ニュースアーカイブ|ARCHIVES
アーカイブ検索で表示されるグレーのリンクのない記事については、熊野新聞紙面をご覧ください。
ご購読のお申し込み
過去2年分の熊野新聞は、
SHIMBUN ONLiNE
でご購読頂けます。
新聞オンライン(電子新聞)
カレンダー検索:48件の記事がありました
【検索ステータス】 
2021年03月19日
1 漁船に乗って大敷へ
 宇久井中2年が漁業学習  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町立宇久井中学校(坊信次校長)の2年生12人が17日早朝、宇久井漁港で漁業体験に取り組んだ。宇久井漁業協同組合(向井誠士組合長)協力の下、生徒たちは第三十宇久井丸と第三十六宇久井丸に乗船し、地域を支える漁業を肌で感じた。

 同校で20年以上続く海洋教育の一環。地元漁師らを講師に迎え、海で繰り広げられている漁業の手法や歴史、魚の種類などを学ぶ他、将来的な漁業後継者育成も目的の一つとなっている。

 生徒たちは漁船で沖合約3㌔の定置網(通称・大敷)へ向かい、丸々と太ったブリやタイ、タチウオ、スルメイカなどが次々と引き揚げられていく光景に感嘆。この日はブリやサバ約19㌧の水揚げがあり、大漁に活気づく漁港での仕分け作業も見学した。

 父親が漁師をしているという齋藤真結子さんは「お父さんは毎朝4時半ごろ仕事に出掛け、魚のにおいをさせて帰ってくる。漁船では10人ほどで大量の魚を網ですくっており、魚の種類も説明してくれた。さまざまな種類の魚が取れる網と、主にブリを取る網があると聞き、どんな仕組みになっているのか疑問が湧いてきた」と話していた。

(2021年3月19日付紙面より)

漁船の前で記念撮影=17日、那智勝浦町の宇久井漁港
魚がかかった定置網を引き揚げる(宇久井中学校提供)
2021年03月19日
2 224人、喜びにあふれる
 木本、紀南高校で合格発表  

 県立木本、紀南高校で18日、入学試験の合格発表があった。10日に行われた後期選抜と、すでに内定が通知されている前期選抜の合格者が発表された。合格を決めた受験生たちは4月から始まる高校生活に胸を躍らせていた。

 木本高校では、後期選抜のみ実施した普通科(定員120人)に132人が受験して120人が合格した。総合学科(定員40人)は前期選抜合格者22人を除く後期選抜募集人数18人に14人が受験し、普通科受験者を含む18人が合格した。

 紀南高校普通科(定員80人)は前期選抜で27人が合格。募集人数53人の後期選抜に39人が受験し、37人が合格した。

 新型コロナ対策として、県教育委員会による専用サイトでも発表された中、両校では午前9時30分に合格者の受験番号が掲示された。マスク姿で訪れた受験生は、自分の受験番号を見つけると「あった、あった」と喜んだ。

 紀南高校に合格した男子生徒は「部活はまだ決めてないけど、将来の仕事に向けて高校生活を頑張りたい」と笑顔を見せていた。

(2021年3月19日付紙面より)

掲示板で番号を確認する受験生たち=18日、熊野市の木本高校
受験番号を見つけて合格を喜ぶ=同日、御浜町の紀南高校
2021年03月19日
3 成果を分かちアピールも
 文化セで学習成果発表会  (串本古座高校 )

 県立串本古座高校(左近晴久校長)が18日、串本町文化センターで本年度学習成果発表会を開いた。生徒が互いに発表を鑑賞して学業や活動の成果を分かち合い、併せて家族や外部講師らにも公開して取り組みをアピールする機会とした。

 生徒自ら同校の特色ある学校設定科目やクラブ活動の発表に臨むことで学びに対する理解を強く深めさらに生徒全体で分かち合い、さらにその様子を公開することで校内外に取り組みや頑張り、成長を伝える行事として計画。同校創立時と2年前にも実施した経緯があり、3回目となる今回は同校魅力化プロジェクトによる特色の多様化に伴い、過去最大規模での実施となった。

 吹奏楽部の演奏をオープニングとして開会し、生徒会の問山裕海会長(2年)があいさつ。左近校長は「生徒皆さんの準備や練習の努力が実る同発表会。遺憾なき成果の発揮を祈りたい」と述べて激励した。

 プログラムは▽全体発表▽パネルディスカッション▽分科会―の3部構成。全体発表では学校設定科目「海洋環境」「マリンスポーツ」「串本デュアル(長期インターンシップ)」について経験した生徒自らが取り組みの様子と学んだ事柄を発表した。

 パネルディスカッションでは和歌山大学の西川一弘准教授をコーディネーターに迎え、串本町役場や古座川町役場に勤務する先輩や教員に職務内容やその延長でできること、同発表会の印象などを聴取。併せて「周囲の協力を得られる人になってほしい」「三現主義で一緒に頑張ろう」「発表会を形にした自分たちに自信を持ってほしい」といった年長からのメッセージも生徒に注がれた。

 分科会では全体発表3科目と他の学校設定科目、クラブ活動の発表や展示があり、生徒や招待者らは自身の科目選択や関心に応じて鑑賞。そのような流れで取り組みの成果を分かち合い、最後に西川准教授による全体講評を受けて終了した。

(2021年3月19日付紙面より)

学校設定科目「串本デュアル」の取り組みと成果を全体発表=18日、串本町文化センター
分科会の展示会場
2021年03月19日
4 ワクチン接種スタート
 センター内職員など対象に  (新宮市立医療センター )

 新宮市立医療センターで17日、医療従事者に対する新型コロナウイルスワクチンの先行接種が始まった。同センターでは19日(金)まで、接種を希望する院内職員、委託業者職員に順次接種を行っていく。

 国が医療従事者を対象に、先月から先行接種を開始した新型コロナワクチン。和歌山県では今月6日、3900回分のファイザー製ワクチンが県内11病院に到着し、8日に接種が始まった。

 同センターには12日に195バイアル(1箱、975人分)が到着。うち83バイアルが那智勝浦町立温泉病院、くしもと町立病院に配分され、両病院とも15日から医療従事者などを対象に接種が始まっている。

 同センターの接種対象者は520人で、うち接種希望者は院内職員(333人)、委託業者職員(133人)合わせて対象者の89・6%となる466人。17日には中井三量(みつかず)病院長(66)をはじめ、約150人がワクチン接種をした。次回のワクチン到着時期は未定だが、届き次第2回目の接種を実施していくという。

 センター内で最初に接種した中井病院長は「針を刺した瞬間はチクリとしたが筋肉内の痛みはほとんどなかった」。

 今後、その他の医療従事者、高齢者、基礎疾患を有する人などに対し待望のワクチン接種が進んでいくはずと展望を語り「ワクチンは、3密を避ける、移動の自粛などに加え新型コロナに対応できる策と考えている。副反応の可能性も少なく、通常のワクチンと同じように接種いただけると思っている」と話した。

 2月17日から国内で先行接種が始まったワクチン。これまで約35万人の医療従事者が接種を受けたが、全人口の0・3%にとどまっている。政府は6月末までに約1億回分(約5000万人分)を調達するとの見通しを示している。

(2021年3月19日付紙面より)

ワクチン接種を受ける中井三量病院長=17日、新宮市立医療センター
2021年03月19日
5 ユニークな名前と美しさ  オオイヌノフグリが見頃  
2021年03月19日
6 「熊楠と幽霊」出版  知の巨人の神秘的な面を探る  
2021年03月19日
7 全産業の判断は「下降」超  和歌山県の経済動向  
2021年03月19日
8 消防団活動の協力に感謝  2事業所に表示証交付  (新宮市 )
2021年03月19日
9 「私たちの地域の自慢」  太田小学校で学習発表会  (那智勝浦町 )
2021年03月19日
10 優秀賞の高校生7人を表彰  世界遺産についての作文  (新宮ユネスコ協会 )
2021年03月19日
11 有馬クラブ優勝し、県大会へ  県スポーツ少年団軟式野球交流大会  
2021年03月19日
12 活動通じて優しい気持ち育つ  「人権の花」運動への感謝状  (井田小 )
2021年03月19日
13 新たな観光拠点整備も計画  紀宝町議会一般質問(終)  
2021年03月19日
14 愛好者170人が出場し競う グラウンドゴルフ「チャンピオン大会」 (県立潮岬青少年の家)
2021年03月19日
15 令和3年第1回定例会一般質問②  古座川町議会  
2021年03月19日
16 お悔やみ情報
  
2021年03月17日
17 例大祭の体制発表 4月13日~、コロナ対策講じ斎行 (熊野本宮大社)

 田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)は15日、同大社瑞鳳殿で会見を開き、4月13日(火)~15日(木)にかけて斎行される同大社例大祭「本宮祭」の体制を発表した。新型コロナウイルスの感染状況に鑑み、神事・祭典は神職ならびに総代会、青年会関係者のみ。人数制限などの対策を講じつつ、緩やかに従来の規模に戻して執り行う。

 熊野の春の訪れを告げる同大社の例大祭。主祭神の家津美御子大神(けつみみこのおおかみ=スサノオノミコト)の故事に倣う祭典とされる一年の豊穣を願う祭り。毎年、地元住民や多くの観光客が参加・参列し、春の同町を盛大に彩る。

 昨年は新型コロナの全国的な拡大状況を考慮し、神事を一部中止。規模を縮小して実施した。

 祭りの始まりを告げる「湯登神事」は、湯の峰温泉で身を清めた稚児の頭に神を降ろす神事。和歌山県の無形民俗文化財の指定を受けている。額に神が降臨した証しである「大」という文字を書かれた稚児らをウマ役の父親が背負い、湯の峰での神事の後大日越えを果たす。

 昨年は主人公である稚児の参加を見合わせたが、従来12人が参加するところ、今年は県内から5人の稚児が参加する。同じく昨年は中止となった地元中学生による大和舞は20~50代の青年会有志により継承。現在、当日に向けて練習を重ねているという。

 15日の本殿祭における参列者は、同市をはじめ紀南地方の関係者のみに呼び掛け100人までとする。マスク着用を呼び掛けるほか検温も実施する構え。例年なら修験者や巫女(みこ)など、約300人の規模で行う渡御行列も50人程度に人数を制限し執り行う。県内の女性による巫女舞、御田植神事、護摩たきなども実施する。

 また、今年は初の試みとして祭りの様子を動画投稿サイト「ユーチューブ」の同大社公式チャンネルで配信する予定としている。

 同大祭の概要を説明した九鬼宮司は「コロナの現状に鑑み、心苦しいが県外からの参列はご遠慮いただいた。今年も厳しい状況は変わらないが、少しでも元気を与えられるように、昨年より緩やかに執り行うことができれば」。

 榎本隆文・総代会長は大和舞について「コロナ禍で中学生の参加が困難な中、青年会と協議した結果『どうしてもやりたい』ということになった」と説明。髙栖浩史・青年会長は「大和舞も巫女舞も祭りの中では重要。2年連続中止では、携わる人の意識も薄れてしまう。青年会でやるべきだと感じた」と経緯を話した。

【本宮祭タイムスケジュール】

■4月13日(火)

▽湯登神事(午後1時~)

▽宮渡神事(午後5時30分~)

■4月14日(水)

▽船玉大祭(午前10時~)

■4月15日(木)

▽本殿祭(午前10時~)

▽渡御祭(午後1時~)

▽還御祭(午後4時~)

(2021年3月17日付紙面より)

本宮祭の体制を説明する九鬼家隆宮司(中央)=15日、熊野本宮大社
2021年03月17日
18 ワクチン接種始まる
 院内医療従事者を対象に  (紀南病院 )

 医療従事者を対象とした新型コロナウイルスワクチンの優先接種が15日、御浜町阿田和の紀南病院で始まった。12日に第1便280人分のワクチンが到着し、「超低温冷凍庫」に保管。初日は院内の医師、看護師、医療技術職員ら約30人に接種した。

 国が先月から医療従事者を対象に先行接種を開始し、今月から対象を全国の医療従事者に拡大した。三重県では今月初めから配布を開始し、すでに尾鷲市や伊勢市、津市などで優先接種が始まっている。

 紀南病院ではこれまで、県内医療機関で先行接種の見学、会場設営のシミュレーションなど事前準備を整えてきた。

 接種対象者は、院内の医療従事者をはじめ救急隊員、地域の医療従事者、薬剤師、新型コロナに対応する行政職員など約1000人。今回は19日(金)まで接種を行う。第2便の到着時期は未定だが、ワクチンが届き次第、接種するという。

 院内で最初に接種した加藤弘幸院長は、アレルギー反応などに備えて約30分、別室で待機。その後「針を刺された感覚も少なく、痛くもなかった。職員が接種して不安がある際は病院に連絡し対応する体制を整えている」と話した。

(2021年3月17日付紙面より)

院内で初めてワクチン接種を受ける加藤弘幸院長=15日、御浜町の紀南病院
2021年03月17日
19 今まで以上の活用を希望
 学童保育所新施設完成式  (古座川町 )

 古座川町が15日、中央公民館で学童保育所「きらり」の新施設完成式を開いた。条例上の移転期日は4月1日(木)。段階的に進める引っ越しで機能が新施設へ移るため、同日付で本年度登録児童が先行利用を始めている。

 同町の学童保育所は2007年、学童保育所を支える会の発足に伴い開所した。その需要を察した同町は2年後の09年に同保育所設置条例を制定。玄関が道に接していた旧施設(現古座川漁業協同組合)に代わり、高池小前の旧教職員住宅を改修した現施設を準備して同会に運営を委託した。

 児童定員20人の現施設に対してここ数年は年間35人程度の利用登録があり、常にその数が利用しているわけではないが逆に利用が集中した時の許容超えが課題に。同会は11年の紀伊半島大水害に伴う床上30㌢の浸水で老朽化に拍車がかかり、耐震性がなく衛生管理面でも課題を感じて18年に施設の更新を要望した。同町は検討の末、最寄りにある町民体育館前の民家を前年度に取得。本年度は耐震改修工事を進め、今年1月に完了した。

 木造2階建てで、延べ床面積は約152平方㍍。敷地面積は約733平方㍍あり、建物以外に庭園や旧耕作地、職員駐車場や送迎の一時駐車場所を含む。建物は児童定員を40人とし、2階を倉庫、1階を児童や職員の過ごす場所とする。

 職員には和室(=事務所)、児童には和室2室と洋室1室を割り当て。他に台所と温水洗浄便座付き洋式トイレ二つ、住居由来の浴室も備える。取得や設計を含めた総事業費は約2554万円。現施設が抱える課題の大半を今回の事業で解消する形となっている。

 完成式で西前啓市町長は、周囲の支援あればこその新施設だと同事業を振り返り今まで以上の活用と運営協力を今後に希望。中道悟教育長は「児童が有意義に放課後を過ごせるよう努める」、同会の皿田由紀子会長は「安心して過ごせる居心地のいい場所を意識して運営する」とそれぞれ意気込みを掲げて感謝し、町議会の瀧口定延議長や仲本耕士副町長も同席してこのやりとりを見届けた。

(2021年3月17日付紙面より)

学童保育所「きらり」の新施設を内覧する完成式の出席者=15日、古座川町高池
現施設の課題をほぼ解消する新施設実現への感謝と意気込みを示す皿田由紀子会長
2021年03月17日
20 インドの街をぶらり旅
 ESS部がオンライン交流会  (新宮高校 )

 新宮市の県立新宮高校(前田成穂校長)のESS部(水谷菜乃部長)は15日、インド東部の大都市コルカタと中継をつないでオンライン交流会を開いた。部員6人を含む生徒16人が参加し、在コルカタ日本総領事館の政府開発援助(ODA)嘱託業務を担当する渡邉大貴さん(28)を案内人に、現地の街を旅した。

 ESS(English Speaking Society)部は楽しみながら英語を学ぶクラブ活動。

 渡邉さんは現地の屋台でグアバやココナツを買いつつ、クラクションが鳴り響くにぎやかな街の様子を紹介。一時は世界第2位の新型コロナウイルス感染者数を出していたインド国内の情勢も落ち着き、高齢者を優先してワクチン接種が始まっていると話した。

 日本総領事館での仕事について「政府開発援助は、国同士の助け合い。井戸水の汚染で病気がまん延する地域を援助したり、差別を受けている人々に職業教育をしたりする。日本の国民から集めた税金を使うため、支援方法や効果について綿密な調査や報告書を作る必要があり、とても大変で責任のある仕事」と語った。

 エチオピアでの青年海外協力隊活動が基になって国際協力の道を志した経験を振り返り「世界は広く、さまざまな文化がある。学生の皆さんには視野を広げ、いろんなことに挑戦してほしい」と呼び掛けた。

 27日(土)から始まる西ベンガル州議会議員選挙に伴い、デモや暴動の防止のために現地のインターネット接続が規制されるハプニングもあり、生徒たちはインドと日本の情勢の違いに驚いていた。

 仲美咲さん(2年)は「タクシーの運賃が安かったり、選挙でインターネットが使えなくなったりと、日本ではあり得ないことがたくさんあり、文化の違いを感じた」と話していた。

(2021年3月17日付紙面より)

渡邉大貴さんがコルカタを案内=15日、新宮市の県立新宮高校
生徒16人が参加した
2021年03月17日
21 運動、クイズで脳と体鍛える  さつきサロンに19人参加  (紀宝町 )
2021年03月17日
22 シダレザクラ美しく咲く  鮒田の大通寺近くで  (紀宝町 )
2021年03月17日
23 コロナ禍でも礼はつなぐ  区役員らで国皇神社例祭  (古座川町 )
2021年03月17日
24 委託先含め196人に接種  医療従事者優先接種始まる  (くしもと町立病院 )
2021年03月17日
25 太地町議会一般質問   
2021年03月17日
26 不登校や家庭の孤立化解決のために  家庭教育支援チームが交流  (那智勝浦町 )
2021年03月17日
27 参拝者の目を楽しませる  那智山のオウバイとレンギョウ満開  
2021年03月17日
28 「かけっこ大好き!」  マリア保で運動会ごっこ  (新宮市 )
2021年03月17日
29 ノジスミレ咲き始める  「浮島の森」近くで  (新宮市 )
2021年03月17日
30 新宮署長異動、串本署長勇退  和歌山県警春の人事異動  
2021年03月17日
31 お悔やみ情報
  
2021年03月12日
32 「3・11を忘れない」
 熊野三山で慰霊や復興祈願  (東日本大震災から10年 )

 未曽有の大災害を忘れない―。2011(平成23)年3月11日午後2時46分ごろ、宮城県牡鹿半島の東南東沖で発生した「東日本大震災」から10年の節目となる11日、被災者を追悼し被災地の復興を祈る式典が全国各所で営まれた。熊野速玉大社、熊野那智大社、熊野本宮大社の三山でも慰霊祭や復興祈願祭を斎行。犠牲者の鎮魂とさらなる復興進展を祈念し玉串がささげられた。

 日本国内最大規模、アメリカ地質調査所(USGS)によれば、1900年以降、世界でも4番目の規模となった同大震災。マグニチュードは9・0で、宮城県北部の栗原市で最大震度7が観測されたほか、宮城県、福島県、茨城県、栃木県などで震度6強を観測した。

 岩手、宮城、福島県など太平洋沿岸部を未曽有の大津波が襲い、地震に伴う福島第一原子力発電所事故の影響もあり多くの人が避難所生活を余儀なくされた。死者は1万9000人(災害関連死含む)を超え、現在も2500人以上が行方不明となっている。首都圏では交通機関が不便となり大量の帰宅困難者が発生した。

 熊野速玉大社では、神職らによる「東日本大震災復興慰霊祭」がしめやかに営まれた。上野宮司の祝詞奏上に続いて、巫女(みこ)が「浦安の舞」を奉納。神前に玉串を供え、10年の節目に思いをはせた。

 神事を終え、上野宮司は震災発生当時、羽田空港にいた自身の体験を振り返り「インフラの整備は進んでいるが、大切な人を失ったという心は、何年たっても復興されることはない。これからも心の復興に重きを置いて祈りを込めていきたい」。

 それから半年後、紀伊半島大水害によって自分たちが被災するとは想像もしていなかったと回顧し「自然は時として大きな試練を与える。しかし、戦争や犯罪など人の手による罪や悲しみははらい清めていかなければ」と、時折声を詰まらせながらそう語った。

(2021年3月12日付紙面より)

慰霊と復興の思いを込め玉串をささげた=11日、熊野速玉大社
巫女らが「浦安の舞」を奉納
2021年03月12日
33 105系車両に感謝を伝える
 鉄道ファンの畑上耕三さん  (串本町 )

 串本町西向在住の、70年来の鉄道ファン・畑上耕三さん(78)がこのほどJRきのくに線普通列車に感謝する横断幕を掲げ、日々通過を見送っている。

 ターコイズブルーの色彩が印象的なこの列車は105系車両で編成され現在は紀伊田辺駅~新宮駅間で運行されているが、13日(土)のダイヤ改正に伴う227系車両の導入により現役引退となる。

 畑上さんは少年期からの鉄道に興味を持ち、成人を機に鉄道友の会へ入会した現役鉄道ファン。最盛期には一眼レフ複数など撮影資機材を担いで北海道から九州まで、鉄道の勇姿を追い掛けていたという。会員歴58年、ファン歴70年。地元のきのくに線を支える車両ももれなく関心の対象で、105系には片面三つの扉が付いた製造車両と山手線や環状線を支えた片面四つの扉が付いた103系からの改装車両の2系統があるなど豊かな知識を背景にして語る。

 前述した駅間への導入は1998(平成10)年で、空調やトイレ、車体色の変更など時代相応の改修を重ねながら運行を続けてきた。その車両がまもなく引退と知り、期日が1週間後に迫った辺りで居ても立ってもいられなくなって急ぎ幅4㍍の布を購入。感謝の言葉を記して車窓から目につく場所に掲示し、同列車の通過時間ごとにその横に立ち感謝しているという。

 好天の10日はコンパクトカメラで勇姿を撮影しながら通過を見送り。畑上さんは「紀伊田辺~新宮間を走るようになって23年。特急はよく注目されるが、普通列車も地元の足として十分活躍してくれている。それを思うと居ても立ってもいられなくなり、短い期間だが感謝しようという気持ちになった。105系にはただただ『ありがとう』という感謝しかない」とこみ上げる思いを語った。

(2021年3月12日付紙面より)

通過する105系車両を見送る70年来の鉄道ファン・畑上耕三さん=10日、串本町西向

2021年03月12日
34 訪れる人にサクラなど紹介
 高池小6年生がガイド実践  (古座川町 )

 古座川町立高池小学校(大畑眞校長)の6年生11人が10日、同町池野山にあるクマノザクラのタイプ標本木前で子どもガイドを実践し訪れた人々にクマノザクラの詳細などを紹介した。

 同町観光協会(須川陽介会長)のクマノザクラ振興事業を活用したふるさと学習の一環。11人は昨年12月に樹木医の矢倉寛之さんからガイドに役立つ知識を一通り教わり、3学期に解説文を考えガイドの練習に励んできた。今月1日の現地リハーサルでは視察に訪れた下宏副知事ら県の幹部職員が客役の協力をし、本番さながらの度胸付けも得て実践に臨む流れとなった。

 10日はほぼ快晴の好天に恵まれ、タイプ標本木は散り始めに差し掛かっていたがまだまだ花の盛り。11人は同協会が準備した「クマノザクラ子供ガイド」のユニホームを着て4組に分かれ、同協会の帯企画「古座川桜フェア2021」内での事前告知により町内外から続々と訪れる見物客に声を掛け、ガイドを希望した人に5分程度の解説をしてクマノザクラやそのタイプ標本木の特色、一期一会の好機を生かしてアピールしたい同町の魅力などを伝えた。

 実施時間帯は午後2時~3時の1時間で、4組合計で28回のガイドを実践。緊張して早口にならないよう、表情にも気を付けながら挑戦したという山本真琴さんは「できたできなかったで言えばできた方。明日も緊張せず真剣に伝えたいことを伝えて、古座川の魅力を来てくれる皆さんに教えたい」と初日を終えての感想を語った。

 この日は3~6年生で育てているクマノザクラの実生苗をおととしの6年生が卒業制作した看板の横に並べて披露した。11人は翌11日も同じ時間帯で同標本木前に常駐して実践に臨んだ。

 子どもガイドは前年度の6年生も挑戦したが、実践直前でコロナ禍に伴う臨時休校が始まり実現できず。大畑校長は本年度の11人はそのリベンジを合い言葉にして頑張ったと実践に至るまでの様子を語り、その達成感を11人と分かちあいながら初日の実践を締めくくった。

(2021年3月12日付紙面より)

クマノザクラのタイプ標本木前で子どもガイドを実践=10日、古座川町池野山
前年度の6年生のリベンジを果たしつつ子どもガイドに取り組んだ高池小6年生の皆さん
2021年03月12日
35 珍しいクロウミガメを保護
 ウミガメ公園で一般公開  (紀宝町 )

 メキシコ湾などに生息するクロウミガメが御浜町阿田和の沖合で見つかり、保護した紀宝町井田の道の駅「紀宝町ウミガメ公園」飼育プールで10日、一般公開が始まった。クロウミガメが日本近海で発見されるのは珍しいという。

 2月24日に阿田和沖2㌔の定置網にかかっていたところを、漁師の山本善之さん(47)が見つけ、連絡を受けたウミガメ公園の飼育員・伊藤柊也さんがその日に保護した。

 クロウミガメは、アオウミガメと同じ種に分類されるが、体色が灰から黒で甲羅の一部などに特徴がある。熊野灘で発見されたのは初めてで、国内では五つの水族館で飼育されている。

 保護されたクロウミガメは甲羅の長さが53㌢、幅46㌢で体重は約15㌔。10~20歳と推定され、性別は不明だという。

 発見した山本さんは「定置網で作業をしていた際、魚に交じって泳いでいた。変わったカメなので伊藤さんに連絡した。アオウミガメ、アカウミガメを見掛けるが珍しいと聞いてびっくりした。20年漁をしていて初めて見た」と振り返った。

 伊藤さんは「ウミガメは絶滅危惧種に指定されていて、クロウミガメも数が少ない。日本での発見例や飼育が少ないため、日本ウミガメ協議会と連携して経過を観察し、貴重なデータを取っていきたい」と話していた。

(2021年3月12日付紙面より)

クロウミガメを飼育プールに移す=10日、紀宝町井田の道の駅「紀宝町ウミガメ公園」
2021年03月12日
36 公立高校で入学試験  合格発表は19日  (和歌山県 )
2021年03月12日
37 経済支援や防災など  新宮市議会一般質問②  
2021年03月12日
38 当初予算など23議案を上程  太地町議会3月定例会  
2021年03月12日
39 七段飾りやつるし飾りを展示  「お食事処 川柳」で  (那智勝浦町 )
2021年03月12日
40 尼将軍前の山桜が満開  花を楽しむ参拝者も  (那智勝浦町 )
2021年03月12日
41 東日本大震災から10年  丹鶴幼で地震・津波避難訓練  (新宮市 )
2021年03月12日
42 6年生との思い出づくり  市野々小で読み聞かせ  (那智勝浦町 )
2021年03月12日
43 堀順一郎町長諸報告②  那智勝浦町  
2021年03月12日
44 和歌山串本は4月14日開業  ホテル「フェアフィールド」  (串本町 )
2021年03月12日
45 経験者チームに刺激得る  後援会の支援受け野球部  (串本古座高校 )
2021年03月12日
46 交通安全に役立てて  新1年生に傘プレゼント  (紀宝地区安協会 )
2021年03月12日
47 井田海岸で清掃活動  6年生が感謝の気持ち込め  (井田小 )
2021年03月12日
48 堀口海晴さんが全国賞  いじめ防止標語コンテスト  (新宮市 )