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2021年02月26日
1 勝浦市場でオペラコンサート 開催に先立ち記者会見 (那智勝浦町)

 4月17日(土)に那智勝浦町築地の勝浦地方卸売市場で開催する「さわかみオペラin南紀勝浦生まぐろ市場コンサート」に向けての記者会見が24日、同町役場で開かれた。公益財団法人さわかみオペラ芸術振興財団代表理事の澤上篤人さんと統括責任者の山田純さんがオンラインで出席し、国内外でも珍しいとされる市場で行うオペラに至った経緯や本番に向けての抱負を語った。なお、共催する民間で組織された南紀勝浦生まぐろ市場コンサート実行委員会の会長には後誠介さんが選任された。

 同財団はさわかみ投信㈱で取締役会長を務める澤上さんが、生活者に身近で芸術性の高いオペラ文化を日本で広め、多くの人々が心のぜいたくを味わい豊かな人生を送ってもらいたいという思いから設立した。

 世界トップレベルであるイタリアの有力歌劇場と協力し、日本の世界遺産と文化遺産を舞台にジャパン・オペラ・フェスティヴァルなどを開催。これまでに姫路城や京都国立博物館、平城京、熊本城などで実施してきた。一方で100~500人規模のオペラやクラシック音楽を身近に楽しめる催しを各地で開くなど幅広い活動を展開している。

 また、別財団では2009(平成21)年度から企業や労働組合などがCSR(企業の社会的責任)などの一環として、和歌山県内の森林環境保全に取り組む「企業の森」や道普請などにも参加し社会貢献に尽くしている。

 堀順一郎町長によると、和歌山県職員時代の堀町長が職務で澤上さんと知り合い、両者間の交流は続いていたという。その後、澤上さんらが来町した際に堀町長が町を案内し、今回のオペラ開催が決定した。オペラは今秋実施の「紀の国わかやま文化祭2021」の応援事業の一つとして開催される。

 同オペラには梨谷桃子さん(ソプラノ)、前川健生さん(テノール)、斉木健詞さん(バス)、ピアニストの篠宮久徳さんの4人が出演する。

 演目は▽カルメンより「闘牛士の歌」▽ナポリ民謡「オ・ソレ・ミオ」▽早春賦▽花―など。歌詞の意味が分かるように来場客には日本語訳の歌詞が配布され、司会者が詳細を説明する予定だという。

 山田さんは「代名詞のマグロに関係する市場はこの町を代表する場所。ここでコンサートができればお客さまも感動してくれるはず」と話した。

 澤上さんは「日本でトップレベルの本物のオペラを地域の方々に楽しんでいただきたい。いずれは世界レベルの方々もお呼びしたい」。

 活性化については「地元の人々が自分たちで活性化していかなくてはならない。町と日本中のつながりの手助けをしたい」と話した。

 堀町長は「本物の芸術を地元の方々に喜んでいただきたい。しっかりと盛り上げ、来年も継続できるようにしたい」と意気込みを語った。

 会見後、実行委員会が開かれ、意見交換などが行われた。後会長は「コロナで人々の気持ちが縮こまってしまっている。対策を万全にし、地域に潤いを与えるこういった機会は良いチャレンジだと思う。今後の継続のためにも第1回をしっかりと成功させられるように尽力したい」と思いを述べた。

 なお、座席数は300席で先行予約順になる。価格は一般2000円、学生(小学生~高校生)1000円。地元の小中学生など30人の招待も予定しているという。

 チケット予約は3月5日(金)から受け付け開始。同財団でも申し込める。引き換えは4月1日(木)から那智勝浦町二河75の町教育委員会で行う。

 予約や問い合わせは那智勝浦町教育委員会(電話0735・52・4686)、(公財)さわかみオペラ芸術振興財団(電話0570・023・223)。

(2021年2月26日付紙面より)

オンラインを交えて行われた会見の様子=24日、那智勝浦町役場
2021年02月26日
2 ハラスメントについて学び深める
 えぼし寮で研修会  (美熊野福祉会 )

 社会福祉法人美熊野福祉会(森常夫理事長)の指定障害者支援施設杉の郷えぼし寮(上路拓司施設長、新宮市高田)で24日、ハラスメント研修会があった。社労士の南靖司さん(みなみ社会保険労務士事務所)が講師を務め、同福祉会管理職員ら約30人がハラスメントについて意識を新たにした。

 開催に当たり、森理事長が「自分たちがハラスメントをよく知らなければならない立場だと理解し、今後の姿勢に生かしてほしい」とあいさつした。

 南さんは、セクシュアル・マタニティ・パワーの各ハラスメントについて説明。どういった行為が「セクハラ」に当たるのかなどを解説し▽上司は部下に性的な誘い掛けをしない▽性的話題・ジョークはメンバーと状況を的確に熟慮した上で行う▽セクハラをしたと考えたときは迅速かつ誠実に謝罪する―などをハラスメント加害者にならないためのポイントとして挙げた。

 妊娠・出産・子育てに伴う不当な取り扱いや嫌がらせを指す「マタハラ」について、法律や制度の観点から説明。「制度などの利用への嫌がらせ」「状態への嫌がらせ」も多いとし「制度や法律があるということを前提に知っておかなければならない」。

 ハラスメントには昔の価値観が横たわっており、時代が変わったことに気付かずに価値観を押し付けることによってハラスメントが生まれると話した。

 「パワハラ」と「セクハラ」の違いについて説明し「パワハラは『受けたものの不快感』だけを判断基準にしていない。適切な叱咤(しった)や指導は成長のために必要不可欠」。

 職場における「パワハラ」とは「優越的な関係を背景とした言動」であり「業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの」により「労働者の就業環境が害される」もので、これらを全て満たすものとし、「パワハラ」が及ぼす影響についても言及。企業・加害者が負うリスクも過去の裁判を例に紹介した。

 「パワハラ」という言葉が強い意味を持ちすぎたために「パワハラとはいえないことでもパワハラと訴える」弊害も発生していると述べ「パワハラは人を陥れたり個人の利益のために利用する言葉ではない。『それはパワハラでない』と理由を説明し指導することが上司の大切な仕事」と呼び掛けた。

(2021年2月26日付紙面より)

ハラスメントについて理解を深めた=24日、新宮市高田
南靖司さん
2021年02月26日
3 町中の海岸をきれいに
 渚の会が玉の浦を清掃  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町の住民らで組織する「かつうら渚(なぎさ)の会」(猪飼伸会長、会員40人)は21日、同町粉白の玉の浦海水浴場で今年初となる清掃活動を行った。子どもを含めた約50人の参加者が海岸の景観美化に努めた。

 同会は住民有志が集まり、町内の海などで定期的に清掃活動することで景観や環境を保持し、啓発していくことを目的としている。子どもを含め、家族で環境について意識し、学びを深めるきっかけをつくる狙いもある。和歌山県の清掃活動の促進を目的とした「わかやまごみゼロ活動応援制度」の認定を受けている。

 この日の清掃には、同会のほか、植地篤延・粉白区長をはじめとした区民や町職員も参加。海岸のプラスチックごみや流木などを拾い集め、美化活動に汗を流した。

 清掃開始に当たり、同会の濵口佳男副会長が「今日は天気も上々で暑いくらいですが、皆さんの協力をお願いします」。会計の藤社和美さんは「海岸の下見に来た時、若い女性が写真を撮っている姿を見た。この美しい景観を保つためにも活動を続けていければ」とそれぞれあいさつした。

 参加した堀順一郎町長は同会や町民の美化活動に感謝を示し「町では昨年12月にゼロカーボンシティ宣言もしたが、一人一人が身の回りから自然環境について考え、継続していくという意味でも、同会は献身的に活動してくれている。玉の浦はきれいな浜なので後世に残していきたい」。

 猪飼会長は「びっくりするくらい多くの人に集まっていただき感謝。最近、息子が釣りを覚えたが、うれしそうに釣った魚を見せてくれる姿を見て、活動をしていて良かったと感じています」と話していた。

(2021年2月26日付紙面より)

活動に参加した皆さん=21日、那智勝浦町粉白
ごみ袋を手に清掃に汗を流した
2021年02月26日
4 聴覚障害者支援意識培う
 職員対象に手話講座実施  (古座川町 )

 古座川町職員を対象にした手話講座が24日に役場本庁であり、西前啓市町長ら14人が受講して聴覚障害者支援の意識を培う機会とした。

 同町は県内でも先駆けて2018(平成30)年4月、町独自の手話言語条例を施行。基づく実践を着実に広げる足掛かりとしてまずは町職員から理解を深めていこうと考え、職員研修の位置付けで同講座を計画した。

 当日は社会福祉法人美熊野福祉会の大代聖子さんと新宮市聴覚障害者協会の須川陽一さんを講師として迎え、前半は大代さんが世界規模で手話が言語と見なされるようになった根拠や手話言語条例の広まりと主だった合理的配慮事項、新宮・東牟婁6市町村から意思疎通支援事業を受諾する同福祉会ができる支援事項などを説明。後半は須川さんと共に本題の聴覚障害とコミュニケーション方法を紹介するなどした。

 大代さんは、聴覚障害には▽音声言語習得前の失聴(ろう者)▽同習得後の失聴(中途失聴者)▽難聴▽盲ろうなど重複聴覚障害―などさまざまな状況があることを伝え、耳の恩恵を振り返って失聴がもたらす状況を職員と一緒に考えた。須川さんはろう者の一人として生い立ちとその時々の感情、具体的にどのような状況で困っているかやその時の心境を伝え、支援の在り方への理解を促した。

 聴覚障害者とのコミュニケーション方法には▽口話(相手の唇の動きから会話を読み取る方法)▽筆談▽手話や手話通訳―があり、前述した状況ごとに得意・不得意があることや実践時に留意してほしい事柄も説明。須川さんは感染症予防のための距離を取って構わないのでマスクを外ししっかりと口元を動かして見せてほしいこと、筆談時は簡潔に分かりよく説明し分かったかどうかの確認を必ずしてほしいこと、聴覚障害者と視線を合わせて接してほしいことなどを願い出た。

 その他、聴覚障害者向けの公的支援機器や聴覚障害関係の各種マークも情報として紹介。手話の言葉が生活動作から形作られる点に着目し、イメージしやすい範囲で手話による会話を職員に実践してもらい取り組む上での緊張感を解きほぐすなどした。

 研修を経て西前町長は、町民に聴覚障害者がいなくても来町することはあり得るとし引き続き対応できる努力を重ねることを期待し、講師2人には今後の登壇を希望。計画した健康福祉課の増山理恵主事は今後も、さらに対象や内容を工夫してこの講座の町独自実施を目指すと意気込んでいる。

(2021年2月26日付紙面より)

聴覚障害や求められる発想を職員に伝える大代聖子さんと須川陽一さん=24日、古座川町役場本庁
2021年02月26日
5 アプリの年齢制限に注意  太田小でネットモラル教室  (那智勝浦町 )
2021年02月26日
6 1位に小阪留美さん  写連新宮支部2月例会  
2021年02月26日
7 学習発表や巨大紙芝居  「市小ふれあい祭り」  (那智勝浦町 )
2021年02月26日
8 ホバークラフトの仕組み学ぶ  少年少女発明クラブ2月講座  (新宮市 )
2021年02月26日
9 かわいい「てまりずし」  下田児童館で子ども料理教室  (新宮市 )
2021年02月26日
10 表彰状と菓子受け取る  5児童館チャレラン大会  (新宮市 )
2021年02月26日
11 開花前に下草を刈り払い  峯のクマノザクラ一帯で  (古座川町 )
2021年02月26日
12 重畳山山麓の三滝巡る  ウオークツアーに16人  (南紀串本観光協会 )
2021年02月26日
13 デコポン満足の味に  仕上がり良好で250㌧出荷を見込む  (JA伊勢三重南紀 )
2021年02月26日
14 実験で電気の仕組み学ぶ  関西電力送配電の出前授業  (井田小 )
2021年02月26日
15 俳句が好きな仲良し句会  貴祢俳句会  (趣味日和 ~生活に、彩りを。~ )
2021年02月26日
16 早咲きサクラが開花  那智勝浦町  
2021年02月26日
17 お悔やみ情報
  
2021年02月19日
18 「野菜も魚もおいしい」
 県産農産物利用拡大に向け  (太地町 )

 学校給食へ地場産食材を供給する取り組みが太地町(太地町学校給食推進協議会)でスタートした。17日には町立太地小・中学校で、新宮市産の小松菜などが給食の献立に登場。児童・生徒らは地元産の野菜や魚に舌鼓を打った。

 和歌山県では、学校給食献立の早期作成や入札方式導入の働き掛けにより「必ず作ります・売ります・買いますシステム」を確立することで県産野菜などの利用拡大を推進。市町村協議会で学校給食関係者が「購入希望リスト」、生産者が「供給可能リスト」を作成し需要と供給のマッチングを図る。

 取り組みは2019(令和元)年に広川町でスタートし、すさみ町、新宮市に続いて県内4地域目。新宮広域圏公設地方卸売市場を核として実施する新宮・東牟婁地域では2地域目となる。

 取り組みを進めるに当たり、太地町では1月に町教育委員会、太地小・中学校、新宮周辺地場産青果物対策協議会、県東牟婁振興局農業水産振興課で構成する「太地町学校給食推進協議会」を立ち上げた。太地小・中学校では今後、年に3回ほど地元農水産物を使用した給食が提供される見通しだ。

 この日、給食に登場したのは新宮市産小松菜を使った三色ごまあえをはじめ、那智勝浦町太田産の米で炊いたご飯、県産サバのカレー焼き、けんちん煮、牛乳。

 太地小学校(宮本礼子校長)では、教諭から「今日の給食には和歌山県の食材がたくさん使われています」と説明を受けた児童たちが、大きな口を開けて地元の味を堪能。長尾彩羽さん(2年)は「野菜も魚もおいしい」と笑顔で話した。

 公設市場の出前授業で学びを深めるほか、実際に小松菜や大根を植えて収穫するなどして、普段から野菜に触れる機会を設けている同小学校。取り組みを通して野菜に抵抗がなくなった児童も多いという。

 宮本校長は「今日の給食は、いつも以上に食が進んでいるように思います」と話し、児童の給食を見守っていた。

(2021年2月19日付紙面より)

新宮市産の小松菜などに舌鼓=17日、太地町立太地小学校
地元産の食材が献立に登場
2021年02月19日
19 昔の新宮市の風景を知る
 三輪崎小3年生が学習  

 新宮市立三輪崎小学校(嶋田雅昭校長、児童371人)で16日、熊野学研究委員会や市文化財保護審議会の委員を務める中瀬古友夫さんによる講話があり、3年生60人が昔の市内の風景や人々の暮らしを学んだ。

 3年生の社会科では通年で地域学習に取り組んでいるが、教科書の例として紹介されている都市が他府県のため、児童が自身の住む市についてより具体的にイメージできるようにと講話を依頼した。

 中瀬古さんは、市の昔と現在の写真を並べ、そこに写った人々の生活を解説。佐野駅近くの踏切を蒸気機関車が走る様子や、三輪崎にある久嶋(孔島)近くに停泊した客船から小舟で運ばれた乗客たちが背負われながら浜に上がる様子を語った。

 三輪崎小学校について、「オーストラリアに出稼ぎに行った潜水夫らの寄付によって、和歌山県で初の鉄筋コンクリート校舎として1927(昭和2)年に建設された」と話し、校舎の完成記念として開かれた運動会の写真も見せた。

 児童は「全然違う」「山の形は一緒だから同じ場所なのかな」と話しながら写真を見比べ、普段何気なく見ている場所に秘められた歴史に興味を引かれた様子だった。

(2021年2月19日付紙面より)

三輪崎の捕鯨の写真を見せる=16日、新宮市立三輪崎小学校
興味津々で耳を傾ける
2021年02月19日
20 実りに感謝し終息祈願
 熊野那智大社で「祈年祭」  ( )

 那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)で17日、「祈年祭」が営まれた。同大社責任役員の塩﨑巍朗(たかお)さんや献穀講員らが参列し、実りへの感謝と五穀豊穣(ほうじょう)を祈った。

 「としごいのまつり」ともいい、古くから定められた国家祭祀(さいし)が起源。旧暦2月4日に行われていたが1873(明治6)年の改暦後は17日となった。

 11月の新嘗祭(にいなめさい)と対になる祭りで、日本列島各地で神々に食べ物やささげ物を奉り、豊かな実りに感謝し人々の幸せを祈る祭祀・儀礼が行われている。

 同大社では、男成宮司が神饌(しんせん)が供えられた拝殿で祝詞を奏上。新型コロナウイルスの早期終息も祈願した。巫女(みこ)が神楽「浦安の舞」を奉納し、参列者らが玉串をささげ、春の訪れや農作物の豊かな実りに感謝した。

 神事を終え、男成宮司は「那智勝浦町では幸いにも新型コロナは拡大していないが、地域経済は厳しい状況にある」と現状に触れ、同日から医療従事者を対象に始まったワクチン接種に対して「大きな期待をしている」と述べあいさつとした。

 その後、別宮「飛瀧(ひろう)神社」でも同様に神事が斎行された。

(2021年2月19日付紙面より)

祈年祭で神楽「浦安の舞」を奉納=17日、熊野那智大社
2021年02月19日
21 稲村亭の民話がアニメに 海ノ民話実行委が完成報告 (串本町)

 海ノ民話のまちプロジェクト実行委員会が18日、稲村(とうそん)亭の民話を原作としたアニメーション作品「お屋敷になったクジラ」の完成を串本町へ報告した。

 同実行委員会は、次代を担う子どもへ海を語り継ぐ日本財団「海と日本プロジェクト」の一環で2018(平成30)年度に発足。以降毎年「海ノ民話のまち」を認定していて、本年度は同町など7自治体を選定し、同町には昨年7月実施の認定証贈呈時に民話アニメの制作と関係フィールドワークへの協力を求めていた。

 「お屋敷になったクジラ」は町内にある古民家・稲村亭に伝わる民話の一つ「恩返しの家」を原作とした上映時間5分強の短編作品。同実行委の沼田心之介認定委員長が取締役を務める制作会社「株式会社トマソン」が同町・海ノ民話のまち実行委員会事務局の吉川公一さん(テレビ和歌山東京支社長)の仲介を得ながら制作を進めた。

 収束しない新型コロナウイルス感染症の情勢を考慮し、東京を拠点とする同プロジェクト実行委員会と同町をウェブ会議システム「ZOOM(ズーム)」でつないで完成報告の場を整えた。東京からは同実行委員会の沼田委員長と柴田英知さんや吉川支社長、同町からは田嶋勝正町長や稲村亭を預かる株式会社一樹の蔭の博多敏希代表取締役、制作を支援した南紀串本観光協会の宇井晋介事務局長が出席。作品を鑑賞して、串本儀平が作品に登場するクジラと巨木をモチーフにした和菓子の取り扱いを目指し、同協会が作品視聴QRコード付きPRシールを作成配布するなど、今後の利活用を話し合った。

 フィールドワーク(上映会込み)は26日(金)に串本西小学校4~6年生を対象に実施する予定。報告を受けた田嶋町長は「本を読む機会が少ない中、5分間にまとめたアニメを見るのはいいことだと思う。串本は捕鯨で栄えたまちで、地震や飢饉(ききん)もうたわれたこの民話から歴史を知り、次の世代へ受け継いでくれれば」と展望を期待した。

  □    □

■「お屋敷になったクジラ」視聴方法

 作品「お屋敷になったクジラ」は先行して同協会の公式動画チャンネル「くしもと珍魚ちゃんねる」で同日午後1時から公開を開始。同チャンネルは同協会公式ホームページにあるリンクや前述したコードを使って開くこともできる。

 同プロジェクト実行委員会と同町の架け橋となっている株式会社テレビ和歌山は、一連の様子も含めて番組を制作し作品と合わせて3月中の放送を目指すほか、最寄りの道の駅へも上映の相談をする予定という。

(2021年2月19日付紙面より)

串本町側の利活用の一端を伝える田嶋勝正町長ら=18日、串本町役場本庁
2021年02月19日
22 入学前に意識高める  6年生が授業やクラブ活動を見学  (那智中 )
2021年02月19日
23 平穏無事やコロナ終息願う 王子神社で例大祭 (新宮市)
2021年02月19日
24 鶴川公園間もなく花盛り  カワヅザクラ各所で開花  (古座川町 )
2021年02月19日
25 実釣りに向け技術教わる  フライフィッシング講習  (古座川町 )
2021年02月19日
26 特殊詐欺と交通事故に注意を  紀南高校と合同で街頭啓発  (紀宝警察署 )
2021年02月19日
27 今日からもっと元気に  子育てワークショップ  (紀宝町 )
2021年02月19日
28 県内唯一の受賞を報告  紀宝地区交安協が全国表彰  (紀宝警察署 )
2021年02月19日
29 カルガモのつがいか  浮島の森に初飛来  (新宮市 )
2021年02月19日
30 お悔やみ情報
  
2021年02月17日
31 釈迦の遺徳をしのぶ
 宗応寺で「涅槃会」法要  (新宮仏教会 )

 釈迦(しゃか)の命日の15日、新宮仏教会(会長=白井清牧・清蔵寺住職、会員13人)は、新宮市千穂の宗応寺(石原知実住職)で「涅槃会(ねはんえ)」を営んだ。各寺の住職や副住職が涅槃図を前に経を上げ、遺徳をしのんだ。

 新宮仏教会は、市内にある▽松巌院▽淨泉寺▽瑞泉寺▽清閑院▽清蔵寺▽清凉寺▽専光寺▽宗応寺▽東仙寺▽遍照院▽本廣寺―の11カ寺で構成している。

 涅槃会は、仏教の祖である釈迦の生誕を祝う降誕会(こうたんえ、別名・花まつり)、悟りを開いた日を記念する成道会(じょうどうえ)と並ぶ三大法会の一つ。

 釈迦は35歳で悟りを開くと、その後45年にわたり人々に教えを説く伝道の旅を続けた。インド北東部のネパールとの国境に近いクシナガラで動けなくなり、頭を北にして西向きに横たわり、弟子たちが嘆き悲しむのを慰めながら夜半に80年の生涯を終えたと伝わっている。

 涅槃図は釈迦が沙羅双樹の林の下で横たわり、入滅する光景を描いたもので、周囲には嘆き悲しむ弟子や、雲に乗って飛来する釈迦の母などが描かれている。宗応寺の涅槃図(縦156・1㌢、横101・8㌢)は南北朝時代(14世紀)の制作とされている。

 毎年、法要は本堂横の室中で執り行うが、今年は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、密を避ける形で本堂大間にて実施。石原住職は「例年なら掛け軸は1週間ほどまつり多くの人に見てもらう機会としているが、翌日にはしまう予定にしている。こんな状況の中でも会員の方々にお経を読んでいただけるのはありがたいこと」。

 白井住職は「世情が落ち着かない中において無事に法要を終えることができて良かったと思っている。今後も継続のためお互い元気で尽力していければ」と話していた。

(2021年2月17日付紙面より)

涅槃図を前に経を上げる住職ら=15日、新宮市千穂の宗応寺

2021年02月17日
32 来春の開花を願い植樹
 日本クマノザクラの会が記念に  (矢渕中 )

 日本クマノザクラの会(勝木俊雄会長)は設立翌日の15日、紀宝町立矢渕中学校(竹原巧校長)で記念植樹をした。来春の開花を願い、園芸委員(亀石沙來委員長)がクマノザクラの苗1本を学校花壇に植えた。

 会はクマノザクラの保全や活用を目的に発足し、3年目の苗木を学校に提供。副会長の田尾友児さん、会員で樹木医の中村昌幸さんらが訪問した。

 苗木はクマノザクラの調査にも参加した中村さんが育てたもので、高さ約2㍍。園芸委員が順番にスコップで根元に土をかぶせた。園芸委員は各学年6人の計18人で、普段から花壇の管理をしており、亀石委員長(2年)は「クマノザクラを見たのは初めて。大切に育てたい」と話していた。

 会ではこの日、同町役場玄関前にも鉢植えのクマノザクラを飾った。3月には咲き始める。今後も要望があれば植樹に協力する方針だ。

 町内で保全に取り組む田尾副会長によると、クマノザクラは北桧杖、鮒田地区や子(ね)の泊山桐原登山口付近に多く自生しているという。

(2021年2月17日付紙面より)

記念植樹に取り組んだ園芸委員と日本クマノザクラの会の会員ら=15日、紀宝町立矢渕中学校
クマノザクラを植える委員
2021年02月17日
33 児童生徒に1食分を贈る
 町産鹿肉のレトルト商品  (古座川ジビエ山の光工房 )

 古座川町月野瀬にある古座川ジビエ山の光工房(鈴木貴裕施設長)がこのほど、町産鹿肉を使ったレトルト食品2種類の取り扱いを始めた。地元に知ってほしいという思いで、町内の児童生徒への贈呈も計画。15日に町内各校を訪ね、児童にはボロネーゼ(パスタソース)、生徒にはキーマカレーを届けた。

 同工房は、独自のガイドラインと先鋭の機器を駆使して臭みを抑えた新鮮なジビエを生産。「こころうたれるシリーズ」と題してオンライン販売用の加工食品製造にも力を入れるなど販路増強に力を入れている。

 レトルト商品の取り扱いは初で、約1年前に県食品流通課の仲介でノウハウを持つ有田食品株式会社=有田市=とつながり開発に着手した。同工房は在庫過剰になりがちなミンチ肉の活用を求め、同社は前述した2種類のメニューを提案。同工房の試食や意見を取り入れながらレシピを仕上げ、今年1月中旬に商品化へこぎ着けた。

 土産品を前提とした仕様で、価格はいずれも1袋550円〈税込み〉と設定。同工房は1月下旬から取り扱いを始め、今月15日現在で同工房のオンラインショップと町内の南紀月の瀬温泉ぼたん荘売店、各道の駅物産販売施設、七川ふるさとづくり協議会事務所、もりとよ商店、町外では那智勝浦町下里にあるスーパーマーケットHatiや南紀串本観光協会古座事業所で購入できる。

 町立小中学校は地産地消や食育推進の一環ですでに学校給食の食材としてジビエを適時活用していて、その味に慣れ親しむ子どもに新しい商品も知ってもらおうと思って贈ることにしたという。

 15日午前は鈴木施設長らが高池小学校へ児童数分のボロネーゼ(1人につき1袋)を届け、学校を代表して大畑眞校長と児童会の山本真琴会長(6年)が受け取り感謝した。午後に他4校へも贈呈。鈴木施設長は「土産品としては安価な設定。子どもたちにはふるさとのジビエを一層誇りに思ってもらえたらと思うし、その気持ちが子どもから大人へと広がっていけば」と今後の反響を期待した。

 販路は今後も拡大を目指すという。この商品の問い合わせは同工房(電話0735・72・6006)まで。

(2021年2月17日付紙面より)

町産鹿肉を使ったレトルト商品を贈る鈴木貴裕施設長(左)=15日、古座川町立高池小学校
古座川ジビエ山の光工房初のレトルト商品「ボロネーゼ」「キーマカレー」
2021年02月17日
34 地域の平穏無事祈る
 熊野三所大神社例大祭  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町浜ノ宮の熊野三所大神社(くまのさんしょおおみわやしろ)(髙橋正樹宮司)で14日、例大祭が営まれた。今年は恒例行事が全て、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から中止となり、神事のみが斎行された。

 同神社は貴重な建築様式の「三間社流造 檜皮葺(ひわだぶ)き」の本殿が有名。

 例年は一心会の迫力ある獅子舞や、前日に那智の浜で潮垢離(しおごり)を取り、潔斎した射子(ゆいご)奉仕者が古式ゆかしい作法で矢を射る弓行事や復活した子ども神輿(みこし)などが行われている。

 この日は髙橋宮司が祝詞を奏上し、関係者らが玉串をささげた。一心会の汐﨑広一会長は「練習も祭り本番も人が集まらないといけないので今回は残念だった。来年はコロナが終息して通常通りできればありがたい」。

 同神社総代の藤社潔さんは「残念だが今年は仕方ない。来年も現時点ではどうなるか分からないが、ぜひこれまで通りに祭りができることを祈っている」と話した。

 髙橋宮司は「毎年、お祭りができることに感謝をささげた。この地域や世界の平穏無事を祈願いたしました」と語った。

(2021年2月17日付紙面より)

新型コロナウイルス終息を祈願し神事が営まれた=14日、那智勝浦町の熊野三所大神社
2021年02月17日
35 流木と焼き杉で作品作り  3、4年生が1月から挑戦中  (成川小 )
2021年02月17日
36 折り紙で優雅な「祝い鶴」  さつきサロンに15人参加  (紀宝町 )
2021年02月17日
37 有効期限迫る  プレミアム付共通商品券  (新宮市 )
2021年02月17日
38 「紀南学園」改築目指し要望  教育民生委員会で各部が報告  (新宮市議会 )
2021年02月17日
39 「ウィズコロナ」時代を生き抜く  当初予算案、過去最大6120億円  (和歌山県 )
2021年02月17日
40 オガタマノキが開花  熊野速玉大社  
2021年02月17日
41 ウメの花咲く校内走る  新翔高校でマラソン大会  (新宮市 )
2021年02月17日
42 新宮市などで20度超え  4~5月並みの暖かさ  
2021年02月17日
43 熊野見守る「守護神」完成  民宿わかたけに寺村さんの壁画  (那智勝浦町 )
2021年02月17日
44 コラボし合同で情報発信 地域おこし協力隊募集説明会 (北山村、岡山県新庄村)
2021年02月17日
45 大臣表彰受賞を町長に報告  河内祭保存会長と古座区長  (串本町 )
2021年02月17日
46 区内各代表らで神事執行  水門神社例祭「水門祭」  (串本町 )
2021年02月17日
47 お悔やみ情報
  
2021年02月03日
48 命の大切さ伝え続ける
 久保さんの紙芝居が英語訳に  (和歌山県土砂災害啓発センター )

 「As I looked around,I saw an unbelievable sight in the dusk.(うす暗がりの周りをよく見ると、何という光景だろうか。)」

 上記の一文は那智勝浦町井関の防災士で2011(平成23)年の紀伊半島大水害で夫を失い、自身も九死に一生を得た久保榮子さんが当時の体験を記した紙芝居の一部の抜粋だ。この紙芝居が英訳され、先月末より同町市野々の和歌山県土砂災害啓発センター(坂口隆紀所長)で展示されている。

 同センターによると、新型コロナウイルス感染症流行以前はこの地を訪れる訪日外国人(インバウンド)が多かったことから、コロナ終息後の回復を見込み、世界各地の人々に同水害の詳細や災害の脅威を広く知ってもらうツールとして紙芝居の英訳を検討。県国際交流課の職員らが昨年英訳に取り掛かり、年明けに完成したという。

 さらに各所で防災講話を行う久保さんの様子を収めた動画にも英語字幕を付け、現在公開している。

 坂口所長は「大門坂は世界遺産なので毎年、海外の方も多くセンターに足を運んでくれている。観光客や日本に滞在する外国人の方々にも紀伊半島大水害があったことや、久保さんがいつも呼び掛けている『早めの避難』を知ってもらえたら」。

 久保さんの紙芝居を用いた防災講話については「講話に興味のある方や聴講したい方はセンターまでご連絡ください」と話している。

 久保さんは発生から今年9月で10年を迎える同水害に触れ、「近年発生している各地の災害から見れば紀伊半島大水害の規模は小さいかもしれないが人の命の尊さは変わらず大きい。早く避難すれば助かる命だったが当時は知る由もなかった。なくして初めてその大切さに気付く」と当時を回顧。

 英訳については「本当にありがたいこと。地球温暖化による災害も大きな問題となっている。この土地でこういった災害があったことを世界に発信していただくことは重要な意味があると思う」。

 13(平成25)年から始まった講話は昨年11月で65回を数えた。現在78歳の久保さんは「一人でも多くの犠牲者を出さないためにもあと10年を自分の最終章としてぼけずに、けがや病気なく100回目の講話を目指します」と笑顔で語った。

(2021年2月3日付紙面より)

久保榮子さんの紙芝居と動画が英訳された=1日、那智勝浦町の和歌山県土砂災害啓発センター
英訳された紙芝居や動画が公開されている
2021年02月03日
49 紀伊半島大水害7.71㍍まで浸水
 津波想定して避難場所も確認  (津本自主防 )

 今年は紀伊半島大水害と東日本大震災から10年の節目を迎える。「あれから10年」。今後は、当時の記憶や災害から得た教訓を後世に伝え、風化させないための取り組みが重要だ。

 紀宝町では紀伊半島大水害で1人が亡くなり、1人が行方不明となった。床上・床下浸水は2845棟に上るなど、甚大な被害があった。

 2011(平成23)年に発生した二つの大災害を教訓にしようと、紀宝町大里の津本地区自主防災会(谷口昌宏会長)は1月31日、大水害の記録を改めて確認し、津波に備える防災訓練を行った。

 同地区の深田運動場近くには、これまでの水害の最高(痕跡)水位を色分けして記録ポールに記している。ただ、数値が記入されていないことから、訓練の一つとして水没した高さを測った。

 保育園児から高齢者まで50人近くが参加。竹ざおで大水害時の水位を計測した結果、道路から7・71㍍まで浸水したことが分かった。台風や豪雨などで浸水被害が発生しそうな際は、その高さ以上に避難することを一つの目標にした。

 また、児童生徒の登下校時に地震が発生したと想定し、津波から逃げる避難場所を確認した。参加者は町防災マップ(津波編)を手に地区内を歩き、海抜20㍍以上で避難できそうな場所には目印として赤い旗を掲げた。

 防災マップによると、海抜6・8㍍の同運動場付近も津波の浸水が予測されている。

 谷口会長は「過去の事例から南海トラフを震源とする巨大地震は、いつか必ず発生する。地震が発生したら、子どもたちもいち早く逃げられるよう、安全な高台を見つけた。自分の命を守るために、自分の目で地区内を確かめてもらった」と話していた。

(2021年2月3日付紙面より)

竹ざおで大水害時の水位を計測=1月31日、紀宝町大里
2011年9月5日午前6時40分ごろに撮影した深田運動場付近
海抜20㍍以上の避難場所を見つけるための町歩き
2021年02月03日
50 折り紙の豆で鬼追い払う
 集会開いて節分に親しむ  (くしもとこども園 )

 豆まきなどをして邪気を払う慣習が根強く親しまれている立春前の節分。今年は2日がその期日に当たり、串本町や古座川町の多くのこども園や保育所で「鬼は外、福は内」の元気な声が響き渡った。

 近年は2月3日で続いてきた節分だが、今年は暦の加減で立春が1日早まったため、連動して節分も2日にずれ込んだ。国立天文台の発表によると、3日でなくなったのは1984(昭和59)年以来37年ぶりで前倒しになったのは1897(明治30)年以来124年ぶりという。

 串本町立くしもとこども園(美代取初美園長)は0~2歳児は各教室で、3~5歳児はさくら園舎のホールで節分の集会を実施。手作りした鬼の面をかぶって集まった3~5歳児は先生から節分のお話を聞き、鬼が嫌いな物としてヒイラギ・イワシの頭・豆があることや豆は年齢に1を足した数を食べること、恵方巻きは節分の神様がいる方を向いて食べることなどを教わった。

 その後は裃(かみしも)を羽織った美代取園長による豆まきを「鬼は外、福は内」の掛け声で応援。折り紙で作った豆を投げて鬼の人形を倒すミニゲームで気持ちを高めている時に鬼が乱入し、102人一丸で捕まらないよう逃げ回りつつ折り紙の豆を投げつけて追い払った。鬼がいなくなったところへ福娘が登場し、鬼退治を頑張った3~5歳児にお菓子を分けてたたえた。

 美代取園長は「今日はみんなの心の中の鬼も払って福ももらった。明日からも元気にこども園に来てね」とすがすがしい気持ちを後押しして締めくくった。

(2021年2月3日付紙面より)

乱入した鬼を折り紙の豆を投げて追い払う園児=2日、串本町立くしもとこども園
2021年02月03日
51 車いすの大変さ学ぶ
 神倉小で福祉体験講座  (新宮市 )

 新宮市立神倉小学校(藪中秀樹校長)で1日、同市社会福祉協議会による「福祉体験講座」があった。6年生83人が市民ボランティアの宮本実さん(65)から車いすの使用方法などの説明を受けたほか、乗車体験を通して福祉を考える一助とした。

 車いす利用者の気持ちを理解し「自分たちにできることは何か」といった思考を醸成するとともに、体験を通して普段の生活における気付きや福祉に対する意識付けを目的に市内の小・中・高等学校を中心に講座を開いている。

 宮本さんは児童らに「車いすは足の不自由な人のほか、体全体に障害のある人、体幹障害のある人、そしてお年寄りの方も使用します」と話し、車いすの開き方や閉じ方をはじめとした使い方を紹介。段差の降り方や溝の越え方、方向転換の方法やスロープの降り方などを細かく説明した。

 3人組になった児童らは、「押す人」「乗る人」を交代しながら車いす体験。宮本さんの指導を受けながら体育館内に設置されたポールや段差に挑み「怖い」「(車いすが)重たい」などと感想を口にしながらその困難さを実感した。

 1組の小笠原煌貴(こうき)君(12)は「最初は不安で怖かったけど、最後は押してくれる人に対して信頼感が出てきた。車いすに乗る人も押す人も大変だと改めて感じました」。

 講座を終え、宮本さんは「困難を抱えている人に会ったときは声を掛けてあげてほしい。本当に大変だということを知ってもらえたら」と話していた。

(2021年2月3日付紙面より)

3人一組で車いすを体験した=1日、新宮市立神倉小学校
宮本実さん(左)が使い方などを説明した
2021年02月03日
52 元気よく「鬼は外、福は内」  町内保育所などで豆まき  (紀宝町 )
2021年02月03日
53 知識身に付け正しい対応を  社協がノロウイルス研修会  (太地町 )
2021年02月03日
54 さまざまな仕事を体験  新翔高1年生がインターンシップ  
2021年02月03日
55 幸せな恋愛って何だろう?  宇久井中で思春期講座  (那智勝浦町 )
2021年02月03日
56 遊覧船で食べ歩き  まぐろ・くじら満喫体験フェスタ  (那智勝浦町・太地町 )
2021年02月03日
57 フォトコン作品展示始まる  潮岬のセンターで1年間  (南紀熊野ジオパーク )