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2020年11月29日
1 歴史や伝統学んで
 宇久井小で伝統継承活動  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町立宇久井小学校(芝﨑勝善校長、児童155人)で26日、4、5、6年生を対象に「地域伝統文化継承体験活動」があった。宇久井青年会(柴原寛会長)のメンバー5人が講師を務め、児童68人が獅子舞や笛、太鼓に触れ、地域の歴史や文化を学んだ。

 地域学習の一環として、児童が地域の伝統や文化を体験し学ぶことで、地域への興味や関わりを自分自身で考え、継承につなげることが目的。

 柴原会長は祭りや獅子舞について▽宇久井地区には青年会と秋葉会の獅子舞がある▽青年会は伊勢獅子を学び、ゆっくりとした舞が特徴▽秋葉会は串本町の古座獅子の流れであり、速さと元気の良い舞▽宇久井神社例大祭はいつから始まったのか詳細は不明▽江戸時代には巨大地震による津波のため100年間、祭りが途絶えた―などと説明した。

 続いて、例大祭前日に町内を巡り実施する「地下(じげ)まわし」の演目を披露。迫力ある華麗な舞に児童は大きな拍手を送った。

 児童は獅子舞、笛、太鼓の三つのグループに分かれ、基本の舞や太鼓や笛を実際に演奏するなど各体験を楽しんだ。

 最後はメンバーが宇久井地区の場所や歴史が歌詞に盛り込まれた「宇久井音頭」を披露した。

 児童は「笛を吹くのが難しかった」「初めて太鼓をたたいたが楽しかった」などの感想を述べ、全員で「宇久井の伝統を教えてくれて、ありがとうございました」と感謝を述べた。

 自身も同小在学時に校内で両団体の獅子舞に感動し入会したという柴原会長は「先人たちが伝え守ってきた歴史や文化が宇久井地区にもあるということを知ってほしい。そしてこの宇久井をもっと好きになっていただけたら」と語った。

 芝﨑校長は「本来は全学年に体験してほしかったが、新型コロナの感染防止のために人数を減らす形となった。子どもたち自身にさまざまな考えを持っていただき、文化をつなげてもらいたい」と話した。

(2020年11月29日付紙面より)

地域の伝統文化を体験する児童=26日、那智勝浦町立宇久井小学校
太鼓の演奏にも取り組んだ
2020年11月29日
2 歴史ある地蔵のほこら新設
 中里区民らが供養  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町中里区の原見の谷にある通称「一本木の地蔵さん」がこのほど、区民の手によってきれいに磨かれ、ほこらも新設された。

  □     □

■ほこらを新設した思い



 「今まではお参りする場所も狭かった。大雨や台風が来るとお地蔵さんが水につかってしまい、かわいそうだった」―。

 そう話すのは同区在住の太田平悟(ひらのり)さんだ。太田さんによると、これまでは地蔵のほこらが低く、設置の向きも違ったため、地元以外には知られていなかったという。

 過去に同地蔵のために普請をしてきた人々に続き、太田さんも行動に移した。地蔵や手水鉢(ちょうずばち)のコケやさまざまな汚れをきれいに洗い流し、ほこらの向きを変えた。さらに元々あった土台を用いた上で参拝しやすいようにほこらを高くし屋根も新設した。

 社の破風板(はふいた)などに取り付けられる飾り板の懸魚(げぎょ)をほこらに付けてはと同区の生駒善一さんが提案し、新しい屋根に懸魚が取り付けられた。

  □     □

■地蔵の歴史



 熊野古道の一つで串本町田原と那智勝浦町を結ぶ「八郎峠」付近に同地蔵がある。生駒さんや大江淑允(よしちか)さんらによると、区民はこれまで古道周辺の区有林や町有林の手入れなどに取り組んできた。作業の集合場所は必ず「一本木の地蔵さん」だったという。

 前述の新設の際にきれいになった手水鉢には「奉再建地蔵」「みぎはやまみち」「ひだりはこざみち」の文字があり、左面には「願主 孫治郎」、右面には「文政5年正月」の文字があった。さらに奥の四角い石の台座には「奉 再建地蔵」、左面には「明治32年正月 世話人 大野辰平 畑中繁松」と確認できた。

 地蔵は子どもを抱き、けさ懸け姿で10枚以上のハスの葉と思われる円形の台座石と一体に彫られた精巧なつくりとなっている。

 同区によると、地蔵本体は200年以上前に設置されたもので、1822(文政5)年に孫治郎氏が手水鉢を再建。その77年後の1899(明治32)年に大野氏と畑中氏が世話人となり、台座石と石積みのほこらを再建したのではと推察しているという。

  □     □

■中里区民らが供養



 ほこらの新設に伴い、区民や関係者など40人が集まり、地蔵に手を合わせ供養を行った。

 「なちかつ古道を守る会」の太田耕二代表も参列し、八郎峠が昔の田原串本方面への主要な街道であったことなど、古道の詳細を説明。区役員の太田憲男さんが地蔵の詳細を話した。

 現在、上田原と中里をつなぐ道路の工事が行われているが、供養の際は2事業者も作業を止め、参列した。上田原区の杉本百生区長から田原側の工事の進捗状況について報告があったという。

 なお、同区の大江敏之さんらが毎年、紅葉を楽しみにしているモミジの木が工事現場にあったことから今後の所在を懸念していたが、現在は地蔵近くに移植されたため区民一同、喜んでいるという。

 大江清一区長は「お地蔵さんの形状からすると昔、古道を歩いていた子どもが行き倒れたのを供養するために作られたのだと思う。太田平悟さんの思いや行動は本当にありがたいです」と語った。

(2020年11月29日付紙面より)

ほこらが新設された一本木地蔵と中里区の皆さん=26日、那智勝浦町中里区
供養が行われた際の様子(中里区提供)
2020年11月29日
3 コロナ対応のボラセン運営
 第6期災害ボラコ養成講座  (紀宝町 )

 第6期紀宝町災害ボランティアコーディネーター養成講座の最終講座が24日、町福祉センターであり、受講生9人と災害ボランティアコーディネーターら27人が災害ボランティアセンター(ボラセン)設置訓練に取り組んだ。

 2月から始まった全6回の講座で、これまで避難生活における新型コロナウイルス対策、災害医療の課題、町の風水害タイムラインなどを学んできた。

 今回の設置訓練では、県内で初めて「災害ボランティアセンター受付・ボランティア保険Web加入システム」を活用した。QRコードを通して事前登録すると、システムを採用した被災地の災害ボラセンでの受け付けがスムーズに行えるという。

 町災害ボランティアコーディネーター連絡会の久原章作会長が「災害状況をボランティアセンターで説明し、資材を貸し出して現場に派遣する」と流れを説明し、「コーディネーターはニーズとボランティアのベストマッチングを考えることが大切」と伝えた。

 震度7の巨大地震が発生した2日後に災害ボラセンを設置したとの想定で開始。受講生が新型コロナに対応した受付や加入システム、マッチング、資材貸し出しなどの担当業務を経験した。

 終了後は、5回以上受講した全9人に修了証を交付した。今後、同コーディネーターに登録するという。

(2020年11月29日付紙面より)

災害ボランティアセンターの設置訓練に取り組む=24日、紀宝町福祉センター
2020年11月29日
4 新酒の仕込みが本格化
 尾﨑酒造で初搾り  (新宮市 )

 熊野地方唯一の地酒メーカー、新宮市船町の尾﨑酒造株式会社(尾﨑征朗(いくろう)社長)で新酒の仕込み作業が本格化している。来年4月初旬までに一升瓶で約8万本を造る予定で、正月用の太平洋しぼりたて生原酒、大吟醸、純米酒など約30種類の銘柄になる。

 同社は紀伊半島の和歌山県田辺市以南から三重県松阪市周辺までの間で唯一、本州最南端の蔵元。6代目の尾﨑社長(76)が「地元の皆さんにかわいがってもらえるお酒を」と1880(明治13)年から140年の伝統を守っている。

 熊野川の伏流水や地元産「コシヒカリ」を使用するなど、地元「熊野」にこだわった酒造りを続けており、新宮出身の文豪・佐藤春夫や中上健次も愛飲していたことで知られている。代表銘柄「本醸造太平洋」は「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」で2017年、18年2年連続の最高金賞を受賞するなど、数々の栄冠に輝いている。仕込みは先月25日から始まり、杜氏(とうじ)を務める小林武司さん(46)らがタンクに入ったもろみを櫂(かい)でかき混ぜる「櫂入れ作業」などに取り組んでいる。

 27日には初搾りが行われた。出来上がったもろみを機械に入れて酒かすと清酒に分離。清酒を利き猪口(ちょこ)にすくい、色や不純物の有無などの品質を確認した。新酒は「太平洋」の搾りたて生原酒として12月中旬に店頭に並ぶ予定となっている。

 小林さんは「温度管理が難しかったですが、ちゃんとおいしくできており安心しました。今年もすっきりとした味わいに仕上がりました」。尾﨑社長は「今年は新型コロナウイルスの影響から外出してお酒を飲むことが少なくなったと思う。制限が多い中ではありますが、お正月には自宅で新酒を味わってもらえれば」と話していた。

(2020年11月29日付紙面より)

もろみをかき混ぜる「櫂入れ作業」=27日、新宮市船町の尾﨑酒造株式会社
2020年11月29日
5 なおちゃん弁当が優勝 第160回職場対抗ボウリング大会 
2020年11月29日
6 県新人大会初優勝を報告
 那智中バレー部が町長訪問  (那智勝浦町 )
2020年11月29日
7 5チームが参加し開幕
 県軟連東牟婁支部学童部新人大会  
2020年11月29日
8 模擬議会で一般質問㊦  生徒が当局と議論  (太地町 )
2020年11月29日
9 遠足で神倉山の山頂へ  丹鶴幼稚園の5歳児が  (新宮市 )
2020年11月29日
10 受賞した児童生徒らを表彰  人権・同和啓発作品  (那智勝浦町 )
2020年11月29日
11 児童・生徒の力作を展示  紀南児童生徒図画習字作品展  
2020年11月29日
12 熊野姫まつりをオンライン配信  那智勝浦町  
2020年11月29日
13 お悔やみ情報
  
2020年11月15日
14 花山法皇の故事にちなみ
 古式ゆかしく紅葉祭  (熊野那智大社 )

 那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)で14日、平安時代に那智山で修行した花山法皇の故事にちなんだ「紅葉祭(もみじまつり)」が営まれた。

 花山法皇が986(寛和2)年に那智山の二の滝付近で千日行をした時、秋の陽光に映える紅葉をめでて歌を詠み、その短冊を小枝に結んで滝に流したと伝わる。

 大社拝殿と那智の滝前では神事を執り行った。男成宮司が祝詞を奏上し、冠に紅葉の飾りを付け正装に身を包んだ神職や巫女(みこ)が秋の自然の恵みに感謝をささげた。

 続いて、巫女2人が紅葉の小枝を手に「豊栄(とよさか)の舞」を舞った。那智の滝前には多くの参拝者が訪れ、古式ゆかしい神事を見守った。

 大阪府から友人と共に訪れた50代男性は「お滝前で厳かなお祭りを見ることができた。今日こちらへ来られて本当に良かった」と話していた。

 男成宮司は「今年は新型コロナウイルスの影響でいつもとは違う厳しい一年だったと思う。そんな中、自然は移ろい、紅葉の美しい季節となった。自然に感謝するとともに滝の神様に変わらずのご加護をお祈りいたしました」。

 観光客の入り込み数や先日、大社周辺で発見された幻のヘビ「シロマダラ」については「団体客も増え、昨年並みに近づいてきたように思う。シロマダラは初めて見たが、来年は良い年になるのでは」と語った。

 なお、同大社によると、新年の参拝方法についてはコロナ対策を踏まえながら現在、検討中だという。

(2020年11月15日付紙面より)

那智の滝前で「豊栄の舞」を奉納した=14日、那智勝浦町の飛瀧(ひろう)神社
2020年11月15日
15 納税は「頑張った証し」
 田邉さんと久司さんに新宮税務署長納税表彰  

 新宮税務署長納税表彰がこのほど発表され、田邉毅一(きいち)さん(78)と久司博嗣さん(80)が受賞した。13日には石橋裕・新宮税務署長が2人の元を訪れ、申告納税制度の普及発展への感謝と功績をたたえて表彰状を手渡した。

 国税庁は「税を考える週間」(毎年11月11~17日)に納税意識の向上を図る取り組みを展開。納税表彰(および租税教育推進校等表彰)は税への理解を深めてもらおうと、同週間に合わせて毎年実施している。今年は新型コロナウイルスの影響で「納税表彰並びに感謝状贈呈式」は行わず、各地方の国税局長や各管轄の税務署長が個別に表彰状を手渡した。

 田邉さんは「税を納めることは当然の義務。それを果たしてきたまでのことです。まさか、このような賞を頂けるとはと驚き、うれしくもある。今後とも、さらにしっかりとした納税に励んでいきます」。久司さんは「自分が賞を頂いて良いものかと感じていますが、受賞については光栄に思っています。税金を納めた後には喜びを感じ『頑張った証し』と思える。今後も感謝の気持ちを忘れず納税の大切さを伝えていきたい」と語った。

 石橋署長は「納税道義の高揚に長年努めていただき本当に感謝しています。引き続き模範となって継続してもらいたい。コロナ禍で対面での領収よりもダイレクト納付が可能なため、積極的に協力してくれる方が多くなっているので今後ともよろしくお願いします」と話していた。

(2020年11月15日付紙面より)

石橋裕・新宮税務署長(左)から表彰状を受け取る田邉毅一さん=13日、那智勝浦町湯川のホテルなぎさや
受賞した久司博嗣さん(左)=同日、同町天満の有限会社久司商店
2020年11月15日
16 町の暮らしや祭りなど紹介
 副読本「わたしたちの紀宝町」  

 紀宝町教育委員会は、小学校社会科3、4年生用の副読本「わたしたちの紀宝町」(全32㌻)を作成。本年度から町内全5小学校で授業に取り入れている。

 小学3、4年生の社会科は「地域学習」が多く、主な学習対象を身近な地域に求めていることから、町教委では現在使われている教科書の流れに沿って副読本を作成。教科書で習う全国的な事柄を町に置き換えた形で掲載した。

 「わたしたちの住んでいるところ」「わたしたちの安全なくらしを守るために」「自然災害から人びとを守る活動」など9章で構成。教科書と似たレイアウトにしたことで、児童が教科書と副読本の内容を比較しやすいよう工夫した。

 町章や町花、木、公式キャラクター、地域に伝わる祭り、世界遺産の熊野川、御船島、七里御浜も紹介し、学校周辺や町の様子は航空写真を用いた。また、町の移り変わりが分かるよう、各小学校の昔と現在の校舎の写真を載せた。

 13日には西田健町長、西章教育長、教育委員が成川小学校を訪れ、副読本を使用した授業を見学した。同校では、新型コロナウイルス感染防止による臨時休校期間に家庭学習資料として活用した経緯もあり、児童たちは副読本のデータを見ながら、安全な暮らしを守る工夫について考えた。

(2020年11月15日付紙面より)

紀宝町教育委員会が作成した副読本
副読本を活用した授業を見学=13日、紀宝町立成川小学校
2020年11月15日
17 災害から身を守る方法提案
 市野々小学校で授業参観  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町立市野々小学校(中西健校長、児童31人)で13日、授業参観があった。5、6年生9人が保護者に向けて防災学習で学んだ内容を発表し、災害から身を守る方法を提案した。

 2011年9月の紀伊半島大水害で甚大な被害を受け、児童1人が亡くなった同校では、毎年授業参観を兼ねた特別授業「市小(いちしょう)防災の日」を開催している。本年度は台風の影響で中止となったが、今回の授業参観で発表のみ実施した。

 児童は一人一人、那智勝浦町総務課防災対策室の寺本斉弘室長や和歌山県土砂災害啓発センターの坂口隆紀所長から学んだ内容をスライドにまとめて発表。6年生は過去に起きた地震災害の教訓を生かし「屋内で地震が起きたときは、玄関にいる方が安全。玄関周りは物を少なくしておくといい」「家族による防災会議を開き、避難場所や安全な経路、非常持ち出し袋の確認をしておく」など減災につなげる方法を提案した。

 参観に訪れた保護者は「本当によく調べていて驚いた」と感心。教職員は地震・津波時の避難場所や緊急連絡先を記入する「避難カード」付きの「和歌山県防災ガイド」の冊子を渡し、家庭での防災活動に役立てるよう呼び掛けていた。

(2020年11月15日付紙面より)

防災学習で学んだことを発表=13日、那智勝浦町立市野々小学校
2020年11月15日
18 弦楽器の音色楽しむ  十六夜弦楽三重奏団招き演奏会  (新宮RC )
2020年11月15日
19 紅葉進む布引の滝  熊野市紀和町  
2020年11月15日
20 適切な行動に感謝  初期消火で北村さん夫妻を表彰  (新宮市 )
2020年11月15日
21 機転利かせ詐欺被害防ぐ  コンビニ店員に感謝状  (新宮警察署 )
2020年11月15日
22 消防士の仕事を学ぶ  相野谷小3年生が見学  (紀宝町 )
2020年11月15日
23 イチョウの葉色づく  能城山本の泉蔵寺  (新宮市熊野川町 )
2020年11月15日
24 お悔やみ情報
  
2020年11月05日
25 関係機関の連携を強化
 「世界津波の日」前に合同訓練  (新宮警察署など )

 新宮警察署(小畑博昭署長)は4日、「世界津波の日」(11月5日)を前に、新宮市三輪崎の新宮港第3・4号岸壁で防災関係機関と協力し大規模地震災害対応訓練を実施した。新宮・串本警察署、串本海上保安署、新宮市、市消防本部、株式会社POSの5機関から44人が参加。大規模災害に対する連携強化を図った。

 「世界津波の日」は2015(平成27)年12月に国連総会で制定。安政元(1854)年11月5日に、安政南海地震による津波が現在の和歌山県広川町を襲った際、濱口梧陵が稲むらに火をつけ、津波から逃げ遅れた村人を高台へ導いて多くの人の命を救った逸話「稲むらの火」にちなんでいる。

 合同訓練は、南海トラフ巨大地震などの大規模災害の発生に際し、迅速かつ的確な災害警備活動を行うことを目的に実施。県警本部警備課や機動隊、警察航空隊、海上保安署、新宮警察署がドローン協定を結んでいる株式会社POS(堀哲也社長)ら関係機関の連携体制を再確認した。

 この日は、同日午前5時、和歌山県南方沖で震源の深さ約10㌔、マグニチュード8・7と推定される地震が発生、新宮市内では震度6強の揺れが観測され、県内全域に大津波警報が発令したと仮定し訓練を実施した。

 地震発生から5時間後の午前10時現在、市内の沿岸地域は津波により壊滅状態で内陸部でも大規模な土砂崩れが発生。主要幹線道路である国道42号、168号も寸断され、陸路による応援や本部員などの応援も見込めない状況にあるが、海上についてはかろうじて船舶などの航行が可能であると想定した。

 現地指揮所を立ち上げた警察署員らは市職員に対し防災相互通信用無線機により無線通話を実施。合流した市職員と情報の共有を行った。POS所有のドローンが情報収集を行い、串本海上保安署の巡視艇「むろづき」が串本町から現地に串本署員を海上輸送。警察、市消防本部は倒壊家屋や事故車両でそれぞれ救助訓練を行った。

 訓練開始に当たり、田岡実千年市長は「世界津波の日を迎えるに当たり関係機関の相互の連携強化を図ることを目的に実施される訓練は、地域の関係機関の連携がこれまで以上に強化され住民の安心安全につながるものと確信している」とあいさつ。

 訓練後、小畑署長は「それぞれの訓練が実践的で有意義なものとなった。近年、防災・減災を目的とした災害への備えへの重要性・必要性が高まる中、訓練を通じてその一助とすることができた」と講評。「山青し、海青し、緑豊かな新宮・東牟婁地方の安全安心の確保はわれわれの使命。今後も各機関の協力関係を維持し連携強化を」と呼び掛けた。

(2020年11月5日付紙面より)

機動隊による救助訓練の様子=4日、新宮市三輪崎
横転した車両に取り残された被災者を救助した
2020年11月05日
26 互いに情報を共有し合う
 いきいきサロン三四朗発足  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町の勝浦三区と四区が中心となって立ち上げた「いきいきサロン三四朗」がこのほど、1回目となるサロンを同町勝浦のコミュニティ消防センターで開いた。36人が参加し、防災の豆知識や感染症について学んだ。

 町が数年前から地域づくりのために勉強会を開いており、参加した四区住民で同サロンのメンバーが自らの区にもサロンの必要性を実感。三区も加わり、仲間づくりや健康づくりのためにいきいきサロンの発足に至ったという。

 同サロンでは開催する区にかかわらず、会場まで歩いて来られる住民なら誰でも参加可能としている。新型コロナウイルス感染拡大防止のため当面は講話などが主となるが、状況が落ち着けば全員での食事なども検討しているという。

 船出となる当日は六区の住民も参加した。会員らは検温や消毒、換気、マスクの着用といった新型コロナウイルス対策を強化し実践した。

 同サロン役員で防災士の藤社和美さんが「防災のおはなし」を講演。▽防災バッグは自身が持つことのできる量にし避難を優先する▽津波の避難について▽家具の固定の重要性や補助▽通電火災防止のため感震ブレーカー設置▽自治体の情報収集をしっかり行う▽避難者カードの作成―などのポイントを話した。

 藤社さんは「防災面も含め、地域のつながりを広げ深めるきっかけになってくれれば」と話した。

 続いて、町福祉課の保健師と管理栄養士が「感染症のおはなし」と題し、コロナの対応におけるかかりつけ医の役割や、免疫力を高めるための栄養素や食事について講演した。

 同サロンメンバーで三区の福祉委員でもある武内美津子さんは「皆さんが休憩時におしゃべりに花を咲かせている姿を見て望んでいた光景だと実感した。良いスタートを切れたと思う」。

 松本一良代表は「昔からの近所付き合いを取り戻したい。地域間で互いの情報を共有し、交流を深めるツールにしていただければ」と語った。

 サロンは年間10回を計画しており、次回は26日(木)を予定している。

(2020年11月5日付紙面より)

1回目となるいきいきサロン三四朗の様子(サロン関係者提供)
2020年11月05日
27 七里御浜海岸を観光資源に
 鈴木知事と大畑町長が対談  (御浜町 )

 鈴木英敬知事と御浜町の大畑覚町長による「1対1対談」が2日、御浜町役場くろしおホールであった。対談を前に、同町阿田和の防風林で侵食、枯死の現状を視察した鈴木知事は「防風保安林の根本が侵食されている。今後も建設土砂を利用した養浜を進めたい。堤防整備は阿田和地区海岸の無堤防区間786㍍のうち、本年度末には700㍍が完成する予定。残る86㍍は令和4年度中の完成を目指す。残る2・7㌔は順次整備を進めていきたい」と述べた。

 1対1対談は、市町の具体的な課題を知事と市町長がオープンな場で議論し、課題解決に向けて一歩でも前に進めることが目的。同町議会議員と藤根正典、谷川孝栄両県議らが傍聴した。

 大畑町長は、美しい海岸線と雄大な太平洋を望める七里御浜海岸の砂利量が年々減少していると危惧。「七里御浜海岸を観光資源として活用したい」と伝えた上で「塩害により広範囲にわたって防風保安林が枯死していることから、県からも三重森林管理署に伐採と植樹の働き掛けをしていただき、保安林の保全、整備に努めてもらいたい」と求めた。

 地域の中核病院である紀南病院の経営改善を取り上げた大畑町長は、「県南部の医療を安定的に維持しながら、コロナ禍のような緊急時にも柔軟に対応するため、病院経営の安定化、医師、看護師の確保も積極的にご支援を」と訴えた。鈴木知事は「紀南病院の機能維持ができるよう、医師の確保に取り組んでいきたい。勤務環境の改善に向けて医療機関と連携したい」とし、国への働き掛けも行うとした。

 町の基幹産業「ミカン」について大畑町長は、1987(昭和62)年をピークに年間約2万6000㌧あった生産量は昨年度、ピーク時の3分の1以下に減少したとし、産地再生への支援を求めた。

 鈴木知事は「構造的問題、国内外への販路拡大、リスク対策、スマート技術の活用を柱にしてミカン産業の再生を図っていきたい」と述べた。

(2020年11月5日付紙面より)

防風林の現状を確認する鈴木英敬知事(右)=2日、御浜町の七里御浜海岸
2020年11月05日
28 新造の漁業調査船に期待
 2代目「きのくに」竣工式  (和歌山県 )

 県が2日、和歌山東漁業協同組合串本本所で漁業調査船「きのくに〈2代目〉」の竣工(しゅんこう)式を開いた。

 2代目は初代よりわずかに大きくなり、時代相応の最新鋭機器を装備。恩恵を受ける漁業従事者を代表して、県漁業協同組合連合会の木下𠮷雄代表理事会長は「新しい『きのくに』がさらに力を発揮することに期待したい」と祝辞を寄せて喜んだ。

 この船は串本町にある県水産試験場(岩橋恵洋場長)が運用する船舶の一つ。海洋観測や主要魚種の資源調査、魚群探知による漁況予測をして漁業従事者に情報を提供しているほか、2013(平成25)年度からは紀伊半島沖におけるメタンハイドレート(MH)の賦存状況調査も展開している。

 1902(明治35)年設置で100年以上の歴史を持つ同試験場はこれまでに木造船「きい」、FRP船「わかやま」、鋼船「きのくに〈初代〉」を漁業調査船として運用。新造の「きのくに〈2代目〉」は通算4隻目となる。鋼船で全長34・89㍍、総トン数108㌧、1300馬力の主機関を有し速力12㌩(=時速約22㌔)で航海する。

 内部の調査環境としてドライとウエットに対応した各研究室があり、初代になかった主な装備として▽海洋データ処理システム(船上から陸上へリアルタイムでデータを送信)▽Aフレーム(船体後方のクレーン)▽海底地形探査装置〈新規漁場開発やMH調査での使用を想定〉―を装備している。建造費は12億3618万円。新潟造船株式会社製で、竣工日は今年8月31日となっている。

 約2カ月を経て祝う形となった竣工式には仁坂吉伸知事をはじめとする関係者約50人が出席。仁坂知事は現在の漁業調査船が担う二つの目的を解説して「和歌山県の未来を開くと信じている」とあいさつし、来賓を代表して県議会の濱口太史副議長が岸本健議長の祝辞を代読、木下会長が直面する漁場の苦境を打破する活躍を期して祝った。

 乗組員6人の紹介を経て、岩橋場長が「和歌山県における漁業調査船の役割」、東京海洋大学の青山千春准教授が「魚群探知機でメタハイを見つけよう!」と題して講演。岩橋場長は前述した四つに新規漁場の開発を加えた形で当面の役割を果たすとしたほか、過日実施の宇宙シンポジウムで話題に上がった人工衛星と現地情報の連動による海洋資源管理も近未来の役割として想定。青山准教授はMH調査でしていることを解説し、今後の調査を加速するため漁業従事者が魚探でメタンプルームを捉えたときの情報提供(そのときの魚探の画面を位置情報込みで撮影し、同試験場に画像データを提供)をこの機に呼び掛けた。

  □     □

式後は内覧も



 この日は荷さばき場北側に「きのくに〈2代目〉」を停泊させて内覧会も実施。仁坂知事、濱口副議長、木下会長、青山准教授に地元の田嶋勝正町長を加えた5人でテープカットをし、以降数人組で順次内部見学をするなどした。

 県水産試験場によると、「きのくに〈2代目〉」は現在試験運用中で、来年には本運用を始める方向で機能習熟に努めている。初代はインターネット公有財産売却システム(通称・官公庁オークション)にかけ、名乗りを上げた事業者と現在交渉中だという。

(2020年11月5日付紙面より)

初代の船名を受け継いで竣工した漁業調査船「きのくに〈2代目〉」=2日、串本町串本
竣工をテープカットで祝う仁坂吉伸知事(中央)ら
2020年11月05日
29 白木君、塩崎さんが優勝
 県小学生秋季陸上競技選手権大会  
2020年11月05日
30 東牟婁地方中学校体育連盟新人大会①
 卓球・野球・ソフトテニス  
2020年11月05日
31 成長した姿に大きな拍手  保育園・こども園で運動会  (新宮市 )
2020年11月05日
32 元気いっぱいの声響く  熊野川小・中と三津ノ保が合同運動会  (新宮市熊野川町 )
2020年11月05日
33 学習の成果を発表 宇久井中学校で文化祭 (那智勝浦町)
2020年11月05日
34 「持ち直しの動き見られる」  県内経済情勢10月判断  
2020年11月05日
35 グラウンドゴルフ大会に向け話し合い 熊野川ふれあい交流事業 (新宮市熊野川町)
2020年11月05日
36 福祉の仕事に関心持って  市役所別館で相談・面接会  (新宮市 )
2020年11月05日
37 佐藤春夫の遺徳しのぶ 関係者らが「筆供養」 (新宮市)
2020年11月05日
38 参拝する誰かのために  田端さん夫妻が杖を奉納  (熊野速玉大社 )
2020年11月05日
39 こて塗り絵、盆栽、編み物並ぶ  喫茶きよもんで一斉展示  (那智勝浦町 )
2020年11月05日
40 本紙エリアで5人受章  令和2年秋の叙勲  
2020年11月05日
41 休日特設窓口を開設  マイナンバーカード取得など  (紀宝町 )
2020年11月05日
42 自転車、歩行者のルール学ぶ  神内小で交通安全教室  (紀宝町 )
2020年11月05日
43 防災倉庫周辺で草刈り  飯盛自主防が取り組む  (紀宝町 )
2020年11月05日
44 避難場所含め全体を紹介  津波避難総合セで内覧会  (古座川町 )
2020年11月05日
45 音楽に合わせ体動かす  ゆうゆうクラブ女性部が音楽体操  (新宮市 )
2020年11月05日
46 お悔やみ情報