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2021年09月19日
1 古式捕鯨のモリなど提供
 紀伊風土記の丘で特別展  (三輪崎小 )

 和歌山市の県立紀伊風土記の丘で開館50周年を記念した令和3年度秋期特別展「海に挑み、海をひらく―きのくに七千年の文化交流史―」が10月2日(土)から12月5日(日)まで開催される。新宮市立三輪崎小学校でこのほど、展示品として同校所蔵のモリを貸し出し提供すべく、梱包(こんぽう)作業が行われた。

 同展は紀伊半島の沿岸に暮らした先人たちや海の歴史を考古学と民俗学の観点から紹介することがテーマ。和歌山県発祥の漁業にもスポットを当て、改良を重ねた技術が全国各地に伝わったことや、新宮・東牟婁含む県内各地の漁具や資料などが展示される。

 同校のモリ2本は寄贈されたもので、捕鯨を行っていた三輪崎組の紋「三つの輪」が刻まれている。このモリに加え、クジラのひげや疑似餌などが貸し出しされる。

 三輪崎区や三輪崎郷土芸能保存会、三輪崎漁業協同組合も協力。「鯨踊りの衣装」や「捕鯨に関する写真」「一本釣りに使用した竹の釣り竿」なども展示されるという。

 紀伊風土記の丘の主査学芸員・蘇理(そり)剛志さんは「県内では江戸時代から明治半ばまで捕鯨をやってきたのが、太地や古座、三輪崎。紆余(うよ)曲折を経て、約300年にわたり、行ってきた文化が残っている。三輪崎の捕鯨はなくなったが、鯨踊りなど、さまざまな形で伝統が引き継がれ、地域の誇りになっている」。

 モリについては「古式捕鯨時代のもの。形も古く、数も残っていない。古くからある三輪崎鍛冶にもつながる。鉄を加工する技術あってこその捕鯨。このモリは重要なものだと思う」と話した。

 嶋田雅昭校長は「当校は三輪崎郷土芸能保存会の皆さまから鯨踊りや捕鯨について教えていただいているため、児童も三輪崎の捕鯨文化に触れることができている。価値のあるモリなどを多くの方々に見ていただけるのはうれしい」。

 児童に対しては「博物館に展示されるほどの貴重な物が学校にあるということを児童にも伝えたい。県内での修学旅行になるため、行き先の一つとして展示を見に行くことも検討している」と語った。

 なお、太地町の鯨舟の模型や鯨絵巻、串本町の河内祭の道具なども展示される予定。

(2021年9月19日付紙面より)

貸し出しのため、モリを梱包する=新宮市立三輪崎小学校
三輪崎小所蔵のモリを中央に配したポスター
2021年09月19日
2 コロナ禍の避難を考える
 相須地区でいきいきサロン  (新宮市熊野川町 )

 新宮市熊野川町の相須集会所で16日、「ふれあいいきいきサロン」があった。地域住民5人が参加し、防災クイズを交えてコロナ禍の避難について考えた。

 サロンは地域のコミュニティーづくりや介護・寝たきり防止、1人暮らしの人への見守りなどを目的に、区と市社会福祉協議会が協力して開いている。新宮市の施設利用再開を受け、手指消毒や参加者全員の検温、マスク着用などの感染対策を取りながら実施した。

 この日は市社協熊野川ステーションの大江真季さんが、コロナ禍中に災害が発生して避難所生活を送ることになったときの備えについて講話。「災害時は危険な場所から避難するのが原則だが、食料や水に加えてマスク、アルコール消毒液、体温計などの感染対策用品を持ち出し袋へ入れておくことが大事。9月の防災月間に合わせて市内のスーパーマーケットに防災用品コーナーができているので、一度見に行ってみて」と呼び掛けた。

 「高齢の方や足の悪い人は警戒レベル3の『避難準備・高齢者等避難開始』のときにはもう避難しておいてほしい」と言い、改めて早期避難の重要性を伝えた。

 住民からは「紀伊半島大水害の時、なかなか救援物資が届かず難儀した」「自分の身は自分で守らなければ」との声があった。

(2021年9月19日付紙面より)

最新の非常食について解説=16日、新宮市熊野川町
2021年09月19日
3 来年への思い胸に式典斎行
 宇久井神社例大祭・宵宮祭  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町の宇久井神社(男成洋三宮司)例大祭の宵宮祭が17日夜、本殿であった。例年多くの人でにぎわうが、昨年に引き続き、新型コロナウイルス感染拡大防止のため宵宮と本宮の規模を縮小。神職や祭典役員、党家講など関係者ら約20人が参列して厳かに式典が斎行された。

 例年の宵宮では、式典後に宇久井青年会と秋葉会による神楽の奉納や宇久井婦人会による踊りが場を盛り上げ、盛大に餅まきが行われているが、昨年、今年は取りやめとなった。

 台風接近の影響で雨が降る中、式典が進められた。熊野那智大社から出仕した伊藤士騎禰宜が神事を執り行い、祝詞を奏上。出席者が玉串をささげた。

 式典後の神酒拝載では伊藤禰宜が「コロナが終息に向かいまして、活気あふれる宇久井のお祭りが復活することを心よりお祈りしております」と述べ、一同、手にした杯で乾杯した。

 祭典委員長の亀井二三男さんは「残念ながら省略した形での宵宮祭となった。昨年は当地域でのコロナの影響は少なかった。来年こそはと思っていたが、感染が広がり今年も縮小する形となった。2年はわれわれにとっては大きな年。祭典関係者の高齢化も進む中、2年間休んで来年は体力的に大丈夫だろうかとの懸念もある」。

 来年については「地域の祭りは氏子の方々にとって大切なもの、決断は心苦しかった。今回の祝詞にもコロナ終息の思いを込めていただいた。来年こそは皆さまの豊漁や健康を祈り、盛大にやっていきたい」と意気込みを語った。

(2021年9月19日付紙面より)

規模を縮小し宵宮祭が斎行された=17日、那智勝浦町の宇久井神社
コロナ終息と来年への思いを胸に乾杯した
2021年09月19日
4 地域の伝統踊り子どもたちに
 4年生が「鵜殿ばやし」を練習  (鵜殿小 )

 新型コロナウイルス感染症の影響で、多くの祭り、イベントが規模縮小や中止を余儀なくされ、紀宝町鵜殿地区で毎年11月22、23日に開催される「うどのまつり」も2年連続の中止が決まった。

 秋を彩る「うどのまつり」は、鵜殿ばやしの手踊りが練り歩き、熊野水軍太鼓の演奏、諸手船(もろとぶね)をかたどったダンジリの上でハリハリ踊りを披露するなど、毎年、地区内が祭り一色に包まれる。

 鵜殿ばやしは1992年に誕生し、96年に保存会が発足。うどのまつりや紀宝みなとフェスティバルなどで披露し、町村合併以前の旧鵜殿村運動会でも住民総出で踊ったという。

 その地域の伝統踊りを子どもたちに継承してもらおうと、町立鵜殿小学校では毎年、運動会で4年生のプログラムに組み込んできた。

 昨年は新型コロナの影響もあって運動会で披露する機会がなかったが、今年は10月2日(土)の運動会で2年ぶりに復活する。

 本番に向け、4年生35人が保存会のメンバーに踊りを教わりながら練習に励んでいる。15日にはメンバー4人が訪れ、細かい動きを丁寧に指導した。

 「沖を眺める」「網をたぐり寄せる」など漁師のしぐさを盛り込んだ男踊り。手を上げる角度や指先の力の入れ方など、難しい動作も多く、児童たちはアドバイスを受けながら覚えていった。今後も本番まで練習を重ねるという。

 メンバーの松元美国さんは「現在の保存会メンバーは20人ほど。昨年から鵜殿ばやしを披露する場がなくなり、踊りを知っている子どもも少なくなってきた。鵜殿の伝統を引き継いでもらい、来年、祭りが開催されれば参加してもらいたい」と話していた。

 女子児童は「踊りは難しいけど、頑張って運動会までに覚えたい」と笑顔を見せていた。

(2021年9月19日付紙面より)

鵜殿ばやしの練習に励む4年生=15日、紀宝町立鵜殿小学校
2021年09月19日
5 21日から通常授業再開  和歌山県内の県立学校  
2021年09月19日
6 追加を含め全議案可決  9月定例会が閉会  (太地町議会 )
2021年09月19日
7 避難路整備や鯨類施設で議論  太地町議会一般質問(終)  
2021年09月19日
8 ツリガネニンジンの花  宇久井ビジターセンター  
2021年09月19日
9 対象者の約8割が予約済み  新型コロナワクチン接種  (紀宝町 )
2021年09月19日
10 早期発見、集団感染の防止に  「抗原定性検査キット」を配備  (紀宝町 )
2021年09月19日
11 公正な選挙確保のために  熊野、紀宝署に選挙違反取締本部  (熊野市長選 )
2021年09月19日
12 これが「私の新宮遺産」  新宮市観光フォトコンテスト入選作品紹介  (学生の部 )
2021年09月19日
13 お悔やみ情報
  
2021年09月14日
14 本谷紗己さんが銀河乗客にPR
 紀の国わかやま文化祭  (新宮市 )

 10月30日(土)から和歌山県内全域で開催される「紀の国わかやま文化祭2021(第36回国民文化祭・わかやま2021、第21回全国障害者芸術・文化祭わかやま大会)」を広く周知しようと同文化祭和歌山県実行委員会は12日、新宮市のJR新宮駅で西日本旅客鉄道株式会社和歌山支社協力の下、長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」とタイアップしたおもてなし企画を実施した。同文化祭スペシャルインフルエンサーを務めるモデルの本谷紗己さんが一日車掌を務め、催しのPRなどを行った。

 この日は地元和歌山を拠点に活動する兄弟お笑いコンビ「すみたに」らキャラバン隊メンバーと、きいちゃんも現場に駆け付け、場を盛り上げた。

 本谷さんは駅構内において、乗客や駅利用者らを前に文化祭の詳細などをマイク放送し、記念撮影などにも応じた。乗車後は同駅からJR太地駅までの間、列車内で銀河限定のスタンプ押印や文化祭に関するパンフレットなどの配布にも取り組んだ。

 また、同じくスペシャルインフルエンサーで、声優の中島由貴さんが事前収録した声による車内放送も紀南、紀中、紀北の各エリアで流され文化祭をPRした。

 本谷さんは「銀河に乗って乗客の皆さまに文化祭をPRできることはめったにない貴重な経験。本当にうれしいです」。

 意気込みについては「スペシャルインフルエンサーとしてこの日、撮影した動画や写真はユーチューブ(動画投稿サイト)やインスタグラムを通して発信します。今日は多くの方々に和歌山の魅力と文化祭を知っていただきたいです」と笑顔で語った。

 駅構内で銀河や催しを撮影していた40代男性は「国民文化祭が来月、和歌山県で開催されることを初めて知った。知人にも教えてあげたい」と話していた。

(2021年9月14日付紙面より)

本谷紗己さんが紀の国わかやま文化祭2021をPRした=12日、新宮市のJR新宮駅
新宮駅職員も参加し記念撮影(一時的にマスクを外して撮影)
2021年09月14日
15 髙木亮英さんが青岸渡寺住職を拝命
 智英さんが補陀洛山寺住職に  (那智勝浦町 )

 「父と兄から、西国三十三所の一番寺と世界遺産の重みを引き継いで身の引き締まる思い」。那智山青岸渡寺の副住職として、兄で住職だった故・髙木亮享(りょうきょう)氏を支えてきた亮英(りょうえい)さん(71)は語る。8月5日に正式に同寺の住職を拝命した。また、同日に長男の智英(ちえい)さん(39)が補陀洛山寺の住職を拝命。親子二人三脚で歴史と文化が詰まった世界遺産の両寺を守っていく。

  □     □

■父と兄の重責を引き継ぐ



 那智山で生まれ、那智の滝を身近に感じながら成長した亮英さん。1965年に比叡山に入山し72年に龍谷大学を卒業した。

 那智勝浦町史の編さん委員も務め、74年に出家得度。同寺の住職だった父の故・亮孝氏と兄・亮享氏の背中を追い、今日に至る。

 諸国霊山100余カ所、中国、インド、韓国で仏教聖地巡礼し、スペイン巡礼も行う。84年に同寺の副住職を拝命。89年には熊野大峰奥駈修行を復活させた。

 その後は世界宗教サミットへの参加、那智四十八滝回峯復活、葛城二十八宿行も始めた。2017年には権大僧正に昇任している。

 「これまで寺を守ってきた父、その跡を継いだ兄。二人の存在のおかげで今がある。尊敬する兄という手本を失ったのは大きな痛手」と父と兄の死を振り返る。

 住職拝命について「父と兄の背中を参考にして、歴史や文化、重責を受け継ぎ、火災や災難を防ぎ寺を守っていく。その後は熊野修験も含め、心も信仰も次の世代に伝え引き継いでいきたい」と力を込めた。

 趣味は山歩き。座右の銘は、自分自身の置かれた場所で精いっぱい努力し、明るく光り輝くことのできる人こそ、何物にも代え難い貴い国の宝という意味の「一隅を照らす、これすなわち国宝なり」だと話した。

  □     □

■父の背中を追い、支える



 智英さんは2000年に県立新宮高校卒業後、龍谷大学に進み04年に比叡山延暦寺にて得度受戒。亮英さんの弟子となった。

 05年に比叡山行院にて天台四度加行遂行。その後、叡山学院を経て神峰山寺(かぶさんじ)に入寺し修行。19年に那智山青岸渡寺に入寺した。

 大阪府の神峰山寺時代については「檀家(だんか)寺だったため、お通夜やお葬式のお勤めも多かった。いろいろな方々と接し、悩みに添えるようなこともあったため良い修行を積むことができました」と回顧する。

 補陀洛山寺の住職拝命を受けて、「天台宗補陀洛山寺の法灯を継承すべく、後世に歴史や信仰を伝えていきたい」と抱負を述べた。

 また、智英さんは総本山から辞令が下り次第、年内にも青岸渡寺の副住職を拝命する。寺院運営や熊野修験については「時代の流れに合わせて青岸渡寺、補陀洛山寺のホームページやSNS(会員制交流サイト)の整備などを行う。幅広い世代の方々に参詣していただけるような寺院運営に従事していきたい。また、復興した熊野修験を後世に残すため、祖父と父の意志を受け継いで継承していく」と固い意志を示した。

 父・亮英さんに対しては「父と同じようにはできない。父をサポートするとともに、これからも背中を追い続けていきたい。一生、修行です」。

 趣味は父と同じで山歩き。好きな言葉は「忘己利他(もうこりた)」。自分のことは後にして、人に喜んでもらえることを行うといった意味があるという。

(2021年9月14日付紙面より)

父・髙木亮英さん(右)と息子の智英さん
2021年09月14日
16 挑戦の結果を町長に報告
 潮岬中2年の久保凛さん  (串本町 )

 本州最南端から全国の頂へ―。全日本中学校陸上競技選手権大会共通女子800㍍に出場した串本町立潮岬中学校2年・久保凛さんが10日、田嶋勝正町長を表敬訪問し結果を報告するなどした。

 久保さんは7月にあった第67回全日本中学校通信陸上競技大会和歌山県大会共通女子800㍍で優勝。その予選で大会新となる2分14秒04を記録した。この大会は第48回全日本中学校陸上競技選手権大会標準記録突破大会を兼ねていて、標準記録(2分16秒50)を突破し同選手権大会同種目の出場権を獲得した。

 来る本番までの間には第70回近畿中学校総合体育大会があり、久保さんは地方、県、近畿の同種目で優勝。ベストタイムの更新はならずも力を増して先月18、19日実施の同選手権大会を迎えた。

 予選の記録は41人中9位。8位以上を対象とするA決勝には届かなかったが9~16位を対象とするB決勝に進出し3着となった。結果は総合11位だが、記録だけをみれば全国で7番目、2年生選手の中では全国首位の結果となった。

 以降、28日に紀三井寺公園陸上競技場であったU―16陸上競技大会選考会女子県代表選考種目1000㍍に挑戦し記録2分56秒22で優勝。来月22日(金)から24日(日)まで愛媛県総合運動公園陸上競技場で開かれるジュニアオリンピックカップ(JOC)第52回U―16陸上競技大会の同種目出場権を得た。

 これら一連の経過を教育課の鈴木一郎課長が本人同席の下で田嶋町長へ報告。同校も同選手権大会女子800㍍決勝の動画で久保さんの挑戦の様子を伝え、田嶋町長は県市町村対抗ジュニア駅伝競走大会でもコースレコードを重ねる活躍をしている久保さんのさらなる好成績を喜び「話を聞いて心強く、まだ伸びると感じた。まちもできる限りバックアップ態勢を取るので、次のU―16などいろいろな場面でいい成績を残してほしい」といっそうの活躍を今後に期待した。

 田嶋町長に将来の目標を尋ねられ、「オリンピックに出たい」と胸を張って答えた久保さん。「(同選手権大会の)結果には少し悔しいところもあるけれど、自分の全力で走れたし悔いはない。来年も出場して1位が取れるよう、これからも頑張ります」と意気込み、その目標を達成する自信も力強く示した。

(2021年9月14日付紙面より)

全日本中学校陸上競技選手権大会などの結果を報告する久保凛さん(中)=10日、串本町役場
2021年09月14日
17 早急に逃げて命守る
 高田小・中で土砂災害避難訓練  (新宮市 )

 新宮市立高田小学校・中学校(大家淳志校長、児童6人、生徒6人)で10日、土砂災害避難訓練があった。児童生徒たちは避難経路を確認するなど、災害への意識を深めた。

 訓練は2019年から実施し、今年で3年目。11年に発生した東日本大震災、紀伊半島大水害から10年が経過したことに伴い、子どもたちに山の多い同地域で起こる可能性がある土砂災害への意識を持ってもらおうと行われた。

 この日は同校横にある山が崩れ落ちたと想定。災害を知らせる校内放送が流れると、児童生徒は防災頭巾をかぶり、教職員の指示に従って駐車場へ一次避難した。駐車場に土砂が迫り、校門から逃げられないことも想定し、脚立を使ってフェンスを乗り越える二次避難訓練にも取り組んだ。

 避難を終えた子どもたちに同中学校の成見雅貴教頭が「土砂が押し寄せた場合には校門からは出られず、さらに避難しなければいけません。地形上、津波の心配は少ないかもしれないが、豪雨時には川の増水が考えられるので注意しましょう」と伝えた。

 大家校長は「災害発生時に先生たちが皆さんの近くにいるとは限らない。そんな状況でも早急に逃げられるように訓練を重ね、精度を上げるのが重要。自然災害はいつ、どこで起こるか分からない。『絶対に生きる、諦めない』という気持ちで、命を守ることを忘れないでください」と呼び掛けた。

 水口胡都(こと)さん(6年)は「最初に比べると訓練の大切さを知り、避難時の判断ができるようになりました。実際の災害は想像以上に恐ろしいと思うので、授業の中だけでなく普段から防災への意識を高めたい」と話していた。

(2021年9月14日付紙面より)

防災頭巾をかぶり訓練に取り組む児童たち=10日、新宮市立高田小学校・中学校
大家淳志校長(右)の話に耳を傾けた
2021年09月14日
18 近大新宮がベスト8進出
 秋季高校野球県一次予選  
2021年09月14日
19 町民有志が出馬を要請  4期目の現職・西田健町長に  (紀宝町 )
2021年09月14日
20 一見勝之さんが初当選  10年ぶり新人同士の争い制す  (三重県知事選 )
2021年09月14日
21 マスク着用困難者に「意思表示カード」  和歌山県  
2021年09月14日
22 「熊野」テーマの絵画審査 11月6、7日に丹鶴ホールで展示 (新宮市)
2021年09月14日
23 一般会計補正予算が可決  9月定例会で18議案を審議  (太地町議会 )
2021年09月14日
24 白いヒガンバナ  新宮市のタウンガーデン  
2021年09月14日
25 気軽に相談し虫歯予防  城南中1年生が歯磨き講座  (新宮市 )
2021年09月14日
26 楽しい夏の思い出に  丹鶴幼で「夏まつりごっこ」  (新宮市 )
2021年09月14日
27 ロケット描いたバス導入  大塔交通社の串本営業所  (串本町 )
2021年09月14日
28 経験者の話聞き理解深める  高池小4年生大水害教わる  (古座川町 )
2021年09月14日
29 お悔やみ情報
  
2021年09月07日
30 追悼の花、夜空に咲く
 紀伊半島大水害供養花火  (新宮市熊野川町 )

 新宮市熊野川町能城山本(のきやまもと)で4日夜、2011年の紀伊半島大水害で犠牲になった人々を追悼する花火が打ち上がった。地元住民や車中から花火を観覧していた人らは、夜空に咲いた774発の花火に10年前の水害に思いを巡らせるとともに、犠牲者の冥福を祈った。

 10年の節目に供養する機会を設けられればとの思いから「供養花火をする会」(池上順一会長、会員12人)が実行した。和歌山、三重、奈良の3県から50を超える団体や法人、個人の協賛を得て実施に至った。

 新型コロナウイルス感染症が拡大する中、花火打ち上げの是非や事前告知の在り方などについて協議を重ね、地元ケーブルテレビ局でのライブ中継やインターネットの動画投稿サイトの配信準備も進めた。

 池上会長は「『やらない』という選択をするのは簡単なこと。供養花火を打ち上げることに対し、多くの人から協賛と協力を得た。何もしないと前に進まない。多くの人が同じ思いだったのでは」。

 当日は十数㌶の田んぼの真ん中から打ち上げた。スターマインや6号玉が夜空を彩り、「献花」をイメージした白一色の花火がフィナーレを飾った。

 池上会長は「6号玉の響く音が、水害で亡くなった天国のみんなに届いてくれたら。(花火が打ち上げられたのは)多くの方々のおかげ。みんなの思いが一つになった花火だと思う」。

 10年間、長かったが早かった―。池上会長は熊野川を見つめ「水害後数年は復旧活動に奔走した。水害後もいろんなことがあった。これで一つの区切りがついたと思う」と話していた。

(2021年9月7日付紙面より)

夜空に供養の花火が上がった=4日夜、新宮市熊野川町
2021年09月07日
31 防災倉庫に避難用品を収納
 鮒田地区の新たな防災拠点に  (紀宝町 )

 紀宝町の鮒田地区自主防災会(東口高士会長)は5日、地区の高台に完成した一時避難場所防災倉庫に地区住民の避難用品を収納した。災害時の資器材なども保管し、東口会長は「この避難場所を鮒田地区の新たな防災拠点にしたい」と話していた。

 避難場所に整備した三つの倉庫を活用し、水害だけでなく、火災や津波など全ての災害を想定した防災の取り組み。150世帯のうち、この日集まった74世帯分を保管した。今後も避難用品を受け付けていくという。

 避難用品を入れる衣装ケースは幅74㌢、奥行き40㌢、高さ31㌢で全世帯に配布。各家庭専用QRコードを貼り付け、家族の名前、電話番号を読み取ることができるよう工夫した。

 この日は住民約50人が協力。鮒田構造改善センターで受け付けし、地区住民が各自の衣装ケースを持ち込んだ。ケースには衣類やマスク、ティッシュ、毛布、靴などが入っており、地区の男性は「災害時に必要な物を入れた」と語った。

 軽トラックで衣装ケースや資器材などを倉庫に運び保管した。避難場所は海抜20㍍に位置し、広さは約850平方㍍。災害時には車中泊も可能だという。

 センターでは、同地区の防災活動に関わってきた大阪工業大学工学部都市デザイン工学科の田中耕司・特任教授が配布した防災アンケートも回収した。

 アンケートは、防災意識の調査を目的としたもので▽日常の習慣▽地区との関わり▽地区の防災情報▽日常的な災害への備え▽台風接近時の行動―などを聞いた。

 田中教授は「鮒田地区が取り組む防災農園や防災散歩などの効果を調べた。皆さん協力的で、意識の高さがうかがえた」と話し、これから回答を分析するとした。

(2021年9月7日付紙面より)

避難用品や災害時に必要な資器材などを一時避難場所の倉庫に運ぶ=5日、紀宝町鮒田
住民から備蓄用品を受け付け(写真右)、防災倉庫に保管する(同左)
2021年09月07日
32 10年迎え、冥福祈り献花
 大水害記念公園で慰霊祭  (那智勝浦町 )

 2011年に発生した紀伊半島大水害から10年を迎えた4日、那智勝浦町は同町井関の紀伊半島大水害記念公園で慰霊祭を営んだ。例年は犠牲者の遺族や地域住民が参列するが、昨年に引き続き、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から堀順一郎町長と那智谷大水害遺族会の岩渕三千生代表のみが出席。二人は29人の犠牲者・行方不明者をしのび献花を行った。

 午後1時30分に町内全域にサイレンが響く中、関係者は黙とうをささげた。その後、二人は29個のキャンドルがともされた慰霊碑に白いカーネーションを供えた。

 堀町長は「亡くなられた方々のご冥福と被災された皆さまへのお見舞いを申し上げるとともに、人的災害や家屋災害がないように霊前にお誓いした。ご遺族にとっては悲しみが薄れることはない。4割の町職員が大水害を知らない世代となっているが、決して風化させてはいけない」。

 対策や抱負については「台風は止めることはできないが、来た際にはハード整備で一時的に止め、危険から逃げていただく。町としては情報収集を行い、素早く町民に知らせ避難いただけるように率先して啓発していきたい」と述べた。

 岩渕代表は「もう二度と災害が起きないように見守ってくださいという思いしかない。早めの避難を徹底し、自分の身は自分で守ることが大事。これらの行事は後世に伝えていかなくてはいけないと改めて思った。そのための活動を今後も続けていきたい」と語った。

  □     □

■那智大社と青岸渡寺が合同慰霊祭



 この日は熊野那智大社(男成洋三宮司)と那智山青岸渡寺(髙木亮英住職)が初の合同慰霊祭を営んだ。

 男成宮司が祝詞を奏上し、参列者が玉串をささげた。続いて、髙木住職らが読経する中、焼香が行われた。

 合同慰霊祭を終え、岩渕代表は「自分の気持ちで詰まっていたものがすっと下りたような気がする。心が安まる追悼供養をしていただいた」と話していた。

(2021年9月7日付紙面より)

堀順一郎町長(左)と岩渕三千生代表が献花し冥福を祈った=4日、那智勝浦町井関
男成洋三宮司が祝詞を奏上した
髙木亮英住職らが読経し法要を行った
2021年09月07日
33 冥福祈り、取り組みを報告
 仁坂知事が慰霊碑に献花  (那智勝浦町、新宮市 )

 2011年の紀伊半島大水害から10年となった5日、仁坂吉伸知事は県内に所在する同水害の慰霊碑や記念碑を訪れ献花。犠牲者の冥福を祈った。

 県では同水害から10年の節目に当たり、那智勝浦町体育文化会館で「紀伊半島大水害10年追悼式」の開催を5日に予定していたが、県内外における新型コロナウイルスの感染状況を鑑み追悼式は延期となった。

 仁坂知事は那智勝浦町井関の「紀伊半島大水害記念公園内慰霊碑」と、新宮市熊野川町田長の「道の駅 瀞峡街道熊野川内慰霊碑」など、県内4カ所の慰霊碑および記念碑での追悼献花を挙行した。

 那智勝浦町では、仁坂知事は花束と、水害発生から県が復興に向け実施した取り組みなどを記した冊子「紀伊半島大水害 復興10年の軌跡」を慰霊碑に供え、犠牲者を追悼した。

 仁坂知事は大水害発生当時を「どれだけの犠牲者が出ているのか、恐怖で肝がつぶれるようだった。われわれは津波に備え対策し、大きなダム設置も行ったが、足りないことが分かった。人命救助後は復旧を目指した。国の支援を受けながら懸命に努力し、本格復旧が95%まで達成できた」と振り返った。

 今後については「災害を忘れず、行政は災害が発生した際に人の命を救うことが重要。ITなどを駆使して、情報収集や分析を行い、次に当たらなくてはならない」と決意を新たにした。

(2021年9月7日付紙面より)

仁坂吉伸知事が和歌山県の取り組みを記した冊子を慰霊碑に供えた=5日、那智勝浦町井関
犠牲者の冥福を祈り献花=同日、新宮市熊野川町
2021年09月07日
34 地元勢3校が初戦突破
 秋季高校野球一次予選  
2021年09月07日
35 「津波てんでんこ」に逃げる  成川小で津波避難訓練  
2021年09月07日
36 水害から10年、今年もかれんに  大里地区で「十月桜」咲く  (紀宝町 )
2021年09月07日
37 緊急時の備えとして  イージードームハウス展示  (わくわくドッカーン )
2021年09月07日
38 屋上防水・外壁補修が完了  新宮市立三輪崎小学校で  
2021年09月07日
39 町民有志らが花火跡清掃  打ち上げから一夜明け  (新宮市熊野川町 )
2021年09月07日
40 サルスベリの花が咲く  熊野地方各地で  
2021年09月07日
41 個性豊かな作品が並ぶ  太田小学校で夏休み作品展  (那智勝浦町 )
2021年09月07日
42 15~12歳の1回目を実施  新型コロナワクチン接種  (串本町 )
2021年09月07日
43 敬意表し長寿祝う  町社協の高齢者宅訪問  (古座川町 )