「病気なんかで髪の毛がない子がたくさんいる。誰かが喜んでくれたらいいな」。
新宮市立神倉小学校に通う曽越亮君(11)は、11年間にわたり伸ばし続けた髪の毛約40㌢を23日にカット。切った髪の毛を小児がんや先天性の疾患、事故などで頭髪を失った子どものためにウィッグを提供する「ヘアドネーション」に協力する。髪の毛は現在乾燥中。8月に入り次第宮城県でヘアドネーションプロジェクトを展開するNPO法人に送付するという。
亮君が髪の毛を伸ばし始めたのは、特撮テレビドラマ「仮面ライダー電王」(2007~08年)のお気に入りキャラクターに影響を受けたことがきっかけ。当時、頭髪がないことに苦しむ男児のインタビューをニュースで目にした母の公子さんがヘアドネーションの話を持ちかけたところ、亮君は参加の意思を示したという。
「女の子みたい、とクラスメイトにからかわれて泣きながら帰ってくる日もあった」と公子さん。しかし亮君の意思は固かった。ヘアドネーションへの協力には原則として31㌢以上の長さがあることが条件となっているため、根気よく髪の毛を伸ばし続けた。
「今でも癖で髪の毛を触っちゃう」と亮君。「でも、やって良かった」と笑顔を見せる。女性の髪の毛で作られたウィッグに抵抗を示す男児もいることから「同じ年くらいの男の子に使ってもらいたい」と話す。
公子さんは「たとえ嫌なことがあっても11年目にして認めてもらえた。そのことは息子の自信や成長にもつながったと思います。理解を示し協力してくれた学校の先生方にも感謝しています」。
亮君の行動に影響を受けた妹の睦ちゃん(4)も現在髪の毛を伸ばし中。来年、ヘアドネーションへの協力を予定しているという。
(2020年7月31日付紙面より)
佐田などで災害警備訓練 (串本警察署 )
古座川町佐田、七川ダム湖などで29日、串本警察署(﨑口忠署長)と管内関係機関等の合同災害警備訓練があった。
この訓練は、大規模災害時における管内関係機関等との緊密な連携をあらかじめ培う目的で計画。同署は今回、県警本部警備部の警備課と機動隊および生活安全部の警察航空隊、航空自衛隊串本分屯基地、串本町消防本部、串本町役場、古座川町役場、株式会社POSとの連携を構築し、集中豪雨により佐田一帯の河川流域で多数の孤立者や行方不明者が発生しているとの想定で▽部隊輸送訓練▽情報伝達訓練▽救出救助訓練―を順次実践した。
部隊輸送訓練は警察ヘリにより串本町上野山から古座川町蔵土まで救出救助部隊を輸送、情報伝達訓練は防災相互通信用無線機などを使って関係機関と情報を送受する内容。
救出救助訓練は同湖を訓練区域とし、▽浸水家屋の屋根に避難した孤立者を警察ヘリで救助▽POSと連携し無人航空機(ドローン)で湖畔の孤立者を捜索▽POS・自衛隊・消防(救急)と連携し、輸送した警察のボートで湖畔の孤立者を救助―といった項目を実践した。
一連の実践後、﨑口署長が「今年も全国各地で集中豪雨による災害が発生している。その事態が串本地域で発生した場合、串本警察署のみで対処することは到底無理。引き続き関係機関の皆様と緊密な連携をさせていただき、被害を最小限に抑えられるよう活動したいので今後ともよろしくお願いしたい」と講評を述べて締めくくった。訓練指揮者として統括に当たった同署警備課の井口潔課長は「今回は集中豪雨による災害訓練だったが、大水だけでなく津波や河川氾濫、地震といろいろな(災害の)パターンが考えられる。今後もバリエーションを加えて訓練の練度を上げていきたい」と思うところを語った。
(2020年7月31日付紙面より)
相野谷中学校で学習会 (紀宝町 )
紀宝町立相野谷中学校(佐藤光一校長、20人)で29日、平和学習会があり、水爆実験で被ばくした「第五福竜丸」の悲劇を通して全校生徒が非核と平和の大切さを学んだ。
講師は第五福竜丸事件の語り部で、被ばく後の1956年に同船の改装工事を請け負った強力(ごうりき)造船所(現ゴーリキ)=伊勢市=の3代目・強力修さん(69)と同社の阪本典子さん。
54年3月1日にビキニ環礁でアメリカによる水爆実験で被ばくした遠洋マグロ漁船「第五福竜丸」。47年に串本町の古座造船で第七事代丸として建造された際、木材の松は紀宝町の井田海岸や東正寺(鵜殿)の裏山から切り出されたという。
「悲劇の第五福竜丸から希望のはやぶさ丸へ」と題し、強力さんは「ビキニから160㌔離れた第五福竜丸以外にも何百隻もの日本のマグロ船や現地の漁船が被ばくした」と話した。
被ばく後、「はやぶさ丸」として改造され、工事を請け負った強力造船所の社員は犯罪者扱いされるなど、つらい経験をしたという。最後に強力さんは、元第五福竜丸無線長の久保山愛吉さんが残した言葉「原水爆の被害は私を最後にしてほしい」を生徒たちに伝えた。
阪本さんは、強力造船所創業者で福竜丸を改装した強力善次さんの生涯を描いた紙芝居を伊勢弁で披露した。
第五福竜丸は現在、東京都立第五福竜丸展示館で永久保存されており、4月に修学旅行で同館を訪れる予定だった3年生は「戦争や平和の本を読んでみようと思った」「平和の大切を教わり、勉強になった」「いろいろな人の思いを知った」などと話していた。
(2020年7月31日付紙面より)
被災地に簡易トイレ寄贈 (令和2年7月豪雨 )
今月3日から発生した「令和2年7月豪雨」の被災地を支援しようと、紀宝町鵜殿に本社を構える倉本工務店(倉本博美代表取締役)はこのほど、非常用簡易組み立て式トイレ20個を制作した。トイレは豪雨により甚大な被害を受けた熊本県の球磨(くま)村役場を通して、現地の避難所や仮設住宅へと贈られる。
倉本代表取締役は、自身が鵜殿地区の自主防災組織の役員を務めていた経験に基づき「災害時はトイレが一番困る」と思い立ち、従業員と2人、5日間で20個のトイレを制作。建築業に携わる観点から「木を使いたい」と国産ヒノキを使用した。
トイレは組み立て式。もともと商品化を見据え改良を加えてきた自社のオリジナルだ。4、5㌔と軽量で、3分ほどで組み立て可能。平時では椅子や収納庫としても使用できる。
背の部分をカエルの顔に見立てており一つ一つの表情も異なる。「笑顔あふれる家に、早く帰る(カエル)ことができますように」と願いを込めた。表情豊かなカエルのトイレを見て、子どもたちが少しでも笑顔になれたらという思いもある。
「紀伊半島大水害の時は、全国の人からお世話になった。少しでもお返しできれば」。倉本代表取締役は制作に込めた思いを語る。
「ヒノキ材は匂いが良く、癒やしの効果がある。トイレが避難所から離れている場合、お子さんたちは夜中のトイレなどが大変だと思う。避難所の方々が一日でも早く家に帰ることができるよう、そしてカエルのトイレで少しでも笑顔になってくれるように祈っています」と話していた。
(2020年7月31日付紙面より)
片谷匡さんらに海事功労者表彰 (那智勝浦町・新宮市 )
令和2年「海の日」国土交通省海事功労者等表彰状伝達式が28日、那智勝浦町築地の紀州勝浦漁業協同組合で行われた。公益財団法人海上保安協会串本支部の会計幹事を務める片谷匡(ただし)さん(紀州勝浦漁業協同組合長、和歌山県漁業協同組合連合会副会長)が「海上保安庁長官表彰」と「海上保安協会長表彰」を受賞した。
両表彰は保安協会の役員として、15年以上にわたり海上保安思想の普及事業の推進や保安業務の発展に尽力した人を対象に表彰するもの。本来なら海の日の式典で表彰が行われる予定だったが、新型コロナウイルスの影響で式典が中止となったため、この日の実施となった。
同庁串本海上保安署の内海浩一署長が片谷さんに表彰状を伝達した。内海署長は「幹事として長年にわたりご尽力いただき感謝しています。救命胴衣の配布や啓発用のパンフレット、看板の設置などは保安協会の会費などで賄われている。片谷さんにはそういった点にもご理解、考慮していただいています」と話した。
片谷さんは「受賞は光栄です。長年の功績を認めていただきありがたい限り。今後もできる限り協力をし、支えていきたい」と語った。
なお、この日は新宮市役所でも同様の伝達式が行われ、同協会の理事を務める田岡実千年市長が表彰された。
(2020年7月30日付紙面より)
新宮市都市計画審議会
第26回新宮市都市計画審議会(榎本義清委員長)が28日、市役所別館であった。13人の委員が出席し「新宮市雨水公共下水道について」を審議し承認。また、事務局から国や県、市で進めていく浸水対策の概要について説明があった。
都市計画は、地方公共団体が地域の実情によって指定していく。都市計画道路は、都市の骨格を形成し、安心で安全な市民生活と機能的な都市活動を確保する、都市交通における最も基幹的な都市施設として都市計画法に基づき、県との事前協議や地元説明会、素案・原案の作成、同審議会での審議などを経て計画が決定、事業化となる。
市では、2017(平成29)年の台風21号以降、浸水対策の一環として雨水計画を進めている。下水道施設としては都市下水路が整備されているが、市内には国の交付金の対象となる地区が存在しなかった。
15(平成27)年に下水道法が改正され、下水道のみでは浸水被害への対応が困難で、下水道による汚水処理を行わない地域において、雨水排除に特化した下水道整備を可能とする雨水公共下水道制度を創設。区域や事業計画を策定することで交付金対象となることから、このたびの審議案件とした。
委員からは老朽化している下水路に対する対策や、雨水や下水が浮島の森にとどまらずに、迂回(うかい)して浮島川に流れるような排水を求める声などが上がった。
承認により、原案の通り旧市内465㌶の区域内において、雨水公共下水道として官許。浸水対策を進めていくための維持管理を行っていく。
(2020年7月30日付紙面より)
ウミガメ公園で清掃作業 (紀宝町 )
紀宝町井田の道の駅「紀宝町ウミガメ公園」飼育プールで28日、プール清掃があり、ウミガメサポーター9人や飼育員ら計16人が作業に汗を流した。
間近でウミガメに出合える人気の施設で、直径6㍍、深さ2㍍の円形プールではアカウミガメ、アオウミガメ、タイマイなどを飼育しており、清掃作業は年に3回取り組んでいる。
今回は、新型コロナウイルスの感染防止対策を講じた上で、夏の行楽シーズンに合わせて実施した。参加者はウミガメの甲羅もブラシで丁寧に磨き、体長も測定した。
作業が終わるとプールの壁もピカピカになり、津市から訪れたサポーターの松本桃奏(もか)さん(9)は「今回もお父さんと参加した。ウミガメが大好きで甲羅磨きが楽しかった」と話していた。
同公園では、ウミガメが健やかに暮らせる飼育環境を維持するため「ウミガメサポーター」を募っている。2013(平成25)年から始まり、これまで469人が登録。今後も資金面で協力してくれるウミガメサポーターの募集を続ける。協賛金3000円で半年間、5000円で1年間サポーターとして認定される。
会員になればウミガメサポーター認定証が交付されるほか、希望すれば飼育プールの壁面に名前やグループ名の名札を掲示することもできる。
問い合わせは、ウミガメふれあいパーク(電話0735・33・0300)まで。
(2020年7月30日付紙面より)
熟年クラブで詐欺被害防止講座 (那智勝浦町 )
那智勝浦町宇久井のニュータウン熟年クラブ(峰武久・東熟年クラブ会長、角本聖洋・西熟年クラブ会長)は28日、コミュニティセンター和で「特殊詐欺被害防止講座」を実施した。新宮警察署特殊詐欺被害防止アドバイザーの大山擴さんと脊古佳さんが詐欺被害に遭わないための講話を行い、会員21人がメモを取るなどしながら耳を傾けていた。
峰会長は「現在、特殊詐欺が頻繁に発生していると聞いている。このニュータウンの中から被害が一人も出ないようにしたい。帰宅後は家族の方々などに学んだことを広めていただけたら」とあいさつした。
講座でははじめに「キャッシュカード詐欺盗」「架空請求詐欺」などの事例を紹介した動画を視聴した。続いて、大山さんが和歌山県では「オレオレ詐欺」「預貯金詐欺」「架空料金請求詐欺」「キャッシュカード詐欺」が多いと説明。昨年1年間の被害が45件で約8600万円とし、今年6月末まででは20件で、被害額が約6600万円に上ると話した。
被害を防ぐための方法として、▽詐欺の手口を知る▽在宅中も留守番電話にしておく▽詐欺かもしれないと感じたときは家族や警察に相談する―などを挙げた。
大山さんは「この地域で発生した三つの案件は誰にも相談していなかった。相談は被害防止の第一歩になる。被害に遭わないようにお願いします」と締めくくった。
会員の西岡稔さんは「特殊詐欺は目に見えないところで発生するので不安はある。今日は勉強になりました。今後にも生かしていきたい」と語った。
この日は同町福祉課の保健師・竹嶋沙耶香さんも同所に来ており、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、1時間に2回以上の室内換気が必要とし、30分ごとに換気を行っていた。
なお、警察への相談は新宮署(電話0735・21・0110)、串本署(電話0735・62・0110)まで。
(2020年7月30日付紙面より)
先制許すも三回に勝ち越し (高校野球和歌山大会 )
近大新宮吹奏楽部が引退演奏会
近畿大学附属新宮高校・中学校の吹奏楽部(田中愛優部長、部員33人)は25日、御浜町の中央公民館で高校3年生の引退演奏会を開き、家族や教職員、共に練習に励んだ仲間たちに感謝の気持ちを伝えた。
本年度は新型コロナウイルス感染症の影響で高校3年生引退の節目となる吹奏楽コンクールが中止となったため、それに代わる場として開催した。感染症対策のため保護者や教職員、OB・OGなどの関係者のみを招き、来場者全員の検温とマスク着用、手指消毒を徹底した。
クラブ講師の南木啓司さんが指揮し、1曲目は昨年のコンクール曲「斐伊川(ひいかわ)に流るるクシナダ姫の涙」を演奏。日本神話を舞台とした非常に難しい曲で、厳しい練習を乗り越えて2年連続の金賞をつかんだ思い出を紹介した。「Official髭男dismメドレー」や「Paradise Has No Border」、アンコールには定番の「Let’s Swing!」で会場を盛り上げた。
田中部長は「6年間のクラブ活動を引退して少し寂しいが、みんなで演奏するのはとても楽しかった。大変なこともあると思うが、来年のコンクールでは金賞、そしてその上の関西大会を目指してほしい」と言葉を贈った。
(2020年7月29日付紙面より)
来年の東京五輪・パラ見据え (新宮港港湾危機管理コアメンバー会合 )
新宮港におけるテロ対策の一層の強化を図るために27日、新宮市緑ヶ丘の東牟婁振興局で新宮港港湾危機管理コアメンバーの会合が開かれた。関係9機関から約20人が出席し、テロ未然防止のための水際対策の重要性について再確認した。
昨年10月、過激派組織「イスラム国(ISIL)」の最高指導者、アブバクル・バグダディ容疑者の死亡が発表される中、外国人戦闘員やその家族の多くがイラクやシリアを離れており、今後母国や第3国でテロを行う可能性が懸念されている。
また、アルカイダでは現指導者であるアイマン・ザワヒリ容疑者が反米テロを呼び掛けているほか、中東やアフリカで活動する関連組織は現地政府や治安機関などを狙ったテロを行っており、オンライン機関紙などを通して欧米諸国におけるテロ実行を訴えるなど、テロ情勢は非常に厳しい状況にある。
新宮港港湾危機管理担当官の上野春一郎・田辺海上保安部長は「来年に延期された東京オリンピック・パラリンピックでは、多くの外国人が日本を訪れる。水際対策に万全を期してテロを未然に防止するためには関係機関による連携が必要不可欠」。
副担当官の小畑博昭・新宮警察署長は「ISILやアルカイダなどの思想に影響を受けた者によるテロが、国内はもとより熊野地方で発生する可能性も否定できない」と危機感を示し、「引き続き、テロが差し迫った脅威であることを認識し、絶対にテロリストを国内に入れないということを基本方針に情報共有、外国船への検査の徹底、保安設備整備など港湾保安対策の強化に努め、より一層の連携強化を」と呼び掛けた。
会合の参加機関は▽田辺海上保安部(串本海上保安署)▽新宮警察署▽大阪税関和歌山税関支署新宮出張所▽大阪出入国在留管理局和歌山出張所▽近畿地方整備局和歌山港湾事務所▽近畿運輸局和歌山運輸支局勝浦海事事務所▽和歌山県東牟婁振興局新宮建設部▽新宮市企画政策部▽新宮市消防本部。
(2020年7月29日付紙面より)
センター主催イベント (南紀熊野ジオパーク )
串本町潮岬にある南紀熊野ジオパークセンターが25、26日の2日間、主催イベントを展開し4連休後半を過ごす人々の参加でにぎわった。
新型コロナウイルス感染拡大による国の緊急事態宣言発令に伴い臨時休館し、先月1日から開館を再開した同センター。感染予防対策を講じながら来館者を受け入れる中、研究員を軸に南紀熊野ジオパークガイドの会も協力して感染予防も考慮しながら子ども向けのツアーと一般向けのワークショップを計画し、7月期のイベントとして公表し参加を呼び掛けた。
ツアー「潮岬を歩く子供向けジオツアー」は密を避けるため定員10人で事前予約を受け付け。不安定な天候の予報がされていた25日は9人中7人がキャンセルして2人のみの参加となったが、同会の上野一夫会長が潮風の休憩所や鯨山見などを案内。計画では潮岬灯台下の磯場へ降りて地質観察をする予定だったが、突発的な波の危険を避けるため似た特徴を宿す旭の森の盃岩を訪ねて枕状溶岩の解説をするなどした。翌26日も天候不安定が続いたが、9人中8人が参加したという。
ワークショップは館内実施で、今回は▽現地の砂を使った同パーク内の地質図作り▽海岸の漂着物(流木など)を使った風鈴作り▽古座川の砂からガーネット探し―といった三つのテーマを準備。研究員の福村成哉さんと本郷宙軌さんが講師となり、当日参加を受け付けて体験提供した。
ガーネット探しは、あらかじめ粒の大きさが1㍉程度でそろうように調整した川砂から砂金取りの要領で選別する内容。粒の比重差を利用して軽い粒を除き、ガーネットが含まれる重い粒を集めて顕微鏡で観察し見つけ出したガーネットを記念に持ち帰った。三つの体験は申し込み時の体温確認を条件として参加を受け付け、2日間計で73人が申し込んだという。
同センターは8月期に同パークの日本ジオパーク認定記念となるイベントを同パーク公式ホームページなどで公表していて、新型コロナウイルスの影響で夏休み期間から外れる形となったが関心を高めるきっかけとして利用してもらえればとしている。
(2020年7月29日付紙面より)
新宮市のタウンガーデン
新宮市保健センター横の「タウンガーデン」で、まるで雪が積もったかのようなハツユキソウの白い葉が、ヤナギハナガサ(サンジャクバーベナ)の紫色と調和し道行く人の目を楽しませている=写真(27日撮影)。
ハツユキソウは北アメリカ原産の一年草。夏になると葉の中に埋もれるような感じで黄緑色の花を咲かせる。開花の頃、頂部の葉に白い斑が入り、雪が積もっているように見えることから名前が付いた。別名「ミネノユキ(峰の雪)」。英名は「スノー・オン・ザ・マウンテン」と、いずれも涼を感じさせる名前だ。
花壇を管理するボランティア団体「タウンガーデン」の平田裕子代表は「丹鶴幼稚園側の花壇に植えているものが真っ白で見ごたえがあるのでは。今年は白くなるのが例年より早い気がします」。
同所ではほかに、コリウスやセンニチコウ、ヒオウギなども見頃を迎えている。
(2020年7月29日付紙面より)
皇后杯全日本女子サッカー選手権大会和歌山県予選大会
新宮卓球スポーツ少年団・井上択実さん
東牟婁地方中学校バスケットボール大会
新宮はサヨナラで敗れる (高校野球和歌山大会 )
河内神社例祭「河内祭」 (串本町 )
古座川河口域の祭礼「河内祭(こうちまつり)」が26日に本祭を迎えた。今年は新型コロナウイルスに伴う規模縮小で神事のみ営む形となり、関係5区は天候不順のため古座神社で大前の儀に臨み神霊「河内様(こおったま)」への礼を尽くした。
河内祭は古座川河口から約3㌔上流にある川中の島・清暑島を神体とする河内神社の例祭。現在は串本町の古座区と古田区、古座川町の下部区と宇津木区と月野瀬区が奉仕し、7月第4日曜日を本祭日として営んでいる。
例年は獅子舞や祭船の奉仕や奉納もあってにぎわうが、今年は密の状況を避けがたい稽古などを見合わせ併せて拝観の規模を抑えるため中止。礼だけは絶やさないため神事のみ営むことを5月下旬に関係5区で申し合わせて準備してきた。
規模縮小は戦後には一度としてなかった異例の形。大前の儀も奉幣神事を省いて営む形となり、古座神社の石田保宮司が「河内大明神」と刻まれた神額に神霊を遷(うつ)して祝詞を奏上し区長5人、次いで関係諸団体代表者7人が順次玉串をささげて神霊への礼を尽くした。
古座区は25日夜半に宵宮祭も営んだ。南藤房男区長(72)は御船や獅子舞、櫂伝馬(かいでんま)に奉仕する者にとってかわいそうな結果になってしまったと悔やみつつ「来年にはコロナが落ち着き、ちゃんとした形で河内祭を営む。その一点で願った」と思いを語った。
(2020年7月28日付紙面より)
那智勝浦町防災会議
行政や民間などの各種団体で構成される那智勝浦町防災会議(会長=堀順一郎・那智勝浦町長、委員24人)の第12回会議が22日、同町体育文化会館で開かれた。21人が出席し、事務局から町の防災の現行計画修正についての説明があり、全会一致で承認された。
防災会議は1982(昭和57)年に第1回を開催し、その時代に合った防災対策を検討している。堀会長は「南海トラフの臨時情報の運用が昨年5月に改訂されたため、町の地域防災計画を大きく修正することになった。この防災計画を基に、少しでも防災・減災につなげていきたい。皆さまから多くのご意見をいただければ」とあいさつした。
事務局は修正内容について「津波対策への追記」「平成29年度の山地災害危険地区調査要領改正に伴う危険地区の見直し」「和歌山県の水防配備体制発令基準との整合を図る」「団体名称変更に伴う修正」「南海トラフ地震臨時情報が発表された際の防災対応の追記」などを挙げ、町にとって必要でない箇所を削除することも説明した。
前述の南海トラフ地震臨時情報とは、南海トラフ沿いで異常な現象が観測され、地震発生の可能性が相対的に高まっていると評価された場合、警戒や注意が必要な際に気象庁から発表される情報のことで、今回の修正は同情報の改訂によるものが主だったという。
修正案承認後には、関西電力から「停電情報アプリ」の紹介があった。同アプリは▽停電情報をプッシュ通知で知らせてくれる▽関西エリア全域の停電情報を確認できる▽復旧作業の進捗(しんちょく)状況や復旧見込み時間が確認できる―などの特徴を持つ。
同社からは「停電時にお役に立つことができるようにアプリを作成した。10地域ほどの登録ができ、各地域ごとに情報をお届けできる。ぜひご利用いただければ」と説明した。
(2020年7月28日付紙面より)
新高田会館で親子学習 (新宮市 )
新宮市高田の新高田会館で19日、高田小・中学校育友会(溝口亮会長)主催の親子学習が開かれた。同校に通う児童・生徒や保護者、教職員約40人が参加し、4チームに分かれての対抗ミニ運動会で互いの絆を深め合った。
毎年恒例のイベント。例年は高田川でカヌーやバーベキューをするが、今年は長雨による増水や水温が低いことから室内でのレクリエーションに切り替えた。換気や全員のマスク着用、身体距離を保つなどの感染対策を取った。
開会に先立ち川でのレスキュー法講習があり、高田中の成見雅貴教頭が「溺れている人を見つけたら、まず大人に知らせ、ペットボトルや浮き輪を近くに投げてあげて。一緒に溺れてしまわないよう、泳いで助けには行かないで」と呼び掛けた。
ミニ運動会では「ひこうき飛ばし」や「うしろむき玉入れ」、新聞紙に乗ってすり足で走る「新聞リレー」などオリジナルのゲームで白熱した試合を繰り広げ、楽しい時間を過ごした。
溝口会長は「梅雨が明けても、みんな健康には気を付けて暑い夏を乗り切りましょう」とあいさつ。最後は大会の準備や進行役を務めた育友会、児童会、生徒会の役員たちに感謝の気持ちを込め、大きな拍手を送った。
(2020年7月28日付紙面より)
脊古輝人組合長を表彰 (太地町 )
田辺海上保安部(上野春一郎部長・田辺港長)は27日、太地町漁業協同組合(脊古輝人組合長)を訪れ、和歌山県水難救済会理事会の永年勤続表彰授与式を開いた。上野部長は水難救済思想の普及などに長年貢献した同会理事の脊古組合長に感謝状を手渡した。
表彰は同会の育成や啓発などに尽力した理事に感謝状を贈るもので、脊古組合長は7年前から理事を務めていた。
保安部によると、近年は熊野地域では漁船からの転落やレジャーに伴う事故はあるものの、大きな海難事故は発生していないという。また、保安部では今月31日まで事故発生を防ぐための事故ゼロキャンペーンに取り組んでいると話した。
上野部長は「皆さまのご協力はありがたく感謝しています。今後も継続していただき、本部長表彰につなげていただきたい。保安部としてはレジャーに伴う事故を防ぐためにもライフジャケットの着用など指導啓発に努めていきたい」と話した。
昨年9月に那智勝浦町内で、サーフィンをしていた他府県在住の男性が波に流される事案が発生。その際に同漁協も捜索活動に尽力したという。
脊古組合長はサーファーの増加に伴う海難事故について懸念していると言及。これまでに2度、那智湾でサーファーたちに「潮の流れに注意し、安全に楽しんでほしい」と啓発を行ったという。
表彰については「これからも一生懸命、ライフジャケットの着用啓発や救難救助に励みたいと思う。海保の皆さまと互いに連携して進めていきたい」と語った。
なお、保安部では海上における事件・事故の際は緊急通報(電話118)の利用を呼び掛けている。
(2020年7月28日付紙面より)
熊野川に大輪の花火咲く (新宮YEG )
新宮商工会議所青年部(新宮YEG、寺前砂和会長)は22日夜、新型コロナウイルス感染症の影響で閉鎖的になっている気持ちを少しでも和らげてもらおうと、熊野速玉大社下の河川敷で花火を打ち上げた。夜空に突如咲き開いた大輪の花々が、道行く人やドライバー、家で過ごす人々の目を楽しませた。
新宮YEGは、新型コロナ感染防止のために地域のイベントが次々と中止となる中、市民の「癒やし・励まし」となるようにと花火の打ち上げを企画。3密を避けるために非公開の上で準備を進めた。
家で過ごす高齢者や子ども、家族らの不安を少しでも払拭(ふっしょく)し前向きな気持ちになれるよう、また、一日も早く日常の生活に戻れるよう願いを込め、約10分間にわたり約190発の花火を打ち上げた。「がんばろう新宮」のメッセージ花火も点火され、スターマインが夜空を飾った。
家から花火を見たという40代男性は「子どもが外から音がすると言うので窓を開けたら花火が上がっていて驚いた。今年はもう花火を見ることができないと思っていたので子どもたちも喜んでいた。つかの間だが温かい気持ちになれた」。
寺前会長は「少し雨が降ったが風も少なく天候に恵まれた。花火に託した思いが、少しでも市民の皆さんに届いたらうれしい」と話していた。
(2020年7月26日付紙面より)
世界のカブトムシ・クワガタ展 (太地町 )
太地町地域福祉センター梛(なぎ)で26日(日)まで、「世界のカブトムシ・クワガタ展」が開かれている。初日の22日は町立太地こども園(森尾扶佐子園長)の4、5歳児35人が訪れ、珍しい種類の虫たちに大はしゃぎしていた。
会場には人気のヘラクレスオオカブトや国産のオオクワガタに加え、アトラスオオカブトや虹色クワガタなど約60種類が展示された。また、幼虫期間が4年ほどあり、成虫期間が短いペルー産のアクティオンゾウカブトや、ネプチューンオオカブトなど珍しい虫も並び、町内外から訪れた家族連れも足を止めて観察していた。
園児は「すごい」「かっこいい」「触りたい」と喜び、「ふれあいコーナー」で交代しながら虫に触れ楽しんでいた。
この日は三軒一高町長、漁野洋伸副町長、宇佐川彰男教育長が会場や子どもたちの様子を見るため同施設を訪れた。
森尾園長は「図鑑に載っている虫を直接見て、触れられるのはありがたい。子どもたちにとって、学べることが多いと思う」と話した。
同施設は「昔と違い、昆虫も少なくなり、子どもたちも自然に触れる機会がなくなったと思う。ぜひ、この展示会を夏休みの学びの一環につなげていただければありがたいです」と語った。
なお、同展では販売も行っており、その場で買い求められる。しかし、特殊な種類の場合は最終日に引き渡しとなる。
(2020年7月26日付紙面より)
ブルービーチ那智が海開き (那智勝浦町 )
那智勝浦町浜ノ宮の那智勝浦海水浴場(ブルービーチ那智)で23日、海開きに伴う安全祈願祭が営まれた。主催は観光協会(会長=矢熊義人副町長)。この日は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から来賓を招待せず、同協会や町職員らが出席し神事のみが行われた。8月23日(日)まで開放している。
神事では熊野那智大社の出仕を得て、小賀真樹禰宜(ねぎ)らがシーズン期間中の安全と活気を祈念した。小賀禰宜は「感染症のこともありますが、決められた期間中、事故がないように祈願いたしました。また、にぎわうことを祈念しております」とあいさつした。
同町観光企画課によると、コロナ対策として啓発看板の設置や4人の係員の配置、手指消毒やシャワー室・更衣室での密状態防止の人数制限などを呼び掛けているという。
佐古成生(しげお)課長は「予防のためにも着替えはできるだけご自宅や宿泊施設で行ってほしい。対策へのご協力やご理解をいただき、那智勝浦の海を楽しんでほしい」と話した。
矢熊会長は「海水浴場の安全無事をご祈願いただく神事を終え、海開きできたことをうれしく思う。今年はコロナの影響もあり、町としてもしっかりと対策を講じている。皆さまにご来場いただければありがたいです」と語った。
なお、今年からは湯川と宇久井海水浴場を閉鎖したことから、ブルービーチ那智と粉白地区の玉の浦海水浴場のみが遊泳可能となっている。
(2020年7月26日付紙面より)
那智勝浦町立下里、那智、宇久井の3中学校で20日から、待ちわびた給食が始まった。2日目の21日、下里中と宇久井中で生徒の様子などを取材した。
町教育委員会によると、これまで町内では色川中学校以外の中学校では給食が実施されていなかった。保護者などからは給食を要望する声が多く寄せられており、アンケートや検討委員会が開かれて今日に至った。
当初は4月からの開始予定だったが、下里中で調理し、他の2校に運ぶ「親子方式」が採用されており、技術室の給食室化に伴う増改築工事の遅れや調理員の確保などに時間を要したため9月に延期となっていた。
下里中の給食室は6月末日に完成。那智中には配膳室が、宇久井中にはランチルームが整備される中、新型コロナウイルスの影響で夏休みが短縮されたため、給食開始が前倒しとなった。
調理員は開始前に各校の教職員分の給食を作る実践研修にも取り組んでいる。給食には地元の食材や調味料などが用いられ、21日には「ご飯」「牛乳」「親子煮」「三色ごま和え」が提供された。
教育委員会は「安心安全な給食を目指し、健康や衛生管理の徹底を調理員に伝えている。楽しみにしている子どもたちのためにも頑張っていただきたい」と話した。
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下里中では、初日から手際良く配膳作業を進めた生徒が栄養バランスの取れた温かい給食を味わっていた。
久保敏晴校長は「保護者の皆さまの負担減につながれば。生徒たちがそろって食事ができるのはありがたい」。
生徒会長の小林泰晴君(3年)は「温かい食事はおいしいし、量も満足です。調理員さんに感謝の気持ちを持っていただいています」と話した。
宇久井中では、午前の授業を終えた給食当番の生徒が配膳準備に掛かり、2日目ながら手際良くご飯やおかずをわんに盛っていった。
給食当番を務めた畑下一喜君(2年)は「小学生の時に給食当番をしたが久しぶりで難しかった。食べ物をこぼしたり失態を犯さないように気を付けたい」。
生徒会長の廣井佐奈さん(3年)は「健康のことを考えてくれていて体に良さそう。みんなで食べることができて楽しかったしおいしかったです」と笑顔を見せた。
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給食の配送はタクシー業務などを行う熊野第一交通株式会社が事業委託を受けている。出来上がった給食を担当職員が両校行きの車に積み込んで届ける。調理員も同乗し、配膳などを手伝う。
麥田(むぎた)幹男取締役所長は「私たち含め、調理員や学校、教育委員会の皆さんも初の業務に試行錯誤している。地域の子どもたちのために一生懸命努めたい」と思いを語った。
(2020年7月23日付紙面より)
グラウンドゴルフで出前講座 (那智勝浦町 )
「浦神はまゆうクラブ」(永野佳津子会長)の会員8人は21日、グラウンドゴルフの練習の休憩時間を利用し、新宮警察署が実施する出前講座「特殊詐欺被害にあわないために」を受けた。同署特殊詐欺被害防止アドバイザーの大山擴さんと脊古佳さんが練習場所である那智勝浦町浦神の旧浦神小学校グラウンドを訪れ、被害防止対策などについて講話した。
同署では、高齢者が多く集まるサロンなどに出向き、特殊詐欺被害防止を呼び掛ける出前講座を行っている。新型コロナウイルス感染症の影響で講座も長らく中止していたが、この日3カ月ぶりの開催となった。
大山さんは最近の特殊詐欺の被害状況などについて説明。その手口について▽オレオレ詐欺▽預貯金詐欺▽架空料金請求詐欺▽還付金詐欺▽融資保証金詐欺▽金融商品詐欺▽ギャンブル詐欺▽交際あっせん詐欺▽キャッシュカード詐欺▽その他―の10項目に分類されるとし「手口を知ることが最大の被害防止にとなる」と訴えた。
宅配業者や金融機関をかたった携帯電話のショートメール、訴訟最終告知・通知などを伝える不審なはがき、また昨年6月ごろから当地方でも確認されている架空料金を請求する封書などを紹介し、「不安に感じたときは家族や警察に相談を。それだけで被害防止につながります」と呼び掛けた。
永野会長は「元々銀行員だったため、知らない番号の電話に出ないなど普段から気を付けています。人が集まった機会を利用した出前講座はいい取り組みだと思います」と話していた。
和歌山県の今年に入ってからの特殊詐欺被害認知件数は20件で被害額は約6600万円に上る(6月末現在)。昨年は新宮市と那智勝浦町で2件の被害があり、今年は串本町で1件の被害が発生している。
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和歌山県警では、特殊詐欺被害防止アドバイザーが老人会や自治会、防犯ボランティア団体、事業所などを訪れ特殊詐欺について講座を行う「出前講座」を無料で実施している。開催予定日の2、3週間前までの申し込みが必要。申し込みは新宮警察署生活安全刑事課(電話0735・21・0110、内線266)まで。
(2020年7月23日付紙面より)
民児協7月定例会で (紀宝町 )
紀宝町民生委員児童委員協議会(濵口啓会長)の7月定例会が21日、町福祉センターであり、出席した委員約30人が心肺蘇生法の講習を受けた。
熊野市消防本部紀宝分署の川口伸さんと宇井隆夫さんが講師を務め、新型コロナウイルス感染症対策として、成人には人工呼吸を行わず胸骨圧迫と自動体外式除細動器(AED)による救命を行うよう指導した。
川口さんは「新型コロナの影響で応急手当のやり方が全国的に変わってきている。明らかなコロナ感染者と、感染の有無が分からない場合は人工呼吸しない。子どもは心肺停止の原因が窒息などの可能性が高いため人工呼吸も必要になる」と説明した。
意識の確認、救急車、AEDの要請、胸骨圧迫といった手順を挙げ「救急車が到着するまでに必要なことが心肺蘇生法。呼吸を確認し、なければ胸骨圧迫(心臓マッサージ)を開始する。マッサージは胸の真ん中に手を置き、約5㌢沈むほど強く圧迫する。1分間に100~120回のテンポで30回連続して行う」と伝えた。
委員は2グループに分かれて呼吸確認、心肺蘇生を体験し、AEDの操作を学んだ。濵口会長は「万が一に備えて、毎年7~8月に講習会を開いている。何度も受講した委員も多いが、継続することが大事。来年以降も続けていきたい」と話していた。
(2020年7月23日付紙面より)
海ノ民話のまちの認定で (串本町 )
海ノ民話のまちプロジェクト実行委員会が21日に串本町の田嶋勝正町長らを表敬訪問し、同まち認定証を贈りつつ年明けに町内の民話を題材にしたアニメーション作品の上映会とフィールドワークを開くことへの協力を求めるなどした。
同実行委員会は、子や孫など今後の世代を中心にして広く海への好奇心を喚起し行動を起こすムーブメントを生み出す目的で日本財団が展開する事業「海と日本PROJECT」の一環で2018年に発足。以来海にまつわる民話を発掘して込もる想い、警鐘、教訓を伝えるアニメ作品を制作する取り組みを進める一端で、同年と19年に各5自治体、20年に7自治体を民話ゆかりのまちとして認定している。
同町は串本町・海ノ民話のまち実行委員会を介して紹介された民話「お屋敷になったクジラ」にゆかりがあるまちとして、今年5月に認定。この民話は串本地内にある古民家・稲村亭(とうそんてい)建築の背景にある飢饉(ききん)救済と流木贈呈のいきさつを伝える民話の一つ「恩返しの家(稲村亭)」を原作とした内容で、年内に数分程度のアニメ作品を仕上げるという。
この日は海ノ民話のまちプロジェクト実行委員会の沼田心之介認定委員長(株式会社トマソン取締役)、串本町・海ノ民話のまち実行委員会事務局の吉川公一さん(=テレビ和歌山東京支社長)、テレビ和歌山の大越康臣・常務取締役らが来町。役場本庁町長室で田嶋町長と潮﨑伸彦教育長、南紀串本観光協会の宇井晋介事務局長、株式会社一樹の蔭の博多敏希代表取締役と面会し、沼田認定委員長から田嶋町長へ同まち認定証を贈呈した。
田嶋町長は「串本町は本州最南端に位置し、漁業をなりわいとして発展したまち。伝承の民話を映像化した作品をこの地で生まれた子どもにも見てもらい、海に親しみ串本町の魅力を感じてもらえたら」と応えて、今後の展開に期待。引き続き懇談をして両プロジェクトの趣旨や今後の流れを確かめたほか、海と日本プロジェクト関係の別件で灯台を擬人化したキャラクターで振興する新規事業への協力要請も併せてあった。
(2020年7月23日付紙面より)
新組織立ち上げ会合 (新宮市高田区 )
新宮市高田区は20日付で「村づくりの会」を解散した。同日夜、新組織の1回目の会合があり、地域住民や和歌山県移住定住推進課・企画産業課の各担当者、市社会福祉協議会担当者ら約20人が出席した。今後は「新宮市高田村つくり推進事業実施要綱」に基づき、県や市と区民が協働し地域づくりを進めていく。
同区では、西・里・口区の3区が合同で「役員会・総会」という組織で集落自治を行っているが、高齢化に伴う人員不足の影響は区組織を機能不全に陥らせている。
現状を鑑み、区は企画書「安心して暮らせる高田を創るために」を作成し、地域の活性化に取り組む計画を立てていた。
今月18日に開かれた総会において、役員らは事務局と福祉防災・産業・子ども移住の各委員会を設け、目標達成に向けて活動を実施し地域の自立と活性化を図るなどを承認。国や県が定める地域おこし協力隊や集落支援員制度を活用していくことに同意し「高田村つくり推進事業実施要綱」をまとめ方向性を定めた。
会合では、移住定住推進課の古屋拳幸主任が過疎集落再生・活性化支援事業について紹介。事業の概要や取り組みのポイント、進め方などを説明した。
坪井辰実・高田支所長は、区の問題点などについて触れ「課題をどう解決していくか。中長期的な目標も立て、一歩進めて目標を作り上げて」と呼び掛けた。
今後は▽ホームページの作成(事務局、各委員会)▽砂防事業(福祉防災)▽和歌山大学観光学部生の地域インターンシップの受け入れ(産業)▽空き家情報登録利用制度、空き家登録の促進(子ども移住)―など、委員会ごとに本年度の活動について話し合いの機会を設けていく。
葛藪高盛総区長は「ここからがスタート。みんなで頑張って村づくりを進めていきたい」と呼び掛け、意識向上を図った。
(2020年7月22日付紙面より)
紡ぐプロジェクト助成受け (串本町 )
串本町西向にある薬王山成就寺(大崎實宗住職)所蔵の方丈障壁画「紙本墨画林和靖図(しほんぼくがりんなせいず)」の一部が20日、読売新聞社などの事業「紡ぐプロジェクト」の助成による修繕のため搬出された。年々傷みが進む状況を気に掛けてきた大崎住職(74)は「後世に伝える道が開けた」と喜び、今日まで残り続けた最後の1面を本堂から送り出した。
同寺の方丈障壁画は、現在の本堂が再建されてから10年後の1786年に来寺した絵師・長澤蘆雪の作。本堂のふすまなどに45面を描き、他史料により年代も明らかになっていることや制作当時のものがほぼ完全に受け継がれていたことから、長澤蘆雪の基準作の一つとして数えられ、作風を考える上での一級の資料として1979年には国の重要文化財指定を受けている。
同寺は継承のため2000年と09年の2回に分けて方丈障壁画44面を県立博物館に寄託。壁貼りの1面が搬出できず残り続けてきた。18年に読売新聞社・文化庁・宮内庁の官民連携による事業「紡ぐプロジェクト」が立ち上がり、大崎住職は同町教育委員会の中継ぎを受けて申請。本年度の同プロジェクト修理助成事業採択7件のうちの1件に選ばれ、継承するめどを付けた。
残る1面は鶴にいざなわれる客人を描いた作品で、大きさは175・7㌢×187・3㌢。この日の搬出作業には大崎住職と檀家総代と同町教育委員会、文化庁職員と県立博物館職員、県文化遺産課が立ち会い、搬出先の京都国立博物館修理所を担う一事業者・株式会社松鶴堂の技師職5人が本堂由来の構造体を損なうことなく外すなどして搬出した。
この時点で退色や素材の竹紙の剥がれや崩れなど劣化が進んだ状態。同修理所で本年度末までに修繕し、大崎住職は45面一式の最後の1面として県立博物館に寄託したいと考えている。
搬出後の壁は同社が翌21日に近しい技法で修復。大崎住職は「一部だけ戻ってきても皆さんに興味は持っていただけないと思うので、そのまま県立博物館へ頼もうと思う。最後の1枚がなくなりさみしいけれど、こうすることで後世に一式見てもらい研究もしてもらえると思うとうれしい。読売新聞さんのプロジェクトのご縁で文化庁のご支援も頂き修復がかなって一安心です」と語った。
(2020年7月22日付紙面より)
鮒田区環境防災会議 (紀宝町 )
濁水問題と土石流への対策を話し合う鮒田区環境防災会議が20日、紀宝町鮒田の鮒田構造改善センターであった。出席した環境ファースト連合会と同区の住民は、三重県と町に対し「以前から湯ノ谷川に土砂が流れ込んでいる。災害防備のためにも上流の山林を保安林にすべきではないか」と訴え、土砂流出を防ぐ砂防ダムの建設を求めた。
鮒田区の湯ノ谷川上流部の山林で2016(平成28)年2月から大規模森林伐採が行われており、同連合会は降雨時に汚濁水が発生し、湯ノ谷川、相野谷川、熊野川へ流出していると指摘。同区からの要望を受け、県熊野農林事務所と町は濁水流出防止対策、渓流の伐採木撤去、のり面緑化を行うよう指導しており、渓流の伐採木は撤去された。
環境防災会議では「湯ノ谷川から相野谷川に泥が毎年流れ出ている」との指摘に、県の担当者は「今後も土砂が発生し、湯ノ谷川の河川が氾濫する場合は必要に応じて堆積土砂を撤去する」と回答した。
町では「業者から皆伐して植林する届け出が数回に分けて出ており、植林が計画通り進んでいるか経過を確認している。作業道を設置する際には濁水対策を行うよう求めていく」とした。大型重機が入る作業道の基準を明確にするよう町から県に「県森林作業道作設指針」の変更を求めている。
住民からは「用水路に土砂が堆積して水が田んぼに流れてこない。毎年、砂の量が増えて土砂撤去に苦労している」との声があり、町では「湯ノ谷川の濁りの状況は確認している。堆積土砂の状況に応じて対策を検討していきたい」と応じた。
(2020年7月22日付紙面より)
甫子浦交差点で夜間啓発 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の甫子浦(ほこうら)交差点で20日夜、「令和2年度わかやま夏の交通安全運動」(20日まで)に合わせた夜間街頭啓発が実施された。町交通安全指導員、新宮警察署の署員、町職員ら14人が参加し、信号で停車するドライバーらに安全運転を呼び掛けた。
啓発活動は17日に実施予定だったが、天候不良のためこの日まで延期となっていた。
参加者は同交差点の3カ所で待機。赤信号で停車したドライバーや同乗者に対し、「交通安全運動を実施しています。運転にはお気を付けください」と声掛けを行い、啓発物資を配った。
町交通安全指導員協議会の塩﨑一男会長は「1件でも事故が減少するようにドライバーの方々にはご注意いただきたい。また、もうすぐ連休に入る。新型コロナウイルスの影響で交通量がどうなるか分からないが、安全運転を常に心掛けてほしい」と語った。
(2020年7月22日付紙面より)
県サッカー協会U―12ホップリーグ
令和元年誕生の子クジラ (太地町 )
太地町立くじらの博物館(林克紀館長)で20日、令和元年度にハナゴンドウとオキゴンドウの間に誕生したメスの子クジラ「ひよか(日与花)」(体長2・5㍍、推定体重177㌔)を一般公開した。先月に1歳を迎えたひよかの愛くるしい姿を一目見ようと来場者が訪れた。また、同館では職員や来場者へのマスク着用呼び掛けや消毒、検温の徹底など、新型コロナウイルス感染予防対策を入念に行っている。
同館によると、ひよかは母親がハナゴンドウの「コスモ」(推定15歳、体長3・06㍍、推定体重311㌔)と父親がオキゴンドウの「キース」(推定16歳、体長4・26㍍、推定体重626㌔)の交雑個体だという。オキゴンドウは歯が40本あるが、ハナゴンドウは上顎に歯がない。ひよかは上下に26本の歯があり、傷痕が白く残る特徴はハナゴンドウに似るなど、両種の特徴を併せ持っていると話す。
来場者はひよかの姿を写真に収めたり、水面から顔を出すしぐさに笑顔を浮かべていた。
同館の稲森大樹副館長は「訓練を通して個体の体調管理を行っているが、ひよかは覚えが早い」。
「オキゴンドウとハナゴンドウの混雑は珍しいケース。ひよかを通して貴重なデータを蓄積していきたい。私たちも成長が楽しみだが、お客さまにもその姿を見守っていただけたら」と話した。
なお、入館者がこれまでの6割程度に戻りつつあるという同館では、感染拡大予防の観点から中止となっていた「イルカにタッチ」「カヤックアドベンチャー」などのイベントや、館内の触れる展示についても感染予防対策を講じた上でこの日より一部、再開した。
問い合わせは同館(電話0735・59・2400)まで。
(2020年7月21日付紙面より)
文化複合施設愛称選定委員会 (新宮市 )
新宮市は19日、市役所別館で「新宮市文化複合施設愛称選定委員会」を開いた。田岡実千年市長をはじめ、文化複合施設関係者、文化活動関係団体、学校関係者、中高生ら22人が参加し、市文化複合施設の愛称の選定をした。
市では、現在丹鶴小学校跡地で建設工事が進む市文化複合施設について「幅広い世代の市民に、施設に親しみを持ってもらえるように」と愛称を募集。「施設のイメージを表現した、誰もが分かりやすく親しみやすいもの」などを条件に、2月1~29日にかけて広く候補を募っており、市内外から1010件が集まった。
1月に市民ら28人で組織する選定委員会を立ち上げており、3月に選定を行う予定だったが、新型コロナウイルス感染症の影響で延期となっていた。
応募総数1010件の内訳は、市内592件、市外412件(未記載など6件)。和歌山県内716件、県外288件だった。60代からの応募が182件と最も多く、10代までが156件、50代が150件と続いた。
愛称選定に先立ち、田岡市長があいさつ。「多くの作品が集まり、関心の高さが表れていると思い驚いた。今日は、年齢や立場にかかわらず活発な意見を」と呼び掛けた。
委員らは4グループに分かれて作品を審査。卓上ごとに意見交換や議論が交わされた。
選考作品は今後、名称権利関係の調査を行った上で、8月中に最優秀賞などを発表。表彰式を行うほか、広報新宮や市ホームページ上で公表する。
(2020年7月21日付紙面より)
西向小でフォトアート制作 (串本町 )
串本町立西向小学校(山本隆介校長、児童46人)で17日にフォトモザイクアート制作があり、560枚の写真を貼り合わせて校章が浮かび上がる作品を仕上げた。
同校と同校育友会(木下俊郎会長)が校区内の住民にも協力を呼び掛けて実現した合同活動。新型コロナウイルスに伴う外出自粛が続いていたころ、地域全体で元気になるためにできることはないかと考えた育友会が着想し、同校へ実現できないかを提案した。
木下会長によると、外出自粛は児童だけでなく大人も含めた地域全体が直面していることや西向小はコミュニティースクール活動で地域と近しい間柄にあることを考慮して話し合った末、写真なら自粛中でも準備できるのではと思い付きこの制作の構想が固まった。校区内各区にも協力を求めて5月中ごろから写真の提供を呼び掛け。6年生8人も手作りのポスターを貼り出してお願いした結果、目標の800枚には届かなかったものの約560枚の写真が集まり、同校が枚数相応の木組みキャンバスを作るなど準備を進めて制作までこぎつけたという。
キャンバスの大きさは縦約180㌢、横約360㌢。過度な密集を避けるため1~3年生は5時間目、4~6年生は6時間目に手分けして集めた写真を貼り付け、保護者ら住民有志も6分の1程度の面積を担当しみんなで作品を完成させた。
アートのテーマは最後まで秘密とし、制作中の児童らは写真に写る人物に興味津々。仕上がりを確かめるため10㍍ほど離れて見ると校章が浮かび上がり、驚きと感心の声が上がった。
完成前に下校した1~3年生は、20日の全校集会時に仕上がりを確かめた。今後は退色を防ぐ処理をしてビニールをかけ、木枠を追加して校内に掲示する予定。木下会長は「子どもたちは今も運動会や修学旅行があるかどうか分からない状況。そんな時でも楽しいことがあったねとみんなで振り返れる経験を託したいというのが、私たち親の思い。『コロナの時の方が楽しかったよ』と思ってもらえるぐらい、これだけに終わらず今後も楽しい経験を提案していきたい」と語った。
(2020年7月21日付紙面より)
田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)で20日、「八咫烏(やたがらす)風鈴」の取り付け作業があった。神職や本宮町商工会の渕上太志会長をはじめとした有志らが協力し、同大社参道などに約200個の風鈴をつるした。風鈴は8月15日ごろまで設置予定。
風鈴はもともと邪気払いとして使われており、同社では参拝者らに涼を感じるとともに、邪気を払い疫病退散や開運厄よけにつなげてもらおうと、2006年から設置している。南部鉄製の風鈴には、熊野地方の伝説「三体月」の模様が入っていて、八咫烏の絵が入った赤、青、黄、ピンク、白の5色の短冊を下げている。
この日は、神門付近に88個の風鈴が回る「八咫烏風鈴台」(高さ約3㍍)も設置。頂部には八咫烏の模型があしらわれており、風がそよぐたびに涼しげな音を響かせている。近日中には、地元商店の店頭などに約80個の風鈴を飾る予定。
風鈴設置に当たり、九鬼宮司は「新型コロナウイルス感染症の影響が厳しく、状況も日々刻々と変わっている。そんな中、当大社にお越しいただいた方々の心が少しでも安らかに、そして夏を元気に乗り越えてほしいと願いを込めました」と話していた。
(2020年7月21日付紙面より)
先制するも九回に逆転許す (高校野球和歌山大会 )
グラウンドゴルフ「夏大会」 (ニュータウン熟年クラブ )
第38回学童軟式野球大会 (マクドナルドカップ )
太地小が福祉推進指定校 (太地町社会福祉協議会 )
太地町社会福祉協議会(岡本研会長)は17日、太地町立太地小学校(宮本礼子校長)を福祉教育推進校に指定した。指定式後は、同小4年生の5人が福祉学習に取り組んだ。
以前から福祉学習に取り組んでいた町社協によると、本年度から要項を定めシステム化することで子どもたちへの福祉教育充実化を図ることが目的だという。福祉学習は同校の総合的な学習の一環で行われる。
岡本会長から指定書を受け取った宮本校長は「社協が入ってくれることで専門的な学習を受けることができる。単なる理解だけでなく、深い学びにつながります」と話した。
福祉学習では美熊野福祉会の職員らが来校。事務局長の橋上慶一さんの司会の下、同福祉会利用者で全盲の溝本和彦さんが講師を務め児童と交流を深めた。溝本さんは「今日は皆さんと一緒に楽しく点字の勉強をしたいと思います。よろしくお願いします」とあいさつした。
橋上さんは全盲の障害を持つ人の見え方などを説明。溝本さんの日常生活や、スポーツ大会での活躍についても触れた。白杖(はくじょう)や点字ブロック、盲導犬、音の出る信号機、ガイドヘルパーの重要性を説いた。
その後、児童は溝本さんの手を引いて図書室まで案内した。続いて、アイマスクを着用し全盲の体験や点字学習を行った。
宮本校長は「今後はさらに高齢化社会となるため、福祉学習は子どもたちにとって大きな成長につながる。意識も変わり、次の行動につながっていくと思う」。
岡本会長は「ハンディを持つ方々の生活や、どんなことに困っているかを学んでいただき、心の優しい子どもたちに育ってほしい。今後は太地中学校にも広げていきたい」と語った。
(2020年7月19日付紙面より)
ダイワテックと三銀が毛布寄贈 (那智勝浦町 )
愛知県名古屋市の株式会社ダイワテック(以降、ダイワテック)と第三銀行(三銀)は17日、那智勝浦町役場で寄贈式を行い、連名で真空パックされた毛布160枚を町に贈った。町によると毛布は各避難所などに配備し、災害時に役立てるという。
同町は、三銀の仲介で自然エネルギーを活用したソーラーハウスなどを手掛けるダイワテックと昨年10月に災害時におけるレンタル資機材の提供に関する協定を締結。これにより、災害発生時は同町へ優先的に蓄電システムが完備されたソーラーシステムハウス(コンテナ状の建物)が届けられるという。
今回の毛布寄贈については、両社が取り組むSDGs(国連が2030年までに達成すべき世界共通目標として掲げる「持続可能な開発目標」)の実践として行われた。
寄贈式にはダイワテックの岡忠志代表取締役社長と渡邊實取締役が、三銀からは執行役員の小松正実・紀州地区営業部長と五十嵐禎幸・庄内支店長、小林秀行・勝浦支店長が出席。
ダイワテックの岡社長は「今回も第三銀行さまのご縁。昨今では100年に1度といわれる災害が毎年発生している。わが社は普段、発電した自然エネルギーを自分たちで使うことをコンセプトにしているが今回は毛布。何もないことが一番だが、発生時には毛布をお役に立てていただけたら」。
三銀の小松紀州地区営業部長は「2016年から同様の取り組みを行っており、現在は90件を超えている。今後も地域貢献していきたい」と語った。
寄贈を受けた堀順一郎町長は「身も心も温まる毛布を寄贈いただきありがとうございます。長期避難だけでなく、一時避難の際にも活用させていただきたい」と感謝を述べた。
(2020年7月19日付紙面より)
浦神実験場で水産実習 (近大新宮高 )
新宮市の近畿大学附属新宮高校(池上博基校長、365人)の2年生の希望者15人は17日、水産実習で那智勝浦町浦神にある近畿大学水産研究所浦神実験場を訪れた。
「実学教育」を建学の精神とする近畿大学との高大連携の一環で、生徒にクロマグロの完全養殖で知られる同大学水産研究所の最先端の研究の一端に触れる機会を提供する。浦神実験場でマダイ、新宮市高田の新宮実験場でアマゴ、チョウザメを育て、生物・生命の尊厳について考える。
生徒たちは昨年11月から実習用いけすで養殖しているマダイの体重を測り、その成長を実感。今年2月時点で150㌘ほどだったが、今回は平均で479・6㌘になっていた。
講義室では家戸敬太郎教授らの指導の下、船の係留や養殖網の設置に使える「もやい結び」や「巻き結び」などに挑戦。初めての作業に悪戦苦闘しながらも、ほどけにくく、必要なときに解きやすい結び方を考案した先人の知恵に驚いていた。
大槻湧山君は「前来たときよりもマダイが3倍近く大きくなっていて驚いた。順調に育ってくれてうれしい。もやい結びは最初は難しかったが、だんだん楽しくなってきた」と語った。
秋ごろには養殖に必要な餌の量についても学ぶ予定。現在の3年生が育てたマダイは近大新宮祭で提供する予定だったが、新型コロナウイルス感染対策で中止となったため、どうするか検討中だという。
(2020年7月19日付紙面より)
新宮グラウンドゴルフ同好会 (新宮市 )
土砂災害啓発センターで研修 (那智勝浦町消防本部 )
那智勝浦町消防本部(湯川辰也消防長)は15日、同町市野々の土砂災害啓発センターで土砂災害に関する研修に取り組んだ。参加した職員10人は土砂災害の基礎を学び、砂防えん堤の見学も行った。
同本部によると、職員の約3分の1が2011年の紀伊半島大水害後に採用されているという。水害の詳細を知り、土砂災害への危機意識を高めることなどを目的にセンターに研修を依頼。3回に分けて実施し、この日が2回目だった。
講師を務めた同センターの坂口隆紀所長は、山が大部分を占め、全国でも雨が多いなど那智勝浦町の特徴を紹介。
土砂災害について大きな石が最初に流れてくる「土石流」や、集中豪雨・地震などで急激に斜面が崩落する「崖崩れ」、比較的ゆるやかな斜面が広範囲にわたって滑り落ちる「地滑り」、天然ダムを形成する可能性のある「深層崩壊」があると説明した。
土砂災害の発生要因では誘因として豪雨や台風、地震などとし、素因として地形や地質、土地利用を挙げた。続いて、坂口所長は紀伊半島大水害について詳細を説き、関連する動画を鑑賞した。
その後は2班に分かれ、大きな被害を生み、復旧作業の妨げにもなる流木や石などを防ぐ、砂防えん堤(透過型、不透過型)の実験装置による実験や、鳴子谷川に建設されている砂防えん堤の見学を行った。
同本部警防第一班班長で消防司令の太田真次さんは「センターの協力のおかげで今回の研修が行えました。もうすぐ台風シーズンに入るため大雨も多い。水害について専門的にお話していただくことで、それを知らない職員も学ぶことができる。研修を通じて、危機感を持って今後の災害対応に努めていきたい」と語った。
(2020年7月18日付紙面より)
城南中で薬物乱用防止教室 (新宮市 )
新宮市立城南中学校(中田善夫校長、生徒171人)で16日、1年生45人を対象にした喫煙・飲酒・薬物乱用防止教室が開かれ、なごみ薬局の薬剤師の小林仁さんが講話した。
生徒をたばこやアルコールの害から守ることが目的で、小学校の学習内容とつなげる形で毎年開催している。
小林さんは薬物について「大麻や覚醒剤だけでなく風邪薬なども薬物だが、使用にはルールがある」と説明。さまざまな実験映像から、たばこに含まれるニコチン、タール、一酸化炭素の摂取によって人体に起こる変化を見せた。
違法薬物では中学生の逮捕事例もあるマリフアナ(大麻)を挙げ「インターネットには、あたかもマリフアナは害が少なく、日本の法律が遅れているかのように書くサイトがあるが、海外には依存症で苦しんでいる人がたくさんいる」と話した。
「たばこを吸いたい、お酒を飲みたいと思うのは自由。しかし、今君たちは成長の大切な時期にあり、栄養と酸素を体の隅々まで届ける必要がある。たばこやアルコールによってその流れを妨げ、自分の可能性を狭める行動は、今はするべきではない。身勝手に、自分自身や家族、友人を傷つける行動はしないで」と訴えた。
(2020年7月18日付紙面より)
2海水浴場で安全祈願祭 (串本町 )
串本町の橋杭海水浴場と田原海水浴場で17日に海開きの安全祈願祭があり、運営する南紀串本観光協会の島野利之会長ら関係者が期間中の無事故を願うなどした。
今年は新型コロナウイルスの影響で海開きの有無の判断が分かれるところとなっているが、同町が管理する前述の海水浴場は近隣市町の動向を見ながらの関係者間協議の末、感染予防対策を講じ利用者にも協力を求める形で海開きをすることを決断。例年より半月余りずれこんだが18日(土)から8月31日(月)までの45日間を遊泳期間として運営する。島野会長は、この判断は海水浴だけでなく串本町に夏の節目をつける上でも意味があるとの捉え方を、先んじてあった遊泳区域などの準備時に明らかにしている。
今年は橋杭、田原とも遊泳区域の砂浜に4㍍間隔で標示を設置。これを目安にしてソーシャルディスタンスを確保することなど、事前に定めたガイダンスに基づく留意事項を場内アナウンスや拡声器を使って利用者に伝えて協力を得る。
環境面では感染を誘発しやすい密集や密接を避けるため、橋杭は洋上遊具の設置は行わず更衣室の一部利用制限や屋外簡易水シャワー(利用無料)設置など、田原は更衣室を閉鎖するなどの対応も取っていて、利用時には考慮する必要がある。
橋杭は古座神社の石田保宮司、田原は木葉神社の井谷正守宮司の出仕を得て、参列時の間隔を広く取りながら神事を営んだ。
(2020年7月18日付紙面より)
派遣職員のPCR検査実施 (紀宝町区長会 )
町内14地区と町で組織する紀宝町区長会(会長・辰巳尚鵜殿区長)は16日、同町役場大会議室で定例会を開いた。西田健町長は、新型コロナウイルスに関連した第2弾の支援策を検討していると報告した。また、水害タイムラインの運用協定を結ぶ熊本県球磨(くま)村に派遣した職員のPCR検査を実施したことを伝えた。検査結果で陰性が確認されるまで自宅待機する。今後派遣する職員も出発前と町に戻ってきた後に検査する方針で「安心安全のために検査している」と説明した。
定例会には各区の区長、役場職員が出席。役員改選に伴い、会長に辰巳区長、副会長に鮒田区の東口高士区長を選任した。各課の担当職員が町の関連事業などを説明した。
コロナ関連の特別定額給付金は10日現在、1万785人が申請。紀の宝商品券は3日現在で1万696人に配布した。取り扱い店舗は現在も募集している。
鵜殿保育所は南海トラフ地震への備えとして、町生涯学習センターまなびの郷の西側への高台移転を計画。現在、伐採工事を進めており、来年度中の完成を目指している。
出席者からは、対策を講じた上での学校行事の推進や井田地区への新たな避難所の設置要望などがあった。
辰巳会長は「区長さんは中止や開催など行事で迷っていると思う。役場と連絡を取って、良い方法を探ってほしい」と呼び掛けた。
(2020年7月18日付紙面より)
王子ヶ浜にアカウミガメ上陸 (新宮市 )
新宮市の王子ヶ浜で16日早朝、アカウミガメの今期初産卵が確認された。午前5時ごろ、ウミガメの保護活動を続けている新宮市王子ヶ浜を守る会(速水渉会長)の榎本晴光さんが卵を発見した。
同浜は絶滅危惧種・アカウミガメが訪れる世界でも数少ない海岸の一つ。同守る会では、波浪流失や小動物の捕食被害から守るため、卵を海岸に隣接するふ化場に移して安全に保護する活動をしている。秋には子どもたちを招き放流会を開いている。
産卵場所は、市立総合体育館(大浜体育館)前の海岸で波打ち際から約30㍍付近。深さ約60㌢の穴から、ピンポン球大の卵約150個が見つかった。同守る会は一つ一つを丁寧に採取。ふ化場へと移した。
アカウミガメは1回の産卵で平均120個の卵を産み、約60~80日でふ化する。5月中旬から8月半ばまで上陸シーズンが続く。
このたび150個の卵が見つかったことから、速水会長は「大型のウミガメだったのでは」と推測。「砂利の多い浜によく上陸してくれた。1頭でも上がってくれたらボランティアとしてありがたいこと」と話していた。
同浜では昨年、1度の上陸で85個の産卵が確認されている。同守る会が保護し21匹がふ化した。
(2020年7月17日付紙面より)
道の駅くしもと橋杭岩 (串本町 )
串本町くじ野川にある道の駅くしもと橋杭岩が、旅行口コミサイト「トリップアドバイザー」の企画「旅好きが選ぶ!日本人に人気の道の駅ランキング2020」において3位にランクインした。
この企画は、2019年6月~20年5月の口コミの5段階評価と投稿数をサイト運営会社の独自アルゴリズムで集計してランキングする内容。その最新版が9日に発表され、くしもと橋杭岩の評価が明らかになった。
同町産業課によると1日現在で国内には1180の道の駅があり、くしもと橋杭岩はその中で3位にランクインした状況。前回も15位に入っていて、高評価の度合いが一層増す結果となっている。
口コミの内容にはロケーションへの評価を軸にして道の駅としては標準的な規模ながら土産や飲食、現地解説や接客、施設自体の真新しさなどへの評価が多彩にうかがえ、それら一つ一つの努力の総和で駅全体の好印象をつかんでいる。
今回のランクインについて、チーフ級のスタッフは「前回15位に選んでいただいて以降、ベストテンに入りたいという思いで接客に力を入れてきた。今回3位という連絡を頂いた時はうれしく、また驚いた。橋杭岩の景観あればこそとも思うが、自分としては今回の評価の一番の要因はスタッフみんなで頑張ってきたことにあると思いたい。上司からも『順位を落とすな』という励ましを頂き、さらに気を引き締めて大勢のお客さまに喜んでいただける道の駅運営に努めていきたい」と気持ち改まるところを語った。
(2020年7月17日付紙面より)
ブルービーチ那智、23日から (那智勝浦町 )
レジャーシーズンの到来に伴い、那智勝浦町は15日朝、同町浜ノ宮の那智海水浴場(ブルービーチ那智)周辺でクリーン作戦を実施した。23日(木・祝)の海開きを前に、関係する団体や町民ら約100人が清掃活動に取り組んだ。
クリーン作戦は毎年実施しており、今年は各団体に参加を依頼したほか、町内放送でも呼び掛けた。参加者らは協力しながら、海藻や流木などの漂着物を拾い集め汗を流した。
矢熊義人副町長は「本日は多くの方々に参加いただき、本当にありがとうございます。23日のオープンに備えてしっかりと準備ができたと思う」。
「今年は新型コロナウイルスの影響で厳しい海開きになると思う。安心安全な海水浴場とするため、万全の感染症予防対策を行います。楽しい一日を過ごしていただきたい」と話した。
町内の海水浴場はブルービーチ那智と玉の浦海水浴場の2カ所で、期間は8月23日(日)まで。ブルービーチ那智は、スタッフを常時配置して手指消毒の徹底や3密の防止を呼び掛けるとともに、更衣室は開所するができるだけ自宅か車での着替えを促すという。
なお、これまで遊泳可能だった宇久井海水浴場、湯川海水浴場の2カ所は本年度から閉鎖となった。
町が参加を依頼した団体は次の通り。順不同。
▽那智勝浦町観光協会▽那智勝浦観光機構▽南紀勝浦温泉旅館組合▽南紀くろしお商工会▽那智勝浦町民宿組合▽那智勝浦町建設業組合▽勝浦ライオンズクラブ▽那智勝浦ロータリークラブ▽和歌山東漁業協同組合那智支所▽熊野御坊南海バス株式会社勝浦営業所▽浜ノ宮区▽なちかつ古道を守る会▽かつうら渚の会▽和歌山県東牟婁振興局▽那智勝浦町役場各課
(2020年7月17日付紙面より)
雨天初の「扇立祭」斎行 (熊野速玉大社 )
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で14日、「扇立祭(おうぎたてまつり)」が営まれた。神職が速玉宮前で高さ1・5㍍、幅1・65㍍の檜扇(ひおうぎ)を開帳。奉賛会役員や関係者らが新型コロナウイルス終息や無病息災、家内安全などを願い神前に玉串をささげた。雨天での斎行となった今回は、各殿用全ての檜扇が拝殿にまつられた。
熊野地方の夏の風物詩として1000年以上の伝統を持つ祭り。神前に立てられた檜扇に神が降臨し、氏子が病気にかからないよう、また五穀につく虫を追い払って豊作を願い始まった。
室町時代の作品と伝わる檜扇は大社を代表する宝物。現在、日本に18握ある国宝のうち11握が大社に伝わっている。ヒノキの薄い板の木目の美しさを生かしながら花鳥風月が描かれており、「熊野檜扇」と称される。
祭りで使用されている檜扇7握は、1964(昭和39)年に模写されたもの。本殿用は大社先々代の故・上野殖宮司、残り6握の各殿用(高さ0・8㍍、幅1・3㍍)は故・杉本義夫さんが模写し、故・鮒田和往さんが奉製したものとなっている。
今年の扇立祭は、新型コロナ感染症拡大防止の観点から神事のみを斎行。上野宮司が新型コロナや自然災害の終息などを願い祝詞を奏上し、巫女(みこ)らが「扇舞(浦安の舞)」を奉納した。
例年では雨天の場合は祭りを順延。晴天日に各殿にて6握の檜扇を開帳するが、7握全ての檜扇が拝殿でまつられるのは初めてという。
神事を終え、上野宮司は「7月14日は古来から伝わる大切な日。この日に合わせて檜扇を開帳できる喜びをかみしめている。檜扇に宿る神様の風によって疫病を払い除いていただければ」。
また、各地で甚大な被害を及ぼしている豪雨災害に関して「祭りの最中にも被災者は苦しんでいる。一日も早い復興を願うばかり」と、祝詞に込めた思いを話した。
(2020年7月16日付紙面より)
スポーツボイス教室始まる (那智勝浦町 )
那智勝浦町教育委員会生涯学習課は14日夜、同町天満の体育文化会館で本年度初のスポーツボイス教室を開催した。紀宝町在住でスポーツボイス公認インストラクターの森まりかさんが講師を務め、約30人が音楽に合わせて発声しながら楽しく汗を流した。
スポーツボイスは声帯や咽頭筋、呼吸をつかさどる横隔膜や内臓を支える腹横筋など、全身の筋肉を動かしながら声を出す運動。誤嚥(ごえん)防止や代謝向上などの効果もあり、介護予防にもつながるとされており、昨年度から定期教室として始まった。コースは「しっかり」と「ゆったり」の2種類があり、12月まで各13回ずつの開催を予定している。
この日は「しっかりコース」が行われた。参加者はストレッチで体をほぐすと、音楽に合わせてハミングしながらウオーミングアップを開始。普段あまり使うことがないとされる顔や顎周辺の筋肉をしっかりと動かし、森さんから「顔ではなく鼻を動かす」「声帯が壊れやすくなるので声は出し過ぎない」などの説明を受けながら約1時間かけて全身運動や喉の使い方、息の吐き方などを体験した。
町内在住の20代女性は「初めて参加させてもらいました。腹式呼吸で体の軸を捉えるのが難しかった。今後はしっかりと自分の体と向き合おうと思いました」。森さんは「たくさんの方々が参加してくれ、初心者や若い人も来ていただきうれしかったです。スポーツボイスは子どもから大人まで簡単に取り組める。この教室を通して各家庭でも継続して実践してもらえれば」と話していた。
(2020年7月16日付紙面より)
「木高百年史」を発行
県立木本高校とPTA、同窓会で組織する木本高校創立100周年記念事業実行委員会(久保治也委員長)はこのほど、創立から現在までの歴史をまとめた「木高百年史」を発行した。
創立100周年の記念事業として、実行委員会が3年前から準備を進めてきたもので、70周年、80周年記念誌を引用した。
木本高校は南牟婁郡立高等女学校、県立木本中学校が設立された1920(大正9)年から数え、今年100周年を迎えた。48(昭和23)年には木本中学校、南牟婁高等女学校を統合し、三重県木本高等学校が設立された。55(昭和30)年、県立木本高等学校の校名に変更し、71(昭和46)年から77(昭和52)年にかけて現在の新校舎が完成した。
百年史では、創立からの歩みや通学風景、学校生活を写真とともに紹介。戦時中の集会風景や慰問袋調製の貴重な写真も掲載した。卒業生が当時の思い出もつづった。
8月30日(日)まで熊野市文化交流センターで販売中(1冊1700円)。郵送の場合は百年史購入希望と記入し、郵便番号、住所、氏名、電話番号を添えて同校へFAX(0597・85・2002)で申し込む。後日、郵便振替の案内書を送付する。郵送の場合は1冊2000円。
久保委員長は「当時の先輩方の学校建設に対する大変なご苦労を百年史で再確認していただければ幸いです」と話している。
(2020年7月16日付紙面より)
街頭で「歩行者優先」呼び掛け (新宮警察署 )
新宮警察署(小畑博昭署長)は15日、新宮市橋本のイオン新宮店南側の横断歩道で、「横断歩道における歩行者優先」を呼び掛ける街頭啓発を実施した。歩行者や駐車場利用者らに啓発物資を配布するとともに、通行する車両に対し交通ルールの順守を訴えた。
住民に対し「歩行者優先」の交通ルールを浸透させ、歩行者に被害が及ぶ交通事故を防ぐことを目的に管内で初めて実施。「横断歩道における歩行者優先」は現在実施中の「わかやま夏の交通安全運動」(20日まで)の重点項目でもある。
新型コロナウイルス感染予防の観点から啓発物資は持ち帰り方式で配布。警察官5人が「横断歩道歩行者優先」などと書かれたプラカードを掲げ、広く呼び掛けを行った。
昨年、和歌山県内では33件の死亡事故のうち3件が横断歩道横断中に発生。人身事故1859件中、53件が横断歩道横断中に起こった。管内では昨年の死亡事故件数2件のうち1件、人身事故47件中2件が横断歩道横断中に発生している。
また、日本自動車連盟(JAF)が2019年に全国で行った「信号機のない横断歩道における車の一時停止率調査」によると、和歌山県は8・90%でワースト10位(ワースト1位は三重県)。18年調査では1・40%と、三重県と並んでワースト3位だった。
上畑充史交通課長は「管内では昨年、横断歩道を渡っていた高齢者が亡くなる事故が発生している。歩行者に安全に横断歩道を渡ってもらうことは子どもや高齢者を守ることにもつながる。啓発を通して歩行者優先が浸透していく社会を目指していけたら」。
また、今年は先月15日時点で県内で6件の死亡事故が発生しており、うち2件が横断歩道以外の横断中に起こっているとし、歩行者に対して「無謀な横断をせず、きちんと横断歩道を渡ってもらえれば」と話していた。
(2020年7月16日付紙面より)
コロナで縮小の「那智の扇祭り」 (熊野那智大社 )
那智勝浦町の世界遺産、熊野那智大社(男成洋三宮司)で14日、例大祭「那智の扇祭り(火祭)」(国重要無形民俗文化財)が営まれた。今年は新型コロナウイルス拡大防止のため、「扇みこし」や「大たいまつ」「那智の田楽」などの行事を中止し、規模を縮小。雨が降る中、神職や役員、祭り関係者のみで静かに神事が斎行された。
扇祭りは、大社にまつられている12柱の神々を12体の扇みこしにうつし、那智の滝前に里帰りさせて神霊、神力を奮い起こし、万物の生成発展を祈る神事。
今年はコロナ予防のため、参列や見物の呼び掛けも行っていないという。そのため、中止となった扇みこしの代わりに、サカキに紙垂(しで)を取り付けた御幣(ごへい)12本に御霊を移し、木製の辛櫃(からひつ)に納め、扇指が2人で担いだ。
同じく大たいまつも出せないことから、神役が小たいまつ2本を持ち、子の使いが火の付いた小たいまつを持った。本社大前の儀、渡御祭の後は子の使い、馬扇、辛櫃、小たいまつの順に列を作り、例年通りの順路で滝を目指した。飛瀧(ひろう)神社に到着後は雨のため、神事は滝前の建物屋内で執り行われた。
男成宮司は五穀豊穣(ほうじょう)や国の繁栄などを願うとともに、コロナの終息に祈りを込めて祝詞を奏上した。
(2020年7月15日付紙面より)
国土交通省近畿地方整備局は13日、新宮市役所別館で「熊野川懇談会」を開いた。学識経験者や地元関係者らが出席し、新宮川水系熊野川の今後の河川整備などについて意見交換が行われた。規約の改定や委員長選出もあり、委員長に京都大学防災研究所の藤田正治教授が、委員長代理に熊野自然保護連絡協議会副会長の瀧野秀二さんが選ばれた。
同懇談会は、新宮川水系直轄管理区間(猿谷ダム周辺、熊野川河口周辺)の河川整備計画を策定するに当たり、学識経験者から意見を聞くために平成16年10月に設置。熊野川らしさや、あるべき姿を踏まえつつ、「熊野川河川整備計画」の原案について意見を述べるとともに、関係住民の意見の聴取や反映方法について提言し、河川整備計画の策定に寄与する目的がある。
「河川整備計画」は、今後20~30年間の具体的な河川整備の内容を示したもの。長期的な河川整備の基本となるべき方針を示したものが「河川整備基本方針」となる。河川整備計画については、平成9年に地域の意向を反映する手続きが法改正により導入された。
第10回を数える今回の懇談会は、平成21年以来約10年ぶりの開催。平成23年の紀伊半島大水害により甚大な浸水被害が発生したことから河川整備基本方針を見直す必要が生じたため、見直しに先立ち懇談会を再開するに至った。新型コロナウイルス感染予防の観点から、一部の委員はウェブでの参加となった。
懇談会開催に当たり、藤田委員長は「熊野川は日本一と言っても過言ではない川。しかし紀伊半島大水害や明治の十津川大水害などに代表されるように災害に関しても大規模である。懇談会を通して、熊野川の安全と環境、利活用などバランスの取れた熊野川のあり方について議論ができれば」とあいさつした。
事務局は、懇談会の役割と経緯、熊野川の概要、水害以降の整備状況や対策などについて紹介。また、気候変動を踏まえた水災害対策の方向性と具体策について取りまとめた、社会資本整備審議会の答申概要についても説明した。
今後は、8月ごろに現地視察会を実施する予定。第11回の懇談会へつなげていく。
(2020年7月15日付紙面より)
ノルディックウオーキング教室 (那智勝浦町 )
那智勝浦町で12日、ノルディックフィットネスウオーキング教室が始まった。本年度の参加者は18人。初日は講師の湊谷洋子さん、竹原生さんが専用のポール(棒)の持ち方や歩き方の基礎を指導し、参加者たちと汗を流した。
町教育委員会主催で、今年4年目となる人気の教室。フィンランド生まれのウオーキングで、ポールを使うことによりひざに負担をかけず、美しい姿勢で歩くことができる。通常のウオーキングに比べてカロリー燃焼効率が高く、二の腕、おなか周りの筋肉を効果的に使うという。
第1回は太地町の旧グリーンピア南紀で予定していたが、天候不良のため那智勝浦町教育センター内(旧三川小学校)体育センターで実施。参加者は靴ひもの結び方や安全確保について学び、早速ポールを振って歩く練習に取り掛かった。
同町の久保田妙子さんは「友人に誘われて参加した。ポールを使うことで、自分の体がもっと上手に使えるようになるのではと感じた」と語った。
今後は月1回集まり、町内の風景を楽しみながら歩く。期間中は町がポールを貸し出し、いつでも練習することができる。講師の竹原さんは「外で歩くともっと楽しい。次回は晴れるといいですね」と話していた。
(2020年7月15日付紙面より)
抗体検査の結論など公表 (串本町 )
くしもと町立病院(竹村司病院事業管理者、阪本繁院長)が13日、職員156人(=休職中の5人を除いた全職員)を対象にして新型コロナウイルスの抗体検査を実施し、ともに陰性だったことを公表した。
この検査は先月15日から30日までの間、職員の感染歴把握と実施している感染予防対策の適切さを推し量る目的で正職員103人と会計年度任用職員など53人を対象にして段階的に実施。7月初旬に全ての結果がそろい、「全員陰性」との結論を得た。
同病院は同ウイルスの感染拡大の影響で外来患者数が昨年同月比で2割ほど減っている実感を持っていて、その背景に通院による感染の不安を抱えていることをつかんでいる。他方で医療の前線に立つ職員が全員陰性という結果は不安から受診や救急を控えている患者が安心するきっかけになると考え、結論を公表することにしたという。
同町の現在の人口は約1万5600人で、職員が町内外に在住する実情はあるが今回の検査数は人口のおおむね1%に相当。少人数だが実施率で見れば都市圏に勝る実績で、検査対象が20~60代という限定的な年齢幅であることやさまざまな職歴、同ウイルスの抗体保有期間などを勘案して「抗体保有者0」という数字は十分とは言えないが「町内では感染者はほぼゼロ」と推察できる資料であると同病院はこの結論を考察している。
□ □
同病院は感染症患者とその他患者の接触を避けるため、今年1月に独自手法で発熱外来を設置。以降も来院者のマスク着用徹底や面会制限、同ウイルス感染症患者受け入れのための病室隔離用パーティションの事前準備などの感染予防対策を重ねている。
竹村管理者は、職員が一丸になって「感染すれば他人にうつしてしまう」ことを重々心得て感染予防対策に努めていることが結論に現れた、と判断。この結論が受診や救急を控えた末の重症化を防ぐ安心材料となることを願いつつ、①最大限の感染対策を行いつつ②地域の実情「患者の多くが高齢者であること」を踏まえ③必要以上に恐れず(正しく恐れて)④感染症を理由に診療を拒むことなく診療に当たる―と今後の方針を掲げ、併せて保険適用の抗原検査を導入しスクリーニングを実施したい考えも明かした。
公表に立ち会った田嶋勝正町長は「病院スタッフは感染のリスクが高いが陽性が1人もでなかったという状況は、まちにとって安心につながる結果だと思う。これを機に町民の皆さまに感染予防の徹底を改めてお願いし、まちとしてもコロナ対策に一層の力を入れていきたい」とコメントした。
(2020年7月15日付紙面より)
「那智の扇祭り」前日に (熊野那智大社 )
熊野那智大社(男成洋三宮司)は13日、9日から延期となっていた世界遺産・那智の滝上の大しめ縄の設置を行った。14日に斎行される国指定重要無形民俗文化財「那智の扇祭り(火祭)」を前にした恒例行事。連日の大雨で水量が多くなっていたため、安全を考慮して例年より上流にしめ縄を張った。後日、落ち口で張り替えを行うという。
午前9時から本社拝殿で報告祭が営まれ、白装束に烏帽子(えぼし)姿の神職らが真新しいしめ縄を担いで入山した。しめ縄は長さ約26㍍、重さ4㌔。神職らは神域である滝の落ち口から約50㍍ほど上流で、命綱を着け、水につかりながら取り組んだ。高さ133㍍での作業となるため、水量が増した水に足を取られないように注意した。張り替え作業は例大祭前と年末の2回行われている。
延期のため、祭り前日のしめ縄設置となったこの日は、夕方から神職のみで宵宮祭が営まれた。
先日行った取材の際に男成宮司は「拝観者や奉仕者の皆さまの安全を考えると、縮小や一部中止はやむを得ないと思います。神様や皆さま方に元気になってもらうのが本来のお祭りの姿。来年はそんなお祭りができるようにご奉仕をしていきたい」と話していた。
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新型コロナウイルスの感染拡大予防の観点から、14日の例大祭は規模縮小と一部中止を決定。扇みこしや大たいまつ、那智の田楽などを取りやめるなど、祭典内容を変更して神職や役員、祭り関係者のみで斎行される。
同社によると、本殿での参拝は通常通り行えるが、別宮の飛瀧(ひろう)神社においては午前10時から正午まで参拝を中止するという。
(2020年7月14日付紙面より)
マナーアップ推進リーダーが啓発活動 (新翔高 )
新宮市佐野の県立新翔高校(東啓史校長)で13日、自転車マナーアップ推進リーダーによる啓発活動があった。バスケットボール部と吹奏楽部の部員約15人が校門前で啓発物資を配布し、自転車の安全な利用を呼び掛けた。
同推進リーダーは道路交通法の改正による自転車運転者講習制度の施行を受け、2015(平成27)年に県内で初めて実施された。今年は同校バスケットボールと吹奏楽の両部員ら39人が委嘱され、校内での自転車の交通マナー向上や自転車安全利用五則の周知、若者の交通安全活動への参画などを主導し、事故防止を図っていく。
両部は今後、数回に分けて活動を実施し啓発を行う予定にしている。初日のこの日は新宮警察署交通課の職員4人が来校した。部員たちは反射材と、「とびだしはしません」との文字が書かれたストラップを配布。「自転車のマナーを守ってください」「しっかり鍵を掛けましょう」と登校する生徒に呼び掛けた。
片山波也斗君(2年)は「初めて活動に参加し、少し緊張したけど自然に声を掛けることができました。鍵をつけ、マナーや交通事故などに気を付けて運転してほしい」。
同署交通課の小畑良平警部補は生徒たちの自発的な活動に感謝し「最初は恥ずかしそうにしていましたが、少しずつ積極的に呼び掛ける姿が見られました。啓発活動を通して校内をはじめ、各家庭などでも話をしてもらって広く周知していってもらえれば」と話していた。
(2020年7月14日付紙面より)
橋杭・田原の両海水浴場 (串本町 )
串本町くじ野川にある橋杭海水浴場で13日、南紀串本観光協会(島野利之会長)の呼び掛けによる遊泳期間の準備があった。今年は18日(土)に海開きをし、新型コロナウイルス感染予防策を講じつつ水浴の機会を提供するとしている。
この浴場は環境省選定「快水浴場百選」の一つに数えられ、橋杭岩や紀伊大島を眺望する開放的なロケーションときめ細やかな砂浜で地元内外から海水浴客を集めている。
運営する同協会は近隣の動向を見つつ、例年より時期がずれ込んだが十分な感染対策を講じて海開きをすることを決断。先だってあった株式会社人見建設の清掃奉仕によりすでに砂浜が整っていたため、この日は呼び掛けに応えた関係者約20人が遊泳区域を示すブイの洋上設置や有料駐車場看板の準備、ソーシャルディスタンスの目安とする幅杭の打ち込みなど準備に集中して取り組んだ。
同協会は橋杭と田原の2海水浴場を運営していて、いずれも遊泳期間は18日~8月31日(月)。橋杭の洋上遊具(滑り台付きの浮島)は感染予防の一環で今回は設置しないという。
島野会長は「串本の夏といえばやはり海。海水浴場はそれだけでなくまち全体を夏の雰囲気にするので、こうして海開きができるのはまちを盛り上げるという点でとてもうれしいことだ。感染予防対策をしっかりとして運営していくので、多くの皆さんに密にならないなど協力いただきながら海水浴を楽しんでいただきたい」と今期の海開きに向けた思いを語った。
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串本町の橋杭海水浴場と田原海水浴場の清掃を目的とした四輪駆動バギーが13日に納車された。
ビーチクリーナーをけん引して砂浜を良好に保つ目的で導入。車両は国産で排気量は420㏄、一式の導入に要した額は約200万円という。運用者は南紀串本観光協会で、遊泳期間中に使用する。
(2020年7月14日付紙面より)
町選管が当選証書付与 (太地町 )
太地町選挙管理委員会(山路直廣委員長)は13日、同町公民館で当選証書付与式を開いた。山路委員長が町長選挙当選の三軒一高さんと、町議会議員補欠選挙に当選した宮川茂さんに当選証書を手渡した。
任期満了(8月7日)に伴う町長選は7月7日に告示され、現職の三軒さんが無投票で5回目の当選を決めた。また、議員の死去に伴う町議補選(欠員1)には新人の宮川さんが立候補。同じく無投票で初当選を果たした。
山路委員長は三軒さんに対し「卓越した洞察力と英知を発揮し、町の発展を図ってくれると思っている」。宮川さんに「町民の声を町政に反映し、町の発展を図ってください」と激励。「お体にご留意の上、より一層のご活躍を」とあいさつした。
当選証書を受け取った三軒さんは「30年計画も中期に入った。一層力を入れて慎重にやっていきたい」と意欲を示し、「町のために力を尽くしたい」。宮川さんは「1年の任期の内にできるだけ町民と話をし、いろいろな意見を聞いて自分の基盤を築いていきたい」とそれぞれ意気込みを語った。
付与式後には、宮川さんに民生委員として長年社会福祉の増進に貢献したとして、三軒町長から加藤勝信・厚生労働大臣の感謝状が贈られた。宮川さんは平成22年12月から令和2年6月12日まで、9年半にわたり民生委員として活躍。このたびの町議補選立候補に当たり、解嘱を申し出ていた。
(2020年7月14日付紙面より)
第13回学童軟式野球大会
県高校野球夏季大会
東牟婁支部大会決勝 (県軟式野球連盟東牟婁支部学童部 )
金刀比羅神社で例大祭 (太地町 )
太地町の金刀比羅(ことひら)神社=通称こんぴらさん=(髙橋正樹宮司)で11日、夏の例大祭が営まれた。過疎地域神社活性化推進委員会が主催しており、今年は新型コロナウイルスの感染拡大予防のため、例年多くの大人や子どもでにぎわう餅まきや菓子まきは中止し、広く呼び掛けはしなかったという。神事ではまちの繁栄やコロナ終息を祈願した。
同神社は1798年(寛政10)年、太地角右衛門頼徳が讃岐国(香川県)の金刀比羅神社から勧請(かんじょう)した。昭和30年代は熊野地方で唯一の金刀比羅神社として広域から大勢の人々が参拝に訪れたという。境内には出店も並び、奉納相撲も行われるほどにぎわったとされるが、近年は祭典のみとなっていた。
同神社と同町の飛鳥神社は神社本庁から過疎地域神社活性化推進施策の指定を受けたことから、町内の各種団体などで委員会を立ち上げた。祭りを盛り上げるために景品付きの餅まきなどを企画し、町民参加の祭礼がおととし、復活した。
式典には三軒一高町長、太地町漁業協同組合の脊古輝人組合長、塩﨑伸一責任総代ら役員など約30人が参列。髙橋宮司が祝詞を奏上し、参列者は玉串をささげた。
神事を終え、髙橋宮司は「町の繁栄とコロナ終息を祈願させていただきました。早くコロナが終息し、来年は元通り以上のにぎやかなお祭りをやっていきたいと思います」と語った。
(2020年7月12日付紙面より)
新任教師ら対象に人権講座 (新宮市 )
新宮市役所別館で9日、市内小・中学校に勤務する初任者研修対象教員と市に新しく赴任した教員が対象の「令和2年度新宮市人権・同和教育基礎講座」があった。約20人が参加。市人権教育指導員の谷嗣弘さんが「新宮市内における人権教育の課題」、市教育委員会生涯学習課の野本渉さんが「新宮市の子ども会活動について」を題目にそれぞれ講話した。
谷さんは「差別を無くしていく人材を育てるのが人権教育。そのためには皆さんが差別が何かを知っていなければ子どもたちに教えられない」と呼び掛けた。人権(ヒューマンライツ)とは、人が人らしく生きていく権利であるとし「人権、人権問題は人の数だけある」。
子どもたちが意味も理解せずに家庭内でよく聞く差別用語などを発言している場合もあるとし「市内でもそういう言葉が使われているという現実がある。それこそが新宮市が抱える課題」と問題提起をした。
部落差別やその起源、近世の身分制度、また新宮の被差別部落の起源などについて説明。
社会的身分について触れ「和歌山県では今年3月に『部落差別解消推進条例』を施行した。しかしすでに憲法で『すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分または門地により、政治的、経済的または社会的関係において、差別されない』と定められている。日本には生まれながらにして本人の力だけでは取れない部落差別が存在する」などと話した。
参加者らは結婚差別に関する啓発DVDを視聴。谷さんは「決して昔の話ではなく、令和2年となった今でも起こりうるということを知っていただき、差別をなくすことのできる人材を育てていってほしい」と呼び掛けた。
野本さんは「新宮市子ども会」の活動内容や取り組みについて紹介。「同和問題を解決するための人材を育てる」目的達成のために▽人権意識を高める▽学力向上▽異年齢での集団行動・親子ふれあい―の三つを中心に取り組みを行っていると説明した。
(2020年7月12日付紙面より)
来場者に抽選券を配布 (紀宝町 )
紀宝町鵜殿の鵜殿港で11日、「紀の宝みなと市」が開かれた。5カ月ぶりの再開で、町内外からの来場者が鮮魚や新鮮な野菜などを買い求めていた。
毎月第2土曜日に開催する朝市として定着してきたが、新型コロナウイルス感染防止策として、3月から6月まで休止していた。イベントの規制緩和の流れを受けて今回の再開に至った。この日はテント市、軽トラ市、フリーマーケットの10店舗が並び、すし、弁当、干物なども人気を集めた。
また、来場者に電気圧力鍋などの景品が当たる抽選券を配布。8月8日(土)の「紀の宝みなと市お盆まつり」で当選番号を発表する。
(2020年7月12日付紙面より)
ふれあいいきいきサロン再開 (新宮市熊野川町 )
新宮市熊野川町でこのほど、新型コロナウイルス感染拡大により休止していた「ふれあいいきいきサロン」が再開された。10日には同町の日足相須集会所で日足相須と椋井地区の住民6人が集い、久しぶりの再会を喜んだ。
サロンは地域のコミュニティーづくりや介護予防、寝たきりの防止、一人暮らしの人への見守りなどを目的に、市社会福祉協議会と区が協力して実施している。再開に当たり、消毒液の設置、参加者全員の検温、窓の開放などの対策をした。
この日は市社協熊野川ステーションの大江真季さんによる「コロナに感染しないためのお話」があり、感染対策の基本や効果的な手洗いの方法、「会話するときは正面に立たない」など今後サロンを開いていく上での心得を解説した。
参加者は近況報告に花を咲かせ、「一人暮らしなので久しぶりにみんなと話せてうれしい」「最近あまり人と会っていなかったので楽しい」と笑顔。七夕の笹飾り作りも行われ、短冊に「家内安全」「みんな元気でいられますように」と願いを込めた。
(2020年7月12日付紙面より)
第1回新宮高校陸上競技総合体育大会
補陀洛山寺で土用護摩祈とう (那智勝浦町 )
那智勝浦町浜ノ宮の補陀洛山寺(髙木亮享住職)で10日、土用護摩祈とう、先祖供養法要があった。例年、多くの参拝者が集まるが、本年は新型コロナウイルス感染拡大予防の観点から規模を縮小した。髙木亮英副住職らが護摩をたき上げ、人々の幸せや無病息災、コロナ終息などを祈った。
世界遺産に登録されている本堂では、国重要文化財の本尊「三貌十一面千手千眼観世音菩薩」が開帳され、髙木副住職らが読経し、護摩壇で祈とうが行われた。
開帳法要はこの日も含め、1月27日の立春大護摩供星祭祈祷会(きとうえ)、5月17日の渡海上人供養の春まつりの年3回営まれている。
髙木副住職は「本日は土用の月に当たり、今日お参りするとご本尊の御利益を頂き、4万6000日参ったことになるありがたい日。規模を縮小して実施したが、遠方からもご参拝に来ていただいた。感謝しています。国内外ではウイルスなどがはびこっているが、終息と皆さまの幸せをお祈りさせていただきました」と語った。
(2020年7月11日付紙面より)
未使用布マスクの回収ボックス (新宮市社協 )
新宮市社会福祉協議会(田中信秀会長)は9日から同市野田の福祉センター内、1階事務所入り口前に不要マスクの回収ボックスを設置している。同協議会では「持って来られない方は、連絡をいただければ取りに伺いますので、ご協力よろしくお願いします」と呼び掛けている。
不織布や手作りマスクの普及に伴い、地域住民から「現在は必要ないため、回収してもらえる場所はないか」「余ったマスクを必要な人に届けることはできないか」などの問い合わせがあったことを受け、政府から配布されたものや手作りの布マスクを対象に実施。未開封・未使用品のみで、手作りマスクについては個包装のものに限る。回収したマスクは枚数に応じて必要とする組織や団体、社会福祉施設などに配布する。
同協議会の西典久部長は「最近ではどんなときでもマスクは必需品となってきており、中には必要としている方もいると思います。うまく地域で行き渡り、多くの人が有効活用できれば」と話していた。
受付期間は8月31日(月)までで、時間は平日午前8時30分~午後5時15分。郵送でも可。問い合わせ・受け付け先は社会福祉法人新宮市社会福祉協議会(〒647―0041 新宮市野田1の1、電話0735・21・2760)。
(2020年7月11日付紙面より)
誰もが利用できる休憩所 (那智勝浦町 )
那智勝浦町在住の女性から弊社宛てに手紙と写真が届いた。同町市野々の工事現場付近に建てられた休憩所と仮設トイレが誰でも使用可能なことに感動したという内容だった。
休憩所は木製のあずまやになっていて、雨や日光を防いでくれる造り。テーブルや椅子が置かれ、所々に造花が飾られており、くつろげる空間となっている。トイレは熱中症対策や快適な利用を含め、冷暖房が完備されている。
この休憩所は「那智川平野川他流域整備工事」を実施する同町の井筒建設株式会社が設置したもの。同社によると、工事関係者だけでなく、熊野古道を歩く人々や近隣住民らにも利用してほしいという思いがあるという。令和3年1月末までの工事期間中の設置となるが、喜ぶ声は多い。同社の工事担当者は「近くを通った際は、どなたでも気軽にご利用ください」と話している。
市野々区の長雄正紘区長は「JR那智駅から大門坂までトイレがなかった。今、町が神社近くにトイレを建設予定だが完成までもう少しかかる。古道を歩く人や地域住民が皆、施設とトイレを喜んでいる。区としてもありがたい」と話した。
女性からの手紙には「町内の業者さんが熊野古道を歩く人のために作ったと聞きました。素晴らしい思いやりの行動を見つけてうれしかったです」とつづっている。このほか、町内には大門坂付近にも新宮市の夏山組が誰でも利用できる休憩所を設置している。
那智勝浦町は観光が主力産業の町。新型コロナウイルス終息後に訪れる多くの観光客のためにも、細かく小さなところにも気を配り、手が届くことは重要な要素であろう。
「思いやりの気持ち」はそれらの仕組みを補完する大事な役割を果たすのではないだろうか。
(2020年7月11日付紙面より)
人見建設が社を挙げ貢献 (串本町 )
串本町串本にある株式会社人見建設(人見健一社長)が9、10日の2日間、社を挙げて橋杭海水浴場の清掃奉仕に取り組んで整然とした砂浜を取り戻した。
地域貢献の一心で役場産業課に申し出た奉仕活動。1週間ほど前から社員全員で仕事の段取りをつけ、奉仕のための2日間を確保して実施にこぎつけたという。
後に請け負う工事の関係で砂浜の現状を事前に把握していた同社は、9日にショベルカー4台と運搬用トラックを投入。9日は社員15人がかりで人の力では動かし難い流木から順に対処し、重機で砂浜から引き上げ撤去した。翌10日もできる限り細やかに漂着ごみを拾い集めて奉仕を完了した。
人見社長(62)は「今年は海開きをしないと思っていたがすると聞き、その時は『こんなんでできるんか。ごっつ汚いし』と思った。地元の会社として何か地域貢献をしたいという思いはかねてあったし、町はまたお金を出して掃除をするみたいに言っていたので、それやったらタダでもいいからうちにやらせてほしいと申し出た」といきさつをコメント。
「自分も昔から健康のためにここを歩いているが、この(清掃前の)砂浜へはだしで入ったらさすがに痛いと思う。泳ぎに来た皆さんに『きれいな海だった、また来たい』と思ってもらえるよう、これを機会に毎年やっていきたい。うちがきれいにしたことを皆さんが喜び、それを見てうちがまたやろうという気持ちになるようなイメージで」と新たに手にした地域貢献の実感を声にしながら、社員と横一線で砂浜の美化に励んでいた。
(2020年7月11日付紙面より)
新宮バレーボールスポーツ少年団監督・仲宗根康視さん
【第16回】キャラ弁は作るべきか?
いつの頃からか、「キャラ弁」という言葉が定着しました。ご飯やおかずを使って、キャラクターをかたどったお弁当です。私の娘が保育園に行き始めた頃、ブームはすでに盛り上がっていたので、「キャラ弁」が広まって10年近くがたとうとしています。今では、お母さんの負担や、クラスの中でのお弁当格差を考慮して「キャラ弁禁止」という園や学校もあると聞きます。かく言う私も「キャラ弁」作りに奮闘した一人です。アニメのキャラクターを、ハムやチーズをカットして作ったものです。「日頃、仕事ばかりしてるんだから遠足の時くらい…」となぜか「キャラ弁」作りが罪滅ぼしのような感覚に陥っていました。今となっては、なぜあんな気持ちになっていたのかと思いますが、子どもは私の作る「キャラ弁」をとても喜んでくれていたのは確かです。
さて、この「キャラ弁」について研究した論文があります。研究対象は、幼稚園や保育園に通う幼児637名とその保護者です。子どもが普通のお弁当と、「キャラ弁」のどちらを好むかをアンケート調査したところ「キャラクター有りを選択したのは291人で有効回答数の64・0%、キャラクター無しを選択したのは127人で有効回答数の27・9%であった」(こども教育宝仙大学「子どもはキャラ弁が好きか?」、2020年)とあります。6割以上の子どもが「キャラ弁」を好んでいます。これは、保護者の就業形態や料理をする回数とは、特に関連がなかったとも書かれています。もう一つ注目したい結果があります。「キャラ弁」は食育になると思うか?という質問です。その結果はこうなっています。「作成群は食育になると考える傾向が強く見られ、非作成群は食育にならないと考える傾向にあった」。つまり、キャラ弁を作るお母さんは「食育になる!」と考え、キャラ弁を作らないお母さんは「食育にならない!」と考えているわけです。また、栄養的な話では、キャラ弁は脂質が高く、塩分が多いので良くないとも書かれています。
皆さんはどう感じましたか?私はこの論文を読んで、「キャラ弁」も一つの食育なんだなと感じました。なぜなら、幼児期の子どもにとって最も大切な食育は、「食事は楽しい!」と思ってもらうことだと考えているからです。子どもが喜ぶなら、栄養バランスなんて、朝食や夕食でバランスを取れば済むことです。ただ残念ながら「キャラ弁」の威力はそう長くは続きません。この論文にも、3歳児は好むが、5歳児になるとあまり好まないという結果が出ています。
「キャラ弁」は「食を楽しむ」という入り口としては有効だと私は思います。ただそれは、おうちで楽しく食事を取れていれば、それと何ら変わりはないのです。お母さんが作るお弁当は、「キャラ弁」でもそうでなくても、子どもは楽しみに食べてくれます。お母さんの、ゆとりを削って疲弊してまで作るほどの効力はありません。子どもたちにとって、お弁当の見栄えよりも、家に帰ったときのお母さんの笑顔の方がうれしいに違いないのです。罪滅ぼしで作っていた昔の自分にも、「やらなくていいよ」と言ってあげたいくらいです(笑)。
(2020年7月11日付紙面より)
宿泊費など一部割引 (わかやまリフレッシュプラン )
和歌山県は8日、県民が県内の宿泊施設などを利用する際に、宿泊費などを割引するキャンペーン「わかやまリフレッシュプラン」チケットの販売を開始した。実施期間は9月30日(水)まで。
県が展開する「蘇(よみがえ)りの地、わかやま」キャンペーンの一環。新型コロナウイルス感染症の影響により県内の観光が大きな打撃を受ける中、県民に県内観光地を訪れてもらい、観光需要の喚起につなげる狙いがある。
内容は、総旅行代金の2分の1以内(1人、1泊当たり最大1万円)を割引するもの。泊数制限なし。日帰り旅行も対象となる。電子チケットは1枚額面5000円を2500円で販売。1回当たり50枚購入できる。
利用可能プランは、県内の旅行代理店や宿泊施設のうち、「わかやまリフレッシュプラン」登録の参加事業者(県内165社)が販売する1人当たり5000円以上の募集型企画旅行や受注型企画旅行、手配旅行および宿泊プラン。参加事業者は特設ホームページ(https://wakayama-refresh.com)に掲載している。
電子チケットの購入には「Pass Me!」への会員登録(無料)が必要。購入した電子チケットを宿泊施設などのチェックインの際にスマートフォンやタブレットなどで掲示する。インターネット環境がない人は、プラン予約の際に参加事業者(宿泊施設)に申し出ることにより利用可能。
問い合わせは「わかやまリフレッシュプラン販売促進事務局」(電話0570・01・2288)まで。県では「ぜひ電子チケットを利用し、県内各地を巡り改めて和歌山県の魅力に触れていただき、新型コロナによる閉塞感から心身ともにリフレッシュしてください」と呼び掛けている。
また、大手旅行専門誌じゃらんは、和歌山県在住者向けに那智勝浦町の対象宿泊施設の宿泊料金が最大半額となる「ふっこう割クーポン」を配布している。
(2020年7月10日付紙面より)
藤原ひろのぶさんが講演 (新宮市 )
新宮市仲之町のCOLORsで6日、NPO法人「NGO GOODEARTH」代表の藤原ひろのぶさんの講演会があった。藤原さんは「藤原ひろのぶお話会~世界との繋がりに気づけばあなたの選択が大きく変わる」を題目に環境・貧困問題などについて講話。25人ほどが聴講した。
身体や健康に配慮した物の販売、食や肌に関する教室などを展開している「イロドリラボ」(新宮市三輪崎)主催。藤原さんは、2009年に「GOODEARTH」を設立以降、発展途上国と呼ばれる国々で貧困に苦しむ人々の問題解決に取り組んでいる。
年に数回は自ら現地に赴き暮らしの現状をインターネットサイトなどを通じて発信。持続可能な支援の仕組み作りをしている。現在は支援活動の傍ら、全国で「貧困問題」をテーマに講演会やセミナーを開催している。現在39歳で4児の父。
藤原さんは、現在世界で猛威を振るう新型コロナウイルス感染症に触れ、「日本では年間約1万人がインフルエンザで亡くなっている。大人がメディアにあおられてパニックを起こすと子どもなどの弱い立場の人が傷つく」と警鐘を鳴らした。
免疫力や体力を高めることが必要とし「休校措置によって子どもたちを家に閉じ込めた結果、強くなる機会を奪っている。冷静に判断しなければならない」。
世界的に見ると、貧困国ではマラリアや結核、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)などの感染症で毎日、子どもを含む7000人以上の人が命を落としている現状に触れ「コロナウイルスで金持ちの国の高齢者が亡くなり出すと世界がパニックになった。その影響でマラリアなどの感染症がまん延しているスラムではその日の食費をまかなうだけの仕事もなくなり、病気に飢餓も加わった」。その傍ら、コロナ禍の3カ月間で米国の富裕層の資産が62兆円増えたことを紹介した。
地球の裏側の貧困問題や環境問題などを克復するためには、▽思考停止▽二項対立▽お金―の三つの弱点が問題解決の障壁であるとし、誘導型メディアの在り方に言及。「メディア、国、国民のレベルは同等。自分の意思で考えることのできる情報を提供するのがメディアの在り方であり、国民はもっと賢くなる必要がある」と述べた。
二項対立に関しては「正義か悪か、敵か味方か。対局にあるものを排除しようとするのは人間の悪い癖。しかし、そのせいで想像しない暴力に加担してしまうこともある」。
「お金は誰かがプラスだと誰かがマイナスになる。人間がお金を追いかけ回すから地球よりお金が重くなっている。お金を得るために資源を浪費している」と話し、現在起こっている異常気象や絶滅の恐れのある野生動物などに言及。「大きな問題に目を向けなければ自分たちも守れない。目の前のことに振り回されずに日々の選択をすることが必要」などと呼び掛けた。
(2020年7月10日付紙面より)
人権擁護委員委嘱伝達 (串本町 )
串本町役場本庁で8日に人権擁護委員の委嘱状伝達式があり、西向在住の植松豊子さん(67)と田原在住の和田充旦さん(66)が委嘱状の伝達を受け着任の節目をつけた。
同委員は、人権擁護委員法に基づいて基本的人権の侵犯を監視し、侵犯があった場合は救済のため速やかに適切な処理をとり常に自由人権思想の普及高揚に努めることを使命とする特別職国家公務員。人選は市町村長の推薦により行い、法務大臣が任期3年で委嘱をしている。
法務省和歌山地方法務局新宮支局(山田勝久支局長)の管内では1日付で串本町の新任2人と古座川町の再任2人、那智勝浦町の再任1人が委嘱を受け、順次委嘱状の伝達(再任者は郵送伝達)を進めている。
この日は串本町役場本庁町長室で推薦者の田嶋勝正町長と新宮人権擁護委員協議会の垣本正道会長が立ち会う中、山田支局長から同町の新任2人に委嘱状を伝達。田嶋町長は家庭内暴力や体罰、いじめに加え最近の傾向の一端でインターネットによる誹謗中傷を注視しつつ「誰が加害者か分からない事案も多発している中、被害を受けたときに誰に相談すれば良いかで悩んでいる人もたくさんいると思う。その解決に向けて力を貸してあげていただけるとありがたい」と期待した。
同支局管内の現在の委員数は29人で、うち7人が同町からの推薦。管内で新宮人権擁護委員協議会を結成し、人権侵犯への対応に加えて6月と12月に人権啓発を展開し常設相談、特設相談の窓口を設けるなど人権擁護思想の裾野を地域に広げつつ使命の全うに努めている。
(2020年7月10日付紙面より)
福祉セで寺子屋分校再開 (紀宝町 )
紀宝町福祉センターで8日、寺子屋分校が再開された。今回は「楽しい手芸教室」で、参加者7人がミニカバン、トンボ、帽子のかわいらしいストラップやブローチを縫った。
同町鵜殿の植野洋子さん、大和田富美子さんを講師に、古布を使った小物作りをする教室。同センターの改修工事に伴って休止していたが、4月には町民の要望を受けて布マスク教室を実施。本格的な活動再開は今回からで、参加者全員の検温をした他、一人一つの机を使うなど距離を保つ対策をした上で開催した。
今回の小物は植野さんが本や見本を参考にしたもの。参加者は好みの布のキット2種類を選び、互いにアドバイスしながら手縫いし、小花やビーズで飾って完成させた。
植野さんは「古い着物の生地を集め、小さな布でも捨てずに小物作りに活用している。準備は大変だが、今日はたくさん冗談も言って、みんな楽しめたのでは」と顔をほころばせた。
来月は髪や浴衣の帯に使える和風の花飾りを作る予定にしている。
(2020年7月10日付紙面より)
理想の町実現に向け意欲 (太地町長選 )
任期満了に伴う太地町長選挙が7日告示され、現職の三軒一高さん(72)=無所属=以外に立候補の届け出がなく、三軒さんが無投票で5回目の当選を果たした。無投票での当選は3回目。
立候補の届け出が締め切られた同日午後5時には、近隣市町の議員や多くの支持者らが同町役場に集まり祝福した。支持者や、職員らで組織される鯨友会と職員親睦会から花束を贈られた三軒さんは笑顔でそれらに応えていた。
当選を受け、三軒さんは「30年の計画の中期。残り14年間で町を整備し、豊かにしていく必要がある。そのためには財政バランスを崩さず、町のリーダーと議会が明確なビジョンをつくらなくてはならない」とし、5期目の任期中に完成する冷凍冷蔵施設や、観光振興に寄与する防災複合施設であるJR太地駅の新駅舎、鯨類研究所の建設にも力を注いでいくと意気込みを述べた。
さらには「鯨の学術研究都市」や「町の公園化」「クジラの恵みをもって福祉政策に取り組む」など数多くの計画の早期実現に向けて、意欲を示した。
三軒さんは「30年の計画が全て完成すれば、世界中からクジラの研究者や興味のある人たちが集まるはず。季節感のある環境整備の整った、一度は来てみたい理想の町になると思う」と語った。
三軒さんは1977年から連続7期町議を務め、2004年に町長選に出馬し、初当選した。
□ □
同じく7日、議員の死去に伴う同町議会議員補欠選挙(欠員1)も告示され、新人の宮川茂さん(69)=無所属=が無投票で初当選した。任期は来年8月17日まで。
宮川さんは「任期1年の間に町内でいろんな方の意見を聞いて自身の地盤を築き、来年に生かしていきたい」。
今後については「行政について学ばせていただきながら、同僚議員と歩調を合わせて町長の30年計画を実現できるように尽くしたい」と語った。
(2020年7月9日付紙面より)
プレミアム宿泊・お食事券 (那智勝浦町 )
那智勝浦町が新型コロナウイルス関連緊急経済対策事業の一環で行う「町民限定プレミアム宿泊・お食事券」の販売が1日から開始されたが、7日午前に完売した。わずか1週間足らずで3000セットが全て売れたため、販売を行った一般社団法人那智勝浦観光機構(NACKT)や町観光案内所は驚きを隠せないという。
本事業は営業自粛などで大きな影響を受けている町内宿泊施設の利用促進と、町民に安心安全な町内で旅行を楽しんでもらい、那智勝浦の魅力を再認識、再発見することを目的としたマイクロツーリズムの促進のために実施。チケットは、町民限定で販売され、町内の宿泊施設で使用できる8000円分のチケットが3000円で購入できるというもの。
同機構によると、販売初日は整理券を発行するほど多くの町民が集まり、1日で約1200セットが売れるほどの盛況ぶり。完売となった7日は、午後からもチケットを買い求めるため、観光案内所や同機構に立ち寄る町民や、問い合わせの電話が何度もあったという。
同機構マーケティング担当の堀千寿子さんは「12月まで販売する予定だったので今日完売したのは予想外。チケットを利用したお客さまから『宿泊施設やプランもすごく良かったので友人にチケットを購入しようと思ったが完売は残念』というご意見を頂いた。そういったお声に救われています」。
「宿泊事業者さまに感謝するとともに、チケットをご購入された皆さまに喜んでいただくためにもぜひ、使用期限の12月31日までにご利用いただきたい」と語った。
同機構によると、利用した町民に「観光住民満足度調査」を実施しており、「観光客が増えてほしいか」「観光で町は潤うことができるか」などの内容でアンケートを行い、今後の観光施策に生かしていくという。
同町観光企画課の佐古成生(しげお)課長は「町民の皆さまにはこれを機にリフレッシュしていただき、宿泊施設を通して町の魅力を感じていただきたい。また、事業者の皆さまには今後もさまざまな工夫をしていただき、観光客のおもてなしをしていただけたら」と話した。
(2020年7月9日付紙面より)
樫野埼灯台8日に節目 (串本町 )
串本町樫野にある樫野埼灯台が8日、点灯を始めてから150周年を迎えた。新型コロナウイルスの影響などもあって同日の記念行事の実施予定は無く、静かに歴史の大きな節目を越えることとなった。
この灯台はグレゴリオ暦(=西暦)1870年7月8日、完成に先立って点灯を開始。当時の日本はまだ旧暦(=天保暦)を用いていたため、同灯台にはめ込まれたレリーフには「明治三年庚午六月十日初點」と刻まれている。その約1カ月後に灯台として完成し、日本の灯台の父とたたえられるイギリス人技師、リチャード・ヘンリー・ブラントンが手掛けた国内初の石造洋式灯台として今日まで歴史を歩み続けている。
後の中継ぎによるかさ上げで灯火高は海抜約47㍍となり、内装の光学系機械装置も時代相応に更新整備されて現在は自動点灯で約34㌔先まで光を届ける形に発展〈海上保安庁・燈光会設置の現地案内板による〉している。無人灯台となっているが、建設当時の外構(最上部の灯ろうとレリーフがはめ込まれていて石造が今も見て取れる最下部)と有人灯台だった頃の石造官舎〈国登録有形文化財〉が敷地内に現存し、外構内は普段は立ち入ることができないが同町設置のらせん階段により上ることが可。石造官舎は町営で有料公開されている。
点灯を始めてから約20年後の1890(明治23)年9月16日、樫野沖の岩礁で遭難したトルコ軍艦エルトゥールル号の将士が救難を求める先になったという歴史も有する。そのため同町は、県指定史跡「エルトゥールル号事件関連遺跡群」の物件に同灯台を加えて、今まさに国指定への昇格を目指しているさなかにある。
樫野埼駐車場から先の県道(通称・エルトゥールル通り)は許可を受けた車両を除いて進入不可。同灯台は同駐車場から約600㍍先にあり、徒歩で赴く形となる。
(2020年7月9日付紙面より)
山口賢二さん、無投票当選 (北山村長選 )
任期満了に伴う北山村長選挙が7日に告示され、現職の山口賢二さん(70)=無所属=のほかに立候補者の届け出がなく、山口さんが無投票で2回目の当選を果たした。
同日午前9時に出陣式を行った山口さんは、選挙カーで村内を巡回した。激励に駆け付けた西前啓市・古座川町長や西田健・紀宝町長らが見守る中、山口さんは立候補届け出締め切りの午後5時にほかの候補がないことを確認。万歳三唱で支持者らと喜びを分かち合った。
山口さんは「私にとって対抗馬があるとすれば自分自身だった」と今回の選挙を振り返り、「至らないところや、やり残したこともある。自分への批判も含め、次の4年間頑張っていきたい」と決意を新たにした。
今後の展望については「10カ年で長期総合計画を策定し、その中で全てを網羅する。第一に観光に力を入れたい。高齢者対策、子育て支援は従来通りに、村のぶれない継続の力をさらに推し進めていきたい」。
村を守り、存続していくために、10年、20年後にも継続できる形作りを推進すると意気込み「村民、議会、職員そしてその一員として頑張っていきたい」と協力を求めた。
(2020年7月9日付紙面より)
北山村長選も無投票で山口さん再選 (太地町議補選は宮川さんが初当選 )
任期満了に伴う太地町長選挙と、議員の死去に伴う同町議会議員補欠選挙(欠員1)が7日告示された。町長選は現職の三軒一高さん(72)=無所属=以外に立候補の届け出がなく、三軒さんが無投票で5回目の当選を果たした。町議補選は新人の宮川茂さん(69)=無所属=が無投票で初当選した。
また、任期満了に伴う北山村長選挙も同日告示され、現職の山口賢二さん(70)=無所属=以外に立候補の届け出がなく、山口さんが無投票で2回目の当選を果たした。
新宮市は6日、新宮市役所別館で令和2年度第1回「ごみ減量等推進審議会」を開いた。同審議会の開催は平成24年の一般廃棄物処理基本計画策定以降7年ぶりとなる。田岡実千年市長の諮問機関として今後、一般廃棄物処理基本計画の改定に伴う一般廃棄物の減量および再利用の促進などについて審議を行っていく。
市では、廃棄物の減量化などの課題を解決するため、平成14年度のクリーンセンター建設に併せ、ごみ袋の一部有料化やエコ広場方式による資源物の分別収集を実施。以降、可燃ごみの25%減量、資源物の61%増量を達成したが、その後は緩やかなごみ減量にとどまっている。
このたびの諮問は、クリーンセンター建設から17年が経過し、少子高齢化や人口減少などの影響でエコ広場の運営にも支障を来している現状を鑑み、市の抱える課題を検証し将来の展望を模索するために今後の施策を審議するのが目的。8回の審議会を経て意見を取りまとめ、来年3月に田岡市長に答申を行う予定。
第1回の開催に当たり、田岡市長から委員らに委嘱状が伝達された。また、会長に榎本義清さんが、副会長に中納哲史さんが選任された。
当局からは、今後のスケジュール案や市のごみ処理の現状などについて説明があった。和歌山県内30市町村と比較し「ごみ総排出量が8位なのに対し、直接搬入量は2位」「リサイクル率が27位」などを市の特徴として挙げた(平成29年度実績)。
また、▽エコ広場収集方式について、継続する方向で広域連携組織で協議を行う▽現状より分別の精度が上がるような施策を協議する▽クリーンセンターの建て替えについて、PFI方式(公共施設などの建設、維持管理、運営などを民間の資金、経営能力および技術的能力を活用して行う新しい手法)の導入も視野に入れた協議を行う―など、前回計画改定時の次期改定に向けた懸念事項の紹介もあった。
(2020年7月8日付紙面より)
ターラマントラダンスを奉納 (熊野速玉大社 )
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で5日、ターラマントラダンスの奉納があった。北は北海道から南は沖縄まで、小嶋さちほさん(沖縄県在住)と地引知子さん(那智勝浦町在住)の呼び掛けによって集まった約20人が、歌や楽器、舞で新型コロナウイルス感染症や自然災害、争いなどの終息を願った。
ターラ(多羅菩薩)は仏教で信仰される女性の尊格。チベット仏教では観音菩薩の流した涙より生まれたとされており、衆生を救うため、愛や喜び、慈悲、癒やし、怒りなど21の変化身が伝えられている。
奉納では、歌と舞でターラの21の姿を表現。生きとし生ける者への祈りをささげた。本来は5月の奉納を予定していたが、新型コロナの影響を鑑み延期となっていた。有志らはこれまで熊野那智大社、熊野本宮大社で舞を奉納しており、同大社での奉納をもって結びとした。
奉納を終え、上野宮司は、同大社の主祭神である熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ)の本地仏が千手観音、熊野速玉大神が薬師如来であると説明した。ターラの21の姿に言及し、熊野牛王宝印(ごおうほういん)では同大社は48羽の烏(からす)文字で描かれていることなどを紹介。小嶋さんに対し「信仰の面でも沖縄のことを大切に思っている」と伝え、「これからも活動を続けてください」と激励した。
熊野地方を自身の魂のふるさとと話す小嶋さんは「さまざまな不安は怖れから来る。他人の軸で考えるのではなく、女性は特に自分の軸をしっかり持って真実を見極める強さが必要。こんな時だからこそ本質的なつながりを活発にしていたいといった祈りを込めました」。
地引さんは「優しさ、慈愛、力強さなど、自分の中の女神性が母なる地球とつながってエネルギーが生まれる。地球に感謝しながら共生していくことが大切」。助け合う時に強い力が生まれると述べ、学びのためにも活動を続けていけたらと話していた。
(2020年7月8日付紙面より)
地震・津波想定して訓練 (相野谷中 )
紀宝町立相野谷中学校(佐藤光一校長)は2日、地震・津波を想定した本年度最初の避難訓練を実施。全校生徒20人が学校から約400㍍離れた高台に各自で逃げた。
地震、地震・津波、火災の三つを想定して年3回の訓練を計画。山間部に位置する同校は津波被害の危険性は低いが、今回の訓練を通して学校生活外で地震が発生した際、高台に避難する意識を持ってもらうことが狙い。
「緊急地震速報」が校内放送で流れると、生徒たちは強い揺れに警戒して机の下で身を守った後、ヘルメットをかぶってグラウンドに避難した。集合後、津波警報が発令され、すぐさま二次避難行動を開始。倒壊物を想定してヘルメットをかぶったまま高台まで走った。
約5分で高台避難が完了し、佐藤校長は「訓練でも真剣に取り組むことが大切。地震津波が発生したら自分の命は自分で守る。相野谷地区での津波発生はないかもしれないが、地区外で地震に遭ったらすぐに高台に逃げる。周りの人、地域の人など一人でも多くの命を守れるよう行動してほしい」と呼び掛けた。
(2020年7月8日付紙面より)
勝浦認定こども園で七夕集会
7月7日は七夕。天の川で離れ離れになった織り姫とひこ星が1年に1度だけ再会できる日だ。那智勝浦町立勝浦認定こども園(井沼弘子園長、園児60人)では七夕集会が開かれ、園児たちが願い事を書いた短冊で笹を飾り、ゲームで楽しいひとときを過ごした。
園児たちは「たなばたさま」を歌い、クラスごとに「お医者さんになれますように」「大きくなったらお母さんみたいにおいしい料理を作れるようになりたい」などの願い事を発表。ゲームでは一人一人が星形の画用紙をビニールテープに貼り付け、天の川を完成させた。
教職員はブラックシアターで七夕行事の由来を話し、天の川に橋を渡すカササギの羽がぬれないよう、園児たちと「今夜は晴れますように」と願い事をした。
(2020年7月8日付紙面より)
東牟婁支部大会が開幕 (県軟式野球連盟東牟婁支部学童部 )
扇立祭は時間短縮し斎行 (熊野速玉大社 )
熊野地方の夏の風物詩として1000年以上の伝統を持つ「扇立祭(おうぎたてまつり)」が14日(火)に開かれるのを前に、新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で6日、祭り当日に各殿で開帳する檜扇(ひおうぎ)7握を虫干しのため蔵から出した。なお、今年の扇立祭は新型コロナウイルス感染症拡大予防の観点からミス浴衣コンテストなどの奉賛諸行事や露店商組合の出店は中止。午後3時に本殿・各殿に檜扇を開帳し、午後5時に閉門となる。
扇立祭は、神前に立てられた檜扇に神が降臨し、氏子が病気にかからないよう、また五穀につく虫を追い払って豊作を願い始まった。
室町時代の作品と伝わる檜扇は大社を代表する宝物で、現在、日本に18握ある国宝のうち11握が大社に伝わっている。ヒノキの薄い板の木目の美しさを生かしながら彩色、金箔(きんぱく)、銀箔(ぎんぱく)が施されていて「熊野檜扇」と呼ばれている。
祭りで使用されている檜扇7握は、1964(昭和39)年に模写されたもので、本殿用(高さ1・5㍍、幅1・65㍍)は大社先々代の故・上野殖宮司、残り6握の各殿用(高さ0・8㍍、幅1・3㍍)は故・杉本義夫さんが模写し、故・鮒田和往さんが奉製したものとなっている。
(2020年7月7日付紙面より)
町と自主防が開設・運営訓練 (紀宝町 )
大里地区の四つの自主防災会と紀宝町は5日、同町の大里多目的集会施設で新型コロナウイルスに対応した避難所開設・運営訓練を実施した。各自主防災会、町、町消防団第3分団大里班などから参加した約50人が施設内で避難者同士が密にならないようパーティションを設置し、避難者の受け入れ方法を考えた。
今後、出水期に避難する機会が増えることが予想され、避難所での3密を避けるなど新型コロナ対策を講じた「新しい生活様式」による避難所運営がスムーズに行えるよう地区、町が連携した。密集回避のため参加者を限定し、検温、マスク着用、手指消毒をした上で行った。
訓練を前に、町防災行政総合アドバイザーで東京大学の松尾一郎・客員教授が「新型コロナによって人との接し方が変わった。ワクチンができない限り終息は難しいため、感染対策を講じた避難所運営を行政と一緒に取り組んでほしい」と呼び掛けた。
訓練は設営から開始し、パイプとビニールシートのパーティション、テント、簡易ベッドを組み立てた。間仕切りした避難所の完成後、受け入れ訓練に移り、受付に消毒関係備品を配置。防護服、フェースシールドを着用して避難者の問診や検温をし、発熱者は津本防災センターに専用車両で搬送した。分散避難できるよう、車中避難者の駐車スペースも設けた。
訓練を見守った西田健町長は「新型コロナと水防をしっかりと見据えた上での訓練が問われている。今回はその先駆的な訓練で、今後も身の安全を守る体制をつくっていきたい」と話した。
終了後、参加者からは「先着順か高齢者を優先するのか」「受け付けが混雑した。問診を簡潔にすれば」などの意見があった。今回の訓練で得た改善点などは大里地区タイムラインに反映するという。
(2020年7月7日付紙面より)
町民有志が署名求める (那智勝浦町 )
那智勝浦町の「体験型観光」の代表として知られる紀の松島観光船は現在、新型コロナウイルスの影響などを受け、事業運営が厳しくなっているという。その現状を鑑みて、町民有志らで組織される「紀の松島観光船存続を求める会」(小阪三喜子代表)が存続を願って署名活動を展開している。
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熊野学研究委員会の委員である中瀬古友夫さんによると、紀の松島観光船は戦前から70年以上の歴史があるという。中瀬古さんは1940年当時に南紀を訪れた旅行者のアルバムや過去の松島めぐりに関する資料などから、さまざまな業者が代わりながらこの観光船業を経営してきたことを説明。
「勝浦温泉は海が玄関口。那智勝浦町にとって伝統を受け継ぐ島めぐりの船がなくなっては非常に残念。熊野という観光地は各地のさまざまな要素が協力し合って発展したもの。そのうちの一つをなくしてしまってはいけないと思う」と語った。
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紀の松島観光船について、「町の観光の目玉」と掲げる小阪代表は現存する観光資源を大切にすべきだと主張している。
「この町の観光にとって観光船は必要なもの。なくしてから後悔しては遅い」と危惧。運営会社である紀の松島観光株式会社には「引き続き、企業努力してほしい」と要望するとともに、観光船の存続を願う署名活動に6月中旬から取り組んでいる。署名は2週間経過時点ですでに約1000人に達しており、集まり次第、堀順一郎町長宛てに提出する。
小阪代表は「一度廃止にすると、再開には多くの時間やお金が必要になってしまう。実際にファンは多い。磨いていって勝浦の魅力発信につなげてほしい。町が入って存続してもらえたらありがたい」と語った。
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紀の松島観光株式会社の支配人である畑下誠紀さんによると、同観光船事業は2003年から同社が経営。事業に関しては国や県からの補助金なしに運営しているという。
近年の乗船人数は15年が3万3988人、16年が2万8327人、17年が2万6171人、18年が1万9839人、19年が1万4859人と減少傾向となっている。しかし、那智勝浦町史によると「1973年には年間51万4741人が利用」と記されているほど観光資源としての人気があったとされている。
観光船は主に他府県からの修学旅行や、国土交通省勝浦海事事務所が行う「海の日」記念行事では地元小学生の乗船体験などの利用もある。また、太地町のくじら浜公園に寄港することから、町立くじらの博物館へ足を運ぶ観光客も多いという。
畑下さんは「コロナの影響で今年2月から運航休止となっていたため、それ以降の売上はない」とし、これまでは国の雇用調整助成金などを活用し、しのいできたと説明。10月以降は国の支援継続の有無や町内宿泊施設の状況を注視しながら、事業継続を判断していくと話した。
「署名活動をしていただき感謝している。企業努力は今後も続けていく。急には難しいが、将来的には町に経営していただけたらと考えている」と語った。
太地町在住の50代男性は「博物館の利用促進にもつながっている。自分的には勝浦の観光を担う存在だと思う」と話していた。
(2020年7月7日付紙面より)
伝統文化親子教室がスタート (新宮市 )
「和の心『珠蒼(しゅそう)の会』」の苅屋企世子代表が指導する「いけばな きもの着装・マナーこども教室」が5日、新宮市の蜂伏会館で始まった。文化庁の令和2年度伝統文化親子教室事業の一環。11月まで10回の教室を予定しており、初回は市内外の小学生やその母親ら10人が参加した。
子どもたちがいけばなやきもの着装、マナーなど伝統文化に触れることで、大人になるために必要なマナーや命の大切さを学び、文化を継承することを目的に毎年実施している。苅屋講師は華道家であり、きもの学院と池坊いけばな教室を主宰。礼法も指導する。今年は手や机などの消毒、換気、マスク着用など、新型コロナウイルス感染症予防対策を講じた上での実施となった。
苅屋講師は「今は新型コロナの影響で大変な思いをしていると思いますが、みんなで頑張りましょう」とあいさつ。この日は、半幅帯の結び方に始まり、立礼や立ち方、座り方、お辞儀の仕方などの作法を学んだ。
休憩を挟んでのいけばなでは、苅屋講師が「花にも命があることを忘れずに、優しく丁寧に扱ってあげてください」などと心構えを説明。いけばなの根源・池坊の歴史も紹介した。参加者らは苅屋講師の指導の下、ルリタマアザミやスプレーカーネーション、ベニバナ、ケイトウ、ユーカリなどの植物を使い、型にとらわれない自由花に取り組んだ。
毎年、12月に集大成として発表会を開催しているが、今年は新型コロナ予防の観点から発表会を11月1日(日)に前倒し。今後の状況を鑑みた上で密を避ける形での開催を模索していくという。
(2020年7月7日付紙面より)
池田武夫さんがマイクロバス寄贈 (新宮市 )
新宮市五新在住の池田武夫さん(84)がこのたび、市にマイクロバスを寄贈した。3日には市庁舎前駐車場で寄贈セレモニーが催され、池田さんが田岡実千年市長に目録とレプリカキーを手渡した。
寄贈は、昨年10月に心筋梗塞のため逝去した愛娘・賀代子さん(享年58)の「高齢者のために無料バスの提供を」との遺志を形にしたいという池田さんの強い思いから実現した。
マイクロバスは日野自動車製の29人乗りロングボディーで名称は「いけだ号」。主に高田グリーンランドのデイサービスや観光客の送迎用として利用される。4日から供用を開始する。
セレモニーには田岡市長をはじめ、新熊野体験研修協会の長山広重代表理事や市議会の久保智敬議長、東原伸也副議長、松本光生議員らが出席。寄贈に当たり、池田さんが「娘は残念ながら思いを実現できずにこの世を去った。(マイクロバスを)多くの人が笑顔になるように活用していただければ娘も喜ぶと思う」とあいさつ。
池田さんに感謝状と記念品を手渡した田岡市長は「このたびの寄贈は市民の福祉の向上に大いに寄与するもの。高齢者、市民、観光客に喜んでもらえるよう、大切に活用することを誓います」と感謝を伝えた。
池田さんによると、持病のため通院や入退院を繰り返しており、病院などで高齢者と接する機会が多かった賀代子さんは「高齢者のために何かしたい」と常々語っていた。池田さんは「まだ若いのだから慌てることはない」などと説得したという。
「生きているうちに実現させてあげれば良かった。一緒にバスに乗れなかったのが残念」と悔しさを口にしながらも、「市に尽くしてほしいという娘の遺志に応えることができた。夢に娘が出てきて『父ちゃん、ありがとう』と言ってくれた。私が市に尽くすことによって、娘も気分を良くしていると思う」と話していた。
(2020年7月5日付紙面より)
ひまわりの絆プロジェクト
京都府警察発案の「ひまわりの絆プロジェクト」に参加した新宮警察署は2日、活動に協力する新宮市立三輪崎小学校(嶋田雅昭校長)の花壇に同プロジェクトの説明と交通事故根絶への願いを記した掲示板を提供した。同署の上畑充史交通課長らが訪れ、校舎北西のフェンスに設置した。
プロジェクトは2011年に府内の交通事故で亡くなった4歳の男児が、植えようとしてかなわなかった種が元になっている。当時の担当警察官が遺族から種を受け取ったことを機に、ヒマワリを育てて種を継ぐことで遺族の思いや命の大切さ、交通事故防止を伝えようと始まった。16年以降は警察署を中心に賛同者が増えて全国的な広がりを見せている。
同校園芸委員の児童15人がこのほど、新宮警察署から受け取った種を育苗ポットで発芽させた。学校関係者だけでなく、一般の人の目にも付くようにと、苗は道路沿いの花壇に植えられた。毎朝、委員の児童が中心となって水やりなどの世話をしている。
掲示板設置に立ち会った嶋田校長は「命の尊さ、交通安全学習の良い機会」と感謝し、上畑交通課長は「ヒマワリを見て、亡くなった子どもさんの生きていた証しと交通事故防止を思っていただければ。順調に育って種が取れたら児童たちにも引き継いで育ててもらいたい」と話していた。
(2020年7月5日付紙面より)
売り上げの一部は基金に寄付 (紀宝町福祉セ )
紀宝町鵜殿の町福祉センターで「リサイクル&手づくりバザー」コーナーがリニューアルオープンした。両コーナーと寄付コーナーの使用料は無料で「皆さんのご利用、出品をお待ちしています」と呼び掛けている。
ボランティア・市民活動センター「きぼらんせ」(神園敏昭運営委員長)が循環型社会への啓発活動と、ボランティア基金への協力を目的に設置。同センターの改修工事に伴い昨年8月から休止していたが、施設整備が完了したことから再開した。
これまで同様、福祉センター2階ロビーにコーナーを設け、出品者が自由にレイアウトできるよう工夫した。
リサイクルバザーと寄付コーナーは、未使用の食器や手芸用品、雑貨、着物(リサイクル用)などで洋服は対象外。手作りバザーは新品の作品を受け付けている。バザー売上金の一部は町ボランティア基金に寄付する。
出品などに関する問い合わせは、きぼらんせ事務局の町社会福祉協議会(電話0735・32・0957)まで。
なお、新型コロナウイルス感染防止対策として、来館時はマスク着用、手洗いの徹底などを求めている。
(2020年7月5日付紙面より)
各所で開花し夏を彩る (那智勝浦町 )
那智勝浦町湯川のゆかし潟でハマボウが見頃を迎えている。喫茶きよもん敷地内をはじめ、周辺各所で黄色の花が開花し、夏を彩っている。
ハマボウはアオイ科の落葉低木。内湾海岸に自生する塩生植物で、夏に黄色の花を開花させる。
同所は多くのハマボウが楽しめる名所の一つとして知られ、公益社団法人和歌山県観光連盟のホームページ「わかやま観光情報」にも掲載されている。
毎年きれいに開花するため、散歩する近隣住民、付近道路を走行する車のドライバーや同乗者の目を楽しませている。
記者が取材した6月末も、車から降りてスマートフォンでハマボウを撮影するドライバーの姿が見られた。
(2020年7月5日付紙面より)
奉賛会らが敷砂利整備 (神倉神社 )
神倉神社奉賛会(猪飼三雄会長)は2日、新宮市の神倉神社で敷砂利の整備を実施した。同会メンバーと同市熊野川町東敷屋の株式会社河崎砂利(河崎禮造代表取締役社長)の社員約15人が境内に砂利をまくなどして、奉仕活動に汗を流した。
同神社の敷砂利が少なくなってきていることを知った同社が、景観を損なわないよう役に立ててもらいたいと14㌧の砂利を寄贈した。
社員がトラックで運び、下ろした敷砂利を参加者らは協力しながらスコップでならし、境内の地面を平らにするなどして作業を進めた。河崎社長は「神倉神社は由緒あるところ。立ち寄る参拝者の人たちが美しいと思い、再び訪れたくなるような場所であってほしいです」。
猪飼会長は「河崎社長のご厚意と協力に大変ありがたく思います。新型コロナウイルスの影響もありますが、緊急事態宣言が解除されてから参拝客も少しずつ戻りつつある。多くの人に訪れてもらえるよう、今後も景観を保っていければ」と話していた。
(2020年7月4日付紙面より)
鵜殿3組自主防災会が建設中 (紀宝町 )
紀宝町鵜殿の鵜殿3組自主防災会(森倉賢一郎組長)は、同地区の津波一時避難場所近くの高台に防災備蓄倉庫の建設を進めている。住民が協力して建築作業に取り組み、秋ごろの完成を目指している。
同自主防災会には約330世帯が所属。地震津波、水害に備え、高台の3カ所に一時避難場所を整備しており、倉庫は矢渕中近くと町福祉センター近くの各一時避難場所の中間にあり、両避難場所から遊歩道を歩いて向かうことができる。
完成後は住民が避難生活に必要な物資をまとめた衣装ケースを保管する。建物は木造平屋建ての約26坪。収納スペースや土間、仮設トイレ、物置を整備し、維持費削減のため電気、ガス、水道は設置しないという。
「大災害時の死者ゼロ」を目指そうと、2年前に計画が持ち上がった。海抜約30㍍にある町有地を借り、材料費はみえ森と緑の県民税の助成を受けた。町の前向きな協力も得て建設に踏み切った。
住民自らが立ち上がり、自主防災会で整備することを決めた。昨年6月から作業を開始し、伐採や草刈りなどに取り組み、1年がかりで土地を整備した。地盤改良や基礎工事などは専門業者に依頼し、先月21日の棟上げ後は住民が集まり作業に汗を流している。
森倉組長は「みんなで手作りすることで防災に関心を持ってほしい。避難所で生活するための物資を保管することで、避難時に重いリュックを持って逃げる必要がなくなる。災害後の災害関連死の減少にも役立つと思う。この取り組みによって町内や近隣市町の自主防災がより活発化するきっかけになれば」と話していた。
(2020年7月4日付紙面より)
水産土木建設技術セと協定締結 (串本町 )
串本町は2日、一般社団法人水産土木建設技術センター(吉塚靖浩理事長)=東京都中央区=と漁港等の施設の災害復旧支援に関する協定を結んだ。
この協定は、同法人が内陸や道路に比べて施工頻度が低く技術の継承がしづらい点で水産関係施設の被災後の早期復旧が困難となっている現状を支援するため、自治体を対象にして締結の希望を受け付けている。平成30年8月の島根県松江市との締結を皮切りとし、同日までに全国15市町村(松江市は漁業集落排水施設と漁協等施設の2協定、他は漁協等施設の協定のみ)と締結。串本町は専門的な技術や業務の蓄積がある同法人の支援により迅速な復旧を図る目的で締結を希望したそうで、全国で17例目、県内では由良町、日高町に続き3例目になるという。
この日は串本町役場本庁で締結式があり、田嶋勝正町長は「大小21の漁港がこの町には存在する。最近の台風や高潮で本当に大きな被害がもたらされていて、今回の協定で専門的な技術を持つ水産土木建設技術センターと協定を結ばせていただけることを心強く思う」、吉塚理事長は「こういった活動を通して技術者が不足している自治体のご支援になればと思っているので、今後とも串本町さんとは災害時に手を携えながら円滑な復旧がなされるよう努力していきたい」と思いを交わしつつ、協定書への署名に臨んだ。
締結には同センターの松嵜哲夫調査役と吉田多真己調査役、役場産業課の南和夫課長ら担当職員も同席。南課長が平成30年度以降の同町における台風被害の状況を報告し、改めて思いを交わしあって歩み寄りを深めた。
この協定は各市町村が管理する漁港や漁場等の施設を対象とし、支援として▽災害の状況を確認するために行う現地調査業務▽災害報告に必要な資料の作成業務▽災害査定に必要な設計図書その他関係資料の作成▽災害査定への対応業務▽災害復旧支援に附帯する業務―を規定している。
(2020年7月4日付紙面より)
たばこ組合新宮支部 (那智勝浦町 )
和歌山県たばこ商業組合新宮支部(塩崎伸一支部長)は2日、那智勝浦町役場とJR紀伊勝浦駅周辺で清掃活動に取り組んだ。参加した会員18人は新型コロナウイルスの感染予防に努めながら、ごみ拾いに汗を流した。
清掃活動は同組合女性部(大谷敏子部長)を中心にたばこのポイ捨て禁止や、未成年者の喫煙防止などの呼び掛けを目的に実施。寒さの厳しい2月と猛暑の8月を除き、活動している。
同支部は毎年7月初めに、同駅とJR新宮駅の2カ所で未成年者の喫煙防止を促す啓発を行っているが、本年は新型コロナの影響で中止となった。啓発の代わりとして、先月18日に新宮市役所から新宮駅までの清掃を実施。加えてこの日の活動となった。
大谷部長は「喫煙する人が減ったため、最近は吸い殻などのごみが少なくなった。しかし、組合としては少しでも町をきれいにしたいと思うので清掃を続けたい」。
未成年者の喫煙防止については「未成年の方も昔と比べてたばこを吸う人が減った。私たちもたばこを購入に来た方に対して年齢が分かる身分証の提示もお願いしている。たばこは20歳になってからお願いします」と語った。
次回は9日(木)に太地町の道の駅たいじで清掃を行うという。
(2020年7月4日付紙面より)
軟式野球部「第4回大会」 (那智勝浦町体育協会 )
水難事故想定し合同訓練 (那智勝浦町 )
那智勝浦町消防本部(湯川辰也消防長)は1日、同町の那智漁港と那智の浜で水難救助訓練を実施した。訓練には新宮警察署(小畑博昭署長)も参加し、互いの資機材や救助方法などを確認し連携強化を図った。
合同での実施は昨年に引き続き2回目。この日は「スローバッグによる溺者の救出(合同)」「鍵付はしごとバスケット担架を使用した救出」など、陸上への引き上げ救助方法の訓練に取り組んだ。
消防・警察合わせ14人ほどが参加。新宮署員は消防隊員から救助の方法や資機材の使用方法を学び、迅速な救助活動に生かせるように実践した。
消防隊員の指導の下、警察署員がスローバッグを投げる練習を実施。隊員が独自の訓練に取り組む様子も見学した。
最後は隊員たちが波消しブロックからの救出方法の検証に取り組んだ。
新宮署の新谷浩一警備課長は「現場によっては他の機関との連携が必要になる。機関の壁を超えた訓練を行うことで救出のスキルを上げることができる」と述べた。
関谷善文・那智勝浦町消防署長は訓練を振り返り、「互いの所有する資機材や共同作業の確認ができたことはとても有意義だったと思う。今後も互いの力を高め合えることができれば」と語った。
(2020年7月3日付紙面より)
新宮市は、令和3年度に和歌山県での開催が予定されている「紀の国わかやま文化祭2021」(第36回国民文化祭、第21回全国障害者芸術・文化祭)に向け、実行委員会(会長・田岡実千年市長)を組織した。1日に市役所別館で設立総会、第1回総会が開かれ、会則や事業計画などについて話し合った。
国民文化祭は、文化活動への参加の意欲を喚起し、地方文化の発展に寄与するとともに国民生活のより一層の充実に資することを目的とする全国規模の文化の祭典。
全国障害者芸術・文化祭は障害者の芸術や文化活動への参加を通じて障害者の生活を豊かにし、障害への理解と認識を深め、障害者の自立と社会参加の促進に寄与することを目的に開催している。2017(平成29)年からは国民文化祭と同じ期間に開催されている。
両大会とも和歌山県では初の開催で、キャッチフレーズは「山青し 海青し 文化は輝く」。また、県内では同年に、文化部のインターハイとも称される第45回全国高等学校総合文化祭の開催も予定しており、こちらも県初開催となる。
実行委員会設立に当たり、田岡市長が「国体、ねんりんピックに続いて全国規模の祭典が和歌山県で開かれるのは喜ばしいこと。県の文化振興にとって重要な契機となるだけなく、市としても文化複合施設が完成する年であり市を上げて盛り上げなければならない」。行政のみならず市民の力が欠かせないと協力を求めた。
市では現在建設中の文化複合施設を会場とし、「しんぐう文化博覧会(仮称)」「熊野歴史文化シンポジウム(仮称)」「手話狂言」などの事業を予定している。
委員からは施設の建設状況について質問があり、田岡市長は「設計監理者と協議する中で、確実に来年の秋に開館できるよう準備を行っている」と説明した。
同文化祭は来年10月30日(土)から11月21日(日)までの日程で開催。また、今年宮崎県での開催を予定していた「国文祭・芸文祭みやざき2020」は新型コロナウイルス感染症の影響で来年への延期が決定している。
□ □
実行委員会委員は次の皆さん。
▽会長
田岡実千年(新宮市長)
▽副会長
鈴木啓司(市文化協会長)
須川暁廣(市障害者団体連絡協議会)
▽委員
榎本鉄也(市議会議員)
上野 顯(熊野速玉大社宮司)
関 康之(新宮商工会議所会頭)
里中陽互(市観光協会長)
岡 知行(新宮ロータリークラブ)
村尾久彦(新宮ライオンズクラブ)
森 常夫(美熊野福祉会)
吉田元紀(市校長会会長)
池上博基(近畿大学附属新宮高校・中学校長)
前田成穂(新宮高校長)
東 啓史(新翔高校長)
榎本貴英(県立みくまの支援学校長)
速水盛康(市教育委員会教育長)
平見仁郎(市教育部長)
田中幸人(市健康福祉部長)
▽監事
田中信秀(市社会福祉協議会長)
中瀬古友夫(熊野学研究委員会委員長)
▽事務局
市文化振興課市民文化係
市福祉課障害福祉係
(2020年7月3日付紙面より)
鈴木知事と西田町長が対談 (紀宝町 )
鈴木英敬知事と紀宝町の西田健町長による「1対1対談」が1日、紀宝町防災拠点施設であった。対談を前に、同町鵜殿の新宮紀宝道路熊野川河口大橋建設現場を視察した鈴木知事は「工事の進捗(しんちょく)が目に見えてくると町民の皆さんも実感が湧くと思う。今後もしっかり頑張っていきたい」と述べた。
1対1対談は、市町の具体的な課題を知事と市町長がオープンな場で議論し、課題解決に向けて一歩でも前に進めることが目的。同町議会議員と藤根正典、谷川孝栄両県議らが傍聴した。
対談の冒頭、鈴木知事は新型コロナ対策として県民、事業者、医療関係者の協力に感謝し「今後も感染予防、経済の再生を両立していきたい」と示した。
あいさつした西田町長は、鈴木知事が全国高速道路建設協議会の筆頭副会長就任によるさらなる道路整備の推進に期待を込めた。この後、町の課題を盛り込んだ3項目について意見を交わし、鈴木知事は「来年で紀伊半島大水害から10年の節目を迎える。紀宝町の危機管理対策は県や全国でも先進的な取り組み。県としてもしっかり支援したい」と語った。
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西田町長は、新宮紀宝道路の早期完成と紀宝熊野道路の早期工事着手、紀勢線が全線開通するよう高規格幹線道路網の整備促進と、県道小船紀宝線(鮒田~浅里)の整備を求めた。
鈴木知事は、新宮紀宝道路の三重県側に41億円の予算が計上されたこを挙げ、工事発注が早まるよう埋蔵文化財の調査を集中的に行うとした。県道小船紀宝線の整備が本年度の国、県の補助金事業に採択されたことを伝え「スピード感を持って対応したい」と応じた。
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紀の宝商品券や子育て世帯、一人親家庭への給付金、高齢者、妊婦へのマスク配布、飲食店支援など町独自の支援策を紹介した西田町長は、第2波に備えた感染拡大防止対策と経済的支援の充実を求め、これまでの支援事業にもれた事業者への支援拡充の検討を要請した。
第2波が起こった場合でも経済と地域医療を止めないと示した鈴木知事は、支援金についても検討するとした。
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濁水対策に関連し、西田町長はダム機能の在り方についても言及した。鈴木知事は「濁水対策は喫緊の課題。堆積土砂、砂防事業、治山事業を進め、濁水対策を図っていきたい。ダム対策についても町と連携して対策を進めたい」と応答した。
(2020年7月3日付紙面より)
県立串本古座高校(左近晴久校長)のグローカルコース2年生20人が6月30日、串本町在住の化石収集家・左向幸雄さん(57)の収蔵庫を訪ねて実物を観察する機会を持った。
この授業は、科目・海洋環境の一環。左向さんが昨年8月に潮岬地内に展示場風の収蔵庫を設けたことを知り、海の古生物の化石も多い点で関心を高める良いきっかけになるのではと考えて見学を申し入れたという。
左向さんは小学生の頃から化石に興味を持ち半世紀にわたり収集と研究を続けている有識者。おととし夏に妻の実家の一角を借りて収蔵庫を建て、兄らと8カ月がかりで展示ケースや収蔵棚などの内装を手作りして展示場風に仕上げた。
化石は展示ケースに収めている分だけで700点以上あり、動植物両面で古生物が幅広くそろう。海にまつわる動植物も多く、自ら採集し国内外からの譲渡や購入で集めたそう。愛好者の間では串本町も有名な産出地の一つで、近隣も含め紀伊半島産出の化石を集めた展示ケースも設けてそのことを伝えている。
生徒の課題は特に興味が湧いた化石について発表することで、この日は6時間目と7時間目を使って実物観察に臨んだ。左向さんは最近の学生の傾向に配慮し化石以外に鉱石も若干準備して歓迎。生徒は順番に鉱石類や加工中のアンモナイトの化石に触れながら気になる化石を探し出し、じっくりと観察し左向さんから情報をもらうなどした。後日興味を持った化石について発表し合う形で成果を共有し、全体で関心が高かった化石を左向さんに伝えるという。
知人などに紹介したことはあるが、地域から大人数を迎えたのは南紀熊野ジオパークガイド以来だそう。「自分たちが暮らす大地をよく知らないというのも何だかさみしい話。今日の見学を通して地学に興味を持ち、何気なく落ちている石一つにもたどってきた歴史があることや串本は化石でも有名なことを少しでも感じてもらえたら」と20人の今後に期待した。
(2020年7月3日付紙面より)
海上遊歩道が供用開始 (太地町 )
太地町が取り組む「森浦湾鯨の海構想」の舞台となる森浦湾に設置された、鯨類の観察が楽しめる海上遊歩道が1日、供用開始となった。当日は悪天候のため、一般開放は中止。なお、新型コロナウイルスの感染拡大予防の観点から式典は開催しなかった。
遊歩道はクジラの学術研究都市を目指す同町の環境整備の一環で、30年のまちづくり計画の一つ。「環境の湾」として学びや観光につなげる目的も含まれているという。
2019年3月に着工し、今年2月末に完成した遊歩道。ポリエチレン製で全長158㍍。整備費用はトイレ棟など関連施設の設計や整備を含め、約3億円。
森浦湾にはハナゴンドウとバンドウイルカを4、5頭放している。遊歩道付近にはいけすを設置しており、バンドウイルカ4頭を間近で観察できる。遊歩道自体の開放は午前9時から午後5時まで。動物の展示が午前10時から午後3時までとなっている。また、動物の状態や天候によっては展示ができず、一般開放は中止となる。
遊歩道は無料で楽しめる。最初に受け付けを行い、ライフジャケットを着用してからの入場となる。50人が制限人数となっているが、コロナ対策として3密を避けるため、当面は30人前後で規制する予定。
同町によると、遊歩道の管理業務は太地町漁業協同組合(脊古輝人組合長)が行い、今後は漁協が事業主体となり、コロナ終息後には遊歩道などを生かしたモニターツアーなども検討しているという。
三軒一高町長は今回の整備事業において、「今回の整備では漁協や民間の方々に多くの協力をいただいた。感謝しています」。
今後は動物の状態を調査しながら、5年で30頭は解放したいと抱負を述べ、「小学生から大学院生までのクジラに興味のある方や、世界中の研究者たちがクジラの研究のために集まれる町にしたい」と語った。
(2020年7月2日付紙面より)
自転車マナーアップ推進リーダー (新宮警察署 )
新宮警察署(小畑博昭署長)は6月30日、新宮市佐野の県立新翔高校(東啓史校長)の吹奏楽部員16人、バスケットボール部員23人に「自転車マナーアップ推進リーダー」を、顧問の教職員にアドバイザーを委嘱した。
2015年の道路交通法の改正による自転車運転者講習制度の施行を受け県内で初めて実施し、今年で6回目。リーダーたちは交通安全活動に参画し、校内の自転車マナー向上や「自転車安全利用五則」の周知などを通じ、全ての自転車を利用する人々の交通事故防止を図る。
新宮警察署で開かれた委嘱式には吹奏楽部の木下綾子部長(2年)、西浦久博顧問、バスケットボール部の坂井幸弥部長(2年)、中野亮顧問の4人が出席し、小畑署長から委嘱状を受け取った。
生徒を代表し、木下部長が「私たちは率先して交通ルール・マナーを守り、他の自転車利用学生の模範となる運転に心掛けます」と宣言。小畑署長は「昨年、和歌山県下で1859件の人身交通事故が発生し、そのうち278件は自転車に関係する事故だった。不幸にも7人が自転車乗車中の交通事故で亡くなっており、1件は新宮警察署管内で発生した。このような悲惨な交通事故を一つでも減少させるため、皆さんの活躍を期待している」と話した。
式後、坂井部長は「自転車通学の人でイヤホンをしているのを見たことがあるので、活動を通じて交通ルールを守るよう呼び掛けたい」と目標を語った。今後は、7月中に新翔高校近くで交通安全啓発活動を実施する予定にしている。
(2020年7月2日付紙面より)
熊野三山で6月30日、「夏越大祓式(なごしおおはらえしき)」が営まれた。時折激しい雨が降る中、参拝者たちは「茅(ち)の輪くぐり」で半年間のけがれをはらい清め、夏を元気に過ごせるようにと祈った。
この儀式は12月31日(大晦日=おおみそか=の大祓)と年2回営まれている。「水無月(みなづき)の夏越のはらいする人は 千歳(ちとせ)の命のぶというなり」という古歌がある。3歳で母を亡くした俳諧師、小林一茶(1763~1828年)は「母のぶん も一つくゞる 茅の輪かな」と詠んでいる。
熊野速玉大社(上野顯宮司)では、新型コロナウイルス感染予防の観点から関係者のみへの呼び掛けとなった。参列した老若男女約30人が手渡された人形(ひとかた)と呼ばれる人の姿をかたどった紙に息を3回吹きかけてけがれを移し、神職に全国から寄せられた人形と一緒に唐櫃(からひつ)に納めてもらいおはらいを受けた。
続いて参拝者たちは、唐櫃を担いだ神職や巫女(みこ)の後に続いて境内に設けられた茅の輪(直径約2㍍)を8の字に3回くぐった。上野宮司は「コロナ禍の中において、自由と健康のありがたさを改めて感じる。小さな子どもがこうして手を合わせる姿を見ると私たちの憂いも和む。残りの半年も人間としての生き様を曲げることなく、健康に気を付けながら頑張っていただきたい」と願いを込めた。
熊野那智大社(男成洋三宮司)では職員や関係者などが出席。本殿での神事を終え、男成宮司らが1列となって茅の輪をくぐった。
茅の輪は毎年、その日のうちに片付けられるが、本年は新型コロナの影響を受け、疫病退散の意味も込めて同社の例大祭直前まで設置。また、参拝者には疫病の災いから難を免れ、家が栄えるという信仰で知られる「蘇民将来之子孫也」のお札が進呈される。
熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)では、新型コロナの影響で多くの貴い命が奪われている現状を鑑み、従来の人形と併せ命の形代(かたしろ)を調製した。茅の輪は12日(日)まで設置される。
(2020年7月2日付紙面より)
新宮高で「陸上競技総合体育大会」 (新宮市 )
新宮市神倉の県立新宮高校(前田成穂校長)陸上競技部は6月27日、同校グラウンドで「第1回新宮高校陸上競技総合体育大会」を開いた。同校と新翔高校の両部員約40人が参加し、日頃の練習の成果を競い合った。
新型コロナウイルス感染症の影響による全国高校総合体育大会(インターハイ)および県高校総体の中止を受け、引退を間近に控える3年生に少しでも集大成となる場を用意できないかとの思いから2年生が企画。選手や顧問らが新翔高校に声を掛ける形で開催が実現した。100㍍、400㍍、1500㍍、4×100㍍リレー、4×400㍍リレーの5種目で競い合った。
開会に当たり新宮高の宮井貴浩教頭が「コロナウイルスの影響で皆さんのすてきな目標だった総体が中止となりショックだったと思う。つらい心情ではあるが、この大会を一つの区切りとして前向きに気持ちを切り替えてください」とあいさつ。見学する出場者やマネジャーたちから「ファイト!」「あと少し!」などと声援を受けながら、選手らは力いっぱい競技に取り組んだ。大会後には各種目の表彰式も行われた。
新翔高の野口光希主将は「コロナの影響で大会が無くなり目標を失った時期もあったが、気持ちの切り替えにつながる機会を与えていただき感謝しています。高校生活で取り組んできたことを全力で発揮すると同時に楽しめることができました」。
新宮高の雨澤翼主将は「後輩たちが3年生のために企画してくれて本当にありがたい。小学生から陸上を始めて総体の中止が決定したときは悔しさしかなかったですが、この大会で気持ちが救われました」と笑顔で話していた。
(2020年7月1日付紙面より)
5年生はウミガメの生態を学習 (井田小 )
紀宝町立井田小学校(石谷正秀校長)は本年度から、総合学習を活用した「『井田』未来 創造 Learning」の取り組みを始めた。
地域を学びのフィールドとした特色ある教育活動で、3~6年生が対象。3年生は町の特産品であるミカン、4年生は観光資源や産業、5年生はウミガメと地域環境、6年生はウミガメ保護活動について理解を深める。
6月26日には5年生10人が道の駅「紀宝町ウミガメ公園」を訪れ、「ウミガメと地域環境」をテーマに生態を学習した。
飼育員の伊藤柊也さんがウミガメについて教えた。施設で飼育するウミガメと淡水ガメを並べ、「ウミガメは水中で生活するため手がオール状になっているが、淡水ガメは陸で歩きやすいようしっかり爪が生えている」と説明。井田海岸にはアカウミガメが産卵にやってくることも伝えた。
児童たちは「甲羅の模様が違う」「淡水ガメは爪が鋭い」「首の長さが違う」などそれぞれの特徴を発表。飼育プールでの餌やりや、世界最大のウミガメ「オサガメ」の剥製も見学した。
最後は学習した内容をノートにまとめた。松田風翔君は「ウミガメはどこに集まりますか」と伊藤さんに質問。アカウミガメは生まれた海岸の近くで産卵することを学んでいた。
(2020年7月1日付紙面より)
社会を明るくする運動でのぼり旗掲出 (新宮市 )
7月の「社会を明るくする運動~犯罪や非行を防止し、立ち直りを支える地域のチカラ~」強調月間を前に6月29日、紀南保護司会(谷敏朗会長)の会員11人が新宮市役所および市庁舎別館周辺に広報用のぼり旗20本を掲出した。参加者らは「犯罪に戻らない戻さない」などのスローガンが書かれた旗を掲げ、犯罪や非行のない安全で安心な社会づくりへの意識高揚を図った。
「社会を明るくする運動」は、非行の防止と罪を犯した人たちの更生に対し理解を深めるなどの目的で行われている全国的な取り組み。和歌山県が主唱する「夏の子どもを守る運動」、内閣府主唱の「青少年の非行・被害防止全国強調月間」、覚醒剤など薬物乱用対策と相互に協調し、少年の非行防止、罪を犯した人たちの更生への理解や援助など、犯罪や非行のない安全・安心な地域社会を築くことを推進している。
運動の目標は▽犯罪や非行を防止し、安全で安心して暮らすことのできる明るい地域社会を築く▽犯罪や非行をした人が再び犯罪や非行をしないように立ち直りを支える―の二つ。更生保護活動の周知や、保護司、更生保護女性会会員、BBS会員、協力雇用主など、更生保護ボランティアのなり手を増やすなどの目的もある。
毎年、強調月間には各所で街頭啓発を行っているが、第70回目を数える今年は新型コロナウイルス感染予防の観点から中止となった。
谷会長は「新型コロナの影響で街頭啓発などはできなかったが、のぼり旗掲出によって明るいまちづくりへの意識高揚に寄与できれば」と話していた。のぼり旗は7月末まで掲出予定となっている。
(2020年7月1日付紙面より)
ノーレジ袋キャンペーン (和歌山県 )
和歌山県の事業者、市民団体、行政で構成する「わかやまノーレジ袋推進協議会」は、7月から全国で実施されるレジ袋有料化に向け「令和2年度ノーレジ袋キャンペーン」を実施した。新宮市橋本のイオン新宮店では6月30日、サービスカウンター付近にエコバッグ置き場を配置。置き場前で足を止め、エコバッグを持ち帰る買い物客の姿も多く見られた。
同協議会は、ごみの減量や二酸化炭素削減による地球温暖化の防止、県民の環境意識の高揚などを図るためレジ袋の削減に取り組んでいる。
同キャンペーンは活動の一環として実施されており、毎年県職員らが啓発物資を配布しているが今年は新型コロナウイルス感染予防のため直接配布は中止。29、30の両日にわたり県内25店舗にエコバッグ置き場を配置し、持ち帰り方式で約4300枚を無料で配った。
プラスチック製買い物袋の有料化はいよいよ1日からスタート。小売業を営む全ての事業者が対象。有料化によりプラスチックの過剰な使用を抑制するとともに、消費者のライフスタイルの変革を促していく。
(2020年7月1日付紙面より)
勝浦ヤンキース監督・清水浩さん