新宮ユネスコ協会の中谷剛会長らは24日に新宮市の県立新宮高校(東啓史校長)、25日に県立新翔高校(藤田勝範校長)を訪れ、世界遺産に関する作文の表彰式を開いた。
中谷会長が優秀賞の生徒計9人に表彰状を手渡し「現在、持続可能な社会の実現が目指されているのは平和を維持するためだが、無知や不信によって人間はあっという間に戦争へ向かってしまう。戦争を起こさないためにはどうしたらいいのか、学んだことを高校生活で生かして」と伝えた。
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新宮高校では、1年生が書いた佳作10作品の中から太田真由さん、峯園なのかさん、田中千遥さん、上地白竜君、栗林心音さんの5人が優秀賞に選ばれた。
同校の1年生は毎年、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部である小雲取越ルートを歩く「ロングハイキング」を実施しているが、今年は新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から中止となり、1月に行われた講話の内容を基に作文に取り組んだ。
峯園さんは「選んでいただいて光栄に思います。今後も世界遺産について理解を深めていきたい」と語った。
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新翔高校では、昨年12月に1年生を対象に中谷会長が講話。教育・科学・文化の普及活動を通じた国際平和の構築という国連教育科学文化機関(ユネスコ)の理念や世界遺産の意義を伝え、作文の中から苅屋亜紀さん、道前亜利沙さん、藤野貴輝君、奥平遥さんの4人が優秀賞に選ばれた。
道前さんは「現在、ロシアとウクライナの間で争いが起きているが、人が傷つくことはなくなってほしい。どうしたらもっと平和に、より良く暮らせるのかを考えていきたい」。奥平さんは「世界遺産についてもっと調べてみたいと思った」と話していた。
(2022年2月27日付紙面より)
アドホックが実証実験 (新宮市 )
株式会社アドホック(喜多徳幸代表取締役)は24日、新宮市役所別館で高性能産業用ドローン「Matrice300RTK」を用い、サーマルカメラによる施設点検の実証実験を行った。田岡実千年市長や防災に関係する各課の職員らが見に訪れた。
同市三輪崎で看板制作や土木建築に関わるさまざまな事業を展開する同社が、保有するドローン機材や高性能サーマルカメラを、市の防災や人命救助に役立ててもらいたいとの考えで実施。市の職員らにドローン技術に関する知見を深めてもらうことが目的。
この日は市役所別館前からドローンを飛び立たせ、さまざまな機能を披露。地上約70㍍を飛行しながら直線距離で約1・2㌔離れた建設中の熊野川河口大橋や王子ヶ浜の波打ち際の様子を確認した。搭載したサーマルカメラで市庁舎を撮影し、雨漏りや危険なひび割れがないかどうかの点検もした。
田岡市長は「200倍のズームを行った際の画像のきれいさには驚いた。素晴らしい技術だと思う。今後、消防や防災、建設、施設点検などへの活用法を検討したい」と語る。
熊野川消防出張所の山口博巳出張所長は「遭難した人の捜索や、山火事が起こったときに火種が残っていないかどうかを確認する際に、非常に役に立つと感じた。特に防災ヘリが飛ばせない夜間の捜索に、サーマルカメラが活用できれば」と期待を込める。
喜多代表取締役は「世界一の産業用ドローン。既に人命救助に活用されている実績もあり、おそらく風速25㍍でも安全に飛行できる。災害時の防災拠点の点検の他、獣害対策などさまざまな方面で活用を検討してもらえれば。ぜひ、人を助ける役に立ちたい」と話していた。
(2022年2月27日付紙面より)
申し込み受け付け中、3月3日まで (那智勝浦観光機構 )
例年、町内外から多くの来場者でにぎわう「まぐろ祭り」。今年は新型コロナウイルスの影響から、3月13日(日)に「那智勝浦オンラインまぐろ祭り2022」と題してオンラインで開催される。まぐろ祭り運営委員会事務局(一般社団法人那智勝浦観光機構)では現在、申し込みを開始している。締め切りは3日(木)まで。
機構によると、運営委員会において、従来通りの実施が難しいことから3密を回避しながらの周遊型も検討された。しかし、オミクロン株による第6波の影響から今年1月中旬に周遊型を中止とし、1月末にオンラインでの開催が決定したという。8日には参画希望者向けの説明会を開いた。
今回の催しはマグロを有効的に活用し町全体を宣伝して来町につなげることをテーマとし、参加費は従来通り無料。オンラインの形式はウェブ会議システム「Zoom(ズーム)」による100人以上が参加できるウェビナー型を採用した。
催しの内容はマグロのプロが教える「紀州勝浦産の生まぐろの魅力」や地元鮮魚店からの生中継、那智の滝や温泉施設の紹介のほか、生マグロや町内高級ホテルの宿泊券、特産品などがたくさん当たる抽選会(ランダムに実施)、生マグロ解体ショーと即売会が行われる。
また、当選しなかった参加者でもアンケートに回答すれば賞品が当たる企画も検討中だという。催し終了から約1週間は同町の特産品などが購入できる特設サイトを開設する。さらには半年以内であれば、抽選券を持って来町すると、町内の複数店舗でプレゼントや割引などが適用される「なちかつパスポート」が配布される。
当日はオンラインツアーの本編である第1部が午後2時~3時まで、解体ショー後の生マグロの即売会を第2部とし午後3時~3時30分までを予定。当初、参加者は100人を目標に掲げていたが、25日午後5時現在で484人に上っている。なお、機構の会員制交流サイト(SNS)では日々、賞品や出演者の情報が掲載されるとしている。
清水貞吾理事長は「コロナの情勢から今回のオンライン形式になった。今回開催しなければ、アフターコロナやウィズコロナを見据えた際にさまざまなスタートが遅れてしまう」。
オンラインによるメリットなどについては「人が集まれない中でもオンラインなら可能。データの収集や新規顧客層の獲得はもちろん、多くの検証も行える。従来通りの開催はもちろんだが、情報を各地に発信することが重要。今後のまぐろ祭りにつなげ、観光の裾野を広げるためにも今回の開催には意味がある」と話していた。
申し込みはhttps://homusubijapan.com/maguro2022/。問い合わせは那智勝浦観光案内所(電話0735・52・5311)まで。
(2022年2月27日付紙面より)
市野々小学校で睡眠学習 (那智勝浦町 )
那智勝浦町立市野々小学校(中西健校長)で25日、睡眠啓発授業があった。5、6年生12人が、同町天満の「くまのこころのクリニック」の福戸百合子さんから睡眠の大切さやぐっすり眠るこつを学んだ。
不眠症の患者らと関わる心療内科の立場から、睡眠が心身の発達に及ぼす影響について児童や保護者に知ってもらうことが目的。教育機関との連携を強化する中で精神障害の予防や偏見解消につなげることも視野に入れ、昨年度スタートした。
福戸さんは睡眠にまつわる○×クイズを出しながら、レム睡眠とノンレム睡眠の違いや、睡眠に関係するホルモンである「成長ホルモン」「メラトニン」の効果について説明。「必要な睡眠時間は人によって違うが、6~13歳くらいの人にお勧めなのは、9~11時間」と話した。
「脳を回復させる唯一の方法が睡眠。日本の中学生は世界的に見ても睡眠時間が短く、学年が上がるごとに短くなっていく傾向がある。今睡眠の悩みを抱えている子は少ないかもしれないが、睡眠が当たり前にできなくなると、すごくつらい思いをする。明日を元気に、自分らしく過ごすために、しっかり眠りましょう」と呼び掛け▽寝る前に携帯電話やパソコンを触らない▽ぬるめのお風呂につかる▽朝起きたらカーテンを開ける―などのポイントを伝えた。
村井旭君(6年)は「夜にゲームをすることもあったけれど、もっと早い時間にして、寝る前は他のことをしようと思う」と話していた。
(2022年2月27日付紙面より)
新宮市の熊野速玉大社、那智勝浦町の熊野那智大社、田辺市本宮町の熊野本宮大社で3日、節分行事が営まれた。新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、各大社とも規模を縮小して斎行。疫病退散や除災招福などを祈願した。
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熊野速玉大社(上野顯宮司)では、鬼を払う「追儺式(ついなしき)」と正月に飾ったしめ縄などを燃やす「お焚(た)き上げ(どんど焼き)」があった。3密回避のため、鬼の登場や福豆・お菓子まきは中止とした。
追儺式では、神職や神社関係者らが「福は内」と言いながら豆をまき境内を練り歩いた。お焚き上げでは、参拝者らが御神火がついたたいまつと一緒にしめ縄などを投げ入れた。
毎年、多くの人が求める縁起物の「吉兆(きっちょう)」。今年は追加して製作した分も含めた1200本近くが夕方までに完売したという。
上野宮司は「今年も冬と春を分ける節目の行事を滞りなく終えることができた。新型コロナウイルス感染症が拡大する中、感染対策に協力してくれた多くの人に参拝いただいた。コロナに負けない健康でいい一年でありますよう願っています」と思いを述べた。
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熊野那智大社(男成洋三宮司)は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、鬼追い追儺式を取りやめ。神職のみで節分祭神事を斎行した。
男成宮司が新型コロナの早期終息を祈願し祝詞を奏上し巫女(みこ)らが「浦安の舞」を奉納。神職が天と地に向かって矢を放ち、邪気を払った。
神事を終え、男成宮司は「新型コロナウイルス感染状況を鑑み、追儺式が取りやめとなったことは残念。全国的に感染拡大し、和歌山県にもまん延防止等重点措置が適用される。祝詞にも新型コロナ退散と一年の除災招福の祈りを込めました」と語った。
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熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)では、神職や大社役員らが参加し、節分祭と追儺式を執り行った。神事を縮小し、個包装した豆をまくなどの感染防止対策を講じた。
追儺式では、神職と巫女が豆をまきながら拝殿の回廊を3周。役員と今年厄年を迎える人らが豆をまき、最後に九鬼宮司が黄色(天)、赤色(人)、緑色(地)、そして新型コロナ撲滅を祈りを込めた金色計4本の矢を放ち鬼を追い払った。
九鬼宮司は「コロナ撲滅を祈って4本の矢を納めさせていただいた。一日も早い収束を願うばかり。そんな思いを込めて神事を執り行った」と思いを語った。
(2022年2月5日付紙面より)
「ピンクシャツデー」の活動 (相野谷小 )
カナダで生まれたいじめ反対運動の「ピンクシャツデー」にちなんだ取り組みが3日、紀宝町立相野谷小学校(岩本直樹校長、児童54人)であり、児童たちはピンク色のものを身に着け、「いじめ反対」の意思を示した。
いじめを許さない態度を育てようと、昨年から始まった同校の「ピンクシャツデー」。今年は1月27日の人権集会を皮切りに活動を開始。児童会(石本旬会長)役員6人がいじめと思われる演劇を披露し、各学年でいじめについて考えた。
「ピンクシャツデー」の3日に向け、1年生はピンク色の画用紙に「いじめのない学校にしよう」とメッセージを書き、教室の窓側に掲示した。
2年生は「思いやりを大切にしよう」「悪口を言わない」「友達と仲良くする。相手の気持ちを考える」「いじめをなくそう」などいじめ反対のメッセージを集め、廊下に展示。3~6年生もピンクのリボンなどを身に着けた。
児童会が校内放送で各学年の取り組みを紹介。石本会長は「相野谷小学校でいじめはないと思う。ピンクシャツデーの取り組みは面白かった」と話していた。
(2022年2月5日付紙面より)
高年齢者人材育成セミナー (新宮市 )
新宮市生涯現役促進地域連携協議会は3日、新宮市役所別館で令和3年度企業向けセミナー「生涯現役社会を目指す高年齢者人材活用セミナー」を開催した。市内の企業・事業者・店主が参加。高年齢者雇用アドバイザーで独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構和歌山支部の楠本修一さんが高年齢者活用事例や助成金などを紹介した。
厚生労働省の「生涯現役促進地域連携事業」の採択を受けた同協議会。和歌山労働局の受託事業として、おおむね55歳以上の中高年齢者を対象に就業を希望する人と雇用を希望する企業や事業所のマッチングを行い、中高年齢者の雇用の促進と生きがいづくりの場への参加などの支援を実施している。
少子高齢化が進むわが国では、2040年には2・4人に1人が60歳以上と予想されている。労働力人口の減少と高齢化が進展する中、高齢者でも能力や経験を生かして働ける環境の整備が望まれている。
そういった状況の中、働く意欲がある高齢者がその能力を十分に発揮できるよう、70歳までの就業機会の確保を事業主の努力義務とすることなどを内容とする改正高年齢者雇用安定法が成立。昨年4月に施行された。施行後、60~64歳層の就業率は2012年に57・7%だったのが19年には70・3%に、65~69歳層の就業率は37・1%(12年)だったのが48・4%(19年)に増加傾向にある。
楠本さんは▽70歳就業時代における高年齢者活用事例と助成金▽雇用調整助成金の活用事例と今後の動向―の2本を柱に解説。高齢者雇用の現状や高齢者に係る雇用制度の状況などについて説明し「やりがいのある役割や仕事を提供する」「負担のかからない職場環境をつくる」「短日・短時間勤務制度の構築」など、高齢者が生き生き働ける仕組みをつくることが重要とした。
令和3年度高年齢者活躍企業コンテストで優秀賞となった岩手県のスーパーマーケットや大阪府の建設会社における選択定年制や指導者手当支給などの取り組みを紹介。
65歳超雇用推進助成金(昨年9月に終了)や特定求職者雇用開発助成金など高年齢者の雇用に係る各種助成金、今年4月実施の年金制度改正法のポイントについても説明した。
(2022年2月5日付紙面より)
まん延防止等重点措置適用に伴い (和歌山県 )
和歌山県は3日、県がまん延防止等重点措置を実施すべき区域に追加されたことに伴い、飲食店などに対して営業時間の短縮を要請する。期間は5日から27日(日)まで。対象地域は県内全域。
対象となるのは、食品衛生法上の営業許可を得て営業を行っている店舗(飲食店および遊興施設など)。宅配、テークアウト専門店などは除く。
県新型コロナウイルス感染症予防対策認証施設(以下、認証店)は営業時間を①午前5時から午後9時まで、酒類の提供(持ち込み含む)は午前5時から午後8時、もしくは②営業時間を午前5時から午後8時まで、酒類の提供は終日自粛する。
非認証店は営業時間を午前5時から午後8時までとし、酒類の提供を終日自粛する。
また、飲食の際は同一グループ同テーブルでの使用は4人以内とする。ただし、認証店のうち、対象者全員検査により行動制限の緩和の適用を受けることを県に登録した事業者が全員の陰性を確認した場合は、同一テーブル5人以上の案内も可能とする。
飲食店などに対する協力金は売上高方式で計算。認証店①は1日当たり2・5万~7・5万円、認証店②および非認証店は1日当たり3万~10万円。要請期間中に「営業時間短縮実施チラシ」や「休業実施チラシ」を店舗の外側などに掲示していることなどが条件となる。県は、要請期間の終了後、準備が整い次第申請受け付けを開始する予定としている。
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県は、まん延防止等重点措置区域追加に伴い「県民の皆さまへのお願い」を変更した。
「不要不急の外出を控える」の項目に「営業時間の変更を要請した時間以降、飲食店にみだりに 出入りしない」「混雑した場所や感染リスクが高い場所へ行かない」「感染対策が徹底されていない飲食店などを利用しない」を追加。
「施設管理者は、入場者の整理や利用者の適切な距離の確保を実施」の項目を新設し、「ワクチン接種済みでも気を緩めず、引き続きマスク着用などを徹底」するよう呼び掛けている。
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県のまん延防止等重点措置区域追加の発表を受け、新宮市内で飲食業を営む30代男性は「感染者が出るとお客さんは減るし、通常営業もしにくい雰囲気もある。今回の重点措置は自分としては助かる。今回は国と県が動いてくれたが、各自治体もコロナが広がった場合の対策が必要。生活が困窮している人、コロナの影響で仕事ができなくなった人を支援してあげてほしい」と話していた。
(2022年2月5日付紙面より)
3高校で読書のススメ講座 (新宮・東牟婁 )
帝京大学の学生ボランティアグループ「共読サポーターズ」による「本って面白い!読書のススメ講座」が2日、オンラインで開かれた。新宮・東牟婁地域の県立新宮高校、新翔高校、串本古座高校の図書委員ら12人が参加し、本を読み合い、薦め合い、評し合う「共読」の楽しさに触れた。
和歌山県教育委員会による「読書を楽しむ習慣づくり事業」と、県立高校で図書委員を務める生徒たちによる「生徒図書充実委員会」の交流行事を兼ねて開催した。
「共読」とは、読書で得た情報を共有・交換し合うことで、その価値と効果を相互に高める発展的循環型の読書を指す造語。共読サポーターズは、同大学の読書推進プロジェクト「共読ライブラリー」の一環として2012年から公募で組織され、本と読書の魅力を伝える活動を展開している。
共読サポーターズからは大学3、4年生の5人が出席。月例の活動である企画展示づくりやビブリオバトル、ブックレビュー執筆のやりがいを語り、一人一人が活動を通じて出会った本「ヒーローズ㈱」や「最後は会ってさよならをしよう」などの魅力を紹介した。
大学生の悩みに著名人が本を紹介する形で答える企画「S―MONDO」にも触れ、実際に参加した高校生の悩みに大学生が回答。「自分に自信を付けるには、どうしたらいい?」という問いには「私に、魔法をかけてDisney Princess Rule」を薦め、「自分が思う理想の人に一歩ずつ近づく行動を取ることが大事。ディズニープリンセスの映画の中の行動に、理想の人に近づくエッセンスが詰まっている」と答えた。
新宮高校の谷口日和さん(1年)は「大学生の話を実際に聞けるのは、とても貴重な経験だった。今まで名前は知っていたけれど読んでいなかった『西の魔女が死んだ』を読んでみようと思う。小説が好きで、友達にも本の魅力を伝えたいと思った」と話していた。
(2022年2月4日付紙面より)
サクセムがパンとマスク寄贈 (太地町 )
和歌山県紀の川市に工場を置く菓子製造会社のサクセム株式会社(中里輝茂代表取締役社長、本社=大阪府熊取町)は1日、太地町役場に備蓄保存パン「ライフブレッド」(形状規格外品)300本とマスク1800枚を寄贈した。三軒一高町長は「アルファ米など、毎日同じ非常食を食べるのも難しい。試食したが、味も好評だった。高齢者の方にも喜んでいただけると思う。町の備蓄に加えたいと考えている。本当にありがたい」と感謝を述べた。
2008年に大阪府堺市で青果販売業として創業された同社は14年から洋菓子の製造を開始した。世界中の飢餓に苦しんでいる子どもたちに無償で配布し、救済することを目標に10年の歳月をかけて備蓄保存パン「ライフブレッド」を開発した。その実現を目指して、国連や非政府組織(NGO)との交渉などにも日々、奮闘しているという。
さらに同社は国産カットネギ市場を構築すべく、16年に自社農場で青ネギの栽培を開始。雇用創出も視野に入れ、和歌山県全域で地元農家、JAなどの協力の下、青ネギの委託栽培とカット用青ネギの出荷も行っている。
ライフブレッドはバリアー性の高いアルミ包材を使用し、微生物や水分活性を徹底して管理することで、常温で5年6カ月の保存期間を保証している。
昨年は新宮市に、今年1月に紀の川市と北山村にも寄贈を行っている。この日は中里社長をはじめ、和﨑優子取締役と須﨑重博取締役も同行した。
中里社長は「弊社のパンがどのようなものかを知っていただきたい。機会があれば、大量に配布したいので、各地域でも役立てていただければ」と語った。
町担当職員は「数を見ながら、各避難所などに振り分けたい。太地町は台風の影響を受けやすいため、避難所を頻繁に開設する。その際に皆さまに提供したい」と話していた。
(2022年2月4日付紙面より)
東仙寺で節分星祭 (新宮市 )
新宮市新宮の丹鶴山東仙寺(鶴田隆寛住職)で3日、「節分星祭」が営まれた。厄年の男女が訪れる中、鶴田住職がご本尊・弘法大師の前で護摩供養を行い、信者たちの身体健康や家内安全などを祈った。
同寺は「東海白寿三十三観音霊場」の一番札所。星祭は、人がそれぞれ生まれた年によって持っている「本命星」の巡りが悪い人たちの災いが少しでも和らぐようにと祈る祭りで「星供養」とも呼ばれている。午後5時からは地域住民らが境内に掘られた穴で正月のしめ縄や松飾りなどを焼く「どんど焼き」が行われる。
参列した60代女性=同市蜂伏=は「毎年、足を運んでいます。健康と商売繁盛、当地方でも発生している新型コロナウイルスの一日も早い収束を願いました」。
鶴田住職は「感染対策には日常生活はもちろん、心の中にしっかりとした思いを持つのも大切な予防。どうすれば感染拡大を抑えることができるのか、まずは一人一人、自らの行動を律することから始めるのが重要だと思います」と話していた。
(2022年2月4日付紙面より)
町内7カ所に救援金箱設置 (古座川町 )
古座川町が1日、役場本庁など町内7カ所でトンガ国海底火山噴火災害救援金の受け付けを始めた。期間は3月15日(火)までで、今月2日に防災行政無線などで町内周知を図り協力を求めている。
この災害は、日本時間の先月15日午後1時すぎにあったトンガ沖の海底火山「フンガトンガ・フンガハアパイ火山」の大規模噴火に伴い発災。翌16日午前0時15分、太平洋沿岸に津波警報などが発令されたことで遠く離れた日本でも広く知られるところとなった。
同町にとって被災したトンガ王国は出身者の縁がある国。歴代の農政大臣に名を連ねるシヨタメ・ツトム・ナカオ(中尾勉)さんの父・中尾重平さんは大柳の出身で、船大工としてオーストラリアへ移民後、トンガへと渡り事業家として大成した。生涯望郷の念を抱くも帰郷はかなわず他界。亡き父の思いを継いでツトムさんが1973年11月22日、白浜町で公演をしていた母国の舞踊団を引き連れて来町し、大柳に眠る先祖代々を墓参した後に明神小運動場で町主催の歓迎式へ出席し返礼として舞踊団によるトンガ舞踊を披露して町民約300人が見届けた。
当時児童だった町民は今還暦前後の年齢。今も多くの町民の記憶に残るところで、そのいきさつは国際交流事例の一つとして父・重平さんの生涯と共に町史に刻まれるところともなっている。そのような接点がある国の窮状を受け、町は住民生活課を軸にし町民からの救援金受け付けに動いている。
投票箱を汎用(はんよう)した救援金箱を▽役場本庁▽中央公民館▽保健福祉センター▽役場七川出張所▽役場三尾川(みとがわ)出張所▽役場小川出張所▽七川診療所―に据え、開庁・開館中に随時寄せてもらえればとしている。問い合わせは町住民生活課(電話0735・72・0180)まで。
(2022年2月4日付紙面より)