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2018年12月23日
1 研究実り、中地さんが最優秀賞
 高校生地球環境論文賞  

 中央大学が主催、高校生新聞社が共催する「第18回高校生地球環境論文賞」で、近畿大学附属新宮高校3年の中地智里さんが最高位である最優秀賞を受賞し、21日に同校会議室で表彰式が行われた。

 論文賞は同大学が環境改善への基本的認識を共有できる次世代の育成などを目的に実施。地球環境問題全般をテーマに今回は全国から841通の応募があった。

 論文賞の存在を知った中地さんは個人で応募し受賞を果たした。表彰式には審査委員で同大学商学部教授の清水克洋さんらも駆け付けた。清水さんは田中廣滋委員長の講評を代読し、「多くの論文を読みましたが、中でも中地さんが素晴らしかった。よく勉強されている」と功績をたたえ、表彰状などを贈った。

 中地さんは幼い頃にラッコを見て興味を持ち、それがきっかけで研究を開始。今回は3カ月間、実験を重ねて論文を作成した。受賞については「疑問は実験を通して明らかにできた。12年間続けてきた研究が表彰されてうれしく思う」と笑顔で語った。

  □     □

■論文の内容

 題名は「ラッコの生息地における赤潮の影響評価」。生息数の少ないカリフォルニアラッコに焦点を当て、近年、生息地周辺で発生する赤潮が原因で生息域に大きな影響を及ぼしていると説明。赤潮の影響で海洋性毒素の濃度が上昇し、それらを摂取した貝を食べるラッコに毒素が蓄積され、異常を来すという。結果、異常な動きをするラッコに反応したサメなどに捕食されてしまい、生息数が減少する事例も紹介している。

 少ない生物量でも生態系に大きな影響を与える「キーストーン種」であるラッコは多くの生物をつなぐ生態系の要であり、その保全が海洋生物の多様化を実現させると説く。また、赤潮の発生を抑え、ラッコを守るために取り組んだ実験と結果も詳細に解説されている。

  □     □

■将来について

 卒業後は理系大学に進み、ラッコを中心とする海洋生物の研究者になることを目指す中地さんは「将来は海洋環境悪化の原因やその状況を改善するために研究していきたい」と抱負を述べた。

 中地さんのクラスの担任を務める千手久味教諭は「研究が報われてよかった。素晴らしい論文だった」と語った。

 中地さんを含む受賞者の論文は同大学ホームページに掲載されている。

(2018年12月23日付紙面より)

最優秀賞を受賞した中地智里さん(中央)。左は千手久味教諭、右は清水克洋教授=21日、近畿大学附属新宮高校
2018年12月23日
2 クリスマス需要に向け まりひめ目慣らし会 (那智勝浦町)

 那智勝浦町苺生産組合(桒野稔近組合長、組合員9戸)はクリスマス需要期出荷に向け21日、同町南大居のJAみくまの太田営農センター(野生計センター長)でイチゴの目慣らし会を開いた。

 目慣らし会は、ケース詰め基準の統一と等級の確認を目的にイチゴの出荷が本格化し始める時季に開催している。JAみくまので販売される県独自の品種「まりひめ」は東牟婁地方を代表する特産品で、那智勝浦町の太田地区が主要産地となっている。

 この日はイチゴ生産農家、みくまの農業協同組合、新宮公設市場、東牟婁振興局の職員らが参加し、イチゴの品質やケースごとの量などについて意見を出し合った。公設市場の職員は「まりひめは、他のイチゴの基準になるくらい品質の良さに定評があります」と話した。

 まりひめは例年11月下旬から翌年の5月ごろにかけて出荷されるが、台風20号、24号の影響によるハウスの倒壊や畑への浸水などの被害から出足が遅れ、この日の出荷量も昨年の7割ほどとなったが、品質は上々だという。桒野組合長は「どうにかクリスマスに間に合いました。シーズン出だしは不安もありますが、消費者の皆さんの声を励みに、より高品質な生産を目指します」と力を込めた。

 まりひめは熟した頃合いを見て摘果しており、地域でしか販売されないため、公設市場を通して近隣のスーパーなどで販売している。昨シーズンは約1万ケースを出荷した。

(2018年12月23日付紙面より)

イチゴの大きさや形、色の確認をする桒野稔近組合長(右)と組合員ら=21日、那智勝浦町南大居
2018年12月23日
3 来年の一文字は「刻」
 御創建二千五十年終了奉告祭  (熊野本宮大社 )

 田辺市本宮町の熊野本宮大社で21日、御創建二千五十年奉祝式年大祭の締めくくりとなる終了奉告祭が執り行われた。本殿前で九鬼家隆宮司が男舞を奉奏し、一文字揮毫(きごう)では大筆で力強く「刻」と書いた。

 熊野本宮大社が旧社地大斎原へ鎮座して以来、今年で2050年を迎えた。これを記念し、1月1日から歌唱奉納、講大社祭・献詠披講式、奥三河の花祭熊野公演など奉納イベントや記念行事が催されてきた。

 奉告祭には約150人が参列。九鬼宮司が、四方を榊(さかき)の風によってはらい清め、太陽を迎える神楽「熊野」を奉奏し、地元の小学生が歌を奉納した。

 一文字揮毫は新年への願いを込め九鬼宮司が書き始め10年目。大社本殿前に敷かれた縦横2・9㍍の白い布に、長さ1・3㍍の大筆で一気に書き上げると、見守った参列者らから拍手が湧き起こった。年内は社務所前に掲げる。

 最後に朱印を押して書を仕上げた九鬼宮司は「毎年試行錯誤をするが、今年は時を刻む『刻』。明年(みょうねん)は元号も変わり、新しく時を刻んでいく。2050年も長きにわたり多くの先人が時を刻んできて今日がある。しっかりと船出を刻み、それぞれ一日一日大事な時を刻み、平穏で素晴らしい一年を迎えてほしい。刻の左はえとの『亥(い)』。来年は亥年で、刻む年になる」と話した。

(2018年12月23日付紙面より)

※ 九鬼家隆宮司の「鬼」は、「鬼」の1画目を取った字

「刻」の文字を一気に書き上げる九鬼家隆宮司=21日、田辺市の熊野本宮大社
本殿前で神楽「熊野」を奉奏
2018年12月23日
4 復興のシンボルとして
 仙人風呂がオープン  (川湯温泉 )

 田辺市本宮町の川湯温泉街を流れる大塔川の河原で22日、露天風呂「仙人風呂」がオープンした。地元園児たちが一番風呂を楽しみ、大自然の恵みを満喫した。入浴は無料で、利用時間は午前6時30分から午後10時まで。設置期間は来年2月末まで。

 例年12月1日から始まるが、今年は相次ぐ台風被害で開催も危ぶまれる中、仙人風呂実行委員会(小淵誠委員長)が台風被害からの復興シンボルとして開設することを決めた。

 冬の風物詩になっている仙人風呂は1985年から毎年設置されている。今年は例年より規模を縮小し、熊野川の支流大塔川の一部をせき止めて横幅約28㍍、奥行き約12㍍、深さ約60㌢の浴場を造成。川底から湧き出る温泉は約73度で、川の水を引き入れて40度前後に調整している。名前は、川湯温泉が昔、仙人のお告げで発見されたという言い伝えがあることと、千人が入れるぐらいの大きさがあることに由来している。

 アルカリ性単純温泉で、神経痛や筋肉痛に効果がある。約80台分の無料駐車場や男女別の簡易更衣室を設置。シャンプーやせっけんの使用は不可で、水着やタオルなどを着用して入浴する。

 今シーズンの安全と温泉街の繁栄を願う開湯式では、祐川寺の丹羽達宗住職による読経の後、小淵委員長ら関係者が湯にお神酒を注いだ。

 たんぽぽ保育園とひまわり保育園の園児ら16人が一番風呂に入り、「温かくて気持ちいい」となどと喜んでいた。

 利用者数は2006年度が最も多く10万4000人。昨年度は6万5000人だった。小淵委員長は「今回の台風では川湯温泉の全ての宿泊施設が浸水し、大きな被害を受けた。そんな中での仙人風呂の開催は非常に難しかった。まだ傷跡が残っており本来の姿ではないが、復興のシンボルとして開催します」とあいさつ。来賓の真砂充敏市長は「多くの皆さんのお力添えで復興のシンボルとして開催することができた。よみがえりの地として、元気になった川湯温泉を多くの人に見ていただきたい」とさらなる協力を呼び掛けた。

  □     □

■湯けむり灯籠も

 期間中、毎週土曜日午後8時~10時に「仙人風呂湯けむり灯籠」を実施する。周囲を灯籠で囲い幻想的な雰囲気を醸し出す。雨天中止。

(2018年12月23日付紙面より)

一番風呂を楽しむ地元の園児たち=22日、田辺市本宮町
安全祈願でお神酒を注ぐ主催者ら
2018年12月23日
5 競技通じて交流図る 小中学生ソフトテニス交流大会 
2018年12月23日
6 食の大切さを学ぶ  城南中学校で食育の授業  (新宮市 )
2018年12月23日
7 富弘美術館を囲む会が寄付  カレンダーなどの収益を贈る  
2018年12月23日
8 模擬店の売上を寄付  社協、健康まつりで募金も  (那智勝浦町 )
2018年12月23日
9 下里小、干物や缶詰作り  勝浦市場のまぐろ体験CANで  (那智勝浦町 )
2018年12月23日
10 スポーツで一体感高める  光洋中学校でクラスマッチ  (新宮市 )
2018年12月23日
11 心温まるひとときに  温泉病院でクリスマス会  (那智勝浦町 )
2018年12月23日
12 夜の楼門幻想的に 新宮市の徐福公園 
2018年12月23日
13 楽しいクリスマス会   
2018年12月18日
14 「亥」の大絵馬に掛け替え
 那智大社で迎春準備  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町の世界遺産、熊野那智大社(男成洋三宮司)で17日、宝物殿に掲げたえとの大絵馬が「戌(いぬ)」から来年の「亥(い)」に掛け替えられた。

 大絵馬は縦約3㍍、横約4㍍。男成宮司(65)が構図を考え、2週間かけて仕上げた。勢いよく走るイノシシと那智の滝、日の出が描かれている。大絵馬の前では記念撮影をする参拝客らが見られた。

 男成宮司は、自然災害が多かった今年を振り返り被災者に思いを寄せ、「来年は御代(みよ)替わりの年。残り4カ月と思うと感慨深くありますが、勢いよく突き進むイノシシの力を頂いて、さまざまな目的が達成されますように」と話した。

 那智の滝前の別宮・飛瀧(ひろう)神社では中絵馬(縦約1・2㍍、横約1・8㍍)が掛け替えられ、旅客の道中安全を願って作った小絵馬2枚(いずれも縦約0・9㍍、横約1・2㍍)はJR紀伊勝浦駅と新宮駅に贈られた。

(2018年12月18日付紙面より)

来年のえと「亥」の大絵馬が掲げられた=17日、熊野那智大社
JR紀伊勝浦駅(左)、新宮駅に掲げる小絵馬
2018年12月18日
15 再建見据え先読み型避難を
 「減災カフェ」で実用減災学  (新宮市 )

 お茶を飲みながら減災の知識を学ぶ「減災カフェ」が15日、新宮市仲之町商店街の「喫茶ロッコ」であった。同カフェ主宰の上野山巳喜彦さんが「『追い込まれ型避難』から『先読み型避難』へ」をテーマに話した。

 同カフェは災害の被害を軽減するために「過去に学び、現在を点検し、未来に備える」をモットーに、被害軽減に実際に役立つ知識である「実用減災学」の共有を目的に開いている。

 上野山さんは、『熊野年代記』によると新宮市は1600年代には激しい風雨や洪水で度々浸水被害に見舞われたと解説。1800年代にも洪水で町々を舟で通行したという記録が残っているとした。上野山さんは過去の記録から「熊野川は度々大洪水を起こす『暴れ川』。その規模は町中を舟で行き来する規模だった」と話した。

 1959(昭和34)年に日本に上陸し、甚大な被害を及ぼした伊勢湾台風を契機として61(昭和36)年に「災害対策基本法」が成立。市は激甚災害に指定され、堤防や水門などの治水施設ができたことによって床下浸水被害が激減したと説明。しかし、台風や豪雨など自然災害の強大化により、治水施設の機能を超えた水害発生の恐れが出てきたと述べた。

 上野山さんは、被害を最小限に抑えるために▽水平避難か垂直避難か、事前に避難方法を選択しておく▽自宅が浸水すると想定し、生活を再開するための最小限の衣食住に関わる物品を2階などの高い所に移す▽火災保険に自然災害特約を付帯し、被災した家を修繕や再築などするための資金を確保する―の三つの対策を提案。先読み型避難の重要性を説いた。

 水平避難か垂直避難かの選択について「合理的な判断のためのめどが必要。2015(平成27)年の水防法改正に基づき国が示した『最大想定の浸水区域図』は現実味があり有効な判断材料になる」。各避難方法の留意点を「水平避難は体がぬれることによって体温低下を起こす可能性がある。垂直避難においては、屋根に逃れたとして、救援を待つ覚悟を持つ必要がある」とした。

 上野山さんは「自分の安全を確保することは、他の人を救済する力を温存することにつながる、最も確実な社会貢献。先読み型避難で、どんな状況になろうと生活再建の希望が持てる態勢をつくって」と講演を締めくくった。

 次回の「減災カフェ」は来年2月16日(土)を予定している。

(2018年12月18日付紙面より)

スクリーンに映った資料に見入る参加者ら=15日、新宮市仲之町
2018年12月18日
16 中幼小280人が高台へ
 潮岬で合同津波避難訓練  (串本町 )

 串本町潮岬で14日、同町立潮岬中学校(堀靖典校長、生徒54人)と同町立潮岬幼稚園(南君子園長、園児26人)、同町立潮岬小学校(山本隆介校長、児童163人)の合同津波避難訓練があった。園児児童生徒と教職員は午後1時30分に大きな地震が発生した想定で津波緊急避難行動を実践。その後は体験学習にも取り組んで、日頃の防災意識を高めるなどした。

 この訓練は、『津波の影響を受けない高台に暮らしていることで薄れがちな津波緊急避難の意識をしっかりと身に付けてほしい』と願う潮岬区自主防災会(増本昌弘会長)が3校園に働き掛ける形で年2回実施。今回は6月18日に続いて2回目となる。

 最寄りの高台として潮岬測候所跡地を設定し、同防災会役員や串本警察署署員が同訓練中の交通安全を確保。園児児童生徒らは訓練開始の合図を受けて地震発生時の行動をこなし、指示を受けて津波緊急避難行動を実践した。園児児童はクラス単位で防災頭巾をかぶって移動し、生徒は全速力で率先避難を目指した。

 潮岬幼は保護者も同訓練に加わり、全体で約280人が同行動を実践した。その様子を見届けた串本警察署の本下泰孝警備課長は「災害から逃げるためにこういった訓練は大切。何をしなければならないか、どこへ逃げなければならないかを考え、後で家族と何をしておかなければならないかも話してほしい」と講評。山本校長は津波の心配がまずない潮岬にずっといるわけではないことを振り返らせ▽大きな地震があったらすぐに近くの高台に逃げる▽大丈夫ではなく念のためという気持ちで臨む▽誰かではなく自分で助かることを考える―といったことを呼び掛け、生徒にはまず自分を助けて余裕があったら周りも助けてほしいと期待を寄せた。

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避難後の活動にも関心



 体験学習の内容は▽地震体験車「ごりょう君」による体験▽串本警察署警備課のドローン撮影見学▽串本町消防本部の消防ポンプ自動車見学と煙体験▽非常食の準備と試食▽紙食器づくり―などで、園児と小学1、6年生、中学1~3年生は校園の垣根を越えた2学年組であらかじめ決められた内容を学んだ。

 体験後、役場総務課防災・防犯グループの枠谷徳彦さんが「『地震があったらすぐ避難。全速力で』を心掛けてほしい。その先に今日体験した生活がある。避難中は家族と離れるかもしれないが、自ら行動してみんなで助け合えるよう、これからも訓練を続けてほしい」と全体講評。

 堀校長は総括として、今回の体験で「想定外」を感じてもらうためなじみ深いアルファ米以外の非常食(レトルト)を準備したことを報告。「釜石の奇跡」の内容も伝え、ここぞというときに考えて行動することを期待して締めくくった。

(2018年12月18日付紙面より)

最寄りの高台を目指す潮岬中幼小の園児児童生徒ら=14日、串本町潮岬
非常食(レトルト)の炊き出しをする潮岬小6年生や潮岬中2年生
2018年12月18日
17 活動内容や備えを語る
 ボランティアの高校生らが報告  (新宮JC )

 西日本豪雨で被災した岡山県倉敷市真備町で現地視察とボランティア活動に取り組んだ高校生の活動報告会が16日、新宮市神倉の県立新宮高校であった。新宮青年会議所(新宮JC、平野貴之理事長)の事業の一環。報告会、防災出前講座、関係団体との意見交換の3部制で行われ、約50人が参加した。新宮、新翔両高校の生徒ら11人と会員7人は9月に1泊2日で岡山県を訪れている。

 開会で平野理事長は「地域社会を支える皆さまに報告し、共有して今後の防災につなげていければと報告会を開催しました」と趣旨を述べ、各地の災害に触れ、協力を求めた。

 2部の報告では生徒たちがボランティアの内容や感想を「被災地はテレビや新聞が伝えているものより悲惨だった」「人の手助けをするうれしさを知った」「今後もボランティアや支援活動を続けたい」「助け合いが素晴らしい力になると思った」「支え合って生きていくものだと感じた」などと発表した。

 今後起こりうる災害への備えや、発災時の行動について「活動に参加し、自然の力を知り、向き合わなければと思った。防災意識を強めて訓練を継続し、災害について深く考えたい」「ひとごとと思わず日頃から備えようと思った」「地域との関係づくりが大切だ」「積極的に人命救助をしたい」「命を第一に、自分に何ができるか考えたい」「自分のことができた上で人助けがしたい」などの意見を挙げた。

 出席者からの「ボランティアを受け入れる態勢づくりについて意見を聞かせてほしい」などの質問に、生徒らはそれぞれの考えを語った。

 1部は市防災対策課による出前講座で、職員は地域の防災力は自助、共助、公助の三つが合わさって初めて高まると述べた。2011年の紀伊半島大水害の写真をスライドに写しながら被害や浸水の状況、市の取り組みを紹介した。「市としても取り組みをしているが大きい災害が発生した際は皆の力が必要になる」と呼び掛けた。

 意見交換会では同市と那智勝浦町のロータリークラブ、消防団、新宮ライオンズクラブ、市消防本部などの関係者と高校生、JC会員らが災害に向け準備できることを考え、まとめて発表した。

(2018年12月18日付紙面より)

意見交換をする参加者ら=16日、新宮市神倉の県立新宮高校
2018年12月18日
18 22チームで熱戦展開
 東牟婁対決となった決勝は那智に軍配  (熊野三山小学生バレーボールフェスタ )
2018年12月18日
19 新チーム体制を発表
 皆さんの応援に対して結果で返す  (キナンサイクリングチーム )
2018年12月18日
20 近づく新年に備えて  宇久井海と森の自然塾が除草作業  (那智勝浦町 )
2018年12月18日
21 協力して良い学校を  城南中学校で制服リサイクルバザー  (新宮市 )
2018年12月18日
22 一般質問に2議員登壇  太地町議会12月定例会  
2018年12月18日
23 地域の魅力を発信  写真展で世界遺産の風景など  (新宮ユネスコ協会 )
2018年12月18日
24 優良生徒を表彰 全国そろばんコンクール (新宮商工会議所)
2018年12月18日
25 歌や劇で祝おう  クリスマス礼拝と発表会  (マリア保育園 )
2018年12月18日
26 国の外交基盤強化目的に  北米地域の学生ら来県  (那智勝浦町 )
2018年12月18日
27 効果的なストレッチ学ぶ  熊野川町山手で介護予防教室  (新宮市 )
2018年12月18日
28 音楽遊びにサンタも登場  熊野川地区おやこサロン  (新宮市 )
2018年12月18日
29 利用者と地域が交流  杉の郷で恒例の餅つき大会  (熊野川町 )
2018年12月18日
30 販売活動で地域交流  高等部が作業学習校外販売活動  (みくまの支援学校 )
2018年12月18日
31 関東新中会総会に50人  新宮高校  
2018年12月18日
32 来年のえと「亥」掲げる  有田神社の絵馬掛け替え  (串本町 )
2018年12月18日
33 園児らのクリスマス飾り  20日まで潮岬郵便局で展示  (串本町 )
2018年12月16日
34 22日に「仙人風呂」オープン
 今年は復興のシンボルに  (川湯温泉 )

 田辺市本宮町の川湯温泉街を流れる大塔川河原で22日(土)、巨大露天風呂「仙人風呂」がオープンする。例年12月1日から始まるが、今年は相次ぐ台風被害で3週間遅れた。

 川湯地区は8月の台風20号で大塔川が氾濫。旅館や民宿などが軒を連ねる温泉街で床上、床下浸水被害を受けた。その後、復旧作業が続いた。

 川の一部をせき止めて浴場にする冬の風物詩「仙人風呂」の開催も危ぶまれたが、台風被害からの復興シンボルとして開設することを決めた。

 現在はオープンに向けて作業が進められている。熊野本宮観光協会と川湯温泉街の事業者らでつくる仙人風呂実行委員会の小淵誠委員長は「復興の証しとして仙人風呂の開催を決めた。今の川湯温泉の姿を見てもらい、温泉も楽しんでほしい」と話している。

 仙人風呂は、川底から湧いている73度の源泉に、大塔川の清流を引き入れて40度前後に調整した露天風呂。

 オープン初日は午前10時からの「開湯式」で安全を祈願し、地元たんぽぽ保育園、ひまわり保育園の園児による一番風呂入浴式を行う。熊野本宮温泉郷の復興PRイベントも計画している。

 期間中、毎週土曜日午後8時~10時に「仙人風呂湯けむり灯籠」を実施する。周囲を灯籠で囲い幻想的な雰囲気を醸し出す。雨天中止。

 来年1月20日(日)には仙人風呂感謝祭として、恒例の「仙人風呂かるた大会」などを開催する。

 入浴時間は午前6時30分から午後10時まで。来年2月28日(木)まで開設する予定。入浴無料。

(2018年12月16日付紙面より)

重機で巨大風呂を掘る作業が進められた=10日、田辺市本宮町川湯の大塔川河原
2018年12月16日
35 那智の扇祭り保存会に奨励賞
 表彰式は来年1月31日  (和歌山県文化表彰 )

 和歌山県はこのほど、文化の発展向上に顕著な功績のある個人、団体に贈る平成30年度和歌山県文化表彰の受賞者を発表した。本紙エリアでは那智勝浦町の「那智の扇祭り保存会」(会長・男成洋三熊野那智大社宮司)が民俗芸能の伝承分野で文化奨励賞を受賞した。

 「那智の扇祭り」は熊野信仰を背景に、熊野大自然の恩恵に感謝し、神霊を鎮める日本一の滝の祭礼。室町以前から行われていたといわれている。

 祭りは地域の安泰や大漁・満作などを祈念し、毎年7月14日に催行される。12基の扇神輿(みこし)に神々を遷(うつ)し、同大社と那智の滝(飛瀧=ひろう=神社)との間を結ぶ御滝道に沿って渡御する。12本の大松明(たいまつ)が出迎え、扇神輿を清めることから「那智の火祭り」とも呼ばれ、全国から多くの参拝客が訪れている。

 祭りは昭和35年に県の無形民俗文化財に、平成27年には国の重要無形民俗文化財に指定された。

 祭りに伝わる行事のうち、「那智の田楽」も国の重要無形民俗文化財などに指定され、ユネスコの無形文化遺産にも認定された。

 同保存会は昭和35年に組織化され、大社を中核に周辺地域の氏子や関係団体が協力し、祭りの執行や運営を続けている。

 会長を務める男成宮司は「祭りは地域の方々や氏子さんの協力があって初めて行える。受賞はそのご努力のたまものなのでうれしい」と述べ、「今後は神様のお祭りとしてだけでなく、県や国を代表する文化財として実施していくことも大事。それが継続につながり、神様にも喜んでいただける」と語った。

 文化表彰は昭和39年から始まり、今年で55回目。今年は個人6人、1団体が受賞。最高賞にあたる「文化賞」には映画「仁義なき戦い」シリーズなどに出演し、現在も活躍を続けるかつらぎ町出身の俳優、小林稔侍さん(77)が選ばれた。表彰式は来年1月31日(木)、県庁で開かれる。

(2018年12月16日付紙面より)

那智の扇祭り=今年7月、熊野那智大社
男成洋三宮司
2018年12月16日
36 社会で好印象与えるために
 新翔高校でマナーアップセミナー  (新宮市 )

 新宮市佐野の県立新翔高校(東啓史校長)で14日、1年生129人を対象としたマナーアップセミナーがあった。和歌山信愛女子短期大学生活文化専攻主任・准教授の浅田真理子さんが「マナーについて~好印象を与えるビジネスマナー~」をテーマに話した。

 同校では毎年、1年生の時から進路を意識してもらおうと、浅田さんを講師に招いてセミナーを開いている。就職活動や進学における面接試験、就業体験を見越したビジネスマナーの向上を図る目的。

 浅田さんは、面接に行った会社のエレベーター内の行動を評価されて内定が決定した例や、面接の帰りにバスで席を譲らずにスマホでゲームをしている姿を見られたことによって不合格となった例などを紹介。「普段からの行動が大事」とマナーの重要性を説いた。

 身だしなみについて「自分の頑張りを短い時間で伝えることができる」と述べ、職業や場面にふさわしい身だしなみを心掛けるよう助言。マナー違反とは罰則などがあるわけではないが品位に欠ける行為であり、自分の心掛けでやっていかなければならないと話した。

 浅田さんはあいさつや笑顔の重要性についても説明。「笑顔だと周りの人も幸せを感じることができる。接している人に安心感を与えることもできます。笑顔やあいさつはできるだけ自分から」と呼び掛けた。生徒らは浅田さんに次いで会釈や敬礼、最敬礼を実践。お辞儀の種類や使い分けを学んだ。

 浅田さんは「高い能力やすごい資格があっても、マナーやコミュニケーションなどの面で評価されることは多い。自分の評価を落とさないために、日常生活からできることを一生懸命頑張ってください」と生徒らを励ました。

(2018年12月16日付紙面より)

お辞儀の練習をする生徒ら=14日、県立新翔高校
浅田真理子さん
2018年12月16日
37 新宮の歴史に触れる
 初の遺跡探検で子どもたち  

 新宮市教育委員会と和歌山県文化財センターは15日、同市下本町の旧丹鶴小学校敷地で「子ども遺跡探検」を開催した。小学1年生から中学3年生33人とその保護者らが、遺跡の見学や出土した土器に触れるなどして新宮の歴史を学んだ。

 子どもたちに遺跡の存在を知って、考古学に親しんでもらおうと初めて実施した。地域の歴史と文化に興味を持ってもらう狙いもある。

 文化複合施設建設のため、市は県文化財センターに委託して2015年から発掘調査を進めている。これまでの調査では江戸時代の武家屋敷境の石垣や、道路跡の一部などが見つかっている。

 今回の会場となったのは第2次調査箇所の新宮城跡西側の同敷地内約3500平方㍍。遺構は平安時代末~室町時代の半地下式倉庫跡や弥生時代の竪穴建物跡など、遺物は東海地方などの土器や陶磁器、中国や朝鮮の白磁などが出土している。

 催しでは市教委文化振興課の小林高太主任から発掘調査や遺跡について説明を受けた子どもたちが、小林さんと県文化財センターの村田弘さんらとともに遺構を見学して回った。熱心にメモを取ったり質問したりしながら理解を深めていた。熊野学研究委員会委員の中瀬古友夫さんと坊信次さんも参加した。

 子どもたちに村田さんは「たくさん来てくれてすごくうれしかった。考古学は宝探しのイメージがあると思うけれど、出土したものを分析し、当時のいろいろなことを解明していく学問。宝探しだけでなく、集めて、調べることも合わせて覚えてほしい」と呼び掛けた。

 父と、弟の智弘君(9)と参加した西彩名さん(13)は「いろんな土器があると分かった。遺跡を見るのも初めてで、来られて良かった」。北村厚樹君(11)は「歴史に触れてみたくて参加した。いろんな時代の建物跡や土器を見て、とてもすごいと思った」と話していた。

 この日は午後から一般対象の現地説明会があった。

(2018年12月16日付紙面より)

遺跡を見学し説明を受ける参加者ら=15日、新宮市下本町の旧丹鶴小学校敷地内
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