新宮花火大会に4万人
世界遺産登録15周年記念「熊野徐福万燈祭」(第57回新宮花火大会)が20日夜、新宮市の熊野速玉大社下の熊野川河川敷であった。台風10号の接近により当初予定していた13日から日程を変更しての開催。平成11年から20年ぶりの延期となった。お盆の帰省時期からずらしての挙行となったが、約4万人(主催者発表)の観客が会場に訪れ、夜の熊野川に浮かぶ大輪の花火に見入った。
新宮仏教会による初精霊供養、流し灯籠などの後、田岡実千年市長が「この花火大会は徐福さんのみ霊と当地の初精霊をお慰めするため回を重ねてきたもの」と各事業所や市民に対して感謝を述べ「こよいひととき、ここ熊野川を舞台に、夜空に咲く大輪の花を心ゆくまでお楽しみください」とあいさつした。
田岡市長と観客らのカウントダウンによって花火が一斉に夜空に打ち上がり、打ち上げ花火約6000発、仕掛け花火約16基が夜の熊野川を彩った。昨年初めて導入した「ミュージックスターマイン」も実施され、音楽と連動させたリズミカルな花火が観客らを魅了した。
河川敷には約300㍍にわたって夜店が並び、家族連れや子どもらでにぎわった。
(2019年8月22日付紙面より)
潮岬でリーダーキャンプ (串本町 )
串本町潮岬にある県立潮岬青少年の家で18日から20日までの3日間、地域ユース・ジュニアリーダー養成キャンプ〈前期〉があった。ジュニアリーダーとその姿に憧れる小学5年生~中学3年生61人が一緒に集団活動をし、リーダーに求められる資質を感じる経験を積み重ねた。
県と県青少年育成協会、各県立青少年の家が主催、3者で結成する実行委員会が主管。県事業「リレー式次世代健全育成事業」の一環で、次代を担う子どもたちの自立心や協調性、社会性やリーダーとしての資質を養う目的で各県立青少年の家ごとに年2回、県全体で計6回開いている。
活動の主体となる子ども集団にリーダーの資質を発揮するメンバー(ジュニアリーダー)を組み込んで主体的に活動するのがこのキャンプの特色。今回のキャンプでは西牟婁振興局管内のリーダーズクラブ「ドルフィン」と東牟婁振興局管内のリーダーズクラブ「ビースター」に所属する中学生~高校生15人と、同キャンプの趣旨に関心を持って申し込んだ小中学生46人が参加した。
開講にあたり、主催者を代表して潮岬青少年の家の山口和紀所長と県青少年・男女共同参画課の宮嵜祐子主任があいさつし、それぞれの立場で最大限の成果を持ち帰るための頑張りを期待。同キャンプの趣旨を確かめ、ジュニアリーダーと小中学生で10人前後の班に分かれて活動を始めた。
活動内容は、初日が野外炊事と天体観測会、2日目はキャンプファイヤーやその時に各班で発表するスタンツ(出し物)の準備とクラフト作り、3日目はお楽しみタイム(自由交流)。中でもスタンツ作りは集団の階層がもっとも複雑となる定番の活動で、今回は大阪体育大学ダンス部がリーダーとして各班に入り、その後押しを受けながら班全体で出し物のテーマを決めダンスで表現することを考え練習した。
ジュニアリーダーや小中学生は就寝前にその日経験した事柄を振り返ってリーダーの資質につながる気付きを模索し、一緒に頑張った仲間との3日間の思い出とともに持ち帰った。
那智勝浦町からジュニアリーダーとして初参加した矢守咲月さん(色川中1年)は「(参加するにあたって)できるだけみんなのお手本になれるよう、指示などをしっかりできるようにしようと思った。実際にやってみると、私から言わなくても先に行動を起こしてくれたときがうれしいと気付いた」など感じた事柄を語った。
(2019年8月22日付紙面より)
プール清掃で生態観察 (紀宝町ウミガメ公園 )
紀宝町井田の道の駅「紀宝町ウミガメ公園」で20日、「ウミガメふれあいパーク」飼育プールの清掃があった。ウミガメサポーターら18人が、金属たわしなどで甲羅やプールの壁に付いた藻をこすり落とした。
パークには大小二つのプールがあり、大プールではアカウミガメやタイマイなど6頭、小プールでは5頭を飼育している。清掃は年4回実施しており、併せて甲長、甲幅、体重測定も行う。
この日は四日市市や津市などで活動する「ウミガメネットワーク」(米川弥寿代代表)のメンバーも駆け付けた。夏休み中の子どもたちも多く参加し、種類ごとの甲羅の特徴や生態を間近で観察した。脱皮した甲羅のかけらを持ち帰る姿も見られた。
四日市市から参加した小学5年生の山本泰寿君は「甲羅をきれいにして気持ち良かった」とはにかんだ。母親のいつ美さん(44)は「子どもたちも海の生物や海洋プラスチックごみ問題に関心がある。こんなに大きなカメと直接触れ合う体験は他ではできない。ぜひ自由研究に生かしてほしい」と話していた。
(2019年8月22日付紙面より)
子ども向けにパン教室 (新宮市 )
新宮市三輪崎のAコープランティス内ベーカリーVolubex(ヴォルベックス、村田吉隆店長)で20日、夏休みパン教室があった。市内の子どもたち30人がパン作りを楽しんだ。
子どもたちの夏休みの思い出づくりや地域の人との交流を目的に、同店が7年前からボランティアで開いている。例年キャンセル待ちになるほど人気の催しで、2年前から回数を増やし午前2回、午後1回の3部制となった。
この日は▽特大フランスパン▽ミニメロンパン▽ピザ▽動物やキャラクターパン▽サンドイッチ―の5種類を作った。子どもたちは村田店長や店員に教わり、あらかじめ店で準備した生地を使い「ふわふわしてる」「やわらかい」などと会話をしながらパンの成形に挑戦した。
菓子生地を使用したパン作りでは、クマやブタ、アニメのキャラクターなどを思い思いに形作った。焼き上がったパンを目の前にし、子どもたちは目を輝かせ、「おいしい」などと感想を言いながら試食。残りのパンは家へ持ち帰った。
同市千穂から参加した疋田百花さん(6)は「初めてパンを作って楽しかった。ここのパンが大好きでいつも食べていたのでうれしい。今度は家でも作ってみたい」。
村田店長は「子どもたちが楽しそうに作っている姿が見られてよかったです。将来、一人でも多くの子どもがパン職人になってくれればうれしい。少しでも夏休みの思い出になってもらえれば」と話していた。
(2019年8月22日付紙面より)
近畿大会への出場決める (マスターズ甲子園2019 )
近畿卓球選手権大会和歌山県予選 (新宮卓球スポ少 )
熊野三所大神社(くまのさんしょおおみわやしろ)を修復する会(藤社潔会長)は1日、老朽化が懸念されていた那智勝浦町浜ノ宮の熊野三所大神社(髙橋正樹宮司)の本殿修復工事実施に伴う奉告祭を執り行った。工事費用は文化庁(国)や県からの補助金を合わせても不足分があることから、同会では目標金額300万円を目指し寄付の協力を呼び掛けている。
同神社は夫須美大神(ふすみのおおかみ)、家津美御子大神(けつみみこのおおかみ)、速玉大神(はやたまのおおかみ)の三神を主祭神として祭っていることが名称の由来とされる。木造の三つの御神体は1982年に国の重要文化財に指定された。また、本殿は現存様式では全国的にも貴重な建築様式になりつつある「三間社流造 檜皮葺(ひわだぶ)き」。
同会によると、熊野年鑑には欽明天皇時代の563年に鎮座したとされ、社宝の棟礼によると現本殿は1648(慶安元)年に再建したと記載があるという。また、過去には津波などの災害に見舞われたが、そのたび、先人たちの努力によって復興を遂げてきた経緯がある。
数年前から経年劣化や災害による傷みが激しくなり、国や県が現状調査を行い早急な対策が必要と判定。屋根の葺き直しや本殿破損部分の修理などを合わせ工事費用は約4000万円。工事は今月中に着工し11月末に完成予定。
本殿の屋根は伝統工法による檜皮葺きであり、文化的価値も高いことから国から50%、県から6・25%の計56・25%の補助制度が活用できることとなった。修復を応援する地元団体などからの補助を含むと残り300万円ほどの不足となり、このたび、地域住民に寄付の協力を求めることとなった。
同神社の総代長も務める藤社会長は「この神社は地域の貴重な財産であり宝。皆さまの力をお借りして修復したい」と述べ、総代で会計の加藤俊昭さんは「伝統を守り、これからの世代に伝え残していきたい」と語った。
(2019年8月4日付紙面より)
教諭やボラが「わうくらす」講習会
和歌山県動物愛護センターは7月26日、新宮市緑ヶ丘の東牟婁振興局で「わうくらす講習会」を開いた。
「わうくらす」は県内に通学する小学生を対象に、和歌山県が取り組んでいる動物愛護啓発事業「Wakayama Animal Welfare CLASS」の略称。動物を通して命の大切さや他者との関わりを学ぶことにより、子どもたちの豊かな心を育むことを目的としている。
講習会は小学校教諭や同事業の講師補助ボランティア希望者を対象に、動物愛護啓発事業を理解してもらい、命の大切さを考え、子どもたちに伝えるために必要な知識や技能を習得してもらおうと実施している。
参加者は、県動物愛護センターの友居瑞栄さんから犬との接し方や犬と人との関わり、生き物を飼うということ、野生動物との関わりなどを学んだ。
深田啓子さん(63)は、自身が参加するNPO法人和歌山災害救助犬協会の榎本義清理事長に勧められて受講し「今後、子どもたちと接しながら活動していくことになるので、とても参考になりました」と話した。
(2019年8月4日付紙面より)
「湯ごりの郷」で夏祭り (那智勝浦町 )
那智勝浦町湯川の社会福祉法人高瀬会(切士桂理事長)の地域密着型バーデンライフケアセンター「湯ごりの郷」は1日、夏祭り納涼盆踊り大会を開いた。「地域に密着した施設」を目指す湯ごりの郷が2008年の設立当初から続けている行事で12回目。大勢の参加者が夏の夕べを踊りで楽しんだ。
最初にやぐらを囲んでの盆踊りがあった。浴衣姿の女性職員とアロハシャツ姿の男性職員らが涼を演出。古座川町高池の「東(あずま)会」がボランティアとして参加し、華やかに踊りの輪を広げた。
「なぎさ会」による「ひとつ拍子」や「浜ノ宮櫂(かい)踊り保存会」による県の無形民俗文化財の櫂踊りが披露され、フラダンスサークル・ハプナも参加。職員や子どもたちが2020応援ソング『パプリカ』で元気なダンスを見せ、利用者らを楽しませた。露店では焼きそばやたこ焼きなどが振る舞われ、花火大会やお楽しみ抽選会もあった。
切士理事長は「人ごとではなく自分のことと捉えながら連携を取ってやっていこうと国が推進する中、地域密着型施設として立ち上げて以降、行政や関係機関と連携を取りながら日々努力してきました」とあいさつ。「私たちも施設の外に出て、地域のために協力したい。今後も地域の力で高瀬会を育てていただければ」と呼び掛けた。
来賓の堀順一郎町長は「高齢者の方が元気で生き生きと健やかな姿を見せてくれるような町づくりを目指していきたい」。同法人理事の谷洋一県議会議員が「人生100年時代と言われているが、皆さまは戦中戦後の一番苦しい時代と町を支えてこられた。これからもお元気でお過ごしいただきたい」などと祝辞を述べた。
(2019年8月4日付紙面より)
開館50周年を記念し特別展 (くじらの博物館 )
太地町立くじらの博物館(林克紀館長)は、4月2日に開館50周年を迎えたことを記念し、特別展「鯨と歩んだ50年」を開催している。2013年の「鯱(しゃち)展」で来館者の注目を集めたシャチ「波(ナミ)」の全身骨格も展示されている。来年8月31日(月)まで。
同展では▽1969年の開館1年前の準備期間からの歴史を当時の資料や新聞、歴代のパンフレット、ロケ地となった映画やテレビ番組の資料などを基に振り返る「博物館の50年」▽過去50年間に撮りためた貴重な映像作品の数点をデジタル化し、所蔵資料にまつわるエピソードを紙芝居形式で紹介する「映像アーカイブス・デジタル紙芝居」▽潤沢とは言い難い財政事情の中、「鯨髭製帆船模型」「鯨歯彫刻」「鯨髭製印籠」「熊野太地浦捕鯨史」の原稿など、地域や全国の人から寄せられた寄贈資料を展示する「寄贈資料」▽開館当初に飼育していたコビレゴンドウや現在のシワハイルカ、カズハゴンドウ、アシカ、トドなど、歴代の飼育動物を写真パネルや実物標本で説明する「飼育動物の50年」―の四つのテーマに沿って約100点を展示している。
「鯱展」に続き2回目の展示となる「波」は86年から、実に24年間の長きにわたり飼育されてきた、いわば同館のシンボリックな存在。2010年6月に名古屋水族館に移され、翌11年1月に死んだ。
「鯱展」の際には大阪から花が届いたり、「骨になっても会いたかった」と遠方より人が訪れたりとファンが多く、同館学芸員の中江環さんは「問い合わせも多く、50年の節目に再度展示しようということになりました」と話す。同館はこれまで、4頭のシャチを飼育してきた。
同館では「地域や当館ファンの皆さまに支えられ、50年という大きな節目を迎えることができました。展示を多くの方にご覧いただき、これからも末永くクジラたちや当館を愛していただければ」と来場を呼び掛けている。
(2019年8月4日付紙面より)