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2021年11月30日
1 町民の安心安全目指し
 消防団員が訓練に汗流す  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町消防本部(湯川辰也消防長)は28日、町立勝浦小学校グラウンドで令和3年度の町消防団員教養訓練を実施した。訓練では、町消防団(下地将仁団長)の団本部や第1~8分団から41人が参加。消防職員指導の下、新任教養訓練や幹部教養訓練に取り組んだ。

 同訓練は2年に1度行われ、新入を含む団員と幹部団員がそれぞれ、有事に備えて訓練の練度を高めることを目的としている。

 開講式では堀順一郎町長が町には避難困難地域が多数存在することを挙げ、町内の避難設備などを紹介。訓練については「参加いただきまして感謝しています。町民の安心安全はもちろんのこと、緊急時の皆さま自身の安全確保と迅速な対応につながるよう、素晴らしい訓練になることを祈念している」。

 下地団長は多忙でコロナ禍においても訓練に参加した団員に感謝を述べ、「訓練を通して団体行動や厳正な規律の保持と安全、確実、迅速な行動を身に付けていただきたい。地域防災の要として、町民が安全、安心に暮らせる町を目指し、訓練を重ね消防力の強化に取り組み、団員一丸となって災害に対応していく所存であります」と訓示した。

 新任教養訓練では▽集合位置▽整列順序▽基本の姿勢▽休めの姿勢▽まわれ右▽敬礼▽速足行進▽かけ足行進▽ロープワーク▽ホースの取り扱い―などを、幹部教養訓練では▽隊形▽集合および整頓▽指揮位置▽各個訓練指揮―などをそれぞれ学んだ。

 下地団長が幹部団員に直接指導する場面もあった。各団員は堀町長や湯川消防長らが見守る中、懸命に訓練に取り組み、汗を流していた。

(2021年11月30日付紙面より)

新任教養訓練で行進に励む団員=28日、那智勝浦町立勝浦小学校
幹部団員が幹部教養訓練に取り組んだ
2021年11月30日
2 夜空と海上に大輪の花
 医療従事者にサプライズ花火で感謝示す  (熊野市 )

 新型コロナウイルス感染症対策で大きな貢献があった医療従事者に感謝するサプライズ花火が26日夜、熊野市によって同市木本町の木本港防波堤(ケーソン)から打ち上げられた。闇に包まれた大空と海上を約900発のスターマインが華麗に彩り、会場に感動の輪が広がった。

 県と市の発表によると、同市では9月30日に23人目の陽性者が発表されて以降、新たな感染者が確認されていない。ワクチン接種も順調に進み、県でも上位の実績を誇る。これらの状況に導いた医療従事者の努力と協力に感謝しての打ち上げで、堤防上に観覧席を設けて135人を招いた。混乱を招かぬよう開始前の午後5時過ぎには防災行政無線で案内したこともあって、防寒着に身を包んだ家族連れや友人同士など三々五々集まり、師走前の花火ショーを楽しんだ。

 打ち上げ時間は約10分と短いものの、ごう音とともに広がる花火は迫力十分。医療従事者らを楽しませるとともに、市民やその子どもたちからも「うわー、きれい」「すごい」と歓声が。25日から釣りに来ているという大阪府の男性(69)は「熊野へは何度も来ているが、ここで花火を見たのは初めて。明日は大漁の予感がする」と喜んでいた。

(2021年11月30日付紙面より)

夜空と海上を彩るスターマイン=26日、熊野市の七里御浜海岸
2021年11月30日
3 木曜島遺族会が顕彰碑美化
 野球部員らの作業応援得て  (串本町 )

 木曜島遺族会(坂井敏生会長)が28日、串本町潮岬にある顕彰碑の美化に取り組んだ。今回は県立串本古座高校硬式野球部とその後援会から広がったボランティアも作業を応援。30人がかりで建立当時の整然とした状態を取り戻した。

 この顕彰碑は、明治~昭和初期の潜水による貝採取事業など従事のためオーストラリアへ渡ったふるさとの先人の功績を後世に伝える目的で1998年、当時の町長ら発起人が本土から渡航先に最も近い本州最南端そばに建立した。

 以降、現地への墓参が難しい遺族が訪れて先人をしのぶ場ともなっていて、気持ちよく過ごせるよう同遺族会は盆前と正月前の年2回、美化の奉仕をしている。

 今年は新型コロナウイルスの影響で盆前の奉仕を中止したため、この日は1年ぶりの実施。会員10人ほどが早朝に集まり、草刈りや碑の水拭きなどをした。今回の応援は過去に協力した後援会員の勧めで広まったそうで、同部からは種井祐貴主将(2年)ら部員6人が参加。ボランティアと共に会員が刈った草を集めて運び去るなどの協力をした。

 会員らは「年々高齢化が進んで大変になっているので、今回の応援は本当にありがたい」と喜びの声。種井主将は「今年から後援会ができ、寄付集めなど応援していただいていることに恩返ししようと思い勧めに応えました」と話し、この協力が少しでも地域への応援になることを願って作業に打ち込んでいた。

 坂井会長は今回の接点の延長でふるさとを支えるために移民した先人への関心を持ち、いつか木曜島とも接点を持ってくれることを願いつつ今回の若い世代の応援を喜び感謝していた。

(2021年11月30日付紙面より)

野球部員ら若い世代の応援も得て顕彰碑一帯を美化する木曜島遺族会の会員=28日、串本町潮岬
2021年11月30日
4 お薦め本の魅力を紹介
 ビブリオバトル新宮  (新宮市 )

 新宮市下本町の文化複合施設「丹鶴ホール」大小会議室で27日、「中高生読書まつり・ビブリオバトル和歌山大会」の予選を兼ねた「令和3年度ビブリオバトル新宮」が開催された。中学生の部3人、高校生の部5人が出場し、オーディエンス(観戦者)に向けてお気に入りの一冊を紹介した。

 市教育委員会、市立図書館が主催。ビブリオバトルはバトラー(発表者)が自身のお薦めの本について1人5分間紹介し、オーディエンスが最も読みたくなった「チャンプ本」を投票で選出するもの。コミュニケーションゲームとしての楽しさを味わうことも重視され、読書推進活動として全国的な広がりを見せている。

 出場者は、あらすじや自身の体験を交えて本の魅力を紹介。応援に訪れた保護者や友人、学校関係者たちも熱心に耳を傾けた。

 投票の結果、中学生の部で大矢胡春さん(城南中2年)の「元彼の遺言状」、高校生の部で小屋敷卓真君(近大新宮高2年)の「FACTFULNESS(ファクトフルネス)~10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣~」がチャンプ本に選ばれた。2人は12月26日(日)に和歌山県立図書館で開催予定の和歌山大会への出場権を手にした。

 大矢さんは「他の人たちの表現が上手だった中、自分の思いが伝わりうれしい。県大会でもこの本の魅力を知ってもらえるように頑張りたい」。小屋敷君は「もう少し伝えられたのではと思いますが、結果としてはよかったです。県では、もっと良いスピーチができるように準備をしていければ」と意気込みを語っていた。

(2021年11月30日付紙面より)

和歌山大会への出場を決めた大矢胡春さん(左)と小屋敷卓真君=27日、新宮市下本町の丹鶴ホール(一時的にマスクを外して撮影)
オーディエンスに本の魅力を伝えた
2021年11月30日
5 新成人が社会への貢献誓う  10カ月遅れで成人式挙行  (紀宝町、御浜町 )
2021年11月30日
6 「いざというとき」に備えて  東京海上日動が防災授業  (新宮市 )
2021年11月30日
7 人権尊重の精神豊かに 人権・同和啓発作品表彰式 (那智勝浦町)
2021年11月30日
8 年を取ることを学ぶ  太田小で高齢者&車いす体験  (那智勝浦町 )
2021年11月30日
9 タウンガーデンにイルミ設置  12月から点灯開始  (新宮市 )
2021年11月30日
10 夢の「甲子園」目指して  Start Up Me 硬式野球  (新宮高校硬式部OB会 )
2021年11月30日
11 マルシェ形づくりにぎわう  互盟社で「むつこの器展」  (古座川町 )
2021年11月30日
12 人権課題の捉え方教わる 紀南教育事務所迎えワークショップ (潮岬中)
2021年11月30日
13 家族らに活動の成果披露  明神小中合同学習発表会  (古座川町 )
2021年11月30日
14   
2021年11月05日
15 関係機関の連携強化
 「世界津波の日」前に合同訓練  (新宮市 )

 「世界津波の日」(11月5日)を目前に控えた3日、新宮市佐野の新宮港緑地で、令和3年度新宮市総合防災訓練を実施した。16機関から約200人が参加。さまざまな訓練を通し、大規模災害に対する連携強化を図った。

 「世界津波の日」は2015年12月に国連総会で制定。安政元(1854)年11月5日に、安政南海地震による津波が現在の和歌山県広川町を襲った際、濱口梧陵が稲むらに火を付け、津波から逃げ遅れた村人を高台へ導いて多くの人の命を救った逸話「稲むらの火」にちなんでいる。

 訓練に参加したのは▽近畿地方整備局紀南河川国道事務所▽田辺海上保安部串本海上保安署▽関西空港海上保安航空基地▽陸上自衛隊第37普通科連隊▽近畿管区警察局和歌山県情報通信部機動警察通信隊▽和歌山県警察本部広域警察緊急援助隊▽新宮警察署▽和歌山地方気象台▽東牟婁振興局▽県防災航空隊▽株式会社POS▽NPO和歌山災害救助犬協会▽新宮市▽市消防本部▽市立医療センター▽市水道事業所。

 訓練は、和歌山県南方沖で震源の深さ約10㌔、マグニチュード8・6と推定される地震が発生し、市では震度6強を観測。県には地震による大津波警報が発表されたほか、県内全域で家屋の倒壊や火災が発生し、橋や道路の損壊、土砂災害、交通・通信・電力・ガス・水道などの施設機能がまひ。救援活動が妨げられ、多数の死傷者が発生したとの想定の下実施された。

 沿岸部では津波による港湾施設が損壊、家屋・船舶が流失し、行方不明者が多数出ているとの情報を受け、田岡実千年市長が災害対策本部を設置。出動要請を受けた各機関が情報伝達や海上被害調査、漂流者救助、炊き出し、給水、医療救護活動、救出救助、消火などの訓練を行った。

 夜間の災害発生を見据えた照明車と排水ポンプ車との合同訓練や、災害派遣医療チーム(DMAT)と警察、消防などが連携して治療の優先順位を決める「トリアージ」、検視活動、中高層建物屋上に取り残された要救助者をヘリで引き上げる高所救助活動などもあり、緊迫した空気の中、実践さながらの訓練が展開。なお、訓練は当初、市民参加型を想定していたが、コロナ禍の状況を踏まえこれを断念。当日の様子は動画投稿サイトでライブ配信された。

 訓練を終え、竹田和之・総務部防災及び危機管理担当兼防災対策課長は「各機関とも他の機関と連携を密に、スムーズに訓練を行えていた」などと講評。「人命を第一に考え、日頃から連携を密にし迅速に活動ができるよう、今後も訓練に励んでほしい」と呼び掛けた。

 田岡市長は「コロナ禍においても自然災害は待ったなし。どのような状況下においても対応できるよう、さらなる防災意識の向上を図るとともに、有事に耐えうる備えを常にしておかなければならない」と締めくくった。

(2021年11月5日付紙面より)

各機関が救出救助などそれぞれの訓練を実施した=3日、新宮市佐野
市消防本部による消火活動の様子
2021年11月05日
16 佐藤春夫の遺徳しのぶ 関係者らが「筆供養」 (新宮市)

 「文化の日」の3日、新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」敷地内の佐藤春夫筆塚前で、令和3年度佐藤春夫「筆供養」が営まれた。新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から規模を縮小して実施。関係者ら約30人が参列し、使い古した筆を供養するとともに春夫の遺徳をしのんだ。

 公益財団法人佐藤春夫記念会(舩上光次代表理事)と新宮市教育委員会(速水盛康教育長)が主催。2015年まで旧市民会館前の「筆塚」で営んでいたが、文化複合施設建設工事で一時撤去したことから会場を変更して開催。筆塚前で実施するのは6年ぶりとなる。

 「筆塚」は1966年、新宮ライオンズクラブが市民会館前に建立。揮毫(きごう)は春夫の親友だった堀口大學が行い、佐藤千代夫人と堀口夫妻らが除幕した。塚の中には春夫愛用の毛筆と万年筆が納められている。

 式典では、1951年、春夫が59歳の時に作詞し、文化の日に制定された新宮市歌が流れる中、舩上代表理事が進行役を務めた。

 田岡実千年市長は「佐藤先生の筆塚、西村伊作先生の正門、村井正成先生の壁画は、文化の殿堂としての風格を丹鶴ホールに与えてくれている。今後も筆供養の式典を通じ文化の向上を願い、その発展に努めていきたい」とあいさつ。

 市立佐藤春夫記念館の辻本雄一館長は「久しぶりに筆塚の前で供養できてうれしい。来年は春夫生誕130年、そして中上健次が亡くなって30年を迎える。小さいまちから近代文学を代表する2人の人物が出たということは近代文学に興味のある人々の関心を引くところで、このまちの歴史と風土が育んだものでは」。また、中国の近代文学者・魯迅を日本で最初に紹介したのは春夫であったことなどについて話した。

 茶道裏千家淡交会南紀青年部の谷口宗尚さんの献茶に続き、参列者らが春夫の写真の前に筆を供え遺徳をしのんだ。

 式典の後には、辻本館長による「佐藤春夫パネル展」(3日で終了)の展示解説もあった。

(2021年11月5日付紙面より)

谷口宗尚さんが筆塚前に献茶した=3日、新宮市の「丹鶴ホール」
2021年11月05日
17 打ち上げの実感を得る 串本中でロケット教室 (県宇宙教育研究会)

 串本町立串本中学校(濱﨑和司校長)の1年生39人を対象にしたロケット教室が2日にあり、生徒はモデルロケット「アルファⅢ」の製作と打ち上げに取り組んで実感を得るなどした。

 この教室は、県宇宙教育研究会(会長=笹井晋吾・県立桐蔭高校長)指導の下で実施。同研究会はこれまで社会教育の範囲で重ねてきた実績を学校教育へ取り入れるべく本年度、串本中と串本西中の協力を得て試行することとしている。

 その第1号事例となったのがこの日の教室。同研究会の事務局長で生徒が発射ボタンを押す指導ができる藤木郁久教諭(桐蔭高)と会員の太田昇教諭(串本中)が対で講師を務め、5時間目に製作、6時間目に打ち上げを当てはめる形で指導した。

 生徒は同校体育館で講師と合流し、ロケット(スペースシャトル)の打ち上げ映像を交えてこれから挑戦する事柄のイメージを得つつ、2人一組でモデルロケット1基を組み上げた。

 その後、望楼の芝へ移動して計19基を専用の発射台から打ち上げ。一部点火不良があったが、仕切り直して全ての打ち上げが成功した。

 生徒の一人、和田久朋那さんは「1から10まで自分たちで作ったモデルロケットの打ち上げが成功してすごく感動した。もうすぐ小型ロケットの打ち上げが始まるけど、絶対見に行きたいという気持ちになった」とコメント。他の生徒も仲間の打ち上げをカウントダウンで後押しし、上空でパラシュートが開くと歓声を上げ落下するモデルロケットを追い掛けるなど打ち上げに強く興味を示していた。

 太田教諭は当初4人一組でモデルロケットを作る予定だったが同研究会の支援で2人一組にできたことを生徒に伝え、「一人でもロケットを勉強してみようかなと意義を感じてもらえたら(同研究会は)うれしい」と期待を寄せて同教室を締めくくった。

 串本西中では2年生12人を対象にし、9日(火)に実施予定。同研究会は12月4日(土)に県立潮岬青少年の家で小学生対象のロケット教室を開く予定で、藤木教諭は近々学校経由で知らせるので親子で参加してほしいと話していた。

(2021年11月5日付紙面より)

モデルロケットを打ち上げる串本中1年生=2日、串本町潮岬
2021年11月05日
18 じゃばら収穫がスタート
 例年よりやや少ない100㌧見込む  (北山村 )

 日本唯一の飛び地の村、北山村で4日から、特産品「じゃばら」の収穫が始まった。女性たちが色づいたものを枝切りばさみで丁寧に切り取り籠へと入れていった。今年の収穫量は例年に比べてやや少ない約100㌧の見込みで、作業は12月中旬まで続く予定となっている。

 じゃばらは温暖多雨な気候で寒暖差が大きい同村の自然条件が生み出したかんきつ系の果実。紀州みかんやユズの自然雑種とされており、江戸時代から村に分布したと伝えられている。名前は「邪(じゃ)を払う」からきているという説がある。サイズはテニスボールほどで、疲労回復に良いとされるビタミンAとC、風邪予防に効果があるカロテンを含むなど栄養価に優れ、皮には抗アレルギー作用があるフラボノイド成分が多く含まれている。

 じゃばらは株式会社じゃばらいず北山と村じゃばら生産協同組合に加盟している農家33戸の計8㌶ほどの畑で約5000本を栽培。生しぼりやジュース、ポン酢、ジャム、シャーベットなどさまざまな商品に使用されている。

 北山振興株式会社じゃばら農園管理責任者の宇城公揮さん(45)は「小ぶりなサイズもありますが、適度な雨にも恵まれて例年と変わらない大きさに成長させることができた。実もきれいで、品質の良いものが育ちました」と話していた。

 予約はインターネットや電話で受け付けている。問い合わせは、じゃばらいず北山(電話0120・928・933)まで。

(2021年11月5日付紙面より)

丁寧にじゃばらを収穫する地元農家=4日、北山村
2021年11月05日
19 新宮市展、にぎわう  2日にわたり「丹鶴ホール」で  
2021年11月05日
20 差別のないまちづくり目指し  町内5カ所で人権・同和啓発  (那智勝浦町 )
2021年11月05日
21 本紙エリアで7人受章  令和3年秋の叙勲  
2021年11月05日
22 種の観察に取り組む  三尾川小でクマノザクラの授業  (古座川町 )
2021年11月05日
23 新種のエビの飼育展示始める  トゲツノミナミロウソクエビ  (串本海中公園センター )
2021年11月05日
24 坂ミツさん5日に満百歳  家族や町長訪ね長寿祝う  (古座川町 )
2021年11月05日
25 楽しみながら防災意識高める かるたとすごろくに挑戦 (鵜殿小)
2021年11月05日
26 弓神事や手踊りなど奉納  町内各地区で秋の例大祭  (紀宝町 )
2021年11月05日
27 元気にリレーやダンス  新宮市立3小学校で運動会  
2021年11月03日
28 秋晴れの下、熱い声援
 第15回新翔高校体育祭  (新宮市 )

 雲一つ無い爽やかな秋晴れが広がった2日、新宮市の県立新翔高校(藤田勝範校長、生徒312人)で第15回体育祭(硲一静実行委員長)が開催された。今年のテーマは「とびだせ!新翔の森」。生徒たちは各種目で学年を超えて声援を送り合い、生き生きと青春の一ページを楽しんだ。

 新型コロナウイルス感染拡大による夏休みの延長や分散登校の影響を受け、例年よりも1カ月遅れての開催となった。

 開会式に当たり、硲実行委員長は「練習時間は限られていたが、今までの成果を発揮し、ルールを守れば、とてもいい体育祭になると思う。全力で楽しんでいきましょう」とあいさつ。藤田校長は「久しぶりの全校行事。新型コロナ対策、水分補給、けがに気を付け、頑張って」と激励した。

 聖火入場に続き、青、赤、黄、緑の4ブロックを代表して大野百虹(もこ)さん、大石翔稀君、中本嵐君、坂本拓斗君が「僕たち私たち選手一同は、体育祭という日のため、一生懸命努力し、頑張ってきました。諦めず、助け合い、体育祭を開催してくれたことに感謝し、最後までやり遂げることを誓います」と宣誓した。

 競技はクラス対抗リレー予選でスタートし、教師陣も加わって白熱したレースを繰り広げた。大縄跳びや応援コンクール、楽しすぎるリレー、フォークダンスなどもあり、学校全体で盛り上がりを見せていた。

(2021年11月3日付紙面より)

大野百虹さん、大石翔稀君、中本嵐君、坂本拓斗君が宣誓=2日、新宮市の県立新翔高校
2021年11月03日
29 聖地比較を試みる
 羽黒と熊野の共通点とは  (東大人文・熊野フォーラム )

 東京大学大学院人文社会系研究科は10月30日、オンラインで東大人文・熊野フォーラムin羽黒「羽黒と熊野 聖地比較のこころみ」を開催した。同大学大学院人文社会系研究科長の秋山聰さんや金沢美術工芸大学・東京家政学院大学客員教授の松﨑照明さん、国際熊野学会代表委員の山本殖生さん、東北大学名誉教授の佐藤弘夫さんがそれぞれ講演。さまざまな視点を通して、羽黒と熊野の比較を試みた。

 新宮市教育委員会、出羽三山神社共催。新宮市は今年3月、東京大学大学院人文社会系研究科・文学部と連携協定を締結。東京大学と共に人文学を応用しての地域振興や交流促進、地域連携活動などを図っており、同フォーラムはその一環として開催。フォーラムの様子は山形県鶴岡市羽黒町のいでは文化記念館から配信された。

 秋山さんは、自身と熊野地方との出会いや関わりなどを説明。秋山さんおよび同科がこれまで熊野地方で展開してきたフォーラムやシンポジウムなどを振り返り、同フォーラムの趣旨について「熊野に限定せず、いろいろな地域でやってみようという試み」と話した。

 松﨑さんは「熊野・大峰と羽黒の建築」と題して講話。能・狂言に登場する山伏から出羽と熊野・大峰の関わりを話し、羽黒山境内と大峰山寺境内の類似性について言及。「共通性が高く、大峰山で修験していた人たちの影響があったのでは」と述べた。

 出羽三山神社の特殊神事「松例祭」における「国分神事」は「東三十三カ国を羽黒権現の土地に、西二十四カ国を熊野権現領に、九州九カ国は英彦山権現領」とする内容であると紹介。吹越籠堂(羽黒山中)と新宮礼殿の類似点や、神仏混淆(こんこう)の時代には虚空蔵山、熊野長峰を含めた三山を熊野三所権現とした修験道場であった金峯山と羽黒山の関係についても話した。

 山本さんは「聖地熊野三山の成立と伝播―出羽三山との比較を視野に―」を演題に講話した。熊野の祭神と三山の成立について話し「牟須美(結)・速玉神は新宮で勢力を誇った豪族夫婦の祖霊神では」と述べ、熊野速玉大社の「家津御子大神坐像」は「熊野速玉大神坐像」「夫須美大神坐像」に比べて制作時期も新しく、「一遍聖絵」(1299年)では牟須美(結)・速玉神が回廊に囲まれて特別扱いされているとし「本宮が新宮の豪族の影響を受け、夫婦神を祭らざるを得なかったのでは」と持論を語った。

 出羽三山と熊野三山の類似点について「どちらも他界信仰の聖地であり温泉信仰の霊場であり、出羽三山は火山性、熊野三山は熊野カルデラに基づく自然崇拝の聖地」。

 羽黒山を開山した能除上人を八尺の霊烏が導いたといった故事と熊野の八咫烏(やたがらす)についても言及。「聖地成立の要因の究明や霊場形成の展開の解明、信仰伝播の実相探求は課題。これからも山岳霊場の調査を通して交流を推進していければ」と締めくくった。

 佐藤さんは「熊野信仰と羽黒山―聖地誕生のメカニズム―」と題し、「中世では、この世にいるのは不幸な死者であると考えられ、別世界のイメージは膨脹した。人々を浄土に導く垂迹(すいじゃく=他界の仏の化現)や、垂迹の所在地としての霊場などを求めた」と解説。垂迹のいる場所(霊場)は山などの景勝地に造られたなどと話した。

 講演後には、出羽三山神社の阿部良一権宮司、東京大学大学院人文社会系研究科教授の唐沢かおりさんも加わり、総合討議が行われた。

(2021年11月3日付紙面より)

東京大学大学院人文社会系研究科長の秋山聰さんが熊野との関わりなどについて話した=10月30日(オンライン画面より)
2021年11月03日
30 伝統文化通して手話を身近に
 「丹鶴ホール」で手話狂言  (新宮市・北山村手話狂言実行委 )

 新宮市・北山村手話狂言実行委員会(森常夫会長)は10月31日、新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」で「聞こえる人も聞こえない人も一緒に楽しめる手話狂言」を開催した。来場者らは狂言やワークショップを通し、手話や演劇について理解を深めた。

 30日に開幕した「紀の国わかやま文化祭2021」障害者交流事業の一つ。日本の伝統芸能である狂言を手話と音声双方で表現し、聞こえる人も聞こえない人も共に楽しむことができる演劇を通じ、手話や演劇について理解を深め普及を図ることを目的としている。

 開催に当たり、森会長は「障害者差別解消法が施行されたが、当地域の手話通訳者は不足していることは緊急の課題となっている。手話言語条例も圏域市町村で次々と制定されている。地域の中で手話が広がりを見せている今、手話狂言は時期を得たと思い計画した。障害のある人もない人も共に楽しんでほしい」とあいさつ。

 田岡実千年新宮市長は「障害への理解を深めるとともに、障害あるなしに関わらず地域の方の文化活動が一層広がり、活躍の場が増えることを期待している」。山口賢二北山村長は「北山村においても9月本議会で手話言語条例を制定した。今日はこの貴重な機会にぜひお楽しみいただきたい」とそれぞれあいさつした。

 演目は日本ろう者劇団による「附子(ぶす)」。和泉流狂言師三宅右近師が指導した。同劇団は1980年に「東京ろう演劇サークル」として発足。社会福祉法人トット基金理事長の黒柳徹子さんと出会い、同基金の付帯劇団となり劇団名を改称。手話狂言や創作劇など独自のレパートリーを持って全国各地で公演している。

 「附子」は、主人が太郎冠者と次郎冠者に、おけに入った附子(毒薬の名)に気を付けるよう言い聞かして外出するが、怖い物見たさに附子に近づいた2人はおけの中身が砂糖であることに気付き、食べてしまったことに対する主人への言い訳を考えるといった内容。

 太郎冠者と次郎冠者のしぐさや対話、息の合った演技に、客席からは拍手と笑いが巻き起こった。

 演目後には狂言方和泉流の三宅近成さんと、和歌山県出身で太郎冠者を演じた數見陽子(かずみ・あきこ)さんによるワークショップもあった。

 三宅さんは、会話としての手話と手話狂言で用いる手話との違いなどについて解説し「254ある狂言のうち70番が手話狂言として制作されている。両手に物を持つものや謡(うた)が主なものもあることから、手話狂言に作られていない演目もあるがどうにかしてレパートリーを増やしている」と説明。

 来場者らは三宅さんと數見さんから狂言の「カマエ」や手話狂言による「名乗り」などを学び、伝統文化と手話に親しむ機会とした。

(2021年11月3日付紙面より)

手話狂言による「附子」の一幕=10月31日、新宮市の「丹鶴ホール」(「附子」和泉流狂言師三宅右近師指導、日本ろう者劇団)
ワークショップでは狂言の「カマエ」や、手話で名乗りなどを体験
2021年11月03日
31 那智駅に掃除道具の作品
 メランカオリさんが展示  (紀の国トレイナート )

 JRきのくに線の各所を舞台にJR西日本や地域の有志、アーティストが共に立ち上げたアートプロジェクト「紀の国トレイナート」が10月31日から11月21日(日)まで開催されている。これまで本紙エリア内の作品と作成したアーティストを紹介してきた。今回はJR那智駅の駅舎内に力作「紀伊半島を巡る掃除道具とコンフェッティ・タロット」を展示しているメランカオリさんを取材した。

 学生時代から、熊野地方に興味があり度々、足を運んでいたというメランカオリさん。東京芸術大学大学院先端芸術表現専攻修了後、古文講師や地球儀加工員を務める傍ら、「土星プロレス」と称した独自の占いによる作品を展開している。

 2017年に初めてトレイナートに参加。ラストランを迎える今回は、学生当時から制作し続けている掃除道具に焦点を絞る。作品は熊野古道で拾った枝と竹ぼうき、那智の浜に打ち捨てられた端切れと雑巾などの素材を用いて作成。

 床掃除で使用する水切り用具の先端部分を加工した那智黒石で演出し、クジラのヒゲを使ったブラシなどさまざまな道具が集まり、一つの作品を形成している。

 メランカオリさんは「人や物の交流が長年続くトレイナートはすごい。節目の年に参加できて良かった。作品は最初から掃除道具の形にすると決めていた。地域にあった物や土産物などが掃除道具に生まれ変わった様や、近寄って直視した際に類似性の発見、胸を打つ瞬間を感じ取っていただけたらうれしいです」と語った。

 なお、臨時アート列車「紀の国トレイナート号」走行日は11月6日(土)。御坊―新宮間を巡る。期間中は各地で関連イベントや沿線のまちへのローカルダイブも行われる。問い合わせは同実行委員会事務局(電話080・5786・2652、0739・22・5064)まで。

(2021年11月3日付紙面より)

メランカオリさんの作品が展示=JR那智駅
2021年11月03日
32 秋を鮮やかに彩る  「御所の地」のコスモス  (那智勝浦町狗子ノ川 )
2021年11月03日
33 練習や学習の成果を披露  緑丘中で文化祭  (新宮市 )
2021年11月03日
34 和歌山東漁協に長官感謝  航行援助業務への協力で  (海上保安庁 )
2021年11月03日
35 ハロウィーン気分満喫  串本・古座川の園児ら楽しむ  
2021年11月03日
36 中高の町代表各1人選出  第4回ビブリオバトル大会  (串本町 )
2021年11月03日
37 ランウェイでポーズ決め  仮装ファッションショー  (井田保 )
2021年11月03日
38 ホットプレートでパン作り  親子5組が和気あいあいと  (紀宝町 )
2021年11月03日
39 避難道路としての役割も  町道上野3線が完成  (紀宝町鵜殿 )
2021年11月03日
40 テーブル囲み笑顔あふれる  4カ月ぶり「子ども食堂」  (紀宝町 )
2021年11月03日
41 お悔やみ情報
  
2021年11月02日
42 感謝と情熱持って取り組んで
 田岡市政、4期目スタート  (新宮市 )

 任期満了に伴う新宮市長選で当選した田岡実千年市長の4期目が1日、スタート。同日、初登庁し花束贈呈で迎えられた。田岡市長は「田岡実千年、帰ってまいりました」と第一声。「市民の幸せのために、共に頑張っていきましょう」と職員らに呼び掛けた。

 市長選は10月24日に執行。3人が立候補した選挙戦は激戦となったが、現職の田岡市長が6984票を獲得。連続4期目の再選を果たした。

 市役所別館で行われた訓示で田岡市長は「今回の選挙は体力的にも厳しい選挙だった」と振り返りつつ「一人でも多くの人に思いを伝えるために頑張った。今は皆さんと一緒に仕事できる喜びを感じている」。

 公約に掲げた▽いつでも利用できるエコ広場の常設▽小・中学校の給食費無料化▽高齢者・障害者を災害から守る防災無線戸別受信機配布―について「市民生活に密着したソフト対策を、新年度早々取り組めるよう準備していただきたい」と呼び掛けた。

 複雑・多様化している行政サービスの対応に対して職員をねぎらい「今、与えられている仕事に一生懸命取り組んで。感謝と情熱を持って仕事に当たることが人の幸せに必ずつながる。いろいろな人の尽力により日々の生活ができていることに感謝し、受けるばかりではなく返していくことが生きる上での真理だと思う」と訓示。

 「市民のために頑張る覚悟を持って取り組むことが他人を幸せにする。好循環が増えることがいい社会をつくることにつながり『市民の誰もが元気で心豊かに暮らせるまちづくり』の実現に必ずつながると信じている。自分も市長としての職責を果たし、頑張っていきたい」と締めくくった。

(2021年11月2日付紙面より)

花束贈呈で職員らに迎えられた=1日、新宮市役所前
2021年11月02日
43 明かりをともし決意新たに
 なぎ看護学校で宣誓式  (新宮市 )

 新宮市の県立なぎ看護学校(杉山文栄校長)で10月29日、看護宣誓式が開かれた。今年4月に入学した1年生39人がろうそくに明かりをともし、仲間と共に志高く地域社会に貢献できる看護師になると誓いを立てた。

 専門的な知識や技術を学ぶ学生が、目指すべき看護師像を宣誓することにより、看護の道を歩む決意を新たにするために開催。ろうそくの明かりは、クリミア戦争の野戦病院でフローレンス・ナイチンゲールがランプを持って患者を見回っていたことに由来し、献身的な看護の精神を象徴している。

 点火の儀では、厳粛な雰囲気の中、学生一人一人がナイチンゲール像から明かりを受け取り、「日々努力を惜しまず、患者さんに寄り添える優しい看護師」とそれぞれの目標を宣誓。心を一つにナイチンゲール誓詞を唱和した。

 杉山校長は「宣誓をするみなさんの表情がたくましく見え、大変うれしく思う。患者さんを献身的に看護するとともに、常に学ぶことを忘れず、科学的に物事を捉え、それを看護に生かして」と祝辞。仁坂吉伸知事からも励ましの言葉が寄せられた。

 在校生を代表して山本森香さん(3年)が「患者さんの人生のひとときを共に過ごさせていただくことで、私たちは学びを深めることができる。感謝を忘れず、実習に向かってほしい。迷い、くじけそうになったときは、今日共に宣誓した仲間と助け合い、乗り越えて」と祝いの言葉を贈っていた。

(2021年11月2日付紙面より)

ナイチンゲール像から明かりを受け取る=10月29日、新宮市の県立なぎ看護学校
2021年11月02日
44 源泉の一番湯を奉納
 規模縮小し那智大社で献湯祭  (南紀勝浦温泉旅館組合 )

 南紀勝浦温泉旅館組合(清水貞吾組合長、組合員10館)は10月30日、那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)で「献湯祭(けんとうさい)」を営んだ。組合員らが参列し、朝一番に源泉からくみ上げた温泉水を神前に奉納した。

 昨年に引き続き、今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から宿泊客の参列参加や餅投げも行わず規模を縮小して実施した。

 神事では各旅館の代表者らが15個のたるに入れた源泉の一番湯を順に神職に手渡し供えた。

 清水組合長が組合員を代表して玉串を奉てん。一同は自然の恵みに感謝し、業界の繁栄とコロナ終息を祈願した。

 神事後、井戸大輔禰宜(ねぎ)は「献湯祭では皆さまの隆昌(りゅうしょう)と、那智勝浦町が観光の町として広く天下にとどろくように、また、コロナ終息も祈願いたしました」と話した。

 清水組合長は「これまで、お客さまや従業員の安心安全のためにコロナ対策を進めてきた。緊急事態宣言の解除もあって、多くの小中学校や高校が修学旅行で町を訪れ、和歌山県のリフレッシュプランなど、観光面でも少しずつ盛り上がってきている」。

 今後については「年明けにはGo Toトラベルの再開も検討されているため、勝浦温泉と生マグロを全国的に広めて町の発展に努めたい」と語った。

 同組合によると、組合員10館の収容力は840室で、3400人だという。

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■青岸渡寺では追善法要



 献湯祭を終えた一同は那智山青岸渡寺(髙木亮英住職)に向かい、物故者追善法要を営んだ。

 法要は南紀勝浦温泉の礎を築き上げ故人となった経営者や従業員などの功績に感謝し、冥福を祈るもので髙木住職らが読経を行った。

 清水組合長が「44回目の法要として、礎を築かれた皆さまに感謝するとともに、組合員一同、創意工夫をもって業績の向上に励み、観光産業の発展に努力します」と追悼の言葉を述べた。

 髙木住職は「コロナの影響などで厳しい状況にあるが、ご精進、ご努力いただくことを切にお願いし、これかも勝浦温泉の発展にご尽力いただければありがたいと思います」と語った。

(2021年11月2日付紙面より)

一番湯を奉納するため本殿に向かう南紀勝浦温泉旅館組合の組合員=10月30日、那智勝浦町の熊野那智大社
追善法要で故人の冥福を祈った=同日、那智勝浦町の那智山青岸渡寺
2021年11月02日
45 毛利衛さん交え機運高める
 文化セで宇宙飛行士講演会  (串本町 )

 串本町文化センターで10月31日に宇宙飛行士講演会「人と社会の夢をのせて」があり、事前申し込みした250人(主催者発表)が日本人初の宇宙飛行士・毛利衛さんらと共に小型ロケット「カイロス」と積載する人工衛星が活躍する舞台へのイメージを膨らませるなどした。

 この講演会は、「第36回国民文化祭 第21回全国障害者芸術・文化祭串本町実行委員会」(会長=田嶋勝正町長)主催。日本初民間ロケット射場開始プレイベントと位置付け、打ち上げによる新たな文化発信の足掛かりとして計画した。今回は新型コロナウイルス感染症予防のため町外も迎えての実施とはならなかったが、定員いっぱいの事前申し込みを集めて実施へこぎ着けた。

 開会に当たり田嶋会長は5年前の申し出から始まった同射場進出の経緯を振り返り、特に用地にかかる二百数十人の地権者全員の協力があってこそ今があると感謝を掲げつつ来場を歓迎した。

 当日は講演会、スペースポート紀伊の紹介、ミニパネルディスカッション、並行して宇宙航空研究開発機構(JAXA)借用模型等展示があり、来場者には『宇宙兄弟』コラボレーショングッズの最新版としてクリアファイル・ポストカード・シールと町独自グッズとして「最南端のまちからロケット最先端のまちへ」タオルとスペースタウン串本ロゴのピンバッジ〈非売品〉が配られた。

 講演会の講師を務めた毛利さんは1992年に科学者宇宙飛行士、2000年に航空宇宙局(NASA)宇宙飛行士として米国のスペースシャトルに搭乗し実験や観測などのミッションに臨んだ人材で、今回は「宇宙からの贈り物」を演題に掲げて登壇。毛利さんが赴いたその宇宙空間へ人工衛星を送り届けるのが田原で建設中のスペースポート紀伊から打ち上がる小型ロケット「カイロス」で、南紀串本観光協会所属の宇宙ガイドを代表して坂本直弥さんがスペースポート紀伊や小型ロケットの現況、町内の見学環境や「ビジターセンター」(=旧古座分庁舎リニューアル後の環境)の動向を伝えた。

 ミニパネルディスカッションは田嶋会長と毛利さん、坂本さん、一連の話を手話通訳した串本ふるさと大使の南瑠霞さんの4人が登壇。それぞれに打ち上げへの思いを掲げ、毛利さんは「いろんな歴史プラス新しい教育で勉強いただき、世界にいろんなものを発信してほしい」と地域に期待し、田嶋会長は「来年、この串本から打ち上がるロケットの光は串本だけでなく紀南、和歌山県を照らし輝かせると思う。皆さん方と共に力を合わせてこのロケットが成功するよう頑張りたい」と呼び掛けて機運を高めた。

 当日は県立串本古座高校CGS部が先着100人限定で来場者へ「カイロス」缶バッジの最新版を進呈。地域からの機運盛り上げの息吹も宿しつつ、小型ロケットや積載する人工衛星の旅路となる地上~宇宙空間の全体像に思いを巡らせる機会として締めくくる形となった。

(2021年11月2日付紙面より)

「宇宙からの贈り物」と題して登壇した毛利衛さん=10月31日、串本町文化センター
ミニパネルディスカッションで打ち上げへの思いを寄せる登壇4人
2021年11月02日
46 酪農に親しみを持って  井田小へ鉛筆など贈る  (御浜ファーム )
2021年11月02日
47 クラス対抗で競技に臨む  紀南高校で体育祭  
2021年11月02日
48 花々で神内を癒やしの里に  生き活き協のグループが作業  (紀宝町 )
2021年11月02日
49 「最高の笑顔を届けよう」  成川小・保が運動会  (紀宝町 )
2021年11月02日
50 新宮、初戦突破ならず  高校ラグビー和歌山県大会  
2021年11月02日
51 新翔、近大新宮ともに敗退  全国高校サッカー和歌山大会  
2021年11月02日
52 晴天の下、元気に全力で  市内3小学校で運動会  (新宮市 )
2021年11月02日
53 奈須麻実さんが特選  緑化・育樹運動ポスター原画コン  (三尾川小学校 )
2021年11月02日
54 打越凌さんの作品が特選  愛鳥週間原画コン県代表に  (古座中学校 )
2021年11月02日
55 お悔やみ情報