熊野川中学校で防災授業 (国交省 )
国土交通省近畿地方整備局紀南河川国道事務所は28日、新宮市熊野川町日足の市立熊野川中学校(吉田元紀校長、生徒28人)で「大雨が降ったときに身を守る行動を考えよう!」をテーマに防災授業を実施した。生徒らは大型の台風が近づいているときの行動を考え、まとめて発表した。
昨年に続き2回目の取り組みで、今回は保護者や地域住民らが見学に訪れた。同事務所調査課の吉田達也・地域防災調整官が平成30年7月豪雨の雨量や水位の急上昇が起こる理由、それに伴い発生した洪水や土砂災害、紀伊半島大水害時の台風の進路図や雨量などを説明。生徒たちは大型で非常に強い台風が接近しているとの想定で避難する場所、誰と避難するか、避難所に持っていくもの、日常から取り組めることなどを班ごとに考えて発表した。
吉田調整官は「事前に家族や近所で話をしておくだけでも違う。イメージを働かせて考えておいてほしい。普段からできることは、避難場所を知り、歩いてみること。いざというときには自信を持って行動することが命を守るために大事」と締めくくった。
授業を終え「近畿地方整備局管内でも地区、生徒の防災意識が高い。授業は2回目だが台風が来たときの行動が身に付いていて、より意識の浸透が図れていると感じた」と語った。
垣本翼君(2年)は「できる限り高い所に逃げた方がいいと思った。他の班の意見を聞き気付くこともありいいと思った」。奥田将史君(同)は「今年は大きめの台風が来たが事前に備えていたので、家族の誰もけがをしなかった。授業を受けて、災害はどこで起こるか分からないと実感しました」と感想。
授業を見学した西敷屋自主防災会の倉谷修二会長(70)は「防災についての考えがだいぶ浸透していると感じた。今回のことを地域に持ち帰り、参考にして話し合いたい。個人個人がどうすればいいかを考えてもらおうと思います」。
吉田校長は「防災は地域の中ですごく大事なキーワード。日頃から自分のこととして考えるきっかけになれば。地域の方々が来てくれたことで、地域全体で防災を考える機会になれば」と話していた。
(2018年11月30日付紙面より)
画家・田村茂さんが寄贈 (新宮市 )
田辺市出身で大阪府阪南市在住の画家、田村茂さん(71)が28日、新宮市にゆかりのある平忠度(たいらのただのり)を表現した絵画と能面を同市に寄贈した。
田村さんの本業は建築デザイナー。忠度の勇壮さにほれ込み、足跡をたどったところ、新宮市熊野川町音川地区が生誕の地と知り、同市への寄贈を決めた。
絵画は、能の演目「忠度」での、旅僧が桜の木陰で寝入っていると夢の中に忠度の亡霊が現れる一幕を描いたアクリル画(縦65㌢、横53㌢)。背景には三日月と桜の花びらを散りばめ、忠度への思いを込めた。
能面はヒノキを用い1カ月かけて制作。見る角度を変えることで、忠度の喜怒哀楽の表情が浮かび上がるという。
「忠度や平清盛の故郷を巡った。自分の思いが伝わり嬉しく思う。忠度生誕の地に飾ってほしかった」と話す田村さん。これまで手掛けた絵画は寺院などに全て寄贈してきた。2012年に熊野本宮大社へ「六歌仙」の絵を奉納、14年には台湾に15点の能画を寄贈した。
市役所応接室で寄贈を受けた田岡実千年市長は、毎年熊野川町で「忠度まつり」が開かれていることを伝え、「就任して9年になるが初めて能面の寄贈を頂いた。多くの市民の方々に見てもらえる場所に飾りたい」と話していた。
平忠度(1144~84年)は音川地区出身とされている、平清盛の末弟。武将としてだけでなく歌人としても優れていたと伝わっていて、「行(ゆ)き暮れて木(こ)の下かげを宿とせば花や今宵(こよい)のあるじならまし」の辞世の句を残している。
(2018年11月30日付紙面より)
水中クリスマスツリー設置 (串本ダイビング事業組合 )
串本ダイビング事業組合(小松誠司会長、会員22店舗)が28日、ダイビングポイント・備前の海底に「水中クリスマスツリー」を設置した。
平成23年紀伊半島大水害以降の自粛機運で低迷する同事業に再び弾みをつけるため、顧客と会員が共にダイビングに対し意欲的になれるきっかけとして始めた取り組みの一つ。8回目となる今年もより多くのダイバーに串本を知ってもらい、町全体を盛り上げることを目指して準備を進めてきた。
この日は同組合関係のダイバー8人が、あらかじめ飾り付けた高さ約3㍍のクリスマスツリーを持って袋港を出港。備前の水深約18㍍の海底に同ツリーを固定し、アピール用の写真を得るためサンタクロースの衣装を着たスタッフらで同ツリーを囲みながら記念撮影をして作業を終えた。
設置期間は12月25日(火)までを予定。
(2018年11月30日付紙面より)
県警察現場鑑識競技会、県警察剣道大会
2日に和歌山市の鑑識科学センターで開催された「第22回和歌山県警察現場鑑識競技会」で新宮警察署の生活安全刑事課鑑識係の山本和貴巡査長(26)と同課ストーカー・配偶者暴力対策・生活安全捜査係の前田眞輝巡査長(26)のチームが3位の好成績を収めた。また、6日に県立体育館であった「平成30年度和歌山県警察柔道・剣道大会」では女子剣道個人試合で同署警備課の池宮慧さん(26)が2位入賞の快挙を遂げた。
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県内14署の署員が参加して開かれた鑑識競技会では、窓が割られた車内からかばんが盗まれているという事件を想定。30分の制限時間内での作業の手順や効率、基本動作など総合的に評価された。
今年、山本・前田チームは2年ぶり2回目の挑戦。前回は制限時間内に終了させることができなかったが、見事おととしの雪辱を果たし、新宮署としても4年ぶりの入賞を果たした。前田巡査長は「普段現場でやっていることを徹底してやっていこうと作戦会議をしました。それが功を奏したのでは」。山本巡査長は「今後の自分が業務に当たっていく中でも励みになると思います」と話していた。
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県内14署と県警本部の署員らが参加した県警察柔道・剣道大会は毎年1回、技術の向上などを目的に実施している。池宮さんは今年4月に新宮署に赴任。父親が指導者だったことも影響し、小学校1年生から剣道を始めた。同大会では過去にも1位や2位の好成績を収めている。
現在、警察官の稽古の一環で剣道に取り組み、女性署員の指導にも当たる池宮さん。今まで指導してくれた人や関係者に感謝の気持ちを述べ「女性警察官が増えてきた中で、日頃から剣道を通して少しでも強い精神力を養ってくれたらと思い稽古をしています。その結果が付いてきただけだと思います」と謙遜しながらも笑顔を見せた。
(2018年11月30日付紙面より)
もみじ会11月月例杯
JA共済旗学童軟式野球大会
はまゆうカップ開催 (新宮市 )
県新人大会で全部員が近畿出場権獲得 (新宮高校空手道部 )
民生委員児童委員協が研修会 (新宮市 )
新宮市民生委員児童委員協議会(福田行男会長)は27日、市福祉センターで研修会を開いた。参加した約40人の委員を前に、和歌山県民生委員児童委員協議会の松下明会長が「民生委員児童委員の活動しやすい環境づくりに向けて」をテーマに話した。
松下会長は昨年、民生委員制度創設100周年記念事業として全民生委員、児童委員、民生委員児童委員協議会を対象に実施された「全国モニター調査」の結果から、民生・児童委員の現状や今後の課題などについて説明した。
「社会的孤立状態にある世帯への支援に関する調査」の結果から、「ゴミ屋敷問題」の3分の2は気付かれておらず、深刻化しているとした。「親の年金頼みで子が無職」のケースでは、子は親と同居していると思われがちだが、経済的には親の年金を頼っているが世帯は別であるケースも一定数あることが分かった。
松下会長は「多くの当事者は自らSOSを発しない。状況を認識できていない可能性に加え、SOSを発する意思や意欲が低い状態にある可能性もある」。民生委員が社会的孤立状態にある人を把握する機能を果たしているとしながらも「民生委員だけでは限界があり、かかる負担も大きい。今後はこれまで以上に地域や行政、関係機関などと協力し合い関わっていくことが必要」と述べた。
「民生委員・児童委員の活動および意識に関する調査」からは若年層委員が少数となっていること、全体の6割近くの委員が2期までに辞めてしまうことなどを報告。「いい伝統を伝えていくのが難しい状況」とした。意識調査からは「住民のプライバシーにどこまで踏み込んでいいのか戸惑う」などの回答があったと話し「個人情報を提供してくれないという話をよく聞く。地域の実情を把握することによって、私たちが情報を発していく立場にあるのではないか」と持論を述べ、個人情報の取り扱いについて注意喚起した。
松下会長はやりがいと負担感は表裏一体であり、解決はできなくても寄り添うことが大切と話し「お互いに尊重し合いながら、民生活動をより一層高めていただきたい」と研修を締めくくった。
(2018年11月29日付紙面より)
太地中でPTA防災学習 (太地町 )
太地町立太地中学校(城谷真司校長)で27日、初の「太地町PTA防災学習」があった。太地小・中PTA(岩口敦会長)が企画し、小・中学校や町、同町赤十字奉仕団(和田千明代表)が協力して開催。児童・生徒83人らは災害時の避難生活に必要な知識や技術を学び、防災意識を高めた。
同学習は参加者全員が防災について考え、行動し学ぶことで発生が予想される災害に備えることが目的で実施された。
生徒らは各学年に分かれて行動。▽1年生は体育館で避難時に個々の生活空間を確保するパーテーション設営▽2年生は調理室でアルファ米を調理し、パック詰め▽3年生は屋外でロケットストーブを使用した炊き出しとおにぎり作り―を学んだ。
中学校に到着した太地小学校(宮本礼子校長)の4~6年生児童に対し、生徒らがパーテーションの設営方法やその重要性を教えた。昼食は各班に分かれ、パーテーションの中で出来上がったおにぎりやアルファ米、PTAが作ったみそ汁を試食した。
鳥居亮汰君(太地中3)は「まきで米を炊いたのは初めて。勉強になった。災害時に生かせたら良いと思う」と述べ、神谷利空(りく)君(同)は「訓練をやってみて、災害時は素早い状況判断や自分から率先して行動することが大事だと改めて感じた」とコメント。田中椋智(りょうと)君(太地小6)は「パーテーション作りは避難したときにすごく役に立つと知った。炊き出しのご飯もおいしかった」と話した。
岩口会長は「訓練を通して個々のスキルアップにつながればうれしい。町は高齢者も多いので、災害時は子どもたちの力も重要になってくるはず。訓練では失敗しても構わないので、今後も継続していきたい」と語った。
その後は簡易スリッパ作りや片付け、町職員からの講評があった。
(2018年11月29日付紙面より)
大島小「島っ子フェスタ」 (串本町 )
串本町立大島小学校(布引伸幸校長、児童35人)が23日、同校体育館で「島っ子フェスタ」を開いた。家族や地域住民も来場して鑑賞する中、児童は準備や練習を重ねてきた舞台発表に臨んだ。
このフェスタは学習発表会に相当する公開行事で、テーマは「いきいきとつたえよう!自分たちの思い・学びを!」。開会に当たり鈴木琉生君(6年)があいさつをして来場を歓迎し、児童全員で駐日トルコ共和国大使館のハサン・ムラット・メルジャン大使から贈られた民族衣装を着てトルコ舞踊「ダーマット・ハライ」を踊って華やかに開演を飾った。
今年のクラス発表の内容は▽劇「十二支の始まり」4・5年生▽発表「海のかくれんぼ」1年生▽歌と劇「三年とうげ」2・3年生▽発表劇「大島の魅力発見」6年生―の四つ。館内の隅々にまで響き渡るしっかりとした声で発表し、観客は拍手を送って頑張りをたたえた。
クラス発表後は、歌『ハナミズキ』『もみじ』を児童一丸で合唱。世代を超えて親しまれている『もみじ』は、観客にも参加を呼び掛け全員で歌声を響かせた。
全ての発表を終え、布引校長は「練習の時に比べて今日の発表は格段に違い、舞台から観客に思いを伝えようという気持ちが感じられた」とたたえて、各クラスの発表を講評。この行事が学習発表会ではなく「島っ子フェスタ」と呼ばれているのは、児童の発表で大島全体が祭りのように盛り上がってほしいという先人の思いが込められているからだと振り返り、これからも大島の文化の一つとして同フェスタを続けていきたいと述べて締めくくった。
会場後方では児童全員の絵画や6年生の発表劇を形作った内容をまとめた壁新聞が展示され、休憩時などに鑑賞を集めた。
(2018年11月29日付紙面より)
下里小児童が熊野古道を散策 (那智勝浦町 )
那智勝浦町立下里小学校(岡史博校長)で27日、県世界遺産センターによる熊野古道学習があった。5、6年生31人が世界遺産の基礎知識や考え方、触れ方を学んだ。座学のあとは同町那智山の熊野古道、大門坂などを歩き、熊野三山や参詣道への理解を深めた。
世界遺産は、建築物や遺跡などの文化遺産、地形や生物、景観などの自然遺産、その両方を兼ね備える複合遺産に大別される。「紀伊山地の霊場と参詣道」は、文化遺産でありながら、紀伊山地の自然がなければ成立しなかった霊場と参詣道、それらを取り巻く文化的景観を主に評価された。
古道歩きでは、南紀熊野ジオパークガイドの会の会長で県世界遺産マスターの上野一夫さんらが、児童らに世界遺産としての全体像を知ってもらおうと、歴史や文化の説明だけでなく、那智山の自然環境や火山活動による地層についても話した。
大門坂の石畳に使われている石には、砂の生物「ゴカイ」などの生痕化石(生物の生活の証拠を残したもの)が見られることから、太古は海であったこと、昔の人が石に残した落書きなどを紹介。児童らは化石を見つけながら古道を歩き、青岸渡寺、熊野那智大社などを巡った。
(2018年11月29日付紙面より)
新宮市民スポーツ祭典バレー競技
三重県高校新人卓球大会で3位 (紀南高校 )
県中学校新人卓球大会 ( )
城南中、王子ヶ浜小と王子幼が合同で (新宮市 )
新宮市立城南中学校(中田善夫校長、生徒179人)、王子ヶ浜小学校と王子幼稚園(山本眞也校長・園長、児童355人、園児21人)は26日、合同避難訓練を実施した。幼稚園の参加は初。地震発生の放送を聞いた園児と児童、生徒らは身を守る行動をとった後、高台を目指して避難路を駆け上がった。
東日本大震災と同規模の地震による家屋倒壊の危険性と津波を想定し、児童生徒が安全かつ迅速に避難できるようにと取り組んだ。幼小中が合同で訓練を行う姿から校区の防災意識の高揚を図る狙いもある。
小学生は建物の倒壊の恐れがある場合や校外活動中に被災した場合、柔軟に判断し、より高い所へ逃げるという危機意識を養う目的。中学2年生が小学1年生の、中学3年生が幼稚園児の避難を補助した。
震度6強の地震を想定し、揺れから身を守る行動を取った児童生徒らはそれぞれ避難を開始した。中学2、3年生は王子ヶ浜小付近での校外学習中に地震が起こったという設定で、園児や児童と合流。東仙寺を通り、海抜17・7㍍の近畿大学附属新宮高校・中学校のグラウンドへ避難した。
訓練には新宮警察署、新宮消防署、市役所、保護者、地域住民やボランティアなどが協力した。集合した子どもたちを前に市防災対策課の北和敬さんは「みんな先生の言うことをよく聞いてちゃんと避難できていたと思う。危ないところもあったと思うが、落ち着いて避難してください」と呼び掛けた。
山本校長は東京大学特任教授の片田敏孝さんの言葉を紹介し「津波が起こっても怖がることはない、することはただ一つ。ただただ逃げること。それにつきる。自分の命は自分で守りましょう」と訴えた。
中田校長は「幼稚園、小学校、中学校が合同では初の訓練。真剣に取り組んでいたと思います。実際に災害が起こった際も落ち着いて行動できれば」と話し、地域の協力に感謝していた。
(2018年11月28日付紙面より)
丸正酢、勝浦魚市場など (那智勝浦町 )
世界一の若手料理人を決める国際料理コンクール「サンペレグリノ・ヤングシェフ2018」で優勝した藤尾康浩さん(30)は25日、和歌山県の協力で那智勝浦町天満の丸正酢醸造元を訪れ、昔ながらの酢作りの製法を見学した。
コンクールは世界的な食品・飲料会社ネスレのイタリアにあるグループ会社が主催して開いている。県はしょうゆや酢、梅、サンショなど特産品のPRに力を入れていることから、若い料理人を生産現場に案内し、生産者との交流を支援。海外からの招へいの機会に、県産食材の魅力を世界に発信するのが目的。藤尾さんは和歌山のアユを使った料理で優勝した。
丸正酢では代表の小坂晴次さんらが出迎えた。小坂さんは1879(明治12)年の創業以来139年にわたって変わらない伝統の古式醸造について丁寧に説明。藤尾さんは、常に16度の伏流水が湧き出る井戸、熊野杉や竹で作った巨大な「こもかむり木桶(きおけ)」が並んだ仕込み蔵などを見て回った。
井戸から引いた水を試飲した藤尾さんは「軟らかくて温かい」と感心し、「日本の伝統的な調味料の作り方を見たくて視察を希望しました。建物に入った時の香りが印象的でした」と話した。
26日は、同町築地の勝浦地方卸売市場を訪れ、マグロの競りなどを見学。県漁業協同組合連合会の職員から水産資源にやさしい漁法、はえ縄漁について説明を受けた。
(2018年11月28日付紙面より)
新宮市熊野川町
新宮市熊野川町を流れる和田川沿いで季節外れのサクラが開花している=写真。
秋に咲くサクラはこれまでにも見かけたことがあるが、今年は特に多い。原因は日本を襲った台風24号などの強風や塩害で葉を落としてしまい、サクラの花芽に成長を抑制するホルモンが送られないからだという。
周囲は赤や黄色の紅葉に包まれており、その中に咲くサクラの花。少し違和感があるがそれもまた風情であり、美しい。
(2018年11月28日付紙面より)
尾﨑酒造で初搾り (新宮市 )
熊野地方唯一の地酒メーカー、新宮市船町の尾﨑酒造株式会社(尾﨑征朗社長)で新酒の仕込み作業が本格化している。来年4月中旬までに一升瓶で約10万本造る予定で、正月用の太平洋しぼりたて生原酒、大吟醸、純米酒など約30種の銘柄になる。
紀伊半島の和歌山県田辺市以南から三重県松阪市周辺までの間で唯一、本州最南端の蔵元。6代目の尾﨑社長(74)が「地元の皆さんにかわいがってもらえるお酒を」と1880(明治13)年から140年近く伝統を守っている。熊野川の伏流水の井戸水を使用するなど、地元「熊野」にこだわった酒造りを続けている。
先月25日から仕込みを始め、杜氏(とうじ)を務める小林武司さん(44)らが、タンクに入ったもろみを櫂(かい)でかき混ぜる“櫂入れ作業”などに取り組んでいる。26日は初搾りが行われた。出来上がったもろみを機械に入れ、酒かすと清酒に分離。清酒を利き猪口(ぢょこ)にすくい、色や不純物の有無などの品質を確認した。小林さんは「今年もちゃんとおいしくできておりほっとしています」。新酒は「太平洋」の搾りたて生原酒として12月中旬に店頭に並ぶ予定。
同社の『本醸造太平洋』は今年5月、「ワイングラスでおいしい日本酒アワード2018」のメイン部門で2年連続の最高金賞を受賞している。小林さんは「少し甘口で女性にも飲みやすく造っています。ぜひ楽しんでください」と話していた。
(2018年11月28日付紙面より)
少林寺拳法南紀熊野スポ少演武発表会
高校選手権では近畿出場権獲得
新宮JC杯中学新人サッカー大会
和歌山県知事選、仁坂さんが大差で4選 (畑中さん「主張浸透至らず」 )
任期満了に伴う和歌山県知事選の投開票が25日にあり、24万6303票を獲得した現職の仁坂吉伸さん(68)が6万1064票だった新人の畑中正好さん(66)を抑えて4回目の当選を果たした。当日の有権者数は81万6227人で、投票者数は31万2863人。投票率は38・33%で前回を1・32ポイント下回り、過去3番目の低さだった。
仁坂さんは自民、国民民主、公明、社民などの各党県組織をはじめ約200団体から推薦を受けた。3期12年のこれまでの県政の成果などを挙げて「県の発展の準備は整ってきた。皆さんと力と知恵を合わせて頑張らなければならない」などと支援を求めてきた。
当選の知らせを受け、仁坂さんは「期待に応えられるよう一層の情報収集をし、人の意見に耳を傾け、研さんを積んで、工夫をして、和歌山県を元気な県にしていきたい」と決意を語った。
畑中さんは共産党の推薦を受け、カジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致反対、産業企業の支援や福祉の充実などを掲げてきたが、及ばなかった。「手応えを感じていたが、十分に私たちの主張を浸透させることに至らなかった」と敗戦の弁を述べた。
新宮市の投票率は前回を3・43ポイント下回る41・71%。東牟婁郡の投票率は1・5ポイント低く50・60%だった。
(2018年11月27日付紙面より)
和大南紀熊野サテライト
和歌山大学南紀熊野サテライトによる学部開放科目「熊野郷土学D~郷土学からの地域振興~」の第3回講義が24日、新宮市大橋通の新宮信用金庫であった。
郷土学Dは、地域が持つ生活史や環境から地域の人々の生活を学び、まちの魅力を生かした次世代の観光、防災のまちづくりのあり方を持続可能の観点から考える科目。観光ガイドや自治体職員ら10人が受講した。毎回講師とテーマを変えて、来年1月26日(土)まで全6回の講義を開く。
今回は「過去から知る災害とこれからのまちづくり」と題し、同大学教育学部の此松昌彦教授、和歌山県立博物館の前田正明さん、日本総合研究所の藻谷浩介さんが講師を務めた。
同大学災害科学教育研究センター長を兼務する此松教授は、「東日本大震災の被災地では、まだ仮設住宅で暮らす人もいる。南海トラフ地震の発生が心配される和歌山県では復興計画事前策定を進めている」。土砂災害を意識して造った棚田や紀伊半島の地形を写真と地図で紹介した。
南海トラフ地震が周期的に発生していることをデータで示し、「熊野地方は雨が多く、山では山津波などの土砂災害、川では洪水や氾濫、海岸では津波がある」と述べた。
前田さんは「南海トラフ地震は100~150年周期で起きるため、災害は必ず忘れてしまう。過去から学び、学んだことを今風にアレンジする必要がある。その方法として古文書を現代文に書き換え、未来に伝える手助けをしている」。県沿岸部で集めた史料を基に石碑や絵図、位牌、棟札などから災害を記録化した過程を解説した。
藻谷さんは、日本の観測史上最大の地震「東日本大震災」について「死者、行方不明者は2万2000人。津波以外で亡くなった人は約170人だった」。耐震化が進んでいた結果だとし、三陸の教訓に学ぶ事前復興を講義した。
(2018年11月27日付紙面より)
神事や催しに来場者多数 (那智勝浦町 )
加寿地蔵尊(かすじぞうそん)世話人会(中田勝康代表)とふるさと共会(大坂憲久代表)は24日、那智勝浦町の熊野古道大辺路・駿田(するだ)峠の加寿地蔵尊(同町湯川笹ノ子)で「熊野姫まつり」を開催した。多くの来場者らが加寿地蔵尊に祈りをささげたほか、豊富な催しを楽しんだ。
加寿地蔵尊は、千年前に熊野詣での途中、駿田峠で命を落としたといわれる姫が祭られている。これまで秋の大祭として営まれていた祭りは、姫の伝承にちなんだ短編映画「熊野古道加寿姫」の作成をきっかけに熊野姫まつりとして実施されるようになり、今回で8回目を迎える。
奈良県にある金峯山寺の富岡秀清さんのほら貝の合図で平安時代行列が出発し、神事が行われた。行列参加者だけでなく、来場者らも手を合わせ参拝した。
来賓の堀順一郎町長の祝辞後、特設ステージでは姫組+1、チーム雅龍、江戸芸かっぽれ勝浦芳紀会、藤紀流家元の藤紀実美さんらが踊りを披露。演歌歌手の小芝陽子さん、神穣ひろしさんの歌やしの笛と琴の演奏もあり、会場を盛り上げた。
会場内の飲食や物産販売ブースは盛況で、千本突きの餅やマグロのかぶと焼き、綿菓子が振る舞われた。最後は当たり付きの餅まきで締めくくられた。
大坂代表は「無事に開催できたので良かった。今後は古道の整備やこの場所を地域振興のためのパワースポットにしたいと思う」とコメント。中田代表は「祭りは約千年もの間、地元の方々が支えてきたといわれている。熊野姫まつりとなってからは毎回、参拝者や踊りなどを奉納してくれる団体も増えた。これを機に加寿地蔵尊に足を運んでいただけたら」と語った。
同町宇久井在住の和田佐枝子さんは「初めて来たが良い祭りだった。こんな近くに歴史的な場所があるとは知らなかった。機会があればまた来たい」と語った。
(2018年11月27日付紙面より)
移動経路の追跡調査開始 (串本海中公園 )
串本町有田にある串本海中公園センター水族館(森美枝館長)が25日、衛星追跡システム(アルゴスシステム)の発信機と標識を付けたアカウミガメの館内繁殖個体2匹を放流し、移動経路の追跡調査を始めた。
同館の飼育環境で生まれたアカウミガメの放流後の移動を同システムで追跡し、問題なく自然環境になじんでいるか、また野生個体と比較して行動に違いがあるかを調べるのが目的。同館がこの手法で調査を行うのは12年前に発信機付きの親ガメ(=成体)を放流して以来だという。
今回は現在館内で開いている特別展示「アーケロンプロジェクト」の一環として実施。この日は背甲に発信機、後ろ脚に標識を付けたふ化後2年がたち体長約40㌢まで育った館内繁殖個体2匹と、標識だけ付けたふ化後1~2年の同個体6匹を準備して放流会を開き、事前に申し込んだ一般24人の手を借りて同館前の磯場から海へ放した。
職員の吉田徹さんは、同館でも長年取り組んでいる標識を付けた放流は陸に上陸しているところを人が見つけて報告したときに位置情報が得られるが、発信機は個体が呼吸のため海面に出るたびに衛星が電波をキャッチして位置情報が記録されるので移動経路を忠実に把握しやすいと説明。
発信機自体は1年以上電波を発信し続けることができ、バッテリーが尽きた後は自然脱落するよう樹脂で接着している。自然環境でふ化後2年がたった野生個体は太平洋を大回遊する時期に当たり、今回の追跡調査では繁殖個体もこの流れに乗るかどうかが大きなポイント。自然環境には捕食などのリスクもあるが最長1年の追跡調査ができることを期待しながら目的達成を目指すという。
この調査の進捗(しんちょく)は、同プロジェクトの会場としている館内Bゾーンに地図を掲げて位置情報を適時マーキングする形で来館者にも示すそうで、近日中に始めるという。同プロジェクト関係では今回に加え、来年4月ごろに2回目の発信機付きウミガメの放流も予定している。
(2018年11月27日付紙面より)
新宮市民スポ祭硬式テニス
全日本U―12サッカー和歌山大会 (新宮SSS )
和歌山県知事選
11月25日22時56分確定
当落 | 得票数 | 候補者名 | 年齢 | 党派 | 現元新 |
---|---|---|---|---|---|
当 | 246,303 | 仁坂 吉伸 | 68 | 無 | 現 |
61,064 | 畑中 正好 | 66 | 無 | 新 |
当日有権者数 816,227人
投票者数 312,863人
無効投票数 5,495票
投票率 38.33%
新嘗祭・献穀講祭 (熊野那智大社 )
那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)は23日、「新嘗祭(にいなめさい)・献穀講祭(けんこくこうさい)」を営んだ。
新嘗祭は古くから伝わる宮中儀式の一つで、天皇陛下がその年にとれた五穀を神々に供え、自身も食して収穫を感謝される。
同大社でも神前に新しい穀物などをささげ、農作物の恵みに感謝した。同大社責任役員や町内の農家からなる献穀講員ら約40人が参列し、五穀豊穣を祈った。
大祭は同大社拝殿で営まれた。神殿の御扉が開かれ、男成宮司が祝詞を奏上。雅楽が流れる中、正装の2人のみこが「浦安の舞」を奉納した。献穀講代表の掛橋廣行さんらが玉串をささげ、訪れた観光客も厳かな神事を見守っていた。
(2018年11月25日付紙面より)
鵜殿、神内地区で例大祭 (紀宝町 )
紀宝町鵜殿の烏止野(うどの)神社と神内の神内神社で23日、例大祭が営まれた。
鵜殿地区は例大祭に合わせ「うどのまつり」が開かれ、子どもから大人までが参加し、地区全体がまつり一色に包まれた。
このまつりは旧鵜殿村時代から続く伝統的なもので、朝から鵜殿ばやしの手踊り一行とだんじりが町内を練り歩き、各所で餅ほりが繰り広げられた。
町内を回った午後からは、みこしが烏止野神社を出発。女性みこしも登場し、男性顔負けの威勢のいい声が飛び交った。
神内神社では厳かに神事が執り行われ、神内小学校6年の増田あおいさん(12)と山門優奈さん(12)が浦安の舞を奉納した。
神事が終わると、子どもらがみこしを担ぎ、山車を引いて地区内を巡った。神社に到着後は餅まきがあり、にぎわいを見せた。
(2018年11月25日付紙面より)
杉の郷えぼし寮で「えぼし祭」 (新宮市 )
新宮市高田の障害児者支援施設杉の郷えぼし寮(上路拓司施設長)は23日、恒例の「えぼし祭」を開いた。利用者や地域住民ら多くの人が訪れ、ステージや模擬店などでにぎわった。
会場には焼きそば、たこ焼き、フランクフルト、ぜんざいなどの模擬店や喫茶、バザーが並び、利用者が日頃製作している製品が展示された。
屋外ステージでは高芝の獅子舞保存会、ハラウフラリリィレア、アフリカンダンス、お楽しみステージ「好きです!TAKATA」、歌手の小芝陽子さんらが踊りやライブを披露し、盛り上がった。豪華景品が当たる福引抽選会もあり、当選番号が読み上げられるたびに会場から拍手や歓声が上がった。
開会で上路施設長が「えぼし寮が高田の地で開設して今年で22年。多くの方々の協力に感謝しています。短い時間ですが皆さんに楽しんでもらい、交流の輪を広げてもらえればと思います」とあいさつ。「天候にも恵まれ、たくさんの人に足を運んでいただきありがたく思います。地域の皆さんの支えがあってこその祭り。これからも助け合いながら一体となって盛り上げていければ」と話していた。
(2018年11月25日付紙面より)
ゆかし潟祭りが初開催 (那智勝浦町 )
ゆかし潟祭り実行委員会(実行委員長・濵﨑信雅湯川区長)は23日、「ハートの形の汽水湖 ゆかし潟祭り」を那智勝浦町湯川のCafeきよもん周辺で開催した。豊富な催しや各種団体のステージ、飲食や雑貨などの店が並び、会場は多くの来場者でにぎわった。「ゆかし潟一周スタンプウオーク」では地元の名所の良さを再認識する参加者の姿が見られた。
環境省から日本重要湿地として認定され、ジオパークとしても注目を浴びる同湖の周知と町の活性化が祭りの目的。
大林幸子副実行委員長は「今日は素晴らしいハート形の汽水湖であるゆかし潟の景色を楽しんでください。第1回の開催、元気出していきましょう」と開会宣言。来場者らは湖や周辺の自然を堪能しながら歩き、温泉を使ったおかゆやコーヒー、ゆで卵の振る舞いに舌鼓を打った。
濵﨑実行委員長は準備や開催に尽力した関係者に感謝を述べ、「皆さんのお時間が許す限り、ステージをお楽しみください」とあいさつ。来賓の堀順一郎町長も祭りの開催を祝った。
ステージでは、グリーンコーラスやフラハプナ、タカシとヨーイチ、泉富夫さんらが歌やダンスで会場を盛り上げた。演歌歌手・小芝陽子さんやオルガン奏者の升井勝之さんのパフォーマンスが披露され、大きな拍手が送られた。自由参加の踊りもあった。
同湖で調査を行う県立自然博物館学芸課長の平嶋健太郎さんは「ここには希少生物が数多くいる。その存在を皆さま方に覚えていただけたらうれしい」と語った。
和歌山市から訪れた北野重夫さん(71)は「ゆかし潟をゆっくり見て回れたので良かった」と述べ、妻の久美子さん(70)は「きよもんの湯が好きでよく来ている。今日も入浴して帰る」と話した。孫の齋藤匠君(8)は「水がきれいだった。楽しかったのでまた来たい」とコメントし、光君(5)は「好きな鳥がいてかわいかった」と笑顔で語った。
(2018年11月25日付紙面より)
男女年代別順位
和歌山県中学校バレーボール新人大会
熊野川濁水治水対策特別委 (新宮市 )
新宮市議会の熊野川濁水・治水関連対策特別委員会(前田賢一委員長、8人)が22日、市役所第2委員会室であった。
屋敷満雄議長が委員会に提出した河川法の改正を求める意見書案を一部修正し、12月議会に諮ることを決めた。
「水利権更新(流水の占用許可)の際には関係地元自治体の同意を必要とすることを河川法に明記するよう、強く要望する」などといった意見案で、議会の承認が得られると衆参両院議長、内閣総理大臣、国土交通大臣、経済産業大臣に提出する。
近隣の紀宝町と共に提出する予定で、関係自治体にも協力を求める。前田委員長は「池原ダムの水利権更新が最後のチャンスになる」と述べた。
山腹崩壊を議題とし、前田委員長が山腹崩壊復旧箇所の現地視察(10月15日)や、電源開発との意見交換(11月7日)の内容を報告した。
意見交換では「十津川第二発電所の発電容量を池原ダムなど他の管内施設に転用することで同発電所を閉鎖し、二津野ダムは堆砂対策をした後、治水専用として運用することが熊野川の濁水・治水軽減の根本的な問題解決である」などと主張した。
現地視察に参加した榎本鉄也委員は、二津野ダム湖の堆積土砂を懸念し、濁水、洪水対策を求めた。
前田委員長は「紀伊半島大水害から7年たっていまだに河川整備基本方針が立っていない」と指摘。「ダム空き量を確保するのか、河川対策をするのか具体的な対策を求めないといけない」と示した。
市当局は、熊野川流域ダム湖下流団体協議会による先進地研修(11月16日)を報告。風屋ダムと同規模で、天竜川の佐久間ダム(静岡県浜松市)で出水期に国が5400万立方㍍の治水容量を買い取り、水位を下げた状態で運用する案「天竜川の再編事業」を視察した。
屋敷議長は「国が風屋ダムの空き容量を買い取ってくれたら心配がなくなる。熊野川も国交省に天竜川と同じ対策を取ってもらうべき」。
熊野川河道掘削について、上田勝之委員は「ダンプでの搬出はやめてもらいたい。台船で搬出してもらうよう申し入れしてほしい」と求めた。
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■熊野川河道掘削の取り組み状況
国の管理区間については、平成23年9月の紀伊半島大水害で堆積した土砂の撤去に加え、計画規模の洪水を安全に流下させるための河道掘削(215万立方㍍)を29年度に完了した。
引き続き、同年度から「緊急対策特定区間」を設定し、熊野川本川や支川相野谷川の更なる治水安全対策の向上を図るため、90万立方㍍の河道掘削に取り組んでいる。
和歌山、奈良、三重3県の管理区間については、紀伊半島大水害で堆積した土砂の撤去を目的とした熊野川本川における掘削を実施。和歌山、三重両県では熊野川本川や支川のさらなる治水安全度の向上を図るため、昨年10月に策定された熊野川圏域河川整備計画に基づき、両県で支川を含めた約28万立方㍍の河道掘削に着手した。
(2018年11月24日付紙面より)
光洋中で育友会主催講演会 (新宮市 )
新宮市立光洋中学校(宮本雅史校長、生徒189人)で20日、同校育友会教養部主催の講演会が開かれた。株式会社ゆらちょうの井上慶祥さん(26)が「学校じゃ教えてくれない!!平成生まれの社長が語る生き方のすゝめ」を演題に話し、生徒らは真剣に耳を傾けた。
井上さんは1992年和歌山県由良町に生まれ、2015年に同社を創業。出身地である同町を盛り上げたいと、イベント企画や特産品のPRを手掛けている。
井上さんは生き方をテーマに挙げた。理解はしていても正解がなく、答えられる人は少ないとし「個々に置き換えた場合、何をしたいか、どんな生活を過ごしたいかを考えることが大事」と呼び掛け、「やりたいことをやるのが一番」と持論を述べた。
質問会では「社長として働くことの大変さと楽しさは」「中学生のうちにやっておけばよかったことは」などが挙がり、井上さんは一つ一つ丁寧に答えていた。
講演を前に育友会教養部の植村弘子部長が訪れた保護者ら、学校関係者らに感謝を述べ「今後の社会に伴い、子どもたちの成長、将来を探る保護者としても興味深い。話を聞くのが楽しみです」とあいさつした。
講演を聞いた長谷川拓輝君(3年)は「目標を持ち、やり遂げることが必要だと分かりました。今後は苦手なことから逃げずに努力して取り組んでいこうと思う」と話していた。
(2018年11月24日付紙面より)
県学校給食研究協議大会 (串本町 )
第59回和歌山県学校給食研究協議大会が22日に串本町文化センターや同町立体育館であり、学校教育関係者ら約110人が同町や古座川町の提案や講演などを通して学校給食の在り方を考える機会を持つなどした。
この大会は県教育委員会と県学校給食会が主催。学校給食の意義と役割について認識を深め、管理運営の改善を図るとともに当面する諸問題の研究協議を行いつつ学校給食関係者の指導力の向上を図る趣旨で年1回開いていて、59回目となる今回は同大会東牟婁地方大会実行委員会(大畑眞実行委員長)の主管により実施された。
東牟婁地方での実施は平成25年度以来5年ぶりで、同町での実施は今回が初。開会に当たり主催者を代表して県教育庁学校教育局健康体育課の森文哉副課長が「学校給食は学校における重要な教育活動として充実してきた。特に地場産品の活用は地域の自然や文化、産業への理解を深めるとともに生産者の喜びや苦労に触れ感謝の気持ちを育む上で大変重要であり、今後も関係部署と連携協力して取り組んでほしい。また食中毒やアレルギーへの対応を通してより安全な学校給食の提供も願いたい」などといった内容の課長メッセージを代読し、大畑実行委員長は今回の大会の流れを説明し「学校給食について考える実りのある一日になることを祈念する」と述べて参加を歓迎した。
来賓を代表して古座川町の西前啓市町長と串本町の清野武志副町長が祝辞を寄せ、新宮市と那智勝浦町の教育委員会職員や太地町の宇佐川彰男教育長、古座川町の中道悟教育長、串本町の潮﨑伸彦教育長、次期開催地の日高地方を代表して御坊市日高川町組合立大成中学校の西山正紀校長も列席。西山校長は次の大会の期日を2019年11月27日(水)と告知し、親子給食など日高地方の特色ある取り組みを挙げて来場を呼び掛けた。
引き続き協議会が開かれ、串本町から田原小の赤松孝子養護教諭と串本小の小内和子栄養教諭が「新給食センターへの移行を経て~串本町学校給食センターでの取組と課題~」、古座川町から役場地域振興課の細井孝哲プロジェクトジェネラルマネジャーと教育委員会教育課の橋本和幸主事、高池小の大畑眞校長が「古座川町に於けるジビエ給食の取組~厄介者を地域の宝に!豊かな自然と命の尊さを次の世代へ繋(つな)げていく古座川ジビエの取組~」と題して提案を発表。それらの内容を踏まえて健康体育課の鎌田敦子指導主事が指導講評を述べた。
講演会もあり、伝承料理研究家の奥村彪生さんが演題「奥村彪生の食のモノがたり」を掲げて登壇。食育は子どもの心身を育む上で重要な役割を担っていて、その中核として関わる大会参加者は素晴らしい仕事をしていると励ますなどした。
併せて同館内で業者による食材PRなど学校給食関係の展示もあり、協議会と指導講評の間で取られた休憩時間に大会参加者の注目を集めた。
(2018年11月24日付紙面より)
文化祭で募った義援金を寄付 (太地中学校 )
太地町立太地中学校(城谷真司校長)の生徒会は22日、被災地支援に役立ててほしいと文化祭で募った義援金1万5327円を同町へ届けた。
生徒会長の奥村行正君、同副会長の脊古咲夢(さくら)さんと矢間夕奈さん、教員の久保博文さんが同町役場を訪れ、三軒一高町長に直接手渡した。宇佐川彰男教育長、森尾伸住民福祉課長が同席した。
文化祭は今月3日に開催された。募金活動は例年、会場の体育館で実施している。奥村君は「今年は災害が多く、少しでも人のために力になれたら」、脊古さんは「思っていたよりも集めることができてうれしかった」、矢間さんは「文化祭を通して活動できたことに達成感を感じた」と話し、それぞれが感謝の気持ちを述べた。
三軒町長は「皆さんの期待に応えられるよう、きちんと届けます。中学生の皆さんがこうした心を持っていることがうれしい。次の町を担う人たちのボランティア精神に心から感謝申し上げます」と話し、生徒らに同町の記念品のカマイルカのピンバッジを贈った。義援金は町を通じて日本赤十字社へ送られる。
(2018年11月24日付紙面より)
松阪地区少年柔道大会 (紀宝柔道会 )
POKDサッカースクール (串本町 )
秋晴れの下で11月大会 (新宮グラウンド・ゴルフ同好会 )
コウケンテツさん招き試食会 (和歌山県 )
熊野灘捕鯨文化継承協議会(山西毅治会長)は20日、串本町役場古座分庁舎で鯨料理「くじらキッチン」の試食会を開催した。新宮市、那智勝浦町、串本町の飲食店5店舗が開発した新メニューを料理研究家のコウケンテツさん(44)や関係者らが試食した。
同協議会は新宮市、那智勝浦町、太地町、串本町で構成し、熊野灘エリアを訪れる観光客の消費拡大に向けて新たな観光商品の開発を行う事業者を支援している。「くじらキッチン」は取り組みの一環で、同エリアを訪れる観光客の中で、特に20~30代女性が「ランチタイムに食べたいと思う鯨料理」をコンセプトに開発するもの。9月末から10月中旬まで参加する事業者を募った。
開発された商品は各事業者の店舗で販売や提供を予定している。提供店では共通ロゴマークの入ったタペストリーを掲げるほか、作成されるパンフレットで事業をPRする。
この日は各事業者から料理の説明を受け、まずはコウさんが試食。調理方法や食材について事業者らと語り合い、料理の感想を述べた。集まった関係者らはそれぞれのメニューを味わった。
コウさんはあいさつで食文化の重要性を訴え、新メニューについて「驚きしかない。それぞれの店の良さ、クジラの良さが表れていた。どのメニューも地元愛があり、工夫に富んでいてすごくおいしかった。これほどの料理を出すには相当、苦心されたと思う」と評価した。
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参加した5店舗と出されたメニューは次の通り。
■新宮市
▽まえ田「紀州まえ田の鯨寿司」
▽pizzeria koma「鯨肉のローストとピンクグレープフルーツのサラダピッツァ」
■那智勝浦町
▽鮮魚・創作和食・旨い酒bodai「鯨のカダイフ揚げ トマト大葉ソース」
■太地町
▽いさなの宿 白鯨「白鯨特製鯨パスタランチset」
■串本町
▽サンドリア「くじLoveすきドリア」
(2018年11月23日付紙面より)
ゆうゆうクラブ女性部栄養講習会
新宮市のゆうゆうクラブ(老人クラブ連合会)女性部(石原千里部長)による平成30年度栄養講習会が21日、同市熊野川町の総合開発センターで開かれた。
市保健センターの保健師・植山綾子さんが「高血圧予防」をテーマに話を進め、市食生活改善推進協議会(栃尾眞喜子会長)の会員5人が減塩や食の重要性について説明した。
女性部の17人が参加。はじめに石原部長が「高血圧予防についてしっかり話を聞いてください」とあいさつした。
植山さんは、生活習慣病による高血圧の患者が全国で1000万人いる一方、3300万人が未治療といわれているとし、「自分の血圧を知り、早く気付いて予防することが大事」と述べた。
高血圧の基準や種類(二次性高血圧、本態性高血圧)を説明した上で、「日本人の高血圧の90%が本態性高血圧で、生活習慣の見直しが必要。高血圧の症状は特に出ないが動脈硬化が進行する。動脈硬化は体への血液が行き届きにくくなり、心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こす」と話した。
肥満にならない体重管理や30分以上の有酸素運動をはじめ減塩、食事などのポイントを示し「野菜を積極的に取り、青魚類を食べるよう心掛けてほしい」と呼び掛けた。
参加者は協議会の会員が作ったどら焼きとホットレモンを試食。会員は▽欠食は絶対に避ける▽動物性タンパク質を十分に取る▽魚と肉の割合は1対1くらいにする▽余暇活動を取り入れた運動週間を身に付ける―といった「食生活10の指針」を紹介した。
(2018年11月23日付紙面より)
那智勝浦町消防が救助訓練
那智勝浦町消防本部(湯川辰也消防長)は21日、同町宇久井の地玉の浜で和歌山県防災航空隊との連携強化を目的にした訓練を実施した。消防本部の救急隊と消防隊、県防災航空隊から計19人が参加。隊員らが緊密に連携を取りながら、活動が困難な場所で救助訓練に取り組んだ。
山菜採りに出掛けた男性2人のうち、1人が山林内で負傷し動けなくなり、消防に救急要請した―と想定して訓練した。救急隊が地玉の浜の斜面付近で負傷者の状況を調べ、航空隊に救助を要請した。消防隊が救助活動を支援。負傷者を浜まで運び、白浜空港から飛来した防災ヘリコプターが上空からワイヤで負傷者をつり上げて機内に収容した。
関谷善文消防署長は「ヘリとの訓練は年に数回しかできないので大変貴重な訓練になった。若い隊員が多いので不測の事態に備えての訓練ができた。無線の交信が場所によって感度が落ちるので、携帯電話など違う道具を駆使しながら連携したい」と話した。
近年は熊野古道歩きの入山者が増え、ヘリの出動までは必要ないが、救助要請は多いという。関谷署長は「時間が遅くなると事故になりやすい。入山の時は余裕を持った計画を立ててほしい」と話していた。
(2018年11月23日付紙面より)
老朽化に伴い更新整備 (串本町 )
串本町消防防災センターで21日、串本町消防団(稲田賢団長)に対する消防車両の納車式があった。今回は和深分団(高尾拓次分団長)の消防ポンプ自動車と串本分団(泉博二分団長)の小型動力ポンプ軽積載車を更新整備。田嶋勝正町長から両分団長にキーが託され、代表して和深分団の高尾分団長は「一日も早く車両に慣れるよう訓練し、町民の生命と財産を守れるよう努力する」と応えた。
和深分団の旧車両は平成8年に整備され、22年が経過。串本分団の旧車両は平成9年に整備され21年が経過。ともに老朽化したため、新車両に更新されることになった。
納車式には両分団とも分団長以下4人が代表出席。稲田団長ら団本部役員と寺島正彦消防長ら職員が立ち会う中、両分団長にキーを渡した田嶋町長は「平成29年度は火災6件。本年度は現時点で10件の火災が発生している。一日も早く新しい車両に慣れ、いざというときに迅速に出動できる体制をつくってほしい」と奮起を期待した。
式後は納車した和歌山日野自動車株式会社新宮営業所や山口商会新宮支店の職員が両分団に仕様の説明をし、主に旧車両にない変更点について質問を受けるなどした。
和深分団の旧車両はオフロード車がベースだったが、新車両はトラックがベースのCD―Ⅰ型。両車両を比較したときの大きな変化の一つにカーブ走行時の安定性があり、今回の更新ではより迅速に現場へ急行しやすいというメリットがもたらされる形となった。
串本分団の旧車両と新車両は時代相応の変化はあるが、小型動力ポンプの仕様(2サイクル)を含めほぼ同等の艤装(ぎそう)がされている。泉分団長は同ポンプの取り扱いについて念入りに確かめるよう指揮しながら新車両を預かった。
(2018年11月23日付紙面より)
物資輸送と情報収集伝達訓練 (和歌山県 )
大規模災害時に備え、和歌山県は21日、新宮市立佐野体育館で物資輸送・災害情報収集伝達訓練を実施した。災害支援協定を結んでいる9機関が参加。県職員らが物資の集積所となる同所での搬入、搬出などを行い、対応を確認した。
佐野体育館は県が指定している広域防災拠点の一つで、県外や各協定を結んでいる企業団体からの物資を集積して各被災地に搬出する場所となる。
訓練は職員の対処能力の向上を図る目的で2012年から始まり、今回で7回目となる。県内4カ所の拠点で順に取り組んでおり、佐野体育館での訓練は2回目。
今回は▽和歌山県▽新宮市▽那智勝浦町▽北山村▽公益社団法人県トラック協会▽県倉庫協会▽株式会社オークワ▽県生活協同組合連合会▽わかやま市民生活協同組合―の9機関と県庁南別館3階防災対策室の計約90人が参加した。
和歌山県南方沖で発生したマグニチュード8・7の地震により県内各地で大規模な被害が発生したと想定。訓練は発災後48時間が経過し、県内各地の広域防災拠点が開設されて物資の受け入れなどが順次開始されている設定で進んだ。
実際に佐野の広域防災拠点と県災害対策本部総合統制室の一部を立ち上げた。職員らは救援物資の受け入れや仕分け、払い出しと物資管理システムの操作、防災行政無線と衛星電話を使った災害対策本部総合統制室救援物資班との連絡調整などに取り組んだ。
訓練開始を前に、福田充宏・県危機管理局災害対策課長は職員に対して「広域防災拠点要員として任命しているが、普段は防災業務に携わっているわけではない。今日はしっかり訓練を通じて手順を確認し、必要性を認識してほしい」とあいさつした。
(2018年11月22日付紙面より)
鵜殿西遺跡の現地説明会 (紀宝町 )
三重県埋蔵文化財センターは17日、紀宝町で発掘調査を続けてきた鵜殿西遺跡の現地説明会を催した。
現地は県道35号の矢渕信号近くにある。国道42号「新宮紀宝道路」の予定地にあるため、国交省近畿地方整備局紀南河川国道事務所の委託を受けた同センターが9月30日から調査を続けてきた。調査地は廻船(かいせん)問屋があった場所という。面積は851平方㍍で、地面を30~40㌢掘り進めたところ、鎌倉時代から室町時代にかけての掘立柱建物3棟や縄文土器、平安時代後期から江戸時代後期までの陶磁器などが見つかった。説明会には町民ら約40人が参加し、展示した発掘物約50点を興味深げに見入った。
周辺には成川小学校遺跡、貴祢ヶ谷社遺跡、鵜殿城跡があり、過去にも多くの出土物が発見された。説明を担当した埋蔵文化財センター職員の鐸木厚太(すずき・こうた)さんによれば、19日から記録保存を進め、終了後は遺跡を埋め戻して国交省へ引き渡し、出土物はセンターで保存する。
(2018年11月22日付紙面より)
全盲の落語家桂福点さん講演 (太地町 )
太地町人権尊重推進委員会(須川時夫会長)は20日、同町公民館で全盲の落語家、桂福点さんによる人権啓発講演会「出会いは心の光」を開催した。福点さんは昨年に続いて2回目の登壇となり、軽快な語りで会場を笑いの渦に包んだ。太地中学校の全学年の生徒も参加し、笑いの中にも人権の大切さを学んでいた。
須川会長は開会のあいさつで「福点さんと同じ立場に立ち、思いを共有、共感することが大切」と来場者に呼び掛けた。福点さんは「障害のある人を知ることが大切。無感心、無視は駄目」と語り、障害者を知ろうとすることから、相手への思いやりも生まれると訴えた。
福点さんは、小学校入学時は緑内障で目が腫れ、片目しか見えず、仲間からいじめられていた。3年生の時に支援学校を訪問し、自分より大変な障害がある人を知った。見える方の目で手を引いたり、教科書を読んであげたりしていると「人の役に立つことができると思い元気が出た」と語った。中学校2年の時に視力が次第に落ちて全盲になった。この時の状況を、参加者にビニール袋を折って目に当ててもらい、見えなくなっていく不安を体験してもらった。孤独と不安で絶望し、死も考えた福点さんを女性の先生が救った。先生は「落ち穂拾い」の絵を指で触らせてくれ、「あなたは人生の落とし物をしている。それに気付いていない。障害のある人にやさしいのです」と自分の良い部分を示してくれ、「落とし物を少しずつ拾い、火をともせば温かくなる。人を喜ばせながら生きてほしい」と慰められたという。福点さんは「それがうれしかった。皆さんは何があっても生きるということを考えて」と訴えた。友人から音楽を勧められ、バンドを組んだ。「生きる意欲が湧いてきた。友達が大事」とも呼び掛けた。
福点さんは得意のオペラを披露し、「ライン」のやりとりをスクリーン上で見せながら語る創作落語も演じ、会場を沸かせた。生徒を演壇に招き、目の不自由な人の手引きの仕方も教えた。講演の最後に「皆さんの心の中にはホタルのような小さな光があります。私のように目が見えなくても見えています。心にある光は希望とか勇気とか、何か夢を持つことです。この火を消さずにいてください」と語った。
(2018年11月22日付紙面より)
第14回福祉・教育振興大会 (串本町 )
串本町の福祉・教育振興大会「第14回ふれあいいきいきまつり」が18日、文化センターと町立体育館で開かれた。式典では福祉や教育の功労者4人を表彰。その後は子どもから高齢者まで楽しめるさまざまな企画があり、世代を超え町民一体で楽しむひとときを過ごした。
この大会は、町、町教育委員会、町社会福祉協議会、町PTA連絡協議会が主催。「健康で明るい文化と福祉のまちづくり」をテーマに掲げ、町民が世代を超えてお互いを思いやり、ともに学んで育ち合う意識を高めて生涯を通した学習や健康づくりを促す目的で年1回開いている。
冒頭に同センターホールで記念式典が開かれ、主催者を代表して田嶋勝正町長は主催4者に加え13団体の協力があってこその大会だと感謝を掲げ「少子高齢化が進む中、互いを思いやり助け合う気持ちをまちづくりの柱として作り上げないといけないと思っている。団体や個人の皆さまの協力をいただく中で福祉が充実した、健康で安全で安心なまちづくりに取り組みたい」とあいさつ。続いて表彰があり、町社協の堀登世会長が地域福祉功労者関係で矢川章子さんと植松区青空サロン、田嶋町長が教育関係で谷口好布さん(元串本町消防団長)と関戸保次さん(元同団副団長)の功労をたたえた。
来賓を代表して寺町忠町議会議長と前芝雅嗣県議会議員が祝辞を述べ、町身体障害者連盟の中野實会長、町障害児者父母の会の地主春美会長、社会福祉法人串本福祉会の和田利文理事長、同法人つばさ福祉会の藤田勝彦理事長、町民生委員児童委員協議会の山崎巖会長も列席して大会の実施を祝った。
同ホールでは表彰後に歌と踊りの発表会があり、駐日トルコ共和国大使から民族衣装の寄贈を受けた大島小児童によるトルコダンス「ダーマット・ハライ」に続いて、串本学童保育所フラダンス同好会、ねんりんピックPRイベントチーム、潮岬幼稚園4~5歳児、串本小学校4~6年生が出演した。昼食休憩を挟んで、午後に社会教育・福祉講演会もあり、お天気キャスターとして活躍する正木明さんが「防災に活かす、天気予報の正しい見方・使い方」を演題に掲げて登壇した。
館内では臓器移植啓発や新宮薬剤師協会による腎臓病食の紹介、防災展示や地域おこし協力隊による運動教室、スポーツボイス体験やぶっくらぶ串本によるよみきかせ会などがあり、駐車場では食生活改善推進協議会による懐かしいおやつの配布や減塩みそ汁の試飲、串本婦人会や串本名品会、更生保護女性会やボランティアグループみみ、JA紀南女性会や串本学童保育所による各種バザーが開かれた。
体育館は子ども向けの会場とし、さまざまな挑戦企画やスポーツ「ボッチャ」体験、バルーンアートなどの機会を提供した。子どもらはスタンプラリー形式で各コーナーを回り、先着200人限定のクリア特典としてキャラクター人形釣りとお菓子釣りに挑戦。正午に先着300人限定のキャラクター風船プレゼントもあり、子どもの来場に拍車をかけた。
(2018年11月22日付紙面より)
第7回新宮・那智勝浦天空ハーフマラソン
初の防災体験フェア (太地町 )
太地町社会福祉協議会は18日、同町多目的センターで初の防災体験フェアを開催した。社協職員や自衛隊、ボランティアらが協力し、防災に関する催しや講話で来場者の防災意識や知識向上に努めた。
近い将来発生が予想される巨大地震や災害などに対して、町内・地域住民の防災意識を高めようと実施した。太地町や陸上自衛隊信太山駐屯地、航空自衛隊串本分屯基地、自衛隊和歌山地方協力本部新宮地域事務所が後援している。
会場では自衛隊による車両展示や放水体験があった。防災用品、飲食などの物品販売のほか、簡易サンダルやトイレ、ロープワーク、応急手当の講習ブースも並んだ。自衛隊によるラッパ演奏や行進、「ファンシードリル」(演舞)の披露に、来場者らは大きな拍手を送った。
午前中には同町子ども会(法花真左美会長)と太地小・中学校PTA(岩口敦会長)による「防災ウォークラリー」があり、児童らは町内にある10カ所の避難階段を楽しみながら覚えた。防災○×クイズや担架リレー、太地子ども園園児の鼓笛隊による演奏も会場を沸かせた。
防災講話では地方協力本部の合田直樹副本部長が阪神大震災や東日本大震災での自衛隊の活動や役割を解説。経験を踏まえ、消防などが使う災害用の資機材を自衛隊にも導入したことを報告した。「いつ起きてもおかしくない南海トラフ巨大地震。どう対処すべきか一人一人が真剣に考え、心構えをしっかりと持つ必要がある」と語った。
友人と訪れた田中健太郎君(太地小5年)は「ロープの結び方は難しかった。自衛隊の車が並んでいて格好いいと思った。全部おもしろかった」。
同町社協の岡本研事務局長は「多くの方々にご協力いただき、今回初の開催に至った。防災に関する知識や意識を高めていただき、これからの生活に生かしていただけたら」と話していた。
(2018年11月21日付紙面より)
第11回町民舞踊祭 (那智勝浦町 )
「第11回町民舞踊祭」が18日、那智勝浦町体育文化会館で催された。主催は実行委員会(田中喜世委員長)と町文化協会(後誠介会長)。特別出演の三輪崎郷土芸能保存会を含め8団体約80人が華やかに踊りを披露し、大勢の観客が、次々に繰り広げられるあでやかな舞で晩秋のひとときを楽しんだ。
開演前、町文化協会の後会長は「舞踊祭は昨年が第10回の節目で、今年は新しい一歩。ぜいたくな秋のひとときを過ごしていただければ」とあいさつ。堀順一郎町長は日頃の文化活動に感謝し「練習の成果をご披露いただければ」と述べ、素晴らしい一日を祈念した。
今年は哲泉流清流支部が初登場。紀宝町立神内小2年の塚田新菜さんと近大新宮高2年の山崎勝貴君も初出演し、それぞれにりんとした「詩舞」を披露した。最後に登場した三輪崎郷土芸能保存会は、県指定無形民俗文化財で日本遺産にも含まれる「鯨踊」を迫力いっぱいに演じ、会場を圧倒した。
(2018年11月21日付紙面より)
市婦連が「愛の日バザー」 (新宮市 )
新宮市婦人団体連絡協議会(仲富美子会長)による「愛の日バザー」が20日、市福祉センターであった。収益金は後援した市社会福祉協議会(向井一雄会長)を通じて全額、地域福祉充実のために使われる。
1968(昭和43)年に和歌山県が制定した「愛の日」(11月15日)に合わせ毎年開催されている。かっぽう着姿の市婦連会員23人が、各家庭に寄付を呼び掛けて集めた食器や日用品、電化製品、おもちゃなどの商品を格安で販売した。開店前から大勢の人が並び、盛況だった。
バザー開始前に会場を訪れた向井会長は、日頃の市婦連会員の地域活動への積極的な参加に感謝し、「今後もふるさとを誇りに思える新宮市のために、皆さんと力を合わせていきたい」などとあいさつした。
仲会長は「皆さまから心温まるご協力を頂きました。この大切なご支援を福祉に役立ててもらい、一人でも多くの地域の方々と支え合うことができれば」と話していた。昨年の売上金は16万1170円だった。
(2018年11月21日付紙面より)
三輪崎小学校で「夢の教室」 (新宮市 )
財団法人日本サッカー協会(JFA)は19日、新宮市立三輪崎小学校(芝﨑勝善校長)でこころのプロジェクト「夢の教室」を開いた。水泳選手として日本選手権で活躍し、ロンドンオリンピックにも出場した加藤和(いずみ)さんが「夢先生」として来校し、ミニゲームや体験談を通して5年生71人に、夢に向かって努力することの大切さなどを訴えた。
JFAは同プロジェクトを2007年度からスタートした。サッカー界だけでなく、他のスポーツ選手とも一丸となって子どもたちの心身の健全な発達に貢献していくことを目的に全国各地で開催している。当地方では昨年に続き2回目。
加藤さんは授業の前半、体育館で児童たちと一緒に体を動かしながらミニゲームを楽しみ、目的を達成するために仲間と協力することや相手を思いやる心の大切さを伝えた。
後半は場所を教室に移し、日本選手権やオリンピックで自らが出場した競技の映像を放映した。水泳をしていた兄の影響で小学1年生から始めたことや、6年生でオリンピック選手になりたい夢を持ったなどと紹介。「楽しいという気持ちを持ち続けること、努力を忘れず前向きに取り組む姿勢が大切」と呼び掛けた。
授業を受けた北美咲さん(11)は「努力をすることが大事だと分かった。自分にも夢があるので、楽しいと思う気持ちを忘れずに頑張りたい」と話していた。
(2018年11月21日付紙面より)
高校ラグビー和歌山大会
全国高校サッカー選手権和歌山大会
JAみくまの杯女子学童軟式野球大会
東牟婁スポ少交流大会バレーボール
第7回新宮・那智勝浦天空ハーフマラソン大会(同実行委員会主催)が18日、一般国道42号那智勝浦新宮道路を舞台に開催された。北は北海道、南は沖縄県までの31都道府県から2078人(エントリー2257人)が参加。ハーフマラソン男子で瀧谷海斗さん=千葉県/新宮市出身、3㌔女子で久保瑚都さん=岩出市=が連覇するなど2058人が完走した。
2011年、当地方に甚大な被害をもたらした「紀伊半島大水害」の復興イベントとして、翌年に官民協働で始まった。全国的にも珍しい自動車専用道路を使用するコースで行われる大会で、「世界遺産・熊野古道のまち」である新宮市、那智勝浦町の魅力を体感するとともに、地域の振興につなげることを目的に開かれている。
やたがらすサッカー場で行われた開会式では、大会長の田岡実千年新宮市長が「北海道から沖縄まで31都道府県から2000人を超えるランナーの皆さんに集まっていただき、心より歓迎と感謝を申し上げます。山々の素晴らしさ、眼下に広がる太平洋を見ながら走っていただき、それぞれが十分に楽しみ、終わってからは地域にある数々の素晴らしい温泉、海の幸、山の幸を楽しんで」と選手を激励。
衆議院議員で自民党幹事長の二階俊博氏の祝辞を秘書の二階俊樹さんが代読、来賓・主催者役員の紹介などの後、昨年のハーフマラソン男子優勝の瀧谷さんが選手宣誓をした。
レースは3㌔、10㌔、ハーフの順に行われ、男女別で各部門の総合8位までの選手が表彰を受けた。
表彰式後、10㌔女子で優勝の柴原希さん=那智勝浦町=は「去年のタイムに負けないことを目標に走り、いいタイムを出せたが、2歳下の弟(颯君)と同じタイムだったのが悔しい。来年も走り、自己ベストを出した上での優勝を目指したい」、ハーフ男子優勝の瀧谷さん(20)は「1時間10分前後を目標にしていたので、タイム的には納得していないが、優勝できて良かった」。ハーフ女子優勝の空地久予さん(33)=紀宝町=は勤務先のランニングチームの仲間と出場。「アップダウンもあり、暑く厳しいレースだったが仲間の応援を力に変えて走ることができ、自己ベストで優勝することができた」と喜びを語った。
(2018年11月20日付紙面より)
田辺市本宮町、熊野本宮大社の九鬼家隆宮司が19日、新宮市徐福のJR新宮駅を訪れ、来年のえと「亥(い)」の絵馬を渡した。熊野三山の絵馬がそろう来月初旬ごろ、改札付近の駅ホームに飾られる。
スギで作った絵馬の大きさは縦約1㍍、横約1・5㍍で、九鬼宮司がポスターカラーで筆書きした。スカイブルーの躍動感あふれるイノシシが描かれており、白浜、紀伊田辺、和歌山の各駅へも授与する。
今年は各駅のスローガンを書き入れた。新宮駅に飾る絵馬には「安全」「挑戦」の文字が入っている。
九鬼宮司は「イノシシは南の空と海、太平洋をイメージした青で描いた。明るく元気でいい年を過ごせるようにと願いを込めた。平穏で明るく活気があり、駅周辺の地域も元気あふれる町になるようにという思いも。今年は初めて駅のスローガンを聞き、書き入れた。無事故でという意味もあります」。
林正樹駅長は「今回は『挑戦』と書いていただきました。当駅のスローガンである『日々チャレンジしていこう』ということを表現してもらえた。猪突(ちょとつ)猛進でチャレンジし続ける駅を目指したい」と感謝を述べた。
この日は、同市徐福の熊野交通株式会社を交通安全慰問した。毎年実施しており九鬼宮司らが紅白の餅と肌守り、ステッカーを授けた。
(2018年11月20日付紙面より)
創立100周年記念式典 (串本古座高校 )
県立串本古座高校(愛須貴志校長、生徒282人)が17日、串本校舎第一体育館で創立100周年記念式典を開いた。生徒教職員と来賓ら招待者が出席して歴史を振り返り、節目の決意や期待を掲げてこれからの歩みに弾みをつけた。
同校は、1918(大正7)年に開校した旧串本町立串本実業学校と旧古座町高池町西向村学校組合立古座実業学校を歴史の起点とし、戦後の学制改革や平成20年度の統合などの変遷を経て本年度、創立100周年を迎えた。この節目を受けて実行委員会を立ち上げ、複数の記念事業を計画。この式典はその中核行事に当たる。
開会に当たり愛須校長は学校の沿革を振り返り、生徒に向け地域と共に先輩がつないできた歴史をこれからもつなぐためこれまで以上に意欲的に取り組むことを期待し、その決意を持って地域や保護者にいっそう信頼される学校づくりを目指すと誓ってこれまでの支援に感謝し、今後の支援を求めた。
同窓会の島野勝会長、育友会の川本静哉会長も節目に思うところを述べ、来賓を代表して下宏副知事が知事メッセージを代読し、県議会の藤山将材議長、県教育委員会の宮下和己教育長、串本町の田嶋勝正町長、古座川町の西前啓市町長が生徒や学校への期待を込め祝辞を寄せた。
校長の抱負と周囲の期待を受け、生徒を代表して古座校舎生徒会会長の宮下歌奏さん(3年)と串本校舎生徒会会長の伊森安美さん(2年)が登壇。「節目の年に在席できた私たちは喜びとともに伝統を受け継ぎ守り続ける責任も感じている。目まぐるしく進展する社会情勢の中でこの先、串本古座高校も私たちにも多くの試練が待ち受けているかもしれない。この学校の先輩方が努力を重ね、支え合い、強く生きてきたように私たちも仲間と協力し100年という大切な時間を共有しながら乗り越えていきたいと思う。温かく見守ってくれる皆さまへの感謝の気持ちを忘れず、次の100年に向けて新しい串本古座高校を築いていきたい」と言葉を掲げた。
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会場には時代ごとの校舎の様子などを伝える写真パネルや数多くの折り鶴で校章をかたどった記念製作(ドット画)が展示され、式の前後で鑑賞を集めた。この日午前中は記念芸術鑑賞があり、世界規模で評価を集めるNPO法人転輪太鼓=愛知県春日井市=のチーム「SEED」による演奏と殺陣とプロジェクションマッピングと演奏を絡めた圧巻のパフォーマンスを鑑賞。式後はレスリング選手の吉田沙保里さんを迎えて記念トークショーも開かれた。記念芸術鑑賞と記念トークショーは整理券を事前配布する形で入場を管理しながら一般公開された。
(2018年11月20日付紙面より)
来年の大絵馬が完成 (速玉大社 )
新宮市の熊野速玉大社で19日、来年のえと「己亥(つちのとい)」の大絵馬が完成した。白いイノシシと2匹のうり坊を描いた上野顯宮司は「イノシシということで、勢いを出したかった。『猪突(ちょとつ)猛進』など勇猛なイメージばかりだが、実は愛情深くて子だくさん。うり坊のかわいらしさと父母の慈愛を表現した」と話した。12月から大社拝殿に掲げる。
大絵馬はヒノキ製で、大きさは縦1・5㍍、横2・1㍍。無邪気なうり坊を愛情深く見守る親イノシシの姿が描かれている。祝福をもたらす神の使いとして、白で描き清らかさを表現。平和の象徴である梛の御幣をくわえている。瑞雲(ずいうん)と瑞光でみずみずしい年の幕開けを表した。
上野宮司は2000年から毎年大絵馬を描いている。今年は8色のアクリル絵の具を使い、8月から制作を始めた。仕上げに「新日本の國造り」の文字を書き添えた上野宮司は「来年は御代替わりもありメモリアルな年。日本国民として魂を鼓舞し、豊かな国造りのために頑張っていかなければ」と話した。
毎年、JR新宮駅に掲げている小絵馬(縦75㌢、横110㌢)も完成。2匹のうり坊を見守る母イノシシが描かれている。
(2018年11月20日付紙面より)
男女別に個人・団体で練習成果競う
県新人大会4部門で近畿出場権獲得 (新宮高校卓球部 )
愛称決まり発表も (那智勝浦町 )
那智勝浦町水産振興会(片谷匡会長)は17日、同町築地の勝浦地方卸売市場で第9回「那智勝浦いせえび祭り」を開いた。町、町観光協会共催、南紀くろしお商工会、南紀黒潮広域水産業再生委員会ほか協賛。水揚げされたばかりの新鮮なイセエビの直売やイセエビ汁の振る舞いなどがあり、大勢の人でにぎわった。
和歌山県は全国でも有数のイセエビの漁獲量を誇る。多くの人に同町産のイセエビを知ってもらい、地産地消の拡大を推進するのが目的。直売コーナーやイセエビ汁の無料配布には大勢の人が並んだ。イセエビの天丼やコロッケ、うどん、シチュー、ピザなどの販売をはじめ、紀南調理師会の会員らの調理実演や、イセエビのつかみ取りが来場者の注目を集めた。
よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属の和歌山県住みます芸人「わんだーらんど」が司会を務めるステージでは、紀宝町鵜殿の熊野水軍太鼓、子どもたちのダンスチームやわかば保育園の園児らのダンスがにぎやかに繰り広げられた。
青森県青森市から観光に訪れた中村敦さん(50)は「宿泊先のホテルでチラシを見て知りました。青森ではイセエビが取れないのでうれしいですね。イセエビ汁が楽しみです」と喜んでいた。
10月に募集していた東牟婁地域産のイセエビの愛称は、選考の結果「南紀黒潮イセエビ」に決まった。
(2018年11月18日付紙面より)
松本章子さん招き講演会 (県内商工会議所女性会 )
和歌山県内商工会議所女性会は16日、新宮市井の沢の新宮商工会議所で講演会を開いた。講師で(株)おはなはん代表取締役の松本章子さん(77)が、▽人の役に立って喜んでもらうことをやり切る▽やり続けてきた人は幸せになる力を持っている▽文句は絶対言わない。反省すれば解決する―など妻、母、経営者としての人生観を語った。
平成30年度若手後継者等育成事業の一環で、約70人が参加。本年度幹事商工会議所を務める新宮商工会議所女性会の丹羽美穂会長が「今日の講演は女性会活動の参考になる。女性会としてさらなる親睦を深めてください」とあいさつした。
松本さんは、120歳まで生きることが夢だと言い、「努力しないと長生きしない。私は努力が大好きで、これからも努力をしたい」。女性としていつまでも若々しくきれいでいたいと強く思うことが大切で、決めたことをやり切るエネルギーが自分を元気に若くしてくれると笑顔で話した。
クリーニング店の一人娘として大切に育てられ、両親から生き方、考え方を学んだ。23歳で結婚、25歳でお好み焼き店を開業。店名「おはなはん」はNHK朝の連続ドラマの題名にちなんだ。「焼きたてのおいしいお好み焼きを食べてもらいたい」と試行錯誤の末、生カップお好み焼きを誕生させた。
家事を怠ることなく嫁、妻、母、経営者の4役をこなしてきた。「食事の用意、洗濯、掃除全てやり切った。家庭が基盤となって経営できた。お客さんに満足してもらうために何をすべきか考え続けた」と振り返った。
どん底を3回経験したが「たくさんの人に支えられ助けてもらった。お客さんの役に立てるから頑張れた」。今は海外に目を向けた経営戦略が夢だという。
「自分以外全てがお客さん」。感謝の大切さを伝え、参加した女性会員らに「思い続けることが大切。一つのことを決めたらやり切ってほしい」とエールを送った。
(2018年11月18日付紙面より)
2羽の個体、つがいの可能性も (那智勝浦町 )
特別天然記念物であるナベヅル2羽が15日、那智勝浦町中里の田んぼに飛来した。
ツル目ツル科ツル属のナベヅルは全長約1㍍の冬鳥。毎年、鹿児島県や山口県に渡り、水田や河川などに生息する。環境省レッドリスト絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定され、世界中の推定個体数が約1万2000羽といわれている。
中里在住で地元猟友会に所属する坂本和彦さん(66)は自宅近くの田んぼで多発するシカの獣害を警戒していたところ、ナベヅルを発見した。「珍しい鳥だと思った。これまでも近くでハクチョウやコウノトリが来たと聞いていたが、まさかツルだったとは。昔から鳥が好きだったのでうれしい」と話した。
日本野鳥の会和歌山県支部所属の中井節二さんによると、ナベヅルは2~3年の周期で熊野地方に飛来し、御浜町で多く目撃されている。過去には同町で越冬した個体も確認されているという。中井さんは「つがいの可能性もある。発見しても刺激を与えないように、できるだけ近づいての撮影などは控えていただけたら。この地での滞在や個体のためにも、静かに見守ってほしい」と呼び掛けている。
(2018年11月18日付紙面より)
「納税表彰並びに感謝状贈呈式」が15日、新宮市井の沢の新宮商工会議所であり、税務行政の運営に貢献したなどとして個人14人と4団体が受賞した。新宮税務署(榎本伸署長)、公益社団法人新宮納税協会(西義弘会長)、新宮納税貯蓄組合連合会(島野勝会長)が主催。
主催者を代表して榎本署長が「多年にわたり、卓越した指導力と行動力を発揮され、申告納税制度の普及発展、租税教育の推進に努められるなど納税道義の高揚に極めて顕著な功績を挙げられた」と述べ「皆さま方の理解と信頼の下、業務の効率化、高度化を進め、より質の高い税務行政に取り組みたい」と関係者の取り組み、理解と協力などに感謝した。
表彰状、感謝状贈呈後、来賓祝辞に続き向井一雄さんが「今後とも納税協会ならびに納税貯蓄組合連合会の組織の一層の充実、拡大と活発な事業活動の積極的な推進に協力し、正しい申告と納税に努め他の模範となるよう努力を重ねていく」とあいさつした。
中学生の「税についての作文」で近畿税理士会会長賞を受賞した妹尾杏樹さん(那智中3)は、賞状を受け取った後、受賞作品を朗読した。本年度は新宮税務署管内から610点の応募があった。
(2018年11月17日付紙面より)
巽真悟後援会「真翔会」が寄付
新宮市の県立新宮高校硬式野球部OBで、元ソフトバンクホークス投手の巽真悟さんの地元後援会「真翔会」(武田丈夫会長)は15日、同会の解散に伴い、会費の残金130万円を同校硬式野球部に寄付した。武田会長、少年野球時代の監督でもある橋本和士事務局長らが同校を訪れ、今後のために役立ててほしいと前田成穂校長に手渡した。
巽さんは、1987年1月10日生まれ、古座川町出身。小学2年生で地元の少年野球チームに入団し野球を始める。新宮高校入学当初は投手兼外野手だったが、2年生の秋から本格的に投手に転向した。
近畿大学を経て、福岡ソフトバンクホークスから1位指名を受けて入団し、プロ8年間で24試合に登板し1勝4敗。2度トライアウトを受けた後に、復帰を断念。2017年1月からは独立リーグ(ベースボール・チャレンジ・リーグ)栃木ゴールデンブレーブスの親会社である人材派遣会社エイジェックで、元プロアスリートによるセカンドキャリア形成の支援を目的に採用した社員の第1号として勤務している。
武田会長らは「いろいろな寄付の仕方なども考えたが、(巽さんが)野球人として大きく羽ばたくきっかけになったのが同校硬式野球部での3年間だったことから、全会一致で同校への寄付が決まった。地元の方にいろいろと夢を見せていただいた。集まったこのお金を通じて、同校で夢ある選手を育てていってほしいという気持ち」などと経緯を説明し、現役時代や野球を始めた当時の思い出を語るなど談笑した。
寄付を受け前田校長は「皆さんの善意あるお金であり、硬式野球部のためにしっかりと使わせていただけたら」と感謝した。
(2018年11月17日付紙面より)
古式ゆかしく「紅葉祭」 (熊野那智大社 )
那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)で14日、平安時代に那智山で修行した花山法皇の故事にちなんだ「紅葉祭(もみじまつり)」が営まれ、秋の自然の恵みに感謝をささげた。
本社拝殿での神事では男成宮司はじめ神職が正装に身を包み、宮司が本殿を開扉。祝詞をささげた後、冠に紅葉の飾りをつけたみこが紅葉の小枝を手に「豊栄(とよさか)の舞」を舞った。参列者らは順に玉串をささげた。那智の滝前の別宮・飛瀧(ひろう)神社でも神事があった。
寛和2(986)年に那智山で花山法皇が「千日修行」をした際、秋の陽光に映える紅葉をめでて歌を詠み、その短冊を小枝に結んで滝に流したと伝わる。
(2018年11月17日付紙面より)
古座中体育館で音楽鑑賞会 (古座川町教育会 )
古座川町立古座中学校体育館で15日、町内の小中学校を対象にした音楽鑑賞会があり児童や生徒、教職員や保護者200人余りが室内楽団「ゾリステン・ドライエック」の演奏などに親しんだ。
この演奏会は、同町教育会(海野文宏会長)が主催する秋恒例の合同文化行事。音楽会(発表会)と鑑賞会を隔年で計画していて、本年度は後者の巡りに当たる。
「ゾリステン・ドライエック」は2002年にドイツ・ライプツィヒで結成された室内楽団で、現在は広島県を拠点にして主に日本のプロ演奏家らが在席している。本物の音楽をもっと身近にするというコンセプトに基づき年間約260件の公演を重ねていて、この日はそのうちの1件として同町の児童生徒に演奏を届けた。
開会に当たり海野会長は「素晴らしい演奏を聴いて音楽は楽しい、素晴らしいという思いを持ってほしい。目で見て耳で聴いて心に残る演奏を楽しんでほしい」とあいさつ。同楽団は3人組で出演し、サックスやドラムセット、木琴の生演奏で児童や生徒も耳にしたことがありそうなクラシックの楽曲やアニメ曲など11曲を演奏した。
聴くだけでなく、シンプルな楽器を配って共演したり、音楽紙芝居を上演したり、指揮者体験を勧めてみたり、手拍子を求めてみたりと、同団は演奏に参加するさまざまな機会も提供し、児童生徒も引き込まれるように鑑賞を楽しんだ。アンコールを誘ってさらに1曲を演奏し、ミッションと題してリズムに合わせた早口言葉などへの挑戦も促した。
閉会に当たり会場校の髙尾昌伸校長は「それぞれの楽器の一流の演奏者が3人一緒になると、さらに素晴らしい音楽を作り出せる。皆さんも同じで、一人でも素敵だが、友達と一緒に、クラス全員で、学校全体で力を合わせればもっと素敵になれる。今日の鑑賞会で感じたことをこれからの学校生活で生かしてほしい」とあいさつして締めくくった。
(2018年11月17日付紙面より)
県高校ハンドボール新人大会
新宮市スポ祭少林寺拳法乱捕り大会
国立文化財機構東京文化財研究所保存科学研究センター修復計画研究室の朽津信明室長、徳島大学大学院の西山賢一准教授らが13日、新宮市熊野川町九重を訪れ、過去に同地区で発生した土砂災害を伝える文字が刻まれた石碑を調査した。石碑は地元でも一部の人にしか知られておらず、2011年の紀伊半島大水害後の和歌山大学災害科学教育研究センター客員教授、後誠介さんらの調査で「土砂災害慰霊碑」としての存在が明らかになった。
石碑は1821(文政4)年に医師湯川為善が建立と記され、かつての土砂災害で犠牲者が出たことを伝える何かを発見し、それを記念して建てたという内容が刻まれている。九重地区では紀伊半島大水害で土石流が発生し、後さんらの調査団が2013年に現地入りした。その際に地元の玉置利一さんが石碑の存在を知らせ、15年に後さんが調査した。紀伊半島大水害での土石流現場から北隣の沢筋でも過去に土石流が発生していたことが調査団の調べで分かっており、石碑は過去の発生を裏付ける証拠として注目を集めた。
石碑は倒木で塔が倒れ、砂岩の部分に刻まれた部分が痛み、文字が見えなくなっている。後さんの連絡で和歌山県立博物館の施設活性化事業実行委員会が調査。玉置さんが平成17年に行った解読資料を基に刻まれた文字を訳し、冊子「先人たちが残してくれた『災害の記憶』を未来に伝えるⅣ」に収録した。
朽津室長は石碑の全体像が不明なため、文化財の指定は難しいとしながらも「字の大きさに統一性がなく専門性がある人が作ったものではないとみられる。しかし、だから価値が低いとは言えない。先人が精いっぱい頑張って伝えなければいけないという思いで残したもの。われわれはその内容を受け取らなければならない」と語った。石碑の文字に墨入れがされていることから、過去の土砂災害発生の日などに合わせて地元の人たちで墨入れし、防災の意識を後世に伝えるイベントとしてはどうかと提案した。
後さんは「津波や水害を記録する碑は多いが、土砂災害慰霊碑は珍しい。文化財として残すことしか考えていなかったが、専門家の議論の中で作った人の思い、書かれた内容をどう伝えていくかという考えが生まれた。有意義だった」と話した。城和生区長は「住む人が少なくなっているが、保全に力をいれていく。墨入れの行事も今後の課題にしたい」と話していた。
(2018年11月16日付紙面より)
温泉病院で世界糖尿病デーイベント (那智勝浦町 )
WHOが定める世界糖尿病デーの14日、那智勝浦町立温泉病院(山本康久院長)で糖尿病治療の啓発イベントが開かれた。同病院と同町の糖尿病患者らで組織される「やたがらすの会」などが協力して開催している。今年で5回目、新病院となってからは初。糖尿病患者や健康管理に関心のある地域住民ら41人が訪れた。
病院内の1・2階を会場とし、血圧や血糖の測定体験、フットケアなど各コーナーを回るスタンプラリーも行われた。運動紹介コーナーでは握力を測定後、担当者がいすを使用した筋力トレーニングなどの運動方法を提案。保健師や薬剤師などによる各種相談も盛況だった。
同病院内科の医師、石亀綾奈さんが「災害と糖尿病」をテーマに講演。膵臓でインスリンを分泌する力が弱まり、出なくなる「1型」や高齢者に多く、遺伝や環境が原因とされる「2型」など糖尿病の種類や症状を説明した。
災害については「発生直後は十分な支援が期待できない。最低1週間分の薬、注射キットが必要」と強調した。不規則な避難生活については「患者は日常生活を保つことが難しくなる。血糖は多少、高めでも構わない。低血糖対策にアメなどの準備もしてほしい」と解説した。
その後は▽ストレスの管理▽十分な食事と水分の摂取▽体を動かす▽ウイルスや感染症を防ぐ―などの避難所で災害を乗り切るための心得を話した。
同町天満在住の80代女性は「今年で2回目。身近で先生たちと話ができるのでありがたい。薬のことなども詳しく聞けた。改めて、注意しなくてはいけないと気が引き締まった」と述べた。
山本院長は糖尿病について、「一人で悩まなくていい。悩みなどをシェアするのがやたがらすの会。年々、人数も増えている」と述べ、「この病気は上手に付き合っていかなくてはならない。医療スタッフがしっかりとサポートするので、仲の良い関係を続けていただけたら」と語った。
(2018年11月16日付紙面より)
全国地産地消推進協賞受賞 (串本町 )
串本町大島にある有限会社岩谷水産(岩谷裕平代表取締役)がこのほど、『紀州梅まだい』の取り組みで全国地産地消推進協議会会長賞を受賞した。
この賞は、同協議会が農林水産省と共に地産地消や国産農林水産物・食品の消費拡大を目的として年1回行っている『地産地消等優良活動表彰』の一賞。本年度は生産・食品産業・教育関係・個人の4部門で団体や企業、個人の取り組みを受け付け、全体で123件の応募があった。その後▽取り組みの持続性▽農林水産業振興への貢献▽安定した生産と供給▽利用促進による消費拡大―などを基準とした審査により13件が受賞し、今月3日に表彰が行われた。
同社は34件の応募があった生産部門で受賞し、同協議会が行った唯一の表彰だという。応募件名は「海と山の融合による『ブランド魚』の開発で地域貢献」。バブル経済崩壊後の苦境を打破するため、同社は平成14年に養殖魚『紀州梅まだい』の開発に着手。17年に魚に適した梅酢配合飼料の特許を取得し、養殖を本格化した。
ウメは古くから健康食材として親しまれる県の特産品。その評価は養殖魚にも当てはまり、『紀州梅まだい』は梅酢配合飼料により抗生物質などの投薬を要しない飼育に成功していて、栄養価も高いマダイとして高い評価を受けている。19年には紀州梅まだい生産組合を立ち上げて独自の販路開発にも着手。県推奨の衛生管理システムに組合独自規定を重ねてブランド魚として信頼性を高め、県推奨品『プレミア和歌山』の認定も受けた。一連の取り組みは第23回和歌山漁業者実績発表会最優秀賞や第16回全国漁業者交流大会全国漁連海面魚類養殖業対策協議会会長賞に選ばれた経緯がある。
現在は同社と太田水産で年間15万匹強を、同組合経由で近隣の宿泊施設などを含む国内外へ出荷。同社取締役の岩谷昇さん(30)を軸とする20~30代の若者6人で養殖の現場を支え、この需要に応えている。『進化前進』をスローガンに掲げて日々研究を重ね、『紀州梅まだい』を筆頭に『紀州梅くえ』や『紀州梅シマアジ』と育てる魚種の幅を拡げ、自ら取り組みを積極的に情報発信するなどして養殖を地場産業として未来へつなぐ努力を重ねている。
次の世代への引き継ぎが思い描ける養殖の確立が同社の目指すところ。その最前線である現場を開発者の父に代わって束ねる岩谷取締役は「父がやってきたことは正しかった。そして自分はこれでまい進していいという確信が得られた。皆がいてくれてこその紀州梅まだいで、この賞は皆がプライドを持ってやってきたことへの評価だ」と語り、共に頑張る新たな担い手を得るきっかけにもなることを期待しながら受賞を喜んでいる。
(2018年11月16日付紙面より)
郡市連合音楽会中学校の部 (新宮・東牟婁地方 )
東牟婁郡新宮市音楽教育研究会(太田雅也会長)主催の「第68回郡市連合音楽会」中学校の部が15日、那智勝浦町体育文化会館であった。下里、高田、色川、北山、城南、熊野川、太地、光洋、那智、宇久井、緑丘の11校の生徒らが歌や合奏を発表。緑丘、光洋、那智、潮岬の吹奏楽部による合同演奏もあった。
尾﨑卓子副会長は教育委員会、設営関係者らに感謝し、生徒らに「無音も一つの音です。思いは音として出ませんが、心の音となります。心に響く音を大事に全ての音を楽しんで。音をやりとりし、良い音を聴き合って良い音楽会にしましょう」とあいさつ。「皆さんご存じのように音は空気を振るわせることで伝わります」と話し、音の科学やピアノの仕組みを解説した。
全員の合唱『もみじ』で始まり、各校が順に全24曲を披露。保護者、一般の来場者らが聴き入った。16日には小学校の部が同じく那智勝浦町体育文化会館で開催される。
(2018年11月16日付紙面より)
御船祭の早船競漕 (新宮の速玉祭 )
熊野速玉大社(上野顯宮司)の例大祭「新宮の速玉祭(はやたまさい)」の御船祭(みふねまつり)・早船競漕(きょうそう)で入賞した王子区(上り1位)、大王地区(上り2位、下り1位)、丹鶴区(上り3位)、堤防区(下り2位)、明神区(下り3位)への表彰式が13日、同大社で行われた。
表彰式には5地区の代表者と審判委員が参加。神職によるおはらいの後、上野宮司から上り表彰では各地区に賞状、盾、賞金、下り表彰では1位の大王地区に賞状と盾、2位堤防区、3位明神区に賞状が贈られた。
各地区への賞状、盾、賞金は、株式会社R.Link Corporationの椋野玲史取締役会長から、御船祭を後世に伝え、繁栄させてほしいとの願いを込めて贈られた助成金によるもの。
表彰後、下地昌宏審判長が「来年も今年のような勢いを持って頑張りましょう。よろしくお願いします」と呼び掛け、上野宮司が「各区の練習するその努力はもちろんで、それをこうして表彰し、無事に今年も終わった栄誉をたたえていただいたことを力として、また他の地区からも目指していただけるような立派な区になることを目指してほしい。皆さんがこいでくださるこの姿というのは、今の姿だけで終わると思っては困るわけです。ずっと伝えていくという、その姿のことを思って優勝した区も、また目指そうとする区の皆さんも、勝ち負けは大事だろうけども、それ以上に大事なものを背負っていることも申し送ってほしいというのが私たちの願いです」とあいさつ。
上りで優勝した王子区のとも取りの西村雄作さんは「10年ぶりの優勝で感無量です。OBの皆さんにも喜んでもらうことができ良かった」と話した。
(2018年11月15日付紙面より)
香港ユネスコの楊さんが視察 (南紀熊野ジオパーク推進協 )
南紀熊野ジオパーク推進協議会は11日から13日までの間、香港ユネスコ世界ジオパーク園長などを務める楊家明(ヤン・カーミン)さんを招き、和歌山県内の南紀熊野ジオパークの2度目となる視察が行われた。本紙エリア内では北山村、那智勝浦町、太地町を訪れた。
今回の視察は楊さんから県内ジオパークについてアドバイスなどを受け、改善点の解消や新たな魅力の発見に努めるとともに、世界的な情報発信につなげることが目的。
楊さんはジオパークの世界的な普及に取り組んでおり、日本や世界各地の40カ所以上のジオパークで基調講演やアドバイスを行っている。世界ジオパーク・ネットワークを生かして国際ワークショップを開き、アジアや世界のジオパークの情報拠点となるように尽力している。
12日には、那智勝浦町の勝浦漁港と宇久井ビジターセンターを見学した。太地町では町立くじらの博物館で捕鯨の文化や移民の歴史などを同館学芸員の櫻井敬人さんが解説し、館内を案内した。
楊さんは視察について「訪れた地域は観光客にとっては興味深い場所だと思う。自然の景観や文化的景観も素晴らしい。前回来た時よりも改善された点も多く見受けられる。和歌山には他の地域が学べるところも多い」と評価した。
課題については「資源は豊富にあるが、重点や的を絞った取り組みができていない。その場合、お金や時間をかけ過ぎてしまううえ、うまくいかない」と指摘。「重要でないものは取り除いていくことが大事。ジオパークの取り組みが開始されて6年ほど経過したが、総括していく時期だと思う」と語った。
その後、楊さんは太地町内のまちなかジオツアーに参加し、堀順一郎・那智勝浦町長を訪問した。夜はホテル浦島で歓迎会が開かれた。12日には北山村を訪問し、「筏師の道」を歩いた。
(2018年11月15日付紙面より)
八坂神社秋季祭典迎える (古座川町 )
古座川町池野山にある八坂神社の秋季祭典が10日に宵宮、11日に本祭を迎えた。宵宮は夜半に境内で火焚(た)き行事を営み、区民らの随時参拝を集めるなどした。
池野山と上部の氏神社として護持される同神社は現在、年4回の例祭(正月、節分、夏季祭典、秋季祭典)が営まれている。11月の秋季祭典は池野山区(垣秀志区長)が奉仕の主体で、今年は同区の9班(矢本真一班長)と10班(谷正夫班長)が当番の巡りにより宵宮の火焚きを営んだ。
池野山の火焚きは、製材所があった下部のように夜通し行うわけではないが、夜半に火を保ち続けながら参拝者を迎える。宵宮は両班長の仕切りで境内にまきを積み、日没ごろに点火。たちまち広がる火に1本、また1本とまきをくべて火勢を保ちながら区民を迎えた。神前では神酒が振る舞われ、参拝した区民はしばし火焚きを眺め区民同士で近況を報告しあうなどして過ごした。
本祭は早朝に式典があり、その後は上部の獅子連中を迎えて奉納や酒宴の座を営み、その後は道の駅虫喰岩駐車場で区域全体を対象にした地下舞わしもあったという。矢本班長(46)は「区の皆さんが災害を被ることなく平穏に過ごせれば」と今回の奉仕を通して願うところを語った。
(2018年11月15日付紙面より)
3保育所が消防署見学 (新宮市 )
新宮市の蓬莱、佐野、高田保育所は14日、合同で市消防本部を見学した。5歳児44人がビデオ視聴や緊急車両見学、放水体験などをして消防士の仕事を学んだ。
5歳児交流の一環で、年間を通じてジャガイモ掘りや運動会ごっこなどを実施している。園児らは映像教材『火あそびはあぶないよ』を見て火事の恐ろしさを学び、火遊びをしないと約束。防災指導係の堀口清明さんが▽ライターやマッチで遊ばない▽花火をするときは大人と一緒に▽火事になったら逃げて大きな声で知らせる―を呼び掛けた。園児らからは「消防車のホースからどうして水が出るの?」「どんな訓練をしているの?」などの質問があった。
園児らは2班に分かれて通信指令室、救急車、消防車などを見学。車両の役割や装備の説明を受けた。放水体験に挑戦した園児らは防火衣を着用し、緊張した面持ちでホースを握っていた。
はしご車には職員2人が乗り込み、25㍍の高さから360度旋回。園児たちは「先生、大丈夫?」「高い」などと歓声を上げながら手を振っていた。
(2018年11月15日付紙面より)
外国人3人が臨時神職として奉仕 (熊野速玉大社 )
新宮市の世界遺産・熊野速玉大社(上野顯宮司)で12日、世界平和の祈り「特別祈願祭」が初めて執り行われた。田岡実千年市長、屋敷満雄市議会議長、市議、関係者ら約40人が参列し、平和への祈りをささげ、外国人3人が臨時神職として神事を奉仕した。
訪日外国人に、神事体験を通じて日本人の礼儀正しさ、熊野の神秘性、奥深さをより深く感じてもらい、装束を付けて職員として体験してもらうことで、日本の精神文化の一端を感じてもらうことが目的。
オーストラリア人のマービン・エストレラードさん(30)、シンガポール人のレイナ・オンさん(35)と通訳でアメリカ人のティム・デットマーさん(57)が奉仕した。
祈願祭では手水の儀、修祓の儀などを行い、同市熊野川町で栽培された「熊野川ヤタガラス米」を奉納。神楽、玉串拝礼が厳かに営まれた。
3人は臨時神職として手水の作法、おはらいの意味と受け方について学んだ上で、火入れの儀、神前にお供えを献ずる伝供の作法、玉串拝礼など神道の礼儀作法を体験。神職と共に世界の平和・安寧の祈りをささげた。
特別祈願祭は来年1~11月の第4月曜日に毎月1回開催する予定だという。
上野宮司は「熊野を訪れてくれた外国人の方と世界の平和を祈る神事を執り行った。作法を学び、真摯(しんし)に心から祈りの形と心を理解していただいた。3人に心から感謝したい」と述べた。
マービンさんは通訳を介し「世界平和を祈る貴重な経験になった」。レイナさんは「人生で一度しかない経験で、大事な記憶にしたい」と話していた。
(2018年11月14日付紙面より)
杉の郷防犯研修で職員ら (新宮市熊野川町 )
新宮市熊野川町赤木の指定障害者支援施設「杉の郷」(橋上慶一施設長)は9日、施設隣の赤木集会所で防犯研修を開いた。職員26人が新宮警察署生活安全刑事課の岩口幸司巡査部長と天野川匡佐子警部補らから刺股の使い方などを学び、安全意識を高めた。
2016年7月に神奈川県相模原市で発生した殺傷事件を受け、美熊野福祉会は同会の各施設で職員対象の研修を実施している。森常夫理事長は「監視カメラや刺股などハード面は整備した。研修は毎年行わなければいざというときに対応ができない。事件を忘れないようにし、心構えをしていきたい」とあいさつ。
岩口巡査部長は施設内外の警戒を常に行うことやあいさつなど声掛けの重要性を伝えた。入館証の導入、視界を妨げるようなものは置かないことなどもアドバイス。「利用者の安全確保は大切だが、職員の安全を確保した行動を」と呼び掛け、不審な人には2人以上で、十分な距離を保って接することなどを訴えた。
「日頃から定期的に訓練し、行動をあらかじめシミュレーションしておくことが大切」と話し、刺股の使い方では顔を向けて威嚇することや、2人以上で対処する際の動き方などを指導した。手首をつかまれた際などの離脱の方法も教え、職員らは繰り返し練習していた。
加藤さとみ支援課長は「毎年同じことを教わりますが、年に1度では忘れている部分もある。訓練が必要だと改めて思いました」と話していた。
(2018年11月14日付紙面より)
ピアノ教室第18回発表会 (古座川町公民館 )
古座川町中央公民館で10日、おとなのためのピアノ教室の第18回発表会が開かれた。講師の岡田祥子さんと生徒合わせて24人が一曲集中で練習した楽曲を披露し、約100人が鑑賞し拍手でたたえるなどした。
この教室は、同町公民館(富田正弘館長)が単年度開講している生涯学習教室の一つ。弾きたい曲を弾けるようになって演奏を楽しむという独特のレッスンスタイルが特色で、順を追って基礎を積み重ねることなく初めから気に入っている楽曲に挑戦できる内容が人気の要因になっている。本年度の生徒もクラシックや歌謡曲など多彩な音楽ジャンルから選曲し、岡田さんのアドバイスを得ながら練習に打ち込んできた。
経年で掲げているキャッチフレーズ「もしもピアノが弾けたなら」の染物で飾られた舞台を準備して観客を迎え、主催者を代表し富田館長があいさつをして開会。プログラムは2部構成で、1部冒頭では森田裕司さん・貴久子さん夫妻が連弾を披露し、以降は生徒のソロ演奏が続き、貴久子さん伴奏によるラジオ体操第1で体を動かしながら休憩に入った。第2部冒頭は永楽明子さんと岡田さんが連弾で楽曲『涙そうそう』を奏で、全員で合唱。生徒のソロ演奏を経て最終は岡田さんの演奏披露で締めくくった。
生徒は恒例になっている川柳を披露し、人柄の一端をのぞかせて場を和ませながら出演。緊張して途中で指が止まることも多々あったが、諦めず最後まで弾き通して観客の拍手を受け発表の印象や達成感を声にして次の出演者と交代した。
(2018年11月14日付紙面より)
幼年消防クラブがパレード (那智勝浦町 )
那智勝浦町で12日、秋の全国火災予防運動(9~15日)に伴う恒例の防火パレードが行われた。町立勝浦認定こども園(井沼弘子園長)の幼年消防クラブ、消防本部の署員や消防団員、保護者ら約100人が参加し、町内で火災予防を呼び掛けた。
パレードは9日に開催予定だったが、雨天で延期となっていた。
役場玄関前で出発式が開かれ、堀順一郎町長は家庭内での火災警報器の設置を勧め、「防火は年中、気を付けてほしい。幼年消防クラブの皆さん、パレードで元気いっぱい火災予防をPRしてください」とあいさつ。続いて、幼年消防クラブの4、5歳児32人が誓いの言葉を述べ、鼓笛隊の演奏が行われた。
園児たちは堀町長らからまといを受け取り、パレードがスタート。観光バスターミナルまで行進した。鼓笛隊の演奏のほか、拍子木も勢いよく打たれ、火災予防の徹底を呼び掛けた。保護者以外にも観光客や住民らも園児の姿を一目見ようと足を止めて見送った。
目的地であるバスターミナル到着後、鼓笛隊が迫力ある演奏を披露し、大きな拍手が送られた。
井沼園長は「幼年消防クラブは今年で11年目。この日のためにみんなが一生懸命に練習を重ねてきた。多くの方々に見てもらうことで自信となり、今後の園児の成長につながります」と感謝を述べた。同町消防本部の湯川辰也消防長は「園児たちの元気な掛け声や演奏が町中に響くことで、多くの住民も火事には注意していただけると思う」と話し、「今年は建物火災が3件。今後も活動を通して火事のない町をつくっていきたい」と語った。
(2018年11月14日付紙面より)
秋季ソフトバレー大会 (那智勝浦町体協ソフトバレー部 )
9、11月の大会で延べ26人が入賞 (新宮ジュニアレスリングクラブ )
熊野那智大社に一番湯奉納 (南紀勝浦温泉旅館組合 )
湧き出る温泉水を朝一番で源泉からくみ上げ、神前に供える「献湯祭(けんとうさい)」が11日、那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)で営まれた。南紀勝浦温泉旅館組合(中定俊組合長、組合10館)の組合員、組合旅館の宿泊客の中から希望者が参列した。
今年で41回目となる献湯祭。宿泊客の参加は同組合の新たな試みで、正式参拝や神事の後に振る舞う「温泉もち投げ」の投げ手経験などを盛り込んでいる。ホテルなぎさやに滞在中のスペインからの旅行客、フランシスカさんは「日本には7回、那智勝浦町は2度目です。今日は参加できて本当にうれしいです」と笑顔で話していた。
神事では、神職が祝詞を奏上、中組合長が祭文を読み上げ、裃姿の各旅館代表者が16カ所の源泉の一番湯を順に供えた。一同で自然の恵みに感謝するとともに業界の繁栄を祈願した。
同大社は、来年3月まで続く創建1700年記念境内施設整備事業を実施している。拝殿内部工事は献湯祭に間に合うよう取り進められ、この日は修復と塗り直しを終えた拝殿での初めての行事となった。
男成宮司は太古からの紀伊半島の地質活動に触れ、「自然は猛威を振るうこともありますが恵みも豊か。いの一番の温泉を大神さまも気持ち良くお喜びでしょう。那智勝浦町を訪れる方々が温泉に浴し、心身ともに癒やされますように」と結んだ。
(2018年11月13日付紙面より)
火災予防運動で総合訓練 (新宮市 )
秋の全国火災予防運動中の11日、新宮市消防本部は同市佐野の新宮港緑地と同市熊野川町の紀州造林跡地で総合訓練を実施した。市消防団の団員らと市消防職員が放水や礼式、資機材取り扱いの訓練に取り組んだ。
実災害に即した訓練を消防団員が主体となって行うことによる、団員の技術の向上と知識の習得を目的としている。消防職員の訓練時の安全管理意識の向上を図る狙いもある。
新宮港緑地での訓練には団員97人と市消防職員18人が参加。人員報告後、整列した団員らを前に市消防団の竹内由定団長は「市民の安心・安全と生命、財産を守る任務があり、どのような現場でも安全・迅速な対応ができるよう訓練を。火災の発生しやすい季節になってくるので十分注意をしてほしい」とあいさつした。
放水訓練ではホースが破れた想定で交換する作業などにも取り組んだ。礼式訓練では基本と出初め式で実施する行進をした。
竹内収・市消防次長は「いずれの訓練も今後の消防活動に重要な役割を果たすもので、今後も訓練を重ね、来るべき災害に備えていただきたい」と講評。台風時の活動への感謝を述べ、消防団の協力が必要不可欠だと呼び掛けた。
熊野川地区では団員38人と消防職員14人が訓練を実施した。
(2018年11月13日付紙面より)
大島地区で島内避難訓練 (串本町 )
串本町の大島地区で11日、島内避難訓練や防災学習会が行われた。3連動地震(東海・東南海・南海地震の同時発生)を想定した内容で、今回は小中学生を含む住民163人が最寄りの高台を目指して津波緊急避難行動を実践。その後は二次避難所とされる大島小に集まりさまざまな体験をして防災意識を高めるなどした。
同訓練は、大島小・大島中と大島区・須江区・樫野区が合同で年1回、3連動地震を想定して取り組んでいる。同学習会は島内各所が地震や津波で被災し住民が二次避難所に避難する流れをつくるために取り入れている機会で、今回は同町役場総務課防災・防犯グループ、同町消防本部、串本警察署、内閣府と県がそれぞれ防災体験企画を持ち込み、訓練参加者への啓発を行った。
同日午前9時に3連動地震が発生した想定で同訓練が始まり、防災行政無線による合図で住民の多くがその時間帯にいるであろう自宅から最寄りの高台へと避難。小中学生は年長の住民を気遣いつつ高台へと駆け上がり、高台では自主防災組織の役員が避難状況を確かめるなどした。
航空自衛隊串本分屯基地のバスやスクールバスを使って同訓練参加者を二次避難所へ搬送し、大島小体育館で避難者受け入れ訓練を実施。小学生と住民は地区(大島、須江、樫野、同基地)単位で、外部機関が持ち込んだ防災体験をローテーションしながら一通り体験した。
内閣府と県が持ち込んだのは、準天頂衛星「みちびき」を使った衛星安否確認サービスの体験。情報端末で登録した自身の避難者情報が衛星経由で集約されインターネット上で確認できるようになるという仕組みで、全員で試験入力して利便性を確かめるなどした。
警察はドローンや救助資機材のデモンストレーション、消防は消火器操作体験や負傷者搬送法の紹介、防災・防犯グループは業者招致により簡易トイレの組み立て体験や可搬型浄水器の紹介といった機会を提供した。
中学生と保護者有志は別行動を取り、同基地の隊員が炊き出した米20㌔を手分けしておにぎりにし、野戦鍋で沸かした湯を使って非常用のみそ汁も作って訓練参加者や運営陣に配るなどした。
その他、防災意識を高めるきっかけになればと、消防、警察、自衛隊の各特殊車両や自衛隊の非常食やウオーターシューターなど、県警の救援活動紹介パネルなどの展示もあった。
この訓練や学習会は島民の防災意識を高めることを狙いとし、小中学生はさらに避難経路の選択と率先避難を実践し、担い手となるため救助や避難所運営を身に付けるなどの目的を持って同訓練や同学習会に参加した。
全体会で小学生は印象に残ったことや防災意識がついたと感想を寄せ、中学生はこのような体験を通して誰も死なないようにすることが大事だと発表。大島小中を兼務する布引伸幸校長は、災害はいつ起こるか分からないが大島で暮らしている以上は何かがあれば逃げることや、学校と地域はできることで支え合い互いに恵まれることが大切だと講評して締めくくった。
(2018年11月13日付紙面より)
新宮ユネスコ協会が鐘打会 (新宮市 )
「世界平和記念日」の11日、新宮ユネスコ協会(中谷剛会長)は新宮市薬師町の瑞泉寺(麻谷正彦住職)で「平和の鐘」を鳴らし、世界平和を祈願した。
1918(大正7)年11月11日は第1次世界大戦が終結した日。ヨーロッパ各国では祝日に制定されたり、戦没者追悼式典などが営まれたりするなど、重要な日とされている。「平和の鐘」は4年目の取り組みで、約10人の会員らが午前11時から順番に鐘を突き、手を合わせた。
麻谷住職は「今年は第1次世界大戦終結から100年目の節目の年。平和に対する切なる願いを鐘の音に乗せて、一人でも多くの人の心に響かせてもらえたら」とあいさつ。中谷会長は鐘を鳴らすことには時間や危機を知らせるなどいくつかの意味があると述べ「願いや祈りを込める意味もある。平和とは平穏な日々の蓄積。平和が持続することを祈って鐘を鳴らすことは大切」と話していた。
仲之町商店街のサンタウンホールでは12月8日(土)と9日(日)、会員による「第4回写真展」を開催する。熊野地方の風景や世界遺産に関する写真を展示予定。開場時間は正午から午後4時まで。
(2018年11月13日付紙面より)
高校ラグビー和歌山大会
高校サッカー和歌山大会
新宮市スポーツ祭典ソフトボール
高校レスリング新人大会
新翔生が期日前投票所で職業体験 (新宮市 )
8日に告示された和歌山県知事選(25日投開票)を受け、県立新翔高校3年生2人が10日、新宮市選挙事務で職業体験をした。生徒らは投票所での仕事を通じ、選挙への理解と関心を深めた。
2016年7月の参議院議員通常選挙から選挙権年齢が18歳以上に引き下げられたことを受けて始まった取り組み。将来を担う生徒たちに、早い段階から社会の一員・主権者という自覚を持ってもらおうと市選挙管理委員会が実施した。選挙を身近に感じ、関心を高め、生徒自らに周囲への情報発信源となってもらう狙いもある。
この日は吾妻京香さん(18)と日浦琳香さん(17)が、期日前投票所となる市役所1階ギャラリーで宣誓書の確認や記入の案内、選挙用紙の交付などを体験した。
吾妻さんは「将来自分自身に関わってくることだと体験を希望しました。思っていたよりも忙しかったです。投票は当日に行く予定で、若い人たちにももっと投票に来てほしいと思いました」。
今回の選挙期間中に18歳となる日浦さんは「体験をして、若い人が少ないと思いました。このような機会もあるので、たくさんの人に体験してもらい、選挙に興味を持ってほしいです。投票は当日に行く予定。授業で若い人の投票率が少ないと学びました。自分たちの将来に関わることなので、友達同士で選挙について話をするなどができればいいなと思いました。暮らしやすい地域や国になってくれれば」と話していた。
新宮市内の7日現在の有権者数は2万4820(男1万1304、女1万3516)人。
(2018年11月11日付紙面より)
豪華客船ぱしふぃっく・びいなす (新宮市 )
豪華客船「ぱしふぃっくびいなす」(2万6594㌧、全長183・4㍍)が10日午前9時ごろ、新宮市三輪崎の新宮港に入った。495人の乗客が熊野巡りを楽しんだ。
今回は郵船トラベル(株)主催、千葉県木更津市共催のチャータークルーズ「秋の味覚と世界遺産・熊野古道クルーズ」(2泊3日)。木更津を出発し、横浜、新宮、横浜の行程。
着岸直後の歓迎セレモニーでは田岡実千年市長が歓迎のあいさつ。垣内宏・新宮港振興会長、宮本昌幸・市観光協会副会長らが郵船トラベル(株)の磯村克生社長、木更津市の田中幸子副市長、松井克哉船長に花束を贈呈。新宮市から記念品を贈り、返礼品を受け取った。
岸壁では平安衣装の人たちによる出迎えや地元物産展が開かれた。徐福茶や熊野なまずのフライと天ぷらの振る舞いもあった。同日午後4時45分ごろから始まる熊野水軍太鼓の演奏に見送られ、船は午後5時に横浜に向け出港する。
(2018年11月11日付紙面より)
第24回商工祭「南の国の雪まつり」(来年2月17日開催)に向けた第1回実行委員会が9日、那智勝浦町商工会館であった。実行委員長の森川起安・南紀くろしお商工会長、名誉実行委員長の堀順一郎町長、各組織からの実行委員ら約30人が出席した。
平成8年から続く那智勝浦町の冬を代表するイベント。商業の活性化と地域振興、ふるさと再発見、第1次産業の発展などを目的に開催している。地域の経済団体として積極的に働き掛け、地域社会を魅力あるものにすることをコンセプトに、「ふれあい」をイベントテーマに設定している。実行委員会は商工会、水産振興会、観光協会、漁協、農協、森林組合、温泉旅館組合などさまざまな団体で構成されている。
森川会長は「安心、安全を最優先に」と呼び掛けるとともに、例年の課題である駐車場問題について、公共交通機関やシャトルバス利用の周知を強く求めた。堀町長は「地元の人のみならず遠方の人々にも満足していただける祭りに。町もバックアップしていく」とあいさつした。
この日は実行委員らの自己紹介、収支予算書の承認、前回の反省会で出た検討課題について話し合った。会場設営や車いすでのトイレ利用、稼働率の増加しているシャトルバスの対応や駐車場の適正利用などについて検討した。次回の会議は、翌年1月末ごろに開かれる。
(2018年11月11日付紙面より)
町政懇談会で意見交換 (那智勝浦町 )
那智勝浦町は7日、役場で町政懇談会を開いた。この日は勝浦地区の住民が集まり、堀順一郎町長や職員から町行政の課題や施策の報告を受けた。懇談会は14日(水)までの間、各地区で実施される。
堀町長は課題の一つである新クリーンセンター建設について説明。湯川・市屋間の大浦用地を建設候補地に決めた理由として、「津波の危険性がなく、道路も近いので建設費の節約にもつながる」と述べた。利便性を考慮し、敷地内にリサイクル施設も設置することを話した。
100年先を見据えた町づくりや観光の柱づくりとなる「那智の滝100年の森づくり事業」を提唱。種苗育成などを町民全体で取り組み、国内外の人々やふるさと納税協力者らと共に植樹を行い、観光客の増加や防災力の向上、郷土愛の醸成などを目指すと力を込めた。
平成29年度決算について当局は、一般会計歳出総額が約93億7000万円で、歳入決算額は昨年より約8億4000万円増と説明した。新病院建設に伴う町債の借り入れの増加や、ふるさと納税の増加により寄付金が増えたことが大きな要因であると報告した。
地震発生時におけるブロック塀の倒壊被害軽減のため、撤去や改善に対する補助事業の詳細を話した。
質疑応答では出席者らは「(ブロック塀の)補助はどの程度の場合に対応するのか」「滝の保全はそれらの土地を町有地としてから進めるべきでは」など多くの意見が挙がった。当局は「町道や県道以外にも自転車や人が通る場合や避難に使用するものが対象」「土地の所有者たちが保全への協力を約束してくれている。町の財政を考えると現在は買うことは難しい」と返答した。
近年、連続発生した台風で浸水被害を受けた築地地区からは「満潮時刻と重ならない場合でも浸水した。商売を辞める人も出てくる。雨量だけでなく、水の流れにも注意してほしい」と声が上がり、町は「築地地区の排水機能の調査をし、土砂が堆積している側溝や排水管を発見次第、吸い上げ作業を行っている」と答えた。
堀町長は「先を見据えた長期的な施策を進め、町民の皆さまが夢を持てるようなまちづくりを行っていきたい」と語った。
今後の懇談会の日時、場所は次の通り。
▽12日(月)午後7時~ 交流センター太田の郷
▽13日(火)午後2時~ 口色川会館、午後7時~ 福祉健康センター
▽14日(水)午後7時~ 宇久井区民会館
(2018年11月10日付紙面より)
深瀬尚久さんが講演 (県中小企業家同友会 )
経営者団体「和歌山県中小企業家同友会」新宮支部(高橋伸支部長)は8日、新宮市大橋通の新宮信用金庫本店で11月例会を開いた。元北部航空方面隊副司令官の深瀬尚久さんが「日本を守る最前線の実話!!~日本を守る~」を題目に講演をし約60人が聴講した。
深瀬さんは新宮市出身。空幕では総務防衛系の要職を歴任。統合幕僚学校副校長を務めた。司令官として、航空自衛隊の幹部として40年にわたり国の平和と安全のため最前線で尽力。2017年に航空自衛隊を退職した。
深瀬さんは父親の希望で防衛大学に入学。自由に過ごしていた高校生活から一変、大学では徹底した規律や斉一性が求められたことに「カルチャーショックを受けた」と語った。「厳しい訓練を乗り越えたことにより同期の絆が生まれ、親やふるさとにありがたさを感じるようになった。帰属意識や愛国心も芽生えた」と振り返った。卒業後は幹部自衛官として年上の部下やベテラン下士官たちの指揮統率に悪戦苦闘した。立場が高くなるほどに公の人間として言いたいことが言えないもどかしさを感じた。
深瀬さんは現在の日本が置かれている状況に関して「不安定、不透明な東アジアにおけるメインプレーヤーにならざるを得ない状況。いまや『関係国』から『当事国』となった」と述べた。中国機やロシア機とのスクランブル(防空識別圏内に正体不明の航空機が侵入した場合の緊急発進)は年間千回近く起こっていると説明。尖閣諸島問題について「施設もなければ人も住んでいない。簡単に奪われる可能性がある。中国は徐々に既成事実化していく戦略が得意。共産党一党独裁国家ならではの強さと怖さを感じる」と話した。
国防のためには国民の意識改革が必要とし「平和国家の理想は必要だが、現実とリスクから目をそらしていては国家の存続は危うい。平和と安全を守ることはきれいごとではすまない」と警鐘を鳴らした。「国を守るためには膨大な労力とお金と犠牲が必要。それを怠るといつかもっと甚大な犠牲を生むことになる。民主主義国家の一員として政治や軍事、安全保障に関心を持つことは国民の責務」と強く語っていた。
(2018年11月10日付紙面より)
第14回串本町民総合展
第14回串本町民総合展が9日、町立体育館と町文化センターで始まった。期間は11日(日)までで、開場時間は午前9時~午後4時30分。入場無料で随時鑑賞できる。
この展示会は、同町と同町教育委員会が主催。町民の美術への愛好心と鑑賞力を啓発し、創造意欲を活発にして町域の文化向上に資する目的で年1回開いている。
出品者は町内在住、出身、在勤・在学者や町内のグループ所属者。今回は400件余りの事前申し込みがあり、会場には約600点の作品が飾られている。
作品のジャンルは▽生け花▽山野草▽フラワーデザイン▽書道▽俳句短冊▽俳画▽工芸▽手芸▽ちぎり絵(以上同館内)―などと、▽絵画▽写真(以上同センター内)―で、特別展示は前回に引き続いて写真展「トンボロの町・串本―歴史の道と老舗商店街」が同センター2階で開かれている。
特別展示は昭和20年代を中心に複数の写真で往時を振り返る内容で、昭和38年10月6日の串本小学校講堂落成記念行事(三笠宮さまご臨席)の様子も含まれる。
同センター内の一角には感想ボードが設けられ、付箋紙に記入して貼り付ける形で寄せる趣向も行われている。
(2018年11月10日付紙面より)
秋の火災予防運動初日に (新宮市 )
秋の全国火災予防運動(9~15日)に伴い、各地の消防は9日、防火広報を実施した。新宮市消防本部(川嶋基正消防長)では新宮、三輪崎、高田、熊野川の4地区に分かれて、住民らに防火意識の高揚を呼び掛けた。今年の全国統一防火標語は「忘れてない? サイフにスマホに火の確認」。
市消防本部で行われた新宮地区の出発式には丹鶴、千穂、蓬莱、警備の4分団から18人が参加した。竹内由定団長は「火災の防火意識を認識してもらう必要があり、一人でも多くの市民にお伝えいただきたい」と訓示。団員らは各分団の消防車両に乗り込み、各地区の広報に向かった。
期間中の11日(日)には新宮地区と熊野川地区で総合訓練を実施する。
期間中の全国重点目標は▽住宅防火対策の推進▽乾燥時および強風時火災発生防止対策の推進▽放火火災防止対策の推進▽特定防火対象物などにおける防火安全対策の徹底▽製品火災の発生防止に向けた取り組みの推進▽多数の者が集合する催しに対する火災予防指導などの徹底―の六つ。
市消防本部では▽住まいの防火対策を進めよう▽延焼拡大危険性の高い地域を中心とした火災予防対策や警戒を徹底しよう▽放火されない環境づくりを進めよう▽防火管理体制の徹底を図ろう▽電気用品、燃焼機器、自動車などの適切な使用・維持管理を徹底しよう▽火気器具・危険物は正しく取り扱いましょう―の6点を重点に実施する。
市消防本部管内で今年1~9月に発生した火災は、住宅火災3件、その他火災1件の計4件で、昨年同期より4件減少した。
(2018年11月10日付紙面より)
南紀熊野ジオパーク現地審査 (新宮市 )
日本ジオパーク委員会は7日、新宮市や那智勝浦町などで南紀熊野ジオパークの現地審査を実施した。
両市町と太地町、古座川町、串本町、北山村、白浜町、上富田町、すさみ町、奈良県十津川村の10市町村で構成する南紀熊野ジオパークは2014年8月28日に日本ジオパークに認定された。
4年に1度、再認定の現地審査を受ける必要があり、今回、審査員3人が来訪。地質遺産の保全、活用の仕組みと取り組み、前回審査時からのジオパーク活動の進展などを審査した。
6日にすさみ町、串本町を訪問。7日は那智勝浦町の「まちなかジオツアー」、新宮市で毎月1回開いている「時空の旅」を視察した。
「時空の旅」はジオパークガイドの石坂容子さん、福辻京子さんが紹介した。「川の参詣道」として世界遺産となった熊野川で平安時代の上皇や貴族たちが利用した川舟に乗り、江戸時代の石垣が残る新宮城跡などを巡るツアーで2016年から始まった。
石坂さんが「この城跡の魅力は石垣にある。石の加工や配置などで時代が分かる。石垣は城を守るものか、城主の権力と財力を示すものか、じっくり見てほしい」などと話し、新宮城跡を案内した。
審査員は各所で質問するなど、石垣に興味を示していた。視察後、福辻さんは「ガイドで大事なのは終わりの時間。今回は開始時間が予定より遅れたが、予定通り終わった。この日のために10回ほど下見し、審査員が何に興味があるのか探りながら案内できた。安全に終えることができて良かった」と話していた。
日本ジオパーク委員会による再認定の判断は来年1月18日(金)に公表される予定。
(2018年11月9日付紙面より)
部落解放・人権政策確立要求滋賀県実行委員会(以下、滋賀実行委)の会員18人が6、7の両日、人権研修のため新宮市を訪れた。会員らは「大逆事件の犠牲者顕彰碑」や「中上健次生誕の地碑」、神倉神社、佐藤春夫記念館などを見学しながら同市の歴史や文化を学び、人権問題について理解を深めた。
滋賀実行委は会員の人権学習の一環として毎年「人権スタディーツアー」を実施している。向井雅男副市長が「人権社会の確立に向け、皆さまと共にまい進していきたい」と田岡実千年市長のあいさつを代読。「今回の研修が実り多いものとなれば」と一行を歓迎した。
7日の研修では同市春日の市人権教育センター(春日隣保館)で、佐藤春夫記念館の辻本雄一館長が「大逆事件」について講話した。辻本館長は1891(明治24)年にロシア皇太子が襲撃された「大津事件」がきっかけとなり刑法73条(大逆罪)が成立したと説明。以降、明治期の「幸徳秋水事件」、大正期の「虎ノ門事件」、昭和期の「朴烈(パクヨル)・金子文子事件」、「李奉昌(イボンチャン)事件(桜田門事件)」の四つの大逆事件が起こった。辻本館長は「少なくとも三つは冤罪(えんざい)。中でも大石誠之助ら熊野・新宮の関係者が巻き込まれた明治の大逆事件は規模が大きかった」と述べた。
大逆事件で検挙された誠之助を中心とする関係者らが「紀州グループ」と称されるゆえんについて、辻本館長は「権力の側の命名であってそういうグループが実在したわけではない。危険グループの一掃といった捏造(ねつぞう)になりかねない。彼らはそれぞれの個を基調として時代の動向に時にはあらがい、時には押し流されながら、若者特有の悩みや煩悶(はんもん)を抱えつつ生きていただけ」と語った。
辻本館長は誠之助が名誉市民となったいきさつやその人柄、思想などを紹介。成石平四郎や高木顕明、峯尾節堂ら他の犠牲者についても説明し、研修に参加した会員らは熱心にメモを取るなどして真剣に耳を傾けていた。
(2018年11月9日付紙面より)
城南中でオレンジリボン授業参観 (新宮市 )
新宮市立城南中学校(中田善夫校長)は7日、各学年を対象に授業参観を開き、「オレンジリボン」の授業を実施した。4年目になる取り組みで保護者らが見守る中、生徒たちは児童虐待などへの学びを深めた。
オレンジリボンキャンペーンは2004年に栃木県で子どもが虐待を受け、命を奪われた事件をきっかけに始まった。会場となった体育館には3日の文化祭で教職員や保護者らから集まった子どもたちへのメッセージカードが飾られた。森浦展行教諭が授業を進行し、子育てあんしんネットしんぐうの会員らと、市社会福祉協議会の大谷康央事務局長が見学に訪れた。
2年生の授業では森浦教諭が社会運動に対して支援や賛同を表す「アウェアネス・リボン」の色と意味を説明した。生徒らは協力してオレンジリボンのバッジを作り、カードにメッセージを記入した。最後は生徒を代表して玉置七彩(ななせ)さんがあいさつし、授業が終了した。
大谷事務局長は「地域と学校がつながることで、一つのきっかけができてくれれば」。子育てあんしんネットしんぐうの川嶋ひとみ委員長は同校の積極的な取り組みに感謝し「『虐待』という言葉は重たいですが、皆が笑顔で相手を思いやる気持ちを忘れないでくれれば」。
森浦教諭は「温かい気持ちになってもらい、一人で抱え込まずに誰にでも相談してもらえれば」と話していた。
(2018年11月9日付紙面より)
つばき園舎で小児科講座 (くしもと町立病院 )
くしもと町立病院小児科による公開講座が6日に串本町立くしもとこども園つばき園舎であり、保護者や保育教諭ら約30人が医療機関への救急搬送が必要な子どもの症状などへの理解を深めた。
この講座は、同病院と地域を身近にする取り組みの一環として前年度から始まった。同病院の勤務医が講師登壇する点を特色にして回を重ねていて、本年度は3回目、前年度からの通算で7回目の実施になるという。
講師は同病院小児科医員の草野信義さんで、演題は「急ぐ症状・急がない症状」。名田倍也・同病院事務部事務長のあいさつを経て登壇し、新宮・東牟婁地方において小児科医は「絶滅危惧種」と対比できるぐらい数が少なく対応力が限られている点を前置きし、すぐに治療が必要な子どもが円滑に受診できる医療環境づくりへの理解と協力を求めて話を進めた。
急ぐ症状を判断する目安について▽発熱▽咳や鼻水▽下痢や嘔吐▽皮疹▽けいれん▽頭をぶつけた―といった主訴別に説明。これらの目安は日本小児科学会のサイト「こどもの救急」でも示され、小児救急相談(電話#8000、平日午後7時~翌日午前9時、土・日・祝日午前9時~翌日午前9時)もあるので迷ったときは利用してほしいとアピールした。
目安に該当した場合が急ぐ症状であり救急搬送が必要だが、けいれんの目安に該当した場合については自家用車で運ぶのは危険(運転者が子どもに気を取られて運転を誤る可能性が高い)なのですぐに救急車を呼ぶよう呼び掛けた。
草野さんは「(小児科医は)皆さんのためにありたい」と改めて思いを掲げ、診療時間内は気軽な来院、診療時間外や日曜応急診療時は事前に電話連絡をすることへの協力を求めた。余った時間で質問にも気さくに答えて、地域との歩み寄りを深めた。
(2018年11月9日付紙面より)
熊野川ふれあい交流事業実行委員会 (新宮市熊野川町 )
熊野川ふれあい交流事業「第9回グラウンドゴルフ大会」協力委員説明会が6日、新宮市立熊野川中学校で開かれた。主催の同事業実行委員会協力委員や社会福祉協議会職員、同中生徒会メンバーら約30人が出席し、14日(水)に開催する大会当日の日程や役割分担などを話し合った。
大会は一人暮らしなどによる引きこもりを防ぎ、仲間づくりや健康、生きがいづくりを目的に地域住民が主体となって開いている。毎年60歳以上の地域住民ら100人以上が集まる恒例行事で、昨年に続き同中生徒と教職員がスタッフ兼プレーヤーとして参加、交流する。
説明会で木村康史実行委員長は中学生の協力に感謝を述べ「成功を収められるよう頑張りたい。中学生には昨年も協力いただき、喜んだところ。子どもが少ない地域なので、これを機会に交流を持てればいいかと思う」とあいさつ。
社協の大谷康央事務局長は「地域と学校がつながりを深めるためにも協力を。社協としても地域福祉の課題に取り組んだり、行事や交流会を住民と一緒に協力していきたい」と呼び掛けた。
出席した生徒会の中川怜大会長(2年)は「進行の役に立てるよう頑張ります」。垣本翼副会長(2年)は「大会をよりよくできるよう協力したい」と語った。
この日は来年3月に予定しているふれあいお楽しみ会の内容についても話し合った。
(2018年11月8日付紙面より)
「ネット社会」の子育て講座
和歌山県教育委員会は那智勝浦町教育委員会と共催で4日、同町体育文化会館を会場に「みんなで子育て!ネットワーク講座」を開いた。子育て中の保護者、子育て支援や子どもに関わる活動をしている人などを対象にした全2回の講座。今回は「ネット社会との関わり方」をテーマに和歌山大学教職大学院教育学部の豊田充崇教授が話した。
2015年に中学生の長時間ゲームプレー率が第1位、スマートフォンの利用率が高いなど県のデータを示した上で、子どもたちが夢中になっている新しいゲームを実際にスクリーンに映し出しながら説明。「ネット依存は薬物、アルコール依存と同じ。ゲームは楽しみの一つと捉えることができればいいが、それしかないとなると問題」と注意を促した。
ネット上に撮影した画像や写真を送る「投稿系サイト」も紹介。簡単に投稿できるが、店舗内の冷蔵庫に入る動画や線路に侵入した写真など社会的に悪い影響があった投稿は外国で保存され、日本からは消せなくなっている例などを話し、「一生を棒に振る可能性がある。投稿は一瞬、後悔は一生」と呼び掛けた。
使い方を誤れば怖いツールではあるが、政府が提唱する人工知能などによる新たな技術革新社会「ソサエティー5・0」計画や県が進めるプログラミング教育などで人材育成に利用されている側面も説明した。
学習素材がネット上にあふれていて、子どもたちがそれらを利用して自主的に学んでいる例も示し、ネット社会の発展による学び方の変化も解説した。
豊田教授はネット依存にならないために▽使用ルールを決める▽使用履歴をつける▽スマホ以外の活動を促す―などを掲げながらも、「わが家のルールを決めても70%以上が形骸化しているデータもある。徹底させることが難しい。守りやすいルールを決め、現実的なペナルティーも設定しておくこと」と述べ、「うまく使えば人材育成とともに地域活性化につながる。間違えば人生を棒に振る」と話した。
ネットワーク講座の2回目は12月16日(日)午後2時から4時まで、いさな文庫の山田てるみ代表が「子育てと絵本」について講演する。会場は同じく町体育文化会館。講座の申し込みは東牟婁教育支援事務所(電話0735・21・9637)まで。
(2018年11月8日付紙面より)
児童生徒と住民が一緒に (西向小中CS )
串本町立西向小学校(山本誠士校長、児童53人)や同町立西向中学校(山下哲治校長、生徒25人)の校区内で2日、防災活動「一時避難場所巡り」があり、児童生徒と住民が一緒になって最寄りの高台や危険な場所を確かめて回った。
この活動は、西向小・中コミュニティスクール(西向小中CS、東義隆会長)が主催。将来の発生が高い確率で予測されている大地震や伴う津波への備えとして、住んでいる区内の緊急避難場所や避難路として使えない恐れがある場所をあらかじめ把握し、併せて日頃の防災意識を高める目的で年1回、両校と地域の合同行事として実施している。児童生徒はさらに、地域の一員としての自覚を持ち、自分たちにできることを考えることも目的にして毎回参加している。
当日は校区内各区単位で活動グループを結成し、児童生徒は住んでいる区のグループに参加。3~6カ所の津波緊急避難先を実際に訪ねて確かめ、その道中で住民らは児童生徒に危険な場所や知っておいてほしい事柄を伝えるなどした。
岩渕区(山本進区長)は児童4人と住民8人でお互いに自己紹介をした後、▽成就寺▽護国神社跡▽カジヤ谷―の各高台を巡った。原町区(船井鉄司区長)は生徒がリーダーとなって▽老人憩いの家(旧西向幼稚園の向かい)▽西向小裏山▽同神社跡―を巡り、船井区長は同家が土砂災害警戒時の避難場所になったことを覚えておくよう、一緒に行動した機に児童生徒へ呼び掛けていた。
(2018年11月8日付紙面より)
熊野川河口付近で (新宮市王子ヶ浜を守る会 )
環境美化やアカウミガメの保護活動などに努める市民団体「新宮市王子ヶ浜を守る会」(速水渉会長)は6日、新宮市緑ヶ丘の東牟婁振興局の地下第1会議室で王子ヶ浜の清掃計画について協議した。
清掃は12月2日(日)午前9時から実施し、同市王子ヶ浜の王子ヶ浜信号から熊野川河口までの範囲で不燃ごみ、太い流木を集める。小雨決行、雨天の場合は中止とする。
協議には同会をはじめ、環境省、国交省、和歌山県、新宮市の職員ら17人が出席。清掃作業には重機や運搬車両などが必要で、県が業者に一部を手配する。速水会長は国交省に車両2台、重機2台の手配を要請した。市には30~50人の人的協力を求めた。焼却は同会が管理するとした。
あいさつに立った速水会長は「台風による流木の処理はボランティアで行っていた。今後は県、国交省、市、環境省が力を合わせて努力しないと解決しない」。海岸管理者の和歌山県が主導して取り組むよう求めた。
県に対し、公共工事入札業者がボランティアに積極的に参加する仕組みを作ってほしいとした。
準備などについて話し合った後、同会は環境省、国交省、県、市に対し熊野川の濁水対策として抜本的な対策に至っていないとして質問書を提出。次回開催までに文書での回答を求めた。
紀伊半島環境保護推進協議会の中平敦代表は「熊野川の今の濁りより、震度7の地震による上流ダムの決壊が怖い。ダムは速やかに撤去すべき」。冒頭には、特殊車両の運搬に関し緊急課題を提言し、「公共工事は国民の生命と財産を守ることが目的で、事故のないように進めることが大事。今後、河口大橋の建設が始まると特殊車両の扱いも注意しないといけない」と述べた。
(2018年11月8日付紙面より)
トルベリーノカップ4人制大会
県なぎなた秋季大会・県高校選手権
年金友の会グラウンドゴルフ大会 (JA三重南紀 )
那智勝浦町総合体育大会軟式野球
新宮市民スポ祭陸上競技の部
太地町からアメリカへ移住した人々やその子孫たちで組織する在米太地人系クラブ(脊古正純代表)の訪問団41人を歓迎するパーティーが5日、同町公民館で開かれ、訪問団と町民合わせて約110人が集まった。久しぶりに再会する親戚らが昔話に花を咲かせるなど、会場は温かい雰囲気に包まれた。
明治以降、アメリカ・カリフォルニア州のターミナル島に移住した太地の先人たちは、マグロ缶詰製造などで成功し、ピーク時には県内各地や静岡県などから約3000人の移民を集めた。1915年に「在米太地人会」が結成され、終戦後の56年には「太地人系クラブ」に名称を変更。一世の高齢化などから2006年に解散。08年に太地町から調査団が派遣された際に再結成の話が持ち上がり、11年に再結成された。15年に結成100周年を迎え、太地町から80人の代表団が訪米するなど交流が続いている。
今回の訪問は3日から7日までの日程。4日は「第33回太地浦くじら祭」にも参加した。団体で太地を訪れるのは初という。
開会式で宇佐川彰男教育長は同クラブの歴史を紹介し「アメリカと太地の人々の絆が続くように、中学生や高校生の派遣も考えたい。今日は親睦を深めましょう」とあいさつ。脊古代表は「下は6歳、上は90歳代までの訪問団。太地町の皆さんが100%何から何までやってくれた。一緒に食事ができてうれしい」と感謝した。会場ではマグロの解体ショーもあった。
小学校5年の時に渡米した森本仁千さん(69)は「くじら祭が素晴らしかった。漁船に乗船した体験は忘れられない。太地は元気な町だ」、新宮高校卒業後、18歳で渡米した宮川勝揮さん(78)は「アメリカで想像していた何倍もの歓迎をしてくれた。日本語の分からない三世、四世もみんな満足しているように感じる」と喜んでいた。
脊古代表は「二世はもう90代。今は五世までいる。今回、若い人に募集をかけてみたところ、自分のルーツを知りたいという声が多く上がり、これだけの訪問団になった。みんな来て良かったと言ってくれた。交流を続けたい」と話していた。
(2018年11月7日付紙面より)
ペップトーク講演会 (那智勝浦町 )
那智勝浦町教育委員会は3日、同町体育文化会館で「心に響くコミュニケーション・ペップトーク やる気を引き出す魔法の言葉」講演会を開催した。同町民総合体育大会40回記念講演会で、スポーツ少年団の指導者やスポーツクラブの参加者ら84人が聴講に訪れ、トレーナーズスクエア株式会社の代表取締役社長、岩﨑由純さんの講演に耳を傾けた。
ペップトークとはアメリカでスポーツの試合前に監督やコーチが選手を励ますために行っている短い激励のメッセージ。ペップは「元気、活気、活力」の意味で、ペップトークは緊張や不安をやる気に変える「前向きな背中の一押し」の言葉。
岩﨑さんはアメリカのスポーツ現場で学んだ経験を生かし、実例を示しながら、ユーモアあふれる語り口で紹介した。
「選手は技術や体力を磨いて試合に臨む。指導者は言葉の力を磨く。どれだけ選手にパワーを与えられるかが指導者だ。日本人は言霊のパワーを知っている」と述べ、ペップトークの特徴を▽短く▽分かりやすく▽肯定的な言葉を使う▽魂を揺さぶる▽人をその気にさせる―などを挙げた。
「ミスするな。この試合に負けたら走らせるぞと試合前に選手に言っては駄目。これでは勝って大喜びしている姿は想像できない」と語り、「イメージは実現化する。してほしいこと、成功や勝利をイメージさせることが大切」と訴えた。
「『廊下を走るな』ではなくて『廊下を静かに歩こう』」など肯定的な言葉を使う必要性を強調。「質問に答えられないときは『どうして分からないの』と責める否定質問ではなく、『どこまで分かっているか教えて』の肯定質問で」などと述べ、積極的な言葉という意味の造語「ポジティ語」を提案した。
できなかったプレーの事実をまず受け入れ、その時の状況や精神的状態などをしっかり聞く「傾聴力」をつけ、悪かった点は改善点として良い意味に捉える「とらえ方変換」をし、やってほしいという「してほしい変換」に変え、やればできると「背中の一押し」をするなど、選手育成のステップを説明。選手の成功を信じて指導すると選手は期待に対して潜在意識で反応する「ピグマリオン効果」なども解説した。
「誰かの夢の実現や目標の達成を応援する人が『ドリームサポーター』。それは子どもにとっては親や兄弟、先生、指導者」と来場者に呼び掛けた。
(2018年11月7日付紙面より)
第43回紀南吹奏楽のつどい (紀南地区吹奏楽連盟 )
串本町文化センターで4日、合同演奏会「第43回紀南吹奏楽のつどい」があった。過去最多の9団体が出演。今回は500人規模の鑑賞を集める中、各団体個別や中高別、合同で演奏を響かせた。
この演奏会は、紀南地区吹奏楽連盟(木村享照理事長)が主催。1967(昭和42)年に旧新宮商業高校の故・植村俊平教諭が呼び掛けて始まり、以降は同連盟や前身の県吹奏楽連盟紀南支部により年1回の頻度で計画されている。荒天に伴う中止や持ち回りで開かれる県吹奏楽祭に置き換わった年もあり、実施は43回目。県内では最も歴史のある地方合同の演奏会だという。
今年は同連盟結成50周年に当たり、その記念事業に位置付けて計画した。出演は▽緑丘中▽光洋中▽那智中▽潮岬中▽新宮高▽新翔高▽串本古座高▽近大附属高中▽那智勝浦吹奏楽団―の各吹奏楽部員や同団員で、総勢約150人(主催者発表)。序盤~中盤は各団体個別(新翔高と串本古座高を除く)による演奏披露で、部員は2曲、団員は3曲(他にサプライズ楽曲1曲)を発表した。終盤は中高別に合同ユニットを編成し、中学生は楽曲『情熱大陸メインテーマ』『宝島』、高校生は楽曲『ヤングマン』『サンバ・エクスプレス』で力強く演奏を響かせた。
日頃の活動成果を披露して相互交流し、集団活動をする力と演奏技術の向上を図るのが今回のつどいの目的。開会に当たり同連盟の西野政和副会長は同連盟結成50周年の節目を支える経験豊かな先生の指導を受けてさらに活躍することを部員らに期待し、閉会に当たり木村理事長は「いろいろな活動の中から吹奏楽を選び、演奏し鑑賞するという吹奏楽を通してわれわれはこのようにつどいをしている。このご縁を大切にし、これからもいい紀南のまちを一緒につくっていければと考えている。皆さま、本日はありがとうございます」と述べて締めくくった。
(2018年11月7日付紙面より)
新宮市共同募金委員会
社会福祉法人和歌山県共同募金会新宮市共同募金委員会(会長・田岡実千年市長)による今年度2回目の赤い羽根共同募金運動が4日、市内4カ所であり、市社会福祉協議会、高校生、有志ボランティアが買い物客らに募金を呼び掛けた。
赤い羽根共同募金は戦後復興の一助として1947年に始まった住民主体の活動で、新宮市では「ささえ愛募金」「MACHI(まち)サポート募金」「新宮いのちの募金」の「3つの活動募金」として呼び掛けている。昨年度の実績額は計411万8422円で、今年の目標額は450万円。
新宮市佐野のスーパーセンターオークワ南紀店前では、新宮高校の生徒らが街頭募金運動を展開した。
同協議会の大谷康央事務局長は「赤い羽根共同募金は自分の町を良くし、地域課題を解決するために活用されます。来年3月末まで取り組んでいきます。協力をお願いします」と呼び掛けている。
(2018年11月7日付紙面より)
那智勝浦ゴルフ倶楽部
新宮剣友会が例大祭に合わせ奉納試合
12月1日に準決勝、決勝
新人大会全4部門で近畿出場権獲得 (新宮高校弓道部 )
太地町の太地漁港ふれあい広場で4日、第33回太地浦くじら祭(同実行委員会主催、岡本光正実行委員長)が開かれた。
ステージでは踊りや太鼓、獅子舞などの伝統芸能が披露され、にぎやかな一日が繰り広げられた。食べ物などの販売ブースや体験コーナーには町内外から出店があり、約5000人の来場者でにぎわった。
太地町ならではの訪問もあった。明治時代に同町からアメリカ合衆国へ移民した人々やその子孫で構成される在米太地人系クラブ(脊古正純代表)の41人が来日。太地町を舞台に捕鯨を巡る世界的な論争をテーマにしたドキュメンタリー映画「おクジラさま」の佐々木芽生(めぐみ)監督も来場した。会員の中には数十年ぶりの里帰りという会員もおり、佐々木監督と共に、にぎやかな祭りを楽しんだ。ステージに招かれた背古代表は「共に楽しみましょう」と呼び掛け、小さい子どもたちの「ハロー」のあいさつに会場から大きな拍手が送られた。
振る舞いの食べ物では太地漁協の伊勢エビ汁に長蛇の列ができ、会場には44の出店が並んだ。出店数や来場数は、年々伸びを見せている。毎年人気の漁船パレードには乗船を希望する多くの家族連れが整理券を手に集まった。
ステージでは町民芸保存会の「鯨踊り」や「くじら太鼓」、東新青年同志会による獅子舞といった町内の伝統芸能が披露された他、姉妹都市・白馬村のPRや、太地こども園の園児らの踊り、地元バンドの「BAO」、「ヤブシン」などの出演が花を添えた。
(2018年11月6日付紙面より)
奥瀞道路(Ⅲ期)起工式に150人
一般国道169号奥瀞(おくどろ)道路(Ⅲ期)起工式が3日、北山村大沼の村立北山小・中学校体育館であった。関係者や地域住民ら約150人が出席し、鍬(くわ)入れ式や万歳三唱で道路の一日も早い完成を祈った。
奥瀞道路(Ⅲ期)は2008年に開通した奥瀞道路、15年に開通した奥瀞道路(Ⅱ期)の延伸区間で、同村下尾井―小松間の3・4㌔。16年に事業化し、用地買収率は18年9月末現在8割程度。完成時期は未定。
災害時の強靱(きょうじん)な道路ネットワークの確保と、救急医療活動の支援、地域経済発展への寄与を目的としている。現状は道路幅が狭くすれ違いが困難な箇所や、急勾配と急カーブにより見通し不良など通行に支障をきたす箇所、雨量による異常気象時通行規制区間が存在する。
奥瀞道路(Ⅲ期)の整備によって通行時の安全安心を確保でき、新宮市立医療センターまでの搬送時間が短縮される。大型観光バスの通行も可能となり、アクセス性が向上することで観光産業振興による地域活性化が期待される。
式典で国交省の池田豊人道路局長は奥瀞道路の事業に触れ「期待に応えられるよう整備を進めていく」と式辞。仁坂吉伸和歌山県知事は「人々の暮らしに県境はない。お互いに高め合って栄えていただければ」。渡邉信一郎三重県副知事は「さまざまな機能と大きな効果を持つ重要道路。関係者と力を合わせてしっかりと整備を進めていきたい」とあいさつした。
来賓の二階俊博自民党幹事長は関係者の努力や応援、活動の積み重ねで整備が前に進んでいるとし「もうひとがんばり努力をし、子どもや孫の時代に北山村はこうなったと言えるよう、みんなで頑張っていこう。皆さんのご奮闘を心から願い、今日の喜びに感謝したい」。浮島智子衆議院議員は安全な通行と観光振興に触れ「北山村の素晴らしさを伝えながら、皆さまと共に頑張っていきたい」と祝辞を述べた。
山口賢二村長は感謝し「暮らしを守る命の道。近隣市町村と連携できる立派な道路であると思い取り組んでいきたい」と協力を求めた。式典は国土交通省近畿地方整備局、和歌山県、三重県、北山村、熊野市が共催。熊野鬼城太鼓の演奏や地元の女性たちによる手踊りなどが披露された他、きたやま保育所の園児らがお祝いの言葉を述べた。式典後には餅まきもあり、8斗の餅を大勢が拾い集めた。
(2018年11月6日付紙面より)
橋杭岩ライトアップ (串本町 )
串本町くじ野川にある国指定天然記念物・橋杭岩のライトアップが2日から4日まで行われた。今年は3日間とも好天に恵まれる中で実施。弁天島から陸側の岩々などが多彩に照らされ、その幻想的な光景が多くの注目を集めた。
このライトアップは物件「紀伊山地の霊場と参詣道」の世界文化遺産登録(平成16年)を祝い行われた企画。好評だったことから同町が企画を継承し、翌年からおおむね年1回実施している。
橋杭岩自体が同町を代表する観光資源として広く知られているが、前年度は橋杭岩ライトアップが日本夜景遺産に認定され、本年度は観光資源としての橋杭岩がトリップアドバイザーの5年連続エクセレンス認証を受けた。ここ最近は一段と橋杭岩の話題性が高い状況にあり、同町は道の駅くしもと橋杭岩に加えて橋杭漁港や橋杭海水浴場にも臨時駐車場を設けて期間中の鑑賞を受け入れた。
今年のライトアップの演出は、岩々を10色60基のパーライトで投光し、14基の発光ダイオード(LED)スポットライトでその手前を照らす内容。一定周期で後者のライトが虹色に染まる趣向も交えられ、鑑賞する人々の多くがスマートフォンなどでの撮影を試みながら楽しんだ。
今年は3日の点灯直前に橋杭海水浴場で開かれたイベント「ハッピーハロウィーンジャズライブinはしぐいビーチ」の仮装パレード一行が同駅へ赴きカウントダウンで開始を盛り上げる場面もあった。
(2018年11月6日付紙面より)
来年のえと「亥」の色紙 (熊野那智大社 )
那智勝浦町那智山の熊野那智大社(男成洋三宮司)で来年のえと「己亥(つちのとい)」の色紙作りがピークを迎えた。男成宮司が直筆で1枚ずつ、色紙に「邁進(まいしん)」の文字を書き入れている。今月中旬までに1300枚を完成させる予定。
色紙の中央にはイノシシが勢いよく走り出す姿が描かれ、那智の滝、初日の出をバックに配している。「邁進」の文字は、恐れることなく目標・目的に向かって前進するという意味の熟語「勇往邁進(ゆうおうまいしん)」から。
男成宮司は「目標をしっかりと定め、それに向かってひたすら突き進み、必ずや目標を達成されるようにとの願いを込めて書いています。新しい年が素晴らしい一年となることを祈念しております」と語った。
発送は今月15日(木)を予定。1枚2000円、送料は2枚以下600円、3枚以上は1200円。申し込みは、はがき、またはFAXで受け付けている。〒649―5301 那智勝浦町那智山1 熊野那智大社(FAX0735・55・0643)。
(2018年11月6日付紙面より)
全国高校ラグビー和歌山大会
全国高校サッカー和歌山大会
那智勝浦町熊野古道ヒルクライム
新宮城復元資料収集懸賞事業始まる (新宮市 )
新宮市は3日から「新宮城復元資料収集懸賞事業」を実施する。最高総額1700万円の懸賞金をかけて天守や大手門、やぐらの復元につながる古写真や設計図などの資料を募る。期間は2021年3月31日まで。
国史跡「新宮城跡」の文化的価値を損なうことなく適切に保存し、次代に継承するとともに、価値と魅力をさらに高め、まちづくりの中核として有効活用していく目的。
賞金額は天守1000万円、大手門500万円、やぐら200万円で、復元につながる根拠資料と認められるときは総額、根拠資料の一部と認められるときは審議の上で額を決定する。財源は「新宮市丹鶴城址(じょうし)整備基金」を充てる予定で、今年3月議会に予算措置がとられている。
設計図や絵画、写真、模型、記録などで精度が高く良質なものが求められている。資料が外国に秘蔵されている可能性から、外国人の視点を取り入れて全世界に向けた広報を実施していく。
今年5月に設置した諮問機関の「新宮城復元対策委員会」から▽新宮城復元にかかる資料収集のための懸賞金事業▽水野家入部400年事業との連携―の2点について、10月に中間答申を受けた。11月2日、新宮市役所で開かれた記者発表で田岡実千年市長は、復元へのハードルは高いと述べ、取り組みは行政だけでなく、市民の理解と後押しを受けまち全体で進めていくべきとの考えを示し「国内のみならず全世界に向けて広く情報を発信し、資料の発見につなげたい」とあいさつした。
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■新宮城
関ケ原の戦い(1600年)で戦功をたてた浅野幸長が紀州に入国した後、支藩新宮に置いた一族の家老・忠吉が01年から築城に着手。19年浅野氏に代わり入国した水野重仲が築城を継続し、2代目・重良の時代の33年に完成した。
標高約50㍍の最高所に「本丸」、現在の正明保育園には行政機関の「二ノ丸」、旧市民会館横には登城の際の「大手道」があった。熊野川側の「水ノ手」には炭納屋群があり、熊野川流域の備長炭を江戸へ出荷する際の拠点になっていた。熊野灘を行く船を見ることができたことから「沖見城」との別名もある。
1873年の廃城令を受け、75年までに取り壊され、現在は石垣のみ。2003年に国史跡に指定された。17年4月には「続日本100名城」に選ばれている。
(2018年11月4日付紙面より)
施設利用者の避難誘導も (新宮市社協 )
新宮市社会福祉協議会は2日、市福祉センターで火災発生を想定した避難・消火訓練を実施。市消防本部職員が見守る中、社協職員10人が利用者の避難誘導、初期消火に取り組んだ。
福祉センターでは年2回、地震津波と火災を仮定した避難訓練に当たっている。今回は1階給湯室から出火したと見立てた。
火災を発見した職員が「火事だ、火事だ」と大声で周囲に伝達。消火班が初期消火するが間に合わず、通報班が119番通報した。同時に火災発生を館内放送で流し、避難誘導班が利用者約20人を屋外へ避難させた。
逃げ遅れがないか確認し、火災発見から約5分で避難が完了した。消防職員は「煙を吸わないようハンカチで口を押さえる対応は良かった」と講評。「出火場所によって避難経路が変わってくる。消火器の場所も覚えてほしい」と呼び掛けた。
続いて消火器使用を実践した。消防職員が火元に近づいてからピンを抜くこと、回り込みながら消火することなどを説明。職員らは訓練用水消火器を用い、初期消火活動を試みた。
大谷康央事務局長は「施設は子どもからお年寄りまで利用されている。定期的に訓練することで、万が一火災が発生した際もスムーズに行動できる。今後も訓練を継続していきたい」と話していた。
(2018年11月4日付紙面より)
「文化の日」の3日、新宮市役所前で53回目の佐藤春夫「筆供養」が営まれた。市民ら約70人が参列し、使い古した筆を供養するとともに春夫の遺徳をしのんだ。
公益財団法人佐藤春夫記念会(舩上光次代表理事)と新宮市教育委員会(楠本秀一教育長)が主催し、2015年まで市民会館前の「筆塚」で営んでいたが、文化複合施設建設工事で一時撤去していることから会場を変更している。
式典では春夫作詞の市歌斉唱後、茶道裏千家淡交会南紀青年部の髙木宗泉さん(お点前)と谷口宗尚さん(半東)が春夫の写真の前にお茶を供えた。県立新翔高校書道部員の中村奏太君と西村優花さんが筆を置き、参列者が続いた。中村君は「参列できるのはありがたいこと。もう少し字がうまくなればと願いました」と話していた。
参列した田岡実千年市長は『望郷五月歌』を挙げ「おおらかで美しい自然と、それに彩られた豊かな文化の地、熊野新宮を思い起こす。先人たちの多様な活動で独自の文化を紡いできた新宮市。文化複合施設建設事業が進行中だが、さらなる文化の向上発展のため今後も指導、鞭撻(べんたつ)をいただきながら取り組んでいく」。
辻本雄一・佐藤春夫記念館長は春夫と魯迅の深い関わりを紹介し「来年は佐藤春夫記念館が開館して30年。至らない点、気付かない点をどしどし発信していかなければならない」とあいさつした。
「筆塚」は1966年、新宮ライオンズクラブが市民会館前に建立。揮毫(きごう)は春夫の親友だった堀口大學が行い、佐藤千代夫人と堀口夫妻らが除幕した。塚の中には春夫愛用の毛筆と万年筆が納められている。
(2018年11月4日付紙面より)
中学校で文化祭、学習発表会 (新宮・東牟婁地方 )
「文化の日」の3日、新宮市と那智勝浦町、太地町の中学校で文化祭や学習発表会があった。生徒らは体験学習をまとめたものや踊り、歌、劇、アート作品など、練習や学習の成果を披露した。
新宮市立緑丘中学校(橋爪健校長)では、開会で文化祭副実行委員長の植地洸斗君(3年)が「1年生は初めての、2年生は昨年の経験を生かす、3年生は中学校最後の文化祭です。悔いを残さず、いい思い出になるように頑張りましょう」と呼び掛けた。
橋爪校長は「この日のために、皆さんが細かく先生たちと準備や練習に励んでいたのを目にしました。今日は一生懸命に取り組んで来た成果を発揮していただきたい。スローガンの中にもある『平成最後を盛り上げよう』のように、みんなの思い出に残る文化祭となってもらえれば」とあいさつした。
(2018年11月4日付紙面より)
もみじ会10月月例杯
紀南地区小学生卓球選手権大会
那智勝浦町民総体 (南紀熊野スポ少 )
新宮市スポーツ祭典バドミントン競技
平成30年度クラブ、シニア選手権 (那智勝浦ゴルフ倶楽部 )
伊勢エビ漁、各漁港で操業再開
和歌山県内で9月に解禁となったものの、浜値の低下が続いたため、勝浦、宇久井、太地などの各地の漁港で10月上旬から共同操業を中止していた伊勢エビ漁が1日、勝浦漁港で再開となり、2日の入札では1㌔当たり3488円の値が付いた。シーズンを迎えたばかりの伊勢エビ漁、年末に向け市場価格は安定するのか、関係者らは注意を払っている。県漁連・勝浦市場の太田直久参事役も「沿岸漁業が操業を中止するのは大変まれなこと。価格が下がるのは消費者にとっては良いことだが、漁業者には厳しい現状」と憂慮している。
操業開始は各漁港によりさまざまで、勝浦港では10月3日から勝浦海老(えび)網組合(橋本加根男代表)の11隻の船が操業を開始。初日は568㌔の漁獲量があり、操業中止までの4日間で約2㌧、2551匹の漁獲があった。勝浦地方卸売市場の伊勢エビの年間水揚げ量は5㌧平均。相当な大漁といえるが価格は底打ち。例年5000円前後、昨年は5000円を超える値が付いたが、10月11日の最低価格は2500円。他の漁港でもキロ当たり3000円台が続いたという。
同町で長年エビ網漁を営む男性は「ここまでの安値は何年もなかった。もったいないので取らない」と話す。海老網組合の橋本代表も「個人操業の期間は、操業するかどうかは個人の判断によるが、何年もサンマが取れない上に伊勢エビもこんなことでは一体漁師は何を取ればいいのか」と不安を募らせていた。
県の漁業調整規則により伊勢エビは5月1日から9月15日までが禁漁期間となっている。漁協単位で、参加者、漁業の期間、場所、時間帯などについて規定があり、不平等が生じたり取りすぎて資源を枯らさないように工夫されている。太田参事役は「通常であれば年末にかけて相場は上がる。17日の『いせえび祭り』に向け活気を取り戻したい」と話していた。
(2018年11月3日付紙面より)
子供・若者育成支援強調月間
「子供・若者育成支援強調月間」初日の1日、新宮市佐野のスーパーセンターオークワ南紀店前で街頭啓発活動があった。
内閣府が毎年11月を強調月間と定め、子供・若者育成支援に関する国民活動の充実や定着を図る事業を集中的に取り組んでいる。
啓発活動は強調月間事業の一環として、和歌山県、県青少年育成協会、県青少年育成推進委員会連絡協議会が主催。この日は県内10カ所で実施した。
新宮市では東牟婁地方青少年育成県民運動推進委員、同市、那智勝浦町、古座川町、串本町の職員、県職員の計13人が参加。「地域の子供は、地域で見守り育てよう!」などと記したチラシを配布し、来店者らに青少年の健全育成を呼び掛けた。
(2018年11月3日付紙面より)
昨年に続き2小学校を訪問 (和歌山ラオス友好協会 )
和歌山ラオス友好協会の田邉毅一会長と寺前正和副会長ら4人は10月21~25日、ラオスを訪問し、小学校2校に制服と文房具を寄贈した。
親善訪問はラオス人民共和国の観光と教育を援助し、友好的な関係を願い今年で4回目。昨年に続き世界遺産の町ルアンパバーン市を訪れた。
田邉会長は「昨年寄贈したパソコンやウオーターディスペンサーを大切に使ってくれていた。ルアンパバーン市はラオス第3の都市だが教育環境が悪い。協会では校舎や図書館、トイレなど学校施設を建設するための積み立ても行っている」と話していた。
ルアンパバーンはアジアで環境の良い町として観光客に人気で経済発展が著しい一方、校舎や教科書、トイレなどが不足するなど教育面では遅れているという。
訪問したナールワン小学校(児童280人)、クアンティーネン小学校(児童287人)は町の中心部にあるものの、貧しい家庭の児童が多く、学校側の要望により全児童567人分の制服とノート、鉛筆を贈った。
現地の副市長、教育長らを表敬訪問し意見交換した田邉会長は「教育、観光では新宮、勝浦を留学先として紹介した。観光地の『おもてなし』を勉強してほしい。継続した支援を約束し、世界遺産交流も提案した」と述べた。
協会は2015年、国内19番目に発足。親善訪問の他、大使館で開催されるラオスフェスティバルへの参加、広報活動などを行っている。
会員以外の寄付は受け付けておらず、現在会員を募集中。問い合わせは、新宮ユーアイホテル内の事務局(電話0735・22・6611)まで。
(2018年11月3日付紙面より)
古座校舎で地域防災訓練 (串本古座高校 )
県立串本古座高校古座校舎(愛須貴志校長、生徒28人)と串本町立古座小学校(野端則久校長、児童71人)が1日、地域合同防災訓練に取り組み、行動の実践を通して防災意識を高めるなどした。
地域の避難場所になっている同校舎へ円滑に避難できるようにするとともに、災害時や災害後に自分は何ができるかを考える機会として回を重ねている同訓練。過去には地域住民にも参加を呼び掛けたことがあったが、本年度は生徒数減に伴い規模を縮小。高校生防災スクールの一環で取り組む生徒と古座小1~6年生の経験の共有に重点を置いた内容で計画したという。
この日は午前10時に県内一斉で「津波防災の日」地震・津波避難訓練があり、防災行政無線による訓練放送を合図にして両者とも緊急避難行動を実践。児童はこれまで訓練を重ねてきた経路でより早くを目標にして新館4階、生徒は本館と新館をつなぐ渡り廊下や階段が崩れて使えないという想定で迂回し新館3階、をそれぞれ目指した。
同行動後は生徒と古座小4~6年生が同校舎体育館に集まり、映像教材「東日本大震災の教訓を未来へ~いのちを守る防災教育の挑戦〈釜石市と黒潮町の取り組み紹介〉」「くまモン特別講座!くまでもわかる地震への備え」を鑑賞。引き続き体験活動として生徒が児童に簡易担架やパーティションの使い方を紹介し、児童も実際に組み立てるなどして理解を深め感想を述べるなどして生徒に感謝した。
生徒の一部は集団から離れ、50人分の非常食(アルファ米)を調理。同活動を終えて帰校する児童に配食し、残りを生徒らで試食しつつ今回の訓練の内容を振り返った。
(2018年11月3日付紙面より)
「世界津波の日」前に各地で訓練
「世界津波の日」(11月5日)を前に1日、県内全域で地震・津波避難訓練が実施された。国や県、市町村、教育機関、自治会などが取り組み、適切な避難の定着を図った。
「世界津波の日」は2015(平成27)年12月に国連総会で制定された。和歌山県の偉人、濱口梧陵が安政南海地震の際に稲むらに火を付けることで津波から多くの命を救い、その後私財を投じて堤防を築き、村を復旧、復興に導いた故事にちなんでいる。
那智勝浦町立下里小学校(岡史博校長、児童96人)では、午前10時25分に地震の発生を知らせる放送の後、地震の鳴動を表すアラーム音が2分間流れた。グラウンドの児童らは身を低くしてかがむなどして安全を確保。アラーム音が終わってから体育館横の大丸山(標高50㍍)まで避難した。
同校では、日頃から地震の発生に備え、授業中や遠足時などさまざまなパターンを想定して訓練を実施している。今回は、休憩時間中の発生を想定した訓練で、放送や教員からの避難指示は出さず、児童各自の自主判断で避難することに取り組んだ。
訓練後、6年生の宮井聡子さん、田中沙知さんは「グラウンドに集まった後、山に登る前にすぐ一列になれなかった」と反省しながらも「実際起きた時はどうなるか分からないけど、今日の訓練のように頑張る」と話した。
(2018年11月2日付紙面より)
3県が合同訓練
田辺市本宮町の七越峯付近で10月31日、新宮市、田辺市、熊野市の各消防本部、奈良県広域消防組合消防本部、奈良県防災航空隊による合同訓練があった。3県4消防本部1機関から消防車両13台が出動し42人が参加。相互の連携と防火体制の強化を図った。
他県消防本部との連携強化や、各消防本部の消防力の把握や連絡体制の確認を行い、和歌山、三重、奈良の県境付近での災害時における円滑な消防活動の構築を図ることが目的。訓練の一部は災害を見据えて、進行やシナリオを与えないブラインド型で実施された。
新宮市消防本部管轄の県境付近で山火事が発生し、強風にあおられ延焼拡大中との想定で訓練を開始。三重、奈良両県の各管轄の消防本部と、新宮市消防本部からの応援協定により田辺市消防本部が出動した。隊員らは熊野川から水を吸い上げ、連結したホースを使い約200㍍離れた山の上下から放水し消火活動を行った。奈良県の要請により同県の防災ヘリが上空から放水し鎮火。約1時間の訓練を終えた。
新宮市消防本部の川嶋基正消防長は「ブラインド型訓練ということで難易度も高かったが、実践に近い訓練ができた。大きなミスもなく懸命に頑張ってくれたと思う。今回の結果に満足することなく、反省や検討を重ねて今後の円滑な消防活動に役立ててもらえれば」と講評。「これからも地域住民の協力を得ながら、皆さんの安心安全のために頑張っていきたい」と話していた。
(2018年11月2日付紙面より)
病院跡地で「エコ祭り」 (つばさ福祉会 )
串本町古座の国保古座川病院跡地で10月27日に交流イベント「平成30年度エコ祭り」があり、最寄りの施設「エコ工房四季」の利用者やその家族と地域が一体になって、出店や抽選などの趣向を楽しみ、親交を深めた。
このイベントは社会福祉法人つばさ福祉会(藤田勝彦理事長)と同法人が運営する施設・エコ工房四季が主催。本年度は「演・食・楽」をテーマに会場を構成し、ステージ発表、各種軽飲食出店、バザーやミニゲームなどが並んだ。
開会に当たり藤田理事長は、近況としてエコ工房四季は農協と共に農福連携の活動を始めていることを報告しつつ来場を歓迎。引き続いてダンス教室「PHAT DANCE STUDIO」やフラダンスグループ「HAPUNA」のダンスの披露があり、午後は太地町のユニット「ポップバンドBAO」や歌い手「シンガーアツシ」が出演してステージ発表を盛り上げた。
午前と午後の半ばでは飛び入りカラオケ大会もあり、エコ工房四季の利用者も出演して合唱を披露した。各種軽飲食出店は、当日配布の抽選券が本年度から2店舗を利用してスタンプを集めると挑戦できる形式になったこともあり、早々に完売御礼となる店も出る勢いで利用を集めた。
終盤では約400枚の抽選券から、藤田理事長による無作為抽出で各景品の当選者を選んだ。農福連携の延長で本年度はJAみくまのの職員が育てたもち米60㌔が提供され、その贈呈式を経て餅まき・菓子まきを行い締めくくった。
藤田理事長は、農福連携により利用者がエコ工房四季から地域へと出て活動する機会が増え、地域の一員としての感覚が一段と増している状況を喜びつつ来場者の応対に努めていた。
(2018年11月2日付紙面より)
昨年並みの100㌧見込む (北山村 )
日本唯一の飛び地の村、北山村で1日から、特産品じゃばらの収穫が始まった。女性らが色づいたものを枝切りばさみで丁寧に切り取って籠へ入れた。今年の収穫量は昨年並みの約100㌧の見込みで、作業は今月いっぱいまで続く。
じゃばらは村内の農家24戸と村営農場の計8㌶ほどの畑で約6000本栽培している。生しぼり、ジュース、ぽん酢、ジャム、シャーベットなどさまざまな商品があり、昨年度の売り上げは前年度より約4000万円増の約2億6600万円だった。今年3月にテレビ番組で紹介されたことから、本年度の売り上げはさらに伸びると見込んでいる。
村営じゃばら農園管理責任者の宇城公揮さん(42)は「台風にも負けず、今年は果汁もたっぷりで品質の良いものが育ちました」と話していた。
じゃばらは温暖多雨な気候で寒暖差が大きい北山村の自然条件が生み出したかんきつ系果実。ユズや紀州みかんの自然雑種とされていて、江戸時代から村に分布。名前は「邪(じゃ)を払う」からきているという説がある。大きさはテニスボールほどで、疲労回復に良いとされるビタミンAとC、風邪予防に効果があるカロテンを含むなど栄養価に優れ、皮には抗アレルギー作用があるフラボノイド成分が多く含まれている。予約はインターネットや電話で受け付けている。問い合わせは村じゃばら村センター(電話0735・49・2037)まで。
(2018年11月2日付紙面より)
那智山青岸渡寺で発送作業始まる
世界遺産である那智勝浦町の那智山青岸渡寺(髙木亮享住職)で10月30日、来年の「那智山開運暦」の発送作業が始まった。今月上旬までに北海道から沖縄県までの全国の信者約1万8000人に発送する。
那智山開運暦はB6判32㌻。同寺の「如意輪(にょいりん)観世音菩薩お前立ち」の像が表紙を飾る。方位吉凶図、九曜星の年齢と吉凶、1月から12月までの運勢、二十四節気などの解説を掲載し、カラー口絵部分には、屋根の葺(ふ)き替え工事中の本堂(国指定重要文化財)の様子が紹介されている。工事は今年中に終わる予定。
髙木亮英副住職は来年のえと「亥(い)年」にちなみ、「諸行無常のごとく、今年はいろいろなことがありましたが、来年は改元の年。新しい気持ちで夢と勇気を持って、猪(いのしし)のように目標にまい進されますことを願っております」と話していた。
希望者には1部300円(送料込み)で発送してくれる。問い合わせは〒649―5301那智勝浦町那智山8番地、那智山青岸渡寺寺務所(電話0735・55・0001)まで。
(2018年11月1日付紙面より)
赤い羽根共同募金の活動 (新宮市 )
社会福祉法人和歌山県共同募金会新宮市共同募金委員会(会長・田岡実千年市長)は10月30日、協力委員らが9班に分かれ129件の事業所を訪問し、赤い羽根共同募金への寄付を呼び掛けた。
赤い羽根共同募金は、地域の高齢者や子育て世代対象のサロン活動など社会的課題を解決するための活動支援に使われる。今年度、新宮市では「ささえ愛募金」「MACHI(まち)サポート募金」「新宮いのちの募金」の活動のため協力を募っている。
市共同募金委員会では、本年度450万円の目標を掲げ、個別、法人、街頭などで募金を実施。期間は10月1日から来年3月31日(日)までで、10月30日現在166万2618円が集まっている。事業所を回っての法人(大口)募金の目標額は130万円で、30日現在3万円が寄せられている。
出発前、協力委員21人と市社協職員9人が市福祉センターに集まり、目標額などを確認。田岡会長は「10月1日から赤い羽根共同募金の運動が展開され、市民の皆さんに募金をお願いしている。6日には街頭募金にご協力をいただいた。本日の活動もよろしくお願いします」と呼び掛けた。担当者からの説明を受けた後、各班に分かれて各事業所を回った。
(2018年11月1日付紙面より)
串本町サンゴ台にある総合運動公園多目的グラウンドで10月30日、第14回串本町小学校陸上競技記録会が開かれた。本年度は町内の6年生81人と5年生121人を対象に実施。爽やかな秋晴れの下、児童は自己記録の樹立や更新に挑戦した。
この記録会は、同町教育研究会(山本隆介会長)が主催。陸上競技で全力を発揮して自分の記録を確かめるとともに、町内9校の5、6年生が集まる貴重な機会でもあり、学校を超えて共に競い合う仲間を応援する姿勢も大切にしながら年1回行われている。
本年度は半日に圧縮する形で計画され、計測前後の式典は省略。児童は全員参加の100㍍走に挑戦した後、▽走り幅跳び▽走り高跳び▽ソフトボール投げ▽800㍍走―から選んで計2種目の計測に臨んだ。5年生は全力で記録を樹立し、6年生は前回の記録の更新を目指した。
式典はなかったが、児童の頑張りは山本会長や潮﨑伸彦教育長、家族や町内の陸上競技関係者らが見届け、注目や声援で後押しするなどした。
全ての種目の計測終了後は各校の判断でそのまま帰校したり昼食を取ってから帰校したりするなど流れ解散となった。
結果は、町教研の発表があり次第、報道する。
(2018年11月1日付紙面より)
街中を仮装パレード (太地こども園 )
太地町の太地こども園(森尾扶佐子園長)の園児ら70人が「ハロウィーン」の10月31日、町内を仮装してパレードし、住民らが沿道に出て、子どもたちにお菓子を配ったり、写真を撮ったりとにぎわった。同園のハロウィーン行事は昨年に続いて2回目。
園児たちはカボチャやお化けなどの衣装を着け、午前10時前に公民館前に集合。ダンスを披露した後、「トリック・オア・トリート」と言って、役場職員らからお菓子をもらい、手をつないでパレードに出発した。公民館前には100人を超える保護者や住民らが集まり、「かわいい」「お菓子をどうぞ」と子どもたちに声を掛けた。街中を歩いた後、太地漁港ふれあい広場(東の浜)でも大勢の住民が見守る中、ダンスを披露して大きな拍手を受けた。
この後、園児たちは那智勝浦町下里のつつじ園を慰問し、利用者らに喜ばれた。
同園では前日に太地小学校の5年生との交流もあり、手作りの遊具でゲームなども行った。
(2018年11月1日付紙面より)
県年金受給者協会グラウンドゴルフ潮岬大会
優勝は「たまタマストロングス」