、園地内には散策中の来園者に見てもらえるよう12種類のシダのネームプレートも設置している。

 シダ植物とは、根・茎・葉の区別があり、維管束(水や養分を運ぶ管)を持ち、種子を作らない植物のことで、コケ植物と種子植物の両方の特徴を持つ。花は咲かず、葉の裏面などから胞子を飛ばして子孫を残す。

 展示では正月飾りとして知られるウラジロやコケのような見た目のヒカゲノカズラ、山菜として食されるワラビの他、ヘラシダ、ホシダ、ベニオオイタチシダなど形も大きさもさまざまな標本を展示。これらは今年1月に県立新翔高校の職業体験で同センターを訪れた亀井青空さん、西村悠羽さんが採取したものだという。

 半島内で見られるシダの見分け方を記したプリントも配布しており、同センターの浦希世子さんは「少しでもシダに興味を持っていただき、野に出掛けたときの植物観察の楽しみの一つに加えていただければ」と話していた。

(2021年9月15日付紙面より)

48種の標本を展示=13日、那智勝浦町の環境省宇久井ビジターセンター
2021年09月15日
3 教訓風化させず後世に
 紀伊半島大水害10年シンポ  (紀宝町 )

 紀伊半島大水害10年シンポジウムが11日、オンラインで開催された。2011年の大水害で甚大な被害を受けた三重、和歌山、奈良の3県関係者ら74人が参加し、犠牲者に黙とうをささげた上で、風水害への防災意識向上を図った。

 災害対応力向上を図る「紀伊半島大水害10年プロジェクト」の一環。当初は紀宝町で予定していたが、新型コロナウイルスの感染状況を考慮し、オンラインでの開催に至った。三重県などが主催し、共催した同町からは西田健町長、鮒田自主防災会の東口高士会長が思いを語った。

 黙とう後、鈴木英敬知事のビデオメッセージを流し、西田町長は「シンポジウムは皆さまと一緒に紀伊半島大水害を振り返り、当時の対応や大水害から得た教訓を今後も風化させることなく、後世に伝えていく機会にしたい」とあいさつした。

 東京大学大学院客員教授で、紀宝町防災行政総合アドバイザーの松尾一郎さんが「大規模風水害を見据えた地域防災の必然性」をテーマに基調講演。「災害は地域で発生するため、地域で危機感を共有して災害に備えることが大切。水害は先を見越して早めの防災対応が重要で、これがタイムライン」と話した。

 紀宝町は全国に先駆け、2015年に事前防災行動計画(タイムライン)を策定。パネルディスカッションで西田町長はタイムラインや町民防災会議、防災情報共有システムなど町の防災対策を説明し「今後も大規模災害に備え、タイムライン防災が紀宝町の文化となるよう、充実を図り、災害に強い安全・安心な町づくりに努める」と伝えた。

 東口会長は当時の写真を基に「川の水が輪中堤を越えるとの情報があり、住民を避難させた」と大水害を振り返った。

 過去の水害を教訓として次世代につなげていくことが求められている今日。実際に災害を経験したからこそ得られる「今」があり、これを風化させないためにも過去を振り返り、認識・危機感を新たにして行動することが大切になる。

(2021年9月15日付紙面より)

町の取り組みを紹介する西田健町長=11日、紀宝町役場
鮒田地区タイムラインの取り組みを話す東口高士会長
2021年09月15日
4 交通ルール守っていこう ひまわりの絆プロジェクト (近大新宮)

 ヒマワリを育てることを通じて命の大切さを学び、交通事故の被害者支援へ理解を深める「ひまわりの絆プロジェクト」の輪が広がっている。新宮市の近畿大学附属新宮高校・中学校(池上博基校長)でもこのほど、生徒会メンバーが大切に育てていたヒマワリが、太陽へ向かって大輪の花を咲かせた。

 2011年に京都府内で発生した交通事故で亡くなった男児(当時4歳)が生前育てていたヒマワリの種を引き継ぎ、全国で開花させるプロジェクト。交通事故を担当していた警察官の元へ遺族から「私たちの子どもが生きた証しを残したい。このヒマワリがあちらこちらで咲けば、この子もいろんな所へ行けると思う。もう交通事故は嫌です」の言葉とともに種が託されたことを契機に、15年にスタートした。

 同校では中学校生徒会(宇惠諒介会長)が中心となって取り組みへ参加。7月初旬に種をまき、水やりには高校生徒会(小屋敷卓真会長)や教職員も協力して成長を見守ってきた。

 開花したのは5本。生徒らの背丈ほどに育ったヒマワリの花を眺め、宇惠会長は「取り組みを通じ、交通事故の危険性を伝えたい。僕たちも毎日徒歩や自転車で通学しており、事故はいつでも起こりうるので、気を付けていきたいです」。小屋敷会長は「京都府で発生したような事故が二度と起こらないよう、自分たちも交通ルールを守っていきたい」と話していた。

(2021年9月15日付紙面より)

開花したヒマワリと記念撮影=13日、新宮市の近畿大学附属新宮高校・中学校
2021年09月15日
5 これが「私の新宮遺産」 新宮市観光フォトコンテスト入選作品紹介 (一般の部①)
2021年09月15日
6 「NO」と言える勇気持って  太地中で薬物乱用防止教室  
2021年09月15日
7 河川監視カメラを設置  関西電力「カメラ設置サービス」事業  
2021年09月15日
8 地域貢献で献血活動  紀南地区郵便局長会  (新宮市 )
2021年09月15日
9 校門に「あいさつ標語」  最優秀2作品を掲示  (鵜殿小 )
2021年09月15日
10 犠牲者に黙とうをささげ  第3回定例会が開会  (紀宝町議会 )
2021年09月15日
11 入選作品14点をパネル展示  本年度小中学生ポップコン  (串本町 )
2021年09月15日
12 実践のポイントを伝える  スポーツボイス体験教室  (串本町 )
2021年09月15日
13 記念物登録の趣旨を紹介  串本町図書館内で企画展  
2021年09月15日
14 鈴なりのイガグリ  熊野地方で秋の風情漂う  
2021年09月10日
15 17年の陳情実らせた功労者 港又次氏の記念碑とアジサイ (那智勝浦町)

 旱天が十数日も続くと、田面が亀裂して稲田が白穂になるので人々は皆汲水に忙しく、殆んど寝食を忘れて毎日井戸から水をとつた。この人々の心配無駄な労苦を何とかしたいと翁は深く考へてゐた。(下里町史、原文ママ)

  □     □

 那智勝浦町下里の下里神社から少し太地町寄りの国道42号の路肩に港又次氏の功績を称した記念碑が建立されている。地元住民によると、元々は国道から太田川寄りに設置されていたが、国道の拡幅に伴い、現在の位置に移設されたという。

 下里町史には、江戸時代後期の下里村は農業を本業としていたとある。しかし、農地に外部から人工的に水を供給する灌漑(かんがい)の設備が完全でなかったという。享保6、7年ごろに上太田村南大居大谷口から給排水を目的として造られた小規模な水路の溝渠(こうきょ)を通じて開墾したが、地の高低勾配がうまくできず、廃渠となった。

 冒頭のような状況となり、港氏は市屋村にある与根河池の水を下里村にも引けないかと考え、市屋村に協力を請う。藩の役所へ嘆願・陳情を幾十回も重ねたが、堤防の決壊の恐れから、許可は下りなかった。

 その後も信念を曲げずに嘆願と陳情を重ね続けた港氏。費やした年月は17年にも及んだ。そうして、安政3年に藩の聴許を得て、工事に着手。その翌年に堤池修築となり、新池を造って溝渠も通じ、水が通じた。下里町史には「全村歓喜湧くやうであつた。そして皆流れる水を拝んだといふ。(原文ママ)」と記されている。

 この後、功績が認められて紀伊新宮の水野土佐守から金百疋と米六石を贈られたと町史には記されている。明治17年、港氏は病で没した。その19年後にその遺徳を表彰しようと記念碑が建立された。

  □     □

■アジサイに彩られていた



 毎年6月ごろ、記念碑の周辺には美しいアジサイが咲く。その花は登校中の学生や住民、自動車を走らせるドライバーの目を楽しませていた。

 地元住民らによると、紀伊半島を一周する幹線道路計画の一つ「一般国道42号串本太地道路」の延伸に伴い、将来的には拡幅工事などが実施される可能性もあるとして、今年7月に住民有志らが集まり、来季の花のために剪定(せんてい)を行った。このアジサイは秋ごろに定光山大泰寺に移植されるという。

 国土交通省紀南河川国道事務所によると、串本太地道路の本線は太田川方面から延伸し、現在の那智勝浦新宮道路につながる計画だという。下里地区内に太地インターチェンジ(仮称)や交差点の建設が予定されていることから、記念碑周辺の道路形状が変わる可能性もあるとしている。

 担当者は「現在は調整中。詳細などが決まれば、今後は地元住民の方々にも方針をお示ししたい」と話していた。

  □     □

■地元住民の声



 記念碑前のアジサイは元々、那智駅前に植えられていたもの。道の駅なちが建設されるため、当時の花てまりの会や地元住民らが協力し同所に植え替えたという。

 その後の管理は下里とも子ガーデン(岩本カナエ代表)が行い、太田耕二さんら地元住民も協力してきた。岩本代表は「このアジサイは場所を移しながら、最後は寺へ行く。人の一生のよう。良かった」。

 記念碑については「立派な方の碑なので多くの方に知っていただきたい。50年前以上に移設した際、下里中の生徒会や校長先生たちが移転式に参加したと聞いた。半世紀前は大切にされていたのだと思う」と話した。

(2021年9月10日付紙面より)

港又次氏の遺徳を表彰した記念碑(右)=那智勝浦町下里
地域に彩りを添えていたアジサイを剪定した
2021年09月10日
16 歩行者の安全確保など重点に
 21日から「秋の全国交通安全運動」  (紀宝署 )

 21日(火)から「秋の全国交通安全運動」が全国一斉に始まる。30日(木)までの10日間で、重点は▽子供と高齢者を始めとする歩行者の安全の確保▽夕暮れ時と夜間の事故防止と歩行者等の保護など安全運転意識の向上▽自転車の安全確保と交通ルール遵守(じゅんしゅ)の徹底▽飲酒運転等の悪質・危険な運転の根絶―の四つ。

 運動期間中、南牟婁郡交通安全対策協議会、紀宝地区交通安全協会、紀宝警察署では、早朝街頭指導や安全運転管理推奨像の伝達、一声運動推進協力店の指定など各種取り組みを進める。

 8月末現在、県内では3万2506件(昨年同期比987件増)の交通事故が発生。このうち人身事故は1787件(同178件減)で、死亡事故は31件(同17件減)で32人が死亡した。

 紀宝警察署管内での総事故件数は163件(同25件減)で、人身事故は11件(同5件減)、死亡事故は発生していない。国道42号で多く、事故原因は車両単独、出合い頭が上位を占めている。

 紀宝町では67件(人身事故6件)、御浜町は87件(同5件)、熊野市紀和町は9件で人身事故は起きていない。

 同署では、運動期間中、四つの重点に関連し▽児童・生徒の通学時間帯の見守り▽歩行者保護に資する取り締まり▽自転車のルール遵守とヘルメット着用の啓発▽飲酒運転の取り締まり―などの活動を強化する。

 歩行者の安全の確保については、横断歩道横断時に「少し手を上げる」など自らの安全を守る交通活動「横断歩道“ハンドサイン”キャンペーン」の推奨を図る。

(2021年9月10日付紙面より)

紀宝警察署管内で交通事故が多い国道42号
2021年09月10日
17 外装工事で真新しさ宿す
 北大和歌山研究林の本館  (古座川町 )

 古座川町平井にある北海道大学和歌山研究林(中村誠宏林長)の本館外装工事がこのほど完了した。今回は外壁、次いで屋根を手入れし、外装のほぼ全体が真新しさを宿した状態。職員も心機一転の心境で運営に励んでいるという。

 同研究林の本館は1927年建築。洋風木造2階建てで、九十余年を経た今も現役で用いている。内外装とも維持のため適時適切に手入れをしているがケヤキ材の階段や旧事務窓口など建築当時の基本構造も良好にとどめていて、2013年には国の有形文化財に申請して登録を受けている。

 最近の外装工事は技術職員の伊藤欣也さんが大学と地元業者の仲立ちをして実施。19年度に本館と宿泊施設(和風木造平屋建て)の外壁塗装を削り剝がして塗り替え、20年度に本館トタン屋根へ青色系のガルバリウム鋼板をかぶせる内容で、完了により02年に外装が青屋根・白壁に変わって以来20年ぶりにその雰囲気を取り戻す形となった。ガルバリウム鋼板はトタン屋根以上の耐食性を誇る素材で、薄く軽量であることやコストパフォーマンスに優れることを生かして従来のトタン屋根にかぶせることで性能を保ちながら長寿命化を図る施工となっている。

 同研究林は現在、新型コロナウイルス感染症の情勢を考慮しつつ県内の日帰り利用を受け入れ中。中村林長は「コロナが終息したら従来通り県外や宿泊の受け入れも再開し、多くの皆さまにリニューアルした本館を気持ちよく利用していただけるよう頑張りたい」と心機一転の胸中を語った。

 町内では高池にある芳流館互盟社社屋と同年生まれの木造建造物。戦前の建築技術を宿した希少な現存物の一つとなっている。問い合わせは同研究林(電話0735・77・0321)まで。

(2021年9月10日付紙面より)

ゲート越しに望む北海道大学和歌山研究林本館=3日、古座川町平井
2021年09月10日
18 自らの命は自ら守る
 緑丘中で防災集会  (新宮市 )

 新宮市立緑丘中学校(宮本雅史校長、生徒249人)で8日、防災集会があった。生徒たちは宮本校長の講話に耳を傾けるなどして防災意識を高めた。

 2011年3月の東日本大震災、9月の紀伊半島大水害などでは、自然災害によって多くの人の命が奪われた。10年が経過し改めて災害を教訓に、残された者として「日々の生活への感謝」「防災」「人としてのつながる社会」について考える機会にと毎年実施。新型コロナウイルス感染症対策として学年ごとに分かれて開かれた。

 3年生86人の集会では、那智勝浦町在住の宮本校長が自身の水害での体験を基に講話。▽想定にとらわれるな▽最善を尽くせ▽率先避難者たれ―の津波避難3原則を挙げ、「住んでいる周辺は地域の中でも危険な場所だと思っていたが、ここまでの災害が起こるとは思っていなかった。暗くなってからの避難は危ないので、明るい間に早急に逃げるべきだった」と振り返った。

 生徒たちには教訓として「『自らの命は自ら守る』。家は洪水や土砂災害などの危険性がないか、危機が迫った場合にはどこへ、どうやって逃げるかを正しく判断できる人になってください」と呼び掛けた。

 講話後には、30年以内に発生する可能性があるとされている南海トラフ地震のシミュレーション動画を視聴した。

 生徒会長の冨谷絵理香さんは「当時は5歳だったので薄い記憶しかなかったけど、校長先生の話を聞いて災害の恐ろしさを感じた。早めの避難を忘れず、自分の命を守る行動を取ることが大切だと改めて思いました」と話していた。

(2021年9月10日付紙面より)

講話に耳を傾ける生徒ら=8日、新宮市立緑丘中学校
宮本雅史校長
2021年09月10日
19 濵口大幹君、全国で堂々5位
 全日本少年少女空手道選手権大会  (拳武館新宮 )
2021年09月10日
20 山東、漁野両選手(那智中3年)が全国へ
 都道府県対抗中学バレーボール大会  
2021年09月10日
21 子育て支援に1000万円寄付  吉田久市さんに紺綬褒章  (御浜町 )
2021年09月10日
22 温泉病院が10日から再開  決算の認定について質疑も  (那智勝浦町議会 )
2021年09月10日
23 来年に期待を込めて  円満地公園「プールじまい」  (那智勝浦町 )
2021年09月10日
24 生まぐろ丼が全国第2位  IPPINグランプリで  (休暇村南紀勝浦 )
2021年09月10日
25 最優秀賞や優秀賞決まる 小中学生ポップコンクール結果 (串本町)
2021年09月10日
26 お悔やみ情報
  
2021年09月01日
27 歌い継がれる宇久井小校歌
 歌詞作成の羽山美苗さん  (那智勝浦町 )

 「やさしい朝のあいさつが みんな仲よくたすけあう きょう一日のはじめです 明るい宇久井小学校

 みどりの芝の運動場 ちひろの浜の白砂に とんだりはねたり元気です 楽しい宇久井小学校

 大きくゆたかな黒潮の 心をうけて育とうと 勉強に仕事にはげみます かがやく宇久井小学校」―。

 「まさか自分の歌詞が選ばれるとは思わなかった。今も歌っていただいているのは本当にありがたいことです」。そう話すのは新宮市三輪崎在住の羽山美苗(みなえ)さん(93)だ。那智勝浦町立宇久井小学校で約70年歌い継がれる校歌の歌詞を作った羽山さんに当時の心境や校歌に対する思いを聞いた。

 田辺市下屋敷町に生まれた羽山さんは和歌山師範学校を卒業後、父親と同じ教職の道へ進む。幾つかの小学校を経て、20代前半で同校へ赴任。当初は知人や友人がおらず、不安を抱えていたが、当時の中地晴一校長や同僚たちに励まし支えられたという。 

 羽山さんによると、地域や教師生活に慣れてきた頃のある夏休みに、「教師への宿題」として中地校長から校歌の歌詞制作の話が上がった。同校にはすでに明治時代に作られた校歌はあったが、歌詞が難しく当時は歌われていなかったと話す。

 宇久井地域について、詳しくなかった羽山さんは困惑しながらも、夏休み期間中に地域の海や山などを自身の足で歩いて回り、前述の歌詞が完成した。その後、9月の職員会議で提出された歌詞の中から見事、羽山さんのものが選ばれた。

 「言葉や意味が難しい校歌じゃなく、子どもたちにとって分かりやすいものを心掛けて作った。私の校歌が当時の文部省に送られた後に、文部省の方が宇久井小へ来られた。歌詞にある運動場などを確認していたのを覚えている」と当時を振り返った。

 町立那智中学校で定年退職を迎え、教師としての務めを終えた。その後新宮市の自宅で、書道教室を開く。和歌山県美術家協会に所属し、現在も現役で地域の子どもや大人たちに書道を指導している。

 羽山さんは「歌い継がれていることに感謝しています。校歌にも『仲よくたすけあう』とあるように、宇久井小に赴任した時やこれまでも、今も多く方々に支えられて生きている。それを忘れず、今後も感謝していきたい」と笑顔で語った。

(2021年9月1日付紙面より)

現在も歌い継がれている校歌=8月27日、那智勝浦町立宇久井小学校体育館
校歌を作詞した羽山美苗さん
2021年09月01日
28 どうなる?老朽化する学校施設
 長寿命化計画を策定  (新宮市 )

 新宮市教育委員会はこのほど、「市学校施設等長寿命化計画」を策定した。子どもや、施設を利用する全ての人々の安心安全の確保を最優先に考え、80年改築を基本に改修周期などの方針を固めた。

 全国的な児童生徒数の減少による学校施設などの統廃合が進む。そんな中、市も例外ではなく、現在は小学校5、中学校5、幼稚園1。市教委が所管するスポーツ施設は現在7施設となっている。災害時には避難所としての役割も果たすため、施設の老朽化対策や環境整備は喫緊の課題だ。

 千穂・丹鶴小の統合に伴い神倉小が、王子・蓬莱小の統合に伴い王子ヶ浜小が誕生。その際、神倉、王子ヶ浜小ともに校舎の建て直しや増築などが実施された。建設から40年が経過し、経年劣化による雨漏りなどの被害があった緑丘中の体育館も先日、修復工事が完了した。

 しかし、城南中に至っては校舎、体育館ともに50年が経過しているほか、光洋中も45年、熊野川中も50年近く経過している。スポーツ施設では、総合体育館、佐野体育館が建築から40年以上がたっている。

 同計画は、長寿命化改修を実施し、80年改築を基本とし、改修周期は建築後25年程度で大規模改造、50年程度で長寿命化改修を実施するというもの。

 利用者の安心安全の確保を最優先とし、避難施設の位置付けも考慮しながら、ユニバーサルデザインの視点に立った施設造りを目指していくとしている。計画期間は今年7月から2060年までの40年間。なお、市の試算では計画実行で従来(築50年程度で改築を実施する更新)より年間8000万円のコスト縮減につながるという。

 一方、児童生徒数についてはどうか。市によると、2020年度の児童生徒数は約1880人。25年後の45年度には半数程度の約920人になると予測されている。

 今年2月に実施された市総合教育会議において、田岡実千年市長は「生徒数の減少に伴い、緑丘・城南中学校の2校の統合に向けて検討を」。8月19日の教育民生委員会の場で速水盛康教育長は「どのような学校にしたいかなど、さまざまなことを検討する委員会を本年度中に設置できたら」と発言した。

 計画は、学校や施設の統廃合と並行して進めていく必要があるが、施設老朽化も待ったなしの状況。市教委は「子どもたちのために安定した教育環境を整備する必要がある。子どもや施設利用者の安全性や時代性を考慮しながら、どういった施設を残すのかなどを議論していかなければならない」と話している。

(2021年9月1日付紙面より)

築50年以上が経過する城南中学校校舎=8月27日、新宮市
2021年09月01日
29 介護用ベッド一式6台寄贈
 古座川町社会福祉協議会へ  (JAみくまの )

 那智勝浦町天満に本所を置くみくまの農業協同組合(JAみくまの、漆畑繁生代表理事組合長)が8月30日、古座川町社会福祉協議会(会長・西前啓市町長)に介護用ベッド一式6台を寄贈した。

 この寄贈は、同組合とJA共済の連名で展開する地域貢献活動の一環。介護・福祉活動として同町社協が必要とする一助を話し合う中で同ベッドが話題となり、その購入代行を同町社協に依頼し現物の到着に合わせて寄贈を申し出た。

 この日は漆畑組合長と関係職員2人が西前町長を表敬訪問して目録を贈呈。その後は町社協が代行購入した同ベッドの実物を確かめて説明を受け、寄贈の旨を示すシールを貼り改めて有効活用を願い出た。

 目録の贈呈を受け西前町長は「うち(=古座川町)も高齢化率が非常に高く、介護用ベッドは昔から無料貸与している。今は55台あるが51台が稼働している状況で、今回提供いただけたことは本当にありがたい。上手に活用させてもらいたい」と述べて感謝。町社協事務局は現行の無料貸与の仕組みに乗せ、全町規模で希望を受ける中で託された同ベッドも活用していくとしている。

 この寄贈の背景には6月実施のJAみくまの第20回通常総代会で経済情勢の変化に対応しうる強固な経営基盤を確立するための拠点再編案が承認され、同町内にある七川店(購買店)と明神支所が次年度に西向支所・西向営農センターへ統合される状況がある。

 JAみくまの共済部の井上馨部長によるとサービスの提供自体は統合以降も西向を拠点にして極力不便を掛けることなく続ける方向で準備を進めているが、併せてこれまで明神、七川の拠点を支えてくれた地域への貢献ができないかを考えた末今回の寄贈に至った。この日は田辺市本宮町にある同市社協本宮事業所へも同事業所が必要とする物品の寄贈を申し出たという。

(2021年9月1日付紙面より)

古座川町社協が代行購入した介護用ベッドの内容を確認=8月30日、古座川町高池
目録を贈呈する漆畑繁生代表理事組合長(左)
2021年09月01日
30 ロケットあやかり新商品発売
 3日から、「スペースポート~天ノ光~」  (尾﨑酒造 )

 熊野地方唯一の地酒メーカー、新宮市船町の尾﨑酒造株式会社(尾﨑征朗(いくろう)社長)は、3日(金)から新商品「スペースポート~天ノ光~」の販売を開始する。500㍉㍑で1210円(税込み)。

 本州最南端の町・串本町田原で建設が進む、民間初の小型ロケット発射場「スペースポート紀伊」。

 同社は、熊野川の伏流水や地元産「コシヒカリ」を使用するなど、地元「熊野」にこだわった酒造りを続けている、本州最南端の蔵元。

 6代目の尾﨑社長は「地元の皆さんにかわいがってもらえるお酒を」と、1880(明治13)年から140年の伝統を守っており、新商品には「大宇宙への清らかな光を求めての思い」を込めた。

 宇宙や空をイメージした、青い爽やかなボトルの中身は本醸造酒で、ラベルには「太平洋」から月(宇宙)に向かって打ち上がるロケットをイメージ。気になるお味はボトルと同様「軽くて爽やかな味。癖がなくていろいろな料理に合わせやすい」(森本紘造・製造部長)。

 新宮・東牟婁地方の酒屋や土産屋、ホテルの売店などで購入可能とのことで、尾﨑社長は「(ロケットの打ち上げは)うれしいこと。本州最南端の地からの打ち上げに、本州最南端の蔵元から応援したい。(新商品は)幅広く楽しんでいただける一品。若い人にも手に取っていただければ」と話している。

(2021年9月1日付紙面より)

新商品をPRする尾﨑征朗社長(左)と森本紘造・製造部長=8月30日、新宮市船町
青色のボトルとラベルが宇宙とロケットをイメージ
2021年09月01日
31 12~15歳、約100人が接種  若い世代の新型コロナワクチン  (紀宝町 )
2021年09月01日
32 夏休みに全国の舞台で躍動  田尾心之輔君、疋嶋美拓さん  (神内小6年 )
2021年09月01日
33 サイクルトレイン実証実験  きのくに線でスタート  
2021年09月01日
34 「古代 熊野の夜明け」  坂本顕一郎さんの冊子が完成  (新宮市 )
2021年09月01日
35 新学期に向け準備進む  分散登校とオンライン授業で  (串本古座高校 )
2021年09月01日
36 お悔やみ情報