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2021年09月25日
1 雨上がりに「虹」を架けよう
 2年ぶりに近大新宮祭  (新宮市 )

 新宮市の近畿大学附属新宮高校・中学校(池上博基校長、生徒471人)で24、25の両日、2年ぶりの近大新宮祭(文化行事の部)が開催されている。今年のテーマは「Rainbow∞(レインボー・レインボー)」。生徒一人一人が無限の色で構成される「虹」の色になり、雨上がりの空に虹を架けようというメッセージを込めた。

 本年度は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため一般の参加はなく、生徒のみで開催。中学校生徒会(宇惠諒介会長)、高校生徒会(小屋敷卓真会長)、実行委員らが中心となり、マスク着用や体育館の換気などを徹底して実施にこぎ着けた。

 初日の24日には、2回に分けてオープニングセレモニーが開かれた。各クラスの準備風景を集めたメディア部の映像作品上映やダンスサークルのパフォーマンス、パンフレット表紙を手掛けた下地貴子さん(高2)の表彰に続き、宇惠会長が「規模を縮小しながらも、近大新宮祭を開催できることをうれしく思う」と述べ、開会を宣言。

 「コロナ禍でも前向きに」との思いを込めた吹奏楽部のパフォーマンスでは、参加生徒が色とりどりのサイリウムを振って会場を盛り上げた。

 池上校長は「心ときめく近大新宮祭がやってきました。全生徒一丸となって築き上げた近大新宮祭が、雨上がりの心を癒やすレインボーのように、素晴らしいものになることを心から願っている」とあいさつを寄せた。

 25日には、中学生の演劇発表や高校のクラス行事、文化部の展示などが行われる。

(2021年9月25日付紙面より)

吹奏楽部が「Sing,Sing,Sing」を演奏=24日、近畿大学附属新宮高校・中学校
ダンスサークルのパフォーマンス
2021年09月25日
2 5Gなど用い遠隔医療支援
 町立病院も協力し実証実験  (串本町 )

 くしもと町立病院(竹村司・病院事業管理者、阪本繁院長)で22日、第5世代移動通信システム(通称・5G)と4K映像伝送システム「LiveU」を用いた遠隔医療支援の実証実験があった。

 この実験は、学校法人近畿大学、串本町、株式会社NTTドコモの3者で実施。5Gで遠隔医療支援を実現する実証実験として同大学とドコモが同大学病院とつながりを持つ同町立病院に協力を求めて計画した。

 具体的には同病院産婦人科診察室における胎児心臓エコー映像とその診察の様子を両システムで約120㌔離れた同大学病院胎児心エコー検査室=大阪府大阪狭山市=へ伝送し、同検査室からすでに普及している第4世代移動通信システム(通称・4G)で遠隔医療支援を注ぐ内容。伝送は通信上の安定性を確保するため1秒前後の低遅延設定で行い、対面時とほぼ遜色がない高度医療提供を同診察室で形にした。

 同検査室側は医学部の稲村昇准教授、同診察室側は産婦人科の木村憲三医師と小児科の有馬智之医師が対応。患者3人の協力を得て3度繰り返し、検証を進めた。同町立病院では通信を利用し医師間で症例検討をする機会は取り入れているが、今回のように診察自体を通信でつなぐ試みは初の経験だという。

 田嶋勝正町長も同実験を部分的にモニター越しで視察し、「へき地故に高度医療が受けられない状況の中、5Gを使って遠隔で高度で適切な医療を受けられるのは画期的。(この手法は)これからの医療になると状況を見て確信した」とコメント。竹村管理者は「相手側が高度な技術を持っていれば専門的な画像診断ができるとともに専門医教育の場面にも使え、こういうことに慣れていくと都会へ専門医教育を受けずとも遠く離れた所からガイドをしてもらい熟練することにつながる。医療が豊富な都市部と過疎地の格差を埋めるこの方法の大きな展開を今後に期待する」と印象を語り、地方における医師確保の難しさを和らげる可能性も見据えつつ同実験を見守った。

 この実験は、同大学とドコモなど5者で昨年11月に締結した「5Gの推進、『スマートシティ・スマートキャンパス』創造に関する包括連携協定」に基づく取り組みの一環。同町はごく一部を除いてまだ5Gエリア外のため、ドコモが移動基地局車を持ち込み5Gの通信環境を確保した。

(2021年9月25日付紙面より)

5GやLiveUを用いた遠隔医療支援の実証実験の様子=22日、くしもと町立病院
実験をモニター越しで見守る田嶋勝正町長(左)や竹村司・病院事業管理者
2021年09月25日
3 紀宝町側の用地契約完了
 3年後の開通目指し工事進む  (新宮紀宝道路 )

 紀宝町神内から新宮市あけぼのに至る延長2・4㌔の自動車専用道路「一般国道42号新宮紀宝道路」。紀宝町側では8月に248筆全ての用地契約が完了した。

 国土交通省が平成2013年度に事業化し、18年度から町内で工事に着手。24年秋の開通を目指し、同道路の一部「熊野川河口大橋」などで工事が続いている。

 本年度の同道路予算は紀宝町域に45億5000万円、昨年度補正予算15億円、新宮市域では本年度23億円、昨年度補正予算15億円が配分された。

 熊野川河口大橋は延長821㍍。18年7月から工事が始まり、現在、橋脚6基の下部工事が完成し、上部工事を施工中だ。

 町では「今後も国、県をはじめ関係機関と連携を密にし、早期完成に向け努力する」とコメントしている。

 紀伊半島一周高速道路の実現に向けて、8月29日には、一般国道42号熊野尾鷲道路(Ⅱ期)尾鷲北インターチェンジ(IC)から尾鷲南ICを結ぶ5・4㌔がつながり、全線が開通した。

(2021年9月25日付紙面より)

工事が進む一般国道42号新宮紀宝道路の熊野川河口大橋
2021年09月25日
4 意識を高めきれいな町を
 老ク連180人が奉仕活動  (新宮市 )

 新宮市老人クラブ連合会(上廣正幸会長)は「老人の日・老人週間」の全国一斉奉仕活動に合わせて24日朝、浮島の森駐車場や鴻田公園、緑ヶ丘会館前など市内12カ所で清掃活動を実施し、同会に所属する約180人が参加した。

 清掃奉仕は「花のある町、ゴミのない町」をテーマに実施。美しい環境で公共施設を利用してもらおうと毎年、草引きやごみ拾いの活動に取り組んでいる。

 同市神倉の県立新宮高校旧校門前では、西道楽天会(河上政方会長)のメンバー約15人が手分けして周辺の草を引き、協力しながら紙くずや落ち葉、空き缶を拾うなどして汗を流した。

 河上会長は「天候にも恵まれ、無事に清掃を終えることができました。どうしても雑草などは多いが、昔に比べると年々、紙くずやたばこの吸い殻は格段に少なくなった。日頃から住民の皆さんの美化意識が高いのだと思っています。これからも、地域全体できれいな町を保っていければ」と話していた。

(2021年9月25日付紙面より)

新宮高校周辺で清掃に取り組む西道楽天会の皆さん=24日、新宮市神倉
2021年09月25日
5 坂野医院が優勝 第170回職場対抗ボウリング大会 
2021年09月25日
6 戸石康江さんが優勝飾る
 なちかつGGCクラブ大会  
2021年09月25日
7 JAみくまの旗が開幕
 学童軟式野球大会  
2021年09月25日
8 近大新宮、延長で敗れる
 秋季高校野球一次予選  
2021年09月25日
9 サービスがパワーアップ  ハローワーク  
2021年09月25日
10 利用者減少、10月から減便  コロナ影響、ダイヤ改正へ  (JR西日本 )
2021年09月25日
11 明るい表情で体をほぐす  各地区でサロン活動再開  (那智勝浦町 )
2021年09月25日
12 実験的に公衆ごみ箱設置  国道168号沿い3カ所に  (東牟婁振興局 )
2021年09月25日
13 公式アプリで優待サービス  道の駅たいじではクジラのヒゲ贈呈  (JAF和歌山支部 )
2021年09月25日
14 対策講じ「にっぽん丸」入港  歓送迎イベント、岸壁入場は中止  (新宮市 )
2021年09月25日
15 交通ルールを守ろう!  新翔生がマナーアップ啓発  (新宮市 )
2021年09月25日
16 礎となった家族をしのぶ  町内各地で戦没者慰霊祭  (串本町 )
2021年09月25日
17 葉の違いを観察  三尾川小でクマノザクラ学習  (古座川町 )
2021年09月25日
18 第3回定例会一般質問②  串本町議会  
2021年09月25日
19 墓前で静かに手を合わせ  彼岸の中日、墓地に家族連れ  
2021年09月25日
20 珍しい?ペラペラの木?  那智勝浦町  
2021年09月25日
21 お悔やみ情報
  
2021年09月23日
22 事故減少のために協力を
 広角南交差点、信号機表示変更へ  (新宮警察署 )

 国道42号、広角南交差点(新宮市)の信号機の表示方法が今月30日の夕方ごろから変更となる。変更に伴い、同交差点は同日午後2時ごろより切り替え工事を実施。新宮警察署では「工事中は渋滞が発生する可能性もあるが、警察の指示に従って安全運転に協力を」と呼び掛けている。

 現在、青信号で直進左折車と右折車が同時通行となる同交差点。直進車と右折車の接触事故が絶えず、令和2年中(1~12月)には人身事故1件、物損事故7件が発生。今年1月から8月末にかけては人身事故の発生はなかったものの、10件の物損事故が発生している。

 信号機の表示切り替えは、右折車と直進車の接触を避けるなど、交通事故を一件でも減らすために講じられるもので、切り替えにかかる工事は数時間を予定しているという。改良後には矢印信号により直進左折車と右折車が分離となる。

 同署の楠間慎也交通課長は「交通状況の改良のためということにご理解を。ご迷惑をお掛けするかもしれないが、矢印信号に従って安全運転で通行していただければ」と話している。

(2021年9月23日付紙面より)

信号運用が変更となる、新宮市の「広角南」交差点

2021年09月23日
23 安心して遊べる公園を
 昨年度うどの幼保護者ら要望  (紀宝町 )

 昨年度の紀宝町立うどの幼稚園の保護者らが21日、紀宝町役場で西田健町長と面会し、184世帯479人分の署名を添えて防災公園の設置を要望した。

 既存の公園の老朽化やコンビニがたまり場になっていること、室内でのゲーム遊びに依存しがちになっている現状を踏まえ、令和2年度の同園PTA役員会が、3月から町内の子育て世代への署名活動を行った。

 新年度になったため、名称を「防災公園設立委員会」とし、子どもが安心して遊べる場所づくりを求めて取り組んでいる。

 要望では▽子どもが徒歩や自転車で行ける場所への設置▽安全に自転車の練習ができる広さがあること▽子どもから高齢者までが集える環境であること▽災害時にも活用できる機能があること―などを訴えた。

 この日は、委員長で同PTA前会長の中澤武さん、副委員長の中村和隆さんが訪れ、西田町長に要望書を渡し、意見を交わした。

 中澤さんは「子どもとお年寄りが寄り添えるような場所にしたい。次世代に地元にいてもらえるような起爆剤になり、地方創生に結び付けばいい」と伝えた。中村さんも「大人の目が届き、安心して遊べる場所に公園をつくってほしい」と話した。

 西田町長は「紀宝町に住んでもらいたいというのが原点で、このまちで安心して子育てをしていってほしい。気持ちはしっかり受け止めたい」と答えた。

 同町によると、町内に公園は条例化されていない4カ所を含めて18カ所ある。地区別では、鵜殿10カ所、井田2カ所、神内1カ所、成川1カ所、鮒田2カ所、大里2カ所となっている。

(2021年9月23日付紙面より)

要望書を渡す中澤武さん(中)と中村和隆さん(左)=21日、紀宝町役場
2021年09月23日
24 交通ルールの順守呼び掛け
 秋の交通安全運動で啓発  (串本町 )

 正しい交通ルールの順守とマナーの実践を呼び掛ける「秋の全国交通安全運動」が21日、始まった。串本町くじ野川の橋杭海水浴場駐車場では街頭啓発があり、関係者らが物資を配布しドライバーへ安全運転や交通ルールの順守などを求めた。

 同運動は30日(木)までの10日間。県内では▽子どもと高齢者をはじめとする歩行者の安全の確保▽夕暮れ時と夜間の事故防止と歩行者などの保護など安全運転意識の向上▽自転車の安全確保と交通ルール順守の徹底▽飲酒運転などの悪質・危険な運転の根絶―を重点にし活動が行われる。

 この啓発では交通事故をなくする県民運動推進協議会串本地区連合会の事務局・東牟婁振興局串本建設部、串本警察署、町交通指導員会、串本地区交通安全母の会、町などの関係者らが参加。同連合会会長の久保浩也・串本建設部長は重点を挙げ、秋の行楽シーズンで交通量も増加することから交通安全運動の取り組みの効果で事故が少しでも減少すればと述べた。

 同町の平井治司副町長は「運動期間中はもとより、日頃からも町において職員一丸となり交通ルールを順守するとともに、マナーの向上に努め、交通事故防止活動に積極的に参加し、町民の模範となるよう努力していきたい」。

 串本警察署の泉政勝署長は8月末現在の管内の交通事故発生状況を人身事故12件、物損329件の計341件で昨年同期と比較し微増していると説明。うち8割近くが地域住民の関わる事故となっており、啓発活動を通じ地元住民に「安全運動なんや。気を付けて運転せなあかん」と思ってもらうことに価値があると呼び掛けた。

 あいさつ後、パトカーや白バイがそれぞれパトロールに出発。以降ドライバーを駐車場に誘導し、物資を手渡すと「交通安全運動です」と声を掛けるなどして注意を促した。

(2021年9月23日付紙面より)

啓発物資を手渡し、注意を促した=21日、串本町くじ野川
2021年09月23日
25 渚の会が清掃に取り組む
 秋の海ごみゼロウイーク  (那智勝浦町 )

 日本財団「海と日本PROJECT」と環境省などが実施する全国一斉清掃キャンペーン「秋の海ごみゼロウイーク」にエントリーした「かつうら渚(なぎさ)の会」(猪飼伸会長)は19日、那智勝浦町のブルービーチ那智で清掃活動に取り組んだ。会員や一般参加者など45人ほどが集まり、マスク着用や3密に注意するなど新型コロナウイルス感染症対策を施して作業に汗を流した。

 清掃キャンペーンは同財団らが海洋ごみ問題の周知啓発と海洋ごみの流出を少しでも防ぐことを目的に、「ごみゼロの日」の5月30日から6月8日の「世界海洋デー」前後を「春の海ごみゼロウイーク」、9月18日の「ワールドクリーンアップデー」から26日までを「秋の海ごみゼロウイーク」と定めている。渚の会は春にもエントリーし、約100人が参加して海岸をきれいにした。

 前回と同様にキャンペーンの必須アイテムである青色の服やタオル、帽子などを身に着けた参加者が協力し合って海藻や流木などの漂着物やごみを拾った。

 同会の濵邊誠治副会長は「天気や潮によって漂着物の量は違うが、有名な那智の浜をきれいにすると気持ちがいい」。

 猪飼会長は「次回からは那智浜での清掃はザルなどを使って少しでも砂を減らさないようにしようと思う。若い世代の参加者が増えてくれてうれしい。子どもから大人まで皆さんで町の海をきれいにしていきたい」と語った。

(2021年9月23日付紙面より)

清掃活動に取り組んだかつうら渚の会や参加者の皆さん=19日、那智勝浦町のブルービーチ那智(一時的にマスクを外して撮影)
ごみ拾いに汗を流した
2021年09月23日
26 口紅のごとくあでやかに  宇久井半島の森にクチベニタケ  (那智勝浦町 )
2021年09月23日
27 和歌山31年連続で下落  三重も下落止まらず  (基準地価 )
2021年09月23日
28 追加含め全議案可決で閉会  那智勝浦町議会9月定例会  
2021年09月23日
29 観光機構や懸泉堂利活用で議論  那智勝浦町議会一般質問(終)  
2021年09月23日
30 対策講じ、練習再開  那智勝浦吹奏楽団  
2021年09月23日
31 2カ月ぶり、練習再開  紀の国わかやま文化祭「天の剣を託された男」  (熊野新宮ミュージアム )
2021年09月23日
32 新鮮で楽しい思い出  5、6年生がデイキャンプ  (熊野川小 )
2021年09月23日
33 町の発展祈願し斎行  勝浦八幡神社例大祭  
2021年09月23日
34 正しく使おう「抗原検査キット」  図らずも、PCR体験  
2021年09月23日
35 交通安全活動に協力を  安全運転管理推奨像伝達式  (紀宝署 )
2021年09月23日
36 楽しい一日過ごす  潮岬小5年生がデイキャンプ  (串本町 )
2021年09月23日
37 第3回定例会一般質問①  串本町議会  
2021年09月07日
38 追悼の花、夜空に咲く
 紀伊半島大水害供養花火  (新宮市熊野川町 )

 新宮市熊野川町能城山本(のきやまもと)で4日夜、2011年の紀伊半島大水害で犠牲になった人々を追悼する花火が打ち上がった。地元住民や車中から花火を観覧していた人らは、夜空に咲いた774発の花火に10年前の水害に思いを巡らせるとともに、犠牲者の冥福を祈った。

 10年の節目に供養する機会を設けられればとの思いから「供養花火をする会」(池上順一会長、会員12人)が実行した。和歌山、三重、奈良の3県から50を超える団体や法人、個人の協賛を得て実施に至った。

 新型コロナウイルス感染症が拡大する中、花火打ち上げの是非や事前告知の在り方などについて協議を重ね、地元ケーブルテレビ局でのライブ中継やインターネットの動画投稿サイトの配信準備も進めた。

 池上会長は「『やらない』という選択をするのは簡単なこと。供養花火を打ち上げることに対し、多くの人から協賛と協力を得た。何もしないと前に進まない。多くの人が同じ思いだったのでは」。

 当日は十数㌶の田んぼの真ん中から打ち上げた。スターマインや6号玉が夜空を彩り、「献花」をイメージした白一色の花火がフィナーレを飾った。

 池上会長は「6号玉の響く音が、水害で亡くなった天国のみんなに届いてくれたら。(花火が打ち上げられたのは)多くの方々のおかげ。みんなの思いが一つになった花火だと思う」。

 10年間、長かったが早かった―。池上会長は熊野川を見つめ「水害後数年は復旧活動に奔走した。水害後もいろんなことがあった。これで一つの区切りがついたと思う」と話していた。

(2021年9月7日付紙面より)

夜空に供養の花火が上がった=4日夜、新宮市熊野川町
2021年09月07日
39 防災倉庫に避難用品を収納
 鮒田地区の新たな防災拠点に  (紀宝町 )

 紀宝町の鮒田地区自主防災会(東口高士会長)は5日、地区の高台に完成した一時避難場所防災倉庫に地区住民の避難用品を収納した。災害時の資器材なども保管し、東口会長は「この避難場所を鮒田地区の新たな防災拠点にしたい」と話していた。

 避難場所に整備した三つの倉庫を活用し、水害だけでなく、火災や津波など全ての災害を想定した防災の取り組み。150世帯のうち、この日集まった74世帯分を保管した。今後も避難用品を受け付けていくという。

 避難用品を入れる衣装ケースは幅74㌢、奥行き40㌢、高さ31㌢で全世帯に配布。各家庭専用QRコードを貼り付け、家族の名前、電話番号を読み取ることができるよう工夫した。

 この日は住民約50人が協力。鮒田構造改善センターで受け付けし、地区住民が各自の衣装ケースを持ち込んだ。ケースには衣類やマスク、ティッシュ、毛布、靴などが入っており、地区の男性は「災害時に必要な物を入れた」と語った。

 軽トラックで衣装ケースや資器材などを倉庫に運び保管した。避難場所は海抜20㍍に位置し、広さは約850平方㍍。災害時には車中泊も可能だという。

 センターでは、同地区の防災活動に関わってきた大阪工業大学工学部都市デザイン工学科の田中耕司・特任教授が配布した防災アンケートも回収した。

 アンケートは、防災意識の調査を目的としたもので▽日常の習慣▽地区との関わり▽地区の防災情報▽日常的な災害への備え▽台風接近時の行動―などを聞いた。

 田中教授は「鮒田地区が取り組む防災農園や防災散歩などの効果を調べた。皆さん協力的で、意識の高さがうかがえた」と話し、これから回答を分析するとした。

(2021年9月7日付紙面より)

避難用品や災害時に必要な資器材などを一時避難場所の倉庫に運ぶ=5日、紀宝町鮒田
住民から備蓄用品を受け付け(写真右)、防災倉庫に保管する(同左)
2021年09月07日
40 10年迎え、冥福祈り献花
 大水害記念公園で慰霊祭  (那智勝浦町 )

 2011年に発生した紀伊半島大水害から10年を迎えた4日、那智勝浦町は同町井関の紀伊半島大水害記念公園で慰霊祭を営んだ。例年は犠牲者の遺族や地域住民が参列するが、昨年に引き続き、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から堀順一郎町長と那智谷大水害遺族会の岩渕三千生代表のみが出席。二人は29人の犠牲者・行方不明者をしのび献花を行った。

 午後1時30分に町内全域にサイレンが響く中、関係者は黙とうをささげた。その後、二人は29個のキャンドルがともされた慰霊碑に白いカーネーションを供えた。

 堀町長は「亡くなられた方々のご冥福と被災された皆さまへのお見舞いを申し上げるとともに、人的災害や家屋災害がないように霊前にお誓いした。ご遺族にとっては悲しみが薄れることはない。4割の町職員が大水害を知らない世代となっているが、決して風化させてはいけない」。

 対策や抱負については「台風は止めることはできないが、来た際にはハード整備で一時的に止め、危険から逃げていただく。町としては情報収集を行い、素早く町民に知らせ避難いただけるように率先して啓発していきたい」と述べた。

 岩渕代表は「もう二度と災害が起きないように見守ってくださいという思いしかない。早めの避難を徹底し、自分の身は自分で守ることが大事。これらの行事は後世に伝えていかなくてはいけないと改めて思った。そのための活動を今後も続けていきたい」と語った。

  □     □

■那智大社と青岸渡寺が合同慰霊祭



 この日は熊野那智大社(男成洋三宮司)と那智山青岸渡寺(髙木亮英住職)が初の合同慰霊祭を営んだ。

 男成宮司が祝詞を奏上し、参列者が玉串をささげた。続いて、髙木住職らが読経する中、焼香が行われた。

 合同慰霊祭を終え、岩渕代表は「自分の気持ちで詰まっていたものがすっと下りたような気がする。心が安まる追悼供養をしていただいた」と話していた。

(2021年9月7日付紙面より)

堀順一郎町長(左)と岩渕三千生代表が献花し冥福を祈った=4日、那智勝浦町井関
男成洋三宮司が祝詞を奏上した
髙木亮英住職らが読経し法要を行った
2021年09月07日
41 冥福祈り、取り組みを報告
 仁坂知事が慰霊碑に献花  (那智勝浦町、新宮市 )

 2011年の紀伊半島大水害から10年となった5日、仁坂吉伸知事は県内に所在する同水害の慰霊碑や記念碑を訪れ献花。犠牲者の冥福を祈った。

 県では同水害から10年の節目に当たり、那智勝浦町体育文化会館で「紀伊半島大水害10年追悼式」の開催を5日に予定していたが、県内外における新型コロナウイルスの感染状況を鑑み追悼式は延期となった。

 仁坂知事は那智勝浦町井関の「紀伊半島大水害記念公園内慰霊碑」と、新宮市熊野川町田長の「道の駅 瀞峡街道熊野川内慰霊碑」など、県内4カ所の慰霊碑および記念碑での追悼献花を挙行した。

 那智勝浦町では、仁坂知事は花束と、水害発生から県が復興に向け実施した取り組みなどを記した冊子「紀伊半島大水害 復興10年の軌跡」を慰霊碑に供え、犠牲者を追悼した。

 仁坂知事は大水害発生当時を「どれだけの犠牲者が出ているのか、恐怖で肝がつぶれるようだった。われわれは津波に備え対策し、大きなダム設置も行ったが、足りないことが分かった。人命救助後は復旧を目指した。国の支援を受けながら懸命に努力し、本格復旧が95%まで達成できた」と振り返った。

 今後については「災害を忘れず、行政は災害が発生した際に人の命を救うことが重要。ITなどを駆使して、情報収集や分析を行い、次に当たらなくてはならない」と決意を新たにした。

(2021年9月7日付紙面より)

仁坂吉伸知事が和歌山県の取り組みを記した冊子を慰霊碑に供えた=5日、那智勝浦町井関
犠牲者の冥福を祈り献花=同日、新宮市熊野川町
2021年09月07日
42 地元勢3校が初戦突破
 秋季高校野球一次予選  
2021年09月07日
43 「津波てんでんこ」に逃げる  成川小で津波避難訓練  
2021年09月07日
44 水害から10年、今年もかれんに  大里地区で「十月桜」咲く  (紀宝町 )
2021年09月07日
45 緊急時の備えとして  イージードームハウス展示  (わくわくドッカーン )
2021年09月07日
46 屋上防水・外壁補修が完了  新宮市立三輪崎小学校で  
2021年09月07日
47 町民有志らが花火跡清掃  打ち上げから一夜明け  (新宮市熊野川町 )
2021年09月07日
48 サルスベリの花が咲く  熊野地方各地で  
2021年09月07日
49 個性豊かな作品が並ぶ  太田小学校で夏休み作品展  (那智勝浦町 )
2021年09月07日
50 15~12歳の1回目を実施  新型コロナワクチン接種  (串本町 )
2021年09月07日
51 敬意表し長寿祝う  町社協の高齢者宅訪問  (古座川町 )