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2021年12月31日
1 しめ縄やのぼり設置
 下里神社で迎春準備  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町の下里神社(山本貞夫宮司)は29日、初詣や歳旦祭に向けた迎春準備を実施した。神社役員や総代ら8人が鳥居のしめ縄の作成や張り替え、のぼりの設置などに取り組んだ。

 26日に奉納旗67本を設置し、28日に境内や駐車場を清掃。この日は新型コロナウイルス感染拡大防止に努めながら、総代らはのぼりを4カ所に設置。続いて、サラシで長さ2㍍、直径6㌢のしめ縄や護国神社や本殿用の一回り小さいしめ縄、門松などを協力して作成した。

 鳥居や境内の樹齢400年と推定されるクスノキなど、11カ所に真新しいしめ縄を張り替え、門松も設置した。

 同神社によると、昨年と同様にコロナ対策として、恒例となったぜんざいやお神酒の振る舞いも取りやめるという。さらに手水(ちょうず)舎には消毒液を置き、参拝の際はマスク着用を呼び掛けている。

 山本宮司は「今年もコロナ終息はかなわなかった。しかし、状況は少し落ち着いてきたため、1月1日は2年ぶりに来賓を招待する。来年こそは従来通りの生活に戻っていただければ」と話した。

 なお、初詣は1月1日(土・祝)午前0時に山本宮司の太鼓とともに開門。歳旦祭は同日午前9時から同神社本殿で執り行う。

(2021年12月31日付紙面より)

迎春準備を進める総代ら=29日、那智勝浦町の下里神社
新年に向けてしめ縄を作る
2021年12月31日
2 「瀞峡」観光船、運航へ
 早ければ3月から開始  (新宮市熊野川町 )

 新宮市の(一財)熊野川町ふれあい公社(下阪殖保代表理事)は、今年1月に休止したウオータージェット船に代わり、来春から新たに「瀞峡」をめぐる観光船を運航する。現在、海事事務所の航路許可を申請しており、早ければ来年3月中旬ごろから運航を開始する予定だ。

 和歌山、三重、奈良の3県にまたがる景勝地「瀞峡」は国の天然記念物。大正時代にプロペラ船が瀞峡~新宮町(現新宮市)間を往来し、昭和40年代にはウオータージェット船が登場。多くの観光客を絶勝の地へと運んだ。

 しかし、川に流入する土砂の増加により航路整備が困難になったこと、新型コロナウイルス感染症の影響による観光客の減少、作業員の高齢化などを理由に休止となっていた。

 「多くの人にあの景勝を見てもらいたい」と下阪代表理事。川舟下り事業のノウハウを生かして運航開始を決めた。

 和歌山県の「『水の国、わかやま。』体験観光事業者スタートアップ補助金」を利用し船頭含む8人が乗れる舟を新たに導入。川舟下りで使用していた11人乗り(船頭含む)の舟も利用する。新宮市熊野川町玉置口を出発し瀞峡までの往復約6㌔のルートを約40分かけて巡るという。

 熊野川行政局によると乗船料金は1人3000円程度となる見込み。同町田長の川舟センターから玉置口までの観光客の運送については検討中だという。また、ホームページも現在制作中。予約受け付け準備などを進めているとのことで、下阪代表理事は「瀞峡は大事な景勝地で新宮市にとっても大きな財産。運航開始に向け頑張って準備をしていきたい」と話している。

(2021年12月31日付紙面より)

新たに導入した8人乗りの舟=新宮市熊野川町
2021年12月31日
3 地域の安全・安心願って
 分団単位で年末警戒開始  (古座川町消防団 )

 古座川町消防団(樫原一好団長)の年末警戒が29日夜から始まった。30日深夜までの2日間、町内を警戒巡視して出火に備え、その姿勢を通して町民の火災予防意識を高めることを目指すという。

 この警戒は、地域の安全・安心を確保する目的で毎年、分団単位で活動する形で取り組んでいる。平年は四つある分団が七つある詰め所に分散待機し適時分団車両で管内を警戒巡視して出火の早期発見早期対処に努めるが、今年は新型コロナウイルスの情勢を考慮して分散待機をせず午後9時と11時に警戒巡視をする規模縮小の形で臨むとしている。

 その活動に対し平年は町長、古座消防署長、串本警察署長が各詰め所を巡って激励を届けているが、今年は分散待機の中止に伴い町役場で出発式を営む手法を計画。団本部と各分団長が出席し、一括して激励を受けた。

 西前啓市町長は今年9月に住宅火災で1人が亡くなったことを振り返り、「そういうことが二度とないよう火災予防の啓発をしっかりとしていきたい」と思いを掲げて同団の尽力を期待。串本警察署の泉政勝署長は、警戒巡視は防災に加え防犯でも効果があるとして行動をたたえつつ「住民が安全、安心に新年を迎えられるようもうひと頑張りしてほしい」と求めた。

 これら激励を受けて樫原団長は団員に向け「住民が安心して新年を迎えられるようよろしくお願いします」と号令を掛け、分団車両を年末警戒へと送り出した。

(2021年12月31日付紙面より)

年末警戒へと出発する分団車両=29日、古座川町役場
2021年12月31日
4 お正月の花を生けよう
 くろしお児で児童7人  (新宮市 )

 新宮市佐野のくろしお児童館で28日、「お花をいけましょう」があった。同館に登録している小学1~6年生の児童7人が参加。花芸安達流の萱野賛曈(かやの・さんとう)さんから教わり、お正月飾りにふさわしい花を生けた。

 この日用意されたのは枝若松、ヒペリカム、ガーベラ、チューリップの四つ。正しいお辞儀の仕方やオアシス(吸水スポンジ)の使い方などを学んだ児童らは、萱野さんの指導の下、バランス良く花を配置。最後に金色の水引で和紙でくるんだ器を飾って完成させた。

 萱野さんは子どもたちに対し「今日は皆さん、お利口にきれいに生けてくれました」とあいさつ。慶事や弔事の水引のマナーなどを伝え、生けた花について「減ってきたらお水をあげて」と呼び掛けた。

 昨年に引き続いて参加した橋爪健心君。水引を結ぶのが難しかったとしながらも「家の目立つ所に飾りたい」と笑顔で話した。

(2021年12月31日付紙面より)

作品を手に「はい、チーズ」=28日、新宮市佐野(一時的にマスクを外して撮影)
バランスを見ながら花を生けた
2021年12月31日
5 「森の役割」ってなあに  木材会館で森林学習教室  (新宮市 )
2021年12月31日
6 めざせ、じょふくこうえん  わかば保育園がお出かけ  (那智勝浦町 )
2021年12月31日
7 楽しくお花生ける  新木保で「花つぼみ」  (新宮市 )
2021年12月31日
8 「とびだしは、しません」  宇久井保で交通安全教室  (那智勝浦町 )
2021年12月31日
9 祝日の救急当直医を廃止  高齢化や働き方を考慮  (新宮市医師会 )
2021年12月31日
10 持続可能な観光地域づくりに向けて  セミナーとワークショップで学ぶ  (那智勝浦町 )
2021年12月31日
11 二代目坂東伊峰さん出演  西日本チャリティー舞踊会  (那智勝浦町 )
2021年12月31日
12 ひっそりとツルソバの花  宇久井ビジター園地内  (那智勝浦町 )
2021年12月31日
13 植地さんと吾部墨游倶楽部展  1月1日から喫茶きよもんで  (那智勝浦町 )
2021年12月31日
14 「納得するまで勉強したかった」  中谷利夫さん、放送大学を卒業  (新宮市 )
2021年12月31日
15 強い寒波で度合い増す  冬ならではの海の光景  (串本町 )
2021年12月31日
16 一丸で練習場所を大掃除  串本少女バレーの選手ら  (串本町 )
2021年12月31日
17 女子団体が連覇達成  県中学生柔道新人大会  (矢渕中 )
2021年12月31日
18 教育プログラム学ぶ  教員対象にスキルアップ研修会  (紀宝町 )
2021年12月31日
19 新年に向け門松作り  子どもから大人も挑戦  (紀宝町 )
2021年12月31日
20 筆走らせ干支や抱負  児童が「己書」に挑戦  (きほっこ )
2021年12月31日
21 「地元への感謝伝えたい」  成人式実行委員が思い語る  (紀宝町 )
2021年12月26日
22 来年の大漁など祈願
 紀州勝浦漁協がイセエビ奉納  (熊野那智大社 )

 那智勝浦町那智山の熊野那智大社(男成洋三宮司)で24日、紀州勝浦漁業協同組合(片谷匡代表理事組合長)によるイセエビの奉納があった。和歌山県漁業協同組合連合会の額田浩事務局長や同連合会勝浦市場部の𠮷村泰治参与らが参列。地元産イセエビ「南紀黒潮イセエビ」30匹10㌔を神前にささげ、新型コロナウイルス感染症の終息や海上安全、大漁、地域の発展などを祈願した。

 額田事務局長によると、今年の漁獲量は不漁だった昨年と同程度で、例年の半分ほどだという。1㌔当たりの価格が当初は下がっていたが、現在は上がりつつあるとした。

 額田事務局長は「来年こそはたくさんの海産物が取れ、多くの方々においしく食べていただける良い年になれば」。

 男成宮司は「昨今の漁業を取り巻く環境が厳しい中、最近は不漁続きと聞いていた。水揚げも少しずつ戻りつつあるとのことで安心した。神様もお喜びのこととおもいます。漁業者の皆さまの操業の安全、豊漁をお祈りしています」と感謝を述べた。

(2021年12月26日付紙面より)

イセエビの奉納が行われた=24日、那智勝浦町の熊野那智大社(一時的にマスクを外して撮影)
那智の瀧舞が奉納された
2021年12月26日
23 児童が笑顔で催し楽しむ
 民児協がクリスマス会  (太地町 )

 太地町民生児童委員協議会(東勝人会長)は25日、同町多目的センターで初の「クリスマスおたのしみ会」を開いた。町、町社会福祉協議会(岡本研会長)も協力。感染症対策をする中、児童70人が集まり、さまざまな催しを楽しんだ。

 元々、夏休み中の子どもたちが交流する児童健全育成事業の一環として夏祭りを行っていたが、新型コロナウイルスの影響で2年間、中止となっていた。感染状況を考慮し今回、規模縮小する形で開催に至ったという。

 この日は3密回避のため、低学年と高学年に分かれて屋内と屋外でゲームを実施。屋外ではサッカーとバスケットボール、鬼ごっこを合わせた「スポーツ鬼ごっこ」を、屋内では射的や輪投げ、スカットボールなどを楽しんだ。

 児童は「射的が楽しい」「もっと遊びたい」「スポーツ鬼ごっこが面白い」など笑顔で話していた。景品として菓子なども配られ、委員や職員とも交流を深めていた。

 東会長は「2年続けて開催できなかったので、思い出づくりをしてあげたかった。けがには注意して、しっかりと体を動かして楽しく過ごしてほしい」と話した。

(2021年12月26日付紙面より)

射的を楽しむ児童=25日、太地町多目的センター
スポーツ鬼ごっこに取り組んだ
2021年12月26日
24 医療センター分娩継続を
 1040人の署名を追加提出  (新宮市 )

 那智勝浦町在住の小阪三喜子さんと塩﨑いつ子さんは24日、新宮市役所を訪れ、市立医療センター開設者である田岡実千年市長に同医療センター産婦人科の分娩(ぶんべん)継続を要望する1040人分の署名を提出した。今月10日に提出した署名(2415人分)の第2弾として提出。署名人数は計3455人分となった。

 常勤医師1人の退職決定に伴い、来年3月1日以降の分娩予約休止を発表している同医療センター。新宮・東牟婁エリアの中核病院として、年間約300件の分娩を行ってきた。

 署名は小阪さんと津本芳光さんが呼び掛け人となり実施。「医療センターでの分娩ができなくなると、この地域では安心して出産できないという不安が生まれ、地域の衰退に拍車を掛けることにもなってしまう。安心して子どもを産み、育てることができる環境を守るために、産婦人科の分娩継続を」と求めるもので、1回目の提出後にも署名活動は続けられ、継続中にも署名への協力を申し入れる町民が多くいたという。

 署名を受け取った田岡市長は「1040人もの署名を追加でお届けいただいた。改めて産婦人科医師の重要性を感じている。引き続き医師確保に向けて全力で取り組んでいきたい」と述べた。

(2021年12月26日付紙面より)

小阪三喜子さん(中央)と塩﨑いつ子さん(右)が田岡実千年市長に1040人分の署名を届けた=24日、新宮市役所
2021年12月26日
25 三輪崎区が感謝状贈呈
 ㈱海邊組の貢献たたえる  (新宮市 )

 新宮市三輪崎区は24日、三輪崎会館において、6日と22日に三輪崎八幡神社裏の避難所に向かう避難路を整備した同市三輪崎の㈱海邊組(海邊俊行代表取締役)に感謝状を贈呈した。

 津波災害における一時避難所として指定されている三輪崎八幡神社裏。同社は地域貢献の一環として6日に未舗装部分の避難路を整備し、車両が通行できるようにした。

 続いて、22日は前述箇所に並行した避難路の約50㍍間を整備。階段が破損している部分もあり、安心して避難できるように階段の設置などを人力で行ったという。

 屋敷満雄区長から感謝状を受け取った海邊真哉常務取締役は「地域のために貢献できて良かった。われわれは地元業者。恩返しできるように、今後もご協力できる際は協力したいです」と話した。

 屋敷区長は「区だけでは限界がある。建設業の方々のお力が必要であり、本当にありがたい。今回の貢献活動は三輪崎区にとって良い起爆剤になると思う」。

 今後については行政OBなどのアイデアを参考にしながら、防災の取り組みや地域を盛り上げるために活動していくとし、「ゆくゆくは整備箇所に土を入れて防災倉庫の設置も行う。高速道路の取り付け道路にもアクセスできるようになれば」と語った。

(2021年12月26日付紙面より)

三輪崎区が避難路整備に貢献した㈱海邊組に感謝状を贈呈した=24日、新宮市の三輪崎会館
2021年12月26日
26 1位に西美晴さん  写連新宮支部12月例会  
2021年12月26日
27 おいしいもの食べて過ごして  能城地区が区民に支援金配布  (新宮市熊野川町 )
2021年12月26日
28 クリスマスを楽しんで  赤十字奉仕団が紀南学園に寄贈  (新宮市 )
2021年12月26日
29 バザー通じ善意の寄付  チャリティ・ミュージックソン  (和歌山放送ラジオ )
2021年12月26日
30 美しい音色に盛り上がる  「くまっこ」クリスマスコンサート  (新宮市 )
2021年12月26日
31 対策講じていい年迎えて  円満町内会がマスクなど配布  (新宮市 )
2021年12月26日
32 要望に応え有効活用したい  城南中で制服バザー売り上げ贈呈式  (新宮市 )
2021年12月26日
33 安心・安全な町づくりを  いきいきサロン三四朗  (那智勝浦町 )
2021年12月26日
34 夜回りで「火の用心」  各婦人防火クラブが啓発  (新宮市 )
2021年12月26日
35 的確な施工をたたえる  優良工事でウエジ建設を表彰  (熊野農林事務所 )
2021年12月26日
36 成年後見制度へ理解深める  民児委協議会が定例会  (紀宝町 )
2021年12月26日
37 冬休みの宿題などに取り組む  2年ぶりのウインタースクール  (紀宝町 )
2021年12月26日
38 さらなる防災力向上誓う  津本自主防が防災大賞を報告  (紀宝町 )
2021年12月26日
39 来年は議員活動活発化させる  鈴木英敬衆院議員が報告会  (紀宝町 )
2021年12月25日
40 すがすがしく、迎春準備
 新年を前に煤払い  (熊野速玉大社 )

 新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で24日、恒例の「煤(すす)払い式」が営まれた。上野宮司や神職、同大社敬神婦人会(久保あや子代表)有志16人らが境内のほこりを落とし、迎春準備を進めた。

 煤払い式は神事の一つ。麻ひものたすきを巻いた神職が、長さ約5㍍のささ竹で各殿の壁面や屋根にたまったほこりを払い、拭き掃除を行った。婦人会はバケツや雑巾を手に境内各所を水拭きした。

 敬神婦人会の中山清己さんは「久保代表の指示の下、毎年させていただいている恒例の掃除。みんなで団結してきれいにしています。新年にすがすがしい気持ちでお参りいただけるよう、心を込めてご奉仕させていただいています」と笑顔で話した。

 上野宮司は「敬神婦人会からも多くの皆さんにご奉仕いただいた。心も境内も新たにすがすがしい思い。清掃や点検をもって、新年には気持ちよく参拝者をお迎えしたい」。

 新年の初詣については今年同様、幅約8㍍のさい銭箱を準備。拝殿手前に設置し、要所要所に消毒液を設置するなどして新型コロナウイルス感染拡大防止対策を講じる構えであるとし「引き続き混雑時に向けて東門を開門するなど、万全の対策を整えていきたい。参拝される皆さんも安全対策をして新しい年を迎えていただければ」と話していた。

 同大社では31日午後4時から大晦日大祓式(おおつごもりのおおはらいしき)、5時から除夜祭・神符遷霊祭(しんぷせんれいさい)を斎行。元日の午前0時、初太鼓開門をもって初詣客を迎える。

(2021年12月25日付紙面より)

一年間の煤を取り払う=24日、新宮市の熊野速玉大社
境内各所を水拭きする敬神婦人会員ら
2021年12月25日
41 西国巡礼「なぜ那智山か」
 歴探スクールで山本殖生さん  (新宮市 )

 熊野学研究委員会歴史部会・新宮市教育委員会が主催する令和3年度熊野学講座「第36回歴史探訪スクール」が23日、同市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」であった。熊野学研究委員会の山本殖生さんが「西国巡礼第一札所―なぜ那智山か―」をテーマに講話。約60人が聴講した。

 新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、約1年半ぶりの開催となった同スクール。開講式を兼ねたこの日は、講演を前に熊野学研究委員会委員長の中瀬古友夫さんがあいさつ。多くの参加に感謝を伝えた。

 山本さんは、西国巡礼は本来観音巡礼であったとし、観音信仰の変遷などについて説明。飛鳥時代の観音菩薩(ぼさつ)立像(那智山青岸渡寺)などが那智山から多く出土していることに触れ「古くから観音信仰があったことが分かる」と述べた。

 平安時代後期の僧・行尊(ぎょうそん、1055~1135年)の「観音霊所三十三所巡礼記」では一番の長谷寺から始まり、如意輪堂(那智山青岸渡寺)は六番目に記されており、1211(承元5)年の「観音三十三所日記」(高山寺蔵)、鎌倉時代後期の「三十三所観音曼荼羅(まんだら)」(華厳寺蔵)にも同じ行程で記されていると紹介。一方で僧・覚忠(かくちゅう、1118~77年)の「三十三所巡礼記」には、「一番紀伊国那智山」と記されていると話した。

 山本さんは、熊野は天台修験寺門派(三井寺)の修行道場であったことや、白河上皇の熊野御幸先達を務めた当時三井寺長吏であった増誉(1032~1116年)が最初の熊野三山検校に任じられ、聖護院を建立し絶大な権威を誇ったこと、そして院政期の熊野詣での盛行などを背景に、那智山青岸渡寺が第1番札所となったと説明した。

 現在のルートや「西国」の呼称に至る経緯、巡礼歌(御詠歌)、巡礼札などの歴史についても言及。「西国巡礼は修験者の修行として始まったものが民衆化していったと結論付けられるのでは」と話した。

 次回の歴史探訪スクールは同所で来年1月20日(木)午後2時から。中瀬古さんが「目で見る新宮・熊野の近代史7―明治22年の大水害と本宮大社―」をテーマに講演する。

(2021年12月25日付紙面より)

約60人が聴講した=23日、新宮市下本町の「丹鶴ホール」
山本殖生さん
2021年12月25日
42 集めた史料を町へ託す
 出身者の河田征夫さん  (串本町 )

 串本町出身の郷土史家・河田征夫さんがこのほど、串本町に図書や古文書など郷土史料の寄贈を申し出た。数は約1000点となる見込みで、同町図書館(池田三明館長)が所蔵元となり整理活用する方向で受け入れ作業を進めている。

 町教育委員会教育課によると、河田さんは現在沖縄県に在住。町内にいた頃から串本やその近隣の史料収集を続けてきたが、自身も70代に差し掛かり収集した史料がこのまま失われるのが忍びないので町で保管してほしいとの思いで、初秋ごろに寄贈を申し出たという。

 受け入れの作業中だが、図書は約650点、古文書などは数え方にもよるがざっくりと300点ほどあり、寛政年間の万覚帖や安政年間の漁舟水上帖など近世から刊行誌「熊野誌」や著書「大逆事件と大石誠之助」など近現代まで時代も地域も幅広く託されているという。

 内容もさまざまで、池田館長は捕鯨も含め水産関係が多いが観光や偉人伝や文芸などもあり、確かな評価は専門家に判断してもらうが貴重と捉えざるを得ない史料や当時の社会情勢がうかがえる史料も相当数含まれていると印象を語る。

 受け入れ作業は大詰めの段階で、今後は一度展示の機会を設けて寄贈の周知を図りその様子を河田さんに伝えて感謝した後に「河田文庫」の呼称を受け継いで町民が極力活用できる保管を始めるという。古文書類は朽ちたり焼損したりで触れがたい状態のものも複数あり、池田館長は串本古座高校の中根文庫のようにデジタルアーカイブとして残す方策も探っていきたいとしている。

 21日現在で展示のめどはついておらず、池田館長は「来年中にはこぎ着けたい」と話している。

(2021年12月25日付紙面より)

河田征夫さんが託した郷土史料の受け入れ作業を進める池田三明館長(左)ら=21日、串本町図書館
今では貴重と捉えている古文書類
2021年12月25日
43 官民で流木やごみ撤去
 宇久井の浜で清掃活動  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町の宇久井地区(中路進総区長)と町、町建設業組合(上地秀和理事長)、和歌山県、新宮地方建設業協同組合(海邊俊行理事長)は23日、同町宇久井の海岸(千尋ヶ浜)周辺で官民一体の清掃活動に取り組んだ。約100人が参加し、漂着した流木などのごみを集めて撤去した。

 清掃活動は元々、同地区が景観美化を目的に毎年実施してきたもの。度重なる台風などで多くの流木やごみが漂着し、区単独では困難となったため、町を通して、管理者の県に要望。その後、両組合に協力を呼び掛け毎年、実施されている。

 今年は台風が少なく、例年より流木やごみも少なかったため、人力での撤去が主となった。参加者は協力しながら、ごみなどを町指定のごみ袋に詰めていった。

 また、逆側(新宮市佐野寄り)の同浜では区役員ら10人が集まり、朝から木のように成長した草などを重機や道具を使って撤去作業に汗を流していた。

 参加した堀順一郎町長は「今は海水浴場ではないが、海岸がきれいになることは、皆さまの環境への意識も高まる。多くの方々のご協力がありがたい」。

 海邊理事長は「県からの要請を受けて、皆さんで取り組ませていただいている。きれいになって良かった」と話していた。

 中路総区長は「宇久井の入り口なのできれいにしたい。日々、浜をきれいにしてくれている区民の方もいらっしゃる。汚れていることに気付いた際はご協力いただけましたらありがたいです」と語った。

(2021年12月25日付紙面より)

各組織が協力し清掃活動に取り組んだ=23日、那智勝浦町宇久井の海岸
区役員も逆側の浜の清掃に取り組んだ
2021年12月25日
44 飼い主同士や愛犬との交流図る  青天の下、「犬馬鹿大運動会」  (新宮市 )
2021年12月25日
45 関係機関で熊野川きれいに  ごみ散乱防止の清掃作業  (新宮市 )
2021年12月25日
46 コロナ予防、心掛けて  駅前東通り町内会がマスク配布  (新宮市 )
2021年12月25日
47 会員ら交流深め防災学ぶ  天満長命会が例会  (那智勝浦町 )
2021年12月25日
48 ファンらプロの歌声楽しむ  嶋幸二さん新作キャンペーン  (那智勝浦町 )
2021年12月25日
49 休み中の過ごし方考えて  公立小中学校などで終業式  (新宮・東牟婁地方 )
2021年12月25日
50 今日は楽しいクリスマス  各地の保育園やこども園  
2021年12月25日
51 紀宝警察署に取締本部  紀宝町長選を前に設置  
2021年12月25日
52 町民ら35人が献血に協力  尊い命を救うために  (紀宝町 )
2021年12月25日
53 だんだんの会は松本峠で  熊野古道のクリーンアップ作戦  (熊野市 )
2021年12月25日
54 長年、地域貢献に尽力  竹鼻さん、梶屋さんに知事表彰  (紀宝町 )
2021年12月25日
55 サンタさんからプレゼント  子どもたちがクリスマス会楽しむ  (紀宝町 )
2021年12月25日
56 元国鉄職員に経験談聞く  CGS部鉄道班の部員ら  (串本古座高校 )
2021年12月25日
57 町長や町議対象に実施  地域リハ活動支援事業  (串本町 )
2021年12月25日
58 第4回定例会一般質問(終)  串本町議会  
2021年12月25日
59 多彩なステージで魅了  こんにちは。丹鶴ホール!みんなでいこれ~