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2021年02月26日
1 勝浦市場でオペラコンサート 開催に先立ち記者会見 (那智勝浦町)

 4月17日(土)に那智勝浦町築地の勝浦地方卸売市場で開催する「さわかみオペラin南紀勝浦生まぐろ市場コンサート」に向けての記者会見が24日、同町役場で開かれた。公益財団法人さわかみオペラ芸術振興財団代表理事の澤上篤人さんと統括責任者の山田純さんがオンラインで出席し、国内外でも珍しいとされる市場で行うオペラに至った経緯や本番に向けての抱負を語った。なお、共催する民間で組織された南紀勝浦生まぐろ市場コンサート実行委員会の会長には後誠介さんが選任された。

 同財団はさわかみ投信㈱で取締役会長を務める澤上さんが、生活者に身近で芸術性の高いオペラ文化を日本で広め、多くの人々が心のぜいたくを味わい豊かな人生を送ってもらいたいという思いから設立した。

 世界トップレベルであるイタリアの有力歌劇場と協力し、日本の世界遺産と文化遺産を舞台にジャパン・オペラ・フェスティヴァルなどを開催。これまでに姫路城や京都国立博物館、平城京、熊本城などで実施してきた。一方で100~500人規模のオペラやクラシック音楽を身近に楽しめる催しを各地で開くなど幅広い活動を展開している。

 また、別財団では2009(平成21)年度から企業や労働組合などがCSR(企業の社会的責任)などの一環として、和歌山県内の森林環境保全に取り組む「企業の森」や道普請などにも参加し社会貢献に尽くしている。

 堀順一郎町長によると、和歌山県職員時代の堀町長が職務で澤上さんと知り合い、両者間の交流は続いていたという。その後、澤上さんらが来町した際に堀町長が町を案内し、今回のオペラ開催が決定した。オペラは今秋実施の「紀の国わかやま文化祭2021」の応援事業の一つとして開催される。

 同オペラには梨谷桃子さん(ソプラノ)、前川健生さん(テノール)、斉木健詞さん(バス)、ピアニストの篠宮久徳さんの4人が出演する。

 演目は▽カルメンより「闘牛士の歌」▽ナポリ民謡「オ・ソレ・ミオ」▽早春賦▽花―など。歌詞の意味が分かるように来場客には日本語訳の歌詞が配布され、司会者が詳細を説明する予定だという。

 山田さんは「代名詞のマグロに関係する市場はこの町を代表する場所。ここでコンサートができればお客さまも感動してくれるはず」と話した。

 澤上さんは「日本でトップレベルの本物のオペラを地域の方々に楽しんでいただきたい。いずれは世界レベルの方々もお呼びしたい」。

 活性化については「地元の人々が自分たちで活性化していかなくてはならない。町と日本中のつながりの手助けをしたい」と話した。

 堀町長は「本物の芸術を地元の方々に喜んでいただきたい。しっかりと盛り上げ、来年も継続できるようにしたい」と意気込みを語った。

 会見後、実行委員会が開かれ、意見交換などが行われた。後会長は「コロナで人々の気持ちが縮こまってしまっている。対策を万全にし、地域に潤いを与えるこういった機会は良いチャレンジだと思う。今後の継続のためにも第1回をしっかりと成功させられるように尽力したい」と思いを述べた。

 なお、座席数は300席で先行予約順になる。価格は一般2000円、学生(小学生~高校生)1000円。地元の小中学生など30人の招待も予定しているという。

 チケット予約は3月5日(金)から受け付け開始。同財団でも申し込める。引き換えは4月1日(木)から那智勝浦町二河75の町教育委員会で行う。

 予約や問い合わせは那智勝浦町教育委員会(電話0735・52・4686)、(公財)さわかみオペラ芸術振興財団(電話0570・023・223)。

(2021年2月26日付紙面より)

オンラインを交えて行われた会見の様子=24日、那智勝浦町役場
2021年02月26日
2 ハラスメントについて学び深める
 えぼし寮で研修会  (美熊野福祉会 )

 社会福祉法人美熊野福祉会(森常夫理事長)の指定障害者支援施設杉の郷えぼし寮(上路拓司施設長、新宮市高田)で24日、ハラスメント研修会があった。社労士の南靖司さん(みなみ社会保険労務士事務所)が講師を務め、同福祉会管理職員ら約30人がハラスメントについて意識を新たにした。

 開催に当たり、森理事長が「自分たちがハラスメントをよく知らなければならない立場だと理解し、今後の姿勢に生かしてほしい」とあいさつした。

 南さんは、セクシュアル・マタニティ・パワーの各ハラスメントについて説明。どういった行為が「セクハラ」に当たるのかなどを解説し▽上司は部下に性的な誘い掛けをしない▽性的話題・ジョークはメンバーと状況を的確に熟慮した上で行う▽セクハラをしたと考えたときは迅速かつ誠実に謝罪する―などをハラスメント加害者にならないためのポイントとして挙げた。

 妊娠・出産・子育てに伴う不当な取り扱いや嫌がらせを指す「マタハラ」について、法律や制度の観点から説明。「制度などの利用への嫌がらせ」「状態への嫌がらせ」も多いとし「制度や法律があるということを前提に知っておかなければならない」。

 ハラスメントには昔の価値観が横たわっており、時代が変わったことに気付かずに価値観を押し付けることによってハラスメントが生まれると話した。

 「パワハラ」と「セクハラ」の違いについて説明し「パワハラは『受けたものの不快感』だけを判断基準にしていない。適切な叱咤(しった)や指導は成長のために必要不可欠」。

 職場における「パワハラ」とは「優越的な関係を背景とした言動」であり「業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの」により「労働者の就業環境が害される」もので、これらを全て満たすものとし、「パワハラ」が及ぼす影響についても言及。企業・加害者が負うリスクも過去の裁判を例に紹介した。

 「パワハラ」という言葉が強い意味を持ちすぎたために「パワハラとはいえないことでもパワハラと訴える」弊害も発生していると述べ「パワハラは人を陥れたり個人の利益のために利用する言葉ではない。『それはパワハラでない』と理由を説明し指導することが上司の大切な仕事」と呼び掛けた。

(2021年2月26日付紙面より)

ハラスメントについて理解を深めた=24日、新宮市高田
南靖司さん
2021年02月26日
3 町中の海岸をきれいに
 渚の会が玉の浦を清掃  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町の住民らで組織する「かつうら渚(なぎさ)の会」(猪飼伸会長、会員40人)は21日、同町粉白の玉の浦海水浴場で今年初となる清掃活動を行った。子どもを含めた約50人の参加者が海岸の景観美化に努めた。

 同会は住民有志が集まり、町内の海などで定期的に清掃活動することで景観や環境を保持し、啓発していくことを目的としている。子どもを含め、家族で環境について意識し、学びを深めるきっかけをつくる狙いもある。和歌山県の清掃活動の促進を目的とした「わかやまごみゼロ活動応援制度」の認定を受けている。

 この日の清掃には、同会のほか、植地篤延・粉白区長をはじめとした区民や町職員も参加。海岸のプラスチックごみや流木などを拾い集め、美化活動に汗を流した。

 清掃開始に当たり、同会の濵口佳男副会長が「今日は天気も上々で暑いくらいですが、皆さんの協力をお願いします」。会計の藤社和美さんは「海岸の下見に来た時、若い女性が写真を撮っている姿を見た。この美しい景観を保つためにも活動を続けていければ」とそれぞれあいさつした。

 参加した堀順一郎町長は同会や町民の美化活動に感謝を示し「町では昨年12月にゼロカーボンシティ宣言もしたが、一人一人が身の回りから自然環境について考え、継続していくという意味でも、同会は献身的に活動してくれている。玉の浦はきれいな浜なので後世に残していきたい」。

 猪飼会長は「びっくりするくらい多くの人に集まっていただき感謝。最近、息子が釣りを覚えたが、うれしそうに釣った魚を見せてくれる姿を見て、活動をしていて良かったと感じています」と話していた。

(2021年2月26日付紙面より)

活動に参加した皆さん=21日、那智勝浦町粉白
ごみ袋を手に清掃に汗を流した
2021年02月26日
4 聴覚障害者支援意識培う
 職員対象に手話講座実施  (古座川町 )

 古座川町職員を対象にした手話講座が24日に役場本庁であり、西前啓市町長ら14人が受講して聴覚障害者支援の意識を培う機会とした。

 同町は県内でも先駆けて2018(平成30)年4月、町独自の手話言語条例を施行。基づく実践を着実に広げる足掛かりとしてまずは町職員から理解を深めていこうと考え、職員研修の位置付けで同講座を計画した。

 当日は社会福祉法人美熊野福祉会の大代聖子さんと新宮市聴覚障害者協会の須川陽一さんを講師として迎え、前半は大代さんが世界規模で手話が言語と見なされるようになった根拠や手話言語条例の広まりと主だった合理的配慮事項、新宮・東牟婁6市町村から意思疎通支援事業を受諾する同福祉会ができる支援事項などを説明。後半は須川さんと共に本題の聴覚障害とコミュニケーション方法を紹介するなどした。

 大代さんは、聴覚障害には▽音声言語習得前の失聴(ろう者)▽同習得後の失聴(中途失聴者)▽難聴▽盲ろうなど重複聴覚障害―などさまざまな状況があることを伝え、耳の恩恵を振り返って失聴がもたらす状況を職員と一緒に考えた。須川さんはろう者の一人として生い立ちとその時々の感情、具体的にどのような状況で困っているかやその時の心境を伝え、支援の在り方への理解を促した。

 聴覚障害者とのコミュニケーション方法には▽口話(相手の唇の動きから会話を読み取る方法)▽筆談▽手話や手話通訳―があり、前述した状況ごとに得意・不得意があることや実践時に留意してほしい事柄も説明。須川さんは感染症予防のための距離を取って構わないのでマスクを外ししっかりと口元を動かして見せてほしいこと、筆談時は簡潔に分かりよく説明し分かったかどうかの確認を必ずしてほしいこと、聴覚障害者と視線を合わせて接してほしいことなどを願い出た。

 その他、聴覚障害者向けの公的支援機器や聴覚障害関係の各種マークも情報として紹介。手話の言葉が生活動作から形作られる点に着目し、イメージしやすい範囲で手話による会話を職員に実践してもらい取り組む上での緊張感を解きほぐすなどした。

 研修を経て西前町長は、町民に聴覚障害者がいなくても来町することはあり得るとし引き続き対応できる努力を重ねることを期待し、講師2人には今後の登壇を希望。計画した健康福祉課の増山理恵主事は今後も、さらに対象や内容を工夫してこの講座の町独自実施を目指すと意気込んでいる。

(2021年2月26日付紙面より)

聴覚障害や求められる発想を職員に伝える大代聖子さんと須川陽一さん=24日、古座川町役場本庁
2021年02月26日
5 アプリの年齢制限に注意  太田小でネットモラル教室  (那智勝浦町 )
2021年02月26日
6 1位に小阪留美さん  写連新宮支部2月例会  
2021年02月26日
7 学習発表や巨大紙芝居  「市小ふれあい祭り」  (那智勝浦町 )
2021年02月26日
8 ホバークラフトの仕組み学ぶ  少年少女発明クラブ2月講座  (新宮市 )
2021年02月26日
9 かわいい「てまりずし」  下田児童館で子ども料理教室  (新宮市 )
2021年02月26日
10 表彰状と菓子受け取る  5児童館チャレラン大会  (新宮市 )
2021年02月26日
11 開花前に下草を刈り払い  峯のクマノザクラ一帯で  (古座川町 )
2021年02月26日
12 重畳山山麓の三滝巡る  ウオークツアーに16人  (南紀串本観光協会 )
2021年02月26日
13 デコポン満足の味に  仕上がり良好で250㌧出荷を見込む  (JA伊勢三重南紀 )
2021年02月26日
14 実験で電気の仕組み学ぶ  関西電力送配電の出前授業  (井田小 )
2021年02月26日
15 俳句が好きな仲良し句会  貴祢俳句会  (趣味日和 ~生活に、彩りを。~ )
2021年02月26日
16 早咲きサクラが開花  那智勝浦町  
2021年02月26日
17 お悔やみ情報
  
2021年02月20日
18 新宮城復元の早期着手求む
 13団体が市長に要望  (新宮市 )

 新宮市自治会連合会をはじめとした市内の13団体は18日、連名で田岡実千年市長に新宮城復元の早期着手を求める要望書を提出した。榎本義清・自治会連合会長ら13団体の代表が市役所を訪れ、「市民に夢と希望を与えるまちづくりの推進を」と求めた。

 新宮城は1633(寛永10)年、紀州藩付家老水野氏により完成。建造物は1873(明治6)年の廃城令を受け、75(同8)年までに取り壊されている。現在では、幾多の自然災害の影響による石垣の崩壊や、樹木の成長による天守台の崩落や城跡の劣化も進んでいる。

 市は1980(昭和55)年に新宮城跡を公有地化し都市公園として整備を開始。発掘調査や水ノ手側の石垣修復、炭納屋遺構群の保存工事を実施。2003(平成15)年には城郭跡が国史跡指定を受けた。

 17(平成29)年に(公財)日本城郭協会より「続日本100名城」に選定され、19(令和元)年には水野家入部400年記念事業が開催されるなど、他地方から訪れる観光人口も増加している。

 復元に当たっては、戦後間もない1946(昭和21)年に発生した南海道大地震で市内中心部が焼失しており国内での資料の発見は難しいとされている中、市では復元調査委員会などを組織し、本年度末を期限に「新宮城復元資料収集懸賞事業」を実施。懸賞金を懸けて天守や大手門、やぐらの復元につながる古写真や設計図などの資料を募っているが、今に至るまで復元の足掛かりとなる資料などは見つかっていない。

 提出された要望書は▽市自治会連合会▽市婦人団体連絡協議会▽新宮商工会議所▽市観光協会▽市商店街振興組合連合会▽新宮ライオンズクラブ▽新宮ロータリークラブ▽市仲之町商店街振興組合▽丹鶴商店街振興組合▽市駅前本通り商店街振興組合▽新宮商工会議所女性会▽新宮商工会議所青年部▽子育てサポートキッズクラブ―の連名。

 19(平成31)年に施行された「文化財保護法及び地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律」、昨年に文化審議会が定めた「史跡等における歴史的建造物の復元等に関する基準」(以下新基準)などに言及し、「今こそ時機を逸することなく、早急に官民一体となった『新宮城再建委員会』などを組織するなど、『新宮城復元』に向けての取り組みを」と要望した。

 要望を受け、文化振興課は「大手門がどこにあったかも分かっておらず、想像される場所は民有地となっている」「史跡として整備していくとなれば保存活用計画を策定する必要がある」などと現状を説明。新基準については「往時の規模や構造、形式などや材料、工法を検証し、それを採用しない部分については史跡などの理解促進や保存・活用の効果と比較衡量する必要がある」と理解を求めた。

 榎本自治会連合会長は「早急に委員会などをつくり進めていかないと、未計画では中ぶらりんと取る市民も多いのでは」。対し田岡市長は「復元整備に向けてしっかりと検討していきたい。早いうちに何らかの返答をさせていただきたい」とした。

(2021年2月20日付紙面より)

市内13団体が新宮城復元に向けて田岡実千年市長(手前右)に要望書を提出した=18日、新宮市役所
2021年02月20日
19 ウェブで流域治水を共有
 大規模氾濫減災協議会  (和歌山県 )

 東牟婁地域等における大規模氾濫減災協議会の第6回会議が18日、ウェブ上で実施された。和歌山県や各市町村が参加。各地域の流域治水を計画的に推進するためのプロジェクトの素案などを議論した。

 2015年9月の関東・東北豪雨などによる甚大な被害を踏まえ、17年5月、国は多様な主体が連携して社会全体で洪水に備える取り組みなどを推進するために大規模氾濫減災協議会制度を創設。県内においても各地域で同協議会を組織し、さらなる連携・協力体制の構築を図っている。

 この日は2日に閣議決定された「特定都市河川浸水被害対策法等の一部を改正する法律案」(流域治水関連法案)についても説明があった。

 法案は近年、全国各地で激甚化・頻発する水災害や、気候変動による今後の降雨量や洪水発生頻度の増加に対応するために流域全体を俯瞰(ふかん)し、あらゆる関係者が協働して流域治水の実現を図ることを目的としている。

 改正案の概要は「流域治水の計画・体制の強化」「氾濫をできるだけ防ぐための対策」「被害対象を減少させるための対策」「被害の軽減、早期復旧、復興のための対策」となり、同協議会の対策に関連するところも多いことから加えて取り組んでいくという。

 ウェブ会議で井口好晴東牟婁振興局長は「協議会を通じて流域治水の取り組みが進み、地域にとって水防災がより高いレベルになることを目指していきたい」とあいさつ。

 事務局は「被害の軽減」「早期復旧」「復興のための対策」を三つの柱として▽河川や堤防、砂防えん堤の整備▽浸水が頻発する場所に住宅を建築させない▽危険地域の住宅の移転促進▽浸水想定図の作成▽避難のためのタイムラインの作成継続や強化▽被害の最小化のための事業継続計画(BCP)策定―などを推進していくとした。

 古座川、太田川、那智川、佐野川の四つの水系のこれまでの事業の進捗(しんちょく)状況や治水プロジェクトについての素案を説明。次年度は各地域に出向いて課題などのヒアリングを行い、今後の流域治水のプロジェクトに反映させていくと方針を示した。

 中家章夫河川・下水道局長が「この素案は住民の皆さまに理解していただけるように県のホームページに掲載する予定。今後もあらゆる関係者が協力し、議論していく。各市町でも取り組んでいただけたら」と締めくくった。

(2021年2月20日付紙面より)

ウェブ会議の様子=18日
2021年02月20日
20 現地調査への協力求める
 紀宝熊野道路の事業説明会  (紀宝町 )

 平成31年度に事業化された「国道42号紀宝熊野道路」の事業説明会が18日、紀宝町の井田公民館であった。国土交通省中部地方整備局紀勢国道事務所が測量、地質などの現地作業の内容やスケジュールを説明した。

 紀宝熊野道路は紀勢自動車道、国道42号熊野尾鷲道路、熊野道路などと一体となって道路ネットワーク強化を目的に計画され、熊野市久生屋(くしや)町から紀宝インターに至る延長15・6㌔の一般国道の自動車専用道路。新宮紀宝道路の紀宝町鵜殿から成川、神内、井田の各地区を通過して、御浜町阿田和、志原両地区を経て久生屋町につながる計画だ。

 説明会には約30人が訪れ、紀勢国道事務所紀勢線推進室の佐溝健治・事業対策官が説明した。現地調査、予備設計、地元説明、幅杭打設、用地測量、用地補償、工事着手などを経て完成・開通に至る計画で「今後、詳細な設計を行うため現地で測量・地質調査を行う予定です」と述べ、協力を求めた。

 調査結果を基に設計を行い、後日、詳細な計画ルートや構造について説明会を開く予定で、出席者からは「ルート変更がないようお願いしたい」「雨量も考えて設計を」などの意見、要望があった。

(2021年2月20日付紙面より)

井田地区であった事業説明会=18日、紀宝町の井田公民館
2021年02月20日
21 有効に役立てて
 6施設に寄付金手渡す  (新宮東牟婁労福協 )

 新宮東牟婁地域労働者福祉協議会(關(せき)勝行会長)は18日、新宮市と那智勝浦町の福祉施設6カ所に寄付金計12万円を贈った。

 協議会は子どもたちの健全育成を目的に毎年、入場無料の映画まつりを開催。その際に集まったチャリティー募金と加盟団体からの寄付金を贈呈しているが、今年は新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から3密を避けるため上映を中止した。今回は活動費の一部が活用された。

 寄付金は▽美熊野福祉会▽なぎの木園作業所▽わかば園作業所▽どんぐりの家▽南紀ひまわり作業所▽いなほ作業所―の6施設に均等に分配され、各2万円が贈られた。

 美熊野福祉会(森常夫理事長)には關会長と谷口晃一事務局次長が訪問。森理事長に寄付金を手渡した。

 關会長は「残念ながら映画の上映は中止となってしまったが、コロナ禍だからといって皆さんからの善意の気持ちは変わらない。感染症に負けずに継続して活動し、少しでも役に立てていければ」。

 森理事長は「このご時世にもかかわらず、気に掛けていただいて本当にありがたい。乳幼児向けのリハビリ用のおもちゃを購入するなど、有効的に使わせていただきます」と感謝を述べていた。

(2021年2月20日付紙面より)

森常夫理事長(左)に寄付金を手渡す關勝行会長=18日、新宮市佐野の美熊野福祉会
2021年02月20日
22 野球に感謝。経験、技術伝える
 テキサスヒットグラブ工房・須川幸太さん  
2021年02月20日
23 一投腕が優勝 第163回職場対抗ボウリング大会 
2021年02月20日
24 楽しく英語に親しむ  丹鶴幼で「えいごであそぼう」  (新宮市 )
2021年02月20日
25 独自の支援を望む  飲食関連3団体が要望  (新宮市 )
2021年02月20日
26 歌手の南順子さんラジオ出演  「紀州まぐろ節」をPR  (那智勝浦町 )
2021年02月20日
27 笑顔で創作ダンス発表  新宮高校でICT活用し  
2021年02月20日
28 かわいいひな人形作る  寺子屋分校「楽しい手芸教室」  (紀宝町 )
2021年02月20日
29 小中学生10人部門別対戦  第16回年始少年剣道大会  (串本町 )
2021年02月20日
30 植野禎さんの作品常設展示  谷工業所がギャラリー公開  (串本町 )
2021年02月20日
31 高校再編の考え伝え意見聴取  串本古座高校で説明・懇談会  (県教委 )
2021年02月20日
32 ママも子どもも笑顔になる「疲れない食育」
 【第30回】調理体験が子どもを育てる!  

 子どもはかわいくて、手が掛かるものですが、いつかは自立して独り立ちしてもらわないといけません。私も子育ての目標は、一人で生きていける人間に育てることだと思っています。そのために今できること、それは、ズバリ「お手伝い」です。日々の家事のお手伝いももちろんですが、私の一押しは「調理のお手伝い」です。お手伝いがしたい!と言う3~4歳ごろ、私も「今日は時間がないから、また今度ね」とよく言っていました。親がやった方が早い・見ていないと危ない・やりたいことしかやらない。こうなると、やらせるのはかなりハードルが高いですよね。でも、お休みのときなど、ゆとりのあるときに一緒に調理をするだけで十分なんです。調理のお手伝いは、子どもにとってたくさんのメリットがあります。

 調理経験は、子どもの自尊心や自己肯定感を高めるという研究結果があります。「調理経験は自尊感情のうち『他者への思いやり』に最も強く影響を及ぼすと考えられた」(栄養学雑誌「小学生の家庭での調理経験が食事観・自尊感情・教科に対する関心に及ぼす影響」、2018年)。子どもにとって、調理体験は、単純に「できた!」という成功体験の喜びを与えるだけではありません。家族に褒めてもらうことで「自分は大切な存在である」ということを認識することができますし、作ることの大変さを通じて、作ってくれる人への思いやりや感謝も学ぶことができるわけです。

 さらに、調理の手伝いは学習意欲も向上させます。先ほどの論文にも、こんな記述があります。「調理経験が食事観や自尊感情を介し、教科に対する関心に影響を及ぼすという結果が得られ、児童の調理経験を増やすことが教科に対する関心を高める可能性が示唆された」(同論文)。さらに海外の研究では、調理の体験の食育で、理科や算数などの理解度が高まったという論文もあります。ここには、自尊心や自己肯定感が大きく影響していると私は考えています。ただ、調理をさせるだけではなくとにかく褒めてあげることが大切です。誰かのために作るという姿勢や、やろうとする好奇心、そしてやり切ったこと、出来上がったものを全力で褒めてあげましょう!

 他にも、「好き嫌いなどの偏食の改善につながる」というメリットもあります。自分で作ったことによって、食べたいという気持ちや食べてみようという気持ちにつながるからです。そして、調理の手伝いは、将来への食意識に作用します。調理を手伝えば手伝うほど、健康的な食生活への意識が高まるといわれています。親元を離れた後でも、食生活に気を使って、健康的な生活が送れるようになるということです。お料理を一緒にするということは、子どもたちに良いことずくめなんです。忙しい毎日の中で、ふと時間があるとき、ぜひ一緒にお料理を楽しんでみてください。やりたいということをやらせてあげてみてください。子どもたちは、お料理のお手伝いを通して、大人が思っているよりも、たくさんのことを吸収してくれると思います。

(2021年2月20日付紙面より)

2021年02月09日
33 熊野に春呼ぶ御燈祭り 古式床しく斎行 (新宮市神倉神社)

 熊野地方に春の訪れを告げる「御燈祭(おとうまつ)り」が6日夜、新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)の摂社、神倉神社で営まれた。新型コロナウイルス感染防止のため上(あ)がり子の入山が中止となる中、神職と介釈(かいしゃく)の一行は古式床(ゆか)しく神事を斎行。御神火をともした大松明(たいまつ)と共に下山した。

 新宮節の一節に「山は火の滝、下り竜」とうたわれ、1500年以上の歴史と伝統を誇る勇壮な火祭り。2016(平成28)年3月、熊野速玉大社例大祭「新宮の速玉祭(はやたまさい)」と合わせて国の重要無形民俗文化財に指定された。

 今年は、全国的に新型コロナ感染症のクラスター発生防止の取り組みが行われている中、2000人以上の上がり子が集結することによって長時間の3密状態が避けられない状況であることを考慮した。

 上がり子の安全と健康を最重要視し一般の参加を中止に。上野宮司は「当日は各家庭から神倉山に向かってコロナ終息などへの祈りをささげ、歴史上に例のない『千載一遇の御燈祭り』に」と呼び掛けていた。

 神倉神社を下山した一行は阿須賀神社へ。御神火を奉安し奉幣神事を執り行った。熊野速玉大社に戻った神職らは同様に神事を行い、厳かに今年の火祭りは幕を下ろした。

 祭事を終え、上野宮司は「歴史上始まって以来の御燈祭りだったが、漆黒の闇の中に御神火を頂くという本筋は変わるものではない。おそらく太古の御燈祭りは同様に漆黒の中で執り行われ、麓で待つ人に分け与えられたのでは」。

 今回、図らずして千載一遇の機会を得て斎行することができたことで太古の祭りを感じることができたとし「消防関係者や警察の方々、多くの関係者の支えがあり祭りを終えることができた。来年は本来の祭りができることを心から祈っています」と話していた。

(2021年2月9日付紙面より)

御神火をともした大松明が下山した=6日夜、新宮市の神倉神社
神職、介釈一行が神倉山目指して熊野速玉大社を出発
2021年02月09日
34 児童生徒の作品を審査
 第72回書初競書会  (新宮・東牟婁 )

 東牟婁地方書写教育研究会(山田貴也会長)は5日、新宮市立緑丘中学校で第72回書初競書会の審査会を実施した。今回は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から展示は行わないが、新宮・東牟婁の小中学校の教職員34人が集まり、児童・生徒の作品を審査した。

 同研究会によると、今年は金賞作品展だけでなく、中央展の審査ならびに展示も中止となった。審査後は各校で賞状が手渡されるのみだという。

 この日は教職員がグループに分かれ、「文字を正しく整えて書けているか」「画の接し方が正しいか」「点画のつながりに気を付けているか」「文字の大きさや配列が適当であるか」「作品を書く上での問題点」などに注意しながら各学年の作品を審査した。

 なお、今回は金賞と銀賞に加え、中止となった中央展の出展に相当する作品を金賞から選び、特賞を設けた。特賞には同研究会から記念ボールペンが副賞として贈られる。

 作品総数は3053点で審査の結果、硬筆2335点のうち、特賞が128、金賞が806、銀賞が1401点。毛筆718点のうち、特賞が68、金賞が220、銀賞が430点となった。

 山田会長は県内のほとんどの児童生徒が同じ手本を用いて、年に1回競い合うことは他府県では珍しいとし、「和歌山県は書写教育に熱心。子どもたちや保護者の皆さん、地域の方々も関心を持っていただいている。今年は展示もなく残念だが、来年こそはコロナが終息してこれまで通りに実施できればうれしい」と語った。

(2021年2月9日付紙面より)

児童生徒の作品を審査=5日、新宮市立緑丘中学校
山田貴也会長
2021年02月09日
35 足こぎ式Fカヤック取得
 ツアー活用に向け準備中  (南紀串本観光協会 )

 南紀串本観光協会(島野利之会長)がこのほど、古座事業所付けで足こぎ式のフィッシングカヤック(Fカヤック)2艇を取得した。4月から有償ツアーによる活用を始める予定で、5日は串本町西向出身のアングラーズアイドル・そらなさゆりさん=フライドライス所属=にモニター協力を求めてツアーを試行するなどした。

 このカヤックは、県の「水の国、わかやま。」体験観光事業者スタートアップ補助金を受けて導入を目指す新規アクティビティの中核となる資材。同町が連携協定を結ぶアウトドアメーカー・株式会社モンベルの仲介でアメリカ合衆国から取り寄せた製品で、船底を擦るような浅瀬ではパドルを使用し、水深がある場所でスクリューを出しペダルで回転させて進む。パドル式と比較して両手が自由になるため、さおを手にしたまま釣るポイントの微調整ができるという強みがあるという。

 取得したのは全長12フィート(約3・7㍍)の一人艇で、到着後はさっそく職員が操作の習熟に励んで特性を理解し、このカヤックでできるツアーの内容を検討中。習熟の延長で分かりよい指導の確立にも努めている。

 協力したそらなさんは、同協会が主催するイベント「ラブ太平洋串本エギング大会」で中湊出身のプロエギンガー・湯川マサタカさんと対でゲスト参加し盛り上げている人材。同協会はコロナ禍を避け帰郷中の折を見て、協力を求めたという。

 この日は同事業所勤務の三栖雅章さんがインストラクターとなりツアーを試行。足こぎ式のカヤックは初経験のそらなさんに操船方法を伝えて古座大橋一帯を周遊し、利用時の印象などで意見を求めた。そらなさんは「水面が近くて海と一体になる感じが心地良かった。何より両手が空くことにはいろいろな可能性があるなぁと感じました」とコメント。扱いについて「操作がシンプルで、移動時の癖さえ知ってしまえば初心者の方でもどんどん慣れていけると思う。風を読んで潮を読んで、行きたい方向へ行けるのがうれしかった」と語った。

 同協会はこのカヤックを用いたインストラクター付き有償ツアーを検討していて、今は2艇しかないため上限数人程度のグループを対象にして4月1日から提供を始める予定と話している。問い合わせは南紀串本観光協会古座事業所(電話0735・72・0645)まで。

(2021年2月9日付紙面より)

三栖雅章さん(奥)に足こぎ式Fカヤックの操船を教わるそらなさゆりさん=5日、串本町西向
2021年02月09日
36 祭りから一夜明け
 神倉神社で翌日祭  

 新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)の摂社、神倉神社で7日朝、御燈祭(おとうまつ)り翌日祭(奉祝祭)があった。神倉神社奉賛会の猪飼三雄会長や神倉青年団の中山忠吏団長らが玉串を供え、祭りの無事に感謝するとともに、コロナの一日も早い終息を願った。

 上がり子の参加が中止となり、神職と介釈(かいしゃく)のみで執り行われた今年の御燈祭り。同神社では古式床(ゆか)しく神事が斎行され、御神火をともした大松明(たいまつ)が無事に麓に下山した。

 例年なら、奉賛会らによる盛大な餅まきが開催される翌日祭だが、今年は厳かに神事のみが執り行われた。

 神事を終え、上野宮司は「皆さんにとっても心配も苦労も多い祭りになったと思う。千載一遇となった今年では、御神火を頂くことのありがたさを改めて感じることができた」とあいさつ。

 「長きにわたり伝わる祭りを、私たちは未来につなぐために全力を尽くしている。そのために影で尽力してくれている警察や消防関係、ボランティアの方々の存在も忘れてはならない」と述べ、さらなる協力を呼び掛けた。

 祭りから一夜明け、猪飼会長は「御燈祭りは一年の締めくくり。昨夜は大松明が火を携えて降りてきた時は安心した。奉賛会と青年団は家族みたいなもの。上(あ)がり子がおらずさみしく感じたが、こんな神事は今後はないと思う。来年はコロナが終息し、多くの人でにぎわう祭りになれば」。

 中山団長は「今年はさまざまなことが初めての中での斎行となったが、闇の中で大松明1本に火が灯された様子は神秘的で太古の祭りをほうふつとさせられた。神様に頂いた火を氏子さんたちに見ていただけて良かったと思います」と話していた。

(2021年2月9日付紙面より)

一夜明け、厳かに翌日祭が執り行われた=7日、新宮市の神倉神社
2021年02月09日
37 横断歩道は手を上げて  丹鶴幼稚園で交通安全啓発  (新宮市 )
2021年02月09日
38 甘い香りのチョコマフィン  中央児童館でお菓子作り  (新宮市 )
2021年02月09日
39 ジオ視点のパンフ完成  ぷらなちMAP配布開始  (那智勝浦町 )
2021年02月09日
40 講座通して食生活考える  丹鶴地区がサロン  (新宮市 )
2021年02月09日
41 災害時の相互応援誓う  熊野町とオンラインで応援協定を締結  (熊野市 )
2021年02月09日
42 税金は社会を支える会費  6年生対象の租税教室  (相野谷小 )
2021年02月09日
43 きらきら輝くアクセサリー  わくわく科学教室に24人  (紀宝町 )
2021年02月09日
44 建て替えに向け寄付募る  65年以上たつ烏止野神社  (紀宝町 )
2021年02月09日
45 4、5歳児ダイコン収穫  木山誠彌さんの畑で挑戦  (潮岬こども園 )
2021年02月09日
46 「感謝を忘れず頑張る」  串本町チームが結団式  (ジュニア駅伝 )
2021年02月09日
47 お悔やみ情報
  
2021年02月04日
48 「鬼は外」で疫病退散 熊野三山で節分行事 

 立春の日が3日に移ったことから、124年ぶりに節分が2月2日となったこの日、新宮市の熊野速玉大社、那智勝浦町の熊野那智大社、田辺市本宮町の熊野本宮大社で節分行事が営まれた。新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、各大社とも規模を縮小して斎行する中、境内には疫病退散を願い「鬼は外」の声が響いた。

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■熊野速玉大社



 熊野速玉大社(上野顯宮司)では、鬼を払う「追儺式(ついなしき)」と正月に飾ったしめ縄などを燃やす「お焚(た)き上げ(どんど焼き)」があった。3密を避けるため、鬼の登場や福豆・お菓子まきを取りやめるなどの対応を講じた。

 追儺式では、神職や神社関係者らが「鬼は外」と言いながら豆をまき境内を練り歩いた。お焚き上げでは境内に掘られた穴に参拝者らがしめ縄などを御神火がついたたいまつと一緒に投げ入れた。

 今年は、新型コロナの状況を鑑み「吉兆(きっちょう)」などの縁起物の郵送を希望する人が例年以上に多く、吉兆は当初予定より200本多く追加で制作したものの、同日午前10時ごろには完売したという。

 上野宮司は「無事に節分祭を終えることができ、この熊野地方にも春がやってくる。規模は縮小となったが伝統ある神事が斎行できて良かった。来年はコロナが終息し、盛大に豆まきができることを願っています」と話していた。

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■熊野那智大社



 熊野那智大社(男成洋三宮司)では節分祭と鬼追い追儺式があった。式には町立市野々小学校の児童を含む大檀那(だんな)=特別崇敬者=約50人が間隔を空けて参列し内庭で神事を営んだ。

 鬼の面を着けた役人役が福升の豆をまき、社殿鈴門の基礎石を鬼やらい用具で打ち、「家内安全、延命息災、家運隆昌(りゅうしょう)」と唱えた。

 境内では花薗龍人権禰宜(ごんねぎ)が、15㍍先の「鬼」と記した約1・5㍍の的を矢で射抜いた。豆まきでは男成宮司や大檀那らが感染症対策として、声を発さず神職の掛け声に合わせて豆まきを行った。

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■熊野本宮大社



 熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)では、神職や神社関係者らが参加し、節分祭と追儺式を執り行った。神事を縮小し、ビニール袋に入れた豆をまくなどの感染防止対策を講じた。

 追儺式では、神職と巫女(みこ)が豆をまきながら拝殿の回廊を3周。その後全員で「福は内、鬼は外、コロナ撲滅」と声をそろえて豆をまき、最後に九鬼宮司が疫病退散を願い白・赤・金色の3本の矢を空に向けて放ち鬼を追い払った。

 同大社ではコロナの撲滅や厄よけ開運のため、今月限定で鬼の面を形取った牛王(ごおう)宝印を授与している(初穂料2000円)。

(2021年2月4日付紙面より)

熊野速玉大社
熊野那智大社
熊野本宮大社
2021年02月04日
49 クマノザクラの苗植え替え
 高池小の3~6年生一丸で  (古座川町 )

 古座川町立高池小学校(大畑眞校長)の3~6年生が2日、クマノザクラタイプ標本木から得た実生苗の植え替えに取り組んだ。

 この植え替えは、同町観光協会(須川陽介会長)と連携して展開するふるさと学習の一環。おととしの10月、同校と明神小の3年生(現4年生)が卒業記念植樹用にクマノザクラのタイプ標本木から得た種子から実生苗を育てる挑戦を始め、高池小はさらに4~6年生が赤玉土、腐葉土、培養土の各苗床に種子をまき、どの苗床がよく芽吹くかという実験を兼ねて3年生の実生苗作りに協力した。

 全てが順調に発芽しなかったものの、高池小は計23本の実生苗を得ることに成功。しかしその後の育苗も難しく、結果的に5本が1年目の成長を終えて残り、次の春を待つように休眠する状況にある。

 すでに苗床からポット、植木鉢へと2回の鉢上げをし、この日は3回目の植え替え作業。この学習の外部講師で長追在住の樹木医・矢倉寛之さんから植木鉢の仕立て方を教わり、以降は学年ごとに実生苗1本(実際に植樹する4年生は2本)を引き受け一回り大きな素焼きの植木鉢に植え替えた。

 最初の植木鉢は防虫ネットを敷いて培養土を入れたが、新しい植木鉢は防虫ネットの次に赤玉土を敷いて排水性をよくしてから実生苗を入れ周りに新しい培養土を詰め込んだ。4年生は風に揺れるほどか細い幹とは対照的に旺盛に伸びた根を大畑校長と一緒にじっくりと観察。限られた鉢の中で行き場を失い縦横無尽に伸びた根も一回り大きな鉢に移せばまたのびのびと広がり幹を大きくしてくれると植え替える意味を教わりつつ励んだ。

 矢倉さんは樹木医でもクマノザクラの育苗はまだ難しいことなどを伝えつつ、5本の実生苗を育てる児童を励ました。大畑校長はこれら実生苗を校内や学校から目につく場所に植樹する将来を思い描きつつ、今後はその時のためにみんなで大きく元気に育てることを児童に呼び掛けた。

 5本の実生苗は4年生の卒業記念植樹用。この日は植え替えに先立って3年生が同標本木前でクマノザクラ学習に取り組み、矢倉さんと一緒に赤玉土・腐葉土・培養土の各苗床に種子50粒をまいて自分たち用の実生苗を育てる第一歩を踏み出した。

(2021年2月4日付紙面より)

実生苗の根を観察し植え替えの意味を教わる4年生=2日、古座川町立高池小学校
植え替えを終えた児童を励ます矢倉寛之さん
2021年02月04日
50 地域活性化や発展に尽くす
 日本郵便と包括連携協定締結  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町は2日、同町役場で日本郵便株式会社との「包括的連携に関する協定」を締結した。町と同社が人的・物的資源を有効活用することで住民サービス向上や地域の活性化などを目的とする協定で、和歌山県内では先月の太地町に続き、同町が8番目の締結となる。

 締結式には同社から吉田仁久紀南地区統括局長(椿郵便局長)、坂本雄哉那智部会長(太田郵便局長)、奥田隆昭紀伊勝浦郵便局長が、町からは堀順一郎町長、塩﨑圭祐総務課長が出席した。

 同社によると、協定は両者が業務に支障のない範囲で取り組むもので、他市町村との連携も進めているという。

 同町との連携事項は▽安心・安全な暮らしの実現▽未来を担う子どもの育成▽地域経済活性化▽地域住民の利便性向上―の4項目となっている。

 堀町長と同社を代表し、坂本部会長が署名を行い締結式は締めくくられた。

 吉田統括局長は「この地域は過疎化が続いていており、郵便局も何ができるかさまざまな模索を重ねている。この締結を皮切りに、互いに知恵を出し合って紀南地方の発展に尽くしたい」。

 坂本部会長は国が進める新型コロナウイルスのワクチン接種事業に触れ、「広報の関係などでもご協力できるならばしていきたい」と意欲を示した。

 堀町長は昨年のコロナ関連緊急経済対策事業の「那智勝浦まちなか商品券」の引き換え時の同社の協力に感謝を述べ、「本町は六つの町が合併してできた町なので行政区間が広い。住民サービスの向上のためにも郵便局さまにはご協力いただき、町を挙げて活性化を図り、共に発展していきたい」と話した。

(2021年2月4日付紙面より)

那智勝浦町と日本郵便株式会社が「包括的連携に関する協定」を締結した=2日、那智勝浦町役場
2021年02月04日
51 家内安全などを祈る
 東仙寺で節分星祭  (新宮市 )

 新宮市新宮の丹鶴山東仙寺(鶴田隆寛住職)で2日、「節分星祭」が営まれた。厄年の男女たちが集まる中、鶴田住職がご本尊・弘法大師の前で護摩供養を行い、信者たちの身体健康や家内安全などを一心に祈った。

 同寺は「東海白寿三十三観音霊場」の一番札所。星祭は、人がそれぞれ生まれた年によって持っている「本命星」の巡りが悪い人たちの災いが少しでも和らぐようにと祈る祭りで「星供養」とも呼ばれている。午後5時からは地域住民らが境内に掘られた穴で正月のしめ縄や松飾りなどを焼く「どんど焼き」が行われた。

 鶴田住職は「昨年に比べて、新型コロナウイルスの実態が少しずつ明らかになってきたかと思います。今年の干支(えと)である『丑(うし)』のように辛抱強く進んでいかなければならない。ストレスを抱えている方もいるとは思いますが、私たちの先祖が大正時代に流行したスペイン風邪を乗り越えたように、希望を持って毎日を過ごしていただければ」と話していた。

(2021年2月4日付紙面より)

ご本尊を前に護摩供養を行う鶴田隆寛住職=2日、新宮市の丹鶴山東仙寺
2021年02月04日
52 手分けして紙すきに挑戦  古座小6年生が和紙作り  (串本町 )
2021年02月04日
53 一部社寺で厄払い祈とう  2月最初の午の日迎えて  (串本町 )
2021年02月04日
54 リハビリテーションの町に  吉岡和泉医師が講話と面談  (那智勝浦町 )
2021年02月04日
55 アオノクマタケランの実  高野坂周辺で  
2021年02月04日
56 お菓子の雨に歓声  三輪崎保育園で初午行事  (新宮市 )
2021年02月04日
57 「鬼は外、福は内!」  保育園などで節分行事  (那智勝浦町 )
2021年02月04日
58 救急は1863件に  昨年の出動件数を発表  (熊野市消防本部 )
2021年02月04日
59 1月の感染者数896人  たびたび過去最多を更新  (三重県 )
2021年02月04日
60 和紙でランプシェード作る  井田小の5年生9人が  (紀宝町 )
2021年02月04日
61 「手巻きずし、おいしい」  節分の日に学校給食で  (紀宝町 )
2021年02月04日
62 コロナ禍への支援にも言及  「知事と市長の1対1対談」  (熊野市 )
2021年02月04日
63 お悔やみ情報
  
2021年02月03日
64 命の大切さ伝え続ける
 久保さんの紙芝居が英語訳に  (和歌山県土砂災害啓発センター )

 「As I looked around,I saw an unbelievable sight in the dusk.(うす暗がりの周りをよく見ると、何という光景だろうか。)」

 上記の一文は那智勝浦町井関の防災士で2011(平成23)年の紀伊半島大水害で夫を失い、自身も九死に一生を得た久保榮子さんが当時の体験を記した紙芝居の一部の抜粋だ。この紙芝居が英訳され、先月末より同町市野々の和歌山県土砂災害啓発センター(坂口隆紀所長)で展示されている。

 同センターによると、新型コロナウイルス感染症流行以前はこの地を訪れる訪日外国人(インバウンド)が多かったことから、コロナ終息後の回復を見込み、世界各地の人々に同水害の詳細や災害の脅威を広く知ってもらうツールとして紙芝居の英訳を検討。県国際交流課の職員らが昨年英訳に取り掛かり、年明けに完成したという。

 さらに各所で防災講話を行う久保さんの様子を収めた動画にも英語字幕を付け、現在公開している。

 坂口所長は「大門坂は世界遺産なので毎年、海外の方も多くセンターに足を運んでくれている。観光客や日本に滞在する外国人の方々にも紀伊半島大水害があったことや、久保さんがいつも呼び掛けている『早めの避難』を知ってもらえたら」。

 久保さんの紙芝居を用いた防災講話については「講話に興味のある方や聴講したい方はセンターまでご連絡ください」と話している。

 久保さんは発生から今年9月で10年を迎える同水害に触れ、「近年発生している各地の災害から見れば紀伊半島大水害の規模は小さいかもしれないが人の命の尊さは変わらず大きい。早く避難すれば助かる命だったが当時は知る由もなかった。なくして初めてその大切さに気付く」と当時を回顧。

 英訳については「本当にありがたいこと。地球温暖化による災害も大きな問題となっている。この土地でこういった災害があったことを世界に発信していただくことは重要な意味があると思う」。

 13(平成25)年から始まった講話は昨年11月で65回を数えた。現在78歳の久保さんは「一人でも多くの犠牲者を出さないためにもあと10年を自分の最終章としてぼけずに、けがや病気なく100回目の講話を目指します」と笑顔で語った。

(2021年2月3日付紙面より)

久保榮子さんの紙芝居と動画が英訳された=1日、那智勝浦町の和歌山県土砂災害啓発センター
英訳された紙芝居や動画が公開されている
2021年02月03日
65 紀伊半島大水害7.71㍍まで浸水
 津波想定して避難場所も確認  (津本自主防 )

 今年は紀伊半島大水害と東日本大震災から10年の節目を迎える。「あれから10年」。今後は、当時の記憶や災害から得た教訓を後世に伝え、風化させないための取り組みが重要だ。

 紀宝町では紀伊半島大水害で1人が亡くなり、1人が行方不明となった。床上・床下浸水は2845棟に上るなど、甚大な被害があった。

 2011(平成23)年に発生した二つの大災害を教訓にしようと、紀宝町大里の津本地区自主防災会(谷口昌宏会長)は1月31日、大水害の記録を改めて確認し、津波に備える防災訓練を行った。

 同地区の深田運動場近くには、これまでの水害の最高(痕跡)水位を色分けして記録ポールに記している。ただ、数値が記入されていないことから、訓練の一つとして水没した高さを測った。

 保育園児から高齢者まで50人近くが参加。竹ざおで大水害時の水位を計測した結果、道路から7・71㍍まで浸水したことが分かった。台風や豪雨などで浸水被害が発生しそうな際は、その高さ以上に避難することを一つの目標にした。

 また、児童生徒の登下校時に地震が発生したと想定し、津波から逃げる避難場所を確認した。参加者は町防災マップ(津波編)を手に地区内を歩き、海抜20㍍以上で避難できそうな場所には目印として赤い旗を掲げた。

 防災マップによると、海抜6・8㍍の同運動場付近も津波の浸水が予測されている。

 谷口会長は「過去の事例から南海トラフを震源とする巨大地震は、いつか必ず発生する。地震が発生したら、子どもたちもいち早く逃げられるよう、安全な高台を見つけた。自分の命を守るために、自分の目で地区内を確かめてもらった」と話していた。

(2021年2月3日付紙面より)

竹ざおで大水害時の水位を計測=1月31日、紀宝町大里
2011年9月5日午前6時40分ごろに撮影した深田運動場付近
海抜20㍍以上の避難場所を見つけるための町歩き
2021年02月03日
66 折り紙の豆で鬼追い払う
 集会開いて節分に親しむ  (くしもとこども園 )

 豆まきなどをして邪気を払う慣習が根強く親しまれている立春前の節分。今年は2日がその期日に当たり、串本町や古座川町の多くのこども園や保育所で「鬼は外、福は内」の元気な声が響き渡った。

 近年は2月3日で続いてきた節分だが、今年は暦の加減で立春が1日早まったため、連動して節分も2日にずれ込んだ。国立天文台の発表によると、3日でなくなったのは1984(昭和59)年以来37年ぶりで前倒しになったのは1897(明治30)年以来124年ぶりという。

 串本町立くしもとこども園(美代取初美園長)は0~2歳児は各教室で、3~5歳児はさくら園舎のホールで節分の集会を実施。手作りした鬼の面をかぶって集まった3~5歳児は先生から節分のお話を聞き、鬼が嫌いな物としてヒイラギ・イワシの頭・豆があることや豆は年齢に1を足した数を食べること、恵方巻きは節分の神様がいる方を向いて食べることなどを教わった。

 その後は裃(かみしも)を羽織った美代取園長による豆まきを「鬼は外、福は内」の掛け声で応援。折り紙で作った豆を投げて鬼の人形を倒すミニゲームで気持ちを高めている時に鬼が乱入し、102人一丸で捕まらないよう逃げ回りつつ折り紙の豆を投げつけて追い払った。鬼がいなくなったところへ福娘が登場し、鬼退治を頑張った3~5歳児にお菓子を分けてたたえた。

 美代取園長は「今日はみんなの心の中の鬼も払って福ももらった。明日からも元気にこども園に来てね」とすがすがしい気持ちを後押しして締めくくった。

(2021年2月3日付紙面より)

乱入した鬼を折り紙の豆を投げて追い払う園児=2日、串本町立くしもとこども園
2021年02月03日
67 車いすの大変さ学ぶ
 神倉小で福祉体験講座  (新宮市 )

 新宮市立神倉小学校(藪中秀樹校長)で1日、同市社会福祉協議会による「福祉体験講座」があった。6年生83人が市民ボランティアの宮本実さん(65)から車いすの使用方法などの説明を受けたほか、乗車体験を通して福祉を考える一助とした。

 車いす利用者の気持ちを理解し「自分たちにできることは何か」といった思考を醸成するとともに、体験を通して普段の生活における気付きや福祉に対する意識付けを目的に市内の小・中・高等学校を中心に講座を開いている。

 宮本さんは児童らに「車いすは足の不自由な人のほか、体全体に障害のある人、体幹障害のある人、そしてお年寄りの方も使用します」と話し、車いすの開き方や閉じ方をはじめとした使い方を紹介。段差の降り方や溝の越え方、方向転換の方法やスロープの降り方などを細かく説明した。

 3人組になった児童らは、「押す人」「乗る人」を交代しながら車いす体験。宮本さんの指導を受けながら体育館内に設置されたポールや段差に挑み「怖い」「(車いすが)重たい」などと感想を口にしながらその困難さを実感した。

 1組の小笠原煌貴(こうき)君(12)は「最初は不安で怖かったけど、最後は押してくれる人に対して信頼感が出てきた。車いすに乗る人も押す人も大変だと改めて感じました」。

 講座を終え、宮本さんは「困難を抱えている人に会ったときは声を掛けてあげてほしい。本当に大変だということを知ってもらえたら」と話していた。

(2021年2月3日付紙面より)

3人一組で車いすを体験した=1日、新宮市立神倉小学校
宮本実さん(左)が使い方などを説明した
2021年02月03日
68 元気よく「鬼は外、福は内」  町内保育所などで豆まき  (紀宝町 )
2021年02月03日
69 知識身に付け正しい対応を  社協がノロウイルス研修会  (太地町 )
2021年02月03日
70 さまざまな仕事を体験  新翔高1年生がインターンシップ  
2021年02月03日
71 幸せな恋愛って何だろう?  宇久井中で思春期講座  (那智勝浦町 )
2021年02月03日
72 遊覧船で食べ歩き  まぐろ・くじら満喫体験フェスタ  (那智勝浦町・太地町 )
2021年02月03日
73 フォトコン作品展示始まる  潮岬のセンターで1年間  (南紀熊野ジオパーク )