新宮ガスと協定締結 (新宮市消防本部 )
住宅防火の推進を目的に、新宮市の新宮ガス株式会社(永井健一代表取締役社長)と市消防本部(内野井愼搾消防長)は25日、「火災予防啓発の連携に関する協定」を締結した。ガス会社と消防による官民一体の協定は県内初。共同で作製したリーフレットを市民に広く配布するなどして、住宅用火災警報器の普及や取り換え促進の啓発などに取り組む。
市消防本部によると、建物火災による死者のうち、約9割が住宅火災によるもので、約6割を占める一番の要因は「逃げ遅れ」。住宅用火災警報器は煙や熱を関知して警報音などで知らせ、早期の消火や逃げ遅れ防止に役立つことから、2006年に新築住宅、11年に既存住宅への設置が義務付けられた。
設置から約10年での取り換えが推奨されていることから、交換間近、または交換期限を過ぎた機器の更新が課題となっている。設置率は全国82・3%に対し、新宮市は75・0%と大きく下回っている(昨年6月1日現在)。
新宮ガスでは2010年から住宅用火災警報器を販売し、交換期限の管理や交換時期の案内などに取り組んでいる。親会社である大阪ガス株式会社が各自治体と協定を結んでいることから、このたびの締結に至った。
協定調印式は新宮ガス本社で行われた。永井社長は「地域と共に歩むガス会社として、地域の方々の安心安全を守ることは一つのミッション。火災予防は大きな柱だと考えます。高齢化が進む中、より良いサービスを提供していきたい」。
内野井消防長は「新宮ガスさんの申し入れはありがたい。連携して設置率を上げ、死亡率の低下に取り組んでいきたい」と意気込みを語った。
協定締結により、新宮ガスでは火災警報器が適切に作動するよう、維持管理や取り換えの必要性を広く市民に呼び掛ける活動を展開していく。他にも、設置状況に係る情報交換や火災予防啓発にも取り組む。ポスターも作製し、市内の掲示板などに掲示する。
(2020年3月26日付紙面より)
ツイッターキャンペーンも (紀宝町ウミガメ公園 )
紀宝町井田の道の駅「紀宝町ウミガメ公園」内にあるウミガメ飼育棟の改修工事が完了し、25日にリニューアルオープンした。現在、営業時間を短縮中だが26日からは午前9時から午後5時までの通常営業に戻る。
約1カ月かけて大・小プール内をペンキ塗装し、水温を調節するチリングユニットを交換する工事を行った。24日には新しく生まれ変わったプールにアカウミガメ、アオウミガメ、タイマイなど6頭を仮設プールから移動させた。
リニューアルを記念しツイッターの「フォロー&リツイートキャンペーン」を始めた。4月10日(金)までにツイッターでウミガメ公園をフォローかリツイートすると抽選でウミガメ人形が10人に当たる。
飼育員の伊藤柊也さんは「新型コロナウイルスが落ち着いたら、ぜひ遊びに来てください」と呼び掛けている。
(2020年3月26日付紙面より)
ランドセルカバーなどを贈呈 (交通安全協会新宮支部 )
和歌山県交通安全協会新宮支部(田中肇支部長)の清水重延副支部長は24日、那智勝浦と太地の町教育委員会や役場を訪れ、新年度に入学する児童に贈る交通安全用のランドセルカバーや新入園児への巾着袋を贈呈した。
毎年、春の交通安全運動期間を前に実施している事業で、新生活を迎える児童・園児や保護者の交通安全意識の高揚を図るのが目的。管内16校と支援学校1校の新入学児童322人、幼稚園・保育所(園)など25カ所の新入園児368人分を用意した。
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那智勝浦町では小学校6校81人、保育所(園)・子ども園8カ所96人分を配布した。
贈呈を受けた岡田秀洋教育長は「願いが込められた寄贈に感謝しています。黄色いカバーを見掛けたときには慣れない1年生がいると認識していただき、温かく見守ってほしい」。清水副支部長は「運転者に新入児童や園児だということを認識してもらうのが目的。カバーを着けていることで、子どもたちや保護者の方々にも改めて交通安全への意識を高めてもらえれば」と語った。
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太地町では、町教育委員長室で清水副支部長が宇佐川彰男教育長に、児童16人分のランドセルカバーと園児10人分のミニ巾着を手渡した。
宇佐川教育長は「子どもたち皆が喜んでくれるでしょう。交通安全を意識し、楽しく通園、通学してくれたらうれしい」と感謝した。清水副支部長は「不慣れな新しい通学路で、これを付けていれば新入生ということが一目で分かり、周囲の注意を促せる。今後も事故のないことを願い活動を続けていく」と話していた。
(2020年3月26日付紙面より)
花てまりの会が花壇整備 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の花づくりボランティアで構成される「花てまりの会」(おお木博子会長、会員26人)は24日、同町浜ノ宮のシンボルパーク跡地(那智勝浦町海浜公園)にある花壇の整備を実施した。今週いっぱいまでピンクパンサー(シレネ・カロリニアナ)が見頃だという。そのほかにもクリサンセマムやチューリップがきれいな花を咲かせている。
同会は観光客や住民らに花を楽しんでもらい、町のPRや活性化に寄与するために町内8カ所の花壇整備に取り組んでいる。
この日は参加した9人が、草むしりや花がら摘みに汗を流した。同会によると、にぎわい市場前や足湯周辺の花壇のピンクパンサーやフリージア、シバザクラ、斑入りニチニチソウも見頃とのこと。シンボルパーク跡地では5月にメランポジウムやセンニチコウの植え付けを行う予定。
おお木会長は「『花がきれい』とお褒めの言葉や声掛けをしていただくことが増えたので励みになっている。主役の花に目がいくように整備をしています。今後も会員の皆さんと共にいろいろなことに挑戦したい」と語った。
(2020年3月26日付紙面より)
※ おお木博子会長の「おお」は、左側が「羽」の下に「令」、右側が「寛」
王子幼稚園で卒園式 (新宮市 )
今月末で休園が決定している新宮市立王子幼稚園(山本眞也園長)で24日、卒園式が開かれた。園児11人(男8、女3)は職員や保護者から祝福され通い慣れた学舎を巣立ち、新たな一歩を踏み出した。園児らは保護者に対し、「お父さん、お母さん、今まで育ててくれてありがとうございました。1年生になっても頑張ります」と感謝を述べ、手作りのメッセージカードと歌を贈った。
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1958(昭和33)年に誕生した王子幼稚園。ピーク時の79年には138人もの園児が在園し、子どもたちの元気な声が周辺地域を明るくしていた。
83(昭和58)年に初めて入園者が100人を切り、微増微減が続いた。その後も少子化や保護者の働き方、生活環境などの変化もあり、入園児数は減少傾向へ。新年度の入園希望者がおらず、休園する運びとなった。
同園所蔵の資料から主な行事を振り返ると▽69(昭和44)年9月の始業式ではプレハブ園舎を使用▽74(昭和49)年、王子小学校のマラソン大会に初参加▽同年8月プレハブ園舎取り壊し作業が開始され、王子青年会が奉仕で備品類を小学校へ運搬▽80(昭和55)年3月、太地町のくじらの博物館と植物園への卒園遠足▽93(平成5)年3月に新園舎竣工(しゅんこう)式、園児も出席▽2009(平成21)年6月、お茶ごっこ▽15(平成27)年3月、国体選手のなぎなた演技を見学▽18(平成30)年11月、焼き芋パーティー―など。
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同園では17(平成29)年度から同小の校長が園長を兼任することとなり、畑下圭喜・元校長が園長を務め、18(平成30)年度から山本園長が引き継いだ。
山本園長は「児童にとっても、園児と交流することは多くのことを学ぶ良い機会になっていた。休園は大きな損失の一つ。遊びの中で学習していく幼稚園の姿は小学校にはない学びであり、私も勉強になった」。
「卒園生の方々やご家族が幼稚園の良さを地域に伝えていただけたらありがたい。園児が増え、再園することを強く願っています」と話した。
卒園する園児たちに対しては「素直に喜び、積極的な姿に元気をたくさんもらった。幼稚園で学んだことを小学校でも生かして、何事にも興味を持って取り組む姿勢を続けてほしい」と語った。
(2020年3月25日付紙面より)
「宇久井海と森の自然塾」が地玉の浜清掃 (那智勝浦町 )
那智勝浦町宇久井半島の自然保全活動を続ける宇久井海と森の自然塾運営協議会(玉置之一会長)は22日、同半島の地玉(じごく)の浜海岸で漂着物を取り除く清掃活動を実施し、会員ら45人が汗を流した。
毎年この時期に実施する恒例作業。宇久井ビジターセンターから徒歩約20分の磯場には、台風など高波で打ち上げられた多くの漂着物があり、ごみの種別もペットボトル、空き缶、空き瓶、スプレー缶、ロープ、漁の浮きに使われた発泡スチロールなどさまざま。町指定ごみ袋で分別回収し、大きな流木は、のこぎりやチェーンソーで小さく切断して処分した。タイヤ4本も回収した。自然塾会員の西垣内茂さんは「大きなごみや外国製のペットボトルは昨年より減ったが、細かなごみやプラスチックごみがこんなに多いとは」と驚いていた。
作業にはNPO大杉谷自然学校、休暇村南紀勝浦、那智宇久井郵便局からも応援に駆け付け、地道な手作業ながら海岸は見違えるほどきれいになった。
ボランティア参加の40代女性=同町天満=は「時々ここへ遊びに来るが、ごみの量は気になっていた。これだけの人数だと片付くのも早い」と感心していた。ボランティアには中学生と高校生の2人も参加した。
昼食時にはこの海岸でとれたフノリのみそ汁と、海岸で花開くハマダイコンが作業の疲れを癒やした。
(2020年3月25日付紙面より)
田並のさくら遠足2020 (串本町 )
串本町田並にある田並劇場が20日、イベント「田並のさくら遠足2020」を開き事前に申し込んだ24人をクマノザクラ眺望の名所「ちのと」へといざなった。
同劇場を営む林憲昭さん・澄蓮さん家族が地元住民から教わり、毎年訪れて愛(め)でている「ちのと」の山桜。その眺望場所一帯は山が深く切れ込み、山腹にある山桜の花盛りが一望できる景観に親しむ事ができる。
今時期に咲いているのはクマノザクラではないかと直感した澄蓮さんは、基本野生種としてにわかな話題になった2年前に古座川町長追在住の樹木医・矢倉寛之さんに相談。期待通りの答えを得て、以降「ちのと」を広く紹介したいという思いで前年度からこのイベントに取り組むようになった。
当日は同劇場へ集合し、案内役の矢倉さんも合流。田並川沿いの田並上集落奥まで車で移動し、その先は歩いて約1・4㌔先にある「ちのと」の眺望場所を目指した。道中に点々と自生するクマノザクラを間近に観察し、矢倉さんは自身の研究の経緯や分類学の視点、クマノザクラの花序の特色や同定時に注目する部分などを解説。お気に入りの一本を見つけてよく観察しほかのクマノザクラなどとの違いを確かめながら理解を深める筋道を立てて関心を促した。
眺望場所に到着後は、古田にある農家カフェ「つくる」の仕出し弁当を味わいながら小休憩。林夫妻によるワークショップも体験して折り返し、同劇場へ戻って解散した。
(2020年3月25日付紙面より)
社会福祉法人美熊野福祉会(森常夫理事長)は19日、各事業所(杉の郷、杉の郷えぼし寮、虹、ゆず、ワークランドそら、法人本部)の職員らに手作りマスクを配布した。職員や地域ボランティアが新型コロナウイルスなどの感染症予防のために308枚を制作。色とりどりの手作りマスクが、各事業所に明るい風を吹き込んでいる。
同法人では現在、マスクやアルコール消毒液を全体に供給しており、業者にも発注済みとのことだが、今後のマスク不足に備え、このほど職員と10人の地域ボランティアにマスクの制作を依頼した。マスクの着用徹底により、利用者や来客の健康や不安払拭(ふっしょく)に最大限の注意を払っている。
手作りマスクの利用は「待っているより自分たちにできることをやろう」という思いによるもの。橋上慶一・本部事務局長は「手作りマスクは職員やボランティアの皆さんが、善意で1枚1枚一生懸命縫い上げてくださったもの。大切に使わせていただいています」と感謝を示す。
同法人の障害者自立支援施設「ワークランドそら」が運営する「cafeそら」(新宮市佐野)では、玄関に消毒液を設置。手作りマスクを着けた職員、利用者らが調理や接客に当たっている。橋上事務局長は「最善の策を取っています。ぜひ、多くの方々に安心してご来店いただき、楽しい食事の時間を過ごしてほしい」と願いを込めた。
(2020年3月25日付紙面より)