商業捕鯨再開後初の入札 (太地町 )
31年ぶりの商業捕鯨再開により、漁獲されたミンククジラの販売が始まった。太地町の太地漁協地方卸売市場では4日、再開後初の鯨肉の入札があった。
北海道の釧路港から1日に出港した沿岸捕鯨の船団(5隻)に、同漁協所属船の第7勝丸(竹内隆士船長)が参加。勝丸が初日に捕ったミンククジラが解体され、赤肉など約66㌔が太地町に空輸で届いた。
漁協参事の貝良文さん(59)は「再開初日に水揚げがあった上、太地の勝丸が捕ったのは倍の喜び。調査捕鯨と違って船上で血抜きするので質が良い。おいしいクジラがいち早く地元に届きありがたい」と話した。3日までに釧路港に揚がったミンククジラ4頭のうち2頭は勝丸が漁獲した。
午前8時からの入札には町内の仲買人約10人が参加。肉質を見定めながら入札した。赤肉約40㌔を落札したカネヨシ由谷水産の代表、由谷章さん(50)は「ご祝儀相場で落札させてもらった。これからの世代にクジラを食べてもらうため、刺し身で提供するだけでなく商品開発を進めていきたい」と意気込みを見せた。
太地漁協スーパーには、この日落札された赤肉が100㌘598円で店頭に並んだ。
(2019年7月5日付紙面より)
たばこ組合が啓発 (新宮市・那智勝浦町 )
和歌山県たばこ商業組合新宮支部(塩崎伸一支部長)は4日、JR新宮駅とJR紀伊勝浦駅で未成年者の喫煙防止を呼び掛けた。
(一社)日本たばこ協会、全国たばこ販売協同組合連合会は各団体らと協力し、2009年度より毎年7月に全国的に未成年者の喫煙防止に対する意識の向上を図っている。
新宮駅では同支部組合員7人と新宮警察署の署員2人が参加。雨天の中、未成年者の喫煙防止を訴えた。
紀伊勝浦駅では塩崎支部長ら7人と同署の署員2人が、啓発物資のポケットティッシュを駅の利用者や未成年者に声掛けをして手渡した。
塩崎支部長は「未成年の方にたばこを絶対に吸わせないために全国一斉で取り組んでいる。たばこは20歳になってからを理解していただければ」と述べ、大谷敏子女性部長は「年齢が判別しにくいお客さまもいるので販売時にはしっかりと確認をしている。今後も未成年者の健康のために活動に尽力していきたい」と語った。
同支部では啓発のほか、たばこのポイ捨て禁止などの呼び掛けを目的に年間20回ほどの清掃活動を実施している。また、喫煙者のための灰皿設置にも取り組んでいる。
昨年度の県内のたばこ税収は約10億4500万円で、支部管内では約4億5734万円だった。これらは地域や住民の日常生活に必要な施策などに活用されている。
(2019年7月5日付紙面より)
B&Gで水辺の安全教室 (串本町 )
串本町サンゴ台にある同町B&G海洋センター(伊藤俊文所長)で6月30日、講習会「体験から学ぶ水辺の安全教室」があり、町内の小学1~3年生20人が着衣泳の感覚を確かめ身近な浮く物やライフジャケットで助かる方法を学ぶなどした。
この講習会は同町ふるさと振興公社と同センターが主催、B&G財団が後援、同町教育委員会が協力。海や川などの水の事故から子どもたちを守るために同財団が提唱するプログラムに基づいた取り組みで、同センターや町内の小学校経由で参加を呼び掛ける形で年1回、水辺で遊ぶ機会が増える真夏前に開いている。
通算17回目となる今回は、同センタージュニアスイミングスクールの受講生と一般がほぼ半々の比率で参加。インストラクターの太田陽介さんが全体進行を担当し、児童は2組に分かれ中正司智さんと芝本大輝さんが直接指導をする形で体験を積んだ。
これら内容を学ぶにあたり、太田さんは「自分の命は自分で守る、という気持ちを持って水辺で遊ぼう」と事前に呼び掛け。序盤は着衣泳で、「気持ち悪い」「服がくっつく」「(水着より)動きにくい」など感想を述べながら、服を着た状態で水に落ちたときにどんな感じになるかを経験した。
中盤は服を着た状態で水に落ちたときの助かり方として、2㍑のペットボトルやバケツなど浮きの代わりになるものを抱えながらの背浮きを練習。できれば服の中にペットボトルを入れて両手が使える状態にした方がいいことや、もし友達が水に落ちてペットボトルを投げ渡さないといけないときは空っぽより少しだけ水を入れた方が遠くに飛ばしやすい、といった知恵も体験しながら学んだ。
終盤はライフジャケットを着た状態で浮く練習。大声で助けを求めると疲れて溺れやすくなるので簡単に大きな音が出せる笛が付いていることや、慌てなければジャケットの浮力だけで頭を水面上に出したままにできることも確かめた。
参加者の家族は屋内プールを見渡せる窓があるロビーから様子を見学。館内放送で太田さんの進行を聞きながら、児童と一緒に学びを深めるなどした。
(2019年7月5日付紙面より)
蝗封祭と虫送り行事 (紀宝町神内 )
紀宝町神内で3日、神内神社(宮地秀直宮司)による蝗封祭(むしふうじさい)と善光寺(一村桂晋住職)の虫送り行事が神仏習合で営まれた。
水田の虫害を防ぎ農作を祈願する法要で、古くから7月最初の丑(うし)の日に行われてきた。今年は神社、寺の関係者ら約20人が参列した。
神内神社で宮地宮司による神事を執り行い、5月に田植えした神社近くの宮田で祈とうした。
逢初(あいぞめ)ノ森に移動し、宮司が祝詞をあげた。平穏を祈念して1740年に建立された妙法華塔で虫送り行事を行い、一村住職が「虫」の文字を書いた白石を地中深くに封じ込め、五穀豊穣(ほうじょう)を祈願した。
神仏習合による虫送り行事は全国でも珍しいという。
(2019年7月5日付紙面より)