三輪崎会館で布マスク教室 (新宮市 )
新宮市の三輪崎会館で25日、布マスク教室が開かれた。三輪崎地区(屋敷満雄区長)主催。ボランティアグループ「タウンガーデン」(平田裕子代表)の5人が講師を務め、区の老人会、婦人会、光洋中学校の教職員らがハンカチなどから布マスクを作った。
「タウンガーデン」は平田代表が同市別当屋敷町の「花布(かふ)」でマスク作りを教わったことがきっかけで、今月9日に保健センター横のタウンガーデンで「青空布マスク作り教室」を開催。以来、顔の形に沿うよう顎下の部分を長くし、女性の口紅が付かないよう口周りの膨らみを大きくするなど改良を重ねている。
参加者は型紙に合わせて布を切り抜き、ガーゼの裏地を付けて縫っていった。ガーゼやゴムひもも全国的に欠品となっているため、バスタオルやナイロンストッキングを活用するなどの工夫もあった。光洋中の教職員は「4月からもマスクの着用が必要だが、生徒も含め全員が用意するのは難しいかもしれない。布マスクも活用していけたら」。屋敷区長は「区民からマスクがないと相談の電話を受けたことがきっかけ。洗濯して使うとしても1人2、3枚、一家族10枚程度は必要になる。非常事態こそ昔の人の知恵を借り、各団体のリーダーなどを通じて他の地域にも命をつなぐ輪が広がっていけば」と語った。
同区は4月5日(日)午後1時30分から3時まで、同館で布マスク教室を開催する。今回参加した老人会、婦人会のメンバーが講師を務める。持ち物は目の詰まった布とガーゼ、裁縫道具、ナイロンストッキング、筆記用具など。「次のリーダーとなり、活動を広めてくれる方にぜひ参加してほしい」と呼び掛けている。問い合わせは同館(電話0735・31・6690)まで。
(2020年3月27日付紙面より)
消防団協力事業所に表示証交付 (新宮市 )
新宮市消防本部(内野井愼搾(しんさく)消防長)は25日、消防団協力事業所に認定した熊野観光開発(奥村夏男取締役社長、同市熊野川町日足)と、南紀プロパンガス株式会社(市川榮一郎社長、同市清水元)に表示証を交付した。認定は熊野観光開発で3事業所目。南紀プロパンガスは2019年に続き継続認定となった。
消防団協力事業所表示は、消防団活動に協力している事業所に対し、社会的貢献の証しとして表示証を交付する制度。事業所の活動を広く社会にアピールするとともに、消防団員の活動に対しより理解を深めてもらうことなどを目的に17年6月に導入した。表示証の表示有効期間は原則2年間。
消防本部で開かれた表示証交付式には、熊野観光開発の堀芳生・志古営業所長、南紀プロパンガスの市川浩一郎・常務取締役総務部長と、各事業所に所属する消防団員らが出席した。表示証を手渡した内野井消防長は「消防団員の6割が被雇用者となる中、入団しやすく活動しやすい環境をつくるための制度。市民の生命、体、財産を災害から保護し、地域防災の中核として重要な役割を担っている消防団員の存在を企業として認めていただいていることは大変ありがたい限り」と感謝。
「これを機に消防団への入団促進や組織強化など、さらなる発展に向け取り組んでいく所存。今後も消防団活動や防災活動への一層のご尽力を」と協力を求めた。
認定を受け、堀営業所長は「熊野川町では初めてということで光栄。地域の力になれることがあれば積極的にやっていきたい。名誉に感じています」。市川常務取締役総務部長は「これからも、市内のライフラインを担う中で、会社として地域の皆さまの役に立てる活動に取り組んでいきたい。社内の消防団員には、有事の際には優先的に活動に当たるよう伝えています」と話していた。
同制度の認定基準は従業員2人以上が入団していることなど。問い合わせは同本部庶務課(電話0735・21・0119)まで。
(2020年3月27日付紙面より)
矢渕中、相野谷中で再開 (紀宝町 )
新型コロナウイルスの拡大防止策として、約3週間休止となっていた部活動が春休み初日の26日、紀宝町の矢渕中学校と相野谷中学校で再開された。グラウンドや体育館には生徒たちの元気な声が戻り、各クラブの部員たちは仲間と活動できる喜びをかみ締めていた。
県教育委員会から、密閉空間や人の密集など感染拡大を高める条件を徹底的に回避する対策を取った上で実施する―との通知を受けて、同町教育委員会が生徒の体力回復、健康管理などを目的に再開を決めた。春休み中の4月5日(日)までの措置。1日1時間程度で、基本練習が中心となる。手洗い、うがい、屋内練習場所の換気など対策を徹底する。
相野谷中では卓球、軟式野球、ソフトテニス、矢渕中はバスケットボール、バレーボール、卓球、軟式野球、サッカー、陸上、ソフトテニス、柔道、剣道、生活文化、美術、吹奏楽の各クラブが再開した。
初日は矢渕中で陸上、サッカー、軟式野球が順番にグラウンドを使用した。野球部はランニングやキャッチボールで汗を流した。主将の榎本和真君(2年)は「仲間と野球ができてうれしい。5月に延期となっている南勢大会や夏の中体連で勝てるよう頑張りたい」と話していた。
(2020年3月27日付紙面より)
安倍晴明紹介の看板設置 (那智勝浦町 )
南紀くろしお商工会の観光振興部会(明慶勝義部会長)と那智山防災道路委員会は那智勝浦町那智山の熊野那智大社(男成洋三宮司)別宮、飛瀧(ひろう)神社の駐車場付近で安倍晴明を紹介する看板を設置した。
25日に開かれた設置式には同商工会の森川起安会長や向井正樹事務局長、男成宮司、町職員らが出席。花山法皇ゆかりの名刹(めいさつ)である青岸渡寺からは髙木亮英副住職も参加し、那智大社の神職によって神事が営まれ序幕された。
看板は昨年4月に開かれた観光振興部会会議で明慶部会長が発案したもの。那智山には、花山法皇が同所で修行していた際に悪霊の妨害を受けたため、陰陽師(おんみょうじ)の安倍晴明を呼び寄せたという逸話がある。その逸話を記した看板を設置することで那智山の観光誘客につなげることが目的だという。
看板には安倍晴明をイメージしたイラストも掲載されている。同商工会の野上めぐみさんのめいで、女子美術大学に通う後藤午(まひる)さん(20)が描いたという。
男成宮司は「近年、安倍晴明が映画などに取り上げられているため、看板によって若い方々にも興味を持ってもらえるのでは。これを通じて熊野信仰にも関心を深めていただけたら」。
同委員会の塩﨑巍朗(たかお)さんは「那智山には案内表示が少ないと思う。看板設置は本当に良かった」と話した。
森川会長は関係者に感謝を述べ、「安倍晴明が那智山にゆかりがあることは地元や観光客にもあまり知られていない。今回の看板のように、小さなところから見直して周知していくことで、現在減少しているインバウンドも戻ってきていただけると思う」と語った。
(2020年3月27日付紙面より)