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2021年11月28日
1 新宮城の魅力が満載
 新宮市の小渕さん、冊子第2弾発行  

 新宮市在住で、元新宮城復元対策委員会委員の小渕伸二さん(72)がこのほど、冊子「国指定史跡 新宮城(丹鶴城 沖見城) 続日本100名城」の第2弾を制作し、発行した。

 新宮城は1633(寛永10)年、紀州藩付家老水野氏により完成。建造物は1873(明治6)年の廃城令を受け、75(明治8)年までに取り壊されている。

 市は1980(昭和55)年に新宮城跡を公有地化し都市公園として整備を開始。2003(平成15)年には城郭跡が国史跡指定を受け、17(平成29)年には「続日本100名城」に選出された。

 冊子は、A5版30㌻。熊野新宮や新宮城の歴史、造り、復元模型写真、「水野新宮城」「浅野新宮城」の想像天守(イラスト)、水ノ手跡の炭納屋倉庫群と港跡、同じく国指定史跡を受ける水野家墓所など、城にまつわるあれこれを紹介。写真の追加など、前作以上にイメージしやすいものとなった。

 さらには新宮城跡の最大の魅力ともいえる「算木積み」「亀甲積み」「屏風(びょうぶ)折れ」の石垣についても写真を用いて分かりやすく解説しており、城跡散策や校外学習などに最適な冊子となっている。

 価格は500円(税込み)。市観光協会や荒尾成文堂で販売されている。

  □     □

 制作協力者は次の皆さん。敬称略。

水島大二(日本城郭史学会委員)

栢木 隆(日本古城友の会)

倉本隆之(郷土史研究家)

隅地 洋(同)

和田利信(熊野市教育委員会)

(2021年11月28日付紙面より)

第2弾となる冊子を発行した小渕伸二さん=26日、新宮市緑ヶ丘の東牟婁振興局(一時的にマスクを外して撮影)
2021年11月28日
2 歩行者天国に熱気
 2年ぶり「タンカクフライデナイト」  (新宮市 )

 新宮市の丹鶴商店街の一部を歩行者天国にした「タンカクフライデナイト」が26日夜、2年ぶりに開催され、約1000人(主催者発表)が露店グルメやステージパフォーマンスを楽しんだ。

 丹鶴商店街振興組合(岩澤祐文理事長)主催で、市の「頑張る商業者団体等活動支援補助金」の補助を受けた事業。会場入り口でマスク着用を呼び掛け、各テーブルに消毒液を設置するなどの新型コロナウイルス感染症対策を取った。

 今年のテーマは「アツアツ大作戦!」。寒い時季の開催ということで、おでんやぜんざい、ビーフシチューなど、地元商店が提供する温かいグルメに行列ができた。

 ステージイベントのスタートとMCは、シンガー・ソングライターの藪下将人さんと藍田真一さんのユニット「ヤブシン」が担当。Team雅龍やDance Crew HAL、SPAなど10団体が出演し、華やかなダンスや音楽で会場を盛り上げた。

 岩澤理事長は「『新宮を動かしていきたい』というみんなの思いを受けて開催した。新型コロナウイルスの流行で、家で過ごすのが普通になってしまっているが、少しずつ外に出ることを当たり前にしていきたい。熊野地方全体ににぎわいを広げていけたら」と話していた。

(2021年11月28日付紙面より)

地元商店のグルメに行列=26日、新宮市の丹鶴商店街
Team雅龍のステージ
2021年11月28日
3 子育て家庭が立ち上がる
 分娩休止の発表受け要望へ  (紀宝町 )

 新宮市立医療センター産婦人科の分娩(ぶんべん)予約休止の発表を受け、紀宝町では子育て家庭が立ち上がり、西田健町長への要望を行うための準備を進めている。結成した「紀宝町ママ友パパ友の会」の会員は26日現在で405人に上る。代表を務める同町井田の山下朋美さんは「子どもたちが里帰り出産できない地域にはしたくない。充実した子育て環境があるからこそ、安心して出産できるようにしてほしい」と訴える。

 紀宝町は新宮市に隣接する地域的事情もあり、これまで多くの妊婦が同センターで出産してきた。発表を受けて、町子育て支援センターを利用する母親たちが「自分たちの声を届けたい、何かできることをしたい」と決意。署名も案にあったが「声を届けるのが先」とスピードを優先し、無料通信アプリ「LINE(ライン)」などを使い、活動に賛同してくれる会員を集めた。数人の団体より、数百人の団体の方が、影響力を与えると考えた。

 同町と御浜町、熊野市の一部事務組合でつくる紀南病院組合立紀南病院(御浜町阿田和)は2015年9月から分娩を休止していることから、紀南病院の分娩再開と、同センターに関しては新宮市への働き掛け、遠方の病院に通うことになる妊婦への町独自の支援を求める。今も会員の声を集めていて、要望項目は今後増える可能性もあるという。

 紀宝町神内の紀宝はぐくみの森では26日、山下さんら会員が集まり、要望案の打ち合わせをした。第4子の出産時に赤ちゃんが同センターへ緊急搬送されたという会員の女性は「命に関わる事態だった。お母さん側が急変した場合、医療センターがなかったらと考えると怖い」と不安を口にした。山下さんは「たくさんの人に協力していただき、感謝している。町に声を届け、自分たちもできることに協力していきたい」と話している。要望書は12月3日(金)に提出する予定。

(2021年11月28日付紙面より)

打ち合わせをする会員ら=26日、紀宝町神内の紀宝はぐくみの森
2021年11月28日
4 前回同様、上がり子中止決定
 熊野速玉大社「御燈祭り」  

 新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)、神倉奉賛会、神倉青年団は26日、御燈祭(おとうまつ)り検討委員会を開き、前回に引き続き「御燈祭り」(来年2月6日)の上(あ)がり子の参加を中止し、前回同様、最少人数の神職と介釈(かいしゃく)のみで神事を斎行すると決定した。

 熊野速玉大社例大祭「新宮の速玉祭(はやたまさい)」と合わせて国の重要無形民俗文化財(重文)の指定を受ける「御燈祭り」は、新年における「火の更新」を意味する勇壮な祭り。毎年、全国から大勢が祭りに参加し、御神火を移した松明(たいまつ)を手に一斉に神倉神社を駆け下りる。

 このたびの決定は、新型コロナウイルス感染症第6波の襲来を案じ、上がり子の健康を最重要視するもの。約2000人の上がり子が山門内に集結する同祭りは長時間の3密状態を避けることは難しく、クラスター(感染者集団)が発生する危険が高くなると予想されることから、やむなしの判断に至った。

 中止の決定に当たり、上野宮司は「全国的にさまざまな感染対策を講じながら少しずつ通常に戻す動きがあるが、同祭りでは山門内の上がり子たちの安全を担保できないことなどから苦渋の決断に至った。再来年こそは従来通り斎行することができれば」と話していた。

 なお、祭り当日は正午から神倉山への入山を制限。翌7日の御燈祭り奉祝祭、餅まきも中止する。

  □     □

■御燈祭り当日の日程

※当日(2月6日)夕刻以降、神倉神社付近への車の参入は避けること

▽午前10時=かがり御供奉製

▽午後5時10分=介釈、神倉神社で修祓(しゅうばつ)の後、熊野速玉大社に向かう

▽午後5時50分=神職、介釈一行同大社を出発して神倉神社に向かう

▽午後6時20分=神倉神社到着

▽午後7時10分=御神火をおこし、神事開始

▽午後7時30分ごろ=大松明を先頭に下山開始

▽午後7時40分ごろ=中ノ地蔵に到着、拝礼

▽午後7時50分=神倉神社社務所に到着。拝礼後、阿須賀神社へ出発

▽午後8時20分=阿須賀神社に御神火を奉安し奉幣を奉る

▽午後8時50分=熊野速玉大社に御神火を奉安し奉幣を奉る

(2021年11月28日付紙面より)

おととしの御燈祭りの様子
2021年11月28日
5 働くことへの意識高める  新翔高で「先輩が先生」  (新宮市 )
2021年11月28日
6 和歌山県から世界各地へ  城南中2年が移民学習  (新宮市 )
2021年11月28日
7 竹原昌男さんに記念品  堀町長ら叙勲受章たたえる  (那智勝浦町 )
2021年11月28日
8 カーブミラーをピカピカに  温故知新の会が清掃作業  (那智勝浦町 )
2021年11月28日
9 ゲームで交流の輪広がる  中央児童館で「おたのしみひろば」  (新宮市 )
2021年11月28日
10 100株のビオラを植栽  新宮商工会議所女性会が美化活動  
2021年11月28日
11 干し柿作りが本番  熊野地方  
2021年11月28日
12 小中学生の力作1400点  紀南児童生徒図画習字作品展  
2021年11月28日
13 和の伝統芸能集う  「丹鶴ホール」に8団体、華やかに  (新宮市 )
2021年11月28日
14 お悔やみ情報
  
2021年11月25日
15 災害に備え、体制構築
 三佐木蜂伏地区でボラセン設置訓練  (新宮市 )

 新宮市社会福祉協議会は21日、三佐木蜂伏地区災害ボランティアセンター(以下ボラセン)設置訓練を実施した。三輪崎・佐野・木ノ川・蜂伏地区の民生委員、福祉委員、各区役員、光洋中学校・新翔高校の生徒、教師ら78人と社協職員11人が参加。有事に備え、ボラセン立ち上げおよび運営に係る流れを確認した。

 ボラセンとは、地域などでボランティアに関する事務を行い、ボランティアの活性化を図る組織。

 2007年より毎年ボラセン設置訓練を実施している市社協では、紀伊半島大水害(11年)当時、ボラセン立ち上げや被災世帯への支援活動に生かすことができた教訓を基に、住民主体の「災害時にも強い地域づくり」構築のために当該訓練を実施。今回は新型コロナウイルス感染拡大予防の観点から住民らの参加を取りやめ、三輪崎・佐野・木ノ川会館の3会場をリモートでつないで訓練に取り組んだ。

 訓練開始に先立ち、佐野会館では前田道春区長が「最近、新型コロナに気持ちが向いているが大規模災害は必ず来る。その際は後方支援に回っていただけるよう訓練を」。

 市社協の大谷康央事務局長は「リモートで会場を三つに分散しての訓練は初の試み。訓練をすることによって地域につながりができ、有事の際に力を発揮できると思っている」とそれぞれあいさつ。

 紀伊半島大水害DVDを視聴したほか、和歌山県社会福祉協議会の南出考さんが「講話・災害ボランティアセンターについて」と題し講話した。

 訓練では、3日前の午後3時に紀伊半島沖を震源とするマグニチュード8・0、震度7強の地震が起こり、地震による家屋の倒壊(三輪崎・佐野・木ノ川・蜂伏)や津波による浸水被害(三輪崎・佐野)、土砂災害(木ノ川・蜂伏)が発生。道路も寸断されているといった状況を想定し、ボラセン設置に取り掛かった。

 各会館入り口で受け付けを済ませた参加者らはそれぞれ班に分かれ、活動の留意事項の説明を受けた後、ボランティア依頼内容に沿って必要な資機材や車両を調達。

 コロナ禍の状況の中、実際に被災者役の自宅への訪問は取りやめとし、活動報告書を基にグループワークを展開した。活動状況と活動継続の有無をスタッフに報告するなどして一連の流れを確認。有事に備え体制の構築を図った。

(2021年11月25日付紙面より)

ボランティア依頼内容に沿って必要な資機材を調達する参加者ら=21日、新宮市佐野
依頼内容を受け、班のリーダーを決定した
2021年11月25日
16 感染症対策の装備充実
 高規格救急車を配備  (那智勝浦町消防本部 )

 那智勝浦町消防本部は22日、同本部庁舎で高規格救急車の配備式を開いた。今回の救急車は新型コロナウイルスをはじめとする感染症予防対策強化が図られた構造となっており、高規格救急車は3台目。堀順一郎町長から湯川辰也消防長にキーのレプリカが渡された。

 配備された救急車はトヨタ製の四輪駆動車。全長5・66㍍、幅1・89㍍、高さ2・5㍍。総排気量2693㏄。定員は7人。

 他の車両と比較し、同車両は▽ストレッチャー架台が洗浄可能▽傷病者室にオゾン発生装置およびオゾンガス濃度計が設置▽運転室と傷病者室の間に間仕切り設置―などを備えている。

 さらに救急救命士による心肺機能停止傷病者への器具を用いた気道確保などの特定行為だけでなく、適切な救命処置をしながら医療機関へ搬送するために傷病者室は広さを確保しているという。

 新型コロナウイルス関連緊急事業で車両と積載する資機材が整備され、総事業費は3322万円。

 堀町長は「さまざまな救命に役立つ車両や資機材の導入により、コロナを心配する患者さまなどにも安心して乗車いただける。各業者さまにも感謝しております。消防職員の皆さまも安心して業務に取り組めるのではないかと思います」。

 湯川消防長は「コロナ禍の中、感染対策を強化した高規格救急車の配備、誠にありがたい。改めて、感染症対策の徹底を図るとともに日々、訓練を重ねて町民の安心安全を守るために職員一同、一丸となって取り組んでいきます」と感謝と抱負を述べた。

(2021年11月25日付紙面より)

感染症対策を強化した高規格救急車が配備された=22日、那智勝浦町消防本部
職員から車両の説明を受ける堀順一郎町長
2021年11月25日
17 図書館で過ごす一日
 「本気フェス」にぎわう  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町立図書館は23日、同館駐車場で「本気(マジ)フェス~本とラクガキと~」を開催した。古本市やさまざまなワークショップが催される中、多くの家族連れや図書館ファン、読書愛好家でにぎわった。

 同図書館が主催する地域交流イベントの一環で昨年に引き続き2回目。本と図書館を通して交流を図ってもらうことが目的で、催しを通して図書館に足を運んでもらうきっかけづくりも兼ねている。

 好天に恵まれたこの日、駐車場には一般人が当日だけの古本店主となる「一箱古本市」が並んだほか、「しおりづくり」「読書手帳づくり」「新聞エコバッグ」の各種ワークショップも開催。駐車場地面を開放して実施された「ラクガキであそぼ」では、子どもらが色とりどりのチョークを用いて地面にお絵かき。会場は真剣な表情で古本を選ぶ大人や、工作などに熱中する子どもらの姿であふれた。

 図書館関係者は「新型コロナウイルス感染症の影響で交流イベントがなかなか開催できない状況が続いた。現在、感染状況が少し落ち着いている中、感染対策を講じながら開催することができた。図書館、ボランティアの皆さん、古本店主さん、ご来場された方々。みんなが楽しいと感じていただけるとうれしいです」と話していた。

(2021年11月25日付紙面より)

多くの家族連れや読書愛好家らでにぎわった=23日、那智勝浦町立図書館
さまざまなワークショップが開かれた
2021年11月25日
18 恵みに感謝し終息願う
 熊野那智大社で新嘗祭・献穀講祭  

 那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)は23日、「新嘗祭(にいなめさい)・献穀講祭(けんこくこうさい)」を営んだ。

 新嘗祭は古くから伝わる宮中儀式の一つで、天皇陛下がその年にとれた五穀を神々に供え、自身も食して収穫を感謝する祭り。

 同大社でも神前に新しい穀物などをささげ、農作物の恵みに感謝した。責任役員や町内の農家からなる献穀講員ら26人が参列し、五穀豊穣(ほうじょう)を祈った。

 祭りでは男成宮司が祝詞を奏上し、正装した2人の巫女(みこ)が「浦安の舞」を奉納した。献穀講代表の太田博久さんらが玉串をささげた。

 太田さんは「新型コロナウイルス終息と紀伊半島大水害からの早期復興を願っています」と語っていた。

(2021年11月25日付紙面より)

恵みに感謝し、終息や早期復興を願った=23日、那智勝浦町の熊野那智大社
巫女が浦安の舞を奉納
2021年11月25日
19 リアルが優勝果たす
 那智勝浦町総体軟式野球  
2021年11月25日
20 優勝は速水さん、山崎さん
 グラウンドゴルフかつうら大会  (県年金受給者協会 )
2021年11月25日
21 28チームが熱戦展開
 新宮市スポーツ祭典バドミントン競技  
2021年11月25日
22 串本JFCが全国大会へ
 新宮、王子、アルマは敗れる  (全日U―12サッカー和歌山県大会 )
2021年11月25日
23 1位に野中誠一さん  写連紀南支部11月例会  
2021年11月25日
24 地域の仕事や仕組み学ぶ  三輪崎小3年生が社会科校外学習  (新宮市 )
2021年11月25日
25 総合的な治水対策推進目指し  熊野川改修促進期成同盟会が要望活動  
2021年11月25日
26 私たちにできることは?  王子ヶ浜小で認知症学習  (新宮市 )
2021年11月25日
27 税を知り、身近に感じる  近大新宮で税の作文表彰  
2021年11月25日
28 コロナ収束や地域の安寧願う  廣津野神社例大祭  (新宮市 )
2021年11月25日
29 熊野姫まつりに向け研さん  藤紀流藤紀和会  (那智勝浦町 )
2021年11月25日
30 メッセージ託して協力求む  強調月間で巡回活動隊員ら  (子供・若者育成支援 )
2021年11月25日
31 5作目のリリースなど報告  嶋幸二さん田嶋勝正町長に  (串本町 )
2021年11月25日
32 平和求める決意ささげる  古座地区で戦没者慰霊祭  (串本町 )
2021年11月25日
33 小中学生8人推奨本アピール  ビブリオバトル古座川町大会  
2021年11月25日
34 俳句の楽しさ伝える  夏井いつきさん「句会ライブ」  (熊野市 )
2021年11月25日
35 災害対応ゲームで学ぶ  防災研修や授業参観  (矢渕中 )
2021年11月25日
36 6競技で熱戦繰り広げる  南郡・熊野市スポ少地域交歓大会  
2021年11月25日
37 お悔やみ情報
  
2021年11月09日
38 虹を浴び、光り輝く年に 熊野本宮大社で絵馬完成 

 田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)で8日、来年のえと「壬寅(みずのえとら)」の大絵馬と小絵馬が完成した。大絵馬は12月2日(木)に、大しめ縄と共に大社神門に掲げられる。

 スギ材などで作った大絵馬は、横232㌢、縦117㌢。九鬼宮司が8月半ばごろから構想を練り、制作に着手した。太陽を背にした白虎が、先を清眼として見据える構図で、全体を包み込む形で虹を描いた。

 「人々が未来に向かって進み、皆にとって光指す一年であるように」と思いを込め、「一筋の道」と「光」の文字を揮毫(きごう)した。

 新宮、白浜、紀伊田辺、周参見のJR各駅に掲げる小絵馬には、同じく太陽を背に先を見据える虎の姿。それぞれのまちのキャッチフレーズから印象的な単語を抜粋し、そこから着想を得た色で「蘇」の文字を書き入れた。

 新宮駅には24日(水)、紀伊田辺、白浜、周参見駅には26日(金)に授与する。旅の安全を願い、南紀白浜空港にも大絵馬を贈る予定。

 九鬼宮司は「新型コロナウイルス感染症の影響で多くの人の生活が一変した。今年もコロナ禍の中で年を越すが、来年こそは自分の歩む道が定まり、虹を浴びながら光輝く一年であってほしい」と絵馬に込めた思いを語った。

(2021年11月9日付紙面より)

「光輝く一年に」。絵馬を完成させた九鬼家隆宮司=8日、田辺市の熊野本宮大社瑞鳳殿
2021年11月09日
39 「佐藤春夫から中上健次へ」 コーナー開設記念し公開講座 (熊野大学)

 新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」で6日、市立図書館中上健次コーナー開設記念公開講座「佐藤春夫から中上健次へ―日本近代文学の百年」があった。熊野大学(松本巌理事長)主催。文芸評論家の高澤秀次さん、市立佐藤春夫記念館の辻本雄一館長、中上健次(1946~92年)の長女で作家の中上紀さんが、新宮が生んだ2人の文豪について講話した。

 「試験もない、校舎もない、校則もない。誰でもいつでも入学でき、卒業は死ぬ時」という熊野大学は1990年、中上によって設立。中上の逝去後は、遺志を受け継いだ有志たちが中心となって活動を続けている。

 中上が亡くなった月でもある8月のセミナーには例年、墓参りも兼ねて全国から多くの中上文学ファンが熊野地方を訪れるが、台風や新型コロナウイルスの影響で3年連続の中止に。

 このたびは市文化複合施設の完成に伴い新図書館に「中上健次コーナー」が新設されたことを記念し開催に至った。

 開催に当たり、松本理事長は生前の中上との交流や、熊野大学設立の経緯などを説明し「立派な施設と、立派な中上健次コーナーができた。健次のことを広く知ってもらえることをありがたく思っている」。

 紀さんは同コーナーの概要を紹介。「コーナーに近づくと生前最後の映像といわれるビデオが流しっぱなしとなっており、誰でも映像で健次の姿を見て声を聞くことができる。健次も喜んでくれていると思う。今日はセミナーではないが、3年ぶりの熊野大学の発信。短い時間だが皆さんと一緒にどっぷりと空気に浸りたい」とあいさつした。

 来年2022年は春夫(1892~1964年)が生誕して130年、中上が逝去して30年を迎える。辻本館長は「芥川賞を受賞する前、健次は『佐藤春夫のばい菌が満ちあふれている』と小説を書くきっかけについて話していた。文学的な風土がある、と。2人の文学は新宮と熊野の風土や歴史と深い関わりがあったのでは」と言及。

 「健次が亡くなった時、『近代文学は終わった』という言い方を報道などでよく目にした。春夫と健次の間の100年は近代文学の100年にぴったり重なるが、健次は近代文学そのものを批判して物語を展開していたと思う」と見解を述べた。

 高澤さんは「日本近代文学を2人に象徴させて語ることは決して奇抜な方法ではない」と述べ、日本近代文学の歴史について説明。中上の著書「枯木灘」について文学評論家の江藤淳(1932~99年)は「この作品によって自然主義文学の理想は達成された」と評価したと紹介した。

 また、主人公が被差別部落出身であることを告白したのちテキサスに渡るまでを描いた島崎藤村の「破戒」に関して「中上はカミングアウトして逃げていると、新宮の地で批判を展開した。そのことは日本近代文学に放った第一の矢だと思っている。物語と小説の関係性を問いただした作家であった」。

 春夫については「当時の日本文学の最前線だった。日本の自然主義文学から逸脱したモダンで実験的な小説を書いた」と評価。熊野地方から大石誠之助をはじめとする6人が連座した「大逆事件」(1911年)以降、日本文学は大きく方向転換したとし「(2人は)近代文学を問いただした作家であり、難関を突破し難関(『大逆事件』)を前にたじろいだ作家」であると述べた。

 また、中上が春夫に対し「『大逆事件』を回避している。熊野を真正面から書いていない」と批判したことに対し「佐藤春夫というターゲットがいなければ展開されなかった」と言及。

 対し辻本館長は、春夫の短編「砧(きぬた)」では直接「大逆事件」に触れてはいないものの、「大塩事件」(大塩平八郎の乱)の熊野に与えた影響が述べられているとし「『大逆事件』の後遺症の影が投影しているのでは」と話した。

(2021年11月9日付紙面より)

高澤秀次さん(右)と辻本雄一・市立佐藤春夫記念館長が2人の文豪を論じた=6日、新宮市の「丹鶴ホール」
熊野大学公開講座の様子
中上紀さん
2021年11月09日
40 平和な未来に歩み誓う
 コロナで延期の成人式に75人  (熊野市 )

 熊野市は7日、成人式を催した。対象の新成人は154人。うち75人が参列した。りりしい背広姿や華やかな振り袖姿で会場の熊野市民会館=木本町=に集い、旧知の友人たちとの再会を喜び合いながら、成人として恥じない行動とこれからの活躍を誓い合った。

 紀北町から紀宝町までの2市3町の成人式は、コロナ禍の影響で全てが11月に延期。熊野市も例年なら1月3日に開催していたがこの日、感染拡大防止のために簡素化して東紀州地区トップの開催となった。中村天音(あまね)さん(21)=2015年、木本中卒=が司会を務め、倉本勝也教育長は式辞の中で、これまでとは違った形の式の開催に理解を求めながら、「自分や家族など大切な人や地域の人を守るため、コロナ感染防止の行動を」と注意を促した。

 河上敢二市長は高校生時代に何度か熊野を訪れ、大リーグ・エンゼルスでも投打二刀流の大活躍で人気沸騰の大谷翔平選手を例に、「夢に向かって努力を。夢はかなうものではなく、かなえるもの。努力すれば夢が近づく」と述べ、人生の大海原にこぎ出す若者たちを激励した。

 新成人を代表して濵中良輔さん(21)=15年、有馬中卒=が誓いの言葉。育ててくれた両親、家族、友人、先生方、地域の人々の温かい支えに感謝しながら、「将来は教師として、大好きな熊野市に恩返ししたい」と希望を語り、「新成人として感謝と思いやりの心を忘れず、平和な未来に向かって歩んでいく」と誓った。

 式後は校区別に記念写真の撮影。市民会館前でも友人同士が互いに写真を撮りながら、話に花を咲かせていた。無事に司会を終えた中村さんは「緊張した。仲の良い友達が来られなくて残念だった」と振り返った。

(2021年11月9日付紙面より)

国歌を斉唱する新成人=7日、熊野市木本町の市民会館
誓いの言葉を述べる濵中良輔さん
2021年11月09日
41 津波想定し高台へ避難
 那智勝浦町で統一津波避難訓練  

 那智勝浦町は6日、「令和3年度町内統一津波避難訓練」を町内各地で実施した。今回は町内19地区が参加。発生が懸念される南海トラフ巨大地震を想定し、住民らは津波から身を守るため高台などに避難した。

 2014年に和歌山県が発表した同町の被害想定の死者数は、南海トラフで1万1700人、三連動地震で5200人。さらに津波避難困難地域に指定される地区が多いことから町では避難路整備や津波避難タワーの建設などを進めてきた。

 訓練は発災時に「必ず避難行動を取る」「情報の伝達」「避難所運営」などの行動を住民が実行できるように取り組んでいるという。八反田地区では自主訓練のみ行った。

 訓練では南海トラフ巨大地震が発生し、震度6弱~7でマグニチュード9・1を想定。午前9時3分に訓練を告げるサイレンと放送が行われた。

 参加した勝浦四区の住民は、町立勝浦小学校敷地内に造成された高台へ避難した。この高台はかさ上げと造成によって4000平方㍍の平地が確保されており、災害時には多くの町民が避難できる。今年7月から着工し、同校が夏休み期間中に工事が進められた。訓練での使用は今回が初めて。

 この日は勝浦六区も同校敷地内で実施。町内3カ所に一時避難することになっている同区はその内の1カ所として避難を行った。

 四区では避難した区民の受け付け後、発電機の使用訓練や町災害対策本部への情報伝達訓練に取り組んだ。区民にはハザードマップや非常用持ち出し袋に備蓄する必要物のリスト、避難カードなどが配布された。

 同区防災部長を務める梶信隆さんは「災害はいつ発生するか分からないので心構えが必要。まずは避難することを念頭に置いてほしい」。

 楠本修一区長は「常に防災意識を持って日常生活を送ってほしい。そのための訓練」と語った。

 なお、この日は町民が964人、町職員6人、新宮警察署から3人が訓練に参加した。

(2021年11月9日付紙面より)

高台へ避難する住民ら=6日、那智勝浦町立勝浦小学校敷地内
避難した区民の受け付けなどを行った
2021年11月09日
42 野菜摂取など測定機会提供  道の駅で健康増進イベント  (串本町 )
2021年11月09日
43 選手27人の登録得て初動  ジュニア駅伝チーム結団  (古座川町 )
2021年11月09日
44 8校7組が演奏響かせる  串本で2年ぶりにつどい  (紀南地区吹奏楽連盟 )
2021年11月09日
45 新宮城跡を英語で案内しよう  英会話とガイドの知識吸収  (新宮市 )
2021年11月09日
46 こども食堂再開に向け寄贈  木原造林がクローバーの家に  (新宮市 )
2021年11月09日
47 元気いっぱい種目に挑戦  たづはら保で運動会  (新宮市 )
2021年11月09日
48 豊富な出店でにぎわう  太田の郷でフリーマーケット  (那智勝浦町 )
2021年11月09日
49 劇や落語で成長見せる  市小ふれあい祭り&秋祭り  (那智勝浦町 )
2021年11月09日
50 育てたサツマイモを収穫  秋空の下で芋掘り大会  (成川保 )
2021年11月09日
51 5カ月ぶりに集いの場再開  鵜殿地区で「かわりない会」  (紀宝町 )
2021年11月09日
52 お悔やみ情報
  
2021年11月05日
53 関係機関の連携強化
 「世界津波の日」前に合同訓練  (新宮市 )

 「世界津波の日」(11月5日)を目前に控えた3日、新宮市佐野の新宮港緑地で、令和3年度新宮市総合防災訓練を実施した。16機関から約200人が参加。さまざまな訓練を通し、大規模災害に対する連携強化を図った。

 「世界津波の日」は2015年12月に国連総会で制定。安政元(1854)年11月5日に、安政南海地震による津波が現在の和歌山県広川町を襲った際、濱口梧陵が稲むらに火を付け、津波から逃げ遅れた村人を高台へ導いて多くの人の命を救った逸話「稲むらの火」にちなんでいる。

 訓練に参加したのは▽近畿地方整備局紀南河川国道事務所▽田辺海上保安部串本海上保安署▽関西空港海上保安航空基地▽陸上自衛隊第37普通科連隊▽近畿管区警察局和歌山県情報通信部機動警察通信隊▽和歌山県警察本部広域警察緊急援助隊▽新宮警察署▽和歌山地方気象台▽東牟婁振興局▽県防災航空隊▽株式会社POS▽NPO和歌山災害救助犬協会▽新宮市▽市消防本部▽市立医療センター▽市水道事業所。

 訓練は、和歌山県南方沖で震源の深さ約10㌔、マグニチュード8・6と推定される地震が発生し、市では震度6強を観測。県には地震による大津波警報が発表されたほか、県内全域で家屋の倒壊や火災が発生し、橋や道路の損壊、土砂災害、交通・通信・電力・ガス・水道などの施設機能がまひ。救援活動が妨げられ、多数の死傷者が発生したとの想定の下実施された。

 沿岸部では津波による港湾施設が損壊、家屋・船舶が流失し、行方不明者が多数出ているとの情報を受け、田岡実千年市長が災害対策本部を設置。出動要請を受けた各機関が情報伝達や海上被害調査、漂流者救助、炊き出し、給水、医療救護活動、救出救助、消火などの訓練を行った。

 夜間の災害発生を見据えた照明車と排水ポンプ車との合同訓練や、災害派遣医療チーム(DMAT)と警察、消防などが連携して治療の優先順位を決める「トリアージ」、検視活動、中高層建物屋上に取り残された要救助者をヘリで引き上げる高所救助活動などもあり、緊迫した空気の中、実践さながらの訓練が展開。なお、訓練は当初、市民参加型を想定していたが、コロナ禍の状況を踏まえこれを断念。当日の様子は動画投稿サイトでライブ配信された。

 訓練を終え、竹田和之・総務部防災及び危機管理担当兼防災対策課長は「各機関とも他の機関と連携を密に、スムーズに訓練を行えていた」などと講評。「人命を第一に考え、日頃から連携を密にし迅速に活動ができるよう、今後も訓練に励んでほしい」と呼び掛けた。

 田岡市長は「コロナ禍においても自然災害は待ったなし。どのような状況下においても対応できるよう、さらなる防災意識の向上を図るとともに、有事に耐えうる備えを常にしておかなければならない」と締めくくった。

(2021年11月5日付紙面より)

各機関が救出救助などそれぞれの訓練を実施した=3日、新宮市佐野
市消防本部による消火活動の様子
2021年11月05日
54 佐藤春夫の遺徳しのぶ 関係者らが「筆供養」 (新宮市)

 「文化の日」の3日、新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」敷地内の佐藤春夫筆塚前で、令和3年度佐藤春夫「筆供養」が営まれた。新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から規模を縮小して実施。関係者ら約30人が参列し、使い古した筆を供養するとともに春夫の遺徳をしのんだ。

 公益財団法人佐藤春夫記念会(舩上光次代表理事)と新宮市教育委員会(速水盛康教育長)が主催。2015年まで旧市民会館前の「筆塚」で営んでいたが、文化複合施設建設工事で一時撤去したことから会場を変更して開催。筆塚前で実施するのは6年ぶりとなる。

 「筆塚」は1966年、新宮ライオンズクラブが市民会館前に建立。揮毫(きごう)は春夫の親友だった堀口大學が行い、佐藤千代夫人と堀口夫妻らが除幕した。塚の中には春夫愛用の毛筆と万年筆が納められている。

 式典では、1951年、春夫が59歳の時に作詞し、文化の日に制定された新宮市歌が流れる中、舩上代表理事が進行役を務めた。

 田岡実千年市長は「佐藤先生の筆塚、西村伊作先生の正門、村井正成先生の壁画は、文化の殿堂としての風格を丹鶴ホールに与えてくれている。今後も筆供養の式典を通じ文化の向上を願い、その発展に努めていきたい」とあいさつ。

 市立佐藤春夫記念館の辻本雄一館長は「久しぶりに筆塚の前で供養できてうれしい。来年は春夫生誕130年、そして中上健次が亡くなって30年を迎える。小さいまちから近代文学を代表する2人の人物が出たということは近代文学に興味のある人々の関心を引くところで、このまちの歴史と風土が育んだものでは」。また、中国の近代文学者・魯迅を日本で最初に紹介したのは春夫であったことなどについて話した。

 茶道裏千家淡交会南紀青年部の谷口宗尚さんの献茶に続き、参列者らが春夫の写真の前に筆を供え遺徳をしのんだ。

 式典の後には、辻本館長による「佐藤春夫パネル展」(3日で終了)の展示解説もあった。

(2021年11月5日付紙面より)

谷口宗尚さんが筆塚前に献茶した=3日、新宮市の「丹鶴ホール」
2021年11月05日
55 打ち上げの実感を得る 串本中でロケット教室 (県宇宙教育研究会)

 串本町立串本中学校(濱﨑和司校長)の1年生39人を対象にしたロケット教室が2日にあり、生徒はモデルロケット「アルファⅢ」の製作と打ち上げに取り組んで実感を得るなどした。

 この教室は、県宇宙教育研究会(会長=笹井晋吾・県立桐蔭高校長)指導の下で実施。同研究会はこれまで社会教育の範囲で重ねてきた実績を学校教育へ取り入れるべく本年度、串本中と串本西中の協力を得て試行することとしている。

 その第1号事例となったのがこの日の教室。同研究会の事務局長で生徒が発射ボタンを押す指導ができる藤木郁久教諭(桐蔭高)と会員の太田昇教諭(串本中)が対で講師を務め、5時間目に製作、6時間目に打ち上げを当てはめる形で指導した。

 生徒は同校体育館で講師と合流し、ロケット(スペースシャトル)の打ち上げ映像を交えてこれから挑戦する事柄のイメージを得つつ、2人一組でモデルロケット1基を組み上げた。

 その後、望楼の芝へ移動して計19基を専用の発射台から打ち上げ。一部点火不良があったが、仕切り直して全ての打ち上げが成功した。

 生徒の一人、和田久朋那さんは「1から10まで自分たちで作ったモデルロケットの打ち上げが成功してすごく感動した。もうすぐ小型ロケットの打ち上げが始まるけど、絶対見に行きたいという気持ちになった」とコメント。他の生徒も仲間の打ち上げをカウントダウンで後押しし、上空でパラシュートが開くと歓声を上げ落下するモデルロケットを追い掛けるなど打ち上げに強く興味を示していた。

 太田教諭は当初4人一組でモデルロケットを作る予定だったが同研究会の支援で2人一組にできたことを生徒に伝え、「一人でもロケットを勉強してみようかなと意義を感じてもらえたら(同研究会は)うれしい」と期待を寄せて同教室を締めくくった。

 串本西中では2年生12人を対象にし、9日(火)に実施予定。同研究会は12月4日(土)に県立潮岬青少年の家で小学生対象のロケット教室を開く予定で、藤木教諭は近々学校経由で知らせるので親子で参加してほしいと話していた。

(2021年11月5日付紙面より)

モデルロケットを打ち上げる串本中1年生=2日、串本町潮岬
2021年11月05日
56 じゃばら収穫がスタート
 例年よりやや少ない100㌧見込む  (北山村 )

 日本唯一の飛び地の村、北山村で4日から、特産品「じゃばら」の収穫が始まった。女性たちが色づいたものを枝切りばさみで丁寧に切り取り籠へと入れていった。今年の収穫量は例年に比べてやや少ない約100㌧の見込みで、作業は12月中旬まで続く予定となっている。

 じゃばらは温暖多雨な気候で寒暖差が大きい同村の自然条件が生み出したかんきつ系の果実。紀州みかんやユズの自然雑種とされており、江戸時代から村に分布したと伝えられている。名前は「邪(じゃ)を払う」からきているという説がある。サイズはテニスボールほどで、疲労回復に良いとされるビタミンAとC、風邪予防に効果があるカロテンを含むなど栄養価に優れ、皮には抗アレルギー作用があるフラボノイド成分が多く含まれている。

 じゃばらは株式会社じゃばらいず北山と村じゃばら生産協同組合に加盟している農家33戸の計8㌶ほどの畑で約5000本を栽培。生しぼりやジュース、ポン酢、ジャム、シャーベットなどさまざまな商品に使用されている。

 北山振興株式会社じゃばら農園管理責任者の宇城公揮さん(45)は「小ぶりなサイズもありますが、適度な雨にも恵まれて例年と変わらない大きさに成長させることができた。実もきれいで、品質の良いものが育ちました」と話していた。

 予約はインターネットや電話で受け付けている。問い合わせは、じゃばらいず北山(電話0120・928・933)まで。

(2021年11月5日付紙面より)

丁寧にじゃばらを収穫する地元農家=4日、北山村
2021年11月05日
57 新宮市展、にぎわう  2日にわたり「丹鶴ホール」で  
2021年11月05日
58 差別のないまちづくり目指し  町内5カ所で人権・同和啓発  (那智勝浦町 )
2021年11月05日
59 本紙エリアで7人受章  令和3年秋の叙勲  
2021年11月05日
60 種の観察に取り組む  三尾川小でクマノザクラの授業  (古座川町 )
2021年11月05日
61 新種のエビの飼育展示始める  トゲツノミナミロウソクエビ  (串本海中公園センター )
2021年11月05日
62 坂ミツさん5日に満百歳  家族や町長訪ね長寿祝う  (古座川町 )
2021年11月05日
63 楽しみながら防災意識高める かるたとすごろくに挑戦 (鵜殿小)
2021年11月05日
64 弓神事や手踊りなど奉納  町内各地区で秋の例大祭  (紀宝町 )
2021年11月05日
65 元気にリレーやダンス  新宮市立3小学校で運動会