北山小でバリアフリー体験教室
国土交通省近畿運輸局と勝浦海事事務所は28日、北山村立北山小学校(山本佳人校長)でバリアフリー体験教室を開いた。同校の児童21人が車いすの扱いや乗車体験、視覚障害者の疑似体験を通してバリアフリーに対する学びを深めた。
高齢者や障害者などの困難を体験することで、相手に対する思いやりの心を育み、「心のバリアフリー」の普及啓発を行うことを目的としている。
児童は村社会福祉協議会や熊野御坊南海バスの辻本一成所長から車いすの扱いやノンステップバスについての説明を受け、車いすに座ってバスへの乗り入れを体験した。
視覚障害体験ではアイマスクなどを使用した。同局の職員が点字ブロックや優先席、多目的トイレなどを紹介し、「バリアフリーとは車いすや足の悪い人たちにとって、邪魔なものがなくなること。設備だけでなく気を付けてあげたり、考えてあげることを『心のバリアフリー』と言います」と説明。「体の不自由な人などに出会ったときは『お手伝いしましょうか』と声を掛けてあげてくださいね」と呼び掛けた。
下平詩萌(しほ)さん(5年)は「目や体が不自由な人に対して、自然に優しい気遣いをできるようになることが大切と分かりました。体験であっても、目などの自由を奪われた状態は不安だった。これからは声を掛け、協力していきたいと思いました」。
山本校長は「子どもたちの興味を持って取り組んでいる姿が見られました。日頃は学ぶ機会が少ない貴重な経験。授業を通じて『心のバリアフリー』を大切にし、困っている人がいれば優しさを持って声を掛けられるようになってもらえれば」と話していた。
(2020年1月30日付紙面より)
食推協と高池小5、6年生 (古座川町 )
古座川町食生活改善推進協議会(羽山敬子会長)が28日、中央公民館で高池小学校(大畑眞校長)を対象にした食育推進事業(食育学習)に取り組んだ。
この事業は、町立の3小学校を回る形で年1回実施。本年度は高池小の巡りに当たり、この日は児童を代表して5、6年生計22人が受講した。
同協議会の羽山会長(72)ら会員4人と同協議会事務局・役場健康福祉課の栄養士と保健師各1人が講師を務め、今回の目当てとして▽郷土料理を知る▽食事のバランスを考える▽みんなで作って楽しく味わう―の3点を掲げつつ調理実習、試食、食育学習に取り組むことを説明して活動を始めた。
同事業の趣旨を達成するために準備した調理実習のメニューは▽郷土食「うずみ汁」と「めはりすし」▽唐揚げ▽もやしとホウレンソウの和え物▽フルーツきんとん―の5品。児童は3班に分かれ、講師が2人ずつついて手際よく調理を進めた。
各班一通りメニューを仕上げたら冷めないうちに試食し後片付け。残った時間で栄養の話を聞き、食育カルタに挑戦するなどして食事をおろそかに考えないことの大切さを学ぶなどした。
汁物にご飯をのせて沈めるところから名前がついたうずみ汁。今回は発祥地の平井地内で浸透しているコンブとシイタケの合わせだしをとって風味を確かめた。唐揚げは、もし郷土食が児童の口に合わなかった時でも満足してもらえるよう、大半の子どもが好きなメニューとして取り入れたという。
どうやれば児童が食に関心を持ってくれるかと考え工夫を重ねた同事業。平井在住の羽山会長は「最近の食事は化学調味料も使うので今の子どもたちには少し味が物足りないかもしれないが、まずは昔ながらの素材のおいしさを知ってもらえれば」と願いながら、学校などで教わった調理で興味津々でがんばる児童の後押しに努めていた。
(2020年1月30日付紙面より)
南大居保で「お正月遊びの会」 (那智勝浦町 )
那智勝浦町立南大居保育所(永野陽美所長、園児15人)で28日、「お正月遊びの会」があった。地域の高齢者21人が訪れ、園児らと一緒に歌やダンス、福笑いなどをして楽しいひとときを過ごした。
地域交流の一環と、正月にちなんだ昔の遊びや季節感を感じてもらおうと毎年開いている恒例行事。
入場した園児は全員で「ようこそ」「北風小僧のかんたろう」などを歌った後、クラス別にダンスを披露した。職員がけん玉に挑戦すると、子どもたちから「先生、頑張れ!」の声が上がり、成功すると会場から大きな拍手が送られた。
「正月あそび」では、各部屋でこま回しやお手玉、福笑いなどを楽しみにぎわった。音楽に合わせて手遊びをする触れ合い遊びもあり、園児と地域住民は笑顔で仲良く交流を深めた。最後に園児は「今日は来てくれてありがとうございました」とあいさつし、メッセージを書いた手作りのしおりをプレゼントした。
訪れた60代女性は「孫がこの保育所に通っています。みんなかわいくて元気をもらいました。今後も機会があれば、一緒に遊んで楽しみたいです」。
永野所長は「毎年たくさんの地域の方々に来てもらいありがたい。子どもたちが笑顔で楽しんでいる姿を見て自分たちもうれしく思います。今後も地域のつながりを大切に、この機会を継続していければ」と話していた。
(2020年1月30日付紙面より)
情報モラル・セキュリティコンク標語部門
新宮市の近畿大学附属新宮高校(池上博基校長)2年の東侑大朗(ゆうたろう)君(17)の作品「戻らない その投稿も 友情も」が独立行政法人情報処理推進機構主催の「第15回IPAひろげよう情報モラル・セキュリティコンクール2019」標語部門で優秀賞を受賞した。
同コンクールはポスター、標語、4コマ漫画など各部門の応募作品制作を通して小、中、高、高専生がインターネットや通信機器の使い方を振り返りながら、情報モラルやセキュリティーについて考える機会となるよう毎年開催している。今回の標語部門には4万7226点の応募があった。
同校で開かれた授賞式では、県警察本部生活安全部サイバー犯罪対策課の峪(さこ)利文警部が東君に賞状を手渡した。
東君は「自分が選ばれるとは思っていなかったので、受賞を聞いた時はうれしさと同時に驚きました。情報の授業で考える機会があり、友達の体験やニュースなどで耳にしたSNSの問題を思いながら作りました。インターネットに投稿するときには、みんなが誰も傷つくことのないよう配慮し、少しでもネットトラブルが減ってもらえれば」と話していた。
(2020年1月30日付紙面より)