ぷろぼの山内理事長が講演 (新宮市 )
社会福祉法人ぷろぼの(奈良市)の山内民興理事長が3月31日、新宮市熊野川町九重の旧九重小学校で「これからの福祉と熊野での活用について」をテーマに講演した。山内さんは障害福祉サービス事業を基軸に誰もが自立した生活を送れる地域社会づくりを目指して活動している団体の代表。福祉関係者ら約25人を前に地域力の低下を抑えるのも福祉の役割だと述べ、「育てる福祉」の大切さを訴えた。
ぷろぼのくまの(柴田哲弥代表)主催の第4回勉強会。山内さんは「福祉とはお互いさまの心づかい。全ての方が恩恵を受けている」と述べ、福祉は人が安心・安全に生活するための基盤であり、身近に障害者や高齢者、子どもがいないから関係ないという話ではないと説明した。
高度成長時代以降、核家族化が進む中でなくなった「地域力」は「福祉」が担うことになると説明。各家庭で教えられることが少なくなっている「社会性」を教えるのも「福祉」の役割になっていると指摘した。
「働くことで、考え、発言し、行動することで成長し、適度に疲れる。だから、よく眠れる、ご飯がおいしい。おしゃべりが楽しい」
「働かないと社会性が伸びない」と、ぷろぼのは▽働くことができる障害者の育成▽社会のリーダーになる障害者の育成▽人材を育成する先端技法の開発―を柱に障害者を一般企業に就職させることを目指している。
社会的な知識、マナー、コミュニケーション能力から指導し、従業員たちはウェブシステム開発、パンフレットのデザインや印刷、データ入力などで活躍している。お茶づくりやヨモギ栽培などにも取り組んでいる。
わが子の就職をあきらめている障害者の保護者が多いが「一人一人丁寧に対応すれば、一般就労の可能性はある」と述べ、社会性を伸ばすためにできるだけ早い時期から働いた方が良いと訴えた。
ぷろぼのの理念は「よい福祉は職員から」。社員の要件は、▽福祉の心を育む▽就労支援を学ぶ▽ITを習得する▽一般教養を高める―の4点。職員は障害者と一緒に働くのではなく、一人一人の就労訓練の内容や成果をきっちりと記録し、育てていくことが大事と話した。
来場者から「動くことができない重度障害者も働くべきなのか」と質問があり、山内さんは「どんな人でもできることがある。働くべきだと思う」と回答した。
(2018年4月5日付紙面より)
串本太地道路の新規事業化
那智勝浦町は2日、本庁舎に「祝串本太地道路新規事業化決定感謝」の横断幕を張り出した。国土交通省が3月30日、串本太地道路の新規事業化を発表したのを受けて、地元の祝福ムードを打ち出そうと掲げた。
平成30年度の国の当初予算に串本太地道路(18・4㌔)に事業費2億円が盛り込まれ、新規事業の着手が決まった。これにより一部未事業化区間はあるものの、和歌山県域の紀伊半島一周高速道路実現への道筋がおおむね整うことになった。
同町が掲げた横断幕は横9㍍、縦0・9㍍。役場本庁の2階部分に取り付けた。同町建設課では「念願の事業化に感謝の意を表したい」と話した。
(2018年4月5日付紙面より)
サ市生徒らが市長表敬や着物体験 (新宮市 )
姉妹都市交流事業で来新しているアメリカ・カリフォルニア州サンタクルーズ市(サ市)の生徒訪問団は3日、新宮市役所で田岡実千年市長を表敬訪問した。田岡市長は一行を歓迎し「ぜひ新宮でいろいろと感じたことをサ市に帰って家の人にも伝えてほしいです。帰国の日まで楽しんでください」と呼び掛けた。
一行はホストファミリー宅などに宿泊しながら剣道や合気道、着物などの体験、熊野那智大社見学や地元高校生との交流などを通して日本文化に親しんでいる。
訪問団のゲイル・マッカラムさんが田岡市長にお土産を手渡し、感謝を述べた。生徒らは「自然がよく、川がきれい」「食べ物がみんなおいしい」「人々が親切で自然に根差した感じがする」「桜が印象的だった」などと報告した。
3年前に同事業に参加し、今年から日本での留学を予定しているマシュー・フィリップスさん(18)は「サ市の学生は新宮を美しいと思っています。川舟下りや高校での交流、着物を着たりと、全部が楽しかった」と語った。
この日は井の沢の萩原きもの総合学院(萩原真理学院長)で浴衣の着付けとお茶席を体験した。萩原学院長から浴衣の着方や帯の結び方などの説明を受けて挑戦。教わりながら浴衣を着ると写真撮影や鏡の前でポーズをとるなど、うれしそうな表情を浮かべていた。
茶道の体験では、同学院で茶道を学ぶ子どもたちがお茶やお菓子を振る舞った。レオ・チューサー君(14)は「着物は初めてで難しかった。着心地がいいです。熊野三山がよかったですね。建築が好きで建物に興味を持っており、桜も咲いており自然もよかった」と笑顔を見せた。
(2018年4月5日付紙面より)
古座川漁協稚アユ放流 (古座川町 )
古座川漁業協同組合(橋本尚視組合長)が1日、管内流域各所で稚アユを放流した。
県内水面漁業協同組合連合会「内水面漁業振興対策事業(アユ種苗放流)」の一環で取り組んでいる春恒例の事業。今年の古座川は天然遡上(そじょう)が近年になく良好で、古座川漁協は稚アユ同士の生存競争を激化させないよう、例年の1・5㌧ベースを若干減じる方向で総放流量を決めるとしている。
1回目となるこの日は総量1㌧の稚アユを仕入れ、組合員が手分けして小川、明神、三尾川、佐本の各地区で放った。2回目は高池小(新規)、明神小、三尾川小の児童と一緒に放流する計画で、2日現在で各校と日程を調整中だという。
今年は9月15日(土)から17日(月・祝)までの3日間、管内流域で第37回全日本アユ釣り王座決定戦(全日本釣り技術振興評議会主催)が開かれることになっていて、天然遡上が良好なことで好条件の競技環境が見込まれる。アユ漁の解禁日は滝ノ拝下流など一部流域を除いて6月1日(金)。橋本組合長は「数年前にも天然遡上が多い年があったが、今年は量に加えて稚アユ自体が大きく、すでに滝ノ拝まで到達しはねている状況。岩についてコケを食べている稚アユも見られ、今年は口開けと同時に18㌢超えの良型が多くかかると思う。組合員や遊漁券を取得した愛好者の皆さんに喜んでもらえる1年になりそうだ」と今後を期待している。
(2018年4月5日付紙面より)
那智勝浦町長旗・老連会長盾争奪グラウンドゴルフ大会
田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)の御創建二千五十年奉祝式年大祭(11~15日)に向け、同大社敬神婦人会有志5人が祭りで授与する菊を模した造花「挑花(ちょうばな)」を作っている。授かれば1年間災難がなく豊作である、とされている縁起物で、祭りまでに約800本作る。
挑花は直径約15㌢、高さ約60~90㌢。昨年10月から大社氏子総代会が材料集めなどの準備を始め、1月中旬から婦人会有志たちが花を作っている。赤、白、黄などの紙を花びらや葉の形に切って接着剤などで貼り付けて完成させる。
30年ほど作業に取り組んでいるという岡本ミチさん(73)=本宮町渡瀬=は「奉仕の気持ちで続けさせてもらっています。私は葉を茎に取り付ける作業に一番苦労しています」と話していた。
例大祭は、主祭神の家津美御子大神(けつみみこのおおかみ)=スサノオノミコト=が本宮に鎮座する際に「我を祀(まつ)るに母神(イザナミノミコト)をも同じく祀れ」と言ったという故事が起源。熊野市の花の窟(いわや)から母神を迎え、花を奉じて鼓、笛、旗をもって祭りを営むようになったと社伝に記されている。
15日(日)午後1時からの渡御祭(とぎょさい)で、木箱に無数の挑花を刺して飾った4基がみこしなどと共に真名井社(まないしゃ)を経て、旧社地の大斎原(おおゆのはら)まで歩く。かつては旧社地での神事が終わると氏子が挑花を奪い合ったが、現在は餅投げの赤餅と引き換えている。
大社氏子総代会の榎本隆文会長(66)は「挑花は本宮大社の例大祭のシンボルの一つ。40年ぐらい前にはみんなで激しく取り合っていました。例大祭の最後を締める餅まきは15日午後3時ごろです。今年は2050年の節目。日曜日が重なっていますので、大勢の人が来てくれると思います」と話していた。
(2018年4月3日付紙面より)
町長選挙は5月20日見込み (那智勝浦町 )
那智勝浦町は2日、役場応接室で記者会見を開き、森崇町長が辞職願を中岩和子議長に提出したと発表した。森町長は和歌山市内の病院に入院中で、矢熊義人副町長が辞職願を預かり、3月31日に中岩議長に出し、受理された。退職日は地方自治法の規定により、4月20日(金)付となる。町によると町長選挙は5月20日(日)までに実施する見通し。
記者会見で矢熊副町長は「新年度からの復帰に向けて、役場組織の再編と人事の体制を整えておりましたが、3月22日の検査において、病状が改善されておらず、今後は病院での入院治療が必要とのことで、町長の職務を続けていくことは厳しい状況であり、また町民の皆さまにこれ以上ご迷惑をお掛けすることはできないとの事から、辞職願を議会議長宛てに提出させていただきました」と森町長のコメントを発表した。
森町長は昨年12月24日に投開票された町長選挙で初当選した。当選2日後に検査を受け肺がんが判明。和歌山市内の病院で治療を受け、1月17日に初登庁したが、体調を崩し、和歌山市内の病院に入院。2月22日に復帰し、臨時議会に出席したが、3月8日から療養のため休職していた。
退職日は地方自治法の規定により今月20日となる。次の町長選挙で新町長が決まるまで矢熊副町長が職務を代理する。
(2018年4月3日付紙面より)
南紀串本観光協会が本稼働 (串本町 )
一般社団法人南紀串本観光協会(島野利之会長)が1日付で本稼働を始めた。観光関係4団体を統合した新法人で、前日に串本事務所と古座事務所(通称・南紀串本観光協会古座)の開所式を営み、士気高らかに弾みをつけながら新たな歴史への第一歩を踏み出した。
同法人は▽串本町観光協会(昭和30年~)▽古座観光協会(平成元年~)▽教育旅行誘致協議会(平成16年~)▽串本アウトドアフェスティバル実行委員会(平成17年~)の統合体として3月9日に法人登記。4者はいずれも任意団体で、前年度の総会で統合協議を進めることを決め、昨秋に観光関連団体統合調整協議会を立ち上げて同法人設立を目指した。併せて前年度末に解散し、同法人に有する諸事業を引き継いで本稼働させた。
事務所はJR串本駅社内の串本事務所とJR古座駅舎内の古座事務所の2カ所とし、旧養春小内にあった教育旅行誘致協議会事務所は串本事務所に吸収。同法人の両事務所は通信環境的一元化が図られ、どちらに問い合わせても同法人が提供する全てのサービスにつながる仕組みになっているという。
開所式は午後4時に串本事務所、午後5時に古座事務所で開いた。島野会長は串本事務所で「今、串本町にはいろいろな観光の追い風が吹いている。四つの団体が一つに固まることで、今までの業務がより充実し、新しいことにもチャレンジして、皆さまと一緒に素晴らしい未来に向かって進んでいきたい」とあいさつし、古座事業所では同法人のアウトドア部門を同事務所に集約し多くの皆さんの来訪で盛り上がる形にしたいと申し添えた。
来賓を代表して田嶋勝正町長は串本で串本太地道路の事業化やすさみ串本道路の起工式、古座で小型ロケット射場誘致推進室設置といった追い風の現況と展望を報告し、「これを受け止めきれなかったら串本町の浮上はないのかなという風が吹いている。その時にこういった力を合わせて誘客に努めることは素晴らしいことだ。まちもできる限りバックアップし、皆さんと共にがっちりと多くの観光客を獲得し地域経済発展のため頑張っていきたい」と思いを伝えて同法人の設立を祝った。
両事業所ともテープカットで祝い、日本トルコ友好キャラクター「まぐトル」や串本エギング大会ゲストで知られる西向出身のタレント・そらなさゆりさん(古座事務所のみ)も立ち会い華やかさを添えた。
両事務所とも開所時間は午前8時30分~午後5時30分で原則無休。問い合わせは串本事務所(電話0735・62・3171)か古座事務所(電話0735・72・0645)まで。
(2018年4月3日付紙面より)
官公庁で辞令交付式
官公庁で2日、辞令交付式があり新年度がスタートした。熊野地方の各自治体の首長たちは、昇任した幹部職員や新規採用職員らを前に少子高齢化、人口減少が進む地域を活性化するため一丸となって職務に取り組もう、と奮起を促した。
新宮市では田岡実千年市長が課長以上の管理職員、新規採用職員などと分けて人事発令通知書を一人一人に手渡した。幹部職員には「平成30年度は第2次総合計画がスタートする非常に重要な年。極めて厳しい時期ですが、全ての職員が一致団結し、課題に向き合い、市民本位の市政を推進していかねばなりません」と訓示。
新規採用職員には「今の初心と謙虚さを忘れず、任務に当たっていただきたいと思います。現場はあなた方の斬新な発想と活気に満ちあふれた熱意を心待ちにしています」と呼び掛けた。新規採用職員を代表して企画調整課の須川卓哉さんが「公務を民主的かつ能率的に運営すべき責務を深く自覚し、全体の奉仕者として誠実かつ公正に職務を執行することを固く誓います」などと宣誓。交付式の後、田岡市長は新規採用職員対象に訓話し、あいさつやチームワークの大切さを訴えた。
市の本年度新規採用職員は一般事務職8、消防職3、看護師1、一般事務職追加募集3の計15人。採用試験の受験者は計123人だった。受験者本人の希望により、得点、順位、合格ラインを開示している。問い合わせは市総務課職員係(電話0735・23・3333)まで。
(2018年4月3日付紙面より)
三和お花見グラウンドゴルフ大会
紀南十高校春季野球リーグ交流戦
全日本学童県大会支部予選 (準決勝、決勝は7日に市民運動競技場で )