県警ヘリと住民ら情報伝達訓練 (那智勝浦町 )
県警ヘリコプターと連携し、水害などで孤立した集落から被害情報を得る訓練が28日、那智勝浦町の小匠地区であった。地域住民と新宮警察署の署員、町役場職員らが無線通信を使って連携し、被害情報を共有する訓練に取り組んだ。
県警は大規模災害が発生した時の情報収集のため、「発災時被害情報提供者」制度を昨年9月から運営している。警察署や交番などから遠く、情報収集が困難な地域の住民を県内で200人選んでいる。新宮署管内では11人が選ばれている。地区の事情をよく知る区長らに依頼しており、小匠区では亀谷潔区長(68)が担当している。
訓練は同日午後1時30分、大雨の影響で小匠地区に通じる道路が冠水し、山崩れなどにより寸断された―を想定。亀谷区長が新宮署に、住民らが区民会館に避難し、複数家屋が浸水、道路が寸断されている状況を携帯電話を使って知らせた。新宮署は警察無線で白浜町の警察航空隊へ県警ヘリ「きのくに」の出動を要請した。小匠地区に飛来したヘリが上空から周囲の状況を確認。亀谷区長が県警ヘリへ防災総合通信用周波数を使って無線で交信。ヘリから新宮署、役場に情報を伝え、被害情報を共有した。
亀谷区長は「高齢者が多い地域。孤立した場合、災害弱者をどう救うかが課題になる。役場とも相談しながら対策を進めたい」と話した。
この日は住民26人が集まり、訓練を実施した同署の磯博文警備課長から講話を聞いた。磯警備課長は大雨・洪水時の早期の避難、大地震の際の避難行動の原則などを説明。地域駐在所の警察官も参加し、特殊詐欺防止などについても話した。
磯警備課長は「多くの住民に集まっていただいた。訓練を通じて防災意識を高めてもらえたと思う。今後も各地で訓練を続けたい」と話していた。
(2017年11月30日付紙面より)
ゆかし潟に渡り鳥など野鳥集う (那智勝浦町 )
那智勝浦町湯川の「喫茶&軽食きよもん」では日に2回、隣接の汽水湖・ゆかし潟に住むカモに餌を与えているが、11月に入ってその群れに遠来の渡り鳥の姿も見られるようになった。
給餌時間は午前10時30分と午後4時ごろの2回。25日午前にはいつものマガモのほかにヒドリガモが顔を見せた。ゆかし潟では、日によってカイツブリ、ホシハジロ、カワセミ、アオサギその他幾種類もの野鳥が姿を見せる。なかにはオオバンのように餌をもらう群れに加わる鳥もあるそうだ。
餌を食べる様子は、きよもん脇を流れる湯川川沿いの駐車場からも観察できる。この汽水湖は熊野古道大辺路を通って一周でき、文豪佐藤春夫や俳人高浜虚子の碑もある。小鳥のさえずりも聞こえ、野鳥観察会にも利用される。高齢者も気軽に歩ける快適な散策コースだ。
(2017年11月30日付紙面より)
冬場の砂飛散対策で設置 (串本町観光協会 )
串本町観光協会(島野利之会長)は28日、同町くじ野川にある橋杭海水浴場に防砂ネットを設置した。3月から始まった春~秋3シーズン活用は10月末に終了。来年4月に次のシーズンを迎える予定で、設置期間はそれまでの間としている。
環境省「快水浴場百選」の一つに数えられる橋杭海水浴場は、砂浜のきめ細やかさが大きな特色。シルクのような触れ心地が喜ばれる反面、冬に強く吹き抜ける風で舞い上がりやすいという難点もある。このネットは飛散による目減りを抑え、近隣住家への影響を緩和する対策として例年、ビーチハウス前の遊泳エリアを中心にして設置している。
この日は島野会長ら同会の役職員や会員関係者と役場産業課の課員、計11人が参加。新たに購入した幅1㍍のナイロン製ネットを長さ12・5㍍に切り分けて支柱3本を通し、波打ち際に対して直角になる角度で約6㍍置きに計19枚張った。
新しいネットは従来同様、スキー場などで境界線として用いられている耐風仕様の製品を採用。破損を避けるためある程度風を通す構造だが、抑えた風の分だけ舞い上がる砂も食い止められる。そのような理屈で、飛散を抑える効果を目指す。
同浴場の3シーズン活用はビーチハウス・ラパンを拠点にしてマリンアクティビティをレンタル提供する形で支えていて、7~8月は海水浴との相乗で利用の最盛期を迎える。町内のアウトドア拠点として定着させるのが同協会の目下の狙い。
その最初のシーズンが終了し、島野会長は「串本町の観光は、体験型のメニューをいかに充実させるかが大事だと思う。来春には大江戸温泉物語もオープンし、さらに多くの皆さんが串本へ訪れる。そのニーズに応えるメニューを、これからもさらに知恵を絞り出して作っていかないといけない。初の3シーズン活用を経て内外共にそのような雰囲気が盛り上がってきているのを実感している。シーズン拡大によりこの場所の認知が広がる中で、アウトドア拠点の一つとして機能していくよう、これからも頑張りたい」と思うところを語った。
(2017年11月30日付紙面より)
蓬莱地区ふれあい交流会 (新宮市 )
新宮市の蓬莱地区福祉委員会(大江加予子委員長)は28日、同市の蓬莱体育館でふれあい交流会を開催した。地域住民ら約80人が園児の出し物や落語、フラや三味線のステージを楽しんだ。
地域の見守りや引きこもりの防止、日ごろなかなか会うことのない人たちとの交流を目的に昨年から開いている。今年は10月の台風被害もあったことから、少しでも元気になってもらいたいという思いも込められている。
大江委員長は「去年に引き続き、ご来場いただきありがとうございます。39人の福祉委員で頑張っています。よろしくお願いします」とあいさつした。
蓬莱保育園児がそろいの衣装でダンスを披露し、全員で新宮市歌を斉唱。熊野亭雲助さんは落語『手水廻し』を披露した。カウイ・オナラニによるフラや日本民謡くろしお会の演奏など多彩な舞台に大きな拍手が送られた。
(2017年11月30日付紙面より)
もみじ会が11月月例杯
那智勝浦ゴルフ倶楽部11月度月例杯
市民のつどい・ふれ愛講座 (新宮市 )
新宮市人権尊重委員会など主催の「市民のつどい2017・ふれ愛講座」が3日、同市徐福の蓬莱体育館であった。約450人が来場し、三味線に関する講演を聴き、演奏を鑑賞した。
津軽三味線ユニット「来世楽(らせら)」の京極あつこさんと京極ゆかさんが「感謝の心で奏でる津軽の響き」をテーマに唄と演奏を披露。京極流師範の2人は、古典、オリジナル曲などを奏で、会場を盛り上げた。
靴づくりの歴史と技を伝えている「あとりえ西濱」の代表で元大阪人権博物館学芸員の太田恭治さんは「日本の三味線は被差別民からはじまる」をテーマに講演。三味線演奏者が人間国宝になる一方、生産者は差別を受けていると指摘した。
三味線は沖縄から1500年代に大阪・堺に伝来。もともとは家を追われた盲人たちがマッサージ業とともになりわいにしていた楽器で、各家を回って演奏し、米をもらっていた。
沖縄ではヘビの皮を中国から輸入し生産していたが、堺に入ってからはタンパク源として隠れて食べられていた犬や猫の皮で作るようになった。その後、保健所で処分した犬や猫の皮を使っていたが、動物愛護団体などの訴えから、現在は輸入がほとんどになっている。
(2017年11月5日付紙面より)
ロボット選手権東牟婁予選 (新宮市 )
新宮市佐野の県立新翔高校で3日、「全日本小中学生ロボット選手権」東牟婁ブロック予選会があった。小学生の部6人、中学生の部2人が参加し、自作のロボットで勝敗を競った。上位入賞者は12月17日(日)御坊市立体育館での開催を予定している「きのくにロボットフェスティバル2017 全日本小中学生ロボット選手権」に出場する。
子どもたちがものづくりの楽しさを実感し、将来の国や県の製造業を支える人材として活躍することを期待して開催している。参加者は8月の講習会でロボットを製作。改造を施して大会に備えていた。
小学生の部は6足歩行ロボットを操作し、コート内の長さが異なる5本のロープをゴールエリアに入れる競技。中学生の部はコート内の3カ所のポールに輪を投げ込み、全てのポールに輪を入れると勝ちという内容で、それぞれ熱戦を繰り広げた。
小学生の部で優勝した福澤翔君(10)は「ロボットの足に滑り止めを付け、前に行かないように重りを付けました。最初は大変だろうとやる気が出なかったけれど、お母さんに『やってみないと分からないよ』と言われて出場したら楽しかった。まさか優勝すると思っていなかった。本戦では人の前で戦うのがどきどきする。一生懸命、気楽にやれれば」。
準優勝の在仲亮太君(11)は「ロボットはちょっと落ちても戻れるように、縦の長さを長くするなど工夫しました。ここまでこられると思っていなくて、今すごくうれしい。本戦へ出場できると思っていなかった。いろんな所から来るロボットが見られるのは楽しみ」。
中学生の部で優勝した江﨑亮介君(14)は「輪にたわみがあるので、輪の入るレールのサイズを、輪を打ったときにぶれないようにするのが難しかった。去年から参加しており、今年はやり込んでいる仲間というか、ライバルがいたから楽しかった。今はただただうれしい。本戦に向け、たまに飛びが悪い物があるので改良し操作ミスがないようしっかり練習したい」と語った。
県教育庁学校教育局県立学校教育課高校教育指導班の西垣内郁久・指導主事は「3カ月の間に工夫していろいろと試行錯誤しながら取り組んでくれた。勝ち負けも大事だが、探求心を持ち、自分や他のロボットの優れている点を見るなどしてもらえれば」と話していた。
(2017年11月5日付紙面より)
那智勝浦町区長連合会が要望書
近畿自動車道「串本―太地間」の早期事業化を求め、那智勝浦町の区長連合会(大江清一会長、55区)は10月27日、国土交通省近畿地方整備局=大阪市中央区大手前=を訪れ、橋本雅道道路部長に要望書を手渡した。
連合会の大江会長、坂井與己副会長、楠本實副会長をはじめ、町役場から植地篤延副町長が訪問し、紀南河川国道事務所の水野浩次所長が同席した。
大江会長は大規模災害に備えた高速道整備、都市圏との格差が生じている地方の現状打開のためにも整備に必要な予算の大幅な増額を強く要望した。
平成27年の「紀の国わかやま国体」を契機に川関―市屋間、田辺―すさみ間が完成し、外国人を中心とした観光客が増加したこと、同28年にオープンした「太田の郷」の利用者も順調に増加していること、那智湾での花火大会の観客数は開通前と比べ毎年約15%増加していることから、高速道路の効果がいかに大きいかを説明した。
訪問した連合会の会員によると、橋本部長はすさみ―串本間の新規事業化に理解を示し、事業化の折は地元の用地協力を希望していたという。
(2017年11月5日付紙面より)
全国高校サッカー選手権和歌山大会 (5日、和歌山北と対戦 )
公益社団法人日本食品衛生協会は10月31日、台風21号の豪雨で大きな被害を受けた新宮市にマスク、使い捨て手袋などの救援物資を届けた。受け取った市社会福祉協議会の向井一雄会長は「大変ありがたい。心からお礼を申し上げたい」と感謝した。
同協会下部団体、和歌山県食品衛生協会新宮支部の中畑光史支部長と里中陽互副支部長が市福祉センターを訪れ、物資を直接手渡した。中畑支部長は「新宮市内は大変な状況になっていますので、少しでもお役に立てれば」と述べた。
物資の内容は▽使い捨て手袋(200枚入り、2箱)▽マスク(50枚入り、4箱)▽手洗い石けん(250㍉㍑入り、12本)▽アルコール消毒液(1㍑入り、12本)。
物資は市福祉センターに設置している災害ボランティアセンターなどを通じて被災者たちに渡す予定。
向井会長は「被災者には一人暮らしの高齢者も多く、浸水した家屋では衛生面でも心配があります。地域のために率先して働くことは社会福祉協議会の使命です」と話していた。
(2017年11月2日付紙面より)
「世界津波の日」前に各地で訓練 (和歌山県 )
「世界津波の日」(5日)を前に、1日、県内全域で地震・津波避難訓練が実施された。国や県、市町村、教育機関、自治会などが取り組み、適切な避難行動の定着を図った。
「世界津波の日」は2015年12月に国連総会で制定された。和歌山県の偉人、濱口梧陵が安政南海地震の際に稲むらに火をつけることで津波から多くの命を救い、その後私財を投じて堤防を築堤したことで村を復旧、復興に導いた故事にちなんでいる。
新宮市立神倉小学校(山本眞也校長、児童541人)では午前10時に地震の発生を知らせる放送が流れた。児童らは机の下に素早く身を隠すなどして安全を確保。その後防災頭巾を着用して3階まで避難した。
山本校長は「地震が起きたときには揺れが収まるまで身の安全を確保し、収まれば少しでも高いところへ逃げ切ることが大切」と述べ、「津波てんでんこ」の意味や「釜石の奇跡」を紹介。「自分の命は自分で守るということを心にとどめておいて」と呼び掛けた。
「世界津波の日」の趣旨を伝え、津波防災の意識を高めるなどを目的に、10月下旬から11月中旬にかけて訓練や研修会、講演会などが各地で行われている。
(2017年11月2日付紙面より)
熊野那智大社でえと色紙
那智勝浦町那智山の熊野那智大社(男成洋三宮司)で来年のえと「戊戌(つちのえいぬ)」の色紙作りがピークを迎えた。男成宮司が直筆で1枚ずつ、色紙に「穏和(おんわ)」の文字を書き入れている。今月中旬までに1400枚を完成させる予定。
色紙は7月に原画を仕上げた。紀州犬の親子とキイジョウロウホトトギスが描かれ、「穏和」の文字が書き添えられている。「穏和」の言葉には激しく変動する世の中にあって、静かで落ち着いた世界であってほしいという願いが込められている。文字は全て手書きで、10月中旬から書き始めた。
この日は、男成宮司が文字をしたためた色紙にみこ2人が社印を押し、「たとう紙」に封入した。
男成宮司は「和歌山ということから、忍耐強く、穏やかで忠誠心が強い紀州犬を描きました。来年は平成30年と節目を迎える。人も社会も穏やかで落ち着いた年になれば」と色紙に込めた願いを語った。
発送は今月15日(水)予定。色紙1枚2000円、送料は2枚以下600円、3枚以上は1200円。申し込みは、はがき、またはFAXで受け付けている。〒649―5301 那智勝浦町那智山1 熊野那智大社(FAX0735・55・0643)。
(2017年11月2日付紙面より)
第13回串本町小学校陸上記録会が10月31日に総合運動公園であり、9校の5、6年生が一堂に集まって記録計測に臨み共に挑戦する同世代との親交を深めるなどした。
同町教育研究会(山本隆介会長)が主催する秋恒例の体育行事。本年度は6年生98人と5年生83人を参加対象にして開会し、大会長の山本会長は力を出し切り友達づくりも意識して挑戦する、来賓の潮﨑伸彦教育長は高い目標を持ち友達を応援する姿勢をそれぞれ呼び掛けて全力の挑戦を促した。
実施種目は▽100㍍走▽走り幅跳び▽走り高跳び▽ソフトボール投げ▽800㍍走―の五つで、100㍍走は全員参加。風はやや冷ためだが雲一つない晴天に恵まれ、児童個々の全力の挑戦が仲間の声援や保護者らの観戦を集めた。計測は午後まで続き、今回は10人が大会新記録を出したことが閉会時に発表され、皆で健闘をたたえた。同研究会小学校体育部会の堀口德正部長が閉会のあいさつを述べて締めくくった。
(2017年11月2日付紙面より)
全国高校サッカー選手権和歌山大会 (新宮の相手は和歌山南陵に決まる )
全国高校ラグビー和歌山大会