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2017年12月30日
1 官公庁で仕事納め式
 6日間の休業に入る  

 官公庁で28日、仕事納め式があった。各首長らが職員たちの一年の労をねぎらい、新年からのさらなる活躍に期待の言葉を掛けた。ほとんどの官公庁は来年1月3日(水)まで6日間の休業となっている。

■新宮市



 新宮市役所で行われた式には屋敷満雄市議会議長、濵田雅美副議長をはじめ職員約60人が出席。田岡実千年市長はあいさつで、新庁舎完成や10月の台風災害、市長選を振り返った。「市政は市民のために」は職員一人一人がしっかりと業務を達成することで必ず実現するとし、「人は何のために生きていかれるのか」に対する哲学者の故・森信三さんの答えを紹介。「自分なりに解釈すると『人はどうすれば幸せに生きていかれるのか』で、答えは『自分の仕事を通して人や社会のために役立つこと』だと確信している。しっかりと仕事をし、生き生きと幸せに暮らせる好循環な社会を新宮市役所から発していきたい」と呼び掛けた。

 小谷充総務部長が今年一年に実施した主な事業などを紹介。向井雅男副市長は閉式の辞を述べ、最後は一本締めでお開きとなった。

  □     □

■那智勝浦町



 那智勝浦町では、役場2階の大会議室で仕事納め式が開かれた。

 町歌斉唱後、町職員約80人を前に、寺本眞一町長が訓示した。職員にねぎらいの言葉を掛け、町長職2期8年間を振り返った。「いろいろな事業を駆け足で進めた中、可もなく不可もなくやってこられたのは皆さんのおかげだと思っている。今後も町を背負っていく立場として、他がより秀でて見えた時は本人が克服しなくてはならない。努力次第で職場も花開く。より信頼される役場になるように頑張って。退いた後は、町民として皆さんの活躍を期待しながら見守る」と話した。

 植地篤延副町長は、閉庁中の諸注意として「年末年始は行事も多いかと思うが、気を緩めず町職員の職責をしっかり自覚して飲酒や事故のないように」と求めた。

(2017年12月30日付紙面より)

職員らを前に田岡実千年市長があいさつ=28日、新宮市役所
全員で町歌を斉唱=28日、那智勝浦町役場
2017年12月30日
2 防火意識を高めて
 消防本部と消防団が年末警戒  (新宮市 )

 市民たちが安心して新年を迎えることができるようにと新宮市消防本部(海野裕二消防長)と新宮市消防団(竹内由定団長)は28日から、年末警戒にあたっている。30日までの3日間、午後8時から午前0時まで市内を巡視する。

 火を使用する機会の多いこの時季に毎年実施している。市消防本部は市全域、消防団は各分団の担当地区で巡視や防火広報に取り組んでいる。初日の28日には午後7時から市消防本部、同7時45分から熊野川消防出張所で出陣式があった。

 市消防本部での出陣式には、旧市内七つの消防団から計50人が参加。整列した団員たちを前に田岡実千年市長は「火災の発生しやすい状況であると思うので3日間よろしくお願いします」と述べ、1年間の活動に感謝した。

 屋敷満雄市議会議長が「警戒に当たっては体調管理に留意され、市民の皆さんが良き新年を迎えられるようよろしくお願いします」。濱口太史県議が「火事は気を付ければ防げる。新宮市民の安心安全のために、皆さんの活躍は必要なこと」。谷本克也新宮警察署長が「年末に火災が発生することのないよう、万が一発生した際は迅速、的確な対応で、警察と一緒になって活動していただきたい」と激励した。

 式後、団員たちは消防車両に乗り込み、市長らに見送られる中、担当地域へ出発した。竹内団長は「各分団、地域の皆さまに防火意識を高めてもらいたい」と話していた。

(2017年12月30日付紙面より)

田岡実千年市長らに見送られ出発した=28日、新宮市
激励に耳を傾ける消防団員ら
2017年12月30日
3 アーケロン実物大模型完成
 水族館Bゾーンで展示始まる  (串本海中公園 )

 串本町有田にある串本海中公園センター水族館(野村恵一館長)で28日、史上最大のウミガメ「アーケロン」の実物大彫刻模型の展示が始まった。新春から始まる企画展「アーケロン・プロジェクト」の象徴展示物で、野村館長は「予想以上の出来栄えで感激している。触れながら大きさを実感してほしい」と呼び掛けている。

 「アーケロン」は今から約6000万年前、恐竜時代最終期(中生代白亜紀後期)に生息していた種。ウミガメ類の遠い祖先にあたり、すでに絶滅しているが化石の出土で存在が知られている。

 野村館長(59)は一昨年の夏ごろ、企画展の構想を練る中で田辺市龍神村に工房を構えるチェーンソーアーティスト・城所ケイジさん(48)とのタイアップを着想。「やるからには大作を」と希望した城所さんに対し、野村館長が「ならばアーケロンだ」と答えたことでこの模型の製作が動き始めた。

 城所さんは今回、自身で調達した大ぶりの紀州杉4本から削り出した各パーツを組み合わせ、全長3・7㍍、全幅4・6㍍、全高1㍍の巨体を復元。最大のパーツとなる甲羅には古座川町産の紀州杉などを用いた。今年9月25日から各パーツの荒削りを始め、本制作前に野村館長と共に名古屋港水族館にある国内最大の骨格レプリカ標本を観察し、既存のフィギア模型を肉付けの参考にして高めた生体のイメージを11月24日以降の本制作で投影した。「生きたアーケロンの姿を木で再現するために全力を尽くし、今の自分なりにいいものが作れたと感じている」と出来栄えを語る。

 着想から2年余りの月日を経て形になった模型を見て野村館長は「過酷な恐竜時代を生き抜いたカメだと実感できる重要な展示物で、お客様にも必ず感動してもらえると思う。骨格やそのレプリカは世界中で展示されているが、実物大で生体を復元した模型は少なくとも日本ではここだけだと思う。カメ好きや恐竜好きの方はぜひ見てほしい」と話した。

ウミガメ保全の足掛かりに 企画展は1月1日から開始



 母体となる企画展は来年1月1日(月)から2019年12月29日(日)まで、同館Bゾーンで開かれる。「アーケロン」の生態と共に遠い子孫の現在のウミガメ類もまた絶滅の危機にひんしている状況を伝える内容で、野村館長は同模型をシンボルにしてウミガメの展示、繁殖、保全に力を入れる水族館としていっそうの保全活動に取り組みたいと意気込んでいる。

 同館は年中無休で、営業時間は午前9時~午後4時30分(夏季は午後5時まで)。入館料は大人1800円、子ども800円、幼児200円となっている。問い合わせは同公園センター(電話0735・62・1122)まで。

(2017年12月30日付紙面より)

「アーケロン」の実物大彫刻模型を紹介する城所ケイジさん(左)=28日、串本海中公園
2017年12月30日
4 平成29年主な出来事㊤  新宮市1月~6月  
2017年12月30日
5 喜びの分かち合いに ぐみの会、カレンダー売り上げ寄付 
2017年12月30日
6 一年の働きに感謝 那智勝浦町立温泉病院で仕事納め式 
2017年12月30日
7 社会を支える税金考える  明神小と三尾川小の6年生  (古座川町 )
2017年12月30日
8 繰り越し明許解消の努力を 古座川町役場、今年の通常業務締めくくる 
2017年12月30日
9 串本の海の『フク』集う 串本海中公園、トピックス水槽で正月展示 
2017年12月30日
10 奉仕に向けて稽古に励む 潮﨑本之宮神社、「お的祭り」の弓頭2人 
2017年12月30日
11 10期ぶり全産業「上昇」 和歌山県財務事務所、景況判断、中小企業は「下降」 
2017年12月30日
12 お悔やみ情報
  
2017年12月28日
13 大しめ縄の張り替え
 那智の滝で迎春準備  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町那智山の世界遺産・那智の滝で27日、大しめ縄の張り替えがあった。日本一の落差133㍍の滝口で、神職たちが足を滑らさないよう慎重に新しいしめ縄に取り換えた。

 那智の滝は熊野那智大社の別宮・飛瀧(ひろう)神社のご神体。張り替え作業は7月14日の例大祭「那智の扇祭り(火祭)」の前と年末の毎年2回行われている。

 しめ縄はサラシ製で、長さ26㍍、重さ約4㌔。大社本殿で安全祈願を行った後、白装束に烏帽子(えぼし)姿の神職5人が参道約2㌔を約30分かけて運んだ。

 那智の滝は大みそかから元旦にかけて青岸渡寺の三重塔とともにライトアップされる。

(2017年12月28日付紙面より)

那智の滝の上でしめ縄を張り替える神職ら=27日、那智勝浦町那智山
2017年12月28日
14 佐野でバイオマス発電
 再来年夏の稼働を目指す  (新宮市 )

 フォレストエナジー株式会社(本社・東京都品川区、沼真吾社長)は26日、新宮市佐野3丁目で木質バイオマス発電事業を計画していると発表した。来年の春に着工、再来年夏の商業運転開始を目指している。計画通り進めば和歌山県内で最初に稼働するバイオマス発電事業所になる。

 同社によると、発電所を設置するのは民間の土地で広さは約8500平方㍍。近隣地域の木材を使った木質チップを年間約2万㌧使用し、約1800㌔㍗の電気(約3900世帯分)と約2800㌔㍗の熱を供給する。熱の一部は乾燥機の熱源として使用し、伐採したばかりの木材を燃料として使うことができる。残りの熱の活用は今後協議していく。

 同社は「燃料供給元で乾燥工程を負担することなく、間伐材・低質材の流通量が増えるため、地域の素材生産会社と林業者を通じて森林整備を促進するとともに、地域経済の活性化に役立つものと考えております」と話している。

 同社は2015年4月10日の設立。未利用になっている木質資源を地産地消して電気や熱などのクリーンエネルギーを作る施設を開発、運営している。秋田県秋田市、宮崎県川南町ですでに木質バイオマス発電所を稼働している。佐野で事業を始めるため新たに新宮フォレストエナジー合同会社を設立した。

 佐野の新宮港第2期工業用地でも株式会社エフオンが木質バイオマス発電所の建設を計画していて、2021(平成33)年中の稼働運転を目指している。敷地面積は約5万3000平方㍍。年間発電量は1万8000㌔㍗(3万世帯分)。近隣県から調達した木質チップを年間約18万㌧使用する予定。

(2017年12月28日付紙面より)

2017年12月28日
15 15組が取り組みの成果披露
 文化セで第13回町民音楽祭  (串本町 )

 串本町文化センターで24日、「第13回町民音楽祭」が開かれた。大規模改修に伴い、例年より約3カ月前倒ししての実施。ジャンル多彩な15組が日頃の取り組みの成果を披露し、約300人(主催者発表)が鑑賞した。

 このイベントは同町、同町教育委員会、串本音楽協会主催。1971(昭和46)年に旧串本町で始まり現串本町にも受け継がれている文化行事で、通算すると47回目の実施になる。

 開会にあたり同協会の西野政和会長は「50年近く続く音楽祭は県内外を見てもほとんど例がなく、大いに自慢できるわが町の文化力だ」と誇り、会場変遷の経緯を来場者に紹介。例年より数は少ないが、新規出演もあるとして最後まで清聴してほしいとあいさつした。

 音楽に関係があれば幅広く出演を受け入れるのが同町の音楽祭の特色。今回もコーラスや器楽はもちろん、琴・三味線・尺八・和太鼓といった和楽器、フラダンスや日本舞踊、詩吟詩舞や歌唱など多彩な演目が披露され、観客の喝采を浴びた。

 新規参加の「こーらす“わ”」は和深を拠点にしたグループで、小道具で情感を演出しながら3曲を発表。終盤に出演した女声グループ「串本コーロびおれった」は前倒しのタイミングがクリスマスイブにあたったことにちなみサンタクロースの色彩や衣装で出演。混声グループ「串本うしおコーラスグループ」は団歌や演歌を披露後、「きよしこの夜」の斉唱を観客に呼び掛け、音楽で一体になるひとときで会を締めくくった。

(2017年12月28日付紙面より)

雅やかな演奏で開演を飾った琴グループ「奏楽(そら)」の発表=24日、串本町文化センター
初参加のこーらす“わ”
2017年12月28日
16 正月の花を生ける
 寿楽荘で萱野賛曈さんが指導  (新宮市 )

 新宮市木ノ川の市立養護老人ホーム寿楽荘(田中道男荘長、入荘者30人)で26日、今年最後の生け花があった。希望者21人が安達流師匠の萱野賛曈さんに指導を受け、正月らしい花を生けた。

 生け花は毎月1回、40年近く続く取り組み。この日は▽エダワカマツ▽シンビジウム▽ハボタン▽コギク▽ズバイ―を竹の筒に生けていった。

 萱野さんは「お花を触っているだけで楽しいですからね」「力を入れて挿したり切ったりすることは筋力を補うためにもいい」「『年だから』と言わずに頑張ってほしい」などと呼び掛けながら教えた。出来上がると一人一人の作品を見て回り「上等です」「きれいに入りましたね」と笑顔で呼び掛けた。施設の玄関にもボランティアで花を生けた。

 「正月やねえ」「昔母さんの手伝いをしていたことを思い出す」と話す利用者もおり、103歳の人も取り組んでいる。田中荘長は「皆さん毎月楽しみにしています。良い雰囲気で関わっていただき、うれしい。このような取り組みで変化を受けることはありがたく、いろいろな話もしていただける」と感謝した。

 萱野さんは「お花に触れるだけでも利用者さんの顔がほころぶ。その様子がうれしく、私にとっても生きがいです」と話していた。

(2017年12月28日付紙面より)

教わりながら生けていく参加者ら=26日、新宮市木ノ川の養護老人ホーム寿楽荘
2017年12月28日
17 野尻さん、新高Hが優勝
 新宮弓友会主催の納射会  
2017年12月28日
18 3部門に分かれて熱戦
 新宮市スポーツ祭典バドミントン大会  
2017年12月28日
19 南秀輝さんが優勝 新宮市民スポーツ祭典ボウリング 
2017年12月28日
20 鍛錬の成果ぶつけ合う 紀南剣道連盟、第50回紀南剣道大会 
2017年12月28日
21 強豪・伊勢学園らが合宿
 女子ソフトボール部4チーム  
2017年12月28日
22 県大会進出の4組決まる 紀南地区吹奏楽連盟、アンサンブル地区予選会 
2017年12月28日
23 体操やゲームも可能に 太地町社協でカラオケ機器導入 
2017年12月28日
24 「まぐろのぼり」泳ぐ  南紀くろしお商工会  (那智勝浦町 )
2017年12月28日
25 新町長に当選証明 那智勝浦町選挙管理委員会が証書付与 
2017年12月28日
26 踊りと食事で交流 新宮市、橋本会館でふれあいサロン 
2017年12月28日
27 園児たちの歌声響く  わかば保育園でクリスマス  (那智勝浦町 )
2017年12月28日
28 サンタ登場で盛り上がる 新宮市、くろしお・中央児童館でクリスマス 
2017年12月28日
29 1周年記念しグラウンドゴルフ大会 新宮市熊野川町、敷屋グラウンドゴルフ同好会 
2017年12月28日
30 「ジャガイモありがとう」  宇久井保園児らビジター訪問  (那智勝浦町 )
2017年12月28日
31 年の瀬前に白花咲きそろう 串本町、樫野埼灯台一帯のスイセン 
2017年12月28日
32 「古座川の歴食」メニュー誕生  商工会が誘客につなげる事業で  
2017年12月28日
33 第1駐車場が完成 新宮市役所、1月4日から供用開始 
2017年12月28日
34 お悔やみ情報
  
2017年12月09日
35 年末年始に備え点検
 旅客船の安全やテロ対策  (勝浦海事事務所 )

 観光客や帰省客が増える年末年始に備え、国土交通省近畿運輸局勝浦海事事務所は7、8の両日、串本海上保安署と合同で管内5社の旅客船の安全やテロ対策などを点検した。事故の未然防止などを目的に船舶検査官らが浮輪などの救命設備や安全確保のための連絡体制をチェックした。

 国交省が実施する「年末年始の輸送等安全総点検」(12月10日~1月10日)の一環。乗組員の健康状態や過労状態の把握、新型インフルエンザ対策、事故や災害時の連絡体制なども指導した。

 新宮市熊野川町日足の熊野交通志古船舶営業所(堀芳生所長)には7日、長谷潤所長ら4人が訪れた。松下信男所長代理ら立ち会いの下、運航労務監理官らが安全速力での航行、避難誘導体制の徹底、不審者情報の通報徹底などを聞き取り調査。ウオータージェット船(全長約17㍍、11㌧)内に入り、マイクが正常に使用できるか、浮輪の位置、消火器の有効期限などを一つ一つ調べた。

 点検終了後、長谷所長は「安全、安心が何よりも勝り重要。川は大雨や渇水などがあり、厳しい運航もあると思いますが、連携を密に取り、会社一丸となって安全運航に取り組んでください」と呼び掛けた。

 ウオータージェット船の昨年1年間の乗客は約6万人。松下所長代理は「年末年始に入り、お客さまが増えると思いますので、安全第一で安心して利用していただけるよう努めていきたい」と話していた。

(2017年12月9日付紙面より)

安全運航などの聞き取り調査=7日、新宮市熊野川町日足
2017年12月09日
36 遺跡発見をチャンスに
 文化複合施設丹鶴会が講演会  (新宮市 )

 新宮市の文化複合施設丹鶴会は2日、同市の丹鶴体育館で「文化複合施設の必要性と遺跡との両立について」の講演会を開いた。講師は地域批評シリーズ『これでいいのか和歌山県~魔物が和歌山を分断する!?』の著者で、ルポライターの昼間たかしさんと、編集者・ライターの鈴木士郎さん。丹鶴連合会の榎本義清会長、丹鶴商店街振興組合の大井正臣理事長も登壇し、トークセッション形式で進行した。

 昼間さんは大学で考古学を専攻し、遺跡の発掘調査に携わった経験がある。遺跡の保存や観光への活用価値について意見を求められると、「町の遺跡がまとまって見つかる例は少ないが、珍しいから保存するという方針には賛同できない」とし、希少性や話題性を求める風潮が過熱すればねつ造事件につながる恐れがあると話した。市民に提供されている情報の少なさも指摘し、「市民も一緒に発掘をすればいい。行政が手を抜いているのか、その金がないのか」と、価値判断や議論ができる状態ではないことに問題提起した。

 鈴木さんは「遺跡を見たい人はそう多くないが、人や時代によって価値は違う。壊してしまうと未来に対する責任が取れない」とし、遺跡と組み合わせた形で文化複合施設を作るのが現実的との意見を示した。建設を進めるならば活動を市の全域まで広げる必要があり、「チャンスと捉えて『遺跡を生かした形で早く作ろう』という言い方もできる」と提案した。

 観光面ではアピール力の弱さが指摘された。町の第一印象となる駅近辺の景観はとても重要で、鈴木さんは「林業でいくなら、町並みに木を使う。まずは張りぼてでもいい。ブランドイメージを見せる努力を」とアドバイス。観光には地元の人がきれいな町で活気のある暮らしをしていることが重要で、「新宮はかなりましな方です」とも語った。食べ物がおいしくサービスが良いことや、観光案内所できちんとおすすめスポットを紹介されたことなど、良い面も両者から挙げられた。

(2017年12月9日付紙面より)

(右から)昼間たかしさん、鈴木士郎さん、榎本義清会長、大井正臣理事長=2日、新宮市の丹鶴体育館
2017年12月09日
37 全国のジビエ事例の頂点に
 第4回農山漁村の宝選定で  (古座川ジビエ振興協議会 )

 「第4回ディスカバー農山漁村(むら)の宝」の優良事例に選ばれた古座川ジビエ振興協議会の取り組み「厄介者を地域の宝に!マイナスからプラスへ」がこのほど、特別賞「ジビエグルメ賞」を受賞した。

 この選定は、内閣官房と農林水産省が「強い農林水産業」「美しく活力ある農山漁村」の実現に向け、地域活性化や所得向上に取り組む優良事例を全国に発信し他地域への横展開を図る目的で年次実施。事例候補は自他薦問わず受け付け、一次審査で優良事例を選定し、その中から二次審査で全国9ブロックの最高評価事例からグランプリ、グランプリを除く事例から特別賞を選定している。

 今回は全国から844件の応募があり、31件が優良事例に選ばれ10月24日に公表された。同協議会は自薦応募で優良事例に選ばれたが属する近畿ブロック管内での最高評価は得られず、特別賞のみ受賞の可能性を宿した状態で11月21日、首相官邸で開かれた優良事例選定証授与式に臨んだ。

 二次審査の結果は式後の交流会内で発表され、今回はグランプリ1件と特別賞5件が選定された。特別賞は募集段階で選定のキーワードとなる政策テーマ(農泊、ジビエ、輸出、女性・高齢者・障害者の活躍、6次産業化)が発表されていて、同協議会の取り組みはジビエ関係の他優良事例2件との競合を経て「ジビエグルメ賞」を受賞。グランプリはジビエ関係ではない内容のため、全国から寄せられた今回のジビエ関係諸事例の頂点に輝く結果となった。

 県内では選定が始まって以降、4年連続で計6件が優良事例に選定されている。東牟婁郡内では那智勝浦町の色川地域振興推進協議会に続き2件目。特別賞は第2回から導入され、県内では古座川町ジビエ振興協議会の取り組みが初となる。

(2017年12月9日付紙面より)

優良事例選定証と特別賞「ジビエグルメ賞」トロフィー=7日、古座川町鳥獣食肉処理加工施設
選定の証と共に(左から)細井孝哲・町主査、梶山弘志・内閣府特命全権大臣、齋藤健・農林水産大臣、西前啓市町長、林良博・有識者懇談会座長(古座川町提供)
2017年12月09日
38 台風21号の被災者へ
 彩雲祭の収益金を寄付  (新宮高校 )

 県立新宮高校の彩雲祭実行委員会(中本雄也委員長、30人)が7日、台風21号の被災者支援に役立ててほしいと食物バザーの収益金9万6535円を新宮市へ寄付した。中本委員長、脊古夏月副委員長、上田大貴副委員長(いずれも3年生)が市役所を訪れ、田岡実千年市長に直接手渡した。

 彩雲祭とは同校の文化祭で9月に開催された。今年の食物バザーではポテト、かき氷などを販売。収益金は毎年、被災地などに寄付している。

 田岡市長は「心から感謝申し上げます。なるべく早く被災者に届けさせてもらいます」。中本委員長は「今年が高校最後の年。生まれ育った新宮への感謝の気持ちです。台風21号の被害を聞いて心を痛めていましたので、このように恩返しできて良かったです」と話していた。

(2017年12月9日付紙面より)

田岡実千年市長に義援金を渡す生徒たち=7日、新宮市役所
2017年12月09日
39 キラメキが優勝
 市民スポ祭兼連盟社会人バレー大会  
2017年12月09日
40 地元勢が活躍
 県なぎなた秋季大会・県高校選手権  
2017年12月09日
41 芳養、上秋津が決勝へ
 ジョン・ケンドリック旗争奪少年野球大会  
2017年12月09日
42 大賞は澤育代さんに  熊野大花火写真コンテスト  (鈴木文代さん(串本町)が連続部門賞 )
2017年12月09日
43 地元商店街が潤えば 新宮信用金庫、20日まで「わくわくセール」 
2017年12月09日
44 フードロスの活用テーマに 熊野川町、ゲストハウスで「あまったーる食堂」 
2017年12月09日
45 井口さん、倉本さんらが金賞 新宮商工会議所でそろばんコンクール 
2017年12月09日
46 事業所へ協力呼び掛ける 赤い羽根共同募金、子育て世代や高齢者などのために 
2017年12月09日
47 ノロウイルス予防を学ぶ  新宮食品衛生協会が講習  (新宮市 )
2017年12月09日
48 クマノザクラで地域おこし 古座川町、住民ら交え現地説明 
2017年12月09日
49 望楼の芝の顕彰碑整える 串本町、木曜島遺族会が清掃奉仕 
2017年12月09日
50 家族や地域に成果を示す  三尾川小学校学習発表会  (古座川町 )
2017年12月09日
51 マルバグミの花  三輪崎の鈴島で  
2017年12月06日
52 におわないブリで新商品
 地元と健康にこだわり開発  (新宮港埠頭 )

 新宮市三輪崎の新宮港埠頭株式会社食品部(シングウポートフーズ)はこのほど、地元にこだわった食材で作ったブリ商品を開発した=写真。今月9日(土)午前10時から正午まで、港内の株式会社食縁本社工場前で初めて地元販売する。

 近畿大学技術の養殖プレミアムブリ「におわないブリ」を使用した商品。168時間かけて製造している薫製は、生ハム風と照り焼き風の2種類。切り身はプレーン、照り焼き、みそ漬け、酒かす漬けの4種類。刺身用ブロック、しゃぶしゃぶ用などもある。

 安全、安心をモットーに、いずれの商品も化学調味料や食品添加物を一切使用しておらず、しょうゆは新宮醤油、酒かすは尾﨑酒造など、地元産を使用している。

 同社は1978(昭和53)年9月30日に設立された新宮市の第三セクター。これまで新宮港を中心とした港湾運送、船舶代理店、貨物運送を主たる事業としてきたが、日本の「食」の多様性に注目し、食品部を設置。稚魚生産から加工販売までの「なまず養殖事業」もスタートしていて、来年の夏ごろの販売開始を予定している。

 小池けん二社長は「私のモットーは、常に先を見据え新しい視点を持つこと。人口減少・少子高齢化の波がこの地方でも大きな社会問題となり、産業の衰退は地方都市の活力を疲弊させています。この地域の新たな活力と産業の振興を図り、雇用の場を作ることが必要。地域の特産を目指した事業を興し、全国展開を図りながら、さらに地域社会に貢献する会社を育てたいと考えています」と話している。

(2017年12月6日付紙面より)

※ 小池けん二社長の「けん」は、「濕」のさんずいを取り除いた字


2017年12月06日
53 被災者に税の減免説明
 新宮税務署が説明・相談会  (新宮市 )

 新宮税務署は4日、新宮市の新宮商工会議所で「雑損控除等説明会」を開いた。台風21号などで被害を受けた人を対象とする説明会で、同市などで多くの被害があったことから開催した。被災した場合の所得税の減免制度や、住宅や家財の損失額の計算方法などについて説明した。

 災害などで住宅や家財に被害があった場合、雑損控除か災害減免法によって所得税の軽減免除を受けられる場合がある。どちらか有利な方を選ぶことができ、確定申告の際に必要書類を添付して申請する。インターネットで申告書が作成できる国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」を使う際にも、被害のあった家財などの損失額を入力することで、条件に合わせて雑損控除か災害減免法の有利な方を選択できる。

 説明会では全般的な説明の他に、個別相談の時間も設けられ、申告会場に持参できる損失額計算個票の用紙も配られた。確定申告の期間は2月16日(金)からとなるが、同署では被災者を対象に事前対応も予定している。

 担当の同署個人課税部門の統括国税調査官・山田耕士さんは、「申告の時期には混雑も予想されます。まずは説明会にお越しください」と話した。

 この説明会・個別相談会は今後、5日と7日(木)に同所で、14日(木)に那智勝浦町築地の南紀くろしお商工会で開かれる予定。時間は説明会が午後1時30分~2時30分、個別相談会が午後2時30分~5時。夜間の説明会が午後6時~7時。

(2017年12月6日付紙面より)

個別相談会の様子=4日、新宮市の新宮商工会議所
2017年12月06日
54 記念の年熊野の魅力発信 奉祝式年大祭協が協力呼び掛け (本宮大社創建2050年)

 来年、創建2050年を迎える田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)の式年大祭を盛り上げようと組織された「熊野本宮大社御創建二千五十年奉祝式年大祭推進協議会」(榎本長治会長)は2日、大社瑞鳳殿で総会を開き、来年の主なイベントの事業計画案などを承認した。

 協議会は今年9月に組織。熊野本宮観光協会、田辺市熊野ツリーズムビューローなどさまざまな団体、企業など30を超える団体で組織。奉祝期間を誘客の絶好の機会として捉え、さまざまなイベントを展開し、熊野の魅力を発信しようと事業に取り組んでいる。

 本宮大社の例大祭は例年4月13日から15日に行われているが、来年は11日(水)から15日(日)までを日程として奉祝式年大祭として営む。期間中には歌手の山川豊さんや水森かおりさんらの歌唱奉納などがある。

 例年8月に行われる「八咫(やた)の火祭り」は10月13日(土)に日程を変更し、式年大祭とは別に公募した稚児による湯登神事を行う。

 3月には博物学者、小説家の荒俣宏さん、5月には演出家の宮本亜門さん、秋には作詩家の及川眠子さんの講演を計画。宝物殿の特別拝観なども予定している。

 協議会では大祭記念ロゴを製作し、ピンバッジやのぼり、記念ポロシャツの製作も進めており、さまざまなPR活動を展開していく。

 総会で協議会顧問の九鬼宮司は「地元の高校生も祭りに参加したいという声もあり、うれしい。皆さんと新たな祭りができればと考えている。何かが生まれてくると確信している」とあいさつ。榎本会長は「2050年のお祝いだけでなく、熊野の良さを発信する大きな機会と捉え、地域の観光振興につなげられたらと思う」と話し、「参加していただける団体、企業を募集している。本宮大社へ問い合わせてほしい。いろいろな方々に参加してもらい、一緒に盛り上げていきたい」と呼び掛けた。

(2017年12月6日付紙面より)

来年の事業計画などを決めた協議会総会=2日、田辺市本宮町の熊野本宮大社瑞鳳殿
2017年12月06日
55 新任の駐日トルコ大使が来町
 町長らに感謝届け親交深める  (串本町 )

 駐日トルコ共和国大使館のハサン・ムラット・メルジャン特命全権大使(58)一行が4日、串本町の田嶋勝正町長や同町立大島小学校(山本隆介校長、児童36人)を表敬訪問し、トルコ軍艦エルトゥールル号殉難将士慰霊碑に献花するなどした。

 メルジャン大使は先月17日に着任した新任の特命全権大使。今回の訪問は公務に就くにあたって慣例になっているあいさつ回りを兼ねた視察の一環で、インジ・メルジャン夫人と通訳者としてボアチ・ウリケル専門官を連れ3人で来町した。

 南紀白浜空港で役場総務課職員と合流し、公用車で同町入り。役場本庁で表敬を受けた田嶋町長は「町民を代表して歓迎する。エ号の遭難は悲しい事故だったが、当時の救難活動が今の日本とトルコの友好を築いた柱と言ってもらえることを私たちはうれしく、誇りに思っている。今も清掃や献花をしながら587人の殉難将士をお守りしているので安心してほしい。これからいいお付き合いをさせていただきたい」と述べ、メルジャン大使は「何よりもまず将士を大切にしてくれていることに感謝する。われわれも祖先への思いを胸に友好を作る努力をし、町長ともよい機会を作りたい」と応えた。

 「次の来町時には町長と一緒にダイビングに挑戦したい」など後の懇談も弾む中、田嶋町長は歓迎の一端で記念楯や日本トルコ友好マスコットキャラクター「まぐトル」のぬいぐるみ、町独自の友好のあかしとしている同碑レリーフをかたどったピンバッジなどを贈って親交を深めた。

 同町立大島小学校では、山本校長と6年生の造隼瑠菜さんがあいさつし、6年生の伊勢谷連さんと中西基樹君が花束を贈って来校を歓迎。一同で同碑とともに受け継がれる追悼歌を披露した。

 メルジャン大使は「皆さんや役場の方々が両国の国旗を振って迎えてくれたことが、串本に来て何より感動していることだ」と歓喜。同碑の清掃などを通して殉難将士を大切に守ってくれている児童を『もっとも美しい花で飾られたような友好の架け橋』とたたえて感謝し、交流の記念にと文具を贈るなどした。

 表敬後は樫野崎を訪ね、田嶋町長夫妻や樫野区の岩谷知道区長の代理で高山カヤ子さんとともに同碑に献花。メルジャン大使夫妻は樫野崎園地にある建国の父・アタテュルク像への献花を来町にあたって希望したそうで、同町も応えて段取りし実現した。併せて樫野埼灯台やトルコ記念館、遭難地点とされる岩礁(通称・船甲羅)を視察し現地説明を受けるなどした。

 夜は田嶋町長主催の歓迎夕食会に出席。町内に宿泊し翌5日に串本海中公園センターを視察するなどして同大使館がある東京へ戻った。

(2017年12月6日付紙面より)

田嶋勝正町長を表敬訪問するメルジャン大使(左から2人目)=4日、串本町串本
大島小の児童と交流する一行=4日、串本町須江
2017年12月06日
56 子の成長を願って  木葉神社「祢んねこ祭り」にぎわう  (串本町田原 )
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57 年末年始のお役立ち本貸し出し  新宮市立図書館に特設コーナー  
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58 カットや着付け学ぶ 県美容業生活衛生同業組合新宮支部、岩見悠紀子さん招き講習会 
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60 いつまでも元気に  北山村で「げんき祭り」  
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63 本州最南端で400人競う  第18回串本グラウンド・ゴルフ交歓大会  (串本町 )
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67 お悔やみ情報