ガンボーニ教授が特別講演 (環境問題研究会 )
環境問題研究会(植松晴孝会長)は28日、新宮市春日の市人権教育センターで6月特別例会を開いた。西洋近現代美術研究の第一人者として国際的に著名な美術史家であるジュネーブ大学のダリオ・ガンボーニ教授が「石と木、イメージと実在」をテーマに講演。約80人が聴講した。
講演を前に、東京大学大学院の秋山聰教授がガンボーニ教授の経歴などを解説。講演のテーマであるアニコニズム(非図像主義=神や聖なる人物を絵画や彫刻で表すことを避ける行為)について説明した。アニコニズムにおいても許容される聖なるものとして、那智の滝などの自然物や、痕跡としての記号、偶然によって人や動物の形に見えるチャンス・イメージなどを示し、「アイコニズムとアニコニズムは対立すると思われがちだが、その境界は曖昧で濃度の違いではないか」と見解を述べた。
ガンボーニ教授は、石や木などといったものからどのように神聖さが浮かび上がってくるのかを、アニコニズムとの関連について注目してきたと述べた。1864年にドイツの考古学者が、ギリシャ芸術の初期の頃の形態と見なし語るためにアニコニック、アニコニズムという語を提示したと説明。考古学者は、古代ギリシャ人は人をかたどった像を制作する以前から、木や石、柱、やりなどをパワーのシンボルとして用いたと信じていたと話した。
神聖な場所は世界中に存在しており、その神聖さを主張してきたと述べた。伊勢の夫婦岩は、日本の原始のカップルであるイザナギノミコトとイザナミノミコトを体現しており、それ自身が作り上げた光景だと推測することができるとした。
国宝建築の大家で東京家政学院大学・金沢美術工芸大学客員教授の松﨑照明さんは、熊野地方と奥州出羽三山との地図を比較し「熊野三山、特に新宮市は特別な地形。場所の神聖さとは要するに特別な地形ということ」。信仰する人が見つけた地であるのではと推測し、「こんなに素晴らしい、貴重な所だということを自覚してほしい」と話した。
講演を聴講した速水盛康教育長は「本来持っている大地の力、そんなものが熊野にあると感じた。この歴史と文化の地新宮市を発信していく上で大きな力と発想を創造していくヒントを頂いた」と話していた。
(2019年6月30日付紙面より)
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那智の扇祭り関係者らが協議会 (熊野那智大社 )
那智勝浦町那智山の熊野那智大社(男成洋三宮司)社務所で28日、7月14日に営まれる例大祭「那智の扇祭り(火祭)」に向け、「令和元年例大祭斎行に関する協議会」が開かれた。
扇祭りを安全、円滑に執り行うため、毎年開かれている。協議会には、保存会役員、観光協会、新宮警察署、交通指導員協議会、消防本部、消防団、奉仕者らが出席。祭典や参拝者受付、警備、救護などについて確認した後、昨年の反省点を踏まえて熱中症対策や駐車場の確保、交通整理、増加する外国人観光客への対応について協議した。
祭り当日は那智山の駐車場が満杯になる午前10時30分から午後3時ごろまで一般車両の通行が規制されるため自家用車での参拝は注意が必要。臨時駐車場の大門坂駐車場と市野々小学校のグラウンドから、熊野交通がシャトルバスを運行する。
今年は斎行日が3連休の中日に当たり、テレビ番組の影響で参拝者が増えていることなどから、例年よりも混雑が予想されるとの意見もあった。
男成宮司は「今回は令和の時代が始まって初めての例大祭。御代替わりに奉祝の気持ちを込めて祭りを執り行いたい。皆さんの心を寄せ合い、熊野の神々にご嘉納いただき、参拝者の方々に称賛してもらえる祭りにしたい」と関係者らに協力を呼び掛けた。
扇指奉仕者は、南紀くろしお商工会、南紀勝浦温泉旅館組合、紀州勝浦漁業協同組合、熊野交通株式会社、那智ねぼけ堂、熊野第一交通株式会社、みくまの農業協同組合、宇久井漁業協同組合の8団体。組頭は、松本太一さんを代表に、地庵晋司さん、片山徹さんの3人が務める。
(2019年6月30日付紙面より)
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校舎内で車いすを操作 (相野谷中 )
紀宝町立相野谷中学校(西村茂也校長)で27日、福祉体験学習があり、全校生徒15人が車いす体験を通して福祉の大切さを学んだ。
総合学習の一環として毎年実施。おととしは高齢者の擬似体験、昨年は手話に取り組んだ。今年は町社会福祉協議会総務・地域福祉係の職員3人が訪問し、はじめに障害者駐車場スペースや車いすについて説明した。
生徒は2人一組になり、車いすを操作した。校内の段差に沿って慎重に持ち上げたり、キャスターをゆっくり下げるなど、さまざまな課題に挑戦した。
体験後は3グループで活動。模造紙に「車いすの人とコミュニケーションをとる」「介助者を信用する」「素早く動かれると怖かった」など気付いたことを書いた。
全員の感想がそろった後、各グループで解決策を考えた。「落ちないためにシートベルトを使う」「声掛けをする」「階段をスロープにする」などの意見をまとめ、タイトルを付けてグループごとに発表した。
同校には体育館と校舎を結ぶ階段にスロープが設置されている。以前、文化祭で行き来に苦労している高齢者を見た生徒が提案して実現した。
継続して福祉に取り組むことで生徒の自覚が生まれ、崎上野和音君(3年)は「車いすを体験して介助する側、してもらう側の気持ちや大変さが分かった」と話していた。
(2019年6月30日付紙面より)
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近大新宮高で出張講義 (新宮市 )
新宮市の近畿大学附属新宮高校(池上博基校長)は28日、2年生124人を対象に近畿大学の出張講義を開いた。生徒は五つの講義から希望するものを選択して受講。大学の授業に触れた。
高大連携の一環で進路選択の一助とする目的。現代社会で起こっているさまざまな出来事を身近なものとして受け止めるきっかけにと実施している。この日は▽建築学部▽理工学部▽経営学部▽総合社会学部▽国際学部―から5人の講師が来校。それぞれの分野で授業が行われた。
総合社会学部の中川知宏准教授は「年齢と非行の関係から見る二つの非行少年タイプ」をテーマに40人の生徒に講義。アメリカの研究者が1993年に発表した論文を基にさまざまな形で年齢とともに発達していくと説明した。
「発達とは体の機能が向上していくイメージがあるが、心理学では必ずしも身体的、心理的な機能の向上というわけではない。落ちていくことも踏まえて発達である」と話し、なぜ中学生の頃から非行に走り、高校生を過ぎると減少していくのかなどについて語った。
(2019年6月30日付紙面より)
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那智勝浦町議選
6月23日21時25分確定【定数12】
当落 | 得票数 | 候補者名 | 年齢 | 党派 | 現元新 |
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当 | 1,000 | 中岩 和子 | 71 | 公 | 現 |
当 | 953 | 亀井二三男 | 70 | 無 | 現 |
当 | 952 | 城本 和男 | 62 | 無 | 新 |
当 | 752 | 曽根 和仁 | 56 | 無 | 現 |
当 | 738 | 金嶋 弘幸 | 51 | 無 | 現 |
当 | 677 | 加藤 康高 | 49 | 無 | 新 |
当 | 630 | 藤社 和美 | 57 | 無 | 新 |
当 | 597 | 東 信介 | 60 | 無 | 現 |
当 | 592 | 荒尾 典男 | 65 | 無 | 現 |
当 | 500 | 左近 誠 | 78 | 無 | 現 |
当 | 492 | 引地 稔治 | 60 | 無 | 現 |
当 | 489 | 森本 隆夫 | 80 | 無 | 現 |
378 | 松本 和彦 | 49 | 無 | 新 | |
140 | 山本 勉 | 72 | 無 | 新 | |
33 | 清水 俊幸 | 59 | 無 | 新 |
当日有権者数 13,024人
投票者数 9,004人
無効投票数 82票
投票率 69.13%
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「大逆事件」の犠牲者を顕彰する会(二河通夫会長)は新宮市浮島の市保健センター前に「熊野・新宮『大逆事件』資料室」を移転した。22日に移転開設を記念し、「移転開設の集まり」を開催した。
もともと「市まちなか観光情報センター」があった場所。情報センターの機能が旧チャップマン邸に移転したことに伴い、建物を利用する形となった。「大逆事件」資料室は昨年4月に同市千穂の浮島本通り沿いに開設。諸般の事情によりしばらく休館となっていた。
「移転開設の集まり」には約50人が参加した。二河会長は「大石誠之助ならびに『大逆事件』で犠牲になった当地方の6人の魂を後世に伝えるべく、この場所を拠点に努力していかなければならない」とあいさつ。来賓の田岡実千年市長は「この資料室が私たちの新たな決意の象徴として、多くの皆さまにお越しいただき、多くの事を感じ取っていただけることを切に願います」と祝辞を述べた。
式典に参加したノンフィクション作家の田中伸尚さんは「この場所からいろいろな事を発信していってほしい。『大逆事件』で犠牲になった26人の被害者全員にも目を向けてもらえれば」と述べた。同資料室長を務める栗林確さんが「この場所を基点に、自由・人権・平等に正面から向き合った人たちのことを語っていきたい」と閉会のあいさつをした。
(2019年6月23日付紙面より)
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宇久井中で地元漁師の授業 (那智勝浦町 )
那智勝浦町立宇久井中学校(坊信次校長)で17日、漁業を学ぶ授業があり、2年生22人が地元の漁師東信義さんの講義に耳を傾けた。
宇久井中が取り組む海洋教育の一環で、20年以上続けられている。当初は3年生対象だったが、学校行事の関係で近年は2年生が聴講している。那智勝浦町の海で繰り広げられている漁業の歴史や取り組みを知り、ふるさとへの理解を深め、将来的な漁業後継者を育むことも目的の一つ。かつては事前学習と洋上体験を実施していたが、生徒数の増加や減船の影響で乗船体験が難しくなってきたため、2014年度以降は教室での学習主体に切り替えている。
東さんは、地元の主だった漁法として、マグロやカツオを取るためのはえ縄、引き縄、一本釣り、イワシやサンマなどを取る棒受け網、ブリを中心に季節の魚を取る定置網、養殖などの仕組みを解説。ここ数年続く「黒潮蛇行」についても、海況図を使って詳しく説明した。また、漁業とともに営むホエールウオッチング業関連で、宇久井沖に来遊する鯨類についても触れた。
奥平遙さん(14)は「定置網は宇久井ビジターセンターで見ましたが、他の漁法は知らなかった。クジラを見に行きたくなりました」と話していた。
(2019年6月23日付紙面より)
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昨年の運転免許証自主返納者
近年、高齢者の運転による交通事故が増加し、全国的に運転免許証の自主返納を呼び掛ける動きが広まっている。当地方では「車なしでは生活できない」との声が圧倒的で、自主返納に不安を感じる高齢者も多い。
自主返納は、加齢に伴う身体機能や判断力の低下などにより、運転に不安を感じて自主的に運転免許の取消し(全部取消しまたは一部取消し)を公安委員会に申請することができる制度で、1998(平成10)年4月の道路交通法改正により開始された。
制度自体に年齢制限はないものの、昨年は紀宝警察署管内で82人、今年は5月末現在で65歳以上の高齢者56人が返納した。県内では昨年5677人が申請した。
同署では、紀宝地区交通安全協会と共同で各季の交通安全運動期間中、紀伊自動車学校(御浜町)の協力を得て高齢者安全運転大会を開いている。また、老人クラブの会合に出向き、交通安全を呼び掛けている。
横山哲也地域交通課長は「高齢ドライバーには身体能力の低下を把握してもらうことが大事。歩行者は横断歩道を渡る際に注意してもらいたい。夜間歩行時は反射材の着用を呼び掛けている」と話す。
自主返納については「自信がなくなったときや家族から返納を勧められたら考えてもらいたい。返納は署員が出向くことや、代理も可能ですが、まずは警察に相談してほしい」。免許証に代わる身分証明書も警察で発行している。
(2019年6月23日付紙面より)
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農地転用における課題など (新宮市 )
高齢化や若者の都市部への流出などで全国的に放置され荒れた農地の管理が問題となっている。高齢人口比率35・5%(2018年1月1日現在)となっている新宮市においても空き家問題同様、所有者が高齢で管理が困難であったり、相続した農地を持て余したりするなど、農地の利活用が課題となっている。
農地を農業以外の目的に利用することを「農地転用」という。農地転用の際には、権利の移転などを行う場合、原則として国や都道府県知事の許可が必要となる。農地転用許可制度を適正に運用し、優良農地を確保する目標を立てるなどの要件を満たしている一部自治体は、指定市町村として都道府県と同様の権限を有するが、それ以外の自治体では「農地法」が定めた規定により手続きが必要となる。
市町村の農業振興地域整備計画により農業を推進することが必要と認められた「農業振興地域内農用地区域」においては、農地以外での土地利用が厳しく制限されている。また、一般人が畑などを所有し耕作する場合は1000平方㍍以上(新宮市の場合・自治体によって異なる)持つことが必要とされており、市民からは「農道の整備拡幅や舗装なども大事。農道沿いに住宅が建っている所もたくさんある」「高齢になり耕作ができず近所迷惑になってしまい心苦しい」などと規制緩和を望む声も聞こえてくる。
農地などの利用関係の調整、農地の交換分合その他農地に関する事務を執行する「農業委員会等に関する法律」の改正により、市では17年12月1日、農地利用の最適化を推進するため農地利用最適化推進委員を設置。担当区域の農地の無断転用や耕作放棄地の防止・解消などを図るための利用状況調査、農業者からの相談対応や助言指導を行うなど、人と農地とのマッチング、農地利用の最適化を図る業務を担っているが、その役割としては「農地の有効利用の意義・重要性を地域に伝えること」であり、農地転用についての業務は農地法に基づいた審査にとどまっている。
農業委員会の担当者は「農業を振興する立場として、守るべき農地を明確化していく必要がある」と話している。
(2019年6月21日付紙面より)
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ゆうゆうクラブ女性部が音楽体操 (新宮市 )
新宮市ゆうゆうクラブ(老人クラブ連合会)女性部(石原千里部長)は19日、市福祉センターで令和元年度「健康づくり教室」を開いた。会員約100人が参加し、音楽に合わせて体を動かした。
音楽を通じて脳の活性化と健康づくりを推進しようと、「楽しい音楽体操」をテーマにピアノや健康体操の指導などを行う宇都宮惠美さんから教わった。
石原部長は「女性部も1000人を超え、おおいに活動を」とあいさつ。宇都宮さんは「すてきな曲に合わせて体を動かせばあっという間」「痛いとストレスになるので、気持ちいいと感じる程度に」など解説しながら指導した。
会員は背筋を真っすぐするための「手振り体操」をはじめ、隣の人と触れ合う動きや脳トレの動作を取り入れた手遊び、ボールやひもなどの道具を使った体操などにもなじみの歌に合わせて取り組んだ。会場には歌声と笑い声が絶えず響いていた。
宇都宮さんは「これを機に継続して実施したい。人の輪に入り、笑いながら過ごすのはいいこと。たくさんの人が来てくれてよかった」。
松﨑和代さん(84)=船町=は「散歩以外は座り込んでばかりで、体を思うと体操をしたいと考えていました。誘っていただき、参加できた。ありがたいこと」と笑顔。閉会に当たり河原良子副部長は「皆さんの心が大きな一つの輪になって楽しいひとときを過ごし、認知症も遠ざかったのでは」と締めくくった。
(2019年6月21日付紙面より)
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メ市派遣の中学生7人ら (串本町教育委員会 )
串本町教育委員会(潮﨑伸彦教育長)が19日、同町文化センターで本年度姉妹都市青少年交流事業〈派遣事業〉に参加する町内在住の中学生7人とその家族を対象にした事前説明会を開き、事業の概要などを伝えて質問に答えるなどした。
この事業は1994(平成6)年度に旧串本町で始まり、現串本町は教育委員会事業に位置付けて継承実施している。後者は西暦奇数年に国際姉妹都市・トルコ共和国メルシン市(以下メ市とする)などへ青少年を派遣し同偶数年にメ市などから青少年を受け入れる形で相互交流を重ねる流れにあるが、派遣については同国の治安悪化に伴い直前中止した2013(平成25)年度以降2回見送ったため8年ぶりの実施となる。
本年度の派遣先は今も相互交流が続いているメ市で、7月21日(日)午前11時に出発し29日(月)午後6時ごろ帰町する8泊9日の行程で赴く。メ市滞在は現地時間で22日(月)から27日(土)までの6日間で、その前後は移動日。交流プログラムは調整中で、近日中にメ市から同町教委に連絡が入る見込み。
中学生7人の内訳は男子2人と女子5人で、学年で見ると1~3年生がそろっている状況。町内の中学校経由で、古座中や近大附属新宮中に通う中学生には個別でそれぞれ案内を出して参加を呼び掛けた。同町総務課付けで国際交流員を務めるトルコ人女性ドゥルナ・オズカヤさんら引率者3人を加えた10人で青少年団を結成し、ホームステイをしながら同プログラムに臨むという。
同説明会は中学生7人と引率者3人がそろって初顔合わせするタイミングとなり、同町教委教育課の平田秀次長は同事業の経緯を伝え「皆さんの作文を読んでしっかりとした目的意識を持っていることに感心した」と述べつつあいさつ。同団を結成する10人が自己紹介をし合った後、同町教委が派遣事業の行程の説明と早急のパスポート取得や海外旅行保険加入推奨などの事務連絡をし、オズカヤさんが同国やメ市の紹介と事前に求めた質問事項への回答をするなどして来る派遣に向けた準備の初動を固めた。
(2019年6月21日付紙面より)
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串本、宇久井がそろって関西大会へ (オークワカップWTV小学生サッカー )
全国小学生ABCバド県予選で優勝
地球深部探査船「ちきゅう」入港 (新宮港 )
新宮港40周年記念実行委員会は1日、新宮市三輪崎の新宮港で開港40周年と新宮港みなとオアシス登録を記念し「新宮港みなとフェスタ」を開催した。記念行事の一環として同港には地球深部探査船「ちきゅう」(国立研究開発法人海洋研究開発機構=JAMSTEC=所有)が入港。今回で約10年ぶり3回目となる船内一般公開には、親子連れなど多くの人が訪れた。
「おかえりなさい『ちきゅう』! 入港記念セレモニー」をもってイベントは幕開け。同実行委員会委員長の垣内宏・新宮港振興会長が「『ちきゅう』の活躍は南海トラフの地震発生メカニズムの研究やメタンハイドレートの資源開発研究など、まるで近しい友人の地球規模での活躍を見るがごとく心強く、私たち地球人のためにさらなる研究にまい進していただきたい」と歓迎した。
同実行委員会副委員長の田岡実千年市長は「ちきゅう」の寄港とJAMSTECの取り組みに感謝を述べ、「南海トラフ地震発生帯掘削計画が終了した今、研究成果が巨大地震発生のメカニズムを解明し、私たちの命を守る防災につながることを念願し、未知の領域へのさらなる勇敢な取り組みに期待します」とあいさつ。倉本真一・研究プラットホーム運用開発部門部門長と、小林猛将船長に歓迎の花束を手渡し、記念品を交換し合った。
倉本部門長は「10年前の一般公開時、10歳だった少年少女は成人している。その間、われわれも一生懸命やってきた。この2日間で研究の成果と船の中を見ていただけたら喜びもひとしおです」と感謝を示した。
イベント会場には新宮港関連啓発ブースが設けられたほか、フラダンスや歌などのステージイベントもあり、多くの来場者でにぎわった。
「ちきゅう」の一般公開は2日(日)の正午からも実施される。先着順、時間指定不可。午前10時からは新宮港エリア「みなとオアシス」登録記念セレモニーが開催されるほか、アンパンマンショーなどのステージイベント、ふれあい動物園、餅・菓子ほり、物産販売なども催される。
(2019年6月2日付紙面より)
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スプリント決着制し (ツール・ド・熊野 )
第21回ツール・ド・熊野の第1ステージ「赤木川清流コース」が5月31日、新宮市熊野川町で行われ、オールイス・アウラール選手(マトリックスパワータグ)が2時間12分23秒のタイムで優勝した。2位には岡篤志選手(宇都宮ブリッツェン)、3位には中井唯晶選手(シマノレーシング)が入った。
今年はコースが一部変更になった。山岳賞の懸かる登りを新たに設定し、1周17・2㌔と約1㌔延長した。レースは17・2㌔を4周と変則2周(15・4㌔+16・2㌔)の100・4㌔になった。
市役所前からのパレード走行を経てスタート地点に着いた選手らは、隊列を組み直し、下宏和歌山県副知事の合図でスタートした。
レースは、スタート直後に抜け出した4人の先頭集団に3周目で後続集団が追い付き約20人の先頭集団を形成。その後メイン集団との差が3分に広がった。終盤には8人の追走集団が飛び出すものの、先頭集団に追い付くことができず、メイン集団と先頭集団との差はさらに広がり6分を超えた。
最終回に入っても先頭集団の19人からは誰も抜け出せないまま、勝負はゴール前のスプリント勝負に持ち込まれ、アウラール選手がフィニッシュラインを通過する前にガッツポーズを決めるほどに後続を引き離してゴール。
地元キナンサイクリングチーム勢では、山本大喜(まさき)選手の11位がトップだった。
(2019年6月2日付紙面より)
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29日に検討会の発足式 (紀宝町 )
紀宝町は地震津波発生後の行動を事前に決めておく「地震津波タイムライン」を本年度内に策定する。全国初の取り組みで、7月下旬に検討会を立ち上げる。29日(土)には町生涯学習センターまなびの郷で検討会に向けた発足式を開催する。午後2時開会、入場無料。
各団体が連携して被害を最小化すること、可能な限り安心・安全な避難生活を考えることを目的に、地震津波発生後の各段階で何をすべきかを整理し、タイムライン(事前防災行動計画)にそれぞれの行動を盛り込む。
町民防災会議の四つのブロック会議で意見を聞き、それぞれの地域の考えを反映させる。発足式までに各会議で説明会を開催する。5月31日に町保健センターで開かれた井田・神内地区の第1ブロック会議では、NPO法人環境防災総合政策研究機構の草野富二雄さんが内容を説明した。
計画への理解を求め、「地震津波発生後に安心で安全な生活を送るためには、地域との連携や支援を計画に盛り込むことが重要。皆さまの考えを役場の行動計画に反映させることを目的としたタイムライン検討会にご協力を」と呼び掛けた。
検討会は町、自主防災組織、国土交通省、津地方気象台、三重県などで組織し、来年1月までに4回の会議を開く。
6月29日の発足式では検討会について説明し、南海トラフ地震対策、地震津波タイムラインの必要性などをテーマにした講演会を行う。
役場総務課防災対策室では「多くの皆さまに参加してもらいたい」と話している。問い合わせは同室(電話0735・33・0335)まで。
(2019年6月2日付紙面より)
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高田川などで太公望
熊野地方の熊野川や古座川、太田川流域で1日、アユ漁が解禁された。この日を待ちわびていた太公望たちが夜明けとともに釣り糸を垂らした。
熊野川漁業協同組合は今年、赤木川1080㌔、大塔川770㌔、四村川720㌔など熊野川各支流に稚魚を計3・7㌧放流した。組合は「今年の天然遡上(そじょう)は平均並みのようです」と話している。
新宮市の高田川ではアユの遡上が年々減少。2011年9月の紀伊半島大水害で川底が激変し、追い打ちをかけた。アユは生まれた川へ帰ってくる習性があることから、組合は対応策として2016年から川内に産卵場を設置している。昨年10月には卵を持った雄と雌の成魚合わせて3000~4000匹を放流した。
高田川に釣り仲間4人と訪れ、午前5時から約3時間で15~17㌢のアユを約20匹釣り上げていた山下孝一さん(61)=那智勝浦町宇久井=は「前日の午後から場所を取って待っていました。この時期になると、毎年季節感を感じ『いよいよか』と楽しくなります」と話していた。
(2019年6月2日付紙面より)
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