新宮市立神倉小学校(松本広明校長、児童525人)で12日、全校集会があり、ボランティアで通学時の見守りを実施している松本順さんと西和美さんに感謝状を贈った。
子どもたちが歩く通学路で安心・安全を守ってくれている2人に日頃の感謝を伝えたいと児童会が企画した。
校歌斉唱後、松本校長があいさつで「松本さん、西さんは、みんなが安全に登校できるよう願いを込めて立ってくれています。児童会がお礼を伝えたいということで来ていただきました」と紹介。児童会長の中川広空(そら)君(6年)と同副会長の吉良和子(わこ)さん(6年)が代表し、2人に感謝状を手渡した。
松本さんは「全国で事件、事故の発生を聞き、心を痛めたことがきっかけで4年ほど前から始めました。いつも子どもたちからあいさつしてくれてパワーをもらっている。今後も安全な通学路として見守っていきたい」。
西さんは「子どもたちから逆に元気をもらっています。毎朝『行ってきます』と声を掛けてくれることが大きな喜び。いろんな人にあいさつや、声を掛けられるような大人に成長してもらえれば」と話していた。
(2019年2月14日付紙面より)
新宮・東牟婁租税教室推進協議会は、新宮市内や東牟婁郡の各小学校や中学校、高校などで、税の意義や役割などを正しく理解してもらうために毎年租税教室を開催している。昨年11月以降、同協議会構成員の新宮税務署職員や新宮納税協会員、地域税理士らが中心となって講師を務め、各小学校で租税教室を開催しているところ、新宮税務署に授業を受けた児童らからお礼の手紙が続々と寄せられた。
同教室では、税の種類や必要性、使われ方などをビデオ教材を交えながら児童に分かりやすく説明している。講師を務めた新宮税務署の森川知彦さん、松本香織さん、萩原翔吾さんら若手職員は授業の様子を「良いイメージのない税金について教えるということに当たって、何に使われているかを認識してもらうことは重要。導入口として入りやすいところはどこかと、いろいろ工夫しました。ビデオを見て笑ってくれたり、レプリカの1億円を見せると盛り上がり大変興味を持ってくれた」と振り返る。
寄せられた手紙には「税金を払うのは嫌だと思っていたけど、税金がなければ学校や病院、警察や消防署などができないことを知り、税金は必要なものだと思いました」といった声や、中には「消費税が10%に上がるのは嫌だけど、食品の税率は8%のままと知り少し安心しました」といった、今年10月に実施される消費税軽減税率制度に触れる感想もあった。
手紙を読んだ同署の森川さんは「税について学んだと、いつか思い出してもらえるのでは」。松本さんは「税について認識がなかったところから、必要であると認識してもらい、知識を深めてもらえてうれしかった」。萩原さんは「税金が生活にどう結び付いているか、どのような役に立っているのかイメージがついたと書かれてあり、講師をして良かったと手応えを感じました」と思いを語った。
同協議会長の榎本伸・新宮税務署長は「このように手紙を頂くと、講師を務めた職員の励みになる。租税教室を通じて、次代を担う子どもたちに税に対する興味を持ってもらうことは重要。身近な消費税について関心を寄せてくれる児童もいた。われわれとしても目前に控えた消費税軽減税率制度の周知広報に今後も力を入れていきたい。子どもたちからもらった手紙に刺激を受けました」と話していた。
(2019年2月14日付紙面より)
三尾川小児童が防災学習 (古座川町 )
古座川町立三尾川(みとがわ)小学校(濵地久夫校長、児童9人)が7日、新宮市にあるNPO法人和歌山災害救助犬協会(榎本義清理事長)を招いて防災学習に取り組んだ。
この学習は、同協会の活動を知る教諭が学習のテーマとして提案し講師を依頼したことで実現した。この日は榎本理事長と会員の瀧本美鈴さん、深田敬子さん、岡地寛幸さんが来校。前半は災害救助犬活動の現場から見た被災の紹介、後半は災害救助犬との交流、といった内容で必要な防災意識を考えた。
災害救助犬と交流できる貴重な機会だとして、同学習には同町立三尾川へき地保育所の5歳児2人も出席。前半は榎本理事長と瀧本さんが講師を務め、国内にまだ災害救助犬がいなかった阪神淡路大震災までさかのぼって紹介した。その当時に海外の災害救助犬が活躍したことで国内でも育成が始まり、後に発生した新潟県中越地震から国内の災害救助犬も活動を始めた。
優れた嗅覚を生かして倒壊した家屋や土砂の下敷きになった人を探し出すのが災害救助犬の役割で、活動場所は被災の最前線。東日本大震災などの地震や紀伊半島大水害などの豪雨に伴う災害で目の当たりにした被災の様子を、写真を交えて解説した。榎本理事長は、人を探すだけでなくその場所に人がいないこともはっきりさせて捜索を次の場所へ進めるのも災害救助犬の役割だと補足。そのような活動の教訓として「地震の揺れからしっかりと身を守り、もしその後周りに困っている人がいたら助けてあげてほしい。三尾川は津波が来ないが、来る場所では身を守った後すぐ高台に逃げることも覚えておいてほしい」などと促した。
後半は質問を受け付け、調教や人探しなどの訓練を披露。災害救助犬として起用されることが多いシェパードやラブラドルレトリバーに触れる機会もあり、園児や児童は災害救助犬と親しく接する経験と一緒に教わったことを心に刻んだ。
児童を代表して中田蓮乃さん(5年)は「災害救助犬がどのような場所へ行っているかが分かり、一緒に遊ぶこともできてよかった。これからも活動に頑張ってほしい」とお礼の言葉を述べ、濵地校長は榎本理事長が託した教訓を振り返り「災害から自分の命を守ろう。そうすれば困っている人を助けられる」と呼び掛けて学習を締めくくった。
(2019年2月14日付紙面より)
お弓行事や剣道形奉納 (那智勝浦町 )
那智勝浦町下里の下里神社(山本貞夫宮司)で11日、「お弓祭り」が行われた。五穀豊穣(ほうじょう)や大漁祈願、疫病退散を願う祭礼で、毎年「建国記念の日」に行われる。この日は小雨交じりのなか行われたが、剣道形やお弓行事が多くの拝観者を集めた。
式典は午前10時30分、境内に設けられた弓場であり、山本宮司の祝詞奏上に続き、参列者が玉串をささげて祈願した。剣道形は地元の下里剣友会が奉仕。剣道基本技で掛け声とともに木刀を振るった。
お弓行事では、下里中学校1年の小川藍士君、関谷宗一郎君、2年の小久保佑亮君、田中皆熙君、筑紫映人君、洞貴成君、3年の草下悠陽君、太田拓実君らが奉仕。山本宮司が天と地に矢を放って悪鬼を的に閉じ込め、古式にのっとった直垂(ひたたれ)に烏帽子(えぼし)の狩衣(かりぎぬ)姿の射手6人が、2人一組で2巡。矢が的を射抜くと集まった人たちから歓声が上がった。矢拾い2人が矢を放ち、行事の後の的とシイの木は門先の魔よけとして参観者らが持ち帰った。
見事に矢を命中させた小川君は「すごく緊張したけど命中して良かった」、筑紫君も「日頃の練習の成果がでて良かった」と感想。
山本宮司は「30年ぶりの雨だったが幸い小降りで無事に終えることができました」と話していた。
(2019年2月14日付紙面より)
第23回黒潮親善卓球大会
太地、古座川が合同タイムトライアル (市町村対抗ジュニア駅伝 )
2位に三輪崎、3位に宇久井が入る (イオン・バンビカップ小学生バレー )
神倉神社で紀元祭 (新宮市 )
「建国記念の日」の11日、新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)の摂社、神倉神社で「紀元祭」が営まれた。同大社役員や神倉神社奉賛会役員ら約20人が参列し、国の繁栄などを祈った。
2月11日は1872(明治5)年に、初代天皇とされる神武天皇が即位した日として「紀元節」となっていたが、第2次世界大戦後に廃止され、1966(昭和41)年の祝日法改正で「建国記念の日」として復活した。
この日の神事では、佐藤仁迪(ひとふみ)権禰宜(ごんねぎ)の祝詞奏上に続いて、みこが鈴払いの儀。杉本義和・同大社崇敬会長、濱口太史県議、猪飼三雄・神倉神社奉賛会長ら参列者たちが神前に玉串を供え、「雲にそびゆる高千穂の」で始まる唱歌『紀元節』と国家を斉唱した。
同神社には皇室の祖神・天照大神(あまてらすおおみかみ)と建国の功臣・高倉下命(たかくらじのみこと)が祭られている。『神武天皇紀』(日本書紀)には、紀元前3年6月に狭野(さの)を越えて「熊野神邑(くまのみわのむら)に到り、旦(すなわち)天磐盾(あまのいわたて)に登りて」と記されており、この天磐盾が神倉山といわれている。
(2019年2月13日付紙面より)
「ブルーム訪問記」を無料配布 (太地町 )
太地町国際交流協会(会長・宇佐川彰男教育長)は、同町の姉妹都市であるオーストラリア・ブルームとの国際交流を記した同町立太地中学校の生徒らの訪問記をまとめた。8日から同協会(太地町公民館事務所)で無料配布している。同協会の青少年交流事業10周年記念に発行した。
この事業は2008(平成20)年から始まり、毎年のように相互交流を重ねてきた。本のタイトルは「オーストラリア・ブルーム訪問~交流記2008→2018~」で、ラクダに乗った子どもたちがケーブルビーチを行く姿が表紙になっている。ホームステイの日常や体験から得た国際理解、祖先への思いが写真とともにつづられ、成人した第1回の参加者、和田貴子さんらの寄稿もある。
100年以上前にブルームには同町から多くの移民が渡り、シロチョウガイ(=南洋真珠の母貝)採取の潜水作業員として従事した。現地には大規模な日本人墓地がある。ブルームの真珠養殖産業の発展に大きく貢献したことから、1981(昭和56)年に太地とブルームは姉妹都市提携を結んだ。
イルカ追い込み漁を批判的に描いた「ザ・コーヴ」(2009年第82回アカデミー賞受賞)公開当時、姉妹都市提携の破棄が議決されたが、撤回された。ブルーム住民らが破棄に反対した背景がある。
「オーストラリア・ブルーム訪問~交流記2008→2018~」の問い合わせは、同協会事務所(電話0735・59・2335)まで。
(2019年2月13日付紙面より)
水門神社例大祭「水門祭」 (串本町 )
串本町大島にある水門(みなと)神社の例大祭「水門祭」が9日に本祭を迎えた。今年は半ばから雨に見舞われたが、祭員一同ひるまず諸奉仕を重ねて区内外から集まった人々の注目を集めた。
東牟婁地方でも屈指の数の奉仕奉賛を誇る同神社の例大祭「水門祭」は近年、2月第2土曜日を本祭日として営まれている。大島区内4組で当番組を持ち回るのが慣例だが、人口減に伴い当番組を軸にしつつ祭典保存会(吉田隆会長)を軸にし、区全体で営む形が定着している。
今年は南中組(宮下漁次組長)が当番を務め、午前9時30分に同神社で御前の儀を執行。大島区民会の稲田賢区長(69)を筆頭に猪野久次宮主(69)や責任役員らと漁方、さらに田嶋勝正町長や航空自衛隊串本分屯基地の吉村雅美司令ら来賓も多数参列して主祭神に礼を尽くした。
引き続き弓頭の滝本虎之介君(18)と稲田駿也君(17)がお的の儀に臨み、作法を交えて計12本の矢を的中。その後の的は引きちぎられ、門先の魔よけとして観客らに配られた。お的の儀以降は境内で大座の儀があり、当番組の亭主役衆が御前の儀参列者を酒と魚で接待。並行して青年団体「大同会」(吉田龍会長)が獅子舞を奉納した。
雨はこの頃から降り始め、以降の奉仕は時間を繰り上げながら進行した。正午前に主祭神・誉田別命(ほんだわけのみこと=応神天皇)の渡御が始まり、主祭神の神霊が白丁役に担がれて大島港へ向かい、その先は当船で御旅所がある苗我島を目指した。
御旅所で神事とお的の儀を営んだ後、当船は矢倉甚兵衛さん邸を海上から遥拝して帰港。大島港では南中組選出の役者を伴った渡御の一行が扇子や軍配を振りかざして当船を招く行事「つるの儀」を営んで出迎えた。みやびやかな衣装を着た稚児役が注目を集める中、商人役の伊勢谷英克さん(44)が口上と競りを繰り広げて活気あふれる大島を描き出した。
当船の出港を警護した櫂伝馬(かいでんま)「鶽(はやぶさ)」「鳳(おおとり)」は船上から餅をまき、大同会の吉田会長から「魂込めて死力を尽くして伝馬をこげぇ!」と激励を受け、艫櫂(ともかい)持が宣誓で応えて大島港~串本間を1往復する競漕(きょうそう)に臨んだ。先着したのは「鶽」で、艫櫂持の山下翔也さん(20)は「最初は鳳が先行したが、折り返しは僕らが先でそのままゴールした。チームワークの良さが本番で発揮できたのが勝因。みんなの一丸のおかげだと思う」と喜びを語った。
競漕後は歳の節目を迎えた区民による餅まきがあったほか、同港内では複数の屋台や区内に施設を有する縁でアクアマリンふくしまの移動水族館車「アクアラバン」も利用を集めた。
当船の帰港後、同港内に据えられたおヤマ(枝葉と神鏡を飾った構造物)が倒され、区内の若者が神鏡を雄々しく取り合い。港外に持ち出した者は豊漁の利益があると信じられ、今年は真っ先につかんだ若者が他をかわして一気に港外へ駆け抜ける展開となった。その後は大島郵便局前で獅子屋台の大練りがあり、おヤマ跡での獅子舞披露は天候不良のため中止となり、この大練りが今年最後の見せ場となった。大同会は夕方から獅子舞の道行きを始め、翌10日まで区内各所で地下舞わしや屋固めを重ねた。
天候には恵まれなかったが、無事今年の例大祭を終える形となり、同神社祭典保存会の吉田会長(59)は「最近は大島の中だけでなくよそに出た者にも祭りに参加してもらっている。休みとはいえ早く帰してやることを考えると、多少天気が悪くてもやったろかと考えるし、やる方は大変だが早回しで進めたりもする。今年は雨に見舞われたが、心配した大きなけがもなく終えられて何よりだ」と語った。
(2019年2月13日付紙面より)
第14回しんぐう元気フェスタ (新宮市 )
新宮市ボランティア・市民活動センター(岡鼻崇会長)は11日、市福祉センターで「第14回しんぐう元気フェスタ'19」を開催した。ステージや各種体験、販売があり、大勢の人でにぎわった。
企業とボランティアなどが協働で取り組んでいる毎年恒例のイベント。会場では工作や絵手紙教室、スポーツ吹き矢、餅つきなど各コーナーに多くの親子連れが詰め掛けた。ラーメンやフランクフルト、焼きそばなどの飲食ブースには行列ができていた。
ステージでは「Team雅龍」「ハリケーン」「THE透来夢」「マジックサークル青い鳥」「みくまの農業協同組合」「ANIANI PRODUCTION」「ハラウ フラ オ カウイオナラニ」「緑丘中学校吹奏楽部」らが踊りやバンド演奏、手品などを披露した。
開会式で岡鼻会長は関係者や参加者に感謝を述べ、「イベントを通じて、多くの団体同士が交流し、団体の紹介やPRをすることによって収益事業にもつながってくる。この活動が今後も長く続くように、参加している皆さまと一緒に、知って、見て、楽しんで一日を過ごしてください」。来賓の田岡実千年市長は「地域のつながりが希薄になっているといわれているが、いろんな企業、団体、子どもから高齢者までさまざまな方が集えるイベントが開催されることをうれしく思う。新宮市政のモットーは、市民の誰もが元気で心豊かな町づくり。イベントがそのきっかけになっていけば」とあいさつした。
(2019年2月13日付紙面より)
第10回イオン・バンビカップバレー
ファミリーフットサルフェスティバル (和歌山県サッカー協会 )
ふるさとすくすく森づくり (新宮警察署 )
子どもたちに木や森林を大切にする気持ちを育んでもらおうと、新宮警察署少年補導員連絡会(柳本利文会長)と同署(大髙圭司署長)は2日、紀宝町浅里の山林で植樹行事「ふるさとすくすく森づくり」を実施した。神倉少年野球クラブと蓬莱フレンズに所属する児童や保護者ら約60人が参加し、ヤマザクラやイロハモミジ、アカガシなど5種類の苗木50本を植えた。
青少年健全育成の一環として2008年から始まり9回目。12年は紀伊半島大水害の影響で中止している。植樹後には豚汁やおにぎりが振る舞われ、交流を深め合った。
柳本会長は少年補導員の活動を紹介し「普段、大自然の中で作業をすることはそんなにないと思います。すくすくという言葉を辞書で調べると、『積極的に、前向きに真っすぐ伸びる』とありました。これは樹木にも人間にも当てはまること。今日は笑顔で頑張りましょう」と呼び掛けた。
山林を所有する公益財団法人熊野林業の尾﨑征朗理事長は「樹木を通して自然の大切さを学んでほしい。元気にすくすく育つように心を込めて植えてください」とあいさつした。大髙署長は「学校も学年も異なる児童や保護者が参加してくれています。互いにコミュニケーションを取りながら、協力して友達、親子の絆を一層深めてください」と話した。
熊野林業の佐竹剛さんらが作業の流れや植樹の仕方などを説明。子どもたちは五つのグループに分かれてくわを使い、それぞれ場所を決めて穴を掘り、苗木を入れて土をかぶせた。
参加した井上慎晟(じんせい)君(11)は「穴を掘るのが難しかった。(木が)大きく育つとうれしいです」と話していた。
(2019年2月3日付紙面より)
行政無線と消防車で防火広報 (新宮市消防本部 )
新宮市消防本部は1日から、防災行政無線放送と消防自動車による防火公報活動を始めた。今月下旬までの予定。防災行政無線は毎日午前10時に放送され、消防自動車については、行政無線の放送後に必用に応じて適宜実施される。
新宮市では今年に入り7件の火災が発生しており、例年に比べて非常に多くなっていることや、昨年1年間の発生件数(5件)をすでに上回っている状況などから、住民に対して注意喚起のために防火広報を実施することになった。
担当者らは「当地方は空気が乾燥し、火災の発生しやすい気象状態になっていますので、火の取り扱いには十分にご注意願います」と呼び掛けると同時に、「防災行政無線による放送は、毎日実施する予定ですが、当日の気象状況などから判断し、放送を実施しない日もありますのでご注意願います」と理解を求めた。
(2019年2月3日付紙面より)
ロングハイキングを前に (新宮市 )
新宮市神倉の県立新宮高校(前田成穂校長)は1日、新宮ユネスコ協会会長で元同校校長の中谷剛さんを講師に迎え、世界遺産講座を開いた。7日(木)に実施する熊野古道ロングハイキングの事前学習として開催。1年生200人が聴講した。
国連教育科学文化機関(ユネスコ)は教育や文化に関わるさまざまな活動を行っているが、世界遺産を登録し保護することもその活動の一つ。1960年代、エジプトでアスワンハイダム建設の際に、水没の危機にひんしたアブシンベル神殿を守るためにユネスコが立ち上がり、遺跡群を他の場所に移した。中谷さんは「この出来事がきっかけとなり、72年にユネスコ総会で世界遺産条約が採択された。以降、ユネスコは世界遺産の保護活動を行っている」などと説明した。
ユネスコ憲章の一文「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない」を紹介し、ユネスコは教育や科学、文化上の関係を通じて国際平和と人類の共通の福祉という目的を促進すべく設立されたものと解説した。
世界遺産には文化遺産、自然遺産、複合遺産があることも解説し、7日のロングハイキングで歩く予定になっている熊野古道の小雲取越を含む世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」は文化遺産として登録されたと話した。
三つの分類以外にも戦争や差別によって生まれた「負の遺産」や、紛争や災害によって破壊の危機にある「危機遺産」も存在することを説明し、中谷さん自身が訪問した負の遺産・アウシュビッツ強制収容所(ポーランド)についてスライドを使って解説した。
中谷さんは「道が世界遺産になっているのはこことスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路だけ。日本で12番目に登録された、非常に貴重な場所。大切にしながら、7日は一緒に熊野古道を歩きましょう」と講座を締めくくった。
(2019年2月3日付紙面より)
王子幼で節分集会 (新宮市 )
3日の「節分」を前に、新宮市立王子幼稚園(山本眞也園長、園児21人)で1日、「節分集会」があった。この日は王子ヶ浜小学校の児童14人も参加。子どもたちは歌やゲーム、紙芝居などで楽しいひとときを過ごした。
交流は学期ごとに年3回以上実施しており、毎年行われている。園児と児童らは『鬼のパンツ』『鬼の祭り』の合奏を元気いっぱいに披露した。○×クイズでは節分にちなんだ問題などが出され、子どもたちは「どっちかな?」「こっちこっち」と移動し、正解を発表するたびに歓声や拍手が上がるなど、会場はにぎわった。
同小教職員扮する鬼が登場すると、泣き出す園児らもいたが、児童らを中心にみんなで力を合わせて豆をまき、鬼たちを退治した。交流を深めた子どもたちは一緒に豆を食べ、紙芝居の読み聞かせを楽しむなどして節分気分を満喫した。最後は全員で記念撮影をし、次回の再会を約束した。
山本園長は「泣いてしまった園児もいましたが、みんなが協力しあう姿が見られました。子どもたちに少しでも季節感や日本の伝統文化を感じてもらえれば」と話していた。
(2019年2月3日付紙面より)