王子ヶ浜少年消防クラブ (新宮市 )
新宮市王子ヶ浜少年消防クラブ(大山陽翔委員長、24人)の「夏期研修(デイキャンプ)」が25日、新宮市熊野川町上長井であり、消防職員10人のもと、児童19人が水難救助法などを学んだ。
正しい防火知識を身に付けることなどを目的に市立王子ヶ浜小学校6年生で結成しているクラブで本年度5期生。児童たちは川でペットボトルやお菓子の袋を使った水難救助と棒を使った浅瀬横断などを体験した。消防職員は、溺れている人を発見した際は自分で助けに行かず、誰かに助けを求め、浮く物を投げるよう呼び掛けた。
昼食は消防職員特製カレーライスとフランクフルト。スイカ割りや水遊びもあり、児童たちは夏の一日を満喫した。
夏期研修には3回目の参加という大山委員長は「棒を使って川を歩く訓練は初めてでした。岩からの飛び込みが楽しかったです」。二河紗耶さんは「カレーを食べたりして楽しい一日でした」と話していた。
(2017年7月27日付紙面より)
太田の郷で記念の夏祭り (那智勝浦町 )
那智勝浦町南大居の交流センター太田の郷で22日、利用者へ感謝の気持ちを届けようと1周年記念夏祭りが開かれた。旧太田中学校の運動場に同地区のグループ、商店がバザーや露店を出店し、訪れた500人以上の家族連れらでにぎわった。
寺本眞一町長は、同センターの役員の努力をねぎらい、「この祭りが太田の夏の風物詩になるように」とあいさつ。同地区区長で那智勝浦町区長連合会会長の大江清一さんは、同センターの1年を振り返り「当初の予想よりも多くの方に利用してもらっている。たいへんありがたく、感謝の思いから今日の祭りを企画した。思い切り楽しんでください」と呼び掛けた。
太田産の新米「太田の力」260㌔の抽選会では行列もあり、用意された抽選券300枚がすぐになくなった。ステージイベントの「お米争奪戦・子どもじゃんけん大会」で活気づき、「もんぺ&じぇいじぇい」のアコースティックギターライブに続いてフラダンスの「フラハプナ」が踊りを披露。南大居鶴永講の獅子舞、盆踊りもあった。
古座川町や太地町など、同地区以外から訪れたという参加者も多く、三重県四日市在住の畑下晋一郎さん(33)は、「友人から聞いて参加した。思っていたよりも人が多くて驚いた」と話していた。
(2017年7月27日付紙面より)
少女峰前で小学生が挑戦 (古座川町 )
古座川町月野瀬、少女峰前の古座川で21日、町内の小学生35人がウナギ石漁への挑戦を始めた。8月5日(土)に漁をする予定で、児童は漁の成功を願いながら5組に分かれて仕掛け作りに励んだ。
この取り組みは同町教育委員会が主催する社会教育領域での体験活動「Kozagawa Adventure Kids(KAK)」の一環。テーマ「うなぎ石漁」は本年度第2弾となる挑戦項目で、準備と漁の全2回で小学生を対象に計画し、学校経由で参加を呼び掛けた。
21日は活動に先だって、グループリーダーを務める5、6年生を対象にした安全学習会があり、6人が古座川ダッキー川坊主の谷哲也さんから川を安全に楽しむための知識を教わり、何が危険なのかを判断する力を培った。
その後に1~4年生と合流して活動を開始。和田充旦教育長から激励のあいさつを受けた児童は、ライフジャケットを着て五つの班に分かれ、自己紹介をして結束を固めた。役場職員でウナギ石漁をよく知る細井孝哲さんからウナギの生態やウナギ石漁の仕掛けについて教わった後は、「膝丈ぐらいの深さで流れがあるところ」という目安を意識しながら設置場所を決め、じょれんで河床に直径約1㍍、深さ約30㌢の穴を掘って小さな石を隙間なく敷き詰め、その上に大きな石を山積み。山積みの奥に入るほど隙間が狭くなるように積み上げる(山の外側を大きめ、内側を小さめにする)工夫をし、最後に目印を立てて仕掛けを完成させた。
この体験活動は前年度に夏休み企画として始まり、参加者全体で3匹のウナギを捕獲。細井さんがその場で調理しみんなで味わった。本年度はKAKのテーマに位置付けての実施で、和田教育長は「去年以上の数のウナギを捕ろう!」と呼び掛けて小学生の意欲を高め、仕掛け作りを手伝うなどして挑戦を後押しした。
(2017年7月27日付紙面より)
浸水表示板を設置中 (熊野川道の駅 )
紀伊半島大水害の被害を後世に伝えていこうと新宮市防災対策課は同市熊野川町田長の道の駅「瀞峡街道熊野川」敷地内で「紀伊半島大水害浸水到達標高表示板」の設置工事を進めている=写真。来月上旬に完成する予定だ。
紀伊半島大水害の慰霊碑横で設置工事が進められている表示板は、鋼管柱製で高さ8・47㍍、幅2・27㍍。6年前の豪雨で熊野川が増水し到達した高さ8・27㍍の位置に赤い線を入れる。
「平成23年9月4日、台風12号」の文字や9月に完成する予定の「さつき公園」(同町日足)への案内を表示したパネルも設置する。
(2017年7月27日付紙面より)
東牟婁地方中学校総体バスケットボール
緊急防災要員が参集訓練 (和歌山県 )
和歌山県は19日、南海トラフ地震などの大規模災害に備えた緊急防災要員の参集訓練を実施した。同日午前6時30分に緊急防災要員、危機管理局職員、各振興局総務県民課職員551人にメールが一斉配信された。職員らは徒歩や自転車などで県庁や各振興局に集まり実践的な訓練に取り組んだ。
緊急防災要員は災害対策本部・支部の初動体制の早期確立と迅速な災害対応を目的に、1997年1月に制度化。県庁や各振興局からおおむね2㌔圏内に住む職員を対象に451人を知事が任命している。
訓練は対応力の習熟と強化を図るもの。参集のみは過去にもあったが、実践を兼ねた内容は今回が初めて。18日から21日(金)までの間という以外の詳細な日時は通知されない「ブラインド方式」で行われた。
この日は県南方沖でマグニチュード8・7と推定される地震が発生し、県内で震度5強~7の揺れを観測したと想定。新宮市緑ヶ丘の東牟婁振興局ではメール配信から30分後の午前7時に参集していた職員らが5班に分かれて庁舎の被害状況を確認した。
午前7時30分時点で約50人が集まり、大会議室で机や椅子、電話、パソコン、無線機などを配置した。連絡調整班、広報班、被害情報収集班に分かれて作業。気付いた意見を挙げるなどし、約2時間で訓練を終了した。
訓練に参加した小西秀彰さん(40)は「メール受信から庁舎に着くまでに約30分かかりました。災害が起こった際はさらに時間がかかると思うので、日頃から経路を確認しなければならないと感じました」。
総務県民課の岩城敦課長(57)は「設置訓練はスムーズでしたが、実際の災害発生時や土、日、祝日などはこれだけの人員が集まることが難しいと思います。毎年訓練をしていくことが災害発生時の早期対応につながるので、継続していくことが大切です」と話していた。
(2017年7月20日付紙面より)
熊野川ダム湖下流協で報告 (和歌山、三重両県 )
熊野川流域ダム湖下流団体協議会(会長・田岡実千年新宮市長)の総会が18日、新宮市役所であり、和歌山、三重の両県が紀伊半島大水害で堆積した熊野川流域の土砂の撤去状況を報告した。
和歌山県の調べでは、和歌山、三重両県管理区間の熊野川本川の堆積土砂量(水面上0・5㍍以上)は430万立方㍍。和歌山県は昨年度までに約144万立方㍍掘削していて、本年度は本宮、東敷屋、相賀、田長の4カ所で約8万立方㍍以上を掘削する予定。
三重県は昨年度、相野谷川で2510立方㍍、浅里で3万9700平方㍍掘削。本年度は相野谷川(数量未定)、北桧杖(4990立方㍍)、和気(8000平方㍍)の3カ所で掘削を予定している。
屋敷満雄新宮市議会議長は、日足地区の浸水被害の原因になっていると、三重県に対し田長地区から下流の土砂の早期掘削を要望した。
総会では、本年度事業計画など4議案を承認。本年度事業計画は▽熊野川流域の調査研究(熊野川に関連する各種会議等への参加)▽熊野川の啓発事業(熊野川を体験できるイベント等の開催)▽協議会の目的達成に必要な事業。本年度予算は57万3000円(前年度比2万円減)。
事務局の市企画調整課は昨年度、熊野川体験事業「水生生物博士と自然観察」を開催(21人参加)したほか、啓発グッズとしてウエットティッシュを3000個製作したことなどを報告した。
田岡会長は、九州豪雨災害の被害を見ると、6年前の紀伊半島大水害が昨日のことのように思い出されると述べ、「北山川のダムの水利権交渉が3年後に控えています。まだまだ課題が多く残されている」と協力を呼び掛けた。
同協議会は熊野川流域の自然保護、資源利用、海岸浸食の保全などに努めることを目的に1986(昭和61)年に設立された団体。田辺市、新宮市、北山村、熊野市、紀宝町の首長、議長らで組織している。
(2017年7月20日付紙面より)
日本語弁論大会優勝者来町 (串本町 )
第25回アンカラ日本語弁論大会の優勝者2人が14~16日に串本町を訪ね、樫野崎など主要観光地の見学や町長表敬を通して日本トルコ友好発祥地への理解を深めた。
訪れたのはプナル・サルヴェリさん(21)とギョクハン・ダーデヴィルさん(19)。共にチャナッカレ大学日本語教育学科に在籍する学生で、日立ヨーロッパ社トルコ支社贈呈の日本研修旅行を活用して来日した。同旅行に基づく滞在期間は8~18日の11日間。東京、新潟、広島を訪問後に串本町へ立ち寄り2泊3日の滞在をした状況だ。
列車で同町入りした2人はまず役場を訪ね、田嶋勝正町長は「限られた時間の中で全てを見るのは難しいだろうが、役場職員もホストファミリーもきっとよくしてくれると思う。まずは楽しんでほしい」と述べて来町を歓迎。後の懇談では2人が日本語に興味を持ったきっかけはアニメーションで、サルヴェリさんは俳句に関心を持ち将来は教員志望、ダーデヴィルさんは声優業に関心を持ち日本の技術を持ち帰り自主制作アニメに挑戦したい、という思いを持っていることなどを話題にして親交を深めた。
初日は潮岬観光タワー(エルトゥールル館)や望楼の芝を見学しホストファミリーと合流。2日目午前に樫野崎を訪ね、午後は串本海中公園や橋杭岩を見学し橋杭海水浴場でシーカヤックに挑戦。同浴場のビーチハウスラパンでホストファミリーが属する南紀国際交流協会(西畑栄治会長)とのバーベキュー交流会にも参加した。
樫野崎にあるトルコ軍艦エルトゥールル号殉難将士慰霊碑では献花台の清掃奉仕をするなどして先人に礼を尽くし、献花して冥福を祈った。トルコ記念館では同町地域おこし協力隊のトルコ人女性アイシェギュル・アルカンさんや役場総務課の小久保和俊吏員からエ号遭難救助の経緯について説明を受けた。
樫野崎を一巡後、サルヴェリさんは「多くの遺品が良好に保存されているのを見て、事故を良かったとは言いにくいけれど結果的にいい関係に結び付いていると思った。串本に来て良かったと思うし、ごみ一つない環境を守っていただいていることにも感動した」とコメント。
ダーデヴィルさんは「事故当時のことを思いながら歩き、日本とトルコの関係はどこから始まったのかを考えた。悪い事が起こっても後でいい事が続けば、今の(串本の)ような将来に結び付くこともある。日本とトルコの関係は他の国に比べても特別だと思うし、これからもこの関係が続けたらいいなと思った」と印象を語った。
2人は16日午前に次の訪問先の大阪へ移動。京都や神戸も訪問して研修を終え、若干の私費滞在をして帰国の途に就いた。
(2017年7月20日付紙面より)
下里小6年生が体験
那智勝浦町立下里小学校(岡史博校長)6年児童15人は10日、海洋教育の一環でシュノーケリングを体験した。南紀シーマンズクラブ(島野利之代表)協力の下、串本の雄大な海で生き物を観察した。
同授業は東京大学海洋教育促進研究センターと日本財団、笹川平和財団共催の「海洋教育パイオニアスクールプログラム」の一環として取り組まれている。シュノーケリングの実習を通して、自然環境への理解や海洋生物についての知識を深め、理科への関心を高める狙いがある。この時期は、ウニやナマコ、サンゴなどが見られる。
指導は、岩﨑俊哉チーフインストラクターをはじめスタッフ3人が担当した。ウエットスーツの着方やシュノーケル、フィンの着け方などを教えた。実習はえびすの浜で行われ、ウニやアオリイカの卵などを発見し、手にとってじっくり観察した。
(2017年7月20日付紙面より)
紀南バレーボール連盟第65回社会人大会
高校野球三重大会
流域対策連で電発に要望
熊野川流域対策連合会(会長・田岡実千年新宮市長)の総会が11日、同市井の沢の新宮商工会議所であった。熊野川の維持流量の増加を求める要望があり、電源開発株式会社(Jパワー)は「電力の安定供給に貢献するためにも現行流量を継続したい」と理解を求めた。
連合会は、熊野川を世界遺産にふさわしい景観の川とするため二津野ダム河川維持流量を現状の2・4㌧毎秒から5・0㌧毎秒に変更してほしいと要望している。上流のダムを管理するJパワーは、世界唯一の「川の参詣道」としての重要性は十分認識しているとした上で理解を求めた。
新宮市議会の屋敷満雄議長は「熊野川の環境を考えると水量が足りない」と追及。Jパワーは、河川環境とエネルギーのバランスに配慮するために河川管理者の国土交通省や経済産業省と共に昭和63年に作った「発電ガイドライン」に沿って流量を決めており、変更の場合は両省との相談が必要と回答した。
風屋ダムの表面取水設備改造工事に伴う粉じんや濁水対策を求める訴えに対してJパワーは「さまざまな対策を講じているが、至らぬ点もあり迷惑をかけています」と謝罪した。
紀南漁業協同組合の佐田美知夫組合長は「濁水は改善してくるといっているが悪くなり、ヘドロが出ている。もう少し真剣にやってほしい」と訴えた。Jパワーは「特に昨年の冬から春にかけては、改造工事の件で通常にも増して濁水が流れました。来春、工事が終了。個々に相談させていただきたい」と述べた。
総会では本年度事業計画など4議案を全て承認。田岡会長は「紀伊半島大水害前の状況を取り戻そうと関係機関一丸となって取り組んでいますが、まだまだ課題が多くあるとの認識。上流部、下流部が違う課題を抱えていますが、一致団結して取り組むことが大切」
副会長の西田健・紀宝町長は「水害前の熊野川に戻ることを期待し、心待ちにしている」。顧問の濱口太史・和歌山県議は「濁水で観光や漁業面で痛手が出ているが、何とか清流を取り戻していきたい」。顧問の大久保孝栄・三重県議は「流域に住む住民の安心、安全な対策をとって、南海トラフ地震対策にも声を高めて頑張っていきたい」とあいさつした。
同連合会は和歌山、三重、奈良3県の熊野川流域14市町村の首長や議長ら60人で組織。熊野川水系の汚濁防止などを目的に要望活動などを展開している。
(2017年7月13日付紙面より)
補陀洛山寺で土用護摩祈とう (那智勝浦町 )
那智勝浦町浜ノ宮の補陀洛山寺(高木亮享住職)で10日、土用護摩祈とう、先祖供養法要があった。高木亮英副住職が先祖の名が記された塔婆木を読み上げ、「家内安全」「健康長寿」「心願成就」など参列者の願いが書かれた護摩木をたき上げた。
世界遺産に指定されている本堂では、本尊で国の重要文化財でもある像、「三貌十一面千手千眼観世音菩薩(190㌢、香木造立像)」が開帳された。開帳法要は、この日も含め1月27日の立春大護摩供星祭、5月17日の渡海上人供養の春まつりと年3回営まれる。
高木副住職は「本日はありがたい観音様の功徳が高いご縁日。一日で4万6000日分のご利益がいただけます。観音様の人に対する思いやり、慈しみのみ心に近づいて、平和で和やかに過ごせますよう」とあいさつした。毎年必ず参拝しているという同町の大谷敏子さん(75)は「観音様を見ると心が洗われます。家族ともども元気でいられることに感謝しています」と話していた。
(2017年7月13日付紙面より)
ママカラワークショップ (古座川町 )
古座川町高池にある上部集会所で9日、イベント「ママカラワークショップ」があり、乳幼児とその家族ら約100人が盛りだくさんの体験を楽しんだ。
同町子育て支援センターを利用する母親有志のグループ「ママカラーズ」(髙尾素子代表)主催、同町教育委員会後援。幼い子どもを持つ家族が気軽に集い、楽しみながら交流を深められる場を町内にもっと増やしたいという思いを込めて計画した自主イベントで、手作りのポスターやチラシを掲示するなどして周知を図り本番を迎えた。
当日はゲストの那智勝浦吹奏楽団(大江一恵団長)の演奏会で開会。紀伊半島東南部を代表する社会人吹奏楽団の生演奏を間近に鑑賞し、アニメのキャラクターお面やエビ、カニの作り物といった同団こだわりの出し物を見て名前を声に出しながら盛り上がった。
司書として活躍する同町地域おこし協力隊の土井麻由さんらによる絵本の読み聞かせ会を経て、ママカラ企画の体験コーナーがスタート。おにぎりや野菜ケーキの調理体験や振る舞い、手形アートや毛玉シュシュの体験、魚釣りゲームやパフォーマー仲江孝丸さんによるバルーンアートなどがあり、参加した家族らは混雑を避けながら各体験を楽しんだ。
会場には子ども服や子ども向けのおもちゃなどの無料リサイクルコーナーも。会場から人があふれるほどの盛況を見せ、髙尾代表は「メンバーに聞くと町外からも来てくれていたようで、この機にお互い知り合えればと思う。『今日はママカラーズがイベントしているけれど次は私たちがしたい』というお母さん方が出てきてくれるとうれしい」と今後に期待しつつ運営に励んでいた。
(2017年7月13日付紙面より)
14日「那智の扇祭り」へ準備整う (那智勝浦町 )
那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)で11日、「那智の扇祭り」(14日・金)を前に扇神輿(みこし)張替報告祭が営まれた。熊野十二所権現の神霊をうつす扇神輿は、高さ約6㍍、幅約1㍍の細長い形で「那智の大滝」を表しており、毎年祭り前に張り替えられる。
早朝から白装束の氏子29人が集合し、男成宮司の見守る中、伝統の製法で6、7番の神輿から作業に取り掛かった。扇の長さが神輿を張る寸法の基本になっていることや縫い糸の長さも決まっていることなど、作り方のほとんどが口伝によるため先輩が後輩に手順や作法を指導しながら作業が進められた。
扇神輿は細長い枠に赤い緞子(どんす)を365本の竹くぎで留め、32本の日の丸が描かれた扇や8面の白銅鏡などを飾り付けて仕上げる。神輿1体は1カ月を意味し、12体で1年を、32本の扇は1カ月の30日と、残る2本が月の満ち欠けを、365本の竹くぎは1年の日数を表している。8面の白銅鏡は「神威八紘(あまねく広く輝かすの意味)」といわれている。
(2017年7月13日付紙面より)
那智の田楽保存会 (熊野那智大社 )
熊野那智大社例大祭「那智の扇祭り(火祭)」(7月14日・金)を前に「那智の田楽保存会」(会長=男成洋三・熊野那智大社宮司、会員30人)の練習がピークを迎えた。大社特設舞台で3日夜、男成宮司らが見守る中、会員らは伝統の舞の継承に汗を流していた。
田楽舞は、豊作を祈り、笛や太鼓に合わせて踊る伝統芸能。同社に伝わる「那智の田楽」は、約600年前の室町時代に京都から伝わったとされ、田楽舞ができた頃の形をそのまま現代に残す全国でもまれなもの。国指定重要文化財、ユネスコ無形文化遺産に登録されている。
演者は、編木(ササラ)4人、太鼓4人、鼓役(シテテン)2人で、それぞれ熟練の会員が指導にあたっている。シテテン役で初参加する町内天満の片原湖太郎さん(38)は「独特なリズムが難しいが、歴史の重みを感じる。精いっぱい頑張りたい」と意気込んだ。奉納は13日(木)の例大祭宵宮と当日の2回行われる。
(2017年7月6日付紙面より)
管下防犯協議会が総会 (新宮市 )
新宮警察署管下防犯協議会(会長・田岡実千年新宮市長)は3日、新宮市役所で総会を開いた。「犯罪や事故のない安全で安心が実感できる明るく住みよい街づくり」を基本方針とする本年度事業計画など4議案を承認した。
治安のバロメーターとされている刑法犯認知件数は昨年、管内で147件(前年比263件減)だった。今年は5月末現在で68件(前年比35件減)。
本年度は「みんなでつくろう安心の街」を合言葉に、警察や関係機関、団体と緊密に連携して地域安全対策、少年非行防止対策、環境浄化対策および長寿社会対策等を積極的に推進していく。事業計画は▽会議の開催および参加▽少年非行防止および健全育成事業▽子ども、高齢者、主婦を対象とした犯罪被害防止対策▽地域安全活動に対する支援等▽薬物乱用防止対策―など。
田岡会長は「今後被害を1件でも少なくするため、『みんなでつくろう安心の街』を合言葉に住民の方々と行政、各界、各層が一体となって、さまざまな施策を推進していくとともに、防犯ボランティアの育成や支援活動を積極的に推進し、犯罪や事故のない安全で安心な街の実現を目指したい」。
谷本克也・新宮警察署長は県内、管内の状況や防犯カメラの設置率、特殊詐欺の発生件数などを説明し、「1人でも被害を出さないよう取り組んでいきたい」とあいさつした。
(2017年7月6日付紙面より)
上浦海岸で早朝海岸清掃 (串本町 )
串本町串本にある上浦海岸で2日、350人規模の海岸清掃があった。串本・みんなの海を守ろう会(堀口一志会長)の呼び掛けによる美化奉仕で、約1時間の活動により500㍍余りある砂浜の漂着物がほぼ一掃され整然とした景観がよみがえった。
同会は、串本の海を愛する人々が一丸となって美化につながる活動に取り組み、美しい海を次世代へ受け継ぐ意思を確かめ合う機会として年2回、同海岸と東海岸の清掃を呼び掛けている。
今回は本年度第1回の呼び掛けで、当初は6月25日に開く計画だったが雨天のため1週間延期。今月2日は梅雨の中休みとなる晴天に恵まれ、続々と集まった協力者に向けて堀口会長は「この間の雨で(この海岸も)えらいことになっているが、くれぐれもけがのないようお願いしたい」と呼び掛けながら感謝した。
事前に申し出た協力団体は▽K―BAYサーフィンクラブ▽同町観光協会▽同町役場産業課・建設課・教育課▽新宮保健所串本支所▽東牟婁振興局地域振興部▽和歌山東漁業協同組合▽串本海上保安署▽きのくに信用金庫串本支店▽紀陽銀行串本支店▽小森組▽航空自衛隊串本分屯基地▽JR西日本新宮列車区▽柏木商店▽串本町商工会▽ヤングレス串本▽東牟婁振興局串本建設部▽その他個人―など。併せて串本小育友会もタイミングを合わせて同海岸での清掃奉仕を計画し連携した。
長大な砂浜を三つのエリアに分け、北を串本小、中と南を同会の呼び掛けに応えた各種団体が担当。漂着物は6月21日の大雨などで打ち上がった流木が大半で、缶や瓶、ペットボトルや漁具といった人工物も交ざり込むように散在。大きなものでは網やドラム缶もあり、人手のあるこの機に片付けられた。同会事務局の東牟婁振興局串本建設部によると、集めたごみの量は容量50㍑のごみ袋で可燃ごみ約230袋、その他ごみ約320袋に達し、袋に入らない流木類も後で回収しやすいよう寄せ集める成果を上げたという。
(2017年7月6日付紙面より)
カヌー大会「じゃばらカップ」 (北山村 )
北山村音乗の小森ダム下流で1、2の両日、カヌー大会「第2回じゃばらカップ」が開催され、30人が参加した。大会は北山川が2015年のわかやま国体カヌー競技の会場となったことをきっかけに始まった。北山村(山口賢二村長)、同村観光協会(葛城健也会長)、和歌山県カヌー協会(鈴木太雄会長)、熊野カヌークラブ(上田啓司会長)が主催。
1日は雨で開始時刻が遅れたものの、自由形式の艇で自由な経路を下るダウンリバーレースと5000㍍を下るワイルドウォーターの両競技が予定通り行われた。
ダウンリバーレースに参加した服部千春さん(34)と夏恵さん(7)親子は「北山川は瀬が多くて最初は怖いかと思ったけど楽しかった。来年も絶対来ます」と競技を楽しんだようだった。
2日はオリンピック競技にもなっているスラロームが行われた。この競技では狭いゲートを順にくぐり抜けねばならず、経験とテクニックが必要。選手がゲートをくぐるたびに観客からは歓声が上がった。スラロームに参加した平井貴之さん(52)は「いろんな流れがあり“こぎきった感”を得られる気持ち良いコース」と、北山川の魅力を語った。
観光協会の葛城会長(52)は「カヌーを、いかだ下り、ラフティングに続く北山川でのアクティビティーとしたい。国体での評判がとても良かったので、全国大会会場や2020年東京オリンピックの外国人宿泊地に発展できたら」と話した。
カヌークラブの上田会長(57)によると、カヌーの面白さは「川の中で水しぶきを浴びて得られる自然との一体感と自然の厳しさを乗り越える爽快感」にあるという。
競技の順位は次の通り。敬称略。
【ダウンリバーレース】
男子1位:端村 集
女子1位:白石 智
【ワイルドウォーター】
男子1位:小林大斗
女子1位:服部千晴
【スラローム】
男子1位:桂田 浩
(女子は参加者1人のため順位無し)
(2017年7月6日付紙面より)
県スポ少総合競技大会バレーボール