地方建設業協同組合が総会 (新宮市 )
新宮地方建設業協同組合(海邊俊行理事長、80社)は29日、新宮市緑ヶ丘の同組合で第59回通常総会を開いた。昨年度事業実施、監査の報告や本年度事業計画、予算決定、借入金残高の最高限度額決定などの議案を審議し、承認した。
本年度の事業計画の重点事項は▽建設工事量の確保、拡大の促進▽施工平準化の推進▽公共工事適正積算および適正工期の確保▽労働災害防止対策推進の強化▽中小企業に対する育成強化対策の推進▽建設業界秩序の確立および暴力団等の徹底排除▽災害発生時における備蓄品等の補充▽各種資格取得、知識向上のための講習会などの地元開催―の8点。
物故者に対する黙とうをささげ、開会で海邊理事長は「お願いするだけでなく、われわれ自ら地元の方々と行動して事業と予算獲得に進みたい。高田蜂伏道路の早期着工。道路ができれば災害時には地区の安心安全な命の道が完成する。スポーツの誘致もできるのではないか」とあいさつした。
来賓の濱口太史県議会議員は「高田相賀と佐野を結ぶ道路の建設は大きなメリットがあるがハードルの高い計画。議会の中で知事に対してずっと取り組みを行うと宣言した。県と一緒になって何とか実現したい」とし、大浜海岸の津波に対応する道路工事の際の盛り土の計画にも触れた。
西畑雅司・東牟婁振興局新宮建設部長は日頃の協力に感謝した。「今後も理事長や会員の意見を伺いながら管内のインフラ整備の推進により事業量の確保に努めたい。道路整備は重要と考えているがすぐ着手できないのが現状。意見を吸い上げながら本庁に意見を申したい」。
森美大・新宮労働基準監督署長は昨年の労働災害の特徴を紹介。建設業では県内、管内とも死亡災害、労働災害共に減少していると述べた。熱中症への注意や働き方改革などを説明し「活動により事故のない安全安心な職場、仕事と生活の調和がとれる雇用環境が実現され、建設業、地域の魅力がますます大きくなることを信じている」と祝辞を述べた。
(2018年5月31日付紙面より)
民生児童委員協が総会 (那智勝浦町 )
那智勝浦町民生児童委員協議会(岡本美智子会長、委員56人)は29日、町福祉健康センターで平成30年度総会を開き、本年度事業計画などを決めた。岡本会長が「私たちは地域住民に寄り添い、行政の協力者として公的福祉施策へとつなぐ住民の代弁者です。委員としての自信と自覚を持って、よりいっそうの尽力を」と呼び掛けた。
昨年度の活動日数は1359日、訪問回数は1835回。件数では、高齢者に関する分野での支援が254件中203件と最も多く、内容は日常的な支援が主なものだった。
本年度事業は▽福祉課児童支援▽青少年健全育成支援▽災害弱者調査支援▽高齢者見守り支援▽心配ごと相談所運営▽地域子育て支援センターへの協力―など。
委員全員で「わたくしたちは、隣人愛をもって、社会福祉の増進に努めます」など5カ条の民生委員児童委員信条を朗読した後、来賓の堀順一郎町長が「安心して子育てができ、高齢者が豊かに暮らし、若者が生き生きと働ける町。民生委員の皆さんの活動は目指す町政の基盤となる。今後とも高齢者や将来を担う子どもたちのために、さらなる協力をお願いします」とあいさつした。
(2018年5月31日付紙面より)
古座川漁協アマゴ放流 (古座川町 )
古座川漁業協同組合(橋本尚視組合長)が29日、管内流域にアマゴの稚魚2万匹を放流した。
和歌山内水面漁業協同組合連合会が取り組む内水面漁業振興対策事業の一環。古座川漁協は例年3月1日に管内流域でのアマゴ漁を解禁していて、翌年以降の資源増強を目的として初夏に稚魚放流を行っている。
本年度は日高川漁業協同組合が育てた体長数㌢の稚魚を一括入荷し、組合員は持参した容器に小分けし手分けして幹線道路から少し離れた山中の渓流域に放流した。
放流地は佐本、三尾川、小川の3カ所。橋本組合長は「放流したアマゴの数は例年並みで、来年の今ごろには十数㌢になっている。釣りをされる皆さまに喜んでいただけるよう、順調に育ってほしい」と今後を期待した。
(2018年5月31日付紙面より)
太地こども園に高齢者訪問 (太地町 )
太地町平見地区に4月から開園した町立太地こども園(森尾扶佐子園長、園児68人)に30日、隣接する南紀園と那智勝浦町下里のデイサービスセンターつつじ園の利用者ら約30人が訪れ、子どもたちと交流した。両園とも新こども園は初の訪問。
4、5歳児たちが元気なダンス「エビカニクス」を披露して交流会が開幕。「おじいちゃん、おばあちゃんおはようございます」と子どもたちがしっかりあいさつするとお年寄りらはにこやかな表情で拍手を送っていた。3歳児がイチゴの衣装を着けて踊るダンスには「かわいい」の声が上がった。最後は触れ合い遊び。高齢者と子どもたちが手を握ったり、抱き合ったりして、新しい遊戯室に笑顔があふれた。
森尾園長は「完成したばかりで木の香りがする園です。子どもたちと触れ合っていっぱい元気をもらってください」と話した。高齢者の一人は「かわいくて、涙が出てきました」と喜んでいた。
(2018年5月31日付紙面より)
高校総体サッカー競技
第43回紀宝地区防犯少年野球大会
市土建協同組合が総会 (新宮市 )
新宮市土建協同組合(松根康隆理事長、組合員54人)は22日、同市緑ヶ丘の新宮地方建設業組合の会館で第68回通常総会を開き、昨年度事業実施報告、本年度事業計画など4議案を承認した。
開会で松根理事長は「組合員は災害協定を締結している関連から入札への対策、総合評価、制度の導入などの課題もあり厳しい状況。今後も皆さんの協力をお願いします」と呼び掛けた。
来賓の田坂豊・市建設農林部長は、田岡実千年市長のあいさつを代読し「市では災害に強い町づくりを進めているが、災害協定を結んでいただき、備えや復興に関して皆さまの協力がなければ達成できない」と述べた。
本年度事業は▽市との災害協定に基づく緊急支援活動が迅速に行える応援体制の確立▽入札・契約制度の改革要望▽地域住民とのコミュニケーションを深めるため、積極的な社会貢献活動への参加推進▽工事の安全や品質を確保するために必要な各種講習会などを地元で開催し、組合員の建設技術の向上を図る―の4つ。
入札制度などに対する要望は「簡易な総合評価落札方式の導入」「ダンピング防止の観点から、低入札価格調査制度における審査および契約後の品質管理の厳格化」「適正積算、適正工期の確保」「組合員への受注機会の確保」の4点が承認された。
(2018年5月24日付紙面より)
新宮署の岡本警部補が講話 (井の沢自治会で )
新宮市の井の沢自治会(森下好巳会長、119世帯)の平成30年度定期総会が20日、同市の井の沢隣保館であり、新宮警察署交通課の岡本暢夫警部補が「市内の交通事故情勢」をテーマに講話した。車は鉄の塊で凶器という認識を持ち、危険を予測しながら運転してほしいと呼び掛けた。
高齢者の交通事故は全国的に増加傾向。岡本警部補は「ブレーキを踏んでいるつもり」「ハンドルを切っているつもり」など、本人の意識と体の反応の差が主な事故原因になっていると説明。認知症の傾向が見られるなど、運転が危険と感じた際は家族で免許証の自主返納を検討してほしいと呼び掛けた。
山間部で暮らしている場合、自主返納した際の交通手段が問題になるとし、警察からも行政に支援を求めていきたいと述べた。
新宮署管内での交通事故発生状況は17日現在、人身事故33件(前年比6件増)、傷者44人(12人増)と増加傾向。昨年市内で最も事故が発生した場所は国道42号と国道168号の橋本交差点で、追突や出会い頭事故がほとんどだった。昨年、和歌山県内で発生した死亡事故での飲酒率は17・1%で全国ワースト1位だった。
総会には会員約70人が出席。本年度予算などを承認し、役員改選では森下会長を再任した。総会の後にはカラオケ大会やビンゴ大会がありにぎわった。
(2018年5月24日付紙面より)
身障者連盟第13回総会で (串本町 )
串本町身体障害者連盟(中野實会長、会員46人)の第13回定期総会が20日、同町地域保健福祉センターで開かれた。前年度の総会で町へ提出した社会的障壁の解消を求める要望書に対する回答書を受け取り、その内容を踏まえつつ事業関係諸議案を審議した。
開会に当たり中野会長は「障害者や高齢者の社会生活を確保するため、公共交通や施設の社会的障壁を除去する事がバリアフリー法の理念。施行状況を評価するため障害者団体も参画した会議を設ける事が国の責務とされ、同時に市町村においてもマスタープランを創設するとされている。私たちは共生社会実現のため、社会的障壁の除去をいっそう強める運動を進める」とあいさつ。
来賓を代表して田嶋勝正町長は高速道路延伸や宿泊施設の開業、小型ロケット射場などで増す税収を福祉に回す流れで充実を目指す考えを掲げ、寺町忠町議会議長は障害者用駐車場に一般車両が駐車され本来の利用者が困っている現状を振り返り「こういった事が起こらないよう、議会は今後とも心のバリアフリーが全町に広がるよう頑張る」と約束。同町社会福祉協議会の山本智副会長も来賓として列席して共に総会の実施を祝った。
議案の審議に先立って田嶋町長から中野会長に要望事項に対する回答書が手渡され、中野会長はその内容について一括質問。引き続いて出席した会員も質問し、町域の社会的障害を取り巻く現状への認識を深めた。
前年度の要望事項はおおむね▽国道42号潮岬東口信号交差点~潮岬西口信号交差点間の歩道環境の整備▽JR串本駅へのエレベーター設置▽リフト付きコミュニティーバスの導入と増便や停留所の増設▽文化センターや体育館への多機能トイレの設置▽役場窓口への手話通訳者の配置(緊急時の連絡手段を含む)など▽要支援者台帳登録者の個別避難計画の早期策定と地域連携の確立や福祉避難所の周知―の6項目。
中野会長は、歩道環境整備について平成25年度、27年度、29年度と重ねて要望している点などを強調。一括質問を受けた田嶋町長は▽高速道路延伸に伴い接する機会が増えている中で歩道環境の整備を求める▽エレベーター設置の代替案とする上下線とも1番ホームを利用する手法の趣旨▽車両更新時にノンステップバス1台の購入を検討する考え▽文化センターの改修がまもなく完了し手すり付き洋式トイレが実現する▽町職員の中で手話通訳者の育成を試みたが手話は奥深く今は筆談に頼らざるを得ない状況―などを説明した。
本年度の事業計画は前年度を踏襲する内容を承認。現役員任期中により、役員改選はなかった。
(2018年5月24日付紙面より)
新宮市と王子ヶ浜を守る会
新宮市王子ヶ浜を守る会の速水渉会長と田岡実千年市長が22日、市役所で美化里親制度(アダプトプログラム)の合意書に押印した。速水会長は「観光面でもまちをきれいにすることが大事。行政と協力してやっていきたい」と述べた。
市民団体がボランティアで道路や公園などの公共施設の清掃、除草、花の育成などを実施する際、市がごみの回収、道具の支給、保険の加入などを支援する制度。今回で8団体目の加入。
同会はウミガメがふ化する王子ヶ浜の清掃活動などに取り組んでいる団体。今後は市と国土交通省の協力で整備した東高森の国道42号沿い広角地区花壇周辺で清掃活動などを実施していく。
田岡市長は「まちづくりは協働がスピードアップのコツだと思いますので、協働の見本となるよう今後ともよろしくお願いします」と感謝した。
同会は6月3日(日)午前10時から、同花壇周辺でごみ拾いや除草作業を実施する予定。「この場所は熊野地方を訪れる方々が必ず通過する重要な場所。私たちが誇れる場所にしなくてはいけない」と多数の参加を呼び掛けている。
(2018年5月24日付紙面より)
レスリング、来年度県開催の全国大会に向け
円陣組み課題解決へ (那智勝浦町長選 )
那智勝浦町の森崇前町長の辞職に伴う町長選が15日に告示され、新人で無所属の元県東牟婁振興局参事、堀順一郎さん(59)のほかに立候補の届け出がなく、無投票で堀さんが初当選した。同日午前9時に出陣式を行った堀さんは選挙カーで町内を巡回し、午後5時前に後援会事務所に戻った。同5時の立候補届け出締め切りで他の候補がないとの連絡を受け、事務所内の支持者から拍手が湧き起こった。
大江清一後援会長は「町長としてどんどん成長し、施策が実現できるよう皆さんの協力をお願いしたい」とあいさつ。谷洋一県議、東牟婁町村会長の田嶋勝正串本町長らが当選を祝った。
堀さんは「5カ月の空白で課題が残されている。私一人では解決できない。町民の皆さん、町議会議員、役場職員と円陣を組んで解決へ向けて施策を進めていかなくてはならない。広域的な連携もお願いしたい」と堀町政への意気込みを示した。
「安心して子育てができ、お年寄りが安心して暮らせ、若者が生き生きとして働ける、そういった施策を進めたい。観光は世界に誇れる資源がある。それを生かして誘客したい。誘客により、地域物産の消費拡大につなげたい。喫緊の課題はクリーンセンター建設。再度検証し、経済面、環境面を考えて方向性を決めたい。那智勝浦に住んで良かった、住んでみたいというまちづくりを進め、那智勝浦は元気になってきたな、明るくなってきたな、という町にしたい」と述べた。
無投票については「12人の町議の皆さん全員、いろいろな団体、個人も推薦してくれた。それが全て町民の意思ではないかもしれないが、その結果無投票になったのではないかと思う」と語り、「トップは統率力、行動力、実行力の三つが必要。まだまだ足らないと思うが、その三つが備わった町長になりたい。いろいろな方針を明確にして町民に伝えたい」と決意した。堀新町長の任期は20日(日)から4年間。初登庁は21日(月)午前9時30分。
(2018年5月17日付紙面より)
観光筏下り40周年記念特別便が運航 (北山村 )
北山村で12日、観光筏(いかだ)下り40周年記念イベントとして通常70分のコースを弁当付きで2時間かけて下る特別便が運航され、大阪市、田辺市などからの観光客15人が乗船した。
特別便では通常便よりゆっくりした速度で可能な限り川の真ん中を下る。途中で筏師が岩壁ギリギリに筏を寄せ岩壁に咲く花を写真撮影させてくれるなどのサービスもあり、急流のスリルに加えのどかな船旅気分も感じられる行程になっている。昼食時には筏を停泊させて、筏の上または河原で弁当を食べることができる。
桑名市から7人グループで参加した高井晴美さん(50代)は「手付かずの自然を堪能でき、お弁当もアマゴやめはりずしなど季節のものと地元のものが味わえて良かった」、和歌山市の30代女性二人組は「何年も前から来たかったので、特別便と聞いて行くしかないと思いました。この後は温泉に入って、日帰り旅行を満喫したい」と話した。
次回の特別便の運航は6月2日(土)と3日(日)となっており、料金は弁当付きで7500円。予約と問い合わせは北山村観光センター(電話0735・49・2324)まで。
(2018年5月17日付紙面より)
熊野川町四瀧でサロン (新宮市 )
新宮市熊野川町九重・四瀧地区のふれあいいきいきサロンが15日、同町の四瀧集会所であった。地域住民8人が「おててくらぶ」の3人に教わり、うさぎの小物作りを楽しんだ。
サロンは地域のコミュニティーづくりや介護予防、寝たきりの防止、一人暮らしの人への見守りなどを目的に市社会福祉協議会が区と協力して実施している。
小物作りでは軍手を使ったうさぎの人形を作った。指先の部分に綿を入れてひもで縛るなどして顔を作り、フェルトの耳や口、目とカラフルなリボンや尻尾を付けて完成させた。
出来上がった人形を手に、参加者らは「かわいいよ」とにっこり。一人ずつ「ピョーン」と言いながら感想を話し、歌に合わせて手を動かすなどして盛り上がった。
大峯いくえさん(86)は「楽しかったです。人形は飾っておきたいですね。ひ孫が来たら欲しがると思います。みんなで集まって話をしたりできるので楽しい」。おててくらぶの加藤玲子代表は「楽しかったです。みんな明るく朗らかですね」と話していた。
(2018年5月17日付紙面より)
写真探し懸賞事業など (委員会発足 )
地域活性化の起爆剤として新宮城の復元を目指そうと市民や市議ら12人で構成する委員会(須川倍行委員長)が15日、新宮市で発足した。懸賞金をかけて復元に必要な写真や設計図を国内外で探していく。須川委員長は「選りすぐりの精鋭なメンバーを選出していただいた。官民一体となった新宮市のやる気が感じられる」と期待を込めた。
委員会は田岡実千年市長の諮問機関。委員に委嘱状を交付した田岡市長は「城の復元は市のシンボルとして市民に夢と希望を与え、まちに高揚感を生み出し、観光振興の起爆剤として地域振興や交流人口の拡大につながる壮大なプロジェクト。皆さまの英知を集結し市民の大きな夢の実現に向け官民協働で前進していこうという思い」と協力を呼び掛けた。
諮問内容は▽新宮城復元にかかる資料収集のための懸賞事業▽水野家入部400年事業との連携―の2点。今年10月の中間答申、2年後の最終答申を予定している。
前田賢一副委員長は「交流人口を獲得し、経済活性化と雇用創出の拠点として復元を目指したい」と意気込みを述べた。
意見交換会では「障害者や高齢者のためにケーブルカーを復活してはどうか」「写真を見つけるためには懸賞金の額がポイント。写真は海外にある可能性が高いので、世界に発信すれば写真が出てくる」「市民の理解を得るための周知、啓発活動が一番大事」などの声があった。会議後、委員たちは城跡と水野家墓所を視察した。次回は7月11日(水)午後3時から、市役所で開く予定。
委員は次の皆さん。
倉本隆之 小渕伸二
須川倍行 田中 亮
中瀬古友夫 西村 仁
三﨑一彰 上田勝之
榎本鉄也 前田賢一
松畑 玄 屋敷満雄
■新宮城
丹鶴山と呼ばれた丘陵上に築かれていたため丹鶴城とも呼ばれる。関ケ原の戦い(1600年)で戦功をたてた浅野幸長が紀州に入国した後、支藩新宮に置いた一族の家老・忠吉が01年から築城に着手。19年浅野氏に代わり入国した水野重仲が築城を継続し、2代目・重良(しげよし)の時代の33年に完成した。
標高約50㍍の最高所に「本丸」、現在の正明保育園には行政機関の「二ノ丸」、旧市民会館横には登城の際の「大手道」があった。熊野川側の「水ノ手」には炭納屋群があり、熊野川流域の備長炭を江戸へ出荷する際の拠点になっていた。熊野灘を行く船を見ることができたことから「沖見城」との別名もある。
1873年の廃城令を受け、75年までに取り壊され、現在は石垣のみ。2003年に国史跡に指定されて以降、市は全域の石垣復元に向けた測量や調査を進めている。17年4月には「続日本100名城」に選ばれている。
(2018年5月17日付紙面より)
県高校総体サッカー競技
雨の中、国民平和大行進スタート (新宮市から )
原水爆禁止和歌山県平和行進実行委員会(茂野和廣・実行委員長)は8日、新宮市から2018年国民平和大行進「和歌山―広島」をスタートさせた。風雨の中、参加者らは核のない平和な世界への願いを訴えた。行進は県内全30市町村を通過する。6月8日(金)に三重県に引き継ぎ、8月4日(土)、最終目的地の広島平和公園に到着する予定となっている。
大行進は1958年に始まり今年で60周年を迎える。全国で11のコースがあり、毎年計約10万人が参加している。和歌山県では4年連続全30市町村で実施されている。
新宮市の出発集会で、喜田俊生・紀南労協議長があいさつ。日本が2017年に国連で採択された核兵器禁止条約に不参加であり、核兵器不拡散条約に向けた準備委員会でも態度は変わっていないことに触れた。「世界唯一の被爆国である日本の国民感情としては、核兵器をなくすという一点で話を進めてもらいたい」と、草の根運動を広めていく必要性を訴えた。
向井雅男・副市長が「今なお地球上には人類を絶滅させるほどの大量の核兵器が蓄積、配備されており、断じて許されるものではありません。唯一の被爆国であるわが国の果たすべき役割は極めて重要」と田岡実千年市長のメッセージを代読。
日本共産党新宮市委員会の内田紀也さんは「核兵器禁止条約が大きな力を発揮した根底には、皆さん方の平和行進やそれに啓発された科学者の力などいろいろな力が加わって世界的な動きになった」。原水爆禁止和歌山県協議会の里崎正・事務局長は「被爆国として憲法9条を持つ国にふさわしく核兵器全面禁止の先頭に立つ日本を実現することは国際的責務」と呼び掛けた。
東牟婁地域の通し行進者の栗栖富夫さん(和歌山市民生協)が「世界には1万5000発弱の核兵器が残っている。子どもや孫に負の遺産を残さないためにも、平和の思いを伝えたい」と決意表明。「被爆国として、憲法9条を持つ国にふさわしく、核兵器全面禁止の先頭に立つ日本を実現すること国にするため、一歩でも二歩でもご一緒に歩きましょう」などとする集会アピール宣言を拍手で採択し、『青い空は』を合唱した。
■東牟婁地域の日程
今後の東牟婁地域の日程と集合場所は次の通り。時間はいずれも午後5時15分。▽9日(水)北山村民会館前▽10日(木)那智勝浦町役場前▽11日(金)太地町公民館前▽14日(月)串本町役場本庁舎前▽15日(火)古座川町役場前。
(2018年5月10日付紙面より)
特産のユズが花の時期に (古座川町 )
古座川町の特産となっているかんきつ・ユズの花が咲き始めた。雨天下でも力強く周囲に芳香を漂わせながら花盛りに向かっている。
ユズはミカン属の中でも特に耐寒性に秀でた品種とされ、かんきつ類の生産量が多い和歌山県は温暖な地域ながらも全国ベスト10に入る生産量を誇る。
古座川町は農事組合法人古座川ゆず平井の里による6次産業化が活発な産地として知られ、豊作時は年間140㌧前後の収量がある。皮の傷みが少なく見た目がよいなど商品価値の高い実は生果とし、他は現地で加工して出荷している。近年は加工時に出る搾りかすを堆肥化するといった循環も始まっている。
花は直径3㌢前後の大きさで、白色で多肉質の花びら5弁と黄色い雄しべが印象的。ユズには裏年があり、花のつき具合は枝により差があるが、ついている枝には鈴なりに蕾がつき、三大香木(春のジンチョウゲ、夏のクチナシ、秋のキンモクセイ)に迫る勢いで芳香を発しながら開花が進んでいる状況だ。
同法人は例年、初夏に着花率調査をし晩秋の収量予測をしていて、今年は22日(火)に実施予定だという。
(2018年5月10日付紙面より)
太地新宮自転車線 (和歌山県 )
和歌山県が1989年に工事に着手し、98年に一時休止となっていた太地新宮自転車線の旧グリーンピア南紀周辺コースの整備が昨年10月から始まっている。那智勝浦町二河地内のJR湯川駅近くの国道42号から山間へ入る約350㍍の自転車道の工事に着手し、7月末までに完成予定だが、供用開始の時期は未定。
同自転車線は太地町から新宮市までの自転車道として計画が始まり、太地町側の三軒家トンネル(延長約140㍍)が1992年に完成した。JR湯川駅近くで国道に接続する全長約2㌔の計画だったが、トンネルを含むJRの線路沿いのコース約970㍍が整備された後に用地取得の難航などで工事が中断。900㍍を残し、98年の県公共事業再評価委員会の審議で計画が一時中止となった。年を経てトンネルの整備が必要となり、ルートも行き止まりのため、現在は通行止めになっている。
本年度の事業は残り900㍍のうち約350㍍区間。6月下旬までにのり面の工事などを整備し、その後に舗装。残りの区間の工事とトンネルの整備なども必要なため、供用は先になる。県は「できるだけ早急にサイクリングが楽しめるように整備したい」と話している。
国が2017年に施行した自転車活用推進法を受け、県は独自の推進計画を策定。自転車による地域の観光や健康づくりを促進するため、利便性や安全性を備えたサイクリングロードの整備を進めている。川・山・海のルートを設定し、専用道の整備や案内看板、路面表示の充実などに取り組んでいる。
(2018年5月10日付紙面より)
欅(けやき)長胴大太鼓の奉納奉告祭が1日、新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で営まれた。株式会社R.Link Corporationの椋野玲史取締役会長が4月26日に同大社に奉納した。
欅長胴大太鼓は愛知県津島市の老舗太鼓メーカー、堀田新五郎商店が制作。鼓面の直径は85㌢、長さ110㌢、台座を含めた高さは190㌢の巨大なもので、完成まで4カ月を要した。奉納奉告祭で上野宮司が白布を取って披露すると関係者から感嘆の声と拍手が起こった。
椋野会長は今年の正月に同大社で安全祈願祭を営んだ際「太鼓の音がもっと大きければ」と思ったのが大太鼓奉納のきっかけだと話す。過去にも玉砂利や石畳などさまざまなものを奉納しているが「今日の奉告祭では爽やかな風が吹いていて、一番気持ちよかった」。
上野宮司は「当社に伝わる一番古い太鼓は祭りの際に使うもので江戸時代のもの。この大太鼓は拝殿で使用する太鼓としては今までの1・5倍の大きさ。軽く打っただけでも響きが素晴らしい。時代とともに、打てば打つほどさらに音も良くなるでしょう」と話していた。
大太鼓には木目の美しさや光沢を出すため、採取したばかりのものに近い状態の「生漆(きうるし)」が塗り重ねられていたり、湿度の高い熊野の風土に合うように皮を少し緩ませて張ったりなどの調節がされている。音色は祈とうや正式参拝の際に聴くことができる。
(2018年5月3日付紙面より)
スターレジェンド入港 (新宮市 )
外国客船「スターレジェンド」(総トン数9975㌧、全長134㍍)が2日、新宮市の新宮港に入港した。4月16日に続いて2回目で、乗客209人が熊野三山巡りなどを満喫した。2日午後6時に次港の清水港(静岡県)へ出港する予定。
今回のクルーズ名は「グラン・ジャパンクルーズ 大阪~横浜」。行程は大阪、高知、広島、福岡、釜山(プサン=韓国)、長崎、鹿児島、新宮、清水、横浜。乗客の内訳はアメリカ人139人、オーストラリア人15人、イギリス人14人、日本人4人など。新宮港では平安衣装の女性や雅楽演奏による歓迎や地元特産品の販売があった。「熊野水軍太鼓」による見送りを予定している。
外国客船の入港は今回で6回目。本年度は日本船4隻を含め昨年度より1隻多い14隻が入港する予定。乗客数は昨年度より約3000人多い約1万人になる見込み。
今月12日(土)には先月27日に続いて外国客船「コスタ・ネオロマンチカ」が午前6時30分入港、午後2時出港の予定。市企業立地推進課(電話0735・23・3333)は乗客を歓迎する外国語ボランティアを募集している。
(2018年5月3日付紙面より)
串本町や古座川町の公立学校が春の遠足のシーズンを迎えている。1日は西向小と高池小の2校が重畳山へ、串本西小と出雲小と明神小と三尾川小の4校が望楼の芝へ赴き、初夏の好天に元気な歓声を響かせた。
年度初めの親交を深める機会として定着している春の遠足。初夏の運動会体育祭の広まりもあり、そのタイミングをゴールデンウイークの直前や中日に求める公立学校も少なくない。
串本町立西向小学校(山本誠士校長)は歴代児童の伝統になっている重畳山登頂(片道4㌔)遠足を実施。重畳山公園の芝生広場に到着後は一年生歓迎集会を開いてミニゲームを楽しみ、昼食後は旧来の木製アスレチック遊具に代わり平成28年末に整備された子ども向け複合遊具(ジャングルジム、ボルダリング、滑り台、ロープネット、展望台)や大人向け健康遊具(背伸ばしベンチ、サイクルステーション、ぶら下がり棒、腕上げアーチ、踏み板ストレッチ)に興味を示すなど自由遊びも楽しんで復路についた。
古座川町立高池小学校(大畑眞校長)も神野川方面の登り口から約3㌔を登って同広場を目指した。西向小と時間差で芝生広場を使うため先に昼食休憩をしてから一年生歓迎集会を実施。帰りはスクールバスで移動した。
望楼の芝を訪れた串本町立串本西小学校(浦渉校長)と同出雲小学校(山路和彦校長)、古座川町立明神小学校(速水和美校長)と同三尾川小学校(濵地久夫校長)は、芝地の中央~西側一帯に陣取り、一年生歓迎集会や交流集会(三尾川小)を開き、木陰での昼食や自由遊びを楽しんだ。
4月21日に上野山こども園、27日に橋杭小と串本小と県立串本古座高校1年生が同芝を遠足で利用。本年度は潮岬望楼の芝管理運営委員会から各利用者で事前に日程調整した利用協力が呼び掛けられた事もあり、一日に複数の学校が殺到することなく各校がのびのびと過ごせる状況で推移している。
(2018年5月3日付紙面より)
「初期集中支援チーム」結成 (那智勝浦町 )
認知症の早期診断、早期対応を目的にした「認知症初期集中支援チーム」が4月から全国自治体の地域包括支援センターなどに結成されている。那智勝浦町では役場本庁の地域包括支援センターに設置され、社会福祉士や看護師、専門医らでチームをつくり、住民からの相談に応じている。
認知症になっても本人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域で暮らし続けるためには早い時期の診断と対応が求められる。このため、厚生労働省が支援チームの配置を決めた。
同町の支援チームの一人、社会福祉士の岩本ひろ子さんは「これまでも相談は受けてきましたが、今回は国から専門医までつなげられる体制をつくってほしいという要請があり、チームを結成しました。専門医へすぐに診察を受けに行くのは敷居が高いという人もいますのでうまく連携できれば」と話す。
同町では認知症への取り組みはすでに行っており、民生委員や住民から相談があれば対応している。平成28年度までは認知症の家族の集いも開いていた。しかし、「人前では話しにくい」「個別で相談したい」などの声から参加は少なく、今は開いていない。
看護師の中田佐和さんは「本人は何でもできると言い張るのですが、ごみ出しのルールが守れなくなるなど生活に支障が出てきます。まず介護認定を受けてもらうことから始めていきます。これは家族の協力がないとできません」と話す。身だしなみが乱れ、季節にそぐわない服を着ている。冷蔵庫に同じ物がいくつもある。最近は雨戸が閉まっている―など、様子がおかしいと感じたら連絡してほしいという。
岩本さんは「地域の人たちで支える認知症サポーターの活動も行っています。周りの人の見守りだけで、その地域で生活できる場合もあります。認知症は、今は普通の病気。特別な目で見ないで、支え合えるような町づくりが必要です」と呼び掛ける。
同町福祉課介護保険係の主事、庄司亮太さんは「支援チームの設置で相談する窓口が分かりやすくなったと思います。医療や介護の必要なサービスにつなげるためのチームです。お気軽に相談を」と話した。チームの専門医は同町宇久井のクリニックルピナスの尾崎宜洋院長が担当している。
対象は、40歳以上の在宅で生活している人で医療サービス、介護サービスを受けていないか、中断している人など。問い合わせは同町地域支援チーム内の同支援チーム(電話0735・52・0611)まで。
(2018年5月3日付紙面より)
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